JPH07268148A - 耐熱防振ゴム用ゴム組成物 - Google Patents

耐熱防振ゴム用ゴム組成物

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JPH07268148A
JPH07268148A JP6321994A JP6321994A JPH07268148A JP H07268148 A JPH07268148 A JP H07268148A JP 6321994 A JP6321994 A JP 6321994A JP 6321994 A JP6321994 A JP 6321994A JP H07268148 A JPH07268148 A JP H07268148A
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彰広 柴原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、耐久性及び耐ヘタリ性の全べてに優
れた耐熱防振ゴム用ゴム組成物を提供すること。 【構成】 ポリマー分子量が20万以上、ポリマー粘度
(ML1+4 :121℃)が120以上のエチレン−プロ
ピレン−ジエン三元共重合体を用い、該三元共重合体の
100重量部に対して、2.5〜8重量部のパーオキサ
イド、並びに30重量部以上の、ジブチルフタレート吸
収量が140ml/100g 以上のカーボンブラックを配合せ
しめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、耐熱防振ゴム用の改良されたゴ
ム組成物に係り、特に耐熱性、耐久性及び耐ヘタリ性の
全べてにおいて優れた特性を兼ね備え、エンジンマウン
ト用ゴム組成物等として、特に好適に用いられ得る耐熱
防振ゴム用ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来より、防振ゴム、例えば自動車のエン
ジンマウント等には、防振特性及び耐久性に優れた天然
ゴムや、かかる天然ゴムに所定の合成ゴムをブレンドし
た、所謂天然ゴムブレンドが、広く用いられてきてい
る。
【0003】一方、近年においては、自動車に対して、
低燃費化や車外騒音の低減等の要望がより一段と高まっ
ており、それに伴って、防振ゴムに対しても、その物性
の向上が、強く求められている。
【0004】ところが、上述の如き従来の防振ゴムにあ
っては、そのような自動車の高性能化に伴う要求に対し
て、十分に応え得るものではなかった。即ち、自動車に
おいては、その高性能化をより高度に実現せしめる上
で、エンジンルームの温度が上昇してしまうことが避け
られず、それ故、そのようなエンジンルーム内やその近
傍に取り付けられる防振ゴムに対して、特に優れた耐熱
性が要求されることとなるが、従来の防振ゴムにあって
は、その主原料たる天然ゴムが、熱に弱く、高温下にお
いて、或いは長時間の熱雰囲気に晒されると、物性の低
下やヘタリ現象等が惹起されるといった大きな欠点を有
するものであるがために、優れた耐熱性を得ることが極
めて困難であったのである。
【0005】そのため、近年では、高度な耐熱性を備え
た、防振ゴムとしての用途に適するゴム材料が種々検討
されており、例えば、特開平3−227343号公報に
は、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体100重量
部に対して、カーボンブラックを20〜120重量部の
割合となる範囲にて含有せしめてなる耐熱防振ゴム用ゴ
ム組成物が、提示されている。
【0006】また、かかる公報には、そのような耐熱防
振ゴム用ゴム組成物が、天然ゴムよりも数段優れた耐熱
性を有する合成ゴムであるエチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体を主成分として含有していることによって、
高度な耐熱性を備えており、しかも特定のカーボンブラ
ック、即ちエチレン−プロピレン−ジエン共重合体に対
する分散性に優れたカーボンブラックを、所定の割合と
なる範囲内において含んでいることによって、優れた耐
久性をも兼備せしめられ得、以てエンジンマウント等の
防振ゴムの材料として、極めて有利に用いられ得ること
が明らかにされている。
【0007】しかしながら、前記公報に開示の耐熱防振
ゴム用ゴム組成物にあっては、かかる公報の第7頁左上
欄第12〜20行に記載されている如く、加硫剤とし
て、イオウ系化合物が添加せしめられ、イオウ加硫によ
って、防振ゴムが製造され得るようになっており、それ
がために、耐ヘタリ性が低く、実際には、エンジンマウ
ント用の材料として、実用的に十分満足し得るものと
は、到底、言い難いものであった。
【0008】尤も、そのような耐ヘタリ性の低下を阻止
する手段としては、加硫剤として、イオウ化合物に代え
