JP2003062443A - 高分子系乳化分散剤、当該乳化分散剤を用いたロジン系エマルションサイズ剤 - Google Patents

高分子系乳化分散剤、当該乳化分散剤を用いたロジン系エマルションサイズ剤

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JP2003062443A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エマルション安定性が高く、抄造系において
優れたサイズ性を発揮するロジン系エマルションサイズ
剤を開発する。 【解決手段】 イソプレンスルホン酸類と疎水性単量体
を反応させた共重合体、或はさらに不飽和カルボン酸類
を反応させた共重合体の部分又は完全ケン化物からなる
高分子系乳化分散剤である。イソプレンスルホン酸類は
共役ジエン系のスルホン酸基含有モノマーであり、スチ
レンスルホン酸類などより共重合性に優れ、共重合物中
にスルホン酸基をより均一に導入でき、また、イソプレ
ンスルホン酸類を使用した共重合物のガラス転移点がス
チレンスルホン酸類を用いた共重合物のそれより低下す
ることに伴い、パルプ繊維上に歩留ったサイズ剤の乾燥
工程による溶融が効果的であるため、エマルション安定
性とサイズ性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソプレンスルホ
ン酸類を構成単量体に含む高分子系乳化分散剤、及びこ
の乳化分散剤を用いたロジン系エマルションサイズ剤に
関して、保存安定性、機械的安定性に優れるとともに、
抄紙系において優れたサイズ性を示すものを提供する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に行われている酸性抄紙で
は、抄紙機の腐食化や酸性紙の保存劣化などの様々な問
題があるうえ、近年の環境問題に応じた抄紙系のクロー
ズド化に伴う水温の上昇、硫酸バンドの使用量減少、填
料の使用及び古紙配合率の増加などによって、中性抄紙
が広く行われている。しかしながら、従来のロジン系サ
イズ剤、或は、アルケニル無水コハク酸やアルキルケテ
ンダイマーといった合成中性サイズ剤では、抄造系にお
けるサイズ剤自体の安定性やサイズ効果が著しく低下し
てしまう。
【0003】ロジン系エマルションサイズ剤の安定性や
サイズ性の改善を目的とした従来技術としては、下記の
ものなどがある。 (1)特開昭61−108796号公報(従来技術1) スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の部分ケン化又
は完全ケン化物を乳化分散剤として含有するロジン系エ
マルションサイズ剤が開示されている。
【0004】(2)特開平1−104897号公報(従来
技術2) スチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−マレイ
ン酸系共重合体のケン化又は完全ケン化物を乳化分散剤
とするロジン系エマルションサイズ剤が開示されてい
る。
【0005】(3)特開平1−203031号公報(従来
技術3) スチレン、(メタ)アクリル酸エステルなどの疎水性モ
ノマーと、(メタ)アクリル酸、(無水)イタコン酸など
の(メタ)アクリル酸系モノマーと、スチレンスルホン
酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸又はこれらの
塩などのスルホン酸基含有モノマーを反応させた共重合
体、或は、さらにマレイン酸又はその塩、(メタ)アク
リルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなど
の親水性モノマーを反応させた共重合体を乳化分散剤と
して用いて、ロジン又はロジン誘導体を水中に分散した
ロジン系エマルションサイズ剤が開示されている。
【0006】(4)特開昭56−169898号公報(従
来技術4) (メタ)アクリルアミドに、(メタ)アクリル酸又はそ
の塩、スチレンスルホン酸又はその塩などのアニオン性
単量体と、第3級アミン構造、第4級アンモニウム塩
構造などを含む(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミ
ドなどのカチオン性単量体と、(メタ)アクリル酸エス
テル、スチレンなどのノニオン性単量体とを共重合させ
た変性(メタ)アクリルアミド樹脂を乳化分散剤に用いた
ロジン系エマルションサイズ剤が開示されている。
【0007】(5)特開平5−125693号公報(従来
技術5) アミノアルキル(メタ)アクリレートなどのカチオン性
モノマーと、マレイン酸などのアニオン性モノマー
と、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンなどの疎水
性モノマーと、(メタ)アクリルアミドとの共重合体を
乳化分散剤に用いたロジン系エマルションサイズ剤が開
示されている。
【0008】(6)特開平8−337997号(従来技術
6) (メタ)アクリルアミドと、スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸又はこれらの塩などのスルホン酸基含有
モノマーと、(メタ)アクリル酸エステル、スチレンな
どの疎水性モノマーとの(メタ)アクリルアミド系共重合
体、或は、さらに(メタ)アクリル酸、マレイン酸又は
これらの塩などのカルボキシル基含有モノマーを反応さ
せた共重合体、或は、さらに(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリロニトリルなどの親水性モノ
マーを反応させた共重合体を乳化分散剤に用いたロジン
系エマルションサイズ剤が開示されている。
【0009】(7)特開平10−245795号公報(従
来技術7) (メタ)アクリルアミドと、(メタ)アクリル酸エステ
ル、スチレンなどの疎水性モノマーと、マレイン酸、
イタコン酸又はこれらの塩などのカルボキシル基含有モ
ノマーと、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、
2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸又はこれらの塩などのスルホン酸基含有モノマー
と、メルカプトエタノール、チオグリコール酸などの
水溶性メルカプタン類と、オクチルメルカプタン、ド
デシルメルカプタンなどの水難溶性メルカプタン類とを
反応させた(メタ)アクリルアミド系共重合体を乳化分散
剤に用いたロジン系エマルションサイズ剤が開示されて
いる。
【0010】(8)特開平11−286889号公報(従
来技術8) (メタ)アクリルアミドと、イタコン酸又はその塩
と、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
又はこれらの塩などのスルホ基含有モノマーと、(メ
タ)アクリル酸エステル、スチレン類などの疎水性モノ
マーとを反応させた(メタ)アクリルアミド系共重合体を
乳化分散剤に用いたロジン系エマルションサイズ剤が開
示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術1〜6に開示された特定の高分子系乳化分散剤を
用いた各ロジン系エマルションサイズ剤も、幅広いpH
変動のある抄紙系ではサイズ性が不充分であり、また、
水質が悪く硬度の高い硬水ではエマルションサイズ剤自
体の安定性は満足できるレベルにはないのが実情であ
る。さらに、上記従来技術7〜8は、発泡性の低減や乳
化性の改善を目的としてイタコン酸を単量体組成に使用
しながら、(メタ)アクリルアミドを主要成分とする高分
子系乳化分散剤を用いたロジン系エマルションサイズ剤
