JP2937791B2 - ペルチエクラーク - Google Patents

ペルチエクラーク

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JP2937791B2 JP7054004A JP5400495A JP2937791B2 JP 2937791 B2 JP2937791 B2 JP 2937791B2 JP 7054004 A JP7054004 A JP 7054004A JP 5400495 A JP5400495 A JP 5400495A JP 2937791 B2 JP2937791 B2 JP 2937791B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体レーザモジュー
ルおよび半導体レーザ等に冷却のために使用される電子
冷却素子としてのペルチエクーラに係わり、詳細には光
学特性が長期間安定するようにした半導体レーザモジュ
ールおよび光学部品を配置した基板を固定したペルチエ
クーラに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの光出力や発振波長を安定
化させるためには半導体レーザの温度制御が必要であ
る。ペルチエクーラは、半導体レーザの温度を一定に保
つために、光ファイバ伝送システムの変調信号光源とし
ての半導体レーザモジュール等に電子冷却素子として使
用されている。
【0003】ペルチエクーラを半導体レーザモジュール
に使用する例が、1993年電子情報通信学会秋季大会
講演論文集C−180に示されている。
【0004】図3は、この論文集に示されている半導体
レーザモジュールの内部の構造を表わしたものである。
箱型をしたモジュールパッケージ11の内部底面には、
ペルチエクーラ12がはんだによって固定されており、
その上面には半導体レーザ13を実装した基板14が同
じくはんだによって固定されている。また、半導体レー
ザ13の出射側には第1のレンズ15が配置されてい
る。モジュールパッケージ11の外部で第1のレンズ1
5の光軸の延長上には第2のレンズ17が筒状部材18
によって取り付けられており、その蓋部19には前記し
た光軸と一致するようにファイバ21の一端が挿入され
ている。
【0005】このような構造の半導体レーザモジュール
で、半導体レーザ13から出射したレーザ光は、第1の
レンズ13によって平行光に変えられ、第2のレンズ1
7によって集光されてファイバ21に結合するようにな
っている。ここで第1および第2のレンズ15、17な
らびにファイバ21は、半導体レーザ13とファイバ2
1の結合効率が最大となるように位置関係を調整されて
固定されている。
【0006】この半導体レーザモジュールで示されるよ
うに、ペルチエクーラ12ははんだによってその固定が
行われるようになっている。具体的にはペルチエクーラ
12はペルチエ素子12Aとその両側12B、12Cの
基板との固定に高温はんだを使用しており、モジュール
パッケージ11や半導体レーザ13を実装した基板14
との接続には低温はんだが使用されている。
【0007】はんだは、特に低温はんだの場合にクリー
プが生じやすい。ここでクリープとは、比較的微小な応
力が静的に長時間連続してかけられたときに、応力のか
かった部分が変形する現象をいう。半導体レーザのモジ
ュールパッケージ11の内部には、組み立て時の残留応
力や熱を起因とする熱応力が存在する。したがって、従
来のペルチエクーラを使用した半導体レーザモジュール
では、低温はんだを使用した固定部にクリープが生じや
すく、光学系を長期的に最適な状態に保持することがで
きないという問題があった。
【0008】そこで、特開平2−66987号公報に
は、半導体レーザのモジュールパッケージ内に冷却素子
を配置すると共に、この冷却素子に外部からの温度変化
に対して光軸ずれの少ない円筒状のユニットをはんだに
よって固定することにした。この円筒状のユニット内に
は、光モジュールの主要構成要素を配置しておき、これ
により経時的な光軸ずれを無視するようにしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この提案に
よれば、半導体レーザやレンズ等の光モジュールの主要
構成要素を円筒状の特別のユニット内に配置し、更にこ
れを半導体レーザのモジュールパッケージ内に収容する
ことにしたので、構造が複雑化し、コストアップを招く