て、パーオキサイドを用いることが考えられるが、そう
すると、今度は耐久性が低下してしまうといった新たな
問題が惹起せしめられることとなるのである。
【0009】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
に鑑みて為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、耐熱性、耐久性及び耐ヘタリ性の全べてに優れ
た耐熱防振ゴム用ゴム組成物を提供することにある。
【0010】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かかる課題の
解決のために、ポリマー分子量が20万以上、ポリマー
粘度(ML1+4 :121℃)が120以上のエチレン−
プロピレン−ジエン三元共重合体を用い、該三元共重合
体の100重量部に対して、2.5〜8重量部のパーオ
キサイド、並びに30重量部以上の、ジブチルフタレー
ト吸収量が140ml/100g 以上のカーボンブラックを配
合せしめてなる耐熱防振ゴム用ゴム組成物を、その特徴
とするものである。
【0011】
【具体的構成・作用】ところで、このような本発明に従
うゴム組成物において、主成分として使用されるエチレ
ン−プロピレン−ジエン三元共重合体は、ポリマー分子
量が20万以上で、且つポリマー粘度、即ちJIS K
6300に規定される未加硫ゴム物理試験方法に従っ
て、L形ロータを使用し、予熱時間1分、ロータの作動
時間4分、試験温度121℃の条件にて測定されたムー
ニー粘度が120以上でなければならない。けだし、ポ
リマー分子量が20万未満のもので、ポリマー粘度が1
20未満であるものは、物性が低く、特に耐久性が極端
に低下してしまうからであり、また、そのような低分子
量、低粘度のエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合
体を用いてなるゴム材料にあっては、その静的ばね定数
に対する動的ばね定数の比にて表される動倍率が著しく
高くなってしまい、エンジンマウント等、高周波微小振
幅の入力振動に対しても優れた防振効果が要求される防
振ゴムとしては、到底、実用に供され得ないものとなっ
てしまうからである。なお、その意味からして、かかる
エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体のポリマー
分子量は30万以上であることが好ましい。
【0012】そして、このようなエチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合体が高度な耐熱性を有しており、そ
れによって、本発明に係るゴム組成物に対して、優れた
耐熱性が付与せしめられ得るようになっているのであ
る。なお、かかるエチレン−プロピレン−ジエン三元共
重合体中に含まれるジエン成分の種類は、何等限定され
るものではなく、従来よりゴム組成物の原料として用い
られているものが何れも使用され得る。また、このエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体におけるエチレ
ン成分、プロピレン成分、ジエン成分の組成割合も特に
限定されるものではなく、ゴム組成物の要求特性等に応
じて、適宜に決定され得ることとなる。
【0013】ところで、前述した如く、かかるエチレン
−プロピレン−ジエン三元共重合体は、防振ゴムの材料
として使用される上において、耐久性に問題を有してお
り、これを改良するためには、カーボンブラックの配合
が極めて有効である。しかしながら、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体は、カーボンブラックとの親
和性が低く、特に本発明において用いられるそれにあっ
ては、高分子量化せしめられているがために、練り加工
性に乏しく、それ故、カーボンブラックの分散性にも劣
っている。
【0014】一方、よく知られているように、カーボン
ブラックは、通常、多数の粒子が凝集せしめられたスト
ラクチャーとして、存在しており、このストラクチャー
の発達の程度が大きい程、換言すれば粒子相互の絡み合
いが大きい程、粒子表面の活性が高くなっている。ま
た、そのようなカーボンブラックにおいては、粒子相互
の絡み合いが大きいもの程、油の吸収能力が大きいとい
った特徴を有している。つまり、カーボンブラックは、
油の吸収量が多いもの程、粒子表面の活性が高いのであ
り、即ち配合物に対して優れた分散性を示すのである。
【0015】従って、本発明に従うゴム組成物にあって
は、ジブチルフタレート(DBP)吸収量が140ml/1
00g 以上といった高い値を有するカーボンブラックが用
いられていなければならないのであり、それによって、
