JP2008174678A - 印刷インキ用樹脂ワニス及び印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、乳化適性及び印刷物の光沢に優れた印刷インキを提供できる印刷インキ用樹脂ワニスおよび該印刷インキを提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明の印刷インキ用樹脂ワニスは、下記(a)及び(b)の条件を共に満足するアルキッド樹脂を含有することを特徴とする。
(a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
(b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。
さらに前記アルキッド樹脂の油長は、50〜90が好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乳化適性及び印刷物の光沢に優れた印刷インキを提供できる印刷インキ用樹脂ワニスおよび該印刷インキに関する。
平版オフセット印刷インキに用いられるアルキッド樹脂は、印刷物の光沢を高める効果があり、印刷インキ用ワニスの原料として一般に用いられている。
しかし一般にアルキッド樹脂は、高酸価、高水酸基価であるため、インキの耐水性や乳化適性を低下させ、印刷物の汚れの原因ともなることから、印刷インキ用樹脂ワニス中におけるアルキッド樹脂の使用量は限定的なものであった。
湿し水を用いる平版オフセット印刷においては、インキの乳化適性は安定した印刷と優れた印刷物を得るために重要な品質特性である。平版オフセット印刷において、印刷機上でインキは湿し水と絶えず接触して乳化されるが、乳化が過小であるとインキの転移不良等の原因となり、乳化が多すぎると印刷物の汚れを起こしやすくなる。従って様々な印刷条件においても安定した乳化状態を保てる印刷インキが求められている。
このアルキッド樹脂の耐水性を改良する手法としては、アルキッド樹脂に含有する水酸基を一価のカルボン酸無水物と反応させて、副生した一価カルボン酸を除去する方法がある(例えば特許文献1参照)。
しかし特許文献1の実施例1〜3に記載されているアルキッド樹脂「アラキード5001」(荒川化学製)の酸価を測定したところ、13.8mgKOH/gであった。この「アラキード5001」を特許文献1の実施例1〜3に記載されているように、一価カルボン酸無水物を反応させ、副生した一価カルボン酸を除去せしめた変性アルキッド樹脂の水酸基価は2以下であるものの、酸価は9〜13mgKOH/gとなり、酸価が高いためインキの乳化適性は十分ではないと思われる。またこの方法では、副生する一価カルボン酸を除去するための工程を付加する必要があるため、生産性が低くなる恐れもある。
また特許文献1の実施例4には、低酸価、低水酸基価の脂肪酸変性エポキシ樹脂を用いた実施例が記載されている。この脂肪酸変性エポキシ樹脂は、平版オフセット印刷インキに用いられる樹脂との相溶性が一般に低く、印刷物(インキ皮膜)の光沢の低下を起こしやすい。
また、特許文献2には、低酸価、低水酸基価のアルキッド樹脂を用いた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物および印刷インキ組成物が記載されている。しかしながら、特許文献2の実施例に記載されているアルキッド樹脂の組成から判断すると、該アルキッド樹脂の油長は50未満であるため、耐水性を改良することができたとしても、良好なインキの流動性ならびに高い光沢を得ることは極めて難しい。
一般に油長の低いアルキッド樹脂は、粘度が高くなるとともに、顔料分散性に劣るので、それを用いたインキの流動性及び光沢は低下することが知られている。
特開平2−251579号公報 特開平2−238013号公報
本発明は、乳化適性及び印刷物の光沢に優れた印刷インキを提供できる印刷インキ用樹脂ワニスおよび該印刷インキを提供することを課題とする。
発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行い、特定範囲内の酸価ならびに水酸基価を有するアルキッド樹脂を用いたワニスを含有する印刷インキは、光沢ならびに乳化適性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の印刷インキ用樹脂ワニスは、下記(a)及び(b)の条件を共に満足するアルキッド樹脂を含有することを特徴とする。
(a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
(b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。
前記の(a)及び(b)の条件を換言すると、本発明のアルキッド樹脂は、固形分酸価が5mgKOH/g以下であり且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である領域イから、固形分酸価が1.5mgKOH/g以下であり且つ固形分水酸基価が5mgKOH/g以下である領域ロを除いた領域に属する。
本発明の印刷インキ用樹脂ワニスを用いる印刷インキは光沢ならびに乳化適性に優れ、該ワニスはオフセット輪転印刷用、枚葉印刷用および新聞印刷用等の印刷インキの原料として好適に使用しうるものである。
本発明の印刷インキ用樹脂ワニスを構成する成分は、アルキッド樹脂を必須とし、その他の印刷インキ用樹脂や溶剤などから成る。
前記の印刷インキ用樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂を用いてもよい。また溶剤としては、芳香族系有機溶剤の含有率が1質量%以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明のアルキッド樹脂は、動植物油およびそれらの脂肪酸、多価カルボン酸および多価アルコールを縮合反応せしめることによって得られる。
前記のアルキッド樹脂の固形分酸価ならびに固形分水酸基価については、後述する動植物油およびそれらの脂肪酸、多価カルボン酸および上記多価アルコールの配合割合によって決定される。
固形分酸価が5mgKOH/gよりも大きい場合、又は固形分水酸基価が15mgKOH/gよりも大きい場合は、乳化が過多となりやすく、インキの乳化適性が劣る。
また固形分酸価が1.5mgKOH以下であり且つ固形分水酸基価が5mgKOH/g以下の場合は、逆に乳化しにくくなりすぎて乳化適性が低下する。
さらにエステル結合が増加して樹脂が高分子量化し、それを用いる印刷インキの皮膜の光沢が低下する。印刷インキの光沢、即ちそのインキで印刷されたインキ皮膜の光沢が高いことは、色の深みや高級感を得るために重要である。
