JP3254529B2 - 中性抄造用サイズ剤の製造方法 - Google Patents

中性抄造用サイズ剤の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は製紙用サイズ剤、特に中
性から弱酸性域の抄造において極めて有効な内添サイズ
剤およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から紙のサイズ剤としてロジン系の
ものが広く使用されている。このロジン系サイズ剤のサ
イズ発現は助剤として使用される硫酸バンドがロジン系
サイズ剤の歩留剤及び疎水化剤として作用することに起
因している。この硫酸バンドは解離すると酸性を呈する
ため、ロジン系サイズ剤は酸性域で使用されていた。し
かしながら、近年酸性紙の耐久性問題、印刷用紙のコー
トカラー顔料として炭酸カルシウムが普及し、古紙中の
炭酸カルシウムの含有量の増大に伴い、中性系で紙を製
造する動きが強まっている。そこで、中性から弱酸性域
での抄造が望まれるが、従来のロジンエマルションサイ
ズ剤は主としてα、β−不飽和二塩基酸で変性したいわ
ゆる強化ロジンをアニオン性界面活性剤を使用したもの
で、上述したような系において、特に抄造pHが6.5
以上でそのサイズ効果は著しく低下する。そのため所定
のサイズ度を得るためにはサイズ剤の使用量を増加せざ
るを得ないが、そうすると過剰のサイズ剤が使用されて
コストが上昇するのみならず、抄紙系における発泡、ピ
ッチの生成などの操作上の不都合が生じ、また紙質にも
悪影響を及ぼす。このような事情から、特に中性紙用サ
イズ剤として、アルキルケテンダイマー(AKD)系、
アルケニルコハク酸無水物(ASA)系のサイズ剤が汎
用されているが、AKD、ASA共にセルロースとの反
応性サイズ剤であるため、安定性に問題がある。即ち、
上記AKD、ASAはカチオン澱粉等を保護コロイドと
した分散物として使用されるが、これら反応性サイズ剤
の分散物の安定性が悪く、抄紙系に蓄積すると、分散物
の破壊に伴い粘着性が増大し、抄紙用具の汚れなど操業
性面で大きな問題となり改善が望まれている。以上、A
KD、ASA系サイズ剤の改良が検討される中で最近、
ロジン系中性サイズ剤の提案がされている。その一例と
して特開昭62−250297号、特開昭63−120
198号、特公平2−36629号等に記載されたもの
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開昭62
−250297号及び特公平2−36629号は特定の
α、β不飽和二塩基酸変性ロジンエステルを含む水性分
散液を用いたもので、特に特開昭62−25029号で
はC.H.Oから成る多価アルコールのα、β−不飽和
二塩基酸変性ロジンエステルを含む水性分散液からなる
ものであるが、抄紙pHが7以上のサイジングでのサイ
ズ効果の低下が著しく大きく中性紙用サイズ剤として必
ずしも充分なサイズ剤とは言えない。他方、特公平2−
36629に記載された発明は、英国特許第859、7
87号の強化ロジンのアルカノールアミンエステルと強
化ロジンの混合物であるが、そのサイズ効果は強化ロジ
ンの存在だけから生じ、すなわちロジンのアルカノール
アミンエステルはサイズ性を付与していないのに対し、
ロジンの部分アミノアルコールエステルをα、β−不飽
和二塩基酸で変性することにより中性付近のサイズ性を
特徴とするものであることが述べられている。これはア
ミノアルコールのロジンエステルのロジン部にα、β−
不飽和二塩基酸が導入され、これがサイズ発現効果を示
す内容と理解される。更に、特開昭63−120198
に記載された発明は、強化ロジンと(メタ)アクリル酸
アルキルエステル及び/叉はスチレン化合物と(メタ)
アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル叉はアルキ
ルアミノアルキルアミドとの共重合物とから成るロジン
系エマルションサイズ剤であるが、このものは中性領域
でのサイズ性に難があり、中性紙用のサイズ剤として充
分なものといえない。そこで、本発明はかかる事情に鑑
み、安定性に優れ、特に中性領域での立ち上がりの早い
良好なサイズ剤およびその製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、a)ロジン
類とb)特定の2価アルコール類とc)α、β−不飽和カル
ボニル化合物類をa)のカルボキシル基当量に対するb)の
水酸基当量の比率が0.2〜1.5となる仕込み割合と
して順次叉は同時に反応させてなる反応生成物を水に分
散させてサイズ剤として用いると、中性抄造用として優
れた効果を発揮することを見出し、更にその反応生成物
中の中性抄造におけるサイズ効果に寄与する成分を検討
した結果、2価アルコールとロジンとマレオピマル酸の
ジレオネートであることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明は下記式(1)
【化1】(R1はロジン酸残基叉はマレオピマル酸残基
を示し、R2は2価アルコール残基を示し、R3はマレ
オピマル酸残基を示す。)で示されるジカルボン酸叉は
酸無水物基を有するロジン系物質のジエステルを主成分
とする中性抄造用サイズ剤にある。上記式1の化合物
は、a)ロジン類とb)2価アルコール類とc)α、β−不飽
和カルボニル化合物類を順次叉は同時に反応させて製造
される。特に、a)ロジン類とb)2価アルコール類とc)
α、β−不飽和カルボニル化合物類を順次叉は同時に反
応させるにあたり、a)のカルボキシル基当量に対するb)
の水酸基当量の比率をCOOH/OH=1/0.2〜
1.5とし、α、β不飽和カルボニル化合物の添加量が
ロジン類100重量部に対して2〜20重量部であるこ
