JP2929239B2 - ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置

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JP2929239B2 JP2410811A JP41081190A JP2929239B2 JP 2929239 B2 JP2929239 B2 JP 2929239B2 JP 2410811 A JP2410811 A JP 2410811A JP 41081190 A JP41081190 A JP 41081190A JP 2929239 B2 JP2929239 B2 JP 2929239B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ターボチャージャを
付設したディーゼルエンジンにおいて、エンジンを急加
速操作した際に発生するスモークを低減する装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンのガバナ装
置は次のように構成される。即ち、燃料噴射ポンプのコ
ントロールラックを、ガバナスプリングによって発生す
る燃料増量側への弾圧力と、ガバナウェイトによって発
生する燃料減量側へのガバナフォースとの力の釣り合い
で、ガバナレバーを介して制御作動させてある。これに
より、ディーゼルエンジンの負荷が変動してもエンジン
回転数を設定値に保もつのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の従来構
造のガバナ装置をターボチャージャ付きディーゼルエン
ジンに装備した場合には、エンジンを急加速した際に黒
煙が発生するという弊害があった。即ち、アクセルレバ
ー等を急加速操作すると、ガバナスプリングの張力が即
座に増大するのに対してエンジン回転数の上昇は時間遅
れがあることから、スプリング張力とガバナフォースと
の釣り合いが崩れて、コントロールラックが燃料増量側
へ急速に移動される。そのうえ、ターボチャージャのブ
ースト圧力の上昇に時間遅れがあることから、エンジン
回転数が上昇してエンジン吸気量が増加するまでにも時
間遅れが起きる。このため、エンジン回転速度が低速回
転域を越えるまでは少ない吸気量に対して過剰な燃料が
供給されることになり、黒煙が発生するのである。
【0004】この場合、エンジンが急加速されてもエン
ジン回転速度が低速回転域を越えるまでは、コントロー
ルラックの燃料増量側への移動を制御するように構成す
れば、上記急加速時での黒煙発生を低減できるかもしれ
ない。ところが、エンジンが低速回転高負荷の状態で運
転されると、低速回転であるためにコントロールラック
の燃料増量側への移動が制限されてしまい、その低速回
転での負荷状態に応じたコントロールラックの移動がで
きなくなる。
【0005】本発明は、ディーゼルエンジンの低速回転
での負荷状態に応じたコントロールラックの移動が確保
できながら、エンジンの急加速時には黒煙発生を抑制で
きるうえ、確実な冷機始動を確保しつつ暖機始動時の黒
煙発生を抑制できるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】[請求項1の発明] 請求項1の発明は、上記目的を達成するために、例えば
図1から図3に示すように、次のように構成したもので
ある。ターボチャージャ(71)を付設したディーゼルエン
ジン(1)の燃料噴射ポンプ(2)のコントロールラック(1
1)を、ガバナスプリング(24)によって燃料増量側(R)へ
弾圧するのに対し、エンジン回転の検出作動器(19)によ
って燃料減量側(L)へ押圧し、調速操作具(39)でガバナ
スプリング(24)の張力を調節操作するように構成したデ
ィーゼルエンジンにおいて、
【0007】エンジン(1)にソレノイド(75)と急加速状
態検出手段(80)と始動時温度検出手段(90)とを設け、急
加速状態検出手段(80)は、エンジン(1)の目標回転速度
が急加速操作された状態であることを検出するように構
成され、始動時温度検出手段(90)は、エンジン(1)の始
動が暖機状態あるいは冷機状態のいずれで行われるかを
検出するように構成され、ソレノイド(75)は、急加速状
