JP2921913B2 - 電子写真法に於る現像装置のドクターギャップ調整方法及びその調整構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、電子写真法を利用する画像形成装置の現像
装置に於て、ドクターブレードの現像ローラに対する位
置を調整する、ドクターギャップ調整方法及びその調整
構造に関する。

［従来の技術］ 従来より、表面を光導電体で形成した感光体ドラム表
面を露光して静電潜像を形成し、この潜像にトナーを付
着させて現像し、該トナーを記録用紙に転写すると共に
定着器によって定着させる所謂電子写真法を利用した電
子複写機やレーザビームプリンタ等の画像形成装置が知
られている。

電子写真法に於る現像方法としては、種々の方式が考
えられているが、磁石によって鎖状に配列された磁性体
キャリアにより形成される磁気ブラシによって帯電トナ
ーを静電潜像に供給する磁気ブラシ法と呼ばれる方式を
用いるものが多い。

磁気ブラシ法では、非磁性のトナーと磁性体のキャリ
アを所定比率で混合した二成分のトナーを用いるが、近
時、一成分系の帯電型磁性トナーを用いると共に現像ロ
ーラに予め磁性体キャリアを付着させておく所謂1.5成
分現像と呼ばれるものもある。

磁気ブラシ法を適用する現像装置は、磁気ローラの外
周に磁性体のスリーブを回転可能に外挿して現像ローラ
を構成し、該現像ローラのスリーブを回転させてトナー
を順次現像域に搬送するように構成される。

ここで、良好な現像を行なう為には、磁気ブラシの高
さを高い精度で規制する必要があり、その為、現像ロー
ラ外周（スリーブ外周）に対向させてドクターブレード
を設けると共に、該ドクターブレードの先端と現像ロー
ラ外周とを所定間隔（ドクターギャップ）に設定し、こ
れによって磁気ブラシの高さを規制するように構成され
る。

ドクターギャップの調整は、現像ローラ外周とドクタ
ーブレード先端との間に設定すべきドクターギャップと
同じ厚さの平板状のゲージを挟み、ドクターブレードを
均等に押圧して固定することによって行なわれる。

［従来技術の課題］ しかし乍ら、上記従来の如きドクターギャップ調整方
法では、ゲージを現像ローラ外周に水平に当接乃至固定
し、そのゲージにドクターブレードをその全長に亙って
均等な力で押圧して固定しなければならず、調整作業が
極めて面倒であると共に、精度の高い設定調整は極めて
難しいという問題があった。

又、ゲージを現像ローラ外周とドクターブレードの間
に挟む為に、現像ローラ外周やドクターブレード先端を
傷付けてしまう可能性を有するものである。

［発明の目的］ 本発明は、上記の如き事情に鑑み、ドクターギャップ
の調整を容易且つ正確に行ない得、又、現像ローラ外周
を傷付けることもない電子写真法に於る現像装置のドク
ターギャップ調整方法及びその調整構造の提供、を目的
とする。

［課題を解決する為の手段］ 上記目的達成の為、請求項１の電子写真法に於る現像
装置のドクターギャップ調整方法は、（ａ）現像ローラ
の半径よりもドクターギャップ分だけ大きい半径を持つ
ダミーローラを用い、（ｂ）現像装置の現像ローラ装着
部において現像ローラの軸受を保持する軸受保持孔を、
ダミーローラの軸部が通過可能で且つ現像ローラの軸受
が通過不能な幅のスリットにより外部と連通し、（ｃ）
ダミーローラの軸部をスリットを通して移動させること
により現像ローラ装着部にダミーローラを装着し、ダミ
ーローラの外周にドクターブレードが当接するよう該ド
クターブレードの位置を調節してから、現像装置にドク
ターブレードを固定し、（ｄ）ダミーローラの軸部をス
リットを通して移動させることによってダミーローラを
現像ローラ装着部から取り外し、現像ローラを現像ロー
ラ装着部に装着すること、を特徴とするものである。

又、請求項３による電子写真法に於る現像装置のドク
ターギャップ調整構造は、（ａ）現像装置の現像ローラ
装着部に、現像ローラの軸受を保持する軸受保持孔を設
け、（ｂ）現像ローラの半径よりもドクターギャップ分
だけ大きい半径を持つダミーローラを現像ローラ装着部
に着脱するため、軸受保持孔を、ダミーローラの軸部が
通過可能で且つ現像ローラの軸部が通過不能な幅のスリ
ットにより外部と連通したこと、を特徴とするものであ
る。

