JP2987729B2 - エンジンのメカニカルガバナ装置 - Google Patents

エンジンのメカニカルガバナ装置

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JP2987729B2
JP2987729B2 JP4164314A JP16431492A JP2987729B2 JP 2987729 B2 JP2987729 B2 JP 2987729B2 JP 4164314 A JP4164314 A JP 4164314A JP 16431492 A JP16431492 A JP 16431492A JP 2987729 B2 JP2987729 B2 JP 2987729B2
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一利 岡本
裕三 梅田
俊一 萬羽
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンのメカニカル
ガバナ装置に関し、詳しくはエンジン始動時にエンジン
の回転を速やかに立ち上げることができるものに関す
る。
【0002】
【従来技術】エンジンのメカニカルガバナ装置の従来技
術として、図4に示すものがある。これは、ガバナ軸1
01に固定したウェイトホルダ102にガバナウェイト
103を揺動自在に枢支し、上記ウェイトホルダ102
に隣接して、上記ガバナ軸101にガバナスリーブ10
4を外嵌し、このガバナスリーブ104を上記ガバナ軸
101の軸心方向に沿ってスライド自在とし、上記ガバ
ナウェイト103から出力するガバナ力105で上記ガ
バナスリーブ104を上記ウェイトホルダ102から離
隔する方向に押圧しながら、ガバナレバー106に上記
ガバナ力105を入力するように構成したものである。
【0003】このような構成によれば、ガバナウェイト
103から出力されるガバナ力105がガバナスリーブ
104を介してガバナレバー106に伝達される。そし
て、調速レバー107のガバナスプリング108の張力
112とガバナ力105とのモーメントが釣り合うよう
に、ガバナレバー106が揺動して、燃料調量具109
が調量作動され、エンジンにかかる負荷の変動に拘わら
ず、エンジンの実回転速度が調速レバー107で設定し
た設定回転速度に維持される。
【0004】ところで、この種のメカニカルガバナ装置
では、スタートスプリング110の張力111等により
エンジン始動開始時に燃料調量具109を始動増量位置
113に位置させ、始動に必要な多量の燃料を燃焼室
(図外)に供給するようにしてある。しかし、上記構成
のみでは、エンジン始動開始後は、エンジンの回転速度
の上昇に伴って徐々に増加するガバナ力105により、
燃料調量具109が上記スタートスプリング110の張
力111等に抗して徐々に燃料減量方向に動かされ、燃
焼室への燃料供給量が減少するため、その分だけ回転の
立ち上りが遅れる。そして、上記従来技術では、この遅
れを回避する手段を備えていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、エ
ンジン始動時の回転の立ち上がりの遅れを回避する手段
を備えていないので、エンジンを所定速度で安定回転さ
せるまでの始動所要時間が長く、通常運転の開始を速や
かに行えない。
【0006】本発明は、エンジン始動時にエンジンの回
転を速やかに立ち上げることができる、エンジンのメカ
ニカルガバナ装置を提供することをその課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】(請求項1の発明) 請求項1の発明は、図1(A)に例示するように、ガバ
ナ軸1に固定したウェイトホルダ2にガバナウェイト3
を揺動自在に枢支し、ウェイトホルダ2に隣接して、ガ
バナ軸1にガバナスリーブ4を外嵌し、ガバナスリーブ
4をガバナ軸1の軸心方向に沿ってスライド自在とし、
ガバナウェイト3から出力するガバナ力5でガバナスリ
ーブ4をウェイトホルダ2から離隔する方向に押圧しな
がら、ガバナレバー6にガバナ力5を入力するように構
成したエンジンのメカニカルガバナ装置において、次の
ようにしたものである。
【0008】即ち、図1や図3に例示するように、ウェ
