JP2918700B2 - 製紙用サイズ剤組成物 - Google Patents

製紙用サイズ剤組成物

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JP2918700B2
JP2918700B2 JP41366390A JP41366390A JP2918700B2 JP 2918700 B2 JP2918700 B2 JP 2918700B2 JP 41366390 A JP41366390 A JP 41366390A JP 41366390 A JP41366390 A JP 41366390A JP 2918700 B2 JP2918700 B2 JP 2918700B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用サイズ剤組成物、
更に詳しくは強化ロジン分散型内添サイズ剤の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に行われている酸性抄紙に
おける内添サイズ剤としては、ロジン系サイズ剤のケン
化型サイズ剤が多く用いられてきたが、近年の抄紙系の
クローズド化に伴う水温の上昇や、硫酸バンド使用量の
減少によって中性に近づいた抄紙系においてはこのよう
な従来のサイズ剤はサイズ効果が著しく低下することが
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このためこのようなケ
ン化型ロジン系サイズ剤の欠点を解消するため、強化ロ
ジンの分散液型サイズ剤が見出され使用されてきた。し
かし、これも分散剤としてケン化ロジン、アニオン系界
面活性剤あるいはカゼインを用いているため、抄紙工程
での分散安定性の悪化による発泡や凝集物を生じ易く、
サイズ効果の低下の要因となっており、必ずしも満足の
できるものではなかった。
【0004】そこで、高分子系分散剤であるスチレン−
アクリル酸共重合体またはスチレン−メタクリル酸共重
合体の部分または完全ケン化物を使用した強化ロジン系
分散型サイズ剤が提案されている(特開昭61−108796号
公報、特開平2−25919号公報)が、特に、硬水及び抄紙
系白水中での分散安定性についてはアニオン界面活性剤
を使用する場合となんら変わりなく、不充分である。
【0005】また、高分子系分散剤を使用すると、概し
て通常の低分子系分散剤に比して乳化性が低下するとい
う問題点を残している。
【0006】また、分散安定性及び乳化性の高い高分子
系アニオン性共重合体系の分散剤を使用する例として特
開平2−259193号公報があるが、尚充分な硬水及び抄紙
系白水中での分散安定性が得られていないという問題点
があった。
【0007】従って、本発明の目的は、上述の如き欠点
がなく硬水及び抄紙系白水中での分散安定性が優れ、サ
イズ効果の良好な分散型ロジン系の製紙用サイズ剤組成
物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は強化ロジ
ン80〜99重量部と、下記単量体 (a):
【化2】 (式中、Aは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、
は水素原子またはメチル基であり、Rは炭素原子
〜24の炭化水素基または炭素原子数10〜24の
アシル基であり、mは1〜50の数であり、nは0〜5
0の数であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムであ
る); (b):共重合不飽和カルボン酸(塩)単量体;及び (c):疎水基を含有する共重合性不飽和単量体の共重
合物の部分または完全ケン化物20〜1重量部とを水に
分散せしめ、固形分濃度25〜60重量%としたことを
特徴とする製紙用サイズ剤組成物を提供するにある。
【0009】
【作用】本発明に用いる強化ロジンとしては製紙用サイ
ズ剤業界において使用される強化ロジン、即ち、ロジン
類とジエノフィルの反応物であれば使用することができ
る。
【0010】ロジン類としては、例えばウッドロジン、
ガムロジン、トール油ロジン等の天然ロジン類、天然ロ
ジン類を精製した精製ロジン類、アビエチン酸及び/ま
たはアビエチン酸誘導体を主成分とする合成ロジン類等
から選択されたロジン類の1種以上を挙げることがで
き、これらのロジン類を既知の方法で水素化、重合化も
