JP3221062B2 - ロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイジング方法、サイズ剤及びサイズ紙 - Google Patents

ロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイジング方法、サイズ剤及びサイズ紙

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ロジン系エマルション
組成物、その製造方法、サイジング方法、サイズ剤及び
サイズ紙に係わり、特にグリセライド類とロジン系物
とを乳化分散剤及び/又は保護コロイドにより水中に
安定に分散させたロジン系エマルション組成物であっ
て、酸性系はもちろん中性領域での抄紙系において優れ
たサイズ効果を発揮し、特に抄紙速度が高速で乾燥条件
の穏やかな抄紙条件、例えばヤンキードライヤーを有す
る抄紙機の乾燥条件において優れたサイズ効果を発揮
し、しかもそれ自体の機械的安定性及び保存安定性にも
優れたサイズ剤に関する。
【0002】
【従来の技術】製紙業界では、紙質の向上、抄紙系のク
ローズド化及び製紙原料として炭酸カルシウムを含んだ
古紙や損紙を使用することに伴う諸問題を抱えているば
かりでなく、生産性向上のため抄紙機はより高速化が求
められ、その結果として比較的低温条件下で乾燥される
場合が多く、従来のサイズ剤では紙のサイズ度が十分と
はいえない傾向になりつつある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のアニオン性ロジ
ン系サイズ剤、特に強化ロジンのアルカリ中和物である
溶液型ロジンサイズ剤を使用した場合、また、溶液型ロ
ジンサイズ剤よりもサイズ効果に優れ、抄紙適用pH範
囲の広いアニオン性ロジンエマルションサイズ剤(強化
ロジンをアニオン性の乳化分散剤を用いて水中に微細粒
子として分散させたもの)を使用した場合でも、高速抄
紙機により抄造する場合には乾燥条件が十分とはいえな
く、、所定のサイズ度を得るためにはサイズ剤の添加量
を増加しなければならず、そのためにコストアップにな
るばかりでなく、抄紙工程の発泡などのトラブルが生じ
ていた。このような事情から、高速抄紙機で、乾燥条件
が比較的穏やかな場合、例えばヤンキードライヤーを有
する抄紙機の乾燥条件下においても優れたサイズ効果を
発揮するロジン系エマルションサイズ剤が強く求められ
ている。
【0004】本発明の目的は、高速抄紙機で抄紙する場
合のように、乾燥条件が比較的穏やかな抄造の際に用い
られ、酸性から中性までの幅広い抄紙pH領域、特に炭
酸カルシウムを含有する中性抄紙系においても優れたサ
イズ効果を発揮し、しかも機械的安定性及び保存安定性
に優れるロジン系エマルジョン組成物、その製造方法、
この組成物を用いたサイズ剤、サイジング方法及びサイ
ズ紙を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、グリセライド類と、ロジン系物質とを乳
化分散剤及び/又は保護コロイドにより水中に安定に分
散させたロジン系エマルション組成物を提供するもので
ある。
【0006】この際、グリセライド類が植物油及び/又
は動物油であること、グリセライド類とロジン系物質と
の混合物粒子を分散させること、グリセライド類0.1
〜50重量部、ロジン系物質50〜99.8重量部、及
び乳化分散剤及び/又は保護コロイド0.1〜20重量
部との合計100重量部を水中に安定に分散させ、固形
分濃度20〜60重量%の分散液とすることも好まし
い。
【0007】また、本発明は、これらのそれぞれの特徴
を有するロジン系エマルション組成物を用いたサイズ
剤、サイズ紙、サイジング方法を提供する。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいてグリセライド類とは、グリセリンの脂肪酸エステ
ルであり、エステル化された水酸基の数は1から3まで
のいずれでも良く、一般的には動物油、植物油が挙げら
れる。具体的には牛脂、硬化牛脂、豚脂などの動物脂
肪、にしん油、メンヘーデン油などの魚油、ひまし油、
あまに油、桐油などの工業用油、やし油、パーム油、パ
ーム核油、ババス核油などのやし油系油、とうもろこし
油、綿実油、オリーブ油、落花生油、なたね油、サフラ
ワー油、ごま油、大豆油、ひまわり油などの食用植物
油、トール油などが挙げられる。
【0009】本発明において、ロジン系物質とは、ガム
ロジン、トール油ロジン、ウッドