JP2946550B2 - エピクロルヒドリンゴム組成物 - Google Patents

エピクロルヒドリンゴム組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エピクロルヒドリンゴム組成物に関する。
更に詳しくは、耐酸敗燃料油性を改善したエピクロルヒ
ドリンゴム組成物に関する。
〔従来の技術〕
燃料油はタンクなどに保管されるが、タンクの燃料油
口には一般に揮発防止のためにゴムパッキンが使用され
ており、このゴムパッキンには、オールシーズンの乗用
車タンクを考えると約−30〜+80℃の使用温度範囲や燃
料油の長期保管による酸敗を考慮した耐酸敗燃料油性な
どが要求される。
耐寒性(−30℃でのゴム柔軟性)や耐燃料油性にすぐ
れたゴムとしてはエピクロルヒドリンゴムが知られてい
るが、このゴムも酸敗燃料油に対しては軟化劣化するた
め、長期間の使用に際しては耐久性に問題がみられる。
また、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴム
は、対酸敗燃料油性にすぐれており、長期間の使用に際
しても安定したシール性が期待できるが耐寒性が悪く、
一方耐寒性を改良すると燃料油に対しての膨潤性が大き
くなり、シール素材としての適性を欠いており、更に価
格的に高く、取扱性にも問題がみられる。
〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の目的は、エピクロルヒドリンゴムの耐酸敗燃
料油性を改善し、ガソリン、軽油などの燃料油のシール
用パッキンの成形材料として有用なエピクロルヒドリン
ゴム組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
かかる本発明の目的は、エピクロルヒドリンゴム約95
〜60重量%およびアクリロニトリル・ブタジエンゴム約
5〜40重量%よりなるブレンドゴム100重量部に対し約2
0〜40重量部の乾式シリカを添加したエピクロルヒドリ
ンゴム組成物によって達成される。
エピクロルヒドリンとのブレンドゴム中、アクリロニ
トリル・ブタジエンゴムの割合がこれより少ないと、本
発明の目的とする耐酸敗燃料油性の改善が達成されず、
一方これより多い割合で用いられると、エピクロルヒド
リンが本来有する性質が十分発揮されないようになる。
即ち、それぞれ酸敗燃料油により、軟化するエピクロル
ヒドリンの性質を硬化するアクリロニトリル・ブタジエ
ンゴムの性質とが互いに打ち消し合い、軟化と硬化とが
バランスした割合として上記範囲が選択される。
これらのブレンドゴムには、これらそれぞれの性質が
独立しないように、両方に共通に作用する乾式シリカ、
好ましくは歪特性との関係でシランカップリングと併用
された乾式シリカが、ブレンドゴム100重量部当り約20
〜40重量部、好ましくは約10〜30重量部の割合で添加さ
れる。こうした乾式シリカに代えて、一般に充填・補強
剤として用いられているカーボンブラックのみを用いた
場合には、常態値の低下ばかりでなく、ゴムに若干の軟
化がみられる。
以上の各成分を必須成分とする本発明の組成物中に
は、パーオキサイド系加硫剤、カーボンブラックなどの
充填・補強剤、ジオクチルフタレートなどの可塑剤、ス
テアリン酸などの滑剤、老化防止剤などを適宜配合し、
オープンロール、密閉式混練機などを用いて混練する。
混練物は、一般に約160〜180℃の温度に約5〜30分間程
度加熱することにより、燃料油シール用パッキンなどに
加硫成形される。
〔発明の効果〕
ガソリン、軽油などの燃料油は、長期保管中酸敗し、
その酸敗成分が燃料油タンク口のゴムシールを硬化クラ
ック化または軟化、劣化させてシールを破損させ、油漏
れを生ずることがあるが、本発明に係るエピクロルヒド
リンゴム組成物は耐酸敗燃料油性が改善されているの
で、それから成形されたシール用パッキンはもはやこの
ような原因に基づく油漏れを発生させない。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1〜2、比較例1〜5 次の表1に示された割合の各配合成分をオープンロー
ルで混練し、165℃で20分間加硫成形した。
得られた加硫物について、常態値(JIS K−6301準
拠)および低温性(温度回復曲線で10%回復温度TR
10値)を測定すると共に、酸敗燃料油と同様の性質を示
す代替油(ラウロイルパーオキサイド添加灯油)中への
加熱浸漬試験を行った。
測定結果は、次の表2に示され、この結果から次のよ
うなことがいえる。
(1)乾式シリカを用いずに、その分カーボンブラック
を用いた比較例1では、常態値が劣るばかりではなく、
ゴムに若干の軟化がみられた。
(2)アクリロニトリル・ブタジエンゴムを用いない比
較例2では、引張強さが低下し、硬化や軟化がみられ
た。
(3)水添アクリロニトリル・ブタジエンゴム単体では
耐寒性が悪く、耐寒性を改善したアクリロニトリル・ブ
タジエンゴムとのブレンドゴムではゴムに硬化がみられ
る。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 71/00 - 71/14 C08K 3/36 C08L 9/00 - 9/10 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エピクロルヒドリンゴム95〜60重量%およ
    びアクリロニトリル・ブタジエンゴム5〜40重量%より
    なるブレンドゴム100重量部に対し20〜40重量部の乾式
    シリカを添加してなるエピクロルヒドリンゴム組成物。
  2. 【請求項2】燃料油シール用パッキンの加硫成形に用い
    られる請求項1記載のエピクロルヒドリンゴム組成物。
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