JPH088255Y2 - ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置

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JPH088255Y2
JPH088255Y2 JP15086189U JP15086189U JPH088255Y2 JP H088255 Y2 JPH088255 Y2 JP H088255Y2 JP 15086189 U JP15086189 U JP 15086189U JP 15086189 U JP15086189 U JP 15086189U JP H088255 Y2 JPH088255 Y2 JP H088255Y2
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節男 山田
和良 森岡
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Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案はディーゼルエンジンを急加速操作した際に発
生するスモークを低減する装置に関する。
《従来技術》 ディーゼルエンジンでは燃料噴射ポンプのコントロー
ルラックをエンジンの回転軸に付設したガバナウエイト
からのガバナフォースとガバナレバーに作用しているガ
バナスプリング力との釣り合いでコントロールラックの
移動量を調整して燃料噴射量を制御してエンジン回転数
を制御するようにしているのであるが、従来、エンジン
始動時を円滑に行うために、ガバナレバーをコントロー
ルラックに係合するフオークレバーとガバナスプリング
を作用させているスプリングレバーとで構成し、エンジ
ン始動操作時に運転時の最大燃料噴射量よりも多量の燃
料を燃焼室に供給できるようにするために、スプリング
レバーを燃料制限ピンで受け止めるとともに、フォーク
レバーにスタートスプリングを作用させ、かつ、重負荷
時でのエンジンの粘りを出すためにフオークレバーとス
プリングレバーとをトルクスプリングで連動連結するよ
うにしたものが提供されている(実開昭62-82345号公
報)。
《解決しようとする課題》 ところが、従来のガバナ装置では、急加速操作をする
と、ガバナスプリングの張力は急激に増加するが、その
場合のエンジン回転数は低回転状態であるから、フォー
クレバーに作用しているガバナフォースは実回転数に応
じた力しか出ていない。このため、ガバナスプリング力
とガバナフォースとの釣り合いが崩れ、ガバナレバーは
燃料増量側に大きく移動することになるが、この移動時
にスプリングレバーは燃料制限ピンで受け止められる
が、スプリングレバーとフォークレバーとはトルクスプ
リングを介して連動するようになっていることから、そ
のトルクスプリングの蓄圧力とスタートスプリングのバ
ネ力との合力がフォークレバーに作用して、フォークレ
バーを最大燃料噴射位置から燃料増量側にオーバハング
させ、燃料噴射ポンプからの燃料送給量が異常増量され
てスモークを発生することがあるという問題があった。
本考案はこのような点に着目してなされたもので、急
加速操作があつても、スモークの発生量を減少させるよ
うにすることを目的とする。
《課題を解決するための手段》 上述の目的を達成するために本考案は、ガバナ軸に固
定したウエイトホルダにフライウエイトを揺動可能に枢
支し、このフライウエイトとウエイトホルダとの間にフ
ライウエイトの燃料増量側への移動を規制する燃料制限
バネを配置し、この燃料制限バネの自由長を稼働回転域
でフライウエイトに接触しない長さに形成したことを特
徴としている。
《作用》 本考案では、ガバナ軸に固定したウエイトホルダにフ
ライウエイトを揺動可能に枢支し、このフライウエイト
とウエイトホルダとの間にフライウエイトの燃料増量側
への移動を規制する燃料制限バネを配置し、この燃料制
限バネの自由長を稼働回転域でフライウエイトに接触し
ないように形成しているので、通常の稼働運転状態で
は、燃料制限バネの影響を受けることなく燃料噴射量を
制御することができながらも、急加速操作時には、ガバ
ナスプリング力の急激な増加に伴いスプリングレバー、
フォークレバーを介してフライウエイトに作用する燃料
増量側へ移行させようとする力を燃料制限バネが受け止
め、その弾性力でガバナレバー(フォークレバー)の燃