であるが、上記従来技術1〜6の問題点を克服するには
至らない。
【0012】本発明は、新規な高分子系乳化分散剤を用
いることにより、抄造水に対する保存安定性、機械的安
定性が高く、且つ、抄造系において優れたサイズ性を発
揮し得るロジン系エマルションサイズ剤を提供すること
を技術的課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、抄造系に
おけるエマルションサイズ剤の安定性やサイズ性効果
は、乳化分散剤の安定性やサイズ剤の分布に起因するも
のであることに鑑み、上記従来技術に記載された高分子
系乳化分散剤を出発点として鋭意研究を重ねた結果、イ
ソプレンスルホン酸又はその塩を単量体成分に含む共重
合物に着目し、この共重合物を乳化分散剤に用いたロジ
ンサイズ剤は、抄造系での広いpH変動においてもエマ
ルション自身の安定性並びに硬水希釈安定性などに優れ
ること、また、パルプ繊維上に均一に歩留まって乾燥工
程での溶融効果により優れたサイズ性を発揮することを
見出し、本発明を完成した。
【0014】即ち、本発明1は、(A)イソプレンスルホ
ン酸類と、(B)疎水性単量体を反応させた共重合体の部
分又は完全ケン化物からなることを特徴とする高分子系
乳化分散剤である。
【0015】本発明2は、上記本発明1において、(A)
と(B)に、さらに不飽和カルボン酸類(C)を反応させた
共重合体の部分又は完全ケン化物からなることを特徴と
する請求項1に記載の高分子系乳化分散剤である。
【0016】本発明3は、(A)イソプレンスルホン酸類
と、(B)疎水性単量体(C)不飽和カルボン酸類と、(D)
ノニオン性単量体を反応させた共重合体の部分又は完全
ケン化物からなることを特徴とする高分子系乳化分散剤
である。
【0017】本発明4は、上記本発明1〜3のいずれか
において、イソプレンスルホン酸類が下記の一般式(イ)
で表される化合物 CH2=CH−C(CH3)=CH−SO3M …(イ) (Mは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、又はアミンである。)であることを特徴とす
る高分子系乳化分散剤である。
【0018】本発明5は、上記本発明1〜4のいずれか
の高分子系乳化分散剤を用いて、ロジン系樹脂を水中に
分散したことを特徴とするロジン系エマルションサイズ
剤である。
【0019】本発明6は、上記本発明5において、ロジ
ン系樹脂が、ロジン類、強化ロジン類、ロジンエステル
類及び強化ロジンエステル類の少なくとも一種であるこ
とを特徴とするロジン系エマルションサイズ剤である。
【0020】本発明7は、上記本発明5又は6におい
て、ロジン系樹脂と乳化分散剤との混合割合が、ロジン
系樹脂/乳化分散剤=70〜99重量部/30〜1重量
部であることを特徴とするロジン系エマルションサイズ
剤である。
【0021】本発明8は、上記本発明5〜7のいずれか
のロジン系エマルションサイズ剤をパルプスラリーに含
有させて、湿式抄造した紙である。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、第一に、イソプレンス
ルホン酸類と、スチレン、(メタ)アクリル酸系エステル
類などの疎水性単量体とを反応させた共重合体、或はさ
らに不飽和カルボン酸類を反応させた共重合体のケン化
物からなる高分子系乳化分散剤であり、第二に、イソプ
レンスルホン酸類と、疎水性単量体と、不飽和カルボン
酸類と、(メタ)アクリルアミド類、メタクリル酸ヒドロ
キシエチルなどのノニオン性単量体とを反応させた共重
合体のケン化物からなる高分子系乳化分散剤であり、第
三に、これらの乳化分散剤を用いてロジン系樹脂を水中
に分散させたロジン系エマルションサイズ剤であり、第
四に、このロジン系エマルションサイズ剤をパルプスラ
リーに含有させて、湿式抄造した紙である。
【0023】本発明1の共重合体は、イソプレンスルホ
ン酸類と疎水性単量体を構成単量体とする。上記イソプ
レンスルホン酸類は、下記の一般式(イ)で表されるイソ
プレンスルホン酸、或はイソプレンスルホン酸塩であ
る。 CH2=CH−C(CH3)=CH−SO3M …(イ) (Mは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
モニウム、又はアミンである。) 当該イソプレンスルホン酸類は、上記一般式(イ)に示す
通り、共役ジエン系のスルホン酸基含有モノマーであ
り、ラジカル重合開始剤の存在下で円滑に共重合させる
ことができる。イソプレンスルホン酸類の単量体全体に
対する混合割合は0.1〜40モル%、好ましくは0.3
〜30モル%である。イソプレンスルホン酸類の含有量
が少な過ぎると、単量体組成としてアクリルアミドを多
く使用する場合の連鎖移動効果が低減し、共重合体の粘
度が増す恐れがあり、含有量が多過ぎると、重合の際に
濁りが生じて安定な共重合体の生成に支障が出る恐れが
ある。
【0024】上記疎水性単量体は疎水基を構成する共重
合性不飽和単量体であり、(a)スチレン類、(b)(メタ)
アクリル酸系エステル類などを単用又は併用できる。上
記スチレン類(a)としては、スチレンが基本であるが、
α−メチルスチレンなどのビニル基に置換基を有するス
チレン類、或は、ビニルトルエン、p−クロルスチレン
などのベンゼン環に置換基を有するスチレン類などが挙
げられる。上記(メタ)アクリル酸系エステル類(b)とし
ては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジルなどのメタク
リル酸エステル類、アクリル酸エチル、アクリル酸プロ
ビル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、
アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルな
どのアクリル酸エステル類などが挙げられ、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、アクリル
酸2−エチルヘキシルなどが好ましい。上記スチレン類
(a)及び/又は(メタ)アクリル酸系エステル類(b)より
なる疎水性単量体の単量体全体に対する混合割合は5〜
80モル%、好ましくは10〜50モル%である。5モ
ル%より少ないと、上記共重合体よりなる高分子系乳化
分散剤を用いたロジンエマルションの機械的安定性、保
存安定性が悪くなり、逆に、80モル%を越えると共重
合体塩水溶液を得ることが難しくなる。
【0025】本発明2は、上記イソプレンスルホン酸類
(A)と疎水性単量体(B)に、さらに不飽和カルボン酸類
(C)を反応させた共重合体である。上記不飽和カルボン
酸類(C)としては、カルボキシル基を少なくとも1個有
する不飽和単量体であり、アクリル酸、メタクリル酸、
イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル
酸、(無水)シトラコン酸、或はこれらの塩などを単用又
は併用でき、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)マレイ
ン酸、イタコン酸などが好ましい。但し、上記不飽和カ
ルボン酸類の一部を不飽和スルホン酸類で代替すること
もできる。当該不飽和スルホン酸類はスルホン酸基を少
なくとも1個有する不飽和単量体であり(但し、本発明
のイソプレンスルホン酸類は除く)、スチレンスルホン
酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メ
タ)アクリル酸スルホプロピル、或はこれらの塩などを
初め、冒述の従来技術などで公知のスルホン酸基含有モ
ノマーが挙げられる。
【0026】上記不飽和カルボン酸類の単量体全体に対