アルキッド樹脂の性質は変性に使用する油の種類とその含有量(油長、単位質量%)に影響される。アルキッド樹脂の油長としては、樹脂の軟化点を考慮すれば、50〜90が好ましいが、目的とする光沢とヒートセット性のバランスを良好に保持する観点から、65〜85となる範囲で用いるのがより好ましい。
前記の動植物油およびそれらの脂肪酸のうち、特に代表的なものを例示すれば、亜麻仁油、大豆油、サフラワー油、支那桐油、あさみ油、えの油、トール油、米糠油、ひまし油、脱水ひまし油、菜種油、綿実油、やし油、魚油、いか肝油などの動植物油ならびにそれらの脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸、ハイ・ジエン脂肪酸などヨウ素価(単位は100gの試料に結合したヨウ素の質量(g))が100以上の不飽和脂肪酸などが挙げられる。また上掲の種々の動植物油およびそれらの不飽和脂肪酸を組み合わせた形で併用することも可能である。
更に前記した動植物油の脂肪酸、前記した植物油の脂肪酸と一価アルコールとのエステル化合物、アマニ油等の2ないし4量体またはそれ以上の重合体等の重合油等も動植物油として使用することができる。動植物油およびそれらの脂肪酸はそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上を混合して用いても良い。
前記の多価カルボン酸として特に代表的なものを例示すれば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、無水ハイミック酸(日立化成工業(株)製品。登録商標)、トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸またはピロメリット酸、不飽和脂肪酸から誘導されたダイマー酸類、あるいはこれらの無水物などが挙げられ、これらの多価カルボン酸は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
前記の多価カルボン酸の中でも、インキの乳化適性を考慮すれば、芳香族カルボン酸が好ましく、さらに印刷物の光沢を考慮すれば、イソフタル酸由来成分をアルキッド樹脂の100質量%中、10〜25質量%含有することが好ましく、18〜23質量%含有することがより好ましい。
前記の多価アルコールとして特に代表的なものを例示すれば、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジアルキル−1,3−プロパンジオール、2,4,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ブチレングリコール、水添ビスフェノールAなどの脂環構造を有するジオール類、ビスフェノールAのエチレンオキサイドの付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイドの付加物などの二価アルコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトール、トリスイソシアヌレートが挙げられる。
また、カルボン酸基を含む多価アルコールを多価アルコールとして用いてもよく、特に代表的なものを例示すれば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジフェノール酸が挙げられる。
動植物油およびそれらの脂肪酸、多価カルボン酸、多価アルコールとの縮合反応は、公知慣用の種々の合成法に従って得られるものであって、その一例のみを挙げるにとどめれば、動植物油と多価アルコールとを一緒に加えて、動植物油のアルコール交換反応を実施した後に、多価カルボン酸を縮合(エステル化)せしめるモノグリセライド法や、動植物油の脂肪酸、多価カルボン酸と多価アルコールとを、一緒に加えて、縮合(エステル化)せしめるという脂肪酸法が一般的である。
なお、前記のような縮合反応を行うに当たっては、反応を促進させるために、スズ系化合物、亜鉛系化合物、チタン系化合物などの金属触媒、あるいはキシレンなどのように水と共沸する不活性溶剤を添加してもよい。
本発明で用いる印刷インキ用樹脂は、ロジン変性フェノール樹脂あるいは、石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂、マレイン酸変性フェノール樹脂、アルキッド樹脂、不飽和ポリエステル、石油樹脂など、印刷用インキ樹脂として一般に用いられているものである。これらの中で好適なものとして、ロジン変性フェノール樹脂や石油樹脂変性ロジン変性フェノール樹脂が挙げられる。
本発明で用いるロジン変性フェノール樹脂は、ロジン類を多価アルコールでエステル化して得られるロジンエステル樹脂にレゾール型フェノール樹脂と反応せしめて得ることができる。
ここで用いるロジン類としては、レゾール型フェノール樹脂と反応するもの、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、重合ロジン、酸変性ロジン、および、これらロジン類を蒸留等により精製したもの等が挙げられ、なかでもガムロジンはレゾール型フェノール樹脂と反応性に優れ、高粘度のロジン変性フェノール樹脂が得られることから好ましい。
前記の酸変性ロジンとしては、二塩基酸またはその無水物で変性したものが好ましい。二塩基酸またはその無水物としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アジピン酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸などが挙げられ、なかでもフマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
前記のロジン変性フェノール樹脂の原料の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられ、なかでもグリセリンおよびペンタエリスリトールが好ましい。
ロジンエステル樹脂の製造方法としては、例えば、ロジン類と多価アルコールとをエステル化触媒に存在下、200〜300℃、好ましくは250〜285℃でエステル化反応させる方法が挙げられる。この際のロジン類と多価アルコールの使用比率は、通常、ロジン類中のカルボン酸1モル当量に対し、多価アルコール中の水酸基が1.5モル当量以下となる比率が好ましく、なかでも0.8〜1.1モル当量となる比率が特に好ましい。
前記ロジンエステル樹脂としては、酸価70mgKOH/g以下のロジンエステル樹脂を使用するが、中でも酸価18mgKOH/g以下のロジンエステル樹脂が好ましい。また、前記ロジンエステル樹脂の水酸基価としては、50mgKOH/g以下であることが好ましい。
本発明で使用するレゾール型フェノール樹脂としては、フェノール類とホルムアルデヒドを水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア水溶液等のアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物や、ノボラック型フェノール樹脂のレゾール化物等が好ましく用いられる。