［発明の実施例］ 次に、図面に基いて本発明の実施例を説明する。

第１図は本発明に係る電子写真法に於る現像装置のド
クターギャップ調整構造を適用した現像装置の横断面図
である。

図示現像装置10は、ハウジング10Aによって略円柱状
のトナー収納部11が形成され、該トナー収納部11の斜め
下方位置に現像ローラ12が配置されると共に、該現像ロ
ーラ12とトナー収容部11を挟む対称位置（トナー収容部
11の斜め上方）に、トナー供給口100が開口形成され、
該トナー供給口100にはトナーカートリッジ15が装着さ
れている。

トナー収容部11には、回転することによってトナー収
容部11内のトナーの現像ローラ12への供給を行なうスク
レイパー13が中央に貫通装着されている。

現像ローラ12は、両端で当該現像装置10のサイドハウ
ジング10Bに保持され、その周面はハウジング10Aの対応
する部位に形成された開口部10Cから露出して、該開口
部10Cを介して保持したトナーを図示しない感光ドラム
表面に供給するようになっている。

トナー収容部11を構成するハウジング10Aの現像ロー
ラ12側の外壁面10Fは、現像ローラ12の中心に向かう平
面となっており、ここにドクターブレード14が装着され
ている。

ドクターブレード14は、ネジ16によって外壁面10Fに
固定されており、該ネジ16を緩めてドクターブレード14
を外壁面10Fに沿って移動させるとその先端が現像ロー
ラ12と離接してドクターブレード14の先端と現像ローラ
12の外周面との間隔（即ちドクターギャップＧ）を調整
できるようになっている。

現像ローラ12は、第１図のIV矢視図である第４図に示
す如く、その両端でサイドハウジング10B,10Bに軸受12
B,12Bを介して支持されている。

サイドハウジング10Bには、第１図から現像ローラ12
を外した状態を示す第２図示の如く、軸受12Bが嵌合す
る装着孔10Dが形成され、該装着孔10Dに軸受12Bが嵌装
することで現像ローラ12はサイドハウジング10Bに回転
自在に支持されるようになっている。

装着孔10Dは、当該装着孔10Dに嵌装される軸受12Bの
径より狭い所定幅:Wのスリット10Eによって外部と連通
されている。

ドクターギャップ調整時には、サイドハウジング10B
の装着孔10Dに、第３図示の如く、又第１図に想像線で
示す如く現像ローラ12の半径に設定したいドクターギャ
ップを加算した半径のダミーローラ20を現像ローラ12と
同様に装着し、該ダミーローラ20の外周にドクターブレ
ード14を当接させた状態で固定することで、ドクターブ
レード14の長さ方向全域に亙って均等且つ高精度として
ドクターギャップを調整することができる。

ここで、ダミーローラ20は、両端に突出された装着孔
10Dのスリット10Eの幅:Wより細い軸部22,22に、現像ロ
ーラ12と同様の軸受21,21が装着されており、該軸受21,
21を装着孔10Dに嵌合させて装着されるようになってい
る。

軸受21は、一方側端にその軸受本体21Aより大径の鍔2
1Bが形成されており、該鍔21Bを同じ側として軸部22,22
に装着されている。第３図では、軸受21,21は夫々鍔21B
を左側として装着されている。

又、軸受21の鍔21Bとは反対側には、サイドハウジン
グ10Bの厚さより広く軸部22,22が露出されて（露出部22
A）おり、両端の軸露出部間間隔:1は、両側のサイドハ
ウジング10B,10Bの間隔:Lと等しく設定されている。

そして、ドクターギャップ調整時に於るダミーローラ
20装着は、軸露出部22Aをサイドハウジング10Bのスリッ
ト10E部分に対応させて軸部22を装着孔10D内に位置させ
た後、軸受21がサイドハウジング10Bに近接する側にダ
ミーローラ20を移動させて軸受本体21Aを装着孔10Dに嵌
合させることで簡単に装着することができる。又、この
装着の際と逆の手順（図中矢印で示す方向にダミーロー
ラ20を移動させることで）で簡単に取り外すことができ
る。