とが好ましい。上記ロジン類としては、ガムロジン、ト
ール油ロジン、ウッドロジンからなる群から選ばれる1
種または2種以上が選択される。上記2価アルコールと
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールAから
なる群から選ばれ、特に沸点210℃以下の2価アルコ
ールであるエチレングリコール、プロピレングリコール
の1種または2種を選択するのが好ましい。また、上記
α、β−不飽和カルボニル化合物としては、マレイン
酸、無水マレイン酸からなる群から1種または2種が選
ばれる。ところで、低沸点の2価アルコール類とロジン
との反応は従来より工業的に効率のよい反応方法での検
討がされていない。沸点が220℃以下の2価アルコー
ル類とロジンとのエステル化反応は、200〜210℃
付近で長時間反応しなければならない。また、230℃
以上の高温度で反応を行なうと低沸点の2価アルコール
が反応留出水と共に系外に除かれ、損失が多くなる。ま
た、高温度でエステル化反応を行なった後α、β−不飽
和カルボニル化合物類をロジン類と反応させる場合、レ
ボピマール酸骨格を有するロジン類が減少し、デヒドロ
アビエチン酸骨格に異性化が起こることにより非常に反
応が進みにくくなり、好ましくない。一方、α、β−不
飽和カルボニル化合物類とロジン類を予め反応させて、
210℃付近で反応を行なってもMW1000以上の高
分子縮合物の生成が多くなり、乳化性、サイズ性の面で
好ましくない。そこで、鋭意研究した結果、a)ロジン類
とb)2価アルコール類とc)α、β−不飽和カルボニル化
合物類を順次叉は同時に2価アルコールの沸点以下、通
常150〜200℃で予備的に反応させた後、次いで反
応温度を225℃〜280℃で反応することにより分子
量1000〜500の範囲の反応生成物を合成するに至
った。即ち、図1で示すように、第1工程で、a)ロジン
類とb)2価アルコール類とc)α、β−不飽和カルボニル
化合物類を順次叉は同時に予備的に150〜200℃で
反応させると、図2に示す式6から式10で示される化
合物が得られる。この反応は、式4で示される無水マレ
イン酸、マレイン酸と式3で示されるロジンのディール
スアルダー付加反応と式4で示される無水マレイン酸、
マレイン酸と式5で示される2価アルコールとのハーフ
エステル形成が平行して進んでおり、2価アルコールの
留出を抑制していると考えられる。次いで、図3に示す
第2工程で、反応温度225℃〜280℃で反応させる
と、低沸点2価アルコールと無水マレイン酸叉はマレイ
ン酸とのエステル化物は、ロジンと220℃以上で反応
する過程において、マレイン酸とのエステル部は切断さ
れ、5員環無水物の形になり、ロジンの3級カルボン酸
とのエステル形成により安定化されている。すなわち、
この反応において、生成する化合物は、式6で示される
マレオピマル酸、式9で示される2価アルコールとロジ
ンのジレジネート、式11または12で示される2価ア
ルコールとロジンとマレオピマル酸のジレジネート、式
8で示される2価アルコールとマレオピマル酸のジレジ
ネートが主生成物であり、その副生成物としてMW90
0以上のポリエステルが生成している。この混合反応生
成物は、分子量290〜315の成分が15〜40%、
分子量390〜420の成分が10〜35%、分子量5
80〜660の成分が1〜25%、分子量670〜88
0の成分が20〜50%の分子量分布を示すが、特に中
性抄造におけるサイズ効果に寄与する成分は、上記式1
で示される化合物、即ち式11または12で示される2
価アルコールとロジンとマレオピマル酸のジレジネート
であり、上記本発明方法で製造される場合は上記有効成
分を反応生成物中に少なくとも20%以上の中性抄造に
おける有効量含むことが判明した(図4参照)。それに
対し従来方法では殆ど上記有効成分を含まない(図5参
照)。上記有効成分を使用して各種サイズ剤を調整する
ことができる。上記反応生成物をそのまま使用してサイ
ズ剤を調整することもでき、その場合は、混合物重量を
基準として下記式(2)
【化2】(式中、RはC10〜C24のアルキルフェノ
ール基あるいは直鎖叉は分岐鎖アルキル基であり、nは
6〜20の整数であり、XまたはYがHまたはSO3
であり、Mはナトリウム、カリウム、叉はアンモニウム
基である)で示した特定の界面活性剤を1〜10重量%
を含み、固形分濃度20〜60重量%とすると、乳化
性、貯蔵安定性に優れた特性を有する製紙用サイズ剤が
得られる。特に、上記式2で示す界面活性剤を使用する
時は、カゼイン0.5〜10重量%を含むのが好まし
い。それは乳化安定性が更に向上するからである。上記
式2に示す界面活性剤の具体例としては、アメリカンサ
イアナミド社製エアロゾールA−103(上記式(2)
でRがアルキルフェノールである相当品)、日本触媒化
学工業(株)製ソフタノールMES−12(上記式
(2)式でRが高級セカンダリーアルコールである相当
品)が挙げられる。また、上記反応生成物固形分80〜
99重量部に対し、スチレン−(メタ)アクリル酸系モ
ノマーの共重合体部分鹸化または完全鹸化物1〜20重
量部とを水に分散せしめ、固形分濃度20〜60重量%
とすると、乳化性、サイズ性が良好で抄造時の泡立ちが
なく優れた操業性を有する中性抄造用サイズ剤が得られ
る。ここで、スチレン−(メタ)アクリル酸系モノマー
の共重合体部分鹸化または完全鹸化物とは、スチレン系
モノマー含有量が15〜40重量%、(メタ)アクリル
酸エステル系モノマー含有量5〜40重量%、(メタ)
アクリル酸モノマー含有量25〜65重量%、その他モ
ノマー含有量0〜15重量%からなる重量平均分子量が
5000〜50万の範囲にある共重合物の部分鹸化又は
完全鹸化物をいい、スチレン系モノマーの具体例は、ス