イトホルダ2側とガバナスリーブ4側とのうちの少なく
とも一方に磁石7を設けて、磁石7の吸引力でガバナス
リーブ4をウェイトホルダ2側に吸引するように構成す
ることによって、ガバナ力5が弱いエンジン始動開始直
後の所定期間中は、ガバナ力5に抗しながら、ガバナス
リーブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態を維持する
ように構成し、温度に応じて変形する吸引解除用の感温
作動具9をガバナスリーブ4とウェイトホルダ2との間
に設け、感温作動具9は、所定温度以上の温度を感温し
て変形作動している高温側感温状態では、磁石7による
ガバナスリーブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態を
解除させるように構成したものである。
【0009】(請求項2の発明) 請求項2の発明では、請求項1の構成において、次のよ
うに構成したものである。
【0010】即ち、感温作動具9をバイメタルとし、そ
のバイメタル9は、その感温温度の高さに対応する変形
量だけ、ガバナスリーブ4をウェイトホルダ2から離隔
させるように構成したものである。
【0011】
【作用】(請求項1の発明) 上記請求項1の発明は次のように作用する。即ち、図1
と図2とに示すように、エンジン始動が開始されると、
エンジンの回転速度が徐々に上昇し、これに伴って、ガ
バナ力5が徐々に増加してガバナスリーブ4をウェイト
ホルダ2から離隔する方向へ押圧する。すると、ガバナ
スリーブ4がガバナレバー6を燃料減量方向へ移動させ
ようとするが、エンジン始動開始直後でのガバナ力5が
弱い所定期間中は、磁石7の吸引力によってガバナスリ
ーブ4がウェイトホルダ2側に吸引され、ガバナスリー
ブ4がウェイトホルダ2側から離れにくくなる。これに
より、その所定期間中はガバナレバー6がほぼ始動増量
位置に止まってしまい、燃焼室にはほぼ始動増量での燃
料が継続して供給される。
【0012】一方、所定温度以上となる温暖始動時に
は、吸引解除用の感温作動具9が、その所定温度以上の
温度を感温して変形作動し、例えばガバナスリーブ4を
ウェイトホルダ2から離隔する方向へ押すことによっ
て、磁石7によるガバナスリーブ4のウェイトホルダ2
側への吸引状態が解除される。つまり、エンジン回転の
速やかな立ち上げに多量の燃料を要しない温暖始動時で
は、上述のエンジン始動開始直後の所定期間中であって
も、磁石7での吸引作用に妨げられることなく、ガバナ
力5によってガバナスリーブ4が燃料減量方向へ移動で
きる。従って、温暖始動時に燃焼室への燃料供給量が過
剰になることが低減される。
【0013】(請求項2の発明) 請求項2の発明は、上記請求項1の発明の作用に加え、
さらに次のように作用する。即ち、温度が高くなるほど
バイメタル9によって、ガバナスリーブ4がウェイトホ
ルダ2から遠くに離隔されることにより、この離隔距離
に対応する分だけ、ガバナスリーブ4が、通常は寒冷始
動用に設定されている始動増量位置よりも燃料減量側に
偏位する。これにより、始動開始時での気温等に適合し
た量の燃料が燃焼室に供給される。
【0014】
【発明の効果】(請求項1の発明) 請求項1の発明は、上記のように構成されて作用するこ
とから、次の効果を奏する。即ち、エンジン始動開始直
後の所定期間中では、燃焼室にほぼ始動増量での燃料が
継続して供給されるので、エンジンの回転が速やかに立
ち上がって、エンジンが所定速度で安定するまでの時間
を短くでき、通常運転の開始を速やかに行える。また、
エンジン回転の速やかな立ち上げに多量の燃料を要しな
い温暖始動時には、吸引解除用の感温作動具の温度に応
じた変形作動によって、磁石によるガバナスリーブのウ
ェイトホルダ側への吸引状態を解除するので、温暖始動
時に燃焼室へ燃料が無駄に供給されることを防止でき
て、その温暖始動時での黒煙の発生が軽減ないしは防止
される。
【0015】そして、かかる効果を、従来のガバナ装置
に感温作動具と磁石とを追加するだけで実現できるの
で、従来のガバナ装置をあまり変更しなくても済む分だ
け、設計の手間が低減できる。しかも、上記感温作動具
と上記磁石とを取り付けるだけの簡単な作業でよいの
で、ガバナ装置の製造の手間をあまり増加させなくても
済む。