なかでもフェノール類(P)とホルムアルデヒド(F)をF/P(モル比)が1.5〜3.0となる範囲でアルカリ触媒の存在下で反応させて得られる縮合物が好ましい。
これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1600のものが挙げられるが、なかでも700〜1300のものが好ましい。
前記のフェノール類としては、例えば、フェノール、クレゾール、アミルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール、ビスフェノールAなどが挙げられ、そのなかでもp−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−ドデシルフェノール等のパラ位に炭素原子数4〜12の置換基を持つアルキルフェノールが好ましい。
また、ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドの供給物質が包含され、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
本発明の印刷インキ用樹脂ワニスにおいて、アルキッド樹脂(Aで表す)とロジン変性フェノール樹脂(Bで表す)の固形分質量比(A/B)は、インキの粘着性、粘度、流動性及び乳化適性の観点から、1/35〜20/35であることが好ましく、さらには3/35〜15/35であることがより好ましい。
A/Bが、1/35を下回ると印刷物の光沢が低下し、20/35を上回るとインキの粘度が低下し、一方インキの粘着性が上昇して着肉性(インキが版から被印刷物に良好に転移するかどうか)が低下する。
尚、前記の樹脂の固形分とは樹脂の不揮発分を指し、樹脂を108℃で1時間、送風オーブンにて乾燥し、乾燥前後の質量を測定して計算する。
また本発明の印刷インキの製造においては芳香族系溶剤の含有率が1質量%以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
芳香族系溶剤の含有率が1質量%以下の有機溶剤としては、例えば、印刷インキ用溶剤0号ソルベントH(新日本石油株式会社製、芳香族成分含有率1質量%以下)、AFソルベント4〜7号(新日本石油株式会社社製、芳香族成分含有率1質量%以下)等が挙げられる。
前記の有機溶剤は、本発明のワニスを用いたインキの印刷機上での安定性と乾燥性が良好であるために、沸点が239〜321℃の範囲であることが好ましく、260〜300℃の範囲がより好ましい。また、有機溶剤2種類以上を併用しても良い。
また前記の有機溶剤のアニリン点は63〜94℃の範囲が好ましい。その範囲の有機溶剤を用いることにより、本発明の印刷インキ用樹脂ワニスからなるインキの粘度を適切な値とすることができ、ミストが発生しにくく、また良好な乾燥性と光沢が得られる。
本発明の印刷インキ用樹脂ワニス100質量部を製造する際に、0.01〜3.0質量部のゲル化剤を添加しておくことが好ましい。これによりさらに粘弾性が大きな印刷インキ用ゲルワニスを製造することができ、印刷インキ用ワニスの仕上げに至るまでの工程をすべて一括で実施でき、きわめて経済的である。
使用できるゲル化剤としては、アルミニウムアルコラートやアルミニウム石鹸等のアルミニウム化合物、マンガン、コバルト、ジルコニウム等の金属石鹸、アルカノールアミン系などのゲル化剤などが適当である。
本発明で得た印刷インキ用樹脂ワニスに、黄、紅、藍、墨や炭酸カルシウム等の体質顔料から成る顔料分が10〜25質量%、本発明の印刷インキ用樹脂ワニスが30〜85質量%、上述の有機溶剤が0〜30質量%、大豆油等の植物油や植物油エステル等が0〜30質量%、さらに必要に応じて乾燥抑制剤、ドライヤー、耐摩擦性改良剤等が0.5〜10質量%から成る配合原料を混合し、ロールミル等で練肉分散して印刷インキが得られる。
印刷インキは適切な粘着性及び粘度になるように調製され、枚葉印刷用インキ、オフセット輪転印刷用インキなど、各種の用途に応じた印刷インキが得られる。
また本発明の印刷インキ用樹脂ワニスは新聞インキや凸版インキの原料としても使用することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれ制限されるものではない。なお、例中の部および%は、特に断りのない限り質量基準である。
初めに平版オフセット輪転印刷インキの実施例及び比較例について説明する。
<1.平版オフセット輪転印刷インキ用樹脂ワニスの調製>
[ロジン変性フェノール樹脂ワニスの調製]
ロジン変性フェノール樹脂(品番1126HV。大日本インキ化学工業株式会社製)48部に対して、大豆油20部、AFソルベント7号(新日本石油(株)社製)15部を添加して、220℃で1時間保持した。
その後、AFソルベント7号15.7部、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート1部を添加して、160℃で1時間保持し、さらに、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.3部を加え、実施例及び比較例で用いるロジン変性フェノール樹脂ワニスを調製した。このロジン変性フェノール樹脂ワニスを実施例1〜6および比較例1〜5で使用した。
[実施例1で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−1の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油780部、グリセリン35.6部、ペンタエリスリトール39.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸184.2部、さらに還流用のキシレン30部、ジブチルスズオサイド0.2部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、250℃に10時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は37.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価2.3、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし印刷インキ用樹脂ワニスA−1を得た。