カーボンブラックの分散性に劣るエチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合体に対しても、かかるカーボンブラ
ックがより良好に分散せしめられ得、以てその耐久性が
効果的に向上され得るのである。そして、その点におい
て、本発明において用いられるカーボンブラックのDB
P吸収量は、160ml/100g 以上であることが望まし
い。
【0016】また、本発明に係るゴム組成物において
は、そのようなカーボンブラックが、エチレン−プロピ
レン−ジエン三元共重合体の100重量部に対して30
重量部以上の割合で配合せしめられている必要がある。
けだし、その配合量が30重量部未満のものにあって
は、練り加工性が悪化して、カーボンブラックが良好に
分散され得ず、耐久性の向上が望めなくなってしまうか
らである。そして、その点からして、かかる配合量が、
40重量部以上であることが、より好ましい。
【0017】なお、本発明においては、ゴム組成物の耐
久性をより高める上で、そのようなカーボンブラックの
配合量の上限が特に限定されるものではないが、それが
あまりに多量になると、前記した如き動倍率が高くなっ
てしまい、エンジンマウント等の防振ゴムの材料とし
て、不都合なものとなることから、実用的には、カーボ
ンブラックが、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重
合体の100重量部に対して120重量部程度までの範
囲内で配合せしめられていることが、望ましい。また、
カーボンブラックの種別や平均粒子径等も、何等限定さ
れるものではなく、ゴム組成物の補強剤として、従来よ
り用いられているものが、何れも使用され得る。
【0018】そして、本発明に従うゴム組成物にあって
は、加硫剤として、特にパーオキサイドが、しかもエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体の100重量部
に対して、2.5〜8重量部となる割合の範囲内におい
て、配合せしめられている。何故なら、かかるパーオキ
サイドが2.5重量部よりも少ない量で配合せしめられ
る場合においては、架橋密度が低過ぎて、耐ヘタリ性が
低下してしまうからであり、それが8重量部を越えて多
量に配合せしめられると、今度は逆に架橋密度が過大と
なり、ゴム組成物の物性が著しく悪化し、それに伴っ
て、耐久性も低下することとなるからである。
【0019】また、本発明においては、そのようなパー
オキサイドの種類が特に限定されるものではなく、従来
より、ゴム組成物のパーオキサイド加硫に用いられるも
のが何れも採用され得るのであって、それらの中から、
1種又は2種以上が組み合わされて、使用されることと
なる。
【0020】要するに、本発明に従うゴム組成物にあっ
ては、所定の値以上のポリマー分子量とポリマー粘度と
を有するエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体
と、パーオキサイドと、所定の値以上のDBP吸収量を
有するカーボンブラックとが、特定の割合となる範囲内
で配合せしめられていることから、かかるエチレン−プ
ロピレン−ジエン三元共重合体が、該パーオキサイドに
て架橋せしめられ得て、耐ヘタリ性が有効に確保され得
るのであり、しかも、そのようなエチレン−プロピレン
−ジエン三元共重合体に対して、カーボンブラックが良
好に分散せしめられ得て、優れた耐熱性を保持しつつ、
高度な耐久性が付与せしめられ得ることとなるのであ
る。
【0021】なお、本発明に従うゴム組成物にあって
は、上記した必須成分の他、亜鉛華、ステアリン酸等の
加硫促進剤や、シリカ等の補強剤、炭酸カルシウム、タ
ルク等の充填剤、トリアリルイソシアヌレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、m−フェニレンビ
スマレイミド等の架橋助剤、パラフィンオイル等の軟化
剤、更には老化防止剤、可塑剤、安定剤、加工助剤、着
色剤等といった、各種配合剤や添加剤等として一般に使
用されているものが、配合せしめられていても、何等差
し支えない。そして、前記必須成分が、そのような成分
と共に、常法に従って、混合せしめられて、耐熱防振ゴ
ム用ゴム組成物が構成せしめられるのである。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、
修正、改良等を加え得るものであることが、理解される
べきである。
【0023】先ず、エチレン−プロピレン−ジエン三元
共重合体(EPDM)として、ポリマー分子量及びポリ
マー粘度(ML1+4 :121℃)が38万及び215で
あるもの(EPDM−1)を、またパーオキサイドとし
て、ジクミルパーオキサイドを、更にカーボンブラック
(CB)として、FEF級のものであって、DBP吸収
量及び平均粒子径が160ml/100g 及び42nmであるも