【0016】(請求項2の発明) 請求項2の発明は、上記請求項1の発明の効果に加え、
さらに次の効果を奏する。即ち、温度が高くなるほどバ
イメタルによってガバナスリーブがウェイトホルダから
遠くに離隔されるので、始動開始時での気温等に適合し
た量だけ、燃焼室に燃料を供給できる。従って、特に、
始動開始時点に起こり易かった黒煙の発生がより軽減な
いしは防止される。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例に係るエンジンのメカニカルガバ
ナ装置の要部説明図で、図1(A)はメカニカルガバナ
装置の要部縦断面図、図1(B)は寒冷始動時でのメカ
ニカルガバナ装置の作動説明図、図1(C)は温暖始動
時でのメカニカルガバナ装置の作動説明図である。図2
は図1に示すメカニカルガバナ装置を収容した燃料噴射
ポンプ室の縦断面図である。
【0018】図2に示す燃料噴射ポンプ室17は、クラ
ンク室(図外)の横側に形成したもので、その内部に
は、上側から燃料噴射ポンプ18を挿入してある。この
燃料噴射ポンプ18の下側には、燃料噴射カム軸19を
架設し、その燃料噴射カム20上に燃料噴射ポンプ18
のタペット21を載置してある。燃料噴射カム軸19の
後端部には燃料噴射カムギヤ22を固定し、これをアイ
ドルギヤ(図外)を介してクランクギヤ(図外)に連動
連結してある。そして、燃料噴射カム20の回転による
タペット21の昇降で、燃料噴射ポンプ18をポンプ作
動させ、所定のタイミングで燃料を燃焼室(図外)に噴
射するようにしてある。燃料噴射ポンプ18からの燃料
噴射量は燃料噴射ポンプ18に付設した燃料調量具12
としての燃料調量ラックの前後スライド移動で行われる
ようにしてある。この燃料調量具10は、メカニカルガ
バナ装置を介して調速レバー24に連動連結してある。
調速レバー24は、調速レバー軸25を介して燃料噴射
ポンプ室17の横壁に揺動自在に枢支してある。
【0019】メカニカルガバナ装置の構成は次の通りで
ある。燃料噴射ポンプ室17の前壁26に前軸受部12
を設け、後壁27に後軸受部28を設けてある。そし
て、この前後軸受部12・28でガバナ軸1を回転自在
に軸受けし、これを燃料噴射ポンプ室17内で前後方向
に架設してある。ガバナ軸1には椀状のホルダカバー2
9を外嵌固定し、その後側に導出したボス部30にガバ
ナギヤ31を外嵌固定し、これを燃料噴射カムギヤ22
に噛合させてある。燃料噴射カムギヤ22・ガバナギヤ
31等は燃料噴射ポンプ室17の後側に付設したギヤケ
ース32で覆ってある。また、ホルダカバー29内でガ
バナ軸1にウェイトホルダ2を外嵌固定し、これに複数
のガバナウェイト3を装着してある。ガバナウェイト3
は、ウェイト部33からほぼ直角に揺動レバー34を導
出してほぼL字状に形成してある。揺動レバー34の先
端には、遊転輪からなるウェイト出力部13を付設して
ある。ウェイトホルダ2にはウェイト枢軸35を打ち込
んで固定し、これにL字形状のガバナウェイト3の角部
分を枢支して、ガバナウェイト3を揺動自在にしてあ
る。
【0020】また、ガバナ軸1にはウェイトホルダ2と
隣接してガバナスリーブ4を外嵌し、このガバナスリー
ブ4をガバナ軸1の軸心に沿ってスライド自在としてあ
る。ガバナスリーブ4には、その後端部にフランジ状の
スリーブ入力部14を形成するとともに、その前側にフ
ランジ状のスリーブ出力部15を形成してある。そし
て、ガバナウェイト3のウェイト出力部13をガバナス
リーブ4のスリーブ入力部14にその後側から接当し、
ガバナスリーブ4のスリーブ出力部15にガバナレバー
6のレバー入力端部16を接当してある。
【0021】ガバナレバー6は、ガバナ力入力レバー3
6とスプリング力入力レバー37とで構成してある。そ
して、燃料噴射ポンプ室17には、ガバナ軸1の上側で
これと直交する方向にガバナレバー枢軸38を架設し、
これにガバナ力入力レバー36の下端部よりやや上側部
分を枢支するとともにスプリング力入力レバー37の下
端部を枢支し、両レバー36・37を揺動自在としてあ
る。スプリング力入力レバー37と調速レバー24との
間には、ガバナスプリング39を介設してある。ガバナ
力入力レバー36の下端部には、遊転輪からなるレバー
入力端部16を付設してある。また、ガバナ力入力レバ