チレン、ビニルトルエン、αメチルスチレン等が代表例
として挙げられ、1種又は数種を用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル系モノマーの具体例は、メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアク
リレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリル
アクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルア
クリレート、ステアリルメタクリレート等を代表例とし
て挙げられ、1種又は数種を用いることができる。(メ
タ)アクリル酸モノマーの具体例は、アクリル酸、又
は、メタアクリル酸を示し、1種又は2種を用いること
ができる。その他モノマーとしては、スチレンスルフォ
ン酸、スチレンスルフォン酸Na、ポリオキシエチレン
アリルノニルフェニルエーテル硫酸エステル、ポリオキ
シエチレンアリルノニルフェニルエーテル硫酸エステル
のアンモニウム塩、アクリルアミド、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸等が代表例として挙げられ、1種又は数種を用いるこ
とができる。スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体
部分鹸化物または完全鹸化物の製造方法としては、トル
エン、キシレンなどの炭化水素系またはメチルエチルケ
トンなどのケトン類またはイソプロピルアルコールやブ
チルアルコールなどのアルコール系溶媒などを用い、過
酸化物系やアゾ系重合開始剤を使用して溶液重合を行
い、Na、K、アンモニア等のアルカリによるケン化、
水溶化、脱溶剤を行う方法や、過硫酸塩などを重合開始
剤として乳化重合を行った後、Na、K、アンモニア等
のアルカリによるケン化、水溶化する方法などを用いる
ことができる。更に、上記反応生成物固形分60〜95
重量部に対し、カチオン性ビニルモノマーと芳香族ビニ
ルモノマー、カチオン性ビニルモノマーと(メタ)アク
リル酸エステル、またはカチオン性ビニルモノマーと芳
香族ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エステル、と
の共重合体(乳化剤ポリマー)5〜95重量部とを水に
分散し、固形分濃度20〜60重量%とすると、優れた
サイズ効果を有する中性抄造用サイズ剤が得られる。上
記乳化剤ポリマーとしては、特にカチオン性ビニルモノ
マー及び/叉は(メタ)アクリル酸エステルに対して、
ロジン酸、α、β不飽和カルボニル化合物類付加ロジン
酸又はロジンエステル類の少なくとも一種0.1〜15
モル%の存在下に共重合させた物を使用するのが、乳化
性、サイズ性の点で好ましい。その具体例として、カチ
オン性ビニルモノマーとは第三級アミノ基を有する塩基
性モノマーが適当であり、その例としては、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルア
ミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられ
る。また、これらの塩基性モノマーと、無機または有機
の酸との塩類を使用することもできる。さらに前記塩基
性モノマーの、塩化メチル、塩化ベンジル、ジメチル硫
酸、エピクロルヒドリンなどの四級化剤との反応によっ
て得られる第四級アンモニウム塩や、ジメチルジアリル
アンモニウムクロライドなどを使用することもできる。
また芳香族ビニルモノマーとしては、スチレンまたはそ
の誘導体を使用することができる。その具体例として
は、スチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエンなど
が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルはアクリル
酸及び/またはメタクリル酸のエステルであって、その
具体例としてはメチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブ
チルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレ
ート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチル
メタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルア
クリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙
げられる。ロジン酸としてはガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジンなどを使用することができ、また
α、β不飽和カルボニル化合物類付加ロジンとしては、
マレイン化ロジン、フマル化ロジン、アクリル化ロジン
などを使用することができ、また、ロジンエステル類と
しては、ロジンエチレングリコールエステル、ロジンプ
ロピレングリコールエステル、ロジングリセリンエステ
ル、マレイン化ロジンエチレングリコールエステル、マ
レイン化ロジンプロピレングリコールエステル、マレイ
ン化ロジングリセリンエステルなどを使用することがで
きる。芳香族ビニルモノマーと(メタ)アクリル酸エス
テルとは、いずれか一方を使用することができ、また両
者を併用することもできる。これらのカチオン性ビニル
モノマーと芳香族ビニルモノマー及び/又は(メタ)ア
クリル酸エステルとをカチオン性ビニルモノマー、芳香
族ビニルモノマー及び/又は(メタ)アクリル酸エステ
