JP2908775B2 - 製紙用中性サイズ剤及びそれを用いる紙のサイジング方法 - Google Patents

製紙用中性サイズ剤及びそれを用いる紙のサイジング方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙用中性サイズ
剤及びそれを用いる紙のサイジング方法に関し、特にp
H6〜9の中性抄紙領域において優れたサイズ効果を発
現する製紙用中性サイズ剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、製紙業界では紙の耐水化
(サイジング)に際して、ロジン又は強化ロジン(ロジ
ンのα,β−不飽和酸付加物)の水性分散液やアルカリ
金属石鹸溶液を硫酸アルミニウムと共に、必要に応じ
て、更に陽イオン性定着助剤ポリマーと共に用いるのを
常とした。
【0003】一方、近年の製紙技術では、紙の填料とし
てあるいは紙コーティング用顔料として、炭酸カルシウ
ムが一般に使用されている。填料として炭酸カルシウム
を使用した場合には、必然的に抄紙時のpHが6以上の
中性となり、又、コーティング用顔料として炭酸カルシ
ウムを使用した紙が損紙又は故紙として抄紙系に混入さ
れた場合にも、pH6以上の中性となるのが通例であ
る。そして、填料として炭酸カルシウムを使用する場合
には、抄紙ワイヤーの摩擦が少ないことから、重質炭酸
カルシウムよりもアルカリ性が高い軽質(沈降性)炭酸
カルシウムを選択されているのが最近の傾向である。
【0004】このような状況の下では、従来汎用されて
来たロジン又は強化ロジンの水性分散液やアルカリ金属
石鹸溶液が紙のサイジングに有効ではないため、これに
代わって無水アルケニルコハク酸(ASA)やアルキル
ケテンダイマー(AKD)等を有効成分とする中性サイ
ズ剤が用いられている。しかし、AKD系の中性サイズ
剤は、紙に滑り性を付与したり、紙のトナー接着性を低
下させる恐れがあり、又、ASA系及びAKD系の中性
サイズ剤を使用した場合の抄紙工程で発生する各種の汚
れの問題も完全には解決されていない。
【0005】pH6以上の中性の条件下で使用しても紙
の耐水化に有効であって、しかもASA系やAKD系の
中性サイズ剤のような不都合を伴わないサイズ剤として
は、強化ロジンを第3級アミノアルコールでエステル化
した変性ロジンの分散液からなるサイズ剤(特開昭60
−161472号公報)、ロジン又は強化ロジンを3〜
4価のアルコールと反応せしめた変性ロジンの分散液か
らなるサイズ剤(特公平3−79480号公報、特公平
6−4954号公報)、ロジン物質に炭化水素樹脂やア
ルケニルコハク酸類等の配合樹脂の分散液からなるサイ
ズ剤(特公昭57−5420号公報、特開平7−189
173号公報)等の提案がなされている。
【0006】しかし、これらの公知サイズ剤はpH6以
上の中性条件下において一応の効果を発揮するものの、
AKD系やASA系の中性サイズ剤と比べて所定のサイ
ズ度を得るにはサイズ剤の添加量を増やせねばならない
のでコストアップになるばかりか、抄紙工程中の発泡の
増大や各種の汚れが増加するという問題がある。そこで
製紙業界においてはpH6以上の中性域で優れたサイズ
効果を発揮するロジン系エマルジョンサイズ剤が強く求
められている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
の中性抄紙用サイズ剤を用いる場合のような欠点がな
く、pH6以上の中性域において優れたサイズ効果を発
現し得る新規中性抄紙用エマルジョンサイズ剤及び中性
抄紙サイジング方法を提供することを技術的課題として
鋭意研究の結果、次の通りの本発明を完成したものであ
る。
【0008】
【課題を解決する為の手段】即ち、本発明は、アルケニ
ル置換コハク酸類(a)、ロジン類(b)及び多価アル
コール(c)とを加熱反応させて得られるエステル化反
応生成物(A)と強化ロジン(B)との混合樹脂を乳化
分散剤(C)の存在下に水に分散せしめてなる製紙用中
性サイズ剤並びに該製紙用中性サイズ剤をpH6〜9の
中性領域において使用する紙のサイジング方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明をより詳細に説明す