ー36の上端部にはレバー出力端部50を形成し、これ
を燃料調量具10に直角に打ち込んだ調量ラックピン2
3に連結してある。また、スプリング力入力レバー37
はガバナ力入力レバー36にその後側から接当させてあ
る。
【0022】このメカニカルガバナ装置では、次のよう
にしてエンジンの回転制御が行われる。調速レバー24
を揺動操作してエンジンの回転速度を設定すると、ガバ
ナスプリング39が伸び、その弾性復元力がスプリング
力入力レバー37を介してガバナ力入力レバー36に燃
料増量方向のスプリング力40としてかかる。一方、エ
ンジン運転中は、クランク軸(図外)の回転がガバナ軸
1に伝達されているので、ガバナ軸1と一体で回転する
ガバナウェイト3に遠心力が発生しており、この遠心力
がウェイト出力部13からガバナスリーブ4を介してガ
バナ力入力レバー36に燃料減量方向のガバナ力5とし
てかかる。そして、エンジンにかかる負荷が変動する
と、ガバナ軸1の回転速度が変動するので、ガバナウェ
イト3に生じる遠心力も変動する。このため、ガバナ力
5も変動し、スプリング力40とガバナ力5とのモーメ
ントが釣り合うように、ガバナレバー6が揺動し、レバ
ー出力端部50から燃料調量具10が連動され、エンジ
ンの実回転速度を調速レバー24で設定した所定の設定
回転速度に復帰させる。
【0023】また、このメカニカルガバナ装置は次のよ
うな構成を備えている。ガバナ力入力レバー36の上端
部にスライダ41を前後スライド自在に付設し、これを
スタートスプリング42で燃料増量方向に付勢してあ
る。このスライダ41にはピン内嵌溝43を形成し、こ
れに内嵌した調量ラックピン23をスタートスプリング
42の付勢力でレバー出力端部16の後側に圧接してあ
る。このため、ガバナ力5が発生していないエンジン始
動開始時には、スタートスプリング42の付勢力により
燃料調量具12が始動増量位置に止められる。尚、スタ
ートスプリング42の付勢力でレバー出力端部50に調
量ラックピン23を圧接してあるため、これらがガタつ
くことはない。
【0024】また、燃料調量具10の燃料増量側端部4
4と対向する位置で、燃料噴射ポンプ室17の前壁26
にエンジン停止用ソレノイド45を付設し、これに制御
装置(図外)を連携させ、エンジンオイルの油圧低下等
のエンジントラブル時に、制御装置が自動的にエンジン
停止用ソレノイド45を作動させ、燃料調量具10を強
制的に燃料停止位置に移動させるようにしてある。この
燃料停止作動に当たっては、スライダ41の後方へのス
ライドにより、ガバナレバー6が置き残されるので、エ
ンジン停止用ソレノイド45は、ガバナスプリング39
の強い張力の抵抗を受けることなく、スタートスプリン
グ42の弱い張力に抗するのみで、燃料調量具10を燃
料停止位置に移動させることができる。尚、手動停止の
場合には、スライダ41から直角方向に突設している係
止片46をエンジン停止用レバー(図外)で引っかけ
て、スライダ41を燃料減量方向にスライドさせる。
【0025】また、スプリング力入力レバー37はガバ
ナ力入力レバー36に付設したトルクアップ装置47に
接当し、燃料噴射ポンプ室17の上壁49に燃料制限ボ
ルト48を付設し、これをスプリング力入力レバー37
の上端部にその前側から対向させてある。このため、エ
ンジンにかかる負荷が正常範囲である間は、スプリング
力入力レバー37の上端部が燃料制限ボルト48に接当
し、燃料調量具10の燃料増量移動が所定の燃料制限位
置までに止められるが、エンジンが異常負荷を受けた場
合には、ガバナ力5が異常低下するため、トルクアップ
装置47が作動して、スプリング力入力レバー37を置
き残したまま、ガバナ力入力レバー36のみが燃料増量
側に揺動し、燃料調量具10をトルクアップ位置に移動
させ、その燃料増量により、エンジントルクを上げ、エ
ンストを抑制する。
【0026】ところで、このメカニカルガバナ装置で
は、エンジン始動時にエンジンの回転を速やかに立ち上
げるため、次のような構成を採用している。図1(A)
に示すように、ウェイトホルダ2に磁石7を固着し、こ
の磁石7の吸引力でガバナスリーブ4をウェイトホルダ
2側に吸引するようにし、図1(B)に示すように、ガ
バナ力5が弱いエンジン始動開始直後の所定期間中は、
このガバナ力5に抗しながら、ガバナスリーブ4のウェ