[実施例2で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−2の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油700部、グリセリン48.5部、ペンタエリスリトール53.8部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸250.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、テトライソプロピルチタネート0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が5になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は50.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価4.0、固形分水酸基価12.0のアルキッド樹脂992.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−2を得た。
[実施例3で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−3の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油850部、グリセリン24.6部、ペンタエリスリトール27.3部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸123.9部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、2−エチルヘキサン酸亜鉛0.2部を添加して250℃に12時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は24.1部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価3.2、固形分水酸基価9.5のアルキッド樹脂990.5部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−3を得た。
[実施例4で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−4の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン40.0部、ペンタエリスリトール44.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸157.5部、無水フタル酸46.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は33.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価3.5、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂989.8部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−4を得た。
[実施例5で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−5の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン44.1部、ペンタエリスリトール44.1部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸206部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に12時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は38.2部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を3時間行い、固形分酸価2.6、固形分水酸基価3.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−5を得た。
[実施例6で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスの調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン44.1部、ペンタエリスリトール44.1部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。なお、脱水量は38.2部であった。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸206.2部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に15時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が2になるまでエステル化反応を行った。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を3時間行い、固形分酸価1.0、固形分水酸基価6.7のアルキッド樹脂992.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−6を得た。
[比較例1で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスa−1の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン31.9部、ペンタエリスリトール35.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸165.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に5時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が12になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は28.9部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価10.0、固形分水酸基価15.0のアルキッド樹脂991.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−1を得た。
