JP2004044020A - ロジンエマルジョンサイズ剤 - Google Patents

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黒木 大輔
Shigeki Nakada
中田 成樹
Toshimi Hirooka
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Abstract

【課題】化学的安定性やサイズ効果に優れ、抄紙pHやドライヤーの乾燥温度が変動してもサイズ効果の変化が少ないサイズ剤を得る。
【解決手段】アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物、ロジン、および多価アルコールを加熱反応させて得られたロジンエステル(A)、およびロジン100重量部に対し、α、β−不飽和カルボン酸を2〜10部付加させて得られた強化ロジン(B)を特定の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とするロジンエマルジョンサイズ剤。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物、ロジン、および多価アルコールを加熱反応させて得られたロジンエステル(A)、およびロジン100重量部に対し、α、β−不飽和カルボン酸を2〜10部付加させて得られた強化ロジン(B)を特定の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とするロジンエマルジョンサイズ剤に関し、化学的安定性やサイズ効果に優れ、抄紙pHやドライヤーの乾燥温度が変動してもサイズ効果の変化が少ないロジンエマルジョンサイズ剤を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
製紙業界では、生産性向上のため抄紙機はより高速化されるため、熱容量の低いドライヤーで乾燥した場合、乾燥温度が十分上がらない傾向にある。このような条件下において、洋紙に比べて比較的坪量の大きい板紙は、この傾向はより顕著に表れる。その結果、乾燥条件によってサイズ効果が変動しやすい従来のロジン系サイズ剤では、紙に十分なサイズ度を付与できない。また、近年においては炭酸カルシウムを含有する再生紙や損紙をパルプ原料の一部として使用する傾向にあるため、パルプ原料中の炭酸カルシウム分が年々増大している。一方、従来のロジン系サイズ剤は、抄紙pHが低い場合に良好なサイズ効果を示すので、炭酸カルシウムが多く含まれるパルプ原料を使用した場合は、抄紙pHを下げる必要があり、そのための硫酸等pH調製用薬品を多用しなければならずコストアップの原因となり、また、パルプ原料に含まれる炭酸カルシウム量が一定でない場合は、抄紙pHが安定せず、サイズ効果が不安定となる。さらに、従来のロジン系サイズ剤では炭酸カルシウムや硫酸根に対する化学的安定性が悪く、これらが反応して石膏スケールの発生の原因となる。
【0003】
従来抄紙の際に広く使用されてきたサイズ剤として、ケン化型ロジン系サイズ剤、および強化ロジンを分散剤で乳化分散したサイズ剤などがあるが、これらのロジン系サイズ剤は、乾燥温度の低い条件でのサイズ効果に比較的優れるが、パルプ原料に含まれる炭酸カルシウムや、その他無機物、顔料や樹脂ピッチ類等の夾雑物に対する安定性が悪く、また、不安定な抄紙pHではサイズ効果が安定しない。その他、乾燥温度の低い条件でのサイズ効果に関しては、炭素数15以上の脂肪酸類と、ロジン系物質と、分散剤を含有するサイズ剤(特開平7−119076号公報)、およびアルケニル置換コハク酸誘導体と、ロジン系物質と、分散剤を含有するサイズ剤(特開平7−189173号公報、特開平7−189174号公報、特開平7−243191号公報)なども提案されているが、これらのロジン系サイズ剤を構成する脂肪酸やアルケニル置換コハク酸に由来する発泡性の問題があり、また、サイズ効果も十分とはいえない。
【0004】
パルプ原料中の夾雑物に対する安定性に優れ、適応抄紙pH域も広いサイズ剤としては、ロジンを第3級アミノアルコールでエステル化した変性ロジンの分散液からなるサイズ剤(特開昭60−161472号公報)、ロジンまたは強化ロジンを3もしくは4価のアルコールと反応せしめた変性ロジンの分散液からなるサイズ剤(特公平3−79480号公報、特公平6−4954号公報)溶解ポリオキシエチレントリスチリルフェニルエーテルのスルホコハク酸半エステル塩で乳化分散したサイズ剤(特公平7−88470号公報)、強化ロジンとフェノール樹脂の混合物またはロジン系物質と芳香族石油樹脂の混合物をスチレン−アクリル系共重合塩で乳化分散したサイズ剤(特開平3−199488号公報、特開平6−330496号公報)、に代表されるようなロジン系サイズ剤が提案されているが、これらのロジン系サイズ剤は、乾燥温度が低い条件ではサイズ効果に劣るという欠点がある。
【0005】
さらに、幅広い抄紙pH域において乾燥温度の低い条件で良好なサイズ効果を有するサイズ剤としてポリエステル反応物を含有するサイズ剤(特開2000−119990号公報)が提案されているが、低温乾燥条件でのサイズ効果に改良の余地が残る。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