の(本発明者らによる試作品)(CB−1)と、180
ml/100g 及び38nmであるもの(CB−2)とを、それ
ぞれ、所定量準備した。
【0024】引き続き、それらエチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体(EPDM−1)とジクミルパーオ
キサイドと2種類のカーボンブラックのうちの何れかの
ものと、更に亜鉛華及びステアリン酸、老化防止剤、軟
化剤としてのパラフィンオイル、架橋助剤たるトリアリ
ルイソシアヌレート等、配合剤として準備された各種の
ものとを、下記表1に示される如き割合となるように、
常法に従って配合し、それぞれ、組成割合や含まれるカ
ーボンブラックの種類の異なる6種類のゴム組成物を得
た。そして、かくして得られた6種類のゴム組成物を実
施例1〜6とした。なお、下記表1に示される配合割合
は、全べて重量基準にて表した。
【0025】
【表1】
【0026】また、比較のために、エチレン−プロピレ
ン−ジエン三元共重合体として、本発明の規定範囲外で
ある18万のポリマー分子量と100のポリマー粘度
(ML 1+4 :121℃)を有するもの(EPDM−2)
と、同じく本発明の規定範囲外である115ml/100g の
DBP吸収量を有し、平均粒子径が43nmであるカーボ
ンブラック(CB−3)とを所定量準備し、それらと、
先に準備したジクミルパーオキサイドと、各種の配合剤
とを、下記表2に示される如き割合となるように、常法
に従って配合した。かくして、本発明において規定され
るものとは異なるエチレン−プロピレン−ジエン三元共
重合体(EPDM−2)と本発明にて特定されるものと
は異なるカーボンブラック(CB−3)とを含んでなる
ゴム組成物と、そのようなカーボンブラック(CB−
3)を含み、且つ本発明の規定範囲を越えた量にてジク
ミルパーオキサイドが配合せしめられてなるゴム組成物
と、ジクミルパーオキサイドが本発明の規定範囲を越え
て配合せしめられてなるゴム組成物と、本発明において
特定されるカーボンブラック(CB−2)ではあるもの
の、それが本発明の規定範囲を下回る量にて配合されて
なるゴム組成物とを得、それら4種類のゴム組成物を、
それぞれ、比較例1〜4とした。なお、下記表2に示さ
れる配合割合も、全べて重量基準にて表した。
【0027】
【表2】
【0028】次いで、それら10種類のゴム組成物(実
施例1〜6及び比較例1〜4)を用いて、JIS K
6301に準拠して、それぞれの常態物性、老化物性及
び圧縮永久歪を測定し、また、常法に従って、それらの
ゴム組成物から得られた10種類のゴム成形物を用い
て、下記の方法により、それらの耐久性と動特性とを調
べた。その結果を下記表3及び表4に示した。なお、そ
れらの表中、常態物性において、TBは引張強度(kgf/c
m2) を、EBは破断伸び(%)を、HSは硬度を、それ
ぞれ表し、また老化物性において、△TBと△EBは、
加熱前の引張強度と破断伸びに対する加熱後におけるそ
れらの変化率(%)を、△HSは、加熱前後における硬
度の差を、それぞれ表す。更に、老化試験と圧縮永久歪
試験の試験温度と時間は、それぞれ120℃、70時間
とし、特に老化試験における硬度の測定にはJIS−A
形の硬度計を用いた。
【0029】−耐久性− 先ず、前記した10種類のゴム成形物を用いて、図1及
び図2に示される如き構造を有する耐久性試験用テスト
ピースを作製した。即ち、外径81mm、高さ49mmの薄
肉円筒金具1の内孔内に、外径16mm、高さ70mmの厚
肉円筒金具2が、該薄肉円筒金具1の軸心に位置するよ
うに配置されると共に、それら両円筒金具1,2が、ゴ
ム3にて、一体的に連結せしめられてなる構造を有し、
かかるゴム3として、実施例1〜6及び比較例1〜4の
ゴム組成物から得られたゴム成形物が用いられて構成さ
れた、換言すれば、原料ゴム組成物の種類がそれぞれ異
なる、10種類の防振ゴムとしてのテストピースを作製
した。なお、それらのテストピースにおいて、両円筒金
具1,2を連結するゴム3は、長さが38mm、両円筒金
具A,Bを連結する部位の幅:L1 が22mm、厚肉円筒
金具Bに固着せしめられる部位の幅:L2 が36mmとな
るように構成した。次いで、かくして得られた10種類
のテストピースに対して、図2において矢印で示される
如き方向に、初期±14mmの変位相当の荷重で、3Hzの
周波数により一定加振を行ない、ゴム3が破断に至るま
での加振回数をそれぞれ調べた。そして、この破断時の
加振回数(表3及び表4中、破断回数として示す)をも
って、各防振ゴムの耐久性を評価した。
【0030】−動特性− 先ず、前記した10種類のゴム成形物を用いて、図3に
示される如き構造を有する動特性試験用テストピースを
作製した。即ち、各ゴム成形物により、直径50mm、高