態検出手段(80)と始動時温度検出手段(90)との検出結果
に対応して、作動ロッド(76)を燃料制限位置(X)あるい
は燃料制限解除位置(Y)に操作するように構成され、急
加速状態検出手段(80)によって、エンジン(1)の目標回
転速度が低速回転域を越えたことが検出されるまでは、
作動ロッド(76)が燃料制限解除位置(Y)に操作され、急
加速状態検出手段(80)によって、エンジン(1)の目標回
転速度が低速回転域を越えたことが検出されると、作動
ロッド(76)が燃料制限位置(X)に切換えられ、その目標
回転速度が低速回転域を越えたとき(t1)から予め設定さ
れた所要時間(T1)が経過すると、作動ロッド(76)が燃料
制限解除位置(Y)に切換えられ、また、始動時温度検出
手段(90)によって、エンジン(1)での暖機始動状態が検
出されると、作動ロッド(76)が燃料制限位置(X)に操作
され、エンジン(1)での冷機始動状態が検出されると、
作動ロッド(76)が燃料制限解除位置(Y)に操作されるよ
うに構成したものである。
【0008】[請求項2の発明] 請求項2の発明は、上記請求項1の発明の構成におい
て、さらに次のように構成したものである。急加速状態
検出手段(80)を、ガバナスプリング(24)から調速操作具
(39)を経てアクセルレバーに至るまでの調速用伝動系統
に付設したものである。
【0009】[請求項3の発明] 請求項3の発明は、上記請求項2の発明の構成におい
て、さらに次のように構成したものである。急加速状態
検出手段(80)を調速操作具(39)に対面するリミットスイ
ッチで構成したものである。
【0010】
【作用】[請求項1の発明] 請求項1の発明は、例えば図1から図7に示すように、
次のように作用する。即ち、ディーゼルエンジン(1)を
急加速させるために、調速操作具(39)を目標回転速度へ
操作した場合には、その操作に伴ってガバナフォース
(F)とカバナスプリング張力(S)との釣り合いが崩れ、
コントロールラック(11)が燃料増量側(R)へ急速に移動
しようとするが、エンジン(1)の実回転速度は上記コン
トロールラック(11)の燃料増量側(R)への移動よりも遅
れて上昇する。このため、このままではエンジン吸気量
に対して供給燃料が過剰になってしまう。
【0011】これに対し、本発明は、上記の目標回転速
度が低速回転域を越えた時点で、それを急加速状態検出
手段(80)が検出してソレノイド(75)の作動ロッド(76)を
燃料制限解除位置(Y)から燃料制限位置(X)へ切換え
る。従って、上記の調速操作具(39)の操作後、コントロ
ールラック(11)が燃料増量側(R)へ過剰に移動する前に
ソレノイド(75)の作動ロッド(76)は燃料制限位置(X)で
待機しており、その作動ロッド(76)で燃料増量側(R)へ
移動してきたコントロールラック(11)が受け止められて
燃料増量側(R)への移動が制限される。この結果、供給
燃料が過剰になることが防がれる。
【0012】そして、上記の目標回転速度が低速回転域
を越えたとき(t1)から予め設定された所要時間(T1)が経
過したときには、上記の作動ロッド(76)を上記の燃料制
限位置(X)から燃料制限解除位置(Y)に再び切換えるこ
とにより、上記エンジン(1)の実回転速度が上昇してエ
ンジン吸気量が十分に増加しているときには、コントロ
ールラック(11)の燃料増量側(R)への移動は制限されな
い。
【0013】このように、調速操作具(39)を操作したこ
とによって上記の目標回転速度が低速回転域を越えたと
き以外は、ソレノイド(75)の作動ロッド(76)は燃料制限
解除位置(Y)にある。従って、例えば、エンジン(1)が
低速回転高負荷の状態で運転され、コントロールラック
(11)が燃料増量側(R)へ移動しようとしたときには、上
記の作動ロッド(76)は、燃料制限解除位置(Y)にあって
コントロールラック(11)の燃料増量側(R)への移動の妨
げにならない。
【0014】また、始動時温度検出手段(90)によって上
記エンジン(1)での冷機始動状態が検出されたときに
は、上記ソレノイド(75)の作動ロッド(76)は、燃料制限
解除位置(Y)にあって燃料噴射量は制限されない。一
方、上記エンジン(1)での暖機始動状態が検出されたと
きには、上記作動ロッド(76)が上記の燃料制限解除位置
(Y)から燃料制限位置(X)に切り換えられ、コントロー