イトホルダ2側への吸引状態を維持するようにしてあ
る。
【0027】そして、図1(A)に示すように、ウェイ
トホルダ2に感温作動性の吸引解除具9となる板状のバ
イメタルを付設してある。この板状のバイメタルは、そ
の基端部をウェイトホルダ2に固定し、その先端部をガ
バナスリーブにその後側から対向させてある。そして、
図1(C)に示すように、これが所定温度以上の温度を
感温している時には、その感温温度に対応する変形によ
り、その先端自由端部でガバナスリーブ4をウェイトホ
ルダ2から離隔する方向に押圧し、ガバナスリーブ4の
ウェイトホルダ2側への吸引状態を解除するようにして
ある。
【0028】このメカニカルガバナ装置によれば、図1
(B)に示すように、寒冷始動時は、ガバナ力5が徐々
に増加してきても、ガバナ力5が弱いエンジン始動開始
直後の所定期間中は、このガバナ力5に抗しながら、ガ
バナスリーブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態が維
持されるので、ガバナ力5がガバナレバー6に殆ど伝達
されない。このため、その所定期間中は燃料調量具10
がほぼ始動増量位置11に止められ、燃焼室(図外)に
多量の燃料が継続して供給されるので、エンジンの回転
が速やかに立ち上がる。
【0029】また、図1(C)に示すように、吸引解除
具9が所定温度以上の温度を感温している温暖時には、
ガバナスリーブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態が
吸引解除具9で解除されるため、エンジン始動開始後
は、エンジンの回転速度の上昇に伴って徐々に増加する
ガバナ力5により、燃料調量具10が始動増量位置11
から徐々に燃料減少方向に移動され、燃焼室への燃料供
給量が減少する。このため、エンジン回転の速やかな立
ち上げに多量の燃料を要しない温暖始動時には、燃焼室
に適性な量だけ燃料が供給され、燃焼が適性に行われ
る。
【0030】しかも、吸引解除具9の感温温度が高くな
るほど、吸引解除具9でガバナスリーブ4がウェイトホ
ルダ2から遠くに離隔され、この離隔距離に対応する分
だけ、燃料調量具10が、通常は寒冷始動用に設定され
ている始動増量位置11よりも燃料減量側に偏位する。
このため、始動開始時点では、その時の気温等に適合し
た量だけ燃焼室に燃料が供給される。
【0031】また、図3は図1に示すメカニカルガバナ
装置の磁石と吸着解除具の配置の変更例を示す要部縦断
面図で、図3(A)は変更例1、図3(B)は変更例2
を示す。
【0032】図3(A)に示すように、変更例1では、
吸引解除具9となる板状のバイメタルの先端自由端部に
磁石7を固着し、バイメタルが所定温度未満の温度を感
温している時には、実線で示すように、バイメタルの先
端自由端部側がガバナスリーブ4側に近づき、磁石7の
吸引力でガバナスリーブ4をウェイトホルダ2側に吸引
し、ガバナ力が弱いエンジン始動開始直後の所定期間中
は、このガバナ力に抗しながら、ガバナスリーブ4のウ
ェイトホルダ2側への吸引状態を維持する。また、バイ
メタルが所定温度以上の温度を感温している時には、鎖
線で示すように、バイメタルの先端自由端部がガバナス
リーブ4側から離隔し、ガバナスリーブ4のウェイトホ
ルダ2側への吸引状態が解除される。
【0033】図3(B)に示すように、変更例2では、
磁石7をガバナスリーブ4に固着し、ウェイトホルダ2
側に固着した吸引解除具9となる板状のバイメタルが所
定温度未満の温度を感温している時には、実線で示すよ
うに、バイメタルの先端自由端部側がウェイトホルダ2
側に近接し、磁石7の吸引力でガバナスリーブ4をウェ
イトホルダ2側に吸引し、ガバナ力が弱いエンジン始動
開始直後の所定期間中は、このガバナ力に抗しながら、
ガバナスリーブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態を
維持する。また、バイメタルが所定温度以上の温度を感
温している時には、鎖線で示すように、バイメタルの先
端自由端部でガバナスリーブ4とともに磁石7がウェイ
トホルダ2側から離隔するように押され、ガバナスリー
ブ4のウェイトホルダ2側への吸引状態が解除される。
【0034】本発明の実施例の内容は以上の通りである