する混合割合は5〜70モル%、好ましくは10〜60
モル%である。5モル%より少ないと共重合体塩水溶液
を得ることが難しく、逆に、70モル%を越えると共重
合体塩水溶液が高粘度になるうえ、上記共重合体を乳化
分散剤として用いたロジンエマルションの分散性が悪く
なる。一方、上記本発明1の共重合体では、イソプレン
スルホン酸類の単量体全体に対する混合割合は0.1〜
40モル%であるが、0.1〜15モル%の場合には、
水溶化を促進する目的で当該不飽和カルボン酸類を10
〜45モル%程度併用するのが好ましい(即ち、不飽和
カルボン酸類を第三成分に含む本発明2の共重合体とす
るのが良いことになる)。但し、イソプレンスルホン酸
類と不飽和カルボン酸類の合計が10モル%未満では水
溶化が困難であり、60モル%以上ではロジン系樹脂の
分散性が悪くなる。
【0027】本発明3の共重合体は、(A)イソプレンス
ルホン酸類と、(B)疎水性単量体と、(C)不飽和カルボ
ン酸類と、(D)ノニオン性単量体とを構成成分とする。
上記イソプレンスルホン酸類(A)と、疎水性単量体(B)
と、不飽和カルボン酸類(C)は上記本発明1〜2で記載
した通りである。上記ノニオン性単量体(D)はイオン性
の官能基を有しない共重合性不飽和単量体であり、具体
的には、(メタ)アクリルアミド類であるアクリルアミド
及びメタアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸
ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸ポリエチレングリコール、メタクリル
酸ポリプロピレングリコールなどの水酸基含有(メタ)ア
クリル酸系エステル、アクリロイルモルホリンなどが挙
げられ、アクリルアミド、メタアクリルアミドなどが好
ましい。上記ノニオン性単量体の単量体全体に対する混
合割合は10〜90モル%、好ましくは20〜80モル
%である。10モル%より少ないとサイズ性が低下し、
90モル%を越えると共重合体塩水溶液が高粘度にな
り、また、ロジン系樹脂の分散性が悪くなる。
【0028】上記本発明1〜4の共重合体は、上記構成
単量体の混合物を重合開始剤の存在下に乳化重合、溶液
重合、懸濁重合、或は塊状重合などの常法によって得ら
れ、好ましくは公知の水系乳化重合又は溶液重合で製造
される。上記乳化重合又は溶液重合に際しては、基本的
に乳化剤を混合した水系に、各種の単量体成分を混合物
にして一括添加するか、又は徐々に添加する。上記乳化
剤には公知のアニオン性、ノニオン性、又は両性界面活
性剤などを使用することができる。上記アニオン性界面
活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩、ロ
ジン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルスルホコハ
ク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル(アリ
ール)硫酸エステル塩などが挙げられる。上記ノニオン
性界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェ
ノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C20
ルキルナフトール、ポリオキシエチレン(プロピレン)グ
リコール、脂肪族アミンなどのエチレンキシド及び/又
はプロピレンオキシド付加物などが挙げられる。上記両
性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホ
ベタイン型、アミノカルボン酸型、イミダゾリン誘導型
などの界面活性剤が挙げられる。
【0029】上記重合開始剤としては、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸
塩、又は2,2−アゾビス−N−2−カルボキシエチル
−2−メチルプロピオンアミジンハイドレ−トなどの水
溶性アゾ系化合物、又は過酸化ベンゾイルなどの油溶性
開始剤などが挙げられる。また、上記乳化重合に際して
は、分子量を調整する目的で連鎖移動剤を使用できるこ
とはいうまでもない。上記連鎖移動剤としては、n−ド
デシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、メル
カプトエタノール、チオグリコール酸及びその塩、チオ
グリコール酸ブチル等のチオグリコール酸エステルなど
のメルカプタン類、イソプロピルアルコール、四塩化炭
素、クメンなどを単用又は併用できる。
【0030】上述の重合反応を終了した共重合体は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、低級ア
ミン、或はアルカノールアミンなどのアルカリで中和し
て共重合体の部分ケン化物、或は完全ケン化物(即ち、
共重合体塩水溶液)に調製され、本発明1〜4の高分子
系乳化分散剤とするのである。但し、イソプレンスルホ
ン酸ナトリウムなどをモノマー成分として用いることに
より、得られた共重合体水溶液がアルカリ添加しなくて
も既にケン化状態にある場合には、上述のように、別途
アルカリでケン化する必要はない。ちなみに、本発明1
〜2のケン化物と本発明3のケン化物を乳化分散剤とし
て併用しても良いことは勿論である。
【0031】本発明5は、上記高分子系乳化分散剤を用
いて各種のロジン系樹脂を水中に分散させたロジン系エ
マルションサイズ剤である。上記ロジン系樹脂には、ロ
ジン類、強化ロジン類、ロジンエステル類、強化ロジン
エステル類を単用又は併用できる。上記ロジン類は、ト
ールロジン、ガムロジン、ウッドロジンであり、また、
不均化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、或いはその
他の化学的に修飾されたロジンを含む概念である。
【0032】上記強化ロジン類は、公知の方法により上
記ロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させた
ものをいう。この場合、反応温度は150〜300℃程
度、反応温度時間は1〜24時間程度である。α,β−
不飽和カルボン酸類の仕込量は、ロジン類100重量部
に対してα,β−不飽和カルボン酸類20重量部程度以
下である。上記α,β−不飽和カルボン酸類としては、
フマル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、(無水)シト
ラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられ
る。
【0033】上記ロジンエステル類は、上記ロジン類と
多価アルコールを公知のエステル化法により製造したも
のをいう。エステル化反応の条件としては、ロジン類と
多価アルコールの仕込比率はロジンのカルボキシル基当
量に対してアルコールの水酸基当量比換算でCOOH/
OH=1/(0.2〜1.2)程度、反応温度は150〜3
00℃程度、反応時間は2〜30時間程度が夫々適当で
ある。上記多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の
2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン等の
3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール等の4価アルコール、或いは、トリエタノー
ルアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン、N−イソブチルジエタノールアミン、N−