といった問題があった。また、円筒状のユニット内に主
要な光学部品を配置する必要があるので、光学部品のサ
イズや形状が限定され、部品の選択の自由度が少なく、
この意味でもコストダウンを図りにくいという問題があ
った。
【0010】そこで本発明の目的は、構造が簡単でしか
も光学系を長期にわたって安定化させその信頼性を確保
することのできるペルチエクーラおよびこれを使用した
半導体レーザモジュールを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明のペ
ルチエクーラでは、(イ)複数のペルチエ素子と、
(ロ)これらのペルチエ素子を直列に接続するためにこ
れらの両側に配置された金属電極と、(ハ)これらの金
属電極を外部から挟持するようにそれぞれ配置された第
1および第2のセラミック基板と、(ニ)これら第1お
よび第2のセラミック基板を更に外側から挟持するよう
これらセラミック基板との接触面のそれぞれをロー付
けにより固定された第1および第2の金属基板とを具備
し、(ホ)第1の金属基板の上に、半導体レーザおよび
光学レンズを配置した金属基板をYAGレーザ溶接で固
定すると共に、第2の金属基板の下面を以上の部品を収
容するモジュールパッケージの内部底面とYAGレーザ
溶接で固定したことを特徴とする。
【0012】すなわち請求項1記載の発明では、複数の
ペルチエ素子の両側に配置された金属電極を第1および
第2のセラミック基板で挟持すると共に、その更に外側
を第1および第2の金属基板でロー付けによって面接合
固定し、第1の金属基板の上に半導体レーザおよび光
学レンズを配置した金属基板をYAGレーザ溶接すると
共に、第2の金属基板の下面を以上の部品を収容するモ
ジュールパッケージの内部底面とYAGレーザ溶接で固
定することにして、従来のような低温はんだによる固定
や円筒状の特別のユニット内に光学部品を配置する構成
を不要とし、簡単な構成で光学的な特性の安定化を図っ
ている。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【実施例】以下実施例につき本発明を詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例におけるペルチ
エクーラを使用した半導体レーザモジュールを表わした
ものである。図3と同一部分には同一の符号を付してお
り、これらの説明を適宜省略する。半導体レーザのモジ
ュールパッケージ11の内部底面には本実施例のペルチ
エクーラ31が配置されており、この上部には半導体レ
ーザ13および第1のレンズ15等の所定の部品を実装
した基板33が配置されている。
【0020】本実施例でも、半導体レーザ13から出射
したレーザ光は、第1のレンズ13によって平行光に変
えられ、第2のレンズ17によって集光されてファイバ
21に結合するようになっている。ここで第1および第
2のレンズ15、17ならびにファイバ21は、半導体
レーザ13とファイバ21の結合効率が最大となるよう
に位置関係を調整されて固定されている。また、ペルチ
エクーラ31には、図示しないサーミスタ等の温度検出
素子の検出した温度に応じた電流が流され、これによっ
て半導体レーザ13から出射されるレーザ光の中心波長
が周囲温度の変化に関係なくほぼ一定となるような温度
の冷却制御が行われる。
【0021】図2は、本実施例のペルチエクーラの構造
を表わしたものである。ペルチエクーラ31は、ペルチ
エ素子41と、その両側に配置された金属電極42、4
3を図で上下に挟むような形で配置された第1および第
2のAlN基板44、45と、これらを更に図で上下に
挟むような形で配置された第1および第2のFeNiC
o基板46、47から構成されている。
【0022】ペルチエ素子41は、これら金属電極4
2、43と高温はんだとしてのSnSbで固定されるこ
とで、電気的に直列に接続されている。SnSbは、ク
リープの小さなはんだである。直列に接続されたペルチ
エ素子41には、それぞれ図示しないリード線が設けら
れている。これらのリード線は、外部からペルチエ素子
41に電流を供給するためのものである。
【0023】第1のAlN基板44とその上側に配置さ
れた第1のFeNiCo基板46とは、AgCuによる
ロー付けで接合されている。同様に、第2のAlN基板
45とその下側に配置された第2のFeNiCo基板4
7も、AgCuによるロー付けで接合されている。