しくはホルムアルデヒド変成せしめたロジン類も使用す
ることができ、前記ロジン類と併用することもできる。
【0011】ロジン類に反応させるジエノフィルとして
は、好ましくはC=C−C=O構造を有する酸性化合
物、例えばα,β−不飽和カルボン酸(無水物を含む)の
1種以上、更に好ましくは炭素原子数4〜8のα,β−
不飽和カルボン酸(無水分を含む)の1種以上を挙げるこ
とができ、具体的には、例えばマレイン酸(無水分を含
む)、フマール酸、イタコン酸(無水分を含む)、シトラ
コン酸(無水分を含む)、(メタ)アクリル酸等を挙げるこ
とができる。
【0012】ロジン類とジエノフィルの反応は、公知の
方法で反応させることができ、ジエノフィルの量はロジ
ンに対して1〜20重量%、好ましくは3〜15重量%
とするのが良い。
【0013】本発明に使用する上記単量体(a)として
は、上記組成式1で示される化合物を使用することがで
き、組成式1中のRで示される炭素原子数〜24の
炭化水素基としては、例えばオクチル基、2−エチルヘ
キシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ラウリル
基、トリデシル基、ミリスチル基、ステアリル基、オレ
イル基、セチル基や、ベンジル基、フェネチル基等のア
リール基で置換されていてもよい炭素原子数8〜24の
直鎖または分岐鎖のアルキル基またはアルケニル基、あ
るいはキシレノイル基、プロピルフェニル基、イソプロ
ピルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、t−ブチ
ルフェニル基、ジ−t−ブチルフェニル基、t−アミル
フェニル基、オクチルフェニル基、ジオクチルフェニル
基、ノニルフェニル基、ジノニルフェニル基、ドデシル
フェニル基、メチルジフェニル基、トリメチルジフェニ
ル基、スチレン化フェニル基、スチレン化クレゾイル
基、スチレン化キシレノイル基、ベンジル化フェニル基
等の、アルキル基、アルカリール基、もしくはアラルキ
ル基で置換されていてもよいアリール等を挙げることが
でき、これらに限定されるものではないが、好ましくは
上記のうち炭素原子数8〜18の炭化水素基が良く、中
でも炭素原子数6〜12のアルキル基で置換されたフェ
ニル基、炭素原子数10〜18のアルキル基、スチレン
化アリール基が分散安定性の点で良い。
【0014】また、Rで示されている炭素原子数10
ないし24のアシル基としてはカプリン酸残基、ウンデ
カン酸残基、ラウリン酸残基、ミリスチリン酸残基、パ
ルミチン酸残基、ステアリン酸残基、リノール酸残基、
アラキン酸残基等の酸残基、またはこれらの酸ハロゲン
化物残基、酸無水物残基等の反応性誘導体を挙げること
ができ、これらに限定されるものではないが、好ましく
は上記の内炭素原子数10〜18のアシル基が良い。
【0015】Aは炭素原子数2〜4のアルキレン基であ
り、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イ
ソブチレン基等が挙げられ、これらは単独または混合使
用され、混合の場合にはブロック状であってもランダム
状であってもよい。
【0016】mは1〜50の数であり、特に5〜15で
あるのが好ましい。nは0または1〜50の数であり、
特に0であるのが好ましい。
【0017】Mはナトリウム、カリウムなどのアルカリ
金属、アンモニウムまたはモノエタノールアンモニウ
ム、モノイソプロパノールアンモニウム、ジエタノール
アンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジメチルアンモ
ニウム等の有機アンモニウム等を挙げることができ、こ
れらに限定されるものではないが、好ましくはナトリウ
ム、カリウム、アンモニウムが良い。
【0018】上記組成式Iで示される単量体(a)は、例
えば次のようにして製造することができる。即ち、(メ
タ)アリルグリシジルエーテルと一般式HO−(AO)n
2(式中、R2、A及びnは上述と同意義である)で表さ
れるヒドロキシル化合物を触媒存在下で加熱反応させ
る。ここで得た反応組成物にアルキレンオキサイドを常
法にて付加させ、次に硫酸、無水硫酸、クロルスルホン
酸、スルファミン酸等の硫酸化剤により硫酸エステル化
を行い、アルカリで中和することにより単量体(a)を得
る。
【0019】本発明に使用する単量体(b)としては、共
重合性の不飽和基を有するカルボン酸(塩)であれば使用
することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコ
ン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、フマル酸及び
これらの塩から選択される1種以上を具体例として挙げ
ることができ、これらに限定されるものではないが、好
ましくはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水
マレイン酸が良い。
【0020】本発明に使用する単量体(c)としては、疎
水基を含有する重合性不飽和単量体であれば特に限定さ
れず、広く用いることができ、例えばメチルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、
ステアリルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸エス
テル類、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエ
ンなどのスチレン系単量体から選ばれる1種以上を用い
ることができ、好ましくは上記の内炭素原子数5〜22
の(メタ)アクリル酸エステル類が良く、特に1分子中の
平均炭素原子数が5〜15である(メタ)アクリル酸エス
テル類(複合種混合の場合及び単一化合物の場合を含む)
が良い。
【0021】本発明で用いる上記単量体(a)、(b)並び
に(c)との共重合物の部分または完全ケン化物の製造は
公知の方法を採用することができ、例えばトルエン、キ
シレンなどの炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、イソプロピ
ルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール系溶
媒など(イソプロピルアルコールが最も好適である)を用
い、過酸化物系やアゾ系ラジカル重合開始剤を使用し
て、溶液重合を行い、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化アンモニウムなどのアルカリによるケン化、
水溶化、脱溶剤を行う方法や、先にケン化後脱溶剤する
方法、あるいは水中で界面活性剤を用い、過硫酸塩、ア
ゾ化合物、ハイドロパーオキサイド、過硫酸塩と還元剤
によるレドックス系開始剤などを重合開始剤として乳化
重合を行った後、アルカリケン化、水溶化する方法など
を用いることができる。尚、必要に応じてアルカリメル
カプタンやアルコール類を連鎖移動剤として用いること
ができる。これらの場合、ケン化の程度は、ケン化率6
5%以上、好ましくは75%以上が良く、ケン化率が低
いと分散安定性、サイズ効果の点で好ましくない。
【0022】上記乳化重合に用いる界面活性剤としては
アニオン性界面活性剤として、例えばアルキルベンゼン
スルフォン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリル
フェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステ
ル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンス
ルホン酸塩ホルマリン混合物、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテルスルホコハク酸モ
ノエステル塩、マレイン酸イソブチレン共重合物、マレ
イン酸αオレフィン共重合物、マレイン酸アクリルエス
テル共重合物、アクリル酸アクリル酸エステル系共重合
物などポリカルボン酸やスルホン酸含有ポリアニオンの
ケン化水溶化物も用いることができる。また、非イオン
性界面活性剤を用いてもよく、例えばポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ
ーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル、またはポリオキシプロピ
レン、ポリオキシエチレングリコールなどを挙げること
ができる。
【0023】単量体(a)、(b)、(c)の共重合体中の各
単量体の占める割合は、単量体(a)、(b)、(c)の合計
量に対し、単量体(a)が3〜30重量%、(b)が15〜
50重量%で、両者の合計量が20〜60重量%、好ま
しくは30〜50重量%、単量体(c)が40〜80重量
%、好ましくは50〜70重量%とするのが良い。
【0024】単量体(a)が3重量%未満では本発明の効
果が低下し、30重量%を超える場合には強化ロジン分
散物の泡立ちがかえって多くなって好ましくない。ま
た、単量体(b)が15重量%未満では共重合体の水溶性
に乏しくなる傾向にあり、50重量%を超える場合には
親水性が高くなり、強化ロジンの分散性が悪くなる傾向
にあるために好ましくない。
【0025】単量体(a)、単量体(b)の両者の合計量が
上記量未満では本発明の効果が不充分になることがあ
り、上記量を超える場合には強化ロジンの分散性が悪化
する傾向にあるので好ましくない。
【0026】本発明においては、本発明の目的を逸脱し
ない範囲内において所望により単量体(a)、(b)、(c)
以外の親水性単量体、疎水性単量体を更に使用して共重
合物を得ることができるが、これらその他の単量体は好
ましくは単量体(a)、(b)、(c)の合計量に対して20
重量%以下とすることが良い。
【0027】上記その他の単量体としては、例えば親水
性単量体としてはスルホン酸系不飽和単量体、リン酸系
不飽和単量体を挙げることができ、疎水性単量体として
は例えばアクリロニトリル、アリルエステルなどを挙げ
ることができる。
【0028】本発明における強化ロジンと単量体(a)、
(b)及び(c)の共重合物の部分または完全ケン化物(以
下、単にケン化物という)の配合割合は、強化ロジン:
ケン化物=80〜99重量部:20〜1重量部、好まし
くは90〜98:10〜2重量部であるのが良い。相対
的に強化ロジンの割合が上記を超える場合には水分散時
均質な分散物となりえず、また、相対的に強化ロジンの
割合が上記未満である場合には、分散性は良いが、サイ
ズ剤全体の疎水部減少によるサイズ性の低下、発泡性の
増大などが発現する。
【0029】本発明においては強化ロジンとケン化物の
水分散液中の固形分濃度は25〜60重量%であり、好
ましくは40〜55重量%である。固形分が上記未満で
は工業的に充分な効果を得るための使用量が膨大になり
実用性に欠け、固形分が上記量を超える場合には分散性
が充分ではなく、分散系の安定性が悪くなる。
【0030】本発明において強化ロジンとケン化物の水
への分散方法は、例えば特開昭57−167349号公報の如く
溶融強化ロジン中へケン化物を混合し、次いで熱水を徐
々に添加して微細分散するいわゆる反転乳化法や、特開
昭57−111355号公報の如く溶融強化ロジンに水不溶性溶
媒を添加溶解し、次いでケン化物を添加混合し、熱水を
徐々に添加し微細分散した後、減圧下に水不溶性溶媒を
留去する方法、また他の方法として強化ロジンを水不溶
性溶媒に溶解し、ケン化物と水とを混合した後、ピスト
ン型高圧乳化機などで微細分散し、減圧下に水不溶性溶
媒を留去するなどの各種の方法で製造することができ
る。
【0031】尚、本発明に係る上記ケン化物の他の分散
剤として従来のアニオン性界面活性剤、カゼインなどを
一部併用しても差し支えない。この場合、その他の界面
活性剤は本発明に使用する上記ケン化物に対して30重
量%以下、好ましくは20重量%以下とすることが良
い。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を更に説明する
が、本発明は以下の実施例に限定されるものではないこ
とを理解されたい。
【0033】強化ロジンの調製合成例Aフマル酸8重量
部を溶融ホルムアルデヒド処理トール油ロジン92重量
部中に溶解し、200℃で3時間付加反応を行い、強化
ロジンを得た。
【0034】共重合体ケン化物の合成 合成例1 アリルグリシジルエーテルとノニルフェノールとの反応
物(以下、化合物Xと言う)のエチレンオキサイド7モル
付加体硫酸化エステルのアンモニウム塩6部、アクリル
酸29部、n−ブチルメタクリレート45部、2−エチ
ルヘキシルメタクリレート20部、ドデシルメルカプタ
ン2部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、
水350部、過硫酸カリウム1.5部を混合撹拌し、8
5℃で5時間保った後50℃まで冷却し、20%水酸化
カリウム101.5部を徐々に添加混合し、水を添加し