ノルマルブチルジエタノールアミン等のアミノアルコー
ルなどが挙げられる。
【0034】上記強化ロジンエステル類は、上記ロジン
類に多価アルコール類とα,β−不飽和カルボン酸類を
順次、又は同時に反応させることにより得られる。多価
アルコールとのエステル化反応、α,β−不飽和カルボ
ン酸類との強化反応は前述の通りである。尚、ロジン類
のエステル化反応を高温度で行った後にα,β−不飽和
カルボン酸類を反応させると、レボピマール骨格を有す
るロジン類が減少し、デヒドロアビエチン酸骨格に異性
化して、反応が進行しにくい場合があるため、注意を要
する。逆に、ロジン類とα,β−不飽和カルボン酸類と
を予め反応させた後、高温でエステル化反応を行う場合
も、分子量の大きい高分子縮合物が生成し易いために、
同様の注意が必要である。
【0035】本発明5のロジンエマルションは転相乳化
法、無溶剤型乳化法、溶剤型乳化法、或はその他の常法
により製造される。上記転相乳化法は、ロジン系樹脂と
前記共重合体塩水溶液からなる乳化分散剤を充分混練し
た後、攪拌しながら徐々に水を加えて、油中水型エマル
ションを水中油型エマルションに相反転させる方法であ
る。上記無溶剤型乳化法は、溶融した各種ロジン系樹脂
と前記高分子系乳化分散剤を予備混合し、粗い粒子の水
性エマルションを調製した後、各種ミキサー、高圧乳化
機、高圧吐出型乳化機、高剪断型乳化分散機などを用い
て微細乳化させる方法である。また、上記溶剤型乳化法
は、各種ロジン系樹脂をメチレンクロライド、トルエン
などの有機溶剤に溶解させ、前記高分子系乳化分散剤と
水を予備混合して粗い粒子の水性エマルションを調製
し、各種乳化分散機を用いて同様に微細乳化した後、上
記有機溶剤を除去する方法である。
【0036】上記ロジンエマルションを製造する際、ロ
ジン系樹脂と乳化分散剤との混合割合は、本発明7に示
すように、ロジン系樹脂/乳化分散剤=70〜99重量
部/30〜1重量部であり、好ましくはロジン系樹脂/
乳化分散剤=90〜97重量部/10〜3重量部であ
る。また、上記ロジンエマルション中の固形分濃度は2
0〜65重量%であり、好ましくは40〜60重量%で
ある。
【0037】本発明8は、上記ロジン系エマルションサ
イズ剤をパルプスラリーに含有させて、湿式抄造した紙
である。上記パルプスラリーを構成するパルプ繊維に
は、製紙用に通常使用されるNBKP、LBKP等の木
材パルプ、脱墨パルプ(DIP)などの外、リンターパル
プ、麻、バガス、ケナフ、エスパルト草、ワラ等の非木
材パルプ、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、或
は、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル等の合
成繊維などを使用できる。上記パルプスラリーには、填
料、染料、紙力増強剤、歩留り向上剤、消泡剤などを必
要に応じて添加できることはいうまでもない。湿式抄造
で得られる紙は、電子写真用紙、インクジェット用紙等
の印刷・筆記・図画用紙、新聞紙、包装用紙、薄葉紙、
雑種紙、或は板紙、厚紙などを含む広い概念である。
尚、上記抄造工程では炭酸カルシウムを填料とする中性
抄造を基本とするが、硫酸バンドの存在下に酸性抄造す
ることも可能である。
【0038】
【作用】冒述の従来技術では、スチレンスルホン酸ナト
リウムなどを構成単量体に含む高分子系乳化分散剤がロ
ジン系エマルションサイズ剤に使用されているが、本発
明のイソプレンスルホン酸類は共役ジエン系のスルホン
酸基含有モノマーであるため、従来技術で使用されてい
るスチレンスルホン酸類などに比べてきわめて優れた共
重合性を示し、得られた共重合物中にスルホン酸基をよ
り均一に導入することができる。また、共役ジエン系で
あるイソプレンスルホン酸類には、乳化重合系において
連鎖移動剤としての効果があり、共重合体を低分子量化
することにより、ロジン系樹脂に対する吸着性の向上が
期待できる。さらに、イソプレンスルホン酸類を構成単
量体とする共重合物のガラス転移点(Tg)は、スチレン
スルホン酸類を使用した共重合物のTgより低くなるこ
となどから、ロジン系エマルションサイズ剤の安定性や
パルプ繊維への吸着の均一性が向上し、また、乾燥工程
によるロジン系樹脂及び乳化分散剤の溶融が効果的にな
り、優れたサイズ性を発揮することが推定される。この
ため、イソプレンスルホン酸類を構成成分に含む共重合
物を乳化分散剤に使用すると、スチレンスルホン酸類な
どの公知のスルホン酸基含有モノマーの共重合物を用い
た上記従来技術に比べて、エマルション安定性とサイズ
性の点で共に顕著な優位性を達成できる。
【0039】
【発明の効果】本発明のロジン系エマルションサイズ剤
は、イソプレンスルホン酸類を構成成分とする共重合物
を乳化分散剤に使用するため、後述の試験例に示すよう
に、スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体、スチレン
−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−マレイン酸系共
重合体はもとより、スチレンスルホン酸類などを構成単
量体に含む共重合体を用いた冒述の従来技術に比べて
も、エマルションの機械的安定性、貯蔵安定性、耐硬水
希釈安定性に勝り、良好な低発泡性を示すとともに、抄
造系において優れたサイズ性を発揮することができる。
ちなみに、イソプレンスルホン酸類と疎水性単量体との
共重合体、或はさらに不飽和カルボン酸類との共重合体
を乳化分散剤に使用する本発明1〜2と、これらの単量
体とノニオン性単量体との共重合体を乳化分散剤とする
本発明3とは、優れたエマルション安定性とサイズ性、
或は、低発泡性を同時に示す点で遜色がないのである。
【0040】
【実施例】以下、各種ロジン系樹脂の製造例、高分子系
乳化分散剤の合成例、高分子系乳化分散剤を用いてロジ
ン系樹脂を水中に分散したロジン系エマルションサイズ
剤の製造実施例、当該ロジンエマルションの性状試験
例、並びに当該サイズ剤を用いて抄造した紙のサイズ性
試験例を順次説明する。また、製造例、合成例、実施
例、試験例中の「部」、「%」は、特に指定しない限り
重量基準である。尚、本発明は下記の実施例、試験例な
どに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範
囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
【0041】《ロジン系樹脂の製造例》 (1)製造例1(強化ロジンエステルの製造例) 撹拌機、温度計、還流冷却器、分水器及び窒素ガス導入
管を具備した四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトー
ル油ロジン(酸価170)9002部を仕込んで、160
℃まで昇温した後、155℃にてプロピレングリコール
726部、無水マレイン酸1098部を仕込んだ。そし
て、2時間かけて200℃まで昇温し、260℃で5時
間保持しながら反応を行った後、冷却して、酸価12
6.5、軟化点90℃(環球法)の強化ロジンエステル1
0470部を得た。
【0042】(2)製造例2(ロジンエステル及び強化ロ
ジン混合物の製造例) 撹拌機、温度計、還流冷却器、分水器及び窒素ガス導入
管を具備した四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトー
ル油ロジン(酸価170)887部を仕込んで、180℃
まで昇温した後、グリセリン83部を添加し、250℃
で6時間エステル化反応を行って、酸価35以下、軟化
点85℃のロジンエステルを得た。一方、同様の反応装
置にトール油ロジン(酸価170)887部を仕込んで、