料増量側への移動を規制することになる。このため、急
加速操作しても、燃料噴射ポンプのコントロールラック
が最大燃料噴射位置を越えて始動増量側にオーバランす
ることがなくなる。
《実施例》 図面は本考案の実施例を示し、第1図は要部の取り出
し説明図、第2図は燃料噴射量制御装置部分の縦断面図
である。
この燃料噴射量制御装置は、ディーゼルエンジン
(E)のポンプ収容室(2)に燃料噴射ポンプ(3)を
配置するとともに、ポンプ収容室(2)内に燃料噴射カ
ム軸(4)とガバナ軸(5)とを配置し、この燃料噴射
カム軸(4)とガバナ軸(5)とをクランク軸(図外)
に連動連結し、ガバナ軸(5)ウエイトホルダ(6)を
固定するとともに、ガバナ軸(5)にガバナスリーブ
(7)をガバナ軸軸芯方向に移動可能な状態で套嵌さ
せ、ウエイトホルダ(6)に揺動開閉可能に支持させた
フライウエイト(W)の開閉揺動に伴い出退移動するガ
バナスリーブ(7)の移動量をガバナレバー(8)を介
して燃料噴射ポンプ(3)をコントロールラック(9)
に制御移動可能に構成したものである。
ガバナレバー(8)はコントロールラック(9)のラ
ックピン(9a)に係合しているフォークレバー(10)と
ガバナスプリング(11)の一端部を係止しているスプリ
ングレバー(12)とで構成してあり、フォークレバー
(10)に前記ガバナスリーブ(7)のスラスト力(ガバ
ナフォース)(F)を作用させるようにするとともに、
フォークレバー(10)とスプリングレバー(12)とをト
ルクスプリング装置(13)を介して連動するように構成
し、ガバナフォース(F)とガバナスプリング力(Gs)
との釣り合いで燃料噴射ポンプ(3)のコントロールラ
ック(9)を制御するようにしてある。そして、ポンプ
収容室(2)の側面開口部を覆う状態で配置したポンプ
室蓋に調速レバー(15)を揺動可能に枢支し、この調速
レバー(15)にガバナスプリング(11)の他端部を係合
させてある。また、調速レバー(15)のレバー軸(16)
はポンプ室蓋を貫通しており、その外端部に配設した変
速レバーが固定してある。
なお、フォークレバー(10)は、ガバナフォース
(F)を受けて揺動するレバーアーム部(10a)とレバ
ーアーム部(10a)の先端部に摺動可能に装着したスラ
ストレバー(10b)とで構成してあり、コントローラッ
ク(9)のラックピン(9a)をレバーアーム部(10a)
とスラストレバー(10b)で挟持することによりガバナ
の応答感度を高めるようにしている。そして、このスラ
ストレバー(10b)とコントロールラック(9)の燃料
増量側(R)に位置するポンプ収容室壁(18)との間に
コントロールラック(9)を燃料増量側(R)に付勢す
るスタートスプリング(19)が係着してある。また、ス
ラストレバー(10b)の燃料減量側(L)にはアイドル
リミットスプリング(20)が配置してあって、コントロ
ールラック(9)が不測に燃料無噴射位置に移動しない
ようにしてある。
フライウエイト(W)支持しているウエイトホルダ
(6)はホルダブロック(21)と、フライウエイト
(W)の開量を規制する制限ブロック(22)とで構成し
てあり、フライウエイト(W)の出力アーム(23)と制
限ブロック(22)との間には燃料制限バネ(24)が配置
してある。この燃料制限バネ(24)の自由長はエンジン
の稼働回転域ではフライウエイト(W)の出力アーム
(23)に接触せず、低回転状態でのみフライウエイト
(W)の出力アーム(23)を受け止めて、燃料減量側に
付勢するようになっている。
このため、通常の稼働運転状態では、燃料制限バネ
(24)は作用しないが、変速レバーの操作で急加速する
と、ガバナスプリング力(Gs)が急激に増加してガバナ
レバー(8)を燃料増量側に移行させるが、このとき、
スプリングレバー(12)は最大燃料噴射位置に対応する
位置で燃料制限ピン(25)で受け止められるから、その
後フオークレバー(10)はトルクスプリング装置(13)
の蓄圧力とスタートスプリング(19)のバネ力で燃料増
量側(R)に移動しようとするが、その移動力はフォー
クレバー(10)の基端部が係合しているガバナスリーブ
(7)を介してフライウエイト(W)に伝達されること
になる。このとき、エンジンの回転は十分に上昇してい
ないことから、フライウエイト(W)の遠心力に起因す
るガバナフォース(F)はガバナスプリング力(Gs)に
比べて小さいため、フライウエイト(W)の開角を狭め
