JPS5834268Y2 - 温度補償付分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はプランジャが回転往復動して燃料を分配噴射さ
せ、噴射量の制御は、前記プランジャに嵌挿のコントロ
ールスリーブの変位により行なわれ、該コントロールス
リーブはフライウェイトの遠心力で押圧されるスタート
レバー及びテンションレバーにより制御力が伝えられる
構成の分配型燃料噴射ポンプにあって、燃料の温度上昇
により噴射量が減少するため温度変化があっても常に所
望の噴射量に維持できる温度補償機構を設けるようにし
たものである。

次に分配型燃料噴射ポンプを概略説明する。

第１図、第２図及び第３図に示される如く、ガバナシャ
フト１は噴射ポンプカム軸２により機関の回転数に応じ
て駆動されるフライウェイト３の開閉によって変位する
ようにポンプ本体４に摺動自在に取付けられている。

このような分配型の燃料噴射ポンプのガバナレバー５は
、スタートレバー６、テンションレバー７及びコレクタ
レバー８より構成されており、スタートレバー６とテン
ションレバー７は中間部でピン１３により回動自在に結
合され、該ピンはポンプ本体４にピボットポルｔｌＯ，
１０ａにより支えられているコレクタレバー８上に設け
られている。

コレクターレバー８は下端をスプリング１１により常時
押圧されており上端は、フルロード噴射量を定めている
フルロードストッパ１２の調整ねじ１２ａに当接してい
る。

この調整ねじ１２ａを回動することで、コレクタレバー
８をピピポットボルト１０，１０ａを支点として回動す
ることができる。

スタートレバー６の下端にはプランジャ１４に摺動自在
に嵌合したコントロールスリーブ１５にピン１６で係合
し、捷た上端にはスタートレバー６が前記ガバナシャフ
ト１の自由端に常に当接するようにテンションレバーＩ
との間に板ばねであるスタートスプリング１７が取付け
られている。

前記プランジャ１４はカム軸２と同軸上に設けられて回
転及び往復動し、燃料を送出弁を介して機関の各気筒ヘ
カロ圧分配するようにされている。

テンションレバー７はガバナシャフト１の移動によりス
タートレバー６がピン１３を支点として回動した場合ス
タートレバー６の上端と接触して一緒に回動するように
されている。

燃料噴射量の調整ハ、スタートレバー６４たはテンショ
ンレバー７がピン１３を支点として回動し、ピン１６に
よりコントロールスリーブ１５を変位させることで行な
われる。

前記スタートスプリング１７は始動時の燃料増量のため
コントロールスリーブ１５を燃料増方向（図示右方向）
に移動させるようにスタートレバー６を回動させる作用
をする。

前記テンションレバー７はガバナスフリング１９で引か
れるが、ガバナスプリングとの係合部に設けられたアイ
ドルスプリング１８を介してガバナスプリング１９が取
付けられ、このガバナスプリング１９はコントロールレ
バー（図示せず）を介して車両のアクセルペダル等に連
結され、始動時や最高回転位置ではテンションレバーＩ
を本体４に設けられたストッパーピン９に当たる寸で引
くようにされている。

次にこの種の燃料噴射ポンプではポンプ本体４の外側に
復帰用のねじりコイルスプリング２０を介して燃料遮断
のためのストップレバー２１が回動自在に設けられてお
り、このストップレバー２１はポンプ本体内に突出する
爪２２を有し作動時には前記水２２によりスタートレバ
ー６及びテンションレバーＩをピン１３を支点として回
動し、コントロールスリーブ１５をコントロールレバー
の位置とは無関係に無噴射位置１で移動し、機関を停止
させる作用をするものであり、通常スプリング２０の作
用により非作動位置に位置するようにされている。

以上分配型燃料噴射ポンプの基本構成について説明した
が、この分配型燃料噴射ポンプにおいて燃料の温度の上
昇は、エンジンに取付けるためエンジンの熱が伝達され
る外、内部的な原因としてフライウェイト３の回転によ
る攪拌、カットオフ後の噴流等の摩擦熱からさけられな
いものであり、温度の上昇と回転数とはほぼヒヒ例関係
にあり例えば回転数が５００ｒｐｍ時ポンプ温度が４５
度とした時、回転数が２２００ｒｐｍ時はポンプ温度は
約８０度となる。

燃料温度の上昇は、油の密度の減少、粘性の変化による
リーク量の増大等で噴射量は減少する。

列えば１０度上昇すると噴射量が１７ｎＴ／Ｌ３／ｓｔ
程も噴射量が減少し機関の所望回転が出なくなる欠陥が
あった。

アイドリング回転数にあっては、特にこの影響が現れる
。

即ち、高速走行して燃料温度が上昇した後、アイドル回
転数は所定の回転例えば６００ｒｐｍより１００〜１５
０ｒｐｍ低下するようになり、回転不調、エンジンスト
ップも発生するようになる。