180℃まで昇温した後、無水マレイン酸70部を添加
し、発熱反応により210℃に昇温した状態を2時間保
持して、軟化点110℃の強化ロジンを得た。上記のロ
ジンエステル50部と強化ロジン50部を混合して、ロ
ジン系樹脂の混合物とした。
【0043】(3)製造例3(強化ロジンの製造例) 撹拌機、温度計、還流冷却器、分水器及び窒素ガス導入
管を具備した四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でトー
ル油ロジン(酸価170)1000部を仕込んで、165
℃まで昇温した後、フマル酸80部を添加した。そし
て、200℃まで昇温した後、4時間反応を行って強化
ロジンを得た。得られた強化ロジンは酸価248、軟化
点117℃(環球法)であった。
【0044】《高分子系乳化分散剤の合成例》下記の合
成例1〜6において、合成例1はイソプレンスルホン酸
類と疎水性単量体を共重合した本発明1のタイプの乳化
分散剤であり、合成例2〜3はこれらの単量体にさらに
不飽和カルボン酸類を共重合した本発明2のタイプの乳
化分散剤であり、合成例4〜5はイソプレンスルホン酸
類と疎水性単量体と不飽和カルボン酸類とノニオン性単
量体とを共重合した本発明3のタイプの乳化分散剤であ
り、合成例6はイソプレンスルホン酸類と疎水性単量体
とイタコン酸(不飽和カルボン酸類)と73%の高含有率
のアクリルアミド(ノニオン性単量体)とを共重合した本
発明3のタイプの乳化分散剤である。一方、比較合成例
1〜6において、比較合成例1はスチレンスルホン酸塩
と疎水性単量体と不飽和カルボン酸を構成単量体とする
共重合体であって、冒述の従来技術3に準拠するととも
に、特に上記合成例2〜3との対比を目的とした例であ
る。比較合成例4はスチレンスルホン酸塩と疎水性単量
体と不飽和カルボン酸とアクリルアミドを構成単量体と
する共重合体であって、従来技術6又は3に準拠すると
ともに、特に上記合成例4〜5との対比を目的とした例
である。比較合成例2はスチレン−メタクリル酸系共重
合体であって従来技術1に準拠した例、比較合成例3は
アクリルアミド系共重合体であって従来技術5又は4に
準拠した例である。比較合成例5は従来技術8(同公報
の参考例9参照)の準拠例であり、イタコン酸と70モ
ル%の高含有率のアクリルアミドを含有し、このアクリ
ルアミドとイタコン酸とスチレンスルホン酸塩と疎水性
単量体とを構成単量体とする共重合体であって、特に上
記合成例6との対比を目的とした例である。比較合成例
6は、従来技術8(同公報の参考例6参照)の準拠例で
あり、比較合成例5と同じくアクリルアミドを高率で含
有し、スルホン酸基含有単量体としてスチレンスルホン
酸塩以外の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸塩を含有し、他に不飽和カルボン酸塩と疎水性
単量体とを単量体組成とする共重合体であって、上記合
成例4〜6(特に、合成例6)との対比を目的とした例
である。
【0045】(1)合成例1 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を具備
した反応装置に、イオン交換水280部とドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.6部を仕込み、攪拌しな
がら窒素ガス雰囲気下で75℃まで昇温した。一方、予
め、イソプレンスルホン酸ナトリウム(JSR社製)の4
0%溶液87.5部(31モル%)、メタクリル酸メチル
10部(15モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート
20部(16モル%)、n−ブチルメタクリレート35部
(38モル%)、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプ
タン1.9部、イオン交換水50部を混合し、また、重
合開始剤として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交
換水33部に溶解させて、4時間かけて別々に滴下し
た。滴下終了後、1時間熟成させるため85℃まで昇温
して保持した。その後冷却して、固形分20.1%の共
重合物塩水溶液を得て、これを乳化分散剤とした。
【0046】(2)合成例2 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を具備
した反応装置に、イオン交換水280部とドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.6部を仕込み、攪拌しな
がら窒素ガス雰囲気下で75℃まで昇温した。一方、予
め、40%イソプレンスルホン酸ナトリウム溶液50部
(13モル%)、スチレン15部(17モル%)、メタクリ
ル酸メチル15部(17モル%)、n−ブチルメタクリレ
ート25部(20モル%)、メタクリル酸25部(33モ
ル%)、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン1.
4部とチオグリコール酸0.5部、イオン交換水80部
を混合し、また、重合開始剤として過硫酸アンモニウム
2.1部をイオン交換水33部に溶解させて、4時間か
けて別々に滴下した。滴下終了後、85℃まで昇温し1
時間保持した。その後冷却して、30%水酸化ナトリウ
ム34.9部を徐々に添加混合し、固形分20.4%の共
重合物塩水溶液を得て、乳化分散剤とした。共重合物の
中和率は94%であった。
【0047】(3)合成例3 上記合成例2と同様にし、40%イソプレンスルホン酸
ナトリウム溶液25部(6モル%)、スチレン33部(3
1モル%)、メタクリル酸メチル10部(10モル%)、
無水マレイン酸9部(9モル%)、メタクリル酸38部
(44モル%)、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプ
タン1.9部、イオン交換水50部を混合し、また、重
合開始剤として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交
換水33部に溶解させて、4時間かけて別々に滴下し
た。滴下終了後、85℃まで昇温し1時間保持した。そ
の後冷却して、30%水酸化ナトリウム75.1部を徐
々に添加混合し、固形分22.7%の共重合物塩水溶液
を得て、乳化分散剤とした。共重合物の中和率は92%
であった。
【0048】(4)合成例4 撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管を具備
した反応装置に、イオン交換水200部とドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム0.6部を仕込み、攪拌しな
がら窒素ガス雰囲気下で75℃まで昇温した。一方、予
め、40%イソプレンスルホン酸ナトリウム溶液25部
(5モル%)、スチレン17部(15モル%)、2−エチル
ヘキシルアクリレート8部(4モル%)、無水マレイン酸
10部(9モル%)、メタクリル酸15部(16モル%)、
50%アクリルアマイド80部(51モル%)、連鎖移動
剤としてn−ドデシルメルカプタン1.9部、イソプロ
ピルアルコール25部を混合し、また、重合開始剤とし
て過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交換水33部に
溶解させて、5時間かけて別々に滴下した。滴下終了
後、85℃まで昇温し1時間熟成保持した。その後冷却
して、30%水酸化ナトリウム45.4部を徐々に添加
混合し、固形分24.9%の共重合物塩水溶液を得て、
乳化分散剤とした。
【0049】(5)合成例5 上記合成例4と同様に、40%イソプレンスルホン酸ナ
