JP2943360B2 - 積層セラミックコンデンサ用導電性ペースト - Google Patents

積層セラミックコンデンサ用導電性ペースト

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JP2943360B2
JP2943360B2 JP3044770A JP4477091A JP2943360B2 JP 2943360 B2 JP2943360 B2 JP 2943360B2 JP 3044770 A JP3044770 A JP 3044770A JP 4477091 A JP4477091 A JP 4477091A JP 2943360 B2 JP2943360 B2 JP 2943360B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層セラミックコンデン
サの製造に用いられる導電性ペーストに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化,高周波化に伴
い、積層セラミックコンデンサの需要がますます高まっ
ている。
【0003】図2は従来の一般的な積層セラミックコン
デンサの製造工程を示したものである。以下、図2にし
たがって一般的な製造方法を説明する。まず、チタン酸
バリウム等の誘電体粉末と有機バインダ、可塑剤および
有機溶剤からなるスラリーを用いてドクターブレード法
によりグリーンシートを作製する。
【0004】次に、このシートの上にパラジウム,白金
等の貴金属を主成分とした導電性ペーストを用いてスク
リーン印刷法等により内部電極を形成する。
【0005】次に、内部電極を形成したグリーンシート
を内部電極が誘電体層を挟んで交互に対向するように配
置して順次積層し、所望の積層数まで積層を繰り返す。
こうして得られた成形体を所望の大きさのチップに切断
し、有機バインダを脱脂した後、1200℃〜1400
℃で焼成する。次に、焼結体の両端部に現れる上記内部
電極にこれらの内部電極が電気的に接続されるように
銀,銀−パラジウム等を塗布し、焼き付けることによっ
て外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサを製造
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成ではセラミック誘電体層と内部電極との熱膨
張係数の差異により、焼成後の素子においてデラミネー
ション等の構造欠陥が発生し、積層セラミックコンデン
サの製造において大きな課題となっている。
【0007】また、最近ではデラミネーションの対策と
して、内部電極用導電性ペーストにセラミック誘電体層
を形成する誘電体と同一の誘電体粉末を添加することで
デラミネーションの発生を抑制する試みがなされている
が(例えば、特開昭61−140127)、内部電極の
抵抗が大きくなる等の問題を残しており、本質的な解決
に至っていないのが現状である。
【0008】そこで本発明は上記問題点に鑑み、デラミ
ネーション等の構造欠陥の発生を完全に防止することが
可能な積層セラミックコンデンサ用導電性ペーストを提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに本発明は、積層セラミックコンデンサの内部電極用
導電性ペーストとして、水素雰囲気に保持されたパラジ
ウム粉を主成分にするという構成を備えたものである。
【0010】
【作用】本発明は上記した構成によって、有機バインダ
の脱脂および焼成工程での内部電極の酸化を抑制し、そ
の結果、本来パラジウムの酸化,膨張によって発生する
内部応力を低減することでデラミネーション等の構造欠
陥の発生を防止することが可能となる。
【0011】すなわち、本発明は原理的にパラジウムが
水素を吸蔵する性質を利用したものである。まず、内部
電極の主成分となるパラジウム粉は水素雰囲気中で保持
することで雰囲気中の水素を内部に吸蔵する。こうして
内部に水素を吸蔵させたパラジウム粉を主成分として内
部電極用導電性ペーストを作製し、前述した一般的な製
造方法を経て誘電体層と内部電極が交互に積層された積
層セラミックコンデンサの成形体を得る。この状態では
成形体の内部電極には水素が吸蔵されており、次に上記
成形体に含まれる有機成分の脱脂を行うことになるが、
この時に内部電極に吸蔵された水素は脱脂工程の昇温過
程で放出される。この時、放出された水素によって内部
電極が覆われ、内部電極近傍が局所的に還元性雰囲気に
保たれることで酸化が抑制されることになる。このため
従来、脱脂工程でパラジウムの酸化による体積膨張によ
って発生した成形体の構造欠陥は解消されることにな
る。さらに次の焼成工程においては、上記成形体がパラ
ジウムの酸化を抑えながら有機バインダ成分が完全に脱
脂されて微細な空孔を多く含むポーラスな構造になって
いるため、焼成中の高温域でのパラジウムの酸化,還元
によって上記成形体に発生する熱応力はこれらの空孔に
よって緩和され、構造欠陥の要因は解消される。
【0012】このように内部電極を介して水素を一旦成
形体内部に取り込み、取り込まれた水素が放出される際
に内部電極の酸化抑制効果をもたらすことが本発明の基
本メカニズムである。
【0013】
【実施例】(実施例1)以下、本発明の一実施例につい
て図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施
例における積層セラミックコンデンサの製造工程を示す
ものである。まず、チタン酸バリウム粉末100重量
部,ポリビニルブチラール樹脂30重量部,ブチルカル
ビトール150重量部,フタル酸ジオクチル4重量部を
配合し、ボールミルで20時間混練して誘電体層用のス
ラリーを作製し、これを用いてベースフィルムの上にリ
バースロール法で誘電体層を形成し、グリーンシートを