また高速回転時にあっても、噴射量が落ち込む現象が生
じた。

本考案では上述の問題を解決するため、コントロールス
リーブを温度の上昇に関連して燃料増方向へ移動させる
ことで対処するものである。

その手段として前記ストップレバーとコレクタレバーを
関連させストップレバーの作動を規制する外部ストッパ
に、温度変化により膨張又は収縮する部材を設けて温度
補償を行なうようにしたものである。

次にこの考案の実施列を図面により説明する。

第４図、第５図において、ストッパー２３の先端にワッ
クスペレット等の温度応動部材２３ａを取付け、第１の
ストッパーとし該温度応動部材にストップレバー２１ａ
を当接する。

従ってストップレバー２１ａは燃料遮断の機能を持たせ
ず単にレバー２１ａとし、本体内でコレクタレバーの延
長部にレバー２２ａが燃料増方向に当接して設けられて
いる。

又、フルロード噴射量を定めているフルロードストッパ
ボルト１２は全負荷噴射量の下限を確保するために設け
、第２のストッパーとする。

次に上記した構成の作動を説明する。

第５図に釦いてエンジンが始動し、エンジンルーム内の
雰囲気温度が上昇するとストッパー２３内の湿度応動部
材２３ａが膨張してストップレバー２’ｌａの肩部を押
圧する。

そのため本体内でストップレバー２１ａの軸端に固定さ
れたレバー２２ａのピン２２ｂはコレクタレバー８の上
部を押圧し、コレクタレバーをピボットボルト１０を支
点としてスプリング１１に抗して反時計方向（第１図）
へ回動し、ピン１３は図中右方へ移動され、これにより
テンションレバー７も右方へ移動する。

このため、テンションレバー７と一体として動くスター
トレバー６の下端に取付られているコントロールスリー
ブ１５は若干量だけ燃料増方向へ動かされるようになり
、カットオフ１での有効ストロークが増加してエンジン
の雰囲気温度の上昇により噴射量が減少するのを防ぐこ
とができるものである。

一方エンジン零囲気温度が低くい場合でも、全負荷噴射
量の下限はエンジン出力上確保する必要があるので、温
度感応部は低温で収縮しても、コレクターレバー８はフ
ルロードストッパーボルト１２に当接し燃料の減少を防
ぐ。

温度変化に応動する部材の設置は、ストッパー２３に限
らず、ストップレバー２１ａに設けてもよいことはいう
１でもない。

又、以上の説明では温度感応部材をエンジンの雰囲気温
度に応動するべくポンプ本体外部のストップレバー２１
ａに関して設け、ポンプ本体内でコレクターレバーに当
接するフルロードストッパーを設けたが、これを反対の
関係、即ち、温度感応部材を前述のフルロードストッパ
ーボルトニ設け、全負荷噴射量の下限をストップレバー
２１ａで行うようにしてもよい。

この場合温度感応部材はポンプ本体内の燃料温度を検知
することになる。

以上のように燃料温度変化或はエンジンの雰囲気温度に
よる噴射量の変化に対処し、所望の噴射量を維持できる
効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は内燃機関用分配型燃料噴射ポンプの部分断面正
面図であり、第２図は現用のエンジンストップ機構を示
す第１図の■−■線に沿う横断面図であり、第３図は第
２図の矢印Ａ方向に見た側面図であり、第４図は本考案
によるエンジンストップ機構を示す第１図の■−■線方
向から見る横断面図であり第５図は第４図の矢印Ａ方向
に見た側面図であり、第６図、第７図は本考案の第２実
施例の要部拡大断面図。 ４・・・ポンプ本体、５・・・ガバナレバー、６・・・
スタートレバー、１・・・テンションレバー ８・・・
コレクタレバー、１４・・・プランジャ、１５・・・コ
ントロールスリーブ、１２ａ・・・調整ねじ、２１，２
１ａ・・・ストップレバー ２３・・・ストッパー、２
３ａ、２４温度応動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プランジャが回転及び往復動して燃料を分配噴射させ、
   噴射量の制御は前記プランジャに嵌挿のコートロールス
   リーブの変位により行なわれ、該コントロールスリーフ
   ハスタートレバー、テンションレバー及ヒコレクタレバ
   ーの３つのレバーにより構成のガバナレバーによりフラ
   イウェイトの制御力が伝えられるようにした分配型燃料
   噴射ポンプにむいて、コントロールスリーブの全負荷燃
   料供給位置をコレクタレバーに連結した中間レバーにポ
   ンプ本体外で当接する第１のストッパーと、ポンプ本体
   内でコレクタレバーに当接する第２のストッパーとで共
   通に設定し、いずれか−力の当後部に温度感応部材を配
   設したことわ特徴とする温度補償付分配型燃料噴射ポン
   プ。