トリウム溶液25部(5モル%)、メタクリル酸メチル1
0部(9モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート10
部(5モル%)、無水マレイン酸20部(18モル%)、5
0%アクリルアマイド100部(63モル%)、連鎖移動
剤としてn−オクチルメルカプタン1.9部、イソプロ
ピルアルコール25部を混合し、また重合開始剤として
過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交換水33部に溶
解させて、5時間かけて別々に滴下した。滴下終了後、
85℃まで昇温し1時間熟成保持した。その後冷却し
て、固形分24.3%の共重合物塩水溶液を得て、乳化
分散剤とした。
【0050】(6)合成例6 上記合成例5と同様に、40%イソプレンスルホン酸ナ
トリウム溶液20部(4モル%)、スチレン12部(10
モル%)、n−ブチルメタクリレート5部(3モル%)、
イタコン酸15部(10モル%)、50%アクリルアマイ
ド120部(73モル%)、連鎖移動剤としてn−オクチ
ルメルカプタン1.9部、イソプロピルアルコール25
部、イオン交換水120部を混合し、また、重合開始剤
として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交換水33
部に溶解させて、5時間かけて別々に滴下した。滴下終
了後、85℃まで昇温し1時間熟成保持した。その後冷
却して、30%水酸化ナトリウム水溶液12.0部を徐
々に添加混合し、固形分25%、粘度360mPa・s
の共重合物塩水溶液を得て、乳化分散剤とした。
【0051】(7)比較合成例1 上記合成例2と同様にし、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム10部(5モル%)、スチレン20部(21モル%)、メ
タクリル酸メチル15部(16モル%)、n−ブチルメタ
クリレート17部(10モル%)、メタクリル酸38部
(48モル%)、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプ
タン1.9部、イオン交換水130部を混合し、また、
重合開始剤として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン
交換水33部に溶解させて、4時間かけて別々に滴下し
た。滴下終了後、85℃で1時間熟成保持した。その後
冷却して、30%水酸化ナトリウム53.0部を徐々に
添加混合し、固形分20.0%の共重合物塩水溶液を得
て、乳化分散剤とした。共重合物の中和率は92%であ
った。
【0052】(8)比較合成例2 上記合成例2と同様にし、スチレン63部(59モル
%)、メタクリル酸37部(41モル%)、連鎖移動剤と
してn−ドデシルメルカプタン1.4部とチオグリコー
ル酸0.5部、イオン交換水100部を混合し、また重
合開始剤として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交
換水33部に溶解させて、5時間かけて別々に滴下し
た。滴下終了後、85℃で1時間熟成保持した。その後
冷却して、30%水酸化ナトリウム51.6部を徐々に
添加混合し、固形分21.0%の共重合物塩水溶液を得
て、乳化分散剤とした。共重合物の中和率は90%であ
った。
【0053】(9)比較合成例3 上記合成例4と同様にして、メタクリル酸メチル10部
(8モル%)、2−エチルヘキシルアクリレート5部(2
モル%)、無水マレイン酸20部(17モル%)、50%
アクリルアマイド130部(73モル%)、連鎖移動剤と
してn−オクチルメルカプタン1.9部、イソプロピル
アルコール25部、イオン交換水150部を混合し、ま
た、重合開始剤として過硫酸アンモニウム2.1部をイ
オン交換水33部に溶解させて、5時間かけて別々に滴
下した。滴下終了後、85℃で1時間熟成保持した。そ
の後冷却して、固形分21.8%の共重合物塩水溶液を
得て、乳化分散剤とした。
【0054】(10)比較合成例4 上記合成例4と同様にし、スチレンスルホン酸ナトリウ
ム10部(5モル%)、スチレン15部(13モル%)、メ
タクリル酸メチル5部(5モル%)、2−エチルヘキシル
アクリレート10部(5モル%)、無水マレイン酸15部
(14モル%)、50%アクリルアマイド90部(58モ
ル%)、連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン1.
9部、イソプロピルアルコール25部、イオン交換水5
0部を混合し、また、重合開始剤として過硫酸アンモニ
ウム2.1部をイオン交換水33部に溶解させて、5時
間かけて別々に滴下した。滴下終了後、85℃で1時間
熟成保持した。その後冷却して、固形分22.7%の共
重合物塩水溶液を得て、乳化分散剤とした。
【0055】(11)比較合成例5 上記合成例6と同様に、スチレンスルホン酸ナトリウム
溶液8部(3モル%)、スチレン20部(17モル%)、イ
タコン酸15部(10モル%)、50%アクリルアマイド
114部(70モル%)、連鎖移動剤としてn−オクチル
メルカプタン1.9部、イソプロピルアルコール25
部、イオン交換水132部を混合し、また、重合開始剤
として過硫酸アンモニウム2.1部をイオン交換水33
部に溶解させて、5時間かけて別々に滴下した。滴下終
了後、85℃まで昇温し、1時間熟成保持した。その後
冷却して、固形分25%、粘度1025mPa・sの共
重合物塩水溶液を得て、乳化分散剤とした。
【0056】(12)比較合成例6 上記合成例6と同様に、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸9部(4モル%)、n−ブチルメタ
クリレート21部(13モル%)、無水マレイン酸11部
(10モル%)、50%アクリルアマイド118部(73
モル%)、連鎖移動剤としてn−オクチルメルカプタン
1.9部、イソプロピルアルコール25部、イオン交換
水130部を混合し、また、重合開始剤として過硫酸ア
ンモニウム2.1部をイオン交換水33部に溶解させ
て、5時間かけて別々に滴下した。滴下終了後、85℃
まで昇温し、1時間熟成保持した。その後冷却して、3
0%水酸化ナトリウム水溶液14.0部を徐々に添加混
合し、固形分25%、粘度1860mPa・sの共重合
物塩水溶液を得て、乳化分散剤とした。
【0057】図1は上記合成例1〜6及び比較合成例1
〜6の各高分子系乳化分散剤の単量体組成(%)、中和率
(%)、固形分(%)をまとめたものである。そこで、前述
した製造例1〜3の各ロジン系樹脂を上記高分子系乳化
分散剤を用いて水中に分散させたロジン系エマルション
サイズ剤の製造実施例を順次説明する。 《ロジン系エマルションサイズ剤の製造実施例》 (1)実施例1 前記製造例1で得た強化ロジンエステル200部をトル
エン200部に溶解し、上記合成例1の高分子系乳化分
散剤79.6部とイオン交換水249.4部を添加し、4
0℃にてホモミキサーで混合した。次いで、この粗製エ
マルションをピストン型高圧乳化機(200kg/c
2)に2回通して微細エマルションを得た。その後、減
圧蒸留により、トルエンを留去した。得られたロジン系
エマルションサイズ剤は固形分45%、平均粒子径は
0.39μmであった(図2参照)。
【0058】(2)実施例2〜12 図2の左欄〜中央欄に示す通り、前記製造例1〜3の強
化ロジンエステル、ロジン混合物、或は強化ロジンと、
前記合成例1〜6の各乳化分散剤とを各重量比に従って
混合し、上記実施例1と同様の条件で処理して、図2の
右寄り欄に示す固形分及び平均粒子径のロジン系エマル
ションサイズ剤を夫々得て、実施例2〜12とした。