ルに対して、0.1〜15モル%のロジン酸又はα、β
不飽和カルボニル化合物類付加ロジン酸及びロジンエス
テル類の存在下に溶剤に溶解し、触媒の存在下に加温し
て反応させて共重合する。反応終了後溶剤を溜去し、水
を添加して水分散化、水溶化して、乳化剤ポリマーを得
る方法が挙げられる
【0005】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。下記の実施
例は本発明を説明するものであり、それを何ら限定する
ものではない。以下の説明において「部」は特に指定し
ない限り「重量部」を示す。
【0006】ロジン誘導体の合成 合成例1 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
40.3重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.9) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て250℃まで昇温する。250℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は14
1.5であった。
【0007】合成例2 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
24.2重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.3) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て260℃まで昇温する。260℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は168
であった。
【0008】合成例3 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
72.5重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.9) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸10
9.9部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時
間かけて240℃まで昇温する。240℃において脱水
を行いながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は
100.7であった。
【0009】合成例4 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。160℃において、無水マレイン酸
84部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、200
℃まで昇温し2時間反応を行なう。反応後180℃まで
冷却する。この温度にてプロピレングリコール56.4
重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、1時間かけて260℃まで昇温する。2
60℃において脱水を行いながら8時間反応を行う。得
られた樹脂の酸価は120であった。
【0010】合成例5 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て240℃まで昇温する。240℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は12
3.6であった。
【0011】合成例6 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてエチレングリコール4
0.8重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.62) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸70
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て250℃まで昇温する。250℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は119
であった。
【0012】合成例7 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て230℃まで昇温する。230℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は131
であった。
【0013】合成例8 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸63
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間かけ
て260℃まで昇温する。260℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は107
であった。
【0014】比較合成例1 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、1時間かけ
て200℃まで昇温する。200℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は146
であった。
【0015】比較合成例2 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、160℃において、無水マレイン酸84