【0024】このような構成のペルチエクーラ31は、
その第2のFeNiCo基板47が、図1に示すように
半導体レーザのモジュールパッケージ11の内部底面と
第1の接合部48A、48BでYAG(イットリウム、
アルミニウム、ガーネット)レーザ溶接により固定され
ている。ペルチエクーラ31の上に配置された図1に示
す基板33は、FeNiCo合金をベースにしたもので
あり、第2の接合部49A、49BでYAGレーザ溶接
により固定されている。
【0025】このように本実施例のペルチエクーラを使
用した半導体レーザモジュールでは、従来、低温はんだ
を使用した光学系の固定部分をロー付けやYAGレーザ
溶接で固定している。したがって、光学系におけるクリ
ープは極めて小さく、長期的に安定した光学系の配置を
確保することができる。
【0026】なお、実施例ではペルチエ素子41と金属
電極42、43の固定にはSnSbを使用したが、Sn
Ag等のクリープの小さい高温はんだを使用してもよ
い。
【0027】更に実施例ではセラミック基板としての第
1または第2のAlN基板44、45に第1または第2
のFeNiCo基板46、47を使用したが、YAGレ
ーザ溶接に適するものであれば他の金属板を使用しても
よい。例えばSUS304等の合金の使用も可能であ
る。また、実施例では第1または第2のAlN基板4
4、45と第1または第2のFeNiCo基板46、4
7をAgCuによってロー付けしたが、このようなセラ
ミック基板と金属基板を接合するロー材はこれに限るも
のではない。例えばAuGeを使用することも可能であ
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
によれば、複数のペルチエ素子の両側に配置された金
属電極を第1および第2のセラミック基板で挟持すると
共に、その更に外側を第1および第2の金属基板でロー
付けによって固定し、第1の金属基板の上の半導体レー
ザおよび光学レンズを配置した金属基板をYAGレーザ
溶接すると共に、第2の金属基板の下面を以上の部品を
収容するモジュールパッケージの内部底面とYAGレー
ザ溶接で固定することにしたので、従来のような低温は
んだによる固定や円筒状の特別のユニット内に光学部品
を配置する構成を不要とし、簡単な構成で光学的な特性
の安定化を図ることができる。
【0029】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のペルチエクーラを使用した半導体レ
ーザモジュールの断面図である。
【図2】図1に示した半導体レーザモジュール内のペル
チエクーラの概略構成図である。
【図3】従来のペルチエクーラを使用した半導体レーザ
モジュールの断面図である。
【符号の説明】
11 モジュールパッケージ 13 半導体レーザ 15 第1のレンズ 17 第2のレンズ 31 ペルチエクーラ 33 基板 41 ペルチエ素子 42、43 金属電極 44、45 AlN基板 46、47 FeNiCo基板 48A、48B 第1の接合部 49A、49B 第2の接合部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01S 3/18 614 H01S 3/18 614 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18 H01S 3/133 G02B 6/32

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のペルチエ素子と、 これらのペルチエ素子を直列に接続するためにこれらの
    両側に配置された金属電極と、 これらの金属電極を外部から挟持するようにそれぞれ配
    置された第1および第2のセラミック基板と、 これら第1および第2のセラミック基板を更に外側から
    挟持するようにこれらセラミック基板との接触面のそれ
    ぞれをロー付けにより固定された第1および第2の金属
    基板とを具備し、 前記第1の金属基板の上に、半導体レーザおよび光学レ
    ンズを配置した金属基板をYAGレーザ溶接で固定する
    と共に、前記第2の金属基板の下面を以上の部品を収容
    するモジュールパッケージの内部底面とYAGレーザ溶
    接で固定した ことを特徴とするペルチエクーラ。
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