作製した。
【0014】次に、内部電極用導電性ペーストを作製す
るため、市販のパラジウム粉を用いて水素中に保持する
処理を行った。まず、管状炉を用いて水素の流量を5l
/min,処理時間を2時間として、処理温度を室温25
℃から100℃,150℃,200℃,250℃と変化
させ、水素処理を施した5種類のパラジウム粉を作製し
た。次に、こうして得られたパラジウム粉100重量部
に対してエチルセルロース樹脂12重量部,α−テレピ
ネオール30重量部を配合し、3本ロールで混練して内
部電極用導電性ペーストとした。尚、同時に水素処理を
施さない通常のパラジウム粉を用いて上記と同様の方法
によってペーストを作製し、比較のための標準内部電極
ペーストとした。
【0015】次に、上記で作製したグリーンシートをベ
ースフィルムから剥離し、加圧プレスを用いて予め用意
したパレット上に順次積層し、電気容量に関与しない最
下層の支持層を所望の厚さで形成した。以後、上記で作
製した内部電極用導電性ペーストを用いて上記グリーン
シート上にスクリーン印刷法により内部電極を形成する
工程と、上記ベースフィルムから剥離したグリーンシー
トを積層する工程とを順次繰り返し、70層の積層を行
った後、最上層に上記と同様の厚さを有する支持層を形
成することで積層成形体を作製した。さらに、こうして
得られた積層成形体を所望の寸法のチップに切断した。
【0016】上記で得られたチップ状の成形体を電気炉
内で有機バインダの脱脂のため、350℃で途中5時間
保持した後、1300℃で2時間焼成した。焼成後、得
られた素子の外観および内部を観察し、デラミネーショ
ン等の構造欠陥の有無をそれぞれのサンプルについて調
べた。尚、比較のため水素処理を施さない通常のパラジ
ウム粉からなる上記標準内部電極ペーストを使用したサ
ンプルも同時に投入した。以上の焼成結果をそれぞれサ
ンプル1000個に対する良品率(%)として下記の
(表1)に示している。
【0017】
【表1】
【0018】この(表1)より明らかなように、本実施
例による水素処理を施したパラジウム粉を内部電極とし
たサンプルについては、保持温度150℃以下でデラミ
ネーション等の外観不良に対して優れた効果が得られて
いることがわかる。
【0019】以上のように本実施例によれば、本発明に
よる内部電極用導電性ペーストとして水素雰囲気に保持
されたパラジウム粉を用いることにより、デラミネーシ
ョン等の構造欠陥を大幅に改善した積層セラミックコン
デンサ用導電性ペーストを提供するものである。
【0020】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
について図面を参照しながら説明する。第1の実施例で
は、内部電極用導電性ペーストの原料粉として100%
組成のパラジウム粉を使用したが、この実施例ではパラ
ジウムと銀の合金粉を使用している点が第1の実施例と
異なっている。積層成形体を作製するに至る製造方法は
すべて第1の実施例と同様である。
【0021】本実施例に用いた原料粉の組成を重量%で
下記の(表2)に示している。
【0022】
【表2】
【0023】この(表2)に示した3種類の原料粉それ
ぞれについて第1の実施例と全く同様の方法、すなわち
水素の流量を5l/min,処理時間を2時間として、処
理温度を室温25℃から100℃,150℃,200
℃,250℃と変化させて水素処理を行い、得られた原
料粉を用いて第1の実施例と全く同様の方法で内部電極
用導電性ペーストを作製した。続いて第1の実施例と全
く同様の方法で積層,切断を行い、70層のチップ状の
積層成形体を作製した。
【0024】上記で得られたチップ状の成形体を電気炉
内で有機バインダの脱脂のため、350℃で途中5時間
保持した後、1200℃で2時間焼成した。焼成後、得
られた素子の外観および内部を観察し、デラミネーショ
ン等の構造欠陥の有無をそれぞれのサンプルについて調
べた。尚、比較のため水素処理を施さない通常の銀−パ
ラジウム粉からなるサンプルを同時に投入し、標準サン
プルとした。以上の焼成結果をそれぞれサンプル100
0個に対する良品率(%)として下記の(表3)に示し
ている。
【0025】
【表3】
【0026】この(表3)より明らかなように、本実施
例による原料粉として銀−パラジウム粉を用いた場合、
保持温度150℃以下で水素処理を施した内部電極を使
用したサンプルについてはデラミネーション等の外観不
良に対して優れた効果が得られていることがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上のように本発明は、デラミネーショ
ン等の構造欠陥を大幅に改善した積層セラミックコンデ
ンサ用導電性ペーストを提供するものであり、積層セラ
ミックコンデンサの製造に画期的な効果をもたらすもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による導電性ペーストを
用いた積層セラミックコンデンサの製造工程を示す図
【図2】従来の積層セラミックコンデンサの製造工程を
示す図

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素雰囲気に保持されたパラジウム粉を主
    成分とすることを特徴とする積層セラミックコンデンサ
    用導電性ペースト。
  2. 【請求項2】水素雰囲気での保持条件として、150℃
    以下の温度で保持することを特徴とする請求項1記載の
    積層セラミックコンデンサ用導電性ペースト。
JP3044770A 1991-03-11 1991-03-11 積層セラミックコンデンサ用導電性ペースト Expired - Fee Related JP2943360B2 (ja)

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