る。
【0010】本発明におけるエステル化反応生成物
(A)に使用するアルケニル置換コハク酸類(a)とし
ては、炭素数6〜36の内部オレフィン、エチレンオリ
ゴマー、プロピレンオリゴマー及びブチレンオリゴマー
等、あるいは、これらの混合物と無水マレイン酸及び/
又はマレイン酸とを付加反応せしめることによって得ら
れる。特に好ましくは炭素数12〜16のプロピレンテ
トラマー及び/又はプロピレンペンタマーと無水マレイ
ン酸との付加反応生成物が挙げられる。
【0011】アルケニル置換コハク酸を製造するには、
例えば上記オレフィン類に無水マレイン酸及び/又はマ
レイン酸を加えオートクレープ反応器で150〜250
℃で10〜24時間反応して得られる。
【0012】本発明におけるエステル化反応生成物
(A)に使用するロジン類(b)としては、ガムロジ
ン、トールロジン、ウッドロジン、水添ロジン、重合ロ
ジン、(アルキル)フェノール・ホルマリン樹脂変性ロ
ジン、キシレン樹脂変性ロジン、アルデヒド変性ロジ
ン、スチレン変性ロジン等の各種ロジン類が挙げられ
る。
【0013】なお、ロジンにα、β−不飽和カルボン酸
を付加反応させたものも使用できるが、本発明のより良
好な効果を得るにはα、β−不飽和カルボン酸付加物を
含まないことが好ましい。
【0014】エステル化反応生成物(A)の製造法は、
例えばアルケニル置換コハク酸(a)とロジン類(b)
及び多価アルコール(c)を200〜280℃で10〜
24時間加熱反応して得られる。
【0015】本発明におけるエステル化反応生成物
(A)に使用する多価アルコール(c)としては、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、ブタジオー
ル、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、グリセリ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトール、ソルビトール等を挙げることが
でき、これらの単独、あるいは二種以上を併用してもよ
い。
【0016】エステル化反応生成物(A)は、アルケニ
ル置換コハク酸類(a)とロジン類(b)との配合割合
が(a):(b)=1:99〜20:80重量部、より
好ましくは、(a):(b)=3:97〜10:90重
量部の割合であり、該(a)と(b)成分のカルボキシ
ル基当量に対する多価アルコール(c)の水酸基当量の
比率が0.2〜1.5、より好ましく、は0.7〜1.
0となる仕込み割合で加熱反応して得られる。
【0017】本発明における強化ロジン(B)として
は、前記ロジン類に、α,β−不飽和カルボン酸を付加
反応させたものを言う。ここで用いられるα,β−不飽
和カルボン酸の代表的なものには、フマル酸、マレイン
酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水
シトラコン等の不飽和二塩基酸、アクリル酸、メタクリ
ル酸等の不飽和一塩基酸などが挙げられ、これらは単
独、又は二種以上を併用して用いられる。又、付加させ
るα,β−不飽和カルボン酸はロジンあるいはロジン変
性物に対して重量で5〜20%、好ましくは10〜15
%である。
【0018】強化ロジン(B)の製造は、従来公知の各
種方法により行うことができる。例えば、前記ロジン類
にα,β−不飽和カルボン酸を180〜250℃で3〜
5時間加熱反応して得られる。
【0019】本発明におけるエステル化反応生成物
(A)と強化ロジン(B)との配合割合としては、
(A):(B)=10:90〜80:20重量部であ
り、より好ましくは、(A):(B)=30:70〜6
0:40重量部である。
【0020】なお、本発明の効果を損なわない範囲でエ
ステル化反応生成物(A)と強化ロジン(B)以外に、
以上の脂肪族系、芳香族系の残留オレフィン類を重
合した石油樹脂等を用いてもよい。
【0021】本発明における乳化分散剤としては、各種
低分子界面活性剤、高分子系の乳化分散剤、及びカゼイ
ン、ポリビニルアルコール、変性澱粉などの保護コロイ