ようとする。このフライウエイト(W)に作用する力を
燃料制限バネ(24)で受け止めることにより、燃料制限
バネ(24)の弾性力をガバナフォース(F)に付加させ
ることにより、フォークレバー(10)に燃料減量側への
力を増加させて伝達する。このため、燃料噴射ポンプ3
のコントロールラック(9)が燃料増量側にオーバーラ
ン量することがなくなり、スモークの発生を極力抑える
ことになる。
また、ローアイドル状態からハイアイドル状態への移
行時に、燃料制限バネ(24)がフライウエイト(W)に
作用することになるから、フライウエイト(W)の開き
速度が早くなって、燃料噴射ポンプ(3)からの噴射量
の増加率が低下する。これにより、アイドル回転時での
燃料の過剰供給もなくなる。
なお、図中符号(26)はエンジン停止用ソレノイドで
ある。
《効果》 本考案は、ガバナ軸に固定したウエイトホルダにフラ
イウエイトを揺動可能に枢支し、このフライウエイトと
ウエイトホルダとの間にフライエイトの燃料増量側への
移動を規制する燃料制限バネを配置し、この燃料制限バ
ネの自由長を稼働開演域でフライウエイトに接触しない
ように形成しているので、通常の稼働運転状態では、燃
料制限バネの影響を受けることなく燃料噴射量を制御す
ることができながらも、急加速操作時には、ガバナスプ
リング力の急激な増加に伴いスプリングレバー、フォー
クレバーを介してフライウエイトに作用する燃料増量側
へ移行させようとする力を燃料制限バネが受け止め、そ
の弾性力でガバナレバー(フォークレバー)の燃料増量
側への移動を規制することになる。このため、急加速操
作しても、燃料噴射ポンプのコントロールラックが最大
燃料噴射位置を越えて始動増量側にオーバランすること
がなくなり、急加速操作時のスモークの発生を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示し、第1図は要部の取り出し
説明図、第2図は燃料噴射量制御装置部分の縦断面図 2……燃料噴射ポンプ収容室、3……燃料噴射ポンプ、
5……ガバナ軸、6……ウエイトホルダ、8……ガバナ
レバー、9……コントロールラック、10……フォークレ
バー、11……ガバナスプリング、12……スプリングレバ
ー、13……トルクスプリング装置、15……調速レバー、
18……(2)の燃料増量側壁面、19……スタートスプリ
ング、24……燃料制限バネ、W……フライウエイト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 森岡 和良 大阪府堺市石津北町64 久保田鉄工株式会 社堺製造所内 (72)考案者 梅田 裕三 大阪府堺市石津北町64 久保田鉄工株式会 社堺製造所内

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料噴射ポンプ(3)のコントロールラッ
    ク(9)に係合するフォークレバー(10)と、調速レバ
    ー(15)にガバナスプリング(11)を介して連動連結し
    たスプリングレバー(12)とでガバナレバー(8)を構
    成し、フォークレバー(10)とスプリングレバー(12)
    とをトルクスプリング装置(13)を介して連動連結し、
    フォークレバー(10)と燃料噴射ポンプ収容室(2)の
    燃料増量側壁面(18)との間にスタートスプリング(1
    9)を張設してなるガバナ装置を備えたデイーゼルエン
    ジンにおいて、 エンジン回転数に比例して回転するガバナ軸(5)に固
    定したウエイトホルダ(6)にフライウエイト(W)を
    揺動可能に枢支し、このフライウエイト(W)とウエイ
    トホルダ(6)との間に、フライウエイト(W)の燃料
    増量側への移動を規制する燃料制限バネ(24)を配置
    し、燃料制限バネ(24)の自由長を稼働回転域でフライ
    ウエイト(W)に接触しない長さに形成したことを特徴
    とするディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置
JP15086189U 1989-12-29 1989-12-29 ディーゼルエンジンの急加速時スモーク低減装置 Expired - Fee Related JPH088255Y2 (ja)

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