て固形分20%、ケン化率90%の乳白色水溶液を得
た。
【0035】合成例2 化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体硫酸エステ
ルのアンモニウム塩25部、無水マレイン酸20部、メ
チルメタクリレート15部、n−ブチルアクリレート、
スチレン20部、ブチルメルカプタン1部と水350部
を混合撹拌しながら60℃に加熱し、10%亜硫酸アン
モニウム水溶液10部、10%亜硫酸水素ナトリウム水
溶液10部を加えた後、85℃で4時間保ち、50℃ま
で冷却し、20%水酸化ナトリウム73.5部を徐々に
添加混合し、水を加えて固形分20%、ケン化率90%
の淡黄色半透明水溶液を得た。
【0036】合成例3 化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体硫酸エステ
ルのアンモニウム塩15部、イタコン酸10部、メタク
リル酸15部、n−ブチルアクリレート30部、ステア
リルメタクリレート10部、スチレン15部、ジオクチ
ルスルホコハク酸ナトリウム80%液6部、水350
部、過硫酸アンモニウム2部を混合撹拌し、80℃で5
時間保った後、50℃まで冷却し、25%水酸化カリウ
ム69.9部を徐々に添加し、水を添加して固形分20
%、ケン化率95%の黄色半透明溶液を得た。
【0037】合成例4 化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体硫酸エステ
ルのアンモニウム塩10部、メタクリル酸25部、メチ
ルメタクリレート20部、2−エチルヘキシルアクリレ
ート30部、スチレン15部、ブチルメルカプタン2部
と水350部を混合撹拌しながら60℃に加熱し、10
%過硫酸カリウム15部を加えた後、85℃で5時間保
った後、50℃まで冷却し、20%水酸化ナトリウム6
2.5部を徐々に添加し、水を加えて固形分20%、ケ
ン化率80%の乳白色水溶液を得た。
【0038】合成例5 合成例4の化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体
硫酸エステルのアンモニウム塩10部に代えてアリルグ
リシジルエーテルとオクチルフェノールの反応物(以
下、化合物Yと言う)のエチレンオキサイド5モル付加
体硫酸エステルのアンモニウム塩10部を使用する以外
は合成例4と同様にして固形分20%、ケン化率80%
の乳白色液体を得た。
【0039】合成例6 合成例4の化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体
硫酸エステルのアンモニウム塩10部に代えて化合物Y
のエチレンオキサイド10モル付加体硫酸エステルのア
ンモニウム塩10部を使用する以外は合成例4と同様に
して固形分20%、ケン化率80%の乳白色水溶液を得
た。
【0040】合成例7 合成例4の化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体
硫酸エステルのアンモニウム塩10部に代えて化合物X
のエチレンオキサイド20モル付加体硫酸エステルのア
ンモニウム塩10部を使用する以外は合成例4と同様に
して固形分20%、ケン化率80%の乳白色水溶液を得
た。
【0041】合成例8 合成例4の化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体
硫酸エステルのアンモニウム塩10部に代えてアリルグ
リシジルエーテルとラウリルアルコールの反応物のエチ
レンオキサイド7モル付加体硫酸エステルのアンモニウ
ム塩10部を使用する以外は合成例4と同様にして固形
分20%、ケン化率80%の乳白色水溶液を得た。
【0042】合成例9 合成例4の化合物Xのエチレンオキサイド7モル付加体
硫酸エステルのアンモニウム塩10部に代えてアリルグ
リシジルエーテルとスチレン化フェノールの反応物のエ
チレンオキサイド10モル付加体硫酸エステルのアンモ
ニウム塩10部を使用する以外は合成例4と同様にして
固形分20%、ケン化率80%の乳白色水溶液を得た。
【0043】比較合成例1 アクリル酸30部、n−ブチルアクリレート26.7
部、スチレン43.3部、ドデシルメルカプタン2部、
ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム10部、ポリ