そこで本発明は、前述の各問題を同時に解決するために、化学的安定性やサイズ効果に優れ、乾燥温度が低く、不安定な抄紙pH条件でも、安定したサイズ効果を有するロジンエマルジョンサイズ剤を提供することを技術的課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成よりなるものである。
【0008】
本発明の第一は、アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物、ロジン、および多価アルコールを加熱反応させて得られたロジンエステル(A)、およびロジン100重量部に対し、α、β−不飽和カルボン酸を2〜10重量部付加させて得られた強化ロジン(B)を、重量比が(A):(B)=1:99〜30:70の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とするロジンエマルジョンサイズ剤に関する(発明1)。
本発明の第二は、混合樹脂(C)が、70〜90℃の軟化点をもつことを特徴とする発明1のロジンエマルジョンサイズ剤に関する(発明2)。
【0009】
さらに本発明を以下に詳しく説明する。
【0010】
本発明のロジンエマルジョンサイズ剤は、ロジンエステル(A)と強化ロジン(B)とを特定の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とする。
【0011】
ロジンエステル(A)は、アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物、ロジン、および多価アルコールを、例えば、200〜280℃、10〜24時間加熱するといった方法により得ることができる。ロジンエステル(A)におけるアルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物と、ロジンとの配合割合は重量比でアルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物:ロジン=1:99〜20:80、好ましくは3:97〜10:90である。ロジンエステル(A)を構成する多価アルコールは、アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物と、ロジンとの総カルボキシル基当量に対して、多価アルコールの水酸基当量の比率が0.2〜1.5、好ましくは0.7〜1.0となるような量を使用する。
【0012】
このロジンエステル(A)は、アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物と多価アルコールとの反応生成物であるポリエステルの水酸基残基に、ロジンのカルボン酸が反応する事によって生成されるため、通常のロジン系サイズ剤に使用されるロジンエステルより分子量が大きくなり、このため、炭酸カルシウムなどの無機物や、顔料、樹脂ピッチ類などのパルプ原料に含まれる夾雑物に対して化学的に安定であり、また、不安定な抄紙pH条件においても安定したサイズ効果を発揮すると本発明者らは考えている。
【0013】
ロジンエステル(A)に使用できるアルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物は、炭素数6〜36、直鎖または分岐状の内部オレフィンまたはα−オレフィン、例えば、エチレンオリゴマー、プロピレンオリゴマー、ブチレンオリゴマーなどの、オレフィンの単体あるいは混合物と、マレイン酸または無水マレイン酸とを付加反応することによって得られる。これらのアルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物のうち、炭素数12〜18のプロピレンオリゴマーと無水マレイン酸との付加反応生成物が好ましく用いられる。アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物の製造方法は特に限定されないが、例えば、前記オレフィンにマレイン酸または無水マレイン酸を加え、オートクレープ反応器で150〜250℃、10〜24時間反応して得ることができる。
【0014】
ロジンエステル(A)に使用できるロジンとしては、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、水添ロジン、重合ロジン、(アルキル)フェノール・ホルマリン樹脂変性ロジン、キシレン樹脂変性ロジン、アルデヒド変性ロジン、スチレン変性ロジンなどが挙げられ、これらを単独で、あるいは二種類以上を併用して用いることができる。
【0015】
ロジンエステル(A)に使用できる多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどを挙げることができ、これらを単独で、あるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0016】