ドが使用でき、これらの単独あるいは二種以上組合せて
使用してもよい。各種低分子界面活性剤としては、強化
ロジンのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸
エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエス
テル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
スルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンモ
ノ及びジスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸モノ
エステル塩などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ及びジスチ
リルフェニルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エ
ステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレングリコール等の非イオン性界面
活性剤、更にはテトラアルキルアンモニウムクロライ
ド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、ア
ルキルアミン、モノ及びポリオキシエチレンアルキルア
ミン等のカチオン性界面活性剤を例示することができ
る。
【0022】また、高分子系乳化分散剤としは、疎水
基、非イオン性基/又はイオン性基を持つ合成高分子あ
るいは一般の天然高分子系乳化分散剤が使用でき、一例
を挙げればアニオン性あるいはカチオン性のスチレン−
(メタ)アクリル酸系共重合体の部分あるいは完全中和
物、アニオン性あるいはカチオン性の(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体、あるいは(メタ)アクリルアミ
ド系共重合体、カチオン性のポリアミノポリアミド−エ
ピクロルヒドリン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−エピ
クロルヒドリン樹脂等を例示することができる。なお、
これらの高分子系乳化分散剤は保護コロイドとして単独
あるいは二種以上を併用してもよい。
【0023】本発明に係る製紙用中性サイズ剤は、前記
(A)成分と(B)成分との混合樹脂と前記(C)成分
と水からなり、該(A)成分と(B)成分との混合樹脂
100重量部に対して(C)成分が固形分で3〜20重
量部、より好ましくは、7〜10重量部である。
【0024】本発明に係る製紙用中性サイズ剤の製造法
は、特に限定されるものではないが、例えば特公昭54
−36242号公報に記載されている方法に準じて、前
記(A)と前記(B)成分とを溶剤(例えばベンゼン、
トルエン、塩化メチレン等)に溶かし、前記(C)成分
を添加した後、ホモジナイザーを通して水中油型エマル
ジョンを製造する方法(溶剤法)、特開昭54−772
09号公報に記載されている方法に準じて溶融した前記
(A)成分に前記(B)成分を混合し、この混合物に前
記(C)成分を添加して、油中水型エマルジョンを形成
し、反転水を添加し水中油型エマルジョンに相転移させ
る方法(転相法)、特公昭53−32380号公報に記
載されている方法に準じて前記(A)と前記(B)成分
とを溶融混合し、更に前記(C)成分を混合した後、高
温高圧下(例えば130〜200℃、150〜1000
kg/cm)でホモジナイザーを通して水中油型エマ
ルジョンを製造する方法(メカニカル法)等が用いられ
る。
【0025】本発明に係る製紙用中性サイズ剤は、pH
6以上の中性条件で使用して優れたサイズ効果を発揮す
る。特に、従来の中性抄紙用ロジンサイズ剤では充分な
サイズ効果を期待できない軽質炭酸カルシウム高充填紙
にも本発明のサイズ剤は満足できるサイズ効果を付与す
る製紙用中性サイズ剤を提供するものである。
【0026】本発明に係る紙のサイジング方法は、pH
6〜9の中性抄紙領域における種々の紙や板紙の製造工