[比較例2で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスa−2の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン34.0部、ペンタエリスリトール37.7部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸161.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、2−エチルヘキサン酸亜鉛0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が6になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は29.3部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価4.8、固形分水酸基価20.0のアルキッド樹脂990.8部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−2を得た。
[比較例3で用いる印刷インキ用樹脂ワニスa−3の調製]
前記のアルキッド樹脂(A−1)とロジン変性フェノール樹脂の比率が25/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−3を得た。
[比較例4で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスa−4の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン50.1部、ペンタエリスリトール55.5部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸183.9部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に4時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が2になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は32.5部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価0.7、固形分水酸基価48.0のアルキッド樹脂1000.0部を得た。
撹拌機、冷却塔および温度計を具備した反応釜に、このアルキッド樹脂1000部と無水酢酸90部を加え、160℃で5時間反応した。その後、酢酸を留去するために、減圧30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価1.1、固形分水酸基価1.5のアルキッド樹脂993.3部を得た。
このアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−4を得た。
[比較例5で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスの調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン39.3部、ペンタエリスリトール43.6部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸212.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に30時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が5になるまで25時間を要してエステル化反応を行った。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を10時間行ったが、ゲル化したため、固形分酸価1.0、固形分水酸基価1.0のアルキッド樹脂を得ることはできなかった。従って、比較例5のアルキッド樹脂は得ることができず、印刷インキの調製もできなかった。
<2.平版オフセット輪転印刷インキの調製>
実施例1〜6及び比較例1〜4の印刷インキは、下記に配合を示す原料を3本ロールミルを用いて、インキ中の粗大粒子の粒径が2.5μm以下になるように練肉分散して調製し、合計10点のインキを得た。
尚、アロマフリーソルベントであるAF−7号ソルベントの使用量は、インキの25℃におけるラレー粘度が120dPa・sにするのに必要な量である。
前記のA−1〜6およびa−1〜4の印刷インキ用樹脂ワニスそれぞれ・・55部。
カーミン6B・・・・・・・・・・・20部。
AF−7号ソルベント・・・・・・・必要量。
尚、カーミン6Bは大日本インキ化学工業株式会社製の紅顔料である。
<3.平版オフセット輪転印刷インキの評価>
光沢および着肉性の評価はプルーフバウ印刷適性試験機を利用して展色した展色物を用いて行った。印圧400N、印刷スピード6mで、インキ濃度が1.45になるように展色した。そして、その展色物の60°光沢を測定した。光沢の評価基準は82ポイント以上を合格、82ポイント未満を不合格とする。
着肉性の評価は、プルーフバウによる展色の際に、紙向けの発生しないものを○、発生したものを×とする。
尚、プルーフバウ印刷適性試験機は、ドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発されたオフセット印刷インキの試験機で、広く用いられている。
水幅の評価は、ローランド社製のローランド700印刷機を用いて行った。尚、水幅とは、印刷物の濃度が0.1ポイント以上ダウンする事もなく、また汚れる事もなく印刷出来る印刷機の水ダイヤルの目盛りの数値の幅である。この幅が広ければ広い程、乳化適性に優れたインキである。
水ダイヤルの数値を下げていくと湿し水の供給量が減り、汚れが発生しやすくなる。また数値を上げると供給量が増加し、インキの乳化が過多になると印刷物の濃度が低下しやすくなる。水幅の評価基準は上限の基準値を82以上とし、下限の基準値を32以下とした。
ヒートセット性の評価は、RIテスターを用いてOKトップコート紙に展色した展色物を用いて行った。展色直後に、100℃に保温された乾燥機に20秒間放置した。その後、取り出し、指蝕にて展色物のべた付き具合を評価した。べた付きがない場合、ヒートセット性○、やや残る場合△、べたつきが相当程度残っている場合を×とする。
実施例1〜6のインキの評価結果を表1に、比較例1〜4の評価結果を表2に示す。表中の比率は該成分のインキ中の質量%を表す。
比較例1〜3は水幅が基準に達していない。また比較例4は光沢が低いことがわかる。また比較例3はアルキッド樹脂がロジン変性フェノール樹脂に対して過剰であるため着肉性が低下している。
Figure 2008174678
Figure 2008174678
次に平版オフセット枚葉印刷インキの実施例及び比較例について説明する。
<4.平版オフセット枚葉印刷インキ用樹脂ワニスの調製>
[ロジン変性フェノール樹脂ワニスの調製]
ロジン変性フェノール樹脂(品番1126HV。大日本インキ化学工業株式会社製)40部に対して、大豆油35部、AFソルベント6号(新日本石油(株)社製)15部を添加して、220℃で1時間保持した。