ルラック(11)の燃料増量側(R)への移動が制限される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面で説明する。図
1から図7は、本発明の一実施例を示している。まず、
図1から図4で全体の構成を説明する。図2に示すよう
に、ディーゼルエンジン1は、燃料噴射ポンプ2とメカ
ニカル式ガバナ装置3とをポンプハウジング4に取り付
けてなる。ポンプハウジング4の右面にはギヤケース5
が固定されている。
【0016】燃料噴射ポンプ2は、ポンプハウジング4
の上壁4aの上側からポンプハウジング4内に挿入され
て、上壁4aに固定される。燃料噴射カム軸7は、上記
ポンプ2の下側でポンプハウジング4に回転自在に支持
される。そのカム軸7の右端に燃料噴射カムギヤ8が固
定される。このカムギヤ8は、クランク軸(図示せず)に
連結されている。カム軸7に設けた4個のカム9が、ポ
ンプ2の各ポンプエレメント入力部10に接当される。
ポンプ2の途中高さ部には、コントロールラット11が
左右方向へ移動自在に内嵌される。そのコントロールラ
ック11の右寄り部にラックピン12が突出されてい
る。図中の符号Rは燃料増量側を示し、符号Lは燃料減
量側を示している。なお、ディーゼルエンジン1には、
排気タービンと圧縮機とからなるターボチャージャが付
設されている(図示せず)。
【0017】ガバナ装置3のメカニカルガバナ14は、
次のように構成される。ガバナ軸15は、燃料噴射カム
軸7の下側でポンプハウジング4に回転自在に支持され
る。ガバナ軸15の右端に固定したガバナギヤ16が、
前記カムギヤ8に、かみ合わされる。そのガバナ軸15
に、ウェイトホルダ17が固定されるとともにガバナス
リーブ18が左右移動自在に外嵌される。ウェイトホル
ダ17には、エンジン回転の作動検出器であるガバナウ
ェイト19が、遠心揺動自在に支持される。そして、エ
ンジン回転数の変化によって変化するガバナウェイト1
9の遠心力は、ガバナスリーブ18とガバナレバー20
を順に介してラックピン12に伝達される。
【0018】上記ガバナレバー20は、ラックピン12
に係合するフォークレバー23と、ガバナスプリング2
4の右端部に連結したスプリングレバー25とからな
る。フォークレバー23の下寄り部とスプリングレバー
25の下部とが、レバー枢支軸26を介してポンプハウ
ジング4に揺動自在に支持される。前記ガバナスリーブ
18のガバナフォースFは、フォークレバー23の下部
の入力ローラ27の作用する。また、フォークレバー2
3とスプリングレバー25とがトルクスプリング28
(図5又は図6参照)で連動される。そして、コントロー
ルラック11は、ガバナスプリング24の張力Sによっ
て、スプリングレバー25とフォークレバー23とを順
に介して燃料増量側Rへの弾圧される。これに対して、
同上コントロールラック11は、ガバナフォースFによ
ってフォークレバー23を介して燃料減量側Lへ押圧さ
れる。そして、エンジン負荷が変化してエンジン回転数
が変化した場合には、スプリング張力Sとガバナフォー
スFとの釣り合いによって、コントロールラック11が
燃料噴射ポンプ2の燃料噴射量を制御操作し、エンジン
回転数を設定した回転数に戻すのである。なお、トルク
アップスプリング28は、エンジンに過負荷が作用した
場合にフォークレバー23を燃料増量側Rへ押圧して、
エンジンに粘り強さを発揮させるものである。
【0019】また、ポンプハウジング4の上壁4aに燃
料制限ピン29が固定される。スプリングレバー25
は、その燃料制限ピン29によって全負荷位置B(図5
又は図6参照)に受け止められ、さらに燃料増量側Rへ
移動することが規制される。また、前記フォークレバー
23は、上下に長いレバー本体31と、レバー本体31
の上部に左右摺動自在に設けたスラスト腕32とからな
る。コントロールラック11のラックピン12は、レバ
ー本体31の上部とスラスト腕32の右部との間に嵌合
隙間なしで挟持される。これにより、ガバナレバー20
からラックピン12への応答感度が高められる。スラス
ト腕32の左部とハウジング左壁4cとの間には、コン
トロールラック11を燃料増量側Rへ弾圧するためのス
タートスプリング33が装着される。また、スラスト腕
32の右部とギヤケース5との間には、コントロールラ