程において、例えばウエット・エンド部に本発明に係る
製紙用中性サイズ剤を添加することにより実施され、パ
ルプの水性分散液にパルプの乾燥重量に対して本発明に
係る製紙用中性サイズ剤を0.01〜5固形分重量%、
好ましくは0.05〜2固形分重量%添加する。
【0027】なお、上記抄紙工程においては、常法に従
い、定着助剤及び/又は硫酸アルミニウム等のアルミニ
ウム塩を用いる。
【0028】本発明に係る紙のサイジング方法において
使用し得る填料は、特に制限されず、従来公知のいずれ
をも用いることができ、更には従来の酸性抄紙方法では
使用し得なかった炭酸カルシウムも好適に使用できる
為、成紙価格の低減に大きく寄与し得る利点がある。定
着剤としては、アルキルケテンダイマー、アルケニル無
水コハク酸等の中性サイズ剤に用いられる公知のものを
そのまま使用でき、例えばカチオン化澱粉、ポリアミド
ポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物、ジシアン
ジアミド樹脂のエピクロルヒドリン変性物、スチレン−
ジメチルアミノエチルメタアクリレート共重合物のエピ
クロルヒドリン変性物、ポリアクリルアミドのマンニッ
ヒ変性物、アクリルアミド−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート共重合体、ポリアクリルアミドのホフマン分
解物、ジアルキルジアリルアンモニウムクロライドと二
酸化イオウとの共重合体等が挙げられる。又、酸性抄紙
方法で用いられる硫酸バンドも抄紙pHを6以下に低下
させない程度で少量であれば使用しても差し支えない。
【0029】なお、本発明に係る製紙用中性サイズ剤は
単独で優れたサイズ性能を発揮し得るが、公知の中性サ
イズ剤、例えばスチレン−ジメチルアミノエチルメタク
リレート共重合体のエピクロルヒドリン変性物、アルケ
ニル無水コハク酸、アルキルケテンダイマー、脂肪酸−
ポリアルキルポリアミン縮合物のエピクロルヒドリン変
性物等を併用することも可能である。
【0030】本発明に係る紙のサイジング方法におい
て、抄紙時のpHは6〜9の範囲内で適宜決定され、該
範囲内であれば優れたサイズ効果をいかんなく発揮し得
る。この範囲外では、本発明の所期の効果が充分でな
い。
【0031】本発明に係る製紙用中性サイズ剤は、パル
プに対する定着性がよいので硫酸バンドの使用量を低減
できる。更に、高温抄紙系においても、用水の硬度が高
くなっても、故紙等の使用によるクローズド化で爽雑物
質が増加しても、良好なサイズ効果を発現するが、これ
はカルボキシル基を2個有するアルケニル置換コハク酸
類(a)、ロジン(b)及び多価アルコール(c)との
エステル化反応生成物(A)が一部ポリエステル化した
構造を分子内に有していると推定でき、この為にロジン
類と多価アルコールとのエステル化反応生成物とアルケ
ニル置換コハク酸類との混合樹脂よりも分子量が大き
く、結果的にサイズ効果を発現するのに最適の大きさに
あることが要因と考えられる。
【0032】本発明に係る製紙用中性サイズ剤は、上質
紙、中質紙、コート紙等の印刷用紙、PPC用紙、フォ
ーム用紙、感熱紙、感圧紙等の情報用紙、包装用紙、段
ボール原紙、白板紙、石膏ボード用紙等の板紙に適用で
きる。更に、セルロース繊維の抄造のみならず、セルロ
ース繊維と鉱物繊維、例えば石綿、岩綿等や合成繊維、
例えばポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン等と
の混合物を抄造し、紙、板紙繊維板等を製造する際にも
有利に適応できる。
【0033】なお、本発明の製紙用中性サイズ剤は、表
面サイズ剤としても使用することができ、この場合予め
抄造された湿紙に噴霧、浸漬、塗布等の慣用方法で適応
し得る。
【0034】
【実施例】以下、製造例、実施例、比較例を挙げて、本
発明を具体的に説明するが、本発明はこれら各例に限定
されるものではない。尚、各例中、部及び%は、特記し
ない限り、全て重量基準である。
【0035】・アルケニル置換コハク酸類(a)の製
造: [製造例a−1]オートクレープ反応器にハイマスポリ