その後、AFソルベント6号9.9部、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート1部を添加して、160℃で1時間保持し、さらに、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.1部を加え、実施例及び比較例で用いるロジン変性フェノール樹脂ワニスを調製した。このロジン変性フェノール樹脂ワニスを実施例7および比較例6〜7で使用した。
[実施例7で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスA−7の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油780部、グリセリン35.6部、ペンタエリスリトール39.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸184.2部、さらに還流用のキシレン30部、ジブチルスズオサイド0.2部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、250℃に10時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は37.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価2.3、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−7を得た。
[比較例6で用いるアルキッド樹脂および印刷インキ用樹脂ワニスa−6の調製]
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン31.9部、ペンタエリスリトール35.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸165.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に5時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が12になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は28.9部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価10.0、固形分水酸基価15.0のアルキッド樹脂991.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−6を得た。
[比較例7で用いる印刷インキ用樹脂ワニスa−7の調製]
前記のアルキッド樹脂A−7とロジン変性フェノール樹脂の比率が25/35になるようにブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−7を得た。
<5.平版オフセット枚葉印刷インキの調製>
実施例7及び比較例6〜7の合計3点の印刷インキは、原料を下記に示す配合で、3本ロールミルを用いて、インキ中の粗大粒子の粒径が2.5μm以下になるように練肉分散することによって得た。
前記のA−7およびa−5〜6の印刷インキ用樹脂ワニスそれぞれ・・55部。
カーミン6B・・・・・・・・・・・・・・20部。
AF−6号ソルベント・・・・・・・・・・必要量。
尚、アロマフリーソルベントであるAF−6号ソルベントの使用量は、インキの25℃におけるラレー粘度が180dPa・sにするのに必要な量である。
<6.平版オフセット枚葉印刷インキの評価>
光沢、水幅、着肉性の試験法、評価基準は前記オフセット輪転印刷インキの評価法に
準ずる。
常温セット性の評価には自動セット試験機を用いて行なった。RIテスターを用いて
OKトップコート紙にインキ盛り0.125ccで展色し、展色後直ちに試験用上質紙と共に自動セット試験機にセットする。常温セット性の評価基準は15分以上セットしないものを不合格とする。
実施例7及び比較例6〜7のインキの評価結果を表3に示す。表中の比率は該成分のインキ中の質量%を表す。
比較例6、7はいずれも水幅が基準に達していない。また比較例7はアルキッド樹脂がロジン変性フェノール樹脂に対して過剰であるため着肉性が低下している。
Figure 2008174678
本発明の印刷インキ用樹脂ワニスを用いる印刷インキは光沢ならびに乳化適性に優れ、該ワニスはオフセット輪転印刷用、枚葉印刷用および新聞印刷用等の印刷インキの原料として好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記(a)及び(b)の条件を共に満足するアルキッド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニス。
    (a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
    (b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。
  2. 前記アルキッド樹脂の油長が50〜90のアルキッド樹脂である請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  3. 前記アルキッド樹脂がイソフタル酸由来成分を含有するアルキッド樹脂である請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  4. 前記アルキッド樹脂のイソフタル酸由来成分の含有量が10〜25質量%である請求項3に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  5. 前記アルキッド樹脂が、ヨウ素価100以上の動植物油と、イソフタル酸を含有する多価カルボン酸と、多価アルコールとを反応させて得られるアルキッド樹脂である請求項3に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  6. 前記アルキッド樹脂と共に、ロジン変性フェノール樹脂を含有する請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  7. 前記アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂との質量比(=(アルキッド樹脂の固形分)/(ロジン変性フェノール樹脂の固形分))が1/35〜20/35である請求項6に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷インキ用樹脂ワニスを用いてなることを特徴とする印刷インキ。
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