ック11が燃料無噴射位置へ移動するのを阻止するため
のアイドルリミットスプリング34が装着される。
【0020】エンジン回転数を設定するにあたって、前
記ガバナスプリング24の張力Sを調節するための手段
が設けられる。この手段を図2から図4で説明する。主
として図3と図4に示すように、ポンプハウジング4の
正面壁4bに内側カバー板36と外側カバー板37とが
順に取り付けられ、外側カバー板37にピン38が回転
自在に支持される。そのピン38の外端部に調速操作具
39が固定され、ピン38の内端部に調速用アーム40
が固定される。調速操作具39は、ピン38に固定した
回転制限用アーム41を介して、低速制限ボルト42と
高速制限ボルト43とで設定された揺動角度内で操作さ
れる。上記の調速用アーム40の下部とスプリングレバ
ー25の左上揺動部とが前記ガバナスプリング24で連
結される。
【0021】また、外側カバー板37には、別のピン4
6の外端部にエンジン停止レバー47が固定されるとと
もに、同上ピン46の内端部に停止用アーム48が固定
される。そして、エンジンの停止時には、停止レバー4
7を時計回りの方向へ回転させることによって、停止用
アーム48がガバナレバー20を介してラックピン12
を燃料減量側Lへ強制的に移動させて、コントロールラ
ック11をストップ位置E(図5又は6参照)へ切換え
る。なお、停止レバー47の回転操作は、別の制限ボル
ト49によって規制されている。
【0022】上記構成において、調速操作具39が急加
速操作された場合に燃料が過剰に供給されることを防止
する手段が設けられる。図1に示すように、ポンプハウ
ジング4の左壁4cには、ソレノイド75が固定され
る。ソレノイド75の作動ロッド76は、燃料噴射ポン
プ2のコントロールラック11の左端面に対面される。
このソレノイド75は、吸引作動用コイル77と保持作
動用コイル78とを内外に配置してなる。これら両コイ
ル77・78を非通電状態に保つことによって、作動ロ
ッド76が燃料制限解除位置Yへ切換えられる。これに
対して、両コイル77・78に通電することによって、
作動ロッド76が燃料制限位置Xに切換えられる。
【0023】一方、図3と図4に示すように、急加速状
態検出手段80であるリミットスイッチ54が外側カバ
ー板37の左上部に固定され、そのリミットスイッチ5
4の接触子60が調速操作具39の基部に対面される。
そのリミットスイッチ54の開閉接点が、上記の吸引作
動用コイル77の給電回路81と、上記の保持作動用コ
イル78の給電回路85とにそれぞれ接続される。
【0024】そして、調速操作具39を低速回転域(例
えば、定格回転数が3000rpmの場合では約1200rpm以下の
回転域)に操作した状態では、上記の接触子60が調速
操作具39によって押圧されて、リミットスイッチ54
が開路状態(非通電状態・以下同じ)に保たれる。これに
より、ソレノイド75が非通電状態に保たれて、その作
動ロッド76を燃料制限解除位置Yに保持する。これに
対して、調速操作具39を低速回転域を越えた位置に操
作した場合には、接触子60が突出合して、リミットス
イッチ54が閉路(通電状態・以下同じ)する。これによ
り、タイマ(図示せず)で設定した所要時間(例えば0.5秒
間から1.0秒間程度)だけソレノイド75に通電し、その
作動ロッド76を燃料制限位置Xへ切換える。なお、上
記タイマで設定した所要時間が経過した後は、ソレノイ
ド75が前記の非通電状態に復帰し、その作動ロッド7
6が燃料制限解除位置Yへ切換わるように構成してあ
る。
【0025】また、上記の吸引作動用コイル77の給電
回路81には、グロー回路83の通電状態を検出して作
動するリレー84が配置され、上記の保持作動用コイル
78の給電回路85には、エンジン冷却液温を検出して
作動する温度スイッチ87が配置される。符号88は温
度検出器である。そして、上記のリレー84と上記の温
度スイッチ87とは、エンジン1の暖機始動時には、ソ
レノイド75を通電して作動ロッド76を燃料制限位置
Xへ切換える一方で、エンジン1の冷機始動時には、ソ
レノイド75を非通電状態にして作動ロッド76が燃料
制限解除位置Yになるように構成してある。
【0026】次に、ディーゼルエンジンを低速回転状態
で加速操作した時の作動を図5から図7で説明する。図