マー(商品名:日本石油(株)製:プロピレンオリゴマ
ー(炭素数15))144部、無水マレイン酸68部を
仕込み、窒素ふんいき下で、200℃で24時間反応
後、減圧蒸留を行い、酸価230の粘着性のアルケニル
置換コハク酸無水物を得た。
【0036】・エステル化反応生成物(A)の製造: [製造例A−1]攪拌機、温度計、溜出管、及び窒素導
入管を付した反応器に酸価170のガムロジン800
部、製造例(a−1)で得られたアルケニル置換コハク
酸無水物13部、グリセリン83部を仕込み、窒素気流
下に250℃まで加熱し同温で24時間反応させ、酸価
10のエステル化反応生成物を得た。
【0037】[製造例A−2]製造例(A−1)におい
て、酸価170のガムロジン800部、製造例(a−
1)で得られたアルケニル置換コハク酸無水物26部、
グリセリン86部とした以外は製造例[A−1]と同様
にして、酸価11のエステル化反応生成物を得た。
【0038】[製造例A−3]製造例[A−1]におい
て、酸化170のガムロジン800部、製造例[a−
1]で得られたアルケニル置換コハク酸無水物103
部、グリセリン106部とした以外は、製造例(A−
1)と同様にして、酸価10のエステル化反応生成物を
得た。
【0039】[製造例A−4]製造例[A−2]におい
て、アルケニル置換コハク酸無水物の代わりにMSP
(三菱石油(株):炭素数12のプロピレンオリゴマー
と無水マレイン酸の付加反応物)を用いた以外は、製造
例[A−2]と同様にして、酸価12のエステル化反応
生成物を得た。
【0040】[製造例A−5]製造例[A−2]におい
て、アルケニル置換コハク酸無水物の代わりにコロパー
ルZ−100S(商品名:星光化学工業(株):炭素数
16の内部オレフィンに無水マレイン酸の付加反応物)
を用いた以外は、製造例[A−2]と同様にして、酸価
10のエステル化反応生成物を得た。
【0041】[製造例A−6]製造例[A−2]におい
て、グリセリンの代わりにペンタエリスリトール65部
を用いた以外は、製造例[A−2]と同様に反応して、
酸価11のエステル化反応生成物を得た。
【0042】・強化ロジン類(B)の製造: [製造例B−1]約200℃で溶融状態にあるガムロジ
ン800部に無水マレイン酸136部を除々に加え、2
00℃で5時間付加反応させ、酸価230の強化ロジン
を得た。
【0043】[製造例B−2]製造例[B−1]におい
て、無水マレイン酸96部を用いた以外は、製造例[B
−1]と同様にして、酸価215の強化ロジンを得た。 ・乳化分散剤(C)の製造:
【0044】[製造例C−1]スチレン40部,メタク
リル酸40部、n−ブチルメタクリレート20部、イソ
プロピルアルコール6部、ドデシルメルカプタン4部、
コロパールE−5(商品名:星光化学工業(株):ロジ
ンエマルジョンサイズ剤)4部、水450部を混合攪拌
し、過硫酸アンモニウム6部、亜硫酸水素ナトリウム6
部を加え、80℃で4時間加熱反応後、24%水酸化ナ
トリウム80部を加えた後、室温まで冷却し、固形分2
0%のアニオン性ポリマーの乳化分散剤を得た。
【0045】・比較エステル化反応生成物の製造: [比較製造例E−1]製造例[A−1]において、アル
ケニル置換コハク酸無水物[製造例a−1]を使用しな
かった以外は、製造例(A−1)と同様にして、酸価9
のエステル化反応生成物を得た。
【0046】[比較製造例E−2]製造例(A−3)に
おいて、アルケニル置換コハク酸無水物(製造例a−
1)を使用しなかった以外は、製造例(A−3)と同様
にして、酸価8のエステル化反応生成物を得た。
【0047】[比較製造例E−3]製造例(A−1)に
おいて、アルケニル置換コハク酸無水物(製造例a−
1)を使用せず、且つグリセリンの代りにペンタエリス
リトール62部を用いた以外は、製造例(A−1)と同
様にして、酸価9のエステル化反応生成物を得た。
【0048】・製紙用中性サイズ剤の製造: [実施例1]製造例(A−1)のエステル化反応生成物
30部と製造例(B−2)の強化ロジン70部の混合樹
脂を約150℃に加熱溶解し、激しく攪拌しながら、製
造例C−1の乳化分散剤を固形分で9部を添加混合して
油中水型のエマルジョンとし、これに更に熱水を95部