【0059】(3)比較例1〜11 図2の左欄〜中央欄に示す通り、前記製造例1〜3の強
化ロジンエステル、ロジン混合物、或は強化ロジンと、
前記比較合成例1〜6の各乳化分散剤とを各仕込み率に
従って混合し、上記実施例1と同様の条件で処理して、
図2の右寄り欄に示す固形分及び平均粒子径のロジン系
エマルションサイズ剤を夫々得て、比較例1〜11とし
た。
【0060】《ロジン系エマルションサイズ剤の性状試
験例》そこで、上記実施例及び比較例で得られた各ロジ
ンエマルションについて、下記に示す各種安定性並びに
発泡性の試験を行った。 (1)機械的安定性試験例 上記実施例1〜12並びに比較例1〜11の各エマルシ
ョンサイズ剤50gをカップに入れて、温度25℃、荷
重10kg、回転数1000rpmの条件にて10分間
マーロン式安定性試験を行った。生成した凝集物を20
0メッシュ金網にて濾過して、全固形分に対する析出量
を測定し、百分率で表した。
【0061】(2)貯蔵安定性試験例 実施例1〜12並びに比較例1〜11の各エマルション
サイズ剤100gを120ml容のガラス容器に入れ、
温度40℃にて2ヶ月間保存して、貯蔵安定性試験を行
った。生成した凝集物を200メッシュ金網にて濾過し
て、全固形分に対する析出量を測定し、百分率で表し
た。
【0062】(3)耐硬水希釈安定性試験例 図3に示す各合成硬水に上記実施例1〜12並びに比較
例1〜11の各エマルションサイズ剤1滴を入れ、分散
状態を目視観察した。当該安定性試験の評価基準は次の
通りである。 ○:良好に分散した。 △:一部凝集した。 ×:凝集した。
【0063】(4)発泡性試験例 立設した1Lのメスシリンダーの周囲をガラス管で囲繞
し、ガラス管内に一定温度の水を流通させてメスシリン
ダー内を恒温状態に保持するとともに、メスシリンダー
の上部の供給口と底部の排出口を外部の搬送ポンプを介
して連通し、搬送ポンプの作用により、連続的に排出口
から吸い出した試験液を上部の供給口からメスシリンダ
ー内に落下させて液面を発泡させるようにして、循環式
泡立ち試験機を構成した。この泡立ち試験機に各対象と
なる合成白水800mlを入れ、5分間循環した後、サ
イズ剤1%希釈液8mlを添加し、さらに10分間循環
した。そして、サイズ剤添加5分後、停止直後並びに停
止1分後の泡容量(単位:ml)を夫々測定した。試験液
の循環条件は、流量5.4L/分、温度40℃で行っ
た。実施例1〜8、実施例12、比較例1〜7及び比較
例10〜11は、200ppmの硫酸バンド、0.4%
炭酸カルシウム、pH7.5とし、サイズ剤濃度を80
0ppmとした条件で発泡性試験を行った。また、実施
例9〜11及び比較例8〜9は、10ppmの硫酸バン
ド、pH4.3、SC.1200μS/cmとして発泡性
試験を行った。
【0064】図3はその試験結果である。図3による
と、実施例1〜12の各ロジンエマルションは、比較例
1〜11との対比において、機械的安定性、貯蔵安定
性、耐硬水希釈安定性の全てに優れ、発泡性も低く、良
好な作業性を示すことが判明した。この点を詳述する
と、スルホン酸基含有モノマーを含む共重合体をロジン
エマルションの乳化分散剤に使用した実施例と比較例を
比較観察した場合、本発明1〜2のタイプに属する実施
例1〜3、6、9〜11(ノニオン性単量体を含まない
合成例1〜3の乳化分散剤を使用した例)と比較例1、
5、8(比較合成例1を使用した例)とを対比しても、或
は、本発明3のタイプに属する実施例4〜5、7〜8、
12(アクリルアミドを含有する乳化分散剤(合成例4〜
6)を使用した例)と比較例4、7、10〜11(比較合
成例4〜6を使用した例)とを対比しても、イソプレン
スルホン酸塩を構成モノマーに使用した実施例の方が、
スチレンスルホン酸塩又は2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸を使用した比較例より、分散安
定性や発泡性に顕著な改善が認められたのである。
【0065】そこで、前記乳化分散剤の合成例の項目か
ら、スルホン酸基含有モノマーとイタコン酸を含み、親
水性のアクリルアミドを高率で含有する点で共通する合
成例6と比較合成例5を抽出し、両者を対比すると、合
成例6の粘度が360mPa・sと低い値であるのに対
して、比較合成例5は1025mPa・sの高粘度を示
したことが注目される。この粘度の差異は、イソプレン
スルホン酸塩がスチレンスルホン酸塩と異なり、乳化重
合系において連鎖移動剤としての効果を奏して、乳化分
散剤の平均分子量を低減させることができたためと思わ
れる。従って、一般に、低分子量の乳化分散剤が樹脂に
吸着し易いように、イソプレンスルホン酸塩を単量体組
成に含む乳化分散剤は、その連鎖移動効果によってロジ
ン系樹脂に対する乳化性が向上し、安定且つ良好なロジ
ン系エマルション粒子を生成し得たために、この合成例
6を乳化分散剤に使用した実施例12と比較合成例5を
使用した比較例10を対比した場合、上述のように、実
施例12の方が比較例10より分散安定性や発泡性の面
で優れた結果が得られたものと推定できる。尚、この連
鎖移動効果の差異による分散安定性や発泡性の面での優
位性は、共に親水性のアクリルアミドを高率で含有した
乳化分散剤を使用した点で共通し、イソプレンスルホン
酸塩を乳化分散剤の単量体組成とする実施例12と、2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を同
単量体組成とする比較例11(比較合成例6の使用例)と
の間でも同様であった。
【0066】以上のことから、サイズ剤のエマルション
安定性を向上し、発泡性を抑制する点で、共重合体の単
量体組成にスルホ基含有モノマーとしてスチレンスルホ
ン酸塩や2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスル
ホン酸ではなく、イソプレンスルホン酸塩を使用するこ
との著効性が明らかになった。ちなみに、前記図2によ
ると、実施例1〜12の各ロジンエマルションの平均粒
子径は概ね比較例1〜11より小さく、この点からも実
施例1〜12の良好なエマルション安定性が示唆されて
いる。
【0067】《サイズ性試験例》そこで、上記実施例1
〜12及び比較例1〜11の各ロジン系エマルションサ
イズ剤を用いて、下記の試験例1〜3の方式により湿式
抄造した紙について、サイズ度(秒)をステキヒト法(J
IS P8122)によって測定した。
【0068】(1)試験例1 450mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(NBKP/EBKP=1/2)を40
℃で2%のパルプスラリーを調製した。次いで、このパ
ルプスラリー中に、対パルプ5%(絶乾重量基準)の炭酸
カルシウム(奥多摩工業社製;TP−121)、対パルプ
1.3%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、対パルプ0.1%
(絶乾重量基準)の乾燥紙力増強剤(ハリマ化成社製;E
X−100)、及び対パルプ0.2%又は0.4%(絶乾重
量基準)の実施例1〜8、実施例12及び比較例1〜
7、比較例10〜11の各ロジン系エマルションサイズ
剤を順次添加した後、このスラリーを1%まで希釈し
た。当該パルプスラリーのpHは7.5であった。上記
パルプスラリーを均一に攪拌した後、TAPPIスタン
ダード・シート・マシーンを用いて坪量70±1g/m
2を目標とし、5kg/cm2の圧力下で1分間脱水した
後、ドラムドライヤーで105℃にて2.5分間乾燥し
た。そして、この成紙を20℃、相対湿度65%の条件
下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を測定し
た。