部を仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、1時間かけ
て210℃まで昇温する。210℃において脱水を行い
ながら8時間反応を行う。得られた樹脂の酸価は146
であった。
【0016】比較合成例3(比較目的用、公開特許公報
昭和60−161472実施例10に従うロジン類) 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を210
℃に加熱溶解する。210℃において、49重量部の無
水マレイン酸を20分間にわたって一部分ずつ加えた。
1時間後、35重量部のプロピレングリコールを20分
間にわたってゆっくりと加え、210℃の温度で3時間
保った。 (COOH:OH=1:0.43) 得られた樹脂の酸価は140であった。
【0017】比較合成例4 撹拌機、温度計、分水器、冷却管及び窒素ガス導入管を
具備した1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導
入下でトール油ロジン(酸価170)700部を160
℃に加熱溶解する。この温度にてプロピレングリコール
56.4重量部を仕込む。 (COOH:OH=1:0.7) 仕込み終了後、2時間かけて260℃まで昇温する。2
60℃において脱水を行いながら8時間反応を行う。得
られた樹脂の酸価は99であった。
【0018】比較合成例5 撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した
1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でト
ール油ロジン(酸価170)700部を160℃に加熱
溶解する。160℃において、無水マレイン酸84部を
仕込む。無水マレイン酸仕込み終了後、2時間を要して
260℃まで昇温する。260℃において4時間反応を
行う。得られた樹脂の酸価は191であった。
【0019】比較合成例6 撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を具備した
1000CC用四つ口フラスコに、窒素ガス導入下でホ
ルムアルデヒド処理トール油ロジン(酸価165)70
0部を200℃に加熱溶解する。200℃において、フ
マル酸60重量部を30分間で分割して仕込み、この2
00℃で2時間保つ。得られた樹脂の酸価は225であ
った。
【0020】上記合成例および比較合成例で製造された
反応生成物に樹脂恒数およびGPC分析を行い、表1に
示す。
【表1】 特に、合成例4および比較合成例2のGPCチャートを
図4、図5で示している。図中ピークAはロジン酸部を
あらわしアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸等ロジン
異性体を含むピークである。ピークBは強化ロジン部を
示し、マレオピマル酸等を含むピークである。ピークC
は式4で代表されるロジン酸とプロピレングリコールの
ジエステルを含むピークである。ピークDは上記式
(1)で示され、式11及び式12で示される化合物を
含むピークである。図4と図5を比較してみると明らか
なように、ピークC、D、Eの生成状態が異なる。特
に、合成例4(図4)はC、Dのピーク面積が大きくな
り、ロジン酸部(ピークA)の比率は減少している。こ
のことは、目的化合物を得るためのエステル化反応が効
率よく進行していることを示している。他方、比較合成
例2(図5)は逆にC、Dのピークは小さくまたピーク
Eの検出開始時間が1.40×10分より前になってい
ることより高分子量側への広がりが大きくなっており、
反応条件により全く異なった化合物を生成していること
がわかる。したがって、合成例4では上記式11または
12で示される2価アルコールとロジンとマレオピマル
酸のジレジネートが中性抄造における有効量(およそ2
0重量%以上)含むが、比較合成例2では有効量に達し
ないことがわかる。
【0021】乳化剤ポリマーの重合 重合例1 撹拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートを備えた1
000cc四つ口フラスコにアリルノニルフェーノール
EO9モル付加体硫酸エステルのアンモニウム塩10
部、メタクリル酸45部、n−ブチルメタクリレート1
5部、スチレン25部、αメチルスチレン5部とドデシ
ルメルカプタン2部とドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウム7部、イオン交換水350部、10%過硫酸ア
ンモニウム水溶液10部を混合撹拌し、85℃で5時間
保った後50℃に冷却し、20%水酸化カリウム132
部を徐々に添加し水を添加して固形分20%の淡黄色半
透明液体を得た。
【0021】重合例2 撹拌機、温度計、還流冷却器及び滴下ロートを備えた1
000cc四つ口フラスコにロジン10重量部及びイソ
プロピルアルコール100部を仕込み、窒素ガスで充分
脱気した後、還流温度まで昇温してロジンを溶解した。
これにスチレン60部、ジメチルアミノエチルメタクリ
レート30部及びアゾビスイソブチロニトリル2部の混
合液を1時間かけて滴下し、還流しながら6時間反応さ
せた。次いで加温を続けながらイソプロピルアルコール
約70を溜去し、続いて酢酸11部を水100部に溶解
した溶液を滴下した。得られた水系分散物をさらに加熱
し、残存するイソプロピルアルコールを溜去した。次い
で水330部を加え、これにエピクロルヒドリン18部
を添加し、85〜95℃にて1時間反応させ、水を加え
て固形分20%の青白色半透明液体を得た。
【0022】サイズ剤の調整 実施例1 合成例1の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、
イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化
機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。
その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去し
て、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分37%を
含有していた。
【0023】実施例2 合成例2の樹脂100部、を180℃において溶解し1
30℃まで冷却する。この溶融樹脂にソフタノールME
S−1212部(有効成分3部)を撹拌しながらゆっく
り加え、次いで10%カゼイン溶液(カゼイン5部、2
5%アンモニア水2.6部, 水で全量50部に希釈)5
0部を徐々に滴下した。追加の熱水(95℃)60部を
徐々に滴下し、O/W型のエマルションに反転させた。
その後130部の熱水を加えた後、内温を30℃まで急
冷する。得られた乳化物は固形分31%を含有してい
た。
【0024】実施例3 合成例3の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、
イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化
機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。
その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去し
て、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分37%を
含有していた。
【0025】実施例4 合成例4の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例2のポリマー乳化剤100部(有効成分20
部)、イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモ
ミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高
圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を
得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を
溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分3
5%を含有していた。
【0026】実施例5 合成例5の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、
イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化
機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。
その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去し
て、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分37%を
含有していた。
【0027】実施例6 合成例6の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、
イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化
機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。
その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去し
て、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分37%を
含有していた。
【0028】実施例7 合成例7の樹脂200部をトルエン200部に溶解し、
重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10部)、
イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモミキサ
ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化
機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を得た。
その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去し
て、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分37%を
含有していた。
【0029】実施例8 合成例8の樹脂100部を180℃において溶解し13
0℃まで冷却する。この溶融樹脂にエアロゾールA−1
03 8.8部(有効成分3部)を撹拌しながらゆっく
り加え、次いで10%カゼイン溶液(カゼイン4部、2
5%アンモニア水2.0部, 水で全量70部に希釈)70
部を徐々に滴下した。追加の熱水(95℃)40部を徐
々に滴下し、O/W型のエマルションに反転させた。そ
の後130部の熱水を加えた後、内温を30℃まで急冷
する。得られた乳化物は固形分31%を含有していた。
【0030】比較例1 比較合成例1の樹脂100部を180℃において溶解し
130℃まで冷却する。この溶融樹脂を撹拌しながら1
0%カゼイン溶液(カゼイン5部、10%NaOH1.