5と図6とはガバナ装置の作動説明図である。また、図
7中の(A)図において、実線Mは調速操作具39で設定
される目標回転数の変化を示し、一点鎖線Nはエンジン
の実回転数の変化を示している。図7中の(B)図におい
て、実線Uは燃料制御用ソレノイド75の作動ロッド7
6の位置変化を示し、二点鎖線Wは、コントロールラッ
ク11の左端面の位置変化を示している。
【0027】調速操作具39を低速回転域から加速操作
すると(t1)、ガバナスプリング24の張力Sは即座に
増大するのに対してエンジン回転数の上昇が遅れること
から、ガバナフォースFと上記スプリング張力Sとの釣
り合いが崩れて、ガバナレバー20が燃料増量側Rへ急
速に揺動され、スプリングレバー25が燃料制限ピン2
9で受け止められた後も、フォークレバー23は左向き
の慣性力とスタートスプリング33の張力とによって強
く揺動され、ガバナレバー20がコントロールラック1
1をトルクアップ位置Cの左外側へオーバーランさせよ
うとする。しかし、上記コントロールラック11の左向
き移動に先立って、調速操作具39が低速回転域から外
れてリミットスイッチ54が通電状態になるので、タイ
マで設定した所要時間T1だけ作動ロッド76を燃料制
限解除位置Yから燃料制限位置Xへ切り換える。このた
め、その所要時間T1内では、コントロールラック11
がトルクアップ位置Cよりも増量側Rへオーバーランす
ることが阻止される。その結果、エンジン1の燃焼室に
過剰な燃料が供給されることが防止されて、黒煙の発生
を抑制できる。上記の所要時間T1が経過した時刻t2
以降では、ソレノイド75が非通電状態に切り換わるの
で、作動ロッド76が燃料制限解除位置Yへ戻り、コン
トロールラック11の燃料増量側Rへの移動を許容す
る。しかし、この時点t2では、エンジン1の回転数N
が上昇してガバナフォースFが十分に大きくなっている
ので、燃焼室への燃料供給量が過剰になることは抑制さ
れる。
【0028】一方、エンジン1が、急加速されることな
く低速運転状態を維持しているときには、図6の実線図
に示すように、調速操作具39は低速回転域を維持す
る。この低速運転状態では、リミットスイッチ54が非
通電状態を維持してソレノイド75が非通電状態に保た
れ、作動ロッド76は燃料制限解除位置Yのまま保持さ
れる。従って、高負荷となってもコントロールラック1
1は左外側へ移動可能となり、負荷状態に応じて燃料噴
射両を増加させることができる。
【0029】次いで、エンジン1の始動時の動作を説明
する。冷機始動時では、上述のように作動ロッド76は
燃料制限解除位置Yにあるので、コントロールラック1
1は左外側のスタート位置Dまで移動可能となる。そし
て、調速操作具39をスタート位置に操作することで、
スプリングレバー25が、ガバナスプリング24によっ
て燃料増量側Rへ引き寄せられ、全負荷位置Bに対応す
る位置で燃料制限ピン29に受け止められた後も、フォ
ークレバー23は、スタートスプリング33によってさ
らに燃料増量側Rへ引き寄せられ、コントロールラック
11をトルクアップ位置Cを経てスタート位置Dへ移動
させる。これにより、燃料噴射量を増加させてエンジン
1を強力に始動できる。
【0030】一方、暖機始動時では、上述のように作動
ロッド76が燃料制限位置Xへ切り換えられる。従っ
て、コントロールラック11が燃料増量側Rへ移動する
ことが制限され、エンジン1の燃焼室に過剰な燃料が噴
射されることが阻止される。その結果、暖機始動時に黒
煙が発生することが抑制される。
【0031】上記の実施例は次のように変更できる。作
動ロッド76によってコントロールラック11のオーバ
ーランを阻止する位置は、トルクアップ位置Cや全負荷
位置Bよりも燃料減量側Lに設定することも可能であ
る。ガバナ装置は、メカニカルガバナに代えて、ニュー
マチックガバナからなるものであってもよい。この場
合、エンジン回転の検出作動器は、ガバナウェイトに代
えて、吸気負圧で作動するダイヤフラム式シリンダによ
って構成される。ガバナレバー20は、2本レバー式の
ものに代えて、1本レバー式のものであってもよい。
【0032】また、上記リミットスイッチ54は、前記
ガバナスプリング24から調速操作具39を経てアクセ
ルレバー(図示せず)に至るまでの調速用伝動系統中に