強化ロジン(B)は、ロジンにα、β−不飽和カルボン酸を付加反応させて得ることができ、例えば、ロジンとα、β−不飽和カルボン酸とを180〜250℃で1〜5時間加熱付加反応して得られる。付加させるα、β−不飽和カルボン酸はロジン100重量部に対して、2〜10重量部、好ましくは4〜8重量部使用する。α、β−不飽和カルボン酸の付加量がロジン100重量部に対して2重量部に満たない場合は、混合樹脂の乳化に要する乳化剤量が多くなり、抄紙系内における発泡の原因となる。α、β−不飽和カルボン酸付加量が10重量部以上の場合は樹脂酸価が高くなるため、パルプ原料に含まれる夾雑物や、アルカリ成分、および硬度成分に対する安定性に劣る。
【0017】
この強化ロジン(B)は、乾燥温度の低い条件でも優れたサイズ効果を示すので、混合樹脂(C)のうち、強化ロジン(B)の配合割合を70重量%以上とすることによって乾燥温度が低くてもサイズ効果が高いロジンエマルジョンサイズ剤を得ることができる。
【0018】
強化ロジン(B)に使用できるロジンとしては、前述のロジンエステル(A)に使用できるロジンから選択できる。
【0019】
強化ロジン(B)に使用できるα、β−不飽和カルボン酸としては、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸などの不飽和二塩基酸;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和一塩基酸;などを挙げることができ、これらを単独または二種以上を併用して用いることができる。
【0020】
本発明のロジンエマルジョンサイズ剤は、ロジンエステル(A)と強化ロジン(B)とを、重量比で(A):(B)=1:99〜30:70、好ましくは(A):(B)=5:95〜25:75の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とする。強化ロジン(B)の割合が70重量%に満たない場合は、乾燥温度が低い条件でのサイズ効果が十分でなく、ロジンエステル(A)が1重量%に満たない場合は、不安定な抄紙pH条件でサイズ効果が安定せず、また、パルプ原料に含まれる夾雑物や、アルカリ成分、および硬度成分に対する化学的安定性に劣る。
【0021】
本発明のエマルジョンサイズ剤は、前述の混合樹脂(C)を乳化分散剤によって水中に安定して分散させて得られる。
【0022】
乳化分散剤としては、各種低分子界面活性剤、高分子系乳化分散剤やカゼイン、ポリビニルアルコール、変性澱粉などの保護コロイドを使用することができ、これらを単独で、あるいは二種以上組合せて使用することができる。
【0023】
各種低分子界面活性剤としては、例えば、強化ロジンのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチレンモノおよびジスチリルフェニルエーテルスルホコハク酸モノエステル塩などのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノおよびジスチリルフェニルエーテル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレングリコールなどの非イオン性界面活性剤;テトラアルキルアンモニウムクロライド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルアミン、モノおよびポリオキシエチレンアルキルアミンなどのカチオン性界面活性剤;を例示することができ、これらを単独で、あるいは二種類以上を併用して用いることができる。
【0024】
高分子系乳化分散剤は、疎水基、非イオン性基、イオン性基といった官能基をもつ合成高分子や、一般の天然高分子から構成される乳化分散剤を使用することができ、例えば、アニオン性またはカチオン性のスチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の部分あるいは完全中和物、アニオン性またはカチオン性の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体あるいは(メタ)アクリルアミド系共重合体、カチオン性のポリアミノポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂あるいはポリ(ジアリルアミン)−エピクロルヒドリン樹脂、およびカゼイン、レシチン、ポリビニルアルコール、各種変性澱粉などを例示することができる。これらの高分子系乳化分散剤は保護コロイドとしてこれらを単独で、あるいは二種以上を併用して使用することができる。
【0025】
本発明に係わるロジンエマルジョンサイズ剤は、混合樹脂(C)100重量部に対し、乳化分散剤を固形分で1〜20重量部、好ましくは5〜10重量部使用し、水中に安定に乳化分散させる。乳化分散の方法は、特に限定されるものではないが、例えば特公昭54−36242号公報に記載されている方法に準じて、混合樹脂(C)を、溶剤(例えばベンゼン、トルエン、塩化メチレンなど)で溶解し、前記の乳化分散剤を添加した後、ホモジナイザーを通して水中油型エマルジョンを製造する方法(溶剤法)、特開昭54−77209号公報に記載されている方法に準じて、混合樹脂(C)を溶融し、この溶融物に乳化分散剤を添加して油中水型エマルジョンを形成し、反転水を添加して水中油型エマルジョンに相転移させる方法(転相法)、特公昭53−32380号公報に記載されている方法に準じて、混合樹脂(C)を溶融し、この溶融物に乳化分散剤を添加した後、高温高圧下でホモジナイザーを通して水中油型エマルジョンを製造する方法(メカニカル法)が用いられる。