9部、水で全量50部に希釈)50部を徐々に滴下し
た。追加の熱水(95℃)60部を徐々に滴下し、O/
W型のエマルションに反転させた。その後130部の熱
水を加えた後、内温を30℃まで急冷する。得られた乳
化物は固形分31%を含有していた。
【0031】比較例2 比較合成例1の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10
部)、イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモ
ミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高
圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を
得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を
溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分3
7%を含有していた。
【0032】比較例3 比較合成例2の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、重合例1のポリマー乳化剤50部(有効成分10
部)、イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモ
ミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高
圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を
得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を
溜去して、水分散物を得た。
【0033】比較例4 比較合成例3の樹脂100部を150℃において溶融さ
せ、そして10重量部の25%ボラックス水溶液を撹拌
しながらゆっくりと加えた。7重量部のカゼイン及び2
25重量部の水をゆっくりとこの生成した油中の水乳化
液の中に、水中の油乳化液が生成するまで加えた。内温
を30℃以下に冷却し、水分散物を得た。
【0034】比較例5 比較合成例3の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、10%カゼイン水溶液(カゼイン4部、10%Na
OH1.5部、水で全量40部に希釈)40部、イオン
交換水340部を添加 し、40℃にてホモミキサーで
混合した。続いてこの分散物をピストン型高圧乳化機
( 200kg/cm2)に1回通して、分散物を得た。その
後減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を溜去して、水
分散物を得た。得られた乳化物は固形分35%を含有し
ていた。
【0035】比較例6 比較合成例4の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、重合例1のポリマー乳化 剤50部(有効成分10
部)、イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモ
ミキサ ーで混合した。続いてこの分散物をピストン型
高圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物
を得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水
を溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分
31%を含有していた。
【0036】比較例7 比較合成例5の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、重合例1のポリマー乳化 剤50部(有効成分10
部)、イオン交換水350部を添加し、40℃にてホモ
ミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高
圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を
得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を
溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分3
1%を含有していた。
【0037】比較例8 比較合成例6の樹脂200部をトルエン200部に溶解
し、ソフタノールめS−12 24部(有効成分6
部)、イオン交換水380部を添加し、40℃にてホモ
ミキサーで混合した。続いてこの分散物をピストン型高
圧乳化機(200kg/cm2)に1回通して、微細分散物を
得た。その後、減圧蒸溜によりトルエン及び若干の水を
溜去して、水分散物を得た。得られた乳化物は固形分3
5%を含有していた。
【0038】上記実施例1〜8および比較例1〜8のサ
イズ剤を表2に整理して示し、各サイズ剤の貯蔵安定性
を試験した。結果を表2に示す。
【表2】 また、抄造pH6.5、7.0および7.5におけるス
テキヒトサイズ度(秒)を測定した。結果を表3に示
す。
【表3】 更に、白水での泡立ち性を試験し、その結果を表4に示
す。
【表4】
【0039】サイズ性評価 試験方法 パルプ:L/NBKP(L/N 8/2) CSF 420ml 方法 :上記パルプの2.5%スラリーに、炭酸カルシウムを所定量
加え撹拌する。撹拌下でカチオン澱粉を加え、2分後サ
イズ剤を添加する。その30秒後に液体硫酸バンドを添加
する。その30秒後ポリアクリルアマイド系歩留剤を添加
する。その30秒後に常法に従い手抄き試験機を用いて手