付設されるものであればよい。従って、リミットスイッ
チ54は、調速操作具39に連動する回転制限用アーム
41、調速用アーム40(図4参照)、アクセルレバー
などに対面させて配置することも可能である。また、急
加速状態検出手段80は、リミットスイッチ54に代え
て、加速度検出スイッチであってもよい。
【0033】
【発明の効果】[請求項1の発明] 請求項1の発明は、上記のように構成され、作用するこ
とから次の効果を奏する。 調速操作具での急加速操作によってディーゼルエン
ジンの目標回転速度が低速回転域を越えた時点で、それ
を急加速状態検出手段が検出してソレノイドの作動ロッ
ドを燃料制限解除位置から燃料制限位置へ切換えるの
で、上記の急加速操作によってコントロールラックが燃
料増量側へ過剰に移動する前に、上記の作動ロッドを燃
料制限位置で待機させて、その作動ロッドでコントロー
ルラックの燃料増量側への移動を制限できる。つまり、
上記の急加速操作時には、その操作のソレノイドの作動
ロッドが遅れることなく作動し、これによって急加速時
に燃料噴射が過剰になって黒煙が発生することを確実に
防止できる。
【0034】一方、上記の目標回転速度が低速回転域を
越えたとき以外は、ソレノイドの作動ロッドは燃料制限
解除位置にあるので、例えば、低速回転運転で負荷が大
きくなったことで、コントロールラックが燃料増量側へ
移動しようとするときには、上記の作動ロッドが邪魔に
ならない。つまり、上記低速回転運転の際には負荷状態
に対応したコントロールラックの移動が確実に確保でき
る。なお、高速回転域でも上記の作動ロッドは燃料制限
解除位置にあるので、負荷の増加に伴うコントロールラ
ックの燃料増量側への移動に上記の作動ロッドが邪魔に
ならない。このように、急加速操作の際での黒煙発生の
確実な防止と、低速回転運転での負荷状態に対応した適
正な燃料制御とのいずれもを犠牲にすることなく両立さ
せることができ、これによって精度の高い燃料制御を行
うことができる。
【0035】しかも、エンジンの暖機始動時には、ソレ
ノイドの作動ロッドが燃料制限位置に切換えられるの
で、燃料噴射量が少なくても始動が可能な暖機時に過剰
な燃料が噴射されることが抑制される。なお、エンジン
の冷機始動時には、上記の作動ロッドが燃料制限解除位
置にあるので、燃料噴射量が制限されず、エンジンを確
実に始動できる。
【0036】 ソレノイドの作動ロッドを燃料制限位
置へ切換える所要時間は、比較的小型で安価なタイマに
よって設定できるので、取り付けの手間を低減できるう
え、製造コストの上昇を抑制できる。
【0037】[請求項2の発明] 請求項2の発明は、上記請求項1の発明の効果に加え、
さらに次の効果を奏する。 急加速状態検出手段を調速用伝動系統に付設するの
で、エンジンの目標回転速度を直接的に検出できる分だ
け、上記の目標回転速度を正確に検出できる。
【0038】[請求項3の発明] 請求項3の発明は、上記請求項2の発明の効果に加え、
さらに次の効果を奏する。 比較的安価な部品であるリミットスイッチでエンジ
ンの目標回転速度が検出できるので、製造コストの上昇
を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるディーゼルエンジンの急加速時
スモーク低減装置の一実施例を示し、要部系統図であ
る。
【図2】本発明にかかるディーゼルエンジンのガバナ装
置の縦断正面図である。
【図3】本発明の急加速時スモーク低減装置にかかる調
速操作具の正面図である。
【図4】図3のIV−IV線矢視断面図である。
【図5】上記ガバナ装置のエンジン始動時での作動説明
図である。
【図6】上記ガバナ装置のエンジン運転時での作動説明
図である、
【図7】本発明の急加速時スモーク低減装置の作動説明
図であり、(A)図は、調速操作具で設定される目標回転
数の時間変化を示す図で、(B)図は、ソレノイドの作動
ロッドの位置の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン、2…燃料噴射ポンプ、11…
コントロールラック、19…エンジン回転の検出作動器
(ガバナウェイト)、24…ガバナスプリング、39…調
速操作具、71…ターボチャージャ、75…ソレノイ
ド、76…ソレノイドの作動ロッド、80…急加速状態