【0026】
本発明に係わるロジンエマルジョンサイズ剤は、pH4.0〜8.0の広い抄紙pHにおいて、ウエット・エンド部でパルプスラリーに、パルプの乾燥重量に対し固形分で0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜2重量%を添加して実施する。
【0027】
使用できるパルプ原料は、特に限定されず、クラフトパルプあるいはサルファイトパルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、機械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの晒あるいは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙、あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用することができる。
【0028】
本発明のロジンエマルジョンサイズ剤を使用する際に、一般に抄紙に使用される各種添加剤を使用することは一向に差し支えなく、サイズ効果の面からは、定着剤を併用するのが好ましい場合がある。
【0029】
定着剤としては、公知のものがそのまま使用でき、例えば、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミドのマンニッヒ変性物、ポリアクリルアミドのホフマン変性物、カチオン性モノマーおよび/またはアニオン性モノマーとアクリルアミドとを共重合して得られるアニオン性、カチオン性および両イオン性共重合体、ポリアミドポリアミン樹脂のエピクロルヒドリン変性物などを挙げることができる。
【0030】
本発明に係わるロジンエマルジョンサイズ剤を使用した板紙の製造方法においては、パルプ原料中の炭酸カルシウムなど、アルカリ成分の変動による抄紙pHの変動に対して安定なサイズ効果が得られる。また、乾燥温度が比較的低くてもサイズ効果が得られることから、抄紙機におけるドライヤー蒸気流量の低減あるいは抄速の向上が可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態は次の通りである。
【0032】
【実施例】
以下に具体例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらの各例に限定されるものではない。なお、各例中、部および%は、特記しない限り、全て重量基準である。
【0033】
・アルケニル置換コハク酸無水物(ASA)の製造方法:
【0034】
[製造例1]
オートクレーブ反応器にハイマスポリマー(商品名:日石三菱(株)製:プロピレンオリゴマー:炭素数15)144部、無水マレイン酸68部を仕込み、窒素雰囲気下で、200℃で24時間反応後、減圧蒸留を行い、酸価230のアルケニル置換コハク酸無水物(以下、「ASA」とする)を得た。
【0035】
・乳化分散剤の製造方法:
【0036】
[製造例2]
攪拌機、温度計、窒素導入管、冷却器を付した反応容器にスチレン55部、2−エチルヘキシルアクリレート15部、アクリル酸15部、メタクリル酸15部、イソプロピルアルコール10部、軟水320部にポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー(商品名:エパンU−103 第一工業製薬(株)製)5部を溶解した溶液にチオグリコール酸2−エチルヘキシル3部を混合攪拌し、過硫酸アンモニウム3部、亜硫酸水素ナトリウム3部を加え、70〜80℃で5時間反応後、24%水酸化ナトリウム20部を加えた後、濃度25%になるように水を追加し、アニオン性共重合体の乳化分散剤(以下、「分散剤」とする)を得た。
【0037】
・ロジンエステル(A)の製造方法:
【0038】
[製造例3]
攪拌機、温度計、溜出管、および窒素導入管を付した反応器に酸価170のガムロジン800部、グリセリン76部を仕込み、窒素気流下に250℃まで加熱し同温度で24時間反応させ、酸価10のロジンエステル(A1)を得た。
【0039】
[製造例4]
酸価170のガムロジン800部、ASA30部、グリセリン95部とした以外は、製造例3と同様にして、酸価11のロジンエステル(A2)を得た。
【0040】
[製造例5]
酸価170のガムロジン800部、ASA120部、グリセリン115部とした以外は、製造例3と同様にして、酸価10のロジンエステル(A3)を得た。
【0041】
[製造例6]
酸価170のガムロジン800部、ASA200部、グリセリン140部とした以外は、製造例3と同様にして、酸価12のロジンエステル(A4)を得た。
【0042】
・強化ロジン(B)の製造方法:
【0043】
[製造例7]
攪拌機、温度計、溜出管、および窒素導入管を付した反応容器内で、約200℃で溶融状態にあるガムロジン800部にフマル酸40部を徐々に加え、窒素気流下に200℃で5時間付加反応させ、酸価189の強化ロジン(B1)を得た。
【0044】
[製造例8]
フマル酸56部を用いた以外は、製造例7と同様にして、酸価196の強化ロジン(B2)を得た。
【0045】
[製造例9]
フマル酸96部を用いた以外は、製造例7と同様にして、酸価217の強化ロジン(B3)を得た。
