JP2008174678A - 印刷インキ用樹脂ワニス及び印刷インキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の印刷インキ用樹脂ワニスは、下記(a)及び(b)の条件を共に満足するアルキッド樹脂を含有することを特徴とする。
(a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
(b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。
さらに前記アルキッド樹脂の油長は、50〜90が好ましい。
【選択図】 なし
Description
しかし一般にアルキッド樹脂は、高酸価、高水酸基価であるため、インキの耐水性や乳化適性を低下させ、印刷物の汚れの原因ともなることから、印刷インキ用樹脂ワニス中におけるアルキッド樹脂の使用量は限定的なものであった。
しかし特許文献1の実施例1〜3に記載されているアルキッド樹脂「アラキード5001」(荒川化学製)の酸価を測定したところ、13.8mgKOH/gであった。この「アラキード5001」を特許文献1の実施例1〜3に記載されているように、一価カルボン酸無水物を反応させ、副生した一価カルボン酸を除去せしめた変性アルキッド樹脂の水酸基価は2以下であるものの、酸価は9〜13mgKOH/gとなり、酸価が高いためインキの乳化適性は十分ではないと思われる。またこの方法では、副生する一価カルボン酸を除去するための工程を付加する必要があるため、生産性が低くなる恐れもある。
また特許文献1の実施例4には、低酸価、低水酸基価の脂肪酸変性エポキシ樹脂を用いた実施例が記載されている。この脂肪酸変性エポキシ樹脂は、平版オフセット印刷インキに用いられる樹脂との相溶性が一般に低く、印刷物(インキ皮膜)の光沢の低下を起こしやすい。
一般に油長の低いアルキッド樹脂は、粘度が高くなるとともに、顔料分散性に劣るので、それを用いたインキの流動性及び光沢は低下することが知られている。
(a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
(b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。
前記の(a)及び(b)の条件を換言すると、本発明のアルキッド樹脂は、固形分酸価が5mgKOH/g以下であり且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である領域イから、固形分酸価が1.5mgKOH/g以下であり且つ固形分水酸基価が5mgKOH/g以下である領域ロを除いた領域に属する。
前記の印刷インキ用樹脂としては、ロジン変性フェノール樹脂を用いてもよい。また溶剤としては、芳香族系有機溶剤の含有率が1質量%以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
固形分酸価が5mgKOH/gよりも大きい場合、又は固形分水酸基価が15mgKOH/gよりも大きい場合は、乳化が過多となりやすく、インキの乳化適性が劣る。
さらにエステル結合が増加して樹脂が高分子量化し、それを用いる印刷インキの皮膜の光沢が低下する。印刷インキの光沢、即ちそのインキで印刷されたインキ皮膜の光沢が高いことは、色の深みや高級感を得るために重要である。
これらレゾール型フェノール樹脂の平均核体数としては、通常平均1〜10核体のものを通常用いるが、なかでも平均3〜6核体のものを主な成分とするものが好ましい。重量平均分子量としては、200〜1600のものが挙げられるが、なかでも700〜1300のものが好ましい。
また、ホルムアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドの供給物質が包含され、ホルムアルデヒド、バラホルムアルデヒドなどが挙げられる。
A/Bが、1/35を下回ると印刷物の光沢が低下し、20/35を上回るとインキの粘度が低下し、一方インキの粘着性が上昇して着肉性(インキが版から被印刷物に良好に転移するかどうか)が低下する。
尚、前記の樹脂の固形分とは樹脂の不揮発分を指し、樹脂を108℃で1時間、送風オーブンにて乾燥し、乾燥前後の質量を測定して計算する。
芳香族系溶剤の含有率が1質量%以下の有機溶剤としては、例えば、印刷インキ用溶剤0号ソルベントH(新日本石油株式会社製、芳香族成分含有率1質量%以下)、AFソルベント4〜7号(新日本石油株式会社社製、芳香族成分含有率1質量%以下)等が挙げられる。
前記の有機溶剤は、本発明のワニスを用いたインキの印刷機上での安定性と乾燥性が良好であるために、沸点が239〜321℃の範囲であることが好ましく、260〜300℃の範囲がより好ましい。また、有機溶剤2種類以上を併用しても良い。
印刷インキは適切な粘着性及び粘度になるように調製され、枚葉印刷用インキ、オフセット輪転印刷用インキなど、各種の用途に応じた印刷インキが得られる。
また本発明の印刷インキ用樹脂ワニスは新聞インキや凸版インキの原料としても使用することができる。
<1.平版オフセット輪転印刷インキ用樹脂ワニスの調製>
[ロジン変性フェノール樹脂ワニスの調製]
ロジン変性フェノール樹脂(品番1126HV。大日本インキ化学工業株式会社製)48部に対して、大豆油20部、AFソルベント7号(新日本石油(株)社製)15部を添加して、220℃で1時間保持した。
その後、AFソルベント7号15.7部、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート1部を添加して、160℃で1時間保持し、さらに、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.3部を加え、実施例及び比較例で用いるロジン変性フェノール樹脂ワニスを調製した。このロジン変性フェノール樹脂ワニスを実施例1〜6および比較例1〜5で使用した。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油780部、グリセリン35.6部、ペンタエリスリトール39.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸184.2部、さらに還流用のキシレン30部、ジブチルスズオサイド0.2部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、250℃に10時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は37.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価2.3、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし印刷インキ用樹脂ワニスA−1を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油700部、グリセリン48.5部、ペンタエリスリトール53.8部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸250.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、テトライソプロピルチタネート0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が5になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は50.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価4.0、固形分水酸基価12.0のアルキッド樹脂992.