オキシエチレン(重合度40)ノニルフェニルエーテル1
0部、水350部と過硫酸カリウム1.5部を混合撹拌
し、85℃で5時間保った後、50℃まで冷却し、20
%水酸化ナトリウム75部を徐々に添加し、水を添加し
て固形分20%、ケン化率90%の乳白色水溶液を得
た。
【0044】比較合成例2 還流温度に達したイソプロピルアルコール100部の中
に撹拌しながらメタクリル酸25.1部、スチレン36
部、n−ブチルメタクリレート38.9部、イソプロピ
ルアルコール100部とアゾイソブチロニトリル2部の
混合物を2時間で滴下する。更に4時間その温度に保っ
た後、イソプロピルアルコールを留去し、水を添加して
固形分20%、ケン化率90%の淡黄色透明液体を得
た。
【0045】比較合成例3 アリルノニルフェノールエチレンオキサイド9モル付加
体硫酸エステルのアンモニウム塩6部、アクリル酸29
部、n−ブチルメタクリレート45部、2−エチルヘキ
シルメタクリレート20部、ドデシルメルカプタン2
部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム7部、水3
50部、過硫酸カリウム1.5部を混合撹拌し、85℃
で5時間保った後、50℃まで冷却し、20%水酸化カ
リウム101.5部を徐々に添加混合し、水を添加して
固形分20%、ケン化率90%の乳白色水溶液を得た。
【0046】実施例1 合成例Aの強化ロジン200部を180℃に加熱して完
全に溶解した後、130℃に冷却し、合成例1〜9の共
重合物水溶液75.3部を約5分間かけて添加した。添
加終了時に混合物の温度は95℃であった。追加の熱水
(95℃)83部を徐々に添加し、60%固形分含有量の
容易に反転できるW/O型エマルジョンの典型的で滑ら
かなクリーム状白色外観を示す混合物を得た。その後、
激しく撹拌しながら120部の熱水をすばやく加えて反
転させた後、内温30℃まで急冷してサイズ剤組成物を
得た。得られたサイズ剤組成物は水性分散液であり、固
形分45%で、優れた貯蔵安定性を有していた。
【0047】実施例2 合成例Aの強化ロジン200部をトルエン200部に溶
解し、合成例1〜3の共重合物水溶液63.8部とイオ
ン交換水236.2部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合する。続いて、この分散物をピストン型高圧乳
化機(200kg/cm2)に1回通して微細分散物を得
た。その後、減圧蒸留によりトルエンを留去してサイズ
剤組成物を得た。この時水も留出した。得られたサイズ
剤組成物は水性分散液であり、固形分50%で、優れた
貯蔵安定性を有していた。
【0048】実施例3 合成例Aの強化ロジン200部をトルエン200部に溶
解し、合成例4の共重合物水溶液40.6部とイオン交
換水259.4部を添加し、実施例2と同様の操作を行
ってサイズ剤組成物を得た。得られたサイズ剤組成物は
水性分散液であり、固形分48%で、優れた貯蔵安定性
を有していた。
【0049】比較例1 合成例Aの強化ロジン200部をトルエン200部に溶
解し、比較合成例1の共重合物水溶液111.1部とイ
オン交換水188.9部を添加し、実施例2と同様に操
作を行ってサイズ剤組成物を得た。得られたサイズ剤組
成物は水性分散液であり、固形分50%であった。
【0050】比較例2 合成例Aの強化ロジン200部をトルエン200部に溶
解し、比較合成例2の共重合物水溶液111.1部とイ
オン交換水188.9部を添加し、実施例2と同様に操
作を行ってサイズ剤組成物を得た。得られたサイズ剤組
成物は水性分散液であり、固形分50%であった。
【0051】合成例Aの強化ロジン200部をトルエン
200部に溶解し、比較合成例3の共重合物水溶液6
3.8部とイオン交換水236.2部を添加し、実施例2
と同様に操作を行ってサイズ剤組成物を得た。得られた
サイズ剤組成物は水性分散液であり、固形分50%であ
った。
【0052】
【表1】
【0053】機械安定性 実施例1〜3、比較例1〜3で得られた各サイズ剤組成
物50gをカップに入れ、温度25℃、荷重10kg、
回転数1000rpmにて5分間マーロン式安定性試験
を行った。生成した凝集物を200メッシュ金網にて濾
別し、使用した共重合物の固形分量に対する析出量(固
形分量)を表2に示す。
【0054】貯蔵安定性 実施例1〜3、比較例1〜3で得られた各サイズ剤組成