【0046】
[製造例10]
フマル酸120部を用いた以外は、製造例7と同様にして、酸価259の強化ロジン(B4)を得た。
【0047】
・ロジン系エマルジョンサイズ剤の製造方法:
【0048】
[実施例1]
ロジンエステル(A2)25部と強化ロジン(B2)75部の混合樹脂(この混合樹脂の軟化点を表1に示す)を約150℃に加熱溶融し、激しく攪拌しながら、分散剤を固形分で8部添加混合して油中水型のエマルジョンとし、これに熱水95部を添加して、不揮発性固形分50%、エマルジョン粒子径0.3μmの安定な水中油型エマルジョンになるように調製し、その後、室温まで冷却して、ロジンエマルジョンサイズ剤(RE−1)を得た。
【0049】
[実施例2〜5]
実施例1におけるロジンエステルと強化ロジン、および乳化分散剤の配合割合と種類を、表1の通りに変得た以外は、実施例1と同様にして、ロジンエマルジョンサイズ剤(RE−2〜RE−5)を得た。
【0050】
・比較サイズ剤の製造方法
【0051】
[比較例1〜5]
実施例1におけるロジンエステル、強化ロジン、および乳化分散剤の配合割合と種類を表1の通りに代えた以外は、実施例1と同様にして、比較サイズ剤(CRE−1〜CRE−5)を得た。
【0052】
【表1】
Figure 2004044020
【0053】
・サイズ剤の評価方法:
【0054】
(評価1)
濃度3.0%パルプスラリー(雑紙古紙、CSF:290ml、500℃灰分21.0%)に硫酸を絶乾パルプに対して固形分換算で1.8%、さらに硫酸アルミニウムを絶乾パルプに対して固形分換算で2.5%、さらに前記ロジンエマルジョンサイズ剤または比較サイズ剤を絶乾パルプに対して固形分換算で0.3%、次いでスターガム FN−SS(商品名、星光化学工業(株)製濾水剤)を絶乾パルプに対して固形分換算で100ppm添加して、常法に従いTAPPIスタンダードシートマシンにより抄紙した。この時、パルプスラリーのpHは4.8であった。湿紙は3.5kg/cmの圧力下で5分間脱水後、ドラムドライヤーにて所定の乾燥(表2参照)を行い、坪量80g/mの成紙を得た。温度23℃、湿度50%において24時間調湿後、各成紙のサイズ度をJIS−P−8140のコブ吸水法により測定した。その結果を表2に示す。
【0055】
(評価2)
濃度3.0%パルプスラリー(雑紙古紙、CSF:290ml、500℃灰分21.0%)に硫酸アルミニウムを絶乾パルプに対して固形分換算で1.5%、さらに前記ロジンエマルジョンサイズ剤または比較サイズ剤を絶乾パルプに対して固形分換算で0.6%、次いでスターガム FN−SS(商品名、星光化学工業(株)製濾水剤)を絶乾パルプに対して固形分換算で100ppm添加して、常法に従いTAPPIスタンダードシートマシンにより抄紙した。この時、パルプスラリーのpHは7.4であった。湿紙は3.5kg/cmの圧力下で5分間脱水後、ドラムドライヤーにて所定の乾燥(表2参照)を行い、坪量80g/mの成紙を得た。温度25℃、湿度50%において24時間調湿後、各成紙のサイズ度をJIS−P−8140のコブ吸水法により測定した。その結果を表2に示す。
【0056】
【表2】
Figure 2004044020
【0057】
【発明の効果】
表2中の数値は、コブ吸水法により測定した値で、値の少ない方がサイズ効果が良いといえる。また、表中のカッコ「()」で示された数値は、水が成紙に完全に吸収されて、水が裏抜け状態となり、値の測定が不可能となったもので、非常にサイズ効果が悪いことを示す。
【0058】
表2に示される結果から、本発明のロジンエマルジョンサイズ剤は、比較的高い抄紙pH系において、従来のサイズ剤より良好なサイズ効果を示すことが分かる。また、抄紙pHの高い低いに係わらず、従来のサイズ剤は、低温で乾燥された場合にサイズ効果の低下が顕著であるが、本発明のロジンエマルジョンサイズ剤は、低温で乾燥された場合でもサイズ効果の低下がほとんどない。
【0059】
したがって、本発明に係わるロジンエマルジョンサイズ剤を使用した場合、パルプ原料中の炭酸カルシウムなど、アルカリ成分の変動による抄紙pHの変動に対して安定なサイズ効果が得られ、また、乾燥温度が比較的低くてもサイズ効果が得られることから、抄紙機におけるドライヤー蒸気流量の低減あるいは抄速の向上が可能であると言える。

Claims (2)

  1. アルケニル置換コハク酸またはアルケニル置換コハク酸無水物、ロジン、および多価アルコールを加熱反応させて得られたロジンエステル(A)、およびロジン100重量部に対し、α、β−不飽和カルボン酸を2〜10重量部付加させて得られた強化ロジン(B)を、重量比が(A):(B)=1:99〜30:70の割合で混合した混合樹脂(C)を有効成分とするロジンエマルジョンサイズ剤。
  2. 混合樹脂(C)が、70〜90℃の軟化点をもつことを特徴とする請求項1のロジンエマルジョンサイズ剤。
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JP2015040357A (ja) * 2013-08-22 2015-03-02 ハイモ株式会社 サイズ定着方法

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