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−2を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油850部、グリセリン24.6部、ペンタエリスリトール27.3部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸123.9部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、2−エチルヘキサン酸亜鉛0.2部を添加して250℃に12時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は24.1部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価3.2、固形分水酸基価9.5のアルキッド樹脂990.5部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−3を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン40.0部、ペンタエリスリトール44.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸157.5部、無水フタル酸46.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は33.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価3.5、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂989.8部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−4を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン44.1部、ペンタエリスリトール44.1部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸206部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に12時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は38.2部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を3時間行い、固形分酸価2.6、固形分水酸基価3.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−5を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン44.1部、ペンタエリスリトール44.1部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。なお、脱水量は38.2部であった。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸206.2部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に15時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が2になるまでエステル化反応を行った。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を3時間行い、固形分酸価1.0、固形分水酸基価6.7のアルキッド樹脂992.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−6を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン31.9部、ペンタエリスリトール35.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸165.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に5時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が12になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は28.9部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価10.0、固形分水酸基価15.0のアルキッド樹脂991.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−1を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン34.0部、ペンタエリスリトール37.7部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸161.8部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、2−エチルヘキサン酸亜鉛0.2部を添加して250℃に8時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が6になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は29.3部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価4.8、固形分水酸基価20.0のアルキッド樹脂990.8部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−2を得た。
前記のアルキッド樹脂(A−1)とロジン変性フェノール樹脂の比率が25/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−3を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン50.1部、ペンタエリスリトール55.5部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸183.9部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に4時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が2になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は32.5部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価0.7、固形分水酸基価48.0のアルキッド樹脂1000.0部を得た。
撹拌機、冷却塔および温度計を具備した反応釜に、このアルキッド樹脂1000部と無水酢酸90部を加え、160℃で5時間反応した。その後、酢酸を留去するために、減圧30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価1.1、固形分水酸基価1.5のアルキッド樹脂993.3部を得た。
このアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−4を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油750部、グリセリン39.3部、ペンタエリスリトール43.6部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸212.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に30時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が5になるまで25時間を要してエステル化反応を行った。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を10時間行ったが、ゲル化したため、固形分酸価1.0、固形分水酸基価1.0のアルキッド樹脂を得ることはできなかった。従って、比較例5のアルキッド樹脂は得ることができず、印刷インキの調製もできなかった。
実施例1〜6及び比較例1〜4の印刷インキは、下記に配合を示す原料を3本ロールミルを用いて、インキ中の粗大粒子の粒径が2.5μm以下になるように練肉分散して調製し、合計10点のインキを得た。
尚、アロマフリーソルベントであるAF−7号ソルベントの使用量は、インキの25℃におけるラレー粘度が120dPa・sにするのに必要な量である。