が、本発明は上記実施例に限定されるものではない。例
えば、上記実施例では、感温作動性の吸引解除具9とし
て板状のバイメタルを用いたが、温度センサ(図外)で
エンジンの雰囲気温度を感温し、温度センサが所定温度
以上の温度を感温した時には、駆動装置(図外)等によ
り、ガバナスリーブ4をウェイトホルダ2から離隔させ
て、ガバナスリーブ4のウェイトホルダ2側への吸引を
解除するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエンジンのメカニカルガ
バナ装置の要部説明図で、図1(A)はメカニカルガバ
ナ装置の要部縦断面図、図1(B)は寒冷始動時でのメ
カニカルガバナ装置の作動説明図、図1(C)は温暖始
動時でのメカニカルガバナ装置の作動説明図である。
【図2】図1に示すメカニカルガバナ装置を収容した燃
料噴射ポンプ室の縦断面図である。
【図3】図1に示すメカニカルガバナ装置の磁石と吸着
解除具の配置の変更例を示す要部縦断面図で、図3
(A)は変更例1、図3(B)は変更例2を示す。
【図4】従来技術に係るエンジンのメカニカルガバナ装
置の図1(B)相当図である。
【符号の説明】
1…ガバナ軸、2…ウェイトホルダ、3…ガバナウェイ
ト、4…ガバナスリーブ、5…ガバナ力、6…ガバナレ
バー、7…磁石、9…吸引解除具[吸引解除用の感温作
動具](バイメタル)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萬羽 俊一 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (72)発明者 吉田 鉱三 大阪府堺市石津北町64 株式会社クボタ 堺製造所内 (56)参考文献 特開 昭56−6028(JP,A) 実開 平4−95635(JP,U) 実開 昭59−60384(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 1/04 F02D 31/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガバナ軸(1)に固定したウェイトホルダ
    (2)にガバナウェイト(3)を揺動自在に枢支し、上記ウ
    ェイトホルダ(2)に隣接して、上記ガバナ軸(1)にガバ
    ナスリーブ(4)を外嵌し、このガバナスリーブ(4)を上
    記ガバナ軸(1)の軸心方向に沿ってスライド自在とし、
    上記ガバナウェイト(3)から出力するガバナ力(5)で上
    記ガバナスリーブ(4)を上記ウェイトホルダ(2)から離
    隔する方向に押圧しながら、ガバナレバー(6)に上記ガ
    バナ力(5)を入力するように構成した、エンジンのメカ
    ニカルガバナ装置において、 上記ウェイトホルダ(2)と上記ガバナスリーブ(4)
    のうちの少なくとも一方に磁石(7)を設けて、この磁
    石(7)の吸引力で上記ガバナスリーブ(4)を上記ウェイ
    トホルダ(2)側に吸引するように構成することによっ
    、上記ガバナ力(5)が弱いエンジン始動開始直後の所
    定期間中は、このガバナ力(5)に抗しながら、上記ガバ
    ナスリーブ(4)の上記ウェイトホルダ(2)側への吸引状
    態を維持するように構成し、 温度に応じて変形する吸引解除用の感温作動具(9)を上
    記ガバナスリーブ(4)と上記ウェイトホルダ(2)との間
    に設け、この感温作動具(9)は、所定温度以上の温度を
    感温して変形作動している高温側感温状態では、上記磁
    石(7)による上記ガバナスリーブ(4)の上記ウェイトホ
    ルダ(2)側への吸引状態を解除させるように構成した、 ことを特徴とするエンジンのメカニカルガバナ装置。
  2. 【請求項2】請求項に記載したエンジンのメカニカル
    ガバナ装置において、 上記感温作動具(9)をバイメタルとし、そのバイメタル
    (9)は、その感温温度の高さに対応する変形量だけ、上
    記ガバナスリーブ(4)を上記ウェイトホルダ(2)から離
    隔させるように構成した、 ことを特徴とするエンジンのメカニカルガバナ装置。
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