【0069】(2)試験例2 雑誌古紙を60%含有するパルプを35℃にて2%のパ
ルプスラリーに調製した。次いで、このパルプスラリー
中に、対パルプ2.5%(絶乾重量基準)の硫酸バンド、
対パルプ0.5%又は0.6%(絶乾重量基準)の実施例1
〜12及び比較例1〜11の各ロジン系エマルションサ
イズ剤を順次添加した後、このスラリーを1%まで希釈
した。当該パルプスラリーのpHは6.3であった。上
記パルプスラリーを均一に攪拌した後、TAPPIスタ
ンダード・シート・マシーンを用いて坪量53±1g/
2を目標とし、5kg/cm2の圧力下で1分間脱水し
た後、ドラムドライヤーで105℃にて2.5分間乾燥
した。そして、この成紙を20℃、相対湿度65%の条
件下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ度を測定
した。
【0070】(3)試験例3 420mlカナディアン・スタンダード・フリーネスま
で叩解したパルプ(LBKP/NBKP=8/2)を40
℃で2%のパルプスラリーに調製した。次いで、このパ
ルプスラリー中に、対パルプ20%(絶乾重量基準)のタ
ルククレー、対パルプ3.0%(絶乾重量基準)の硫酸バ
ンド、対パルプ0.15%又は0.25%(絶乾重量基準)
の実施例1〜11及び比較例1〜9の各ロジン系エマル
ションサイズ剤を順次添加した後、このスラリーを1%
まで希釈した。当該パルプスラリーのpHは5.0であ
った。上記パルプスラリーを均一に攪拌した後、TAP
PIスタンダード・シート・マシーンを用いて坪量64
±1g/m2を目標とし、5kg/cm2の圧力下で1分
間脱水した後、ドラムドライヤーで105℃にて2.5
分間乾燥した。そして、この成紙を20℃、相対湿度6
5%の条件下で24時間調湿した後、ステキヒトサイズ
度を測定した。
【0071】図4はその試験結果である。図4による
と、実施例1〜12の各エマルションサイズ剤を用いた
場合には、比較例1〜11を用いた場合に比べて、サイ
ズ性の明らかな改善が認められた。このサイズ性の改善
は、サイズ剤の添加量の増減、中性又は酸性の抄造条件
を問わずに明確に観察された。従って、抄造系でのサイ
ズ性を向上する見地に立てば、スチレン−(メタ)アクリ
ル酸系共重合体やアクリルアミド系共重合体を使用した
比較例2〜3、6、9はもとより、スルホン酸基含有モ
ノマーである点で本発明のイソプレンスルホン酸塩と共
通するスチレンスルホン酸塩を含む共重合体を使用した
比較例1、4〜5、7〜8、10、或は2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸を含む共重合体を
使用した比較例11に比べても、イソプレンスルホン酸
塩を構成モノマーとした共重合体をロジンエマルション
の乳化分散剤に使用することの顕著な優位性が明らかに
なった。とりわけ、親水性のアクリルアミドを高率で含
有する乳化分散剤を使用した点で共通し、イソプレンス
ルホン酸塩を乳化分散剤の単量体組成とする実施例12
と、スチレンスルホン酸塩を同単量体組成とする比較例
10、或は2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸を同単量体組成とする比較例11とを抽出・対
比した場合、イソプレンスルホン酸塩による連鎖移動効
果で相対的に合成例6の乳化分散剤が低分子量化して、
実施例12のロジン系エマルションの乳化性及び安定性
が向上することは前記ロジン系エマルションの性状試験
例で述べた通りであるが、スルホン酸基含有モノマーの
なかでも、このイソプレンスルホン酸塩による特有の効
果が、当該ロジン系エマルションを用いた抄造紙のサイ
ズ性の改善に大きく寄与していることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】合成例1〜6及び比較合成例1〜6の各高分子
系乳化分散剤についての単量体組成(モル%換算)、中和
率、固形分を夫々示す図表である。
【図2】実施例1〜12及び比較例1〜11の各ロジン
系エマルションサイズ剤についてのロジン系樹脂/乳化
分散剤の混合重量比、固形分、平均粒子径を夫々示す図
表である。
【図3】実施例1〜12及び比較例1〜11の各ロジン
系エマルションサイズ剤の性状試験結果を示す図表であ
る。
【図4】実施例1〜12及び比較例1〜11の各ロジン
系エマルションサイズ剤を用いて湿式抄造した紙のサイ
ズ性試験結果を示す図表である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4D077 AA05 AC01 AC03 AC05 DC02Z DC04Z DC19Z DC26Z DC48Z DC59Z DD09Y DD10Y DD14Y DD18Y DD19Y DE04Y DE09Y DE29Y 4J100 AB02P AB03P AB04P AB08P AJ01R AJ02R AJ08R AJ09R AK31R AK32R AL03P AL08P AL08S AL09S AM15S AM21S AS03Q BA02S BA08S BA56Q BC04P BC43P CA03 CA31 HA31 HB39 HB43 HC43 HC47 JA13 JA15 4L055 AG50 AG62 AG71 AG72 AH11 AH33 FA17 FA22

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)イソプレンスルホン酸類と、 (B)疎水性単量体を反応させた共重合体の部分又は完全
    ケン化物からなることを特徴とする高分子系乳化分散
    剤。
  2. 【請求項2】 (A)と(B)に、さらに不飽和カルボン酸
    類(C)を反応させた共重合体の部分又は完全ケン化物か
    らなることを特徴とする請求項1に記載の高分子系乳化
    分散剤。
  3. 【請求項3】 (A)イソプレンスルホン酸類と、 (B)疎水性単量体と、 (C)不飽和カルボン酸類と、 (D)ノニオン性単量体を反応させた共重合体の部分又は
    完全ケン化物からなることを特徴とする高分子系乳化分
    散剤。
  4. 【請求項4】 イソプレンスルホン酸類が下記の一般式
    (イ)で表される化合物 CH2=CH−C(CH3)=CH−SO3M …(イ) (Mは、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アン
    モニウム、又はアミンである。)であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子系乳化分
    散剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の高
    分子系乳化分散剤を用いて、ロジン系樹脂を水中に分散
    したことを特徴とするロジン系エマルションサイズ剤。
  6. 【請求項6】 ロジン系樹脂が、ロジン類、強化ロジン
    類、ロジンエステル類及び強化ロジンエステル類の少な
    くとも一種であることを特徴とする請求項5に記載のロ
    ジン系エマルションサイズ剤。
  7. 【請求項7】 ロジン系樹脂と乳化分散剤との混合割合
    が、ロジン系樹脂/乳化分散剤=70〜99重量部/3
    0〜1重量部であることを特徴とする請求項5又は6に
    記載のロジン系エマルションサイズ剤。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれか1項に記載のロ
    ジン系エマルションサイズ剤をパルプスラリーに含有さ
    せて、湿式抄造した紙。
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