を素早く添加して安定な水中油型エマルジョンとした
後、室温まで冷却して製紙用中性サイズ剤を得た。その
性状を表1に示す。
【0049】[実施例2〜6]実施例1におけるエステ
ル化反応生成物と強化ロジン類及び乳化分散剤の配合割
合と種類を、表1の通りに変えた以外は、実施例1と同
様にして、実施例2〜7の製紙用中性サイズ剤を得た。
その性状を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】[比較例1〜6]実施例1におけるエステ
ル化反応生成物とロジン類及び乳化分散剤の配合割合と
種類を、表1の通りに変えた以外は、実施例1と同様に
して、比較例1〜6の製紙用サイズ剤を得た。その性状
をを表1に示す。
【0052】[製紙用サイズ剤の性能評価]前記実施例
1〜7及び比較例1〜6に示すサイズ剤についてサイズ
効果の評価を行った。
【0053】・方法:2.5%パルプスラリー(L−B
KP、CSF500ml)にカチオン澱粉(パールガム
HMS:商品名:星光化学工業(株))を1%、硫酸ア
ルミニウム「Al (SO13〜14HO」
を1.0%、更にサイズ剤を0.3%、軽質炭酸カルシ
ウムを10%、次いでベントナイト0.04%(添加率
はいずれも対絶乾パルプ、固形分重量%)添加して、常
法の従い、TAPPIスタンダードシートマシンにより
抄紙した。湿紙は90℃のロータリードライヤーで1分
間乾燥して、坪量60g/mの成紙とした。20℃、
湿度65%において24時間調湿後、各成紙のサイズ度
をJISのステキヒト法により測定した。評価結果を表
2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明は、実施例に示した通り、pH6
〜9の中性領域下で従来の製紙用中性サイズ剤に比較し
て、優れたサイズ効果を発揮するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−21090(JP,A) 特開 平8−337997(JP,A) 特開 平1−203031(JP,A) 特開 平7−189174(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルケニル置換コハク酸類(a)、ロジン
    類(b)及び多価アルコール(c)を加熱反応させて得
    られるエステル化反応生成物(A)と強化ロジン(B)
    との混合樹脂を乳化分散剤(C)の存在下に水に分散せ
    しめたことを特徴とする製紙用中性サイズ剤。
  2. 【請求項2】アルケニル置換コハク酸類が、炭素数6〜
    36のオレフィンオリゴマーと無水マレイン酸及び/又
    はマレイン酸との付加反応生成物である請求項1記載の
    製紙用中性サイズ剤。
  3. 【請求項3】エステル化反応生成物(A)が、アルケニ
    ル置換コハク酸類(a)とロジン類(b)との配合割合
    (a):(b)=1:99〜20:80重量部の混合物
    に多価アルコールをエステル化反応させて得られる反応
    生成物である請求項1又は2に記載の製紙用中性サイズ
    剤。
  4. 【請求項4】エステル化反応生成物(A)が、アルケニ
    ル置換コハク酸(a)とロジン類(b)のカルボキシル
    基当量に対する多価アルコール(c)の水酸基当量の比
    率が0.2〜1.5となる仕込み割合で加熱反応して得
    られる反応生成物である請求項1、2及び3のいずれか
    に記載の製紙用中性サイズ剤。
  5. 【請求項5】エステル化反応生成物(A)と強化ロジン
    (B)との配合割合が(A):(B)=10:90〜8
    0:20重量部である請求項1,2,3及び4のいずれ
    かに記載の製紙用中性サイズ剤。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載された製紙
    用中性サイズ剤をpH6〜9の中性領域において使用す
    ることを特徴とする紙のサイジング方法。
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