さ25mmの円柱状ゴム4を作製し、この円柱状ゴム4の
上面及び下面に、直径60mm、厚さ6mmの円板金具5,
5をそれぞれ取り付けて、それぞれ、原料ゴム組成物の
種類の異なる、10種類の防振ゴムたる動特性試験用テ
ストピースを作製した。次いで、かくして得られた10
種類のテストピースを用い、それらを、軸方向に7mm圧
縮させ、2回目の往きの荷重撓み曲線から、1.5mmと
3.5mmの撓み時の荷重を読み取って、静的ばね定数:
s を算出した。引き続き、それらのテストピースを軸
方向に2.5mm圧縮し、この2.5mm圧縮の位置を中心
に、下方から、100Hzの周波数により、振幅±0.0
5mmの定変位調和圧縮振動を加え、それらテストピース
の上方に取り付けられたロードセルにて動的荷重を検出
し、更にその検出値より、JIS K 6394に準拠
して、動的ばね定数:Kd を算出した。そして、かくし
て得られた静的ばね定数:Ks と動的ばね定数:Kd
各算出値に基づいて、各防振ゴムの動倍率、即ち静的ば
ね定数に対する動的ばね定数の比:Kd /Ks を求め、
その値をもって、各防振ゴムの動特性を評価した。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】それら表3及び表4からも明らかなよう
に、本発明に従う構成とされたゴム組成物である実施例
1〜6と、本発明において規定されるものとは異なる組
成を有するゴム組成物としての比較例1〜4とを比較す
ると、圧縮永久歪や動特性を示す動倍率においては、殆
ど差異がなく、また老化物性における引張強度や破断伸
びの加熱後における変化率が、共に小さい値を示してい
るものの、常態物性における引張強度及び破断伸び、更
には耐久性の指標たる破断回数においては、実施例1〜
6の方が、比較例1〜4よりも、明らかに優れた値を示
している。これは、本発明に従うゴム組成物が、高度な
耐熱性と耐ヘタリ性を備え、しかも耐久性においても優
れた特性を有するものであることを、如実に示してい
る。
【0034】
【発明の効果】上述の説明からも明らかなように、本発
明に従う耐熱防振ゴム用ゴム組成物にあっては、所定の
値以上のポリマー分子量とポリマー粘度とを有するエチ
レン−プロピレン−ジエン三元共重合体と、パーオキサ
イドと、所定の値以上のDBP吸収量を有するカーボン
ブラックとが、特定の割合となる範囲内で配合せしめら
れていることから、高度な耐熱性が有効に確保されつ
つ、耐ヘタリ性と耐久性とが効果的に向上され得るので
ある。そして、それによって、かかる耐熱防振ゴム用ゴ
ム組成物は、エンジンマウントを始めとして、ボディマ
ウント、キャブマウント、メンバーマウント、ストラッ
トバー・クッション、テンションロッド・ブッシュ、ア
ームブッシュ、FFエンジン・ロールストッパー等、各
種自動車用防振ゴムの構成材料として、特に好適に用い
られ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】防振ゴムの耐久性を調べるための試験に供され
る耐久性試験用テストピースであって、本発明に従う耐
熱防振ゴム用ゴム組成物よりなる防振ゴム、若しくは本
発明とは異なる構成を有する耐熱防振ゴム用ゴム組成物
からなる防振ゴムを用いて構成されるテストピースの縦
断面説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】防振ゴムにおける動特性の指標としての動倍率
を求めるために、その動的ばね定数と静的ばね定数とを
測定するための試験に供される動特性試験用テストピー
スであって、本発明に従う耐熱防振ゴム用ゴム組成物よ
りなる防振ゴム、若しくは本発明とは異なる構成を有す
る耐熱防振ゴム用ゴム組成物からなる防振ゴムを用いて
構成されるテストピースの縦断面説明図である。
【符号の説明】
1 薄肉円筒金具 2 厚肉円筒金
具 3 ゴム 4 円柱状ゴム 5 円板金具

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマー分子量が20万以上、ポリマー
    粘度(ML1+4 :121℃)が120以上のエチレン−
    プロピレン−ジエン三元共重合体を用い、該三元共重合
    体の100重量部に対して、2.5〜8重量部のパーオ
    キサイド、並びに30重量部以上の、ジブチルフタレー
    ト吸収量が140ml/100g 以上のカーボンブラックを配
    合せしめてなる耐熱防振ゴム用ゴム組成物。
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JPH10265624A (ja) * 1997-01-21 1998-10-06 Mitsui Chem Inc 防振材用ゴム組成物
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