物100gを温度25℃の恒温槽中に1カ月放置した。
その後、生成した凝集物を200メッシュ金網にて濾別
し、共重合物の固形分量に対する析出量(固形分量)をそ
れぞれ表2に示す。
【0055】硬水希釈安定性 合成硬水(150DH)200gに実施例1〜3、比較例
1〜3で得られた各サイズ剤組成物2gを入れ、水温を
20℃に保ちながらギアポンプにて1時間循環させた。
その後、20℃及び50℃の恒温槽中に放置し、観察し
た分散状態を表2に示す。○は分散、△は一部分散、×
は凝集を示す。
【0056】
【表2】
【0057】消泡性テスト イオン交換水1000mlに液体硫酸アルミニウムを入
れ、H2SO4にてpHを4.5に調整した。この液にN
2SO4を入れ、電気導電度1000μΩ-1cm-1に調
整し、この液を合成白水として使用した。この合成白水
にて実施例1〜3、比較例1〜3の各サイズ剤組成物を
希釈し、サイズ剤濃度0.5%(固形分換算)になるよう
にして試験溶液とした。この試験溶液を200mlメス
シリンダーに100ml入れ密栓し、10回強く上下に
振り静置し、生じた泡の変化を観察した結果を表3に示
す。試験は25℃にて行った。
【0058】白水希釈安定性テスト 上記消泡性テストで使用した各試験溶液を30℃、40
℃、50℃の恒温槽に放置し、その分散状態を観察し
た。結果を表3に示す。○は分散、△は一部分散、×は
凝集を示す。
【0059】サイズ度試験 2.5重量%パルプスラリー[パルプの種類はL/NB
KPcsf420ml(L;N=8:2)]にタルクを、
パルプ固形分に対して15重量%加え、撹拌した。撹拌
下で硫酸バンド(パルプ固形分に対して3重量%)を加え
て、1分後に実施例1〜3、比較例1〜3の各サイズ剤
組成物を、絶乾パルプ重量に対して0.2重量%(固形分
換算)添加した。2分撹拌後、常法に従い手抄試験器を
用いて手抄紙(68g/m2に相当)を調整した。得られ
た手抄紙を、温度20℃、湿度65%RHの恒温恒湿槽
にて1日放置後、ステキヒトサイズ度を測定した。結果
を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、強化ロジンに分散安定
性を付与する親水基を有する単量体として組成式Iで示
される化合物中のCH2=CR1−CR2基を介して分子
内に取り込んだ共重合物の部分または完全ケン化物を分
散安定剤として使用する結果、本発明に係るサイズ剤は
硬度の高い工業用水で希釈し、保存しても長時間凝集、
沈降物を生じず、抄紙系の白水と混合されても分散状態
を保ち、凝集物、発泡ガスによる紙、抄紙系の汚れが少
なくなり、均質な分散状態を与え、繊維上へ均質な分布
で歩留まるため、低サイズ剤添加領域でのサイズ度が従
来のアニオン性界面活性剤使用の分散型ロジン系サイズ
剤に比べて優れており、スチレン−アクリル酸共重合体
またはスチレン−メタクリル酸共重合体の部分または完
全ケン化物に比して分散性が優れている。即ち、本発明
の効果は上記の如き従来品の欠点がなく、硬水及び抄紙
系白水中での分散安定性が優れた分散型ロジン系の製紙
用サイズ剤組成物を提供したことにある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 17/34 - 17/45 D21H 17/62 D21H 21/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強化ロジン80〜99重量部と、下記単
    量体 (a): 【化1】 (式中、Aは炭素原子数2〜4のアルキレン基であり、
    は水素原子またはメチル基であり、Rは炭素原子
    〜24の炭化水素基または炭素原子数10〜24の
    アシル基であり、mは1〜50の数であり、nは0〜5
    0の数であり、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ
    土類金属、アンモニウムまたは有機アンモニウムであ
    る); (b):共重合不飽和カルボン酸(塩)単量体;及び (c):疎水基を含有する共重合性不飽和単量体の共重
    合物の部分または完全ケン化物20〜1重量部とを水に
    分散せしめ、固形分濃度25〜60重量%としたことを
    特徴とする製紙用サイズ剤組成物。
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