抄紙(66〜70g/m2)を調整した。得られた手抄紙は、温
度20℃、湿度65%の高温恒湿室にて1日放置後サイズ試
験に供した。 pHの調整 pH6.5 炭酸カルシウム2%対ハ゜ルフ゜、液体硫
酸バンド2% pH7.0 炭酸カルシウム10%対ハ゜ルフ゜、液体硫酸バンド2% pH7.5 炭酸カルシウム10%対ハ゜ルフ゜、液体硫酸バンド1%
【0040】泡立ち性評価 試験方法 合成白水:イオン交換水900mlに炭酸カルシウム
0.5gを分散させ、液体硫酸アルミニウム(Al
4.2%含有)0.7gを加えてpHを7.3に調整す
る。この液にNa2SO4を加えて電気伝導度1000μ
S/cmに調整し、この液を合成白水として使用する。 方法 :上記合成白水にてサイズ剤を希釈し、サイズ剤
濃度0.05%(固形)試験溶液を調整し40℃にてテ
ストする。200mlメスシリンダーに100ml試験
溶液を入れ密栓し、10回強く上下に振り、静置し生じ
た泡の変化を観察する。
【0041】静置安定性試験 方法 :550ml用ガラス容器に各水性分散液500
gを入れ、温度25℃にて2ヶ月間保存して貯蔵安定性
テストを行なう。生成した凝集沈澱物を200メッシュ
金網にて濾別し、全樹脂に対する析出量を示す。
【0042】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係るサイズ剤は、下記の式(1)
【化1】(R1はロジン酸残基叉はマレオピマル酸残基
を示し、R2は2価アルコール残基を示し、R3はマレ
オピマル酸残基を示す。)で示されるジカルボン酸叉は
酸無水物基を有するロジン系物質のジエステルを主成分
とするので、中性抄造において優れたサイズ効果を示
す。また、本発明に係る乳化剤を併用することによっ
て、優れた貯蔵安定性とともに、泡立ちがなく、優れた
操業性が得られるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る製造方法の第1工程を構造式で
示す。
【図2】 本発明に係る製造方法で形成される反応生成
物中の代表的な化合物を構造式で示す。
【図3】 本発明に係る製造方法の第2工程を構造式で
示す。
【図4】 合成例4における反応生成物のGPCチャー
トを示す。
【図5】 比較合成例4における反応生成物のGPCチ
ャートを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜田 正男 兵庫県加古川市野口町水足671番地の4 ハリマ化成株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−25444(JP,A) 特開 昭62−250297(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)ロジン類とb)沸点210℃以下の2価
    アルコール類とc)α、β−不飽和カルボニル化合物類を
    a)のカルボキシル基当量に対するb)の水酸基当量の比率
    が0.2〜1.5となる仕込み割合とし、上記2価アル
    コールの沸点以下で反応させ、次いで225℃〜280
    ℃で反応させ、 【式1】 (R1はロジン酸残基叉はマレオピマル酸残基を示し、
    R2は2価アルコール残基を示し、R3はマレオピマル
    酸残基を示す。)上記式1で示されるジカルボン酸叉は
    酸無水物基を有するロジン系物質のジエステルを含む反
    応生成物を得、これを水に分散させることを特徴とする
    中性抄造用サイズ剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 得られた反応生成物が、分子量290〜
    315の成分 15〜40%、分子量390〜420の
    成分 10〜35%、分子量580〜660の成分 1
    〜25%、分子量670〜880の成分 20〜50%
    を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記反応生成物を水に分散させるにあた
    り、固形分重量で上記式2で示した特定の界面活性剤を
    1〜10重量%を使用し、固形分濃度20〜60重量%
    とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 更にカゼイン0.5〜10重量%を併用
    する請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記反応生成物を水に分散させるにあた
    り、該反応生成物80〜99重量部に対しスチレン−
    (メタ)アクリル酸系モノマーの共重合体部分鹸化また
    は完全鹸化物1〜20重量部を併用し、固形分濃度20
    〜60重量%とする請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記反応生成物を水に分散させるにあた
    り、該反応生成物60〜95重量部に対しカチオン性ビ
    ニルモノマーと芳香族ビニルモノマー及び/叉は(メ
    タ)アクリル酸エステルとの共重合体(乳化剤ポリマ
    ー)5〜95重量部を併用し、固形分濃度20〜60重
    量%とする請求項1記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記乳化剤ポリマーとして、カチオン性
    ビニルモノマー及び/叉は(メタ)アクリル酸エステル
    に対して、ロジン酸、α、β不飽和カルボニル化合物類
    付加ロジン酸又はロジンエステル類の少なくとも一種の
    0.1〜15モル%存在下に共重合させた物を使用する
    請求項6記載の製造方法。
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