上記の如くしてドクターギャップ調整を終了した後、
現像ローラ12をサイドハウジング10Bに装着する。例え
ば、軸受12Bを装着しない状態で軸12Aをスリット10Eを
介して装着孔10D内に位置させた後、サイドハウジング1
0の外側から軸受12Bを嵌装し、更に軸12Aの軸受12Bと隣
接する外側にＥリング等の軸受抜け防止部材12Cを装着
することで、第４図示の如く装着することができる。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明に係る電子写真法に於る現
像装置のドクターギャップ調整方法によれば、現像ロー
ラ装着位置にダミーローラを装着して該ダミーローラに
ドクターブレードを当接させて固定することでドクター
ギャップの調整を行なうことができ、ドクターギャップ
の調整を容易且つ正確に行ない得、又、現像ローラ外周
を傷付けることもないものである。

又、その調整構造として、現像ローラ装着部の軸受保
持孔を、ダミーローラの軸部が通過可能であって且つ現
像ローラの軸受は通過不能な幅のスリットにより開放形
成すると共に、該スリットを介してダミーローラを着脱
可能に構成したことにより、ダミーローラの着脱が極め
て容易に行なえるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る電子写真法に於る現像装置のドク
ターギャップ調整構造を適用した現像装置の横断面図、
第２図は第１図から現像ローラを外した状態を示す図、
第３図はダミーローラを装着した状態の第１図のIV矢視
に相当する図、第４図は現像ローラを装着した状態の第
１図のIV矢視図である。 10……現像装置 10D……装着孔（軸受保持孔） 10E……スリット 12……現像ローラ 14……ドクターブレード 20……ダミーローラ 22……軸部 Ｇ……ドクターギャップ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電子写真法を利用する画像形成装置の現像
   装置に於て、ドクターブレードの現像ローラに対する位
   置を調整する方法であって、 前記現像ローラの半径よりもドクターギャップ分だけ大
   きい半径を持つダミーローラを用い、 現像装置の現像ローラ装着部において前記現像ローラの
   軸受を保持する軸受保持孔を、前記ダミーローラの軸部
   が通過可能で且つ前記現像ローラの軸受が通過不能な幅
   のスリットにより外部と連通し、 前記ダミーローラの軸部を前記スリットを通して移動さ
   せることにより、前記現像ローラ装着部に前記ダミーロ
   ーラを装着し、前記ダミーローラの外周に前記ドクター
   ブレードが当接するよう該ドクターブレードの位置を調
   節してから、前記現像装置に前記ドクターブレードを固
   定し、 前記ダミーローラの前記軸部を前記スリットを通して移
   動させることにより、前記現像ローラ装着部から取り外
   した後、前記現像ローラを前記現像ローラ装着部に装着
   すること、 を特徴とする電子写真法に於る現像装置のドクターギャ
   ップ調整方法。
2. 【請求項２】前記ダミーローラを前記現像ローラ装着部
   に装着する際には、前記ダミーローラの軸部に取り付け
   られた軸受部材を前記軸受保持孔に係合させ、 前記ダミーローラを前記現像ローラ装着部から取り外す
   際には、前記ダミーローラを軸方向に動かして、前記軸
   受部材を前記軸受保持孔から取り外し、 前記ダミーローラの軸部を前記スリットを通して移動さ
   せることにより、前記ダミーローラを前記現像ローラ装
   着部から取り外すこと、 を特徴とする請求項（１）に記載の電子写真法に於る現
   像装置のドクターギャップ調整方法。
3. 【請求項３】電子写真法を利用する画像形成装置の現像
   装置に於て、ドクターブレードの現像ローラに対する位
   置を調整するための構造であって、 現像装置の現像ローラ装着部に、前記現像ローラの軸受
   を保持する軸受保持孔を設け、 前記現像ローラの半径よりもドクターギャップ分だけ大
   きい半径を持つダミーローラを前記現像ローラ装着部に
   着脱するため、前記軸受保持孔を、前記ダミーローラの
   軸部が通過可能で且つ前記現像ローラの軸部が通過不能
   な幅のスリットにより外部と連通したこと、 を特徴とする電子写真法に於る現像装置のドクターギャ
   ップ調整構造。