前記のA−1〜6およびa−1〜4の印刷インキ用樹脂ワニスそれぞれ・・55部。
カーミン6B・・・・・・・・・・・20部。
AF−7号ソルベント・・・・・・・必要量。
尚、カーミン6Bは大日本インキ化学工業株式会社製の紅顔料である。
光沢および着肉性の評価はプルーフバウ印刷適性試験機を利用して展色した展色物を用いて行った。印圧400N、印刷スピード6mで、インキ濃度が1.45になるように展色した。そして、その展色物の60°光沢を測定した。光沢の評価基準は82ポイント以上を合格、82ポイント未満を不合格とする。
着肉性の評価は、プルーフバウによる展色の際に、紙向けの発生しないものを○、発生したものを×とする。
尚、プルーフバウ印刷適性試験機は、ドイツのFOGRA印刷製版研究所で開発されたオフセット印刷インキの試験機で、広く用いられている。
水ダイヤルの数値を下げていくと湿し水の供給量が減り、汚れが発生しやすくなる。また数値を上げると供給量が増加し、インキの乳化が過多になると印刷物の濃度が低下しやすくなる。水幅の評価基準は上限の基準値を82以上とし、下限の基準値を32以下とした。
実施例1〜6のインキの評価結果を表1に、比較例1〜4の評価結果を表2に示す。表中の比率は該成分のインキ中の質量%を表す。
比較例1〜3は水幅が基準に達していない。また比較例4は光沢が低いことがわかる。また比較例3はアルキッド樹脂がロジン変性フェノール樹脂に対して過剰であるため着肉性が低下している。
<4.平版オフセット枚葉印刷インキ用樹脂ワニスの調製>
[ロジン変性フェノール樹脂ワニスの調製]
ロジン変性フェノール樹脂(品番1126HV。大日本インキ化学工業株式会社製)40部に対して、大豆油35部、AFソルベント6号(新日本石油(株)社製)15部を添加して、220℃で1時間保持した。
その後、AFソルベント6号9.9部、エチルアセトアセテートアルミニウムジノルマルブチレート1部を添加して、160℃で1時間保持し、さらに、BHT(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール)0.1部を加え、実施例及び比較例で用いるロジン変性フェノール樹脂ワニスを調製した。このロジン変性フェノール樹脂ワニスを実施例7および比較例6〜7で使用した。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油780部、グリセリン35.6部、ペンタエリスリトール39.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸184.2部、さらに還流用のキシレン30部、ジブチルスズオサイド0.2部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、250℃に10時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が4になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は37.6部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価2.3、固形分水酸基価8.0のアルキッド樹脂990.3部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂と前記のロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスA−7を得た。
撹拌機、精留塔および温度計を具備した反応釜に、大豆油800部、グリセリン31.9部、ペンタエリスリトール35.4部を配合し、250℃で1時間程度保持して、アルコール交換反応を行った。
150℃に降温して精留塔の代わりにデカンター分離器を具備し、イソフタル酸165.3部、さらに還流用のキシレン30部を加え、250℃まで徐々に加熱した後に、ジブチルスズオキサイド0.2部を添加して250℃に5時間程度保持して脱水しながら、固形分酸価が12になるまでエステル化反応を行った。なお、脱水量は28.9部であった。
次に、キシレンを脱溶剤するために、250℃を保持しながら、30Torr程度で減圧反応を2時間行い、固形分酸価10.0、固形分水酸基価15.0のアルキッド樹脂991.4部を得た。
アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂の比率が5/35になるように、得られたアルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂ワニスをブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−6を得た。
前記のアルキッド樹脂A−7とロジン変性フェノール樹脂の比率が25/35になるようにブレンドし、印刷インキ用樹脂ワニスa−7を得た。
実施例7及び比較例6〜7の合計3点の印刷インキは、原料を下記に示す配合で、3本ロールミルを用いて、インキ中の粗大粒子の粒径が2.5μm以下になるように練肉分散することによって得た。
前記のA−7およびa−5〜6の印刷インキ用樹脂ワニスそれぞれ・・55部。
カーミン6B・・・・・・・・・・・・・・20部。
AF−6号ソルベント・・・・・・・・・・必要量。
尚、アロマフリーソルベントであるAF−6号ソルベントの使用量は、インキの25℃におけるラレー粘度が180dPa・sにするのに必要な量である。
光沢、水幅、着肉性の試験法、評価基準は前記オフセット輪転印刷インキの評価法に
準ずる。
常温セット性の評価には自動セット試験機を用いて行なった。RIテスターを用いて
OKトップコート紙にインキ盛り0.125ccで展色し、展色後直ちに試験用上質紙と共に自動セット試験機にセットする。常温セット性の評価基準は15分以上セットしないものを不合格とする。
実施例7及び比較例6〜7のインキの評価結果を表3に示す。表中の比率は該成分のインキ中の質量%を表す。
比較例6、7はいずれも水幅が基準に達していない。また比較例7はアルキッド樹脂がロジン変性フェノール樹脂に対して過剰であるため着肉性が低下している。
Claims (8)
- 下記(a)及び(b)の条件を共に満足するアルキッド樹脂を含有することを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニス。
(a)固形分酸価が1.5〜5mgKOH/gであるか、又は固形分水酸基価が5〜15mgKOH/gである。
(b)固形分酸価が5mgKOH/g以下であり、且つ固形分水酸基価が15mgKOH/g以下である。 - 前記アルキッド樹脂の油長が50〜90のアルキッド樹脂である請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 前記アルキッド樹脂がイソフタル酸由来成分を含有するアルキッド樹脂である請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 前記アルキッド樹脂のイソフタル酸由来成分の含有量が10〜25質量%である請求項3に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 前記アルキッド樹脂が、ヨウ素価100以上の動植物油と、イソフタル酸を含有する多価カルボン酸と、多価アルコールとを反応させて得られるアルキッド樹脂である請求項3に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 前記アルキッド樹脂と共に、ロジン変性フェノール樹脂を含有する請求項1に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 前記アルキッド樹脂とロジン変性フェノール樹脂との質量比(=(アルキッド樹脂の固形分)/(ロジン変性フェノール樹脂の固形分))が1/35〜20/35である請求項6に記載の印刷インキ用樹脂ワニス。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の印刷インキ用樹脂ワニスを用いてなることを特徴とする印刷インキ。
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