検出手段、90…始動時温度検出手段、R…燃料増量
剤、L…燃料減量側、T1…所要時間、X…燃料制限位
置、Y…燃料制限解除位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森岡 和良 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 梅田 裕三 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭60−125737(JP,A) 実開 昭59−541(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 1/00 - 1/14 F02D 31/00 301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボチャージャ(71)を付設したディー
    ゼルエンジン(1)の燃料噴射ポンプ(2)のコントロール
    ラック(11)を、ガバナスプリング(24)によって燃料増量
    側(R)へ弾圧するのに対し、エンジン回転の検出作動器
    (19)によって燃料減量側(L)へ押圧し、調速操作具(39)
    でガバナスプリング(24)の張力を調節操作するように構
    成したディーゼルエンジンにおいて、 上記エンジン(1)にソレノイド(75)と急加速状態検出手
    段(80)と始動時温度検出手段(90)とを設け、 上記の急加速状態検出手段(80)は、上記エンジン(1)の
    目標回転速度が急加速操作された状態であることを検出
    するように構成され、 上記の始動時温度検出手段(90)は、上記エンジン(1)の
    始動が暖機状態あるいは冷機状態のいずれで行われるか
    を検出するように構成され、 上記ソレノイド(75)は、上記の急加速状態検出手段(80)
    と上記の始動時温度検出手段(90)との検出結果に対応し
    て、作動ロッド(76)を燃料制限位置(X)あるいは燃料制
    限解除位置(Y)に操作するように構成され、 上記の急加速状態検出手段(80)によって、上記エンジン
    (1)の目標回転速度が低速回転域を越えたことが検出さ
    れるまでは、上記作動ロッド(76)が上記の燃料制限解除
    位置(Y)に操作され、上記の急加速状態検出手段(80)に
    よって、上記エンジン(1)の目標回転速度が低速回転域
    を越えたことが検出されると、上記作動ロッド(76)が上
    記の燃料制限位置(X)に切換えられ、その目標回転速度
    が低速回転域を越えたとき(t1)から予め設定された所要
    時間(T1)が経過すると、上記作動ロッド(76)が上記の燃
    料制限解除位置(Y)に切換えられ、 また、上記の始動時温度検出手段(90)によって、上記エ
    ンジン(1)での暖機始動状態が検出されると、上記作動
    ロッド(76)が上記の燃料制限位置(X)に操作され、上記
    エンジン(1)での冷機始動状態が検出されると、上記作
    動ロッド(76)が上記の燃料制限解除位置(Y)に操作され
    るように構成した、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの急加速時スモー
    ク低減装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のディーゼルエンジンの急加速
    時スモーク低減装置において、 前記の急加速状態検出手段(80)を、ガバナスプリング(2
    4)から調速操作具(39)を経てアクセルレバーに至るまで
    の調速用伝動系統に付設する、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの急加速時スモー
    ク低減装置。
  3. 【請求項3】 請求項2のディーゼルエンジンの急加速
    時スモーク低減装置において、 前記の急加速状態検出手段(80)を調速操作具(39)に対面
    するリミットスイッチで構成する、 ことを特徴とするディーゼルエンジンの急加速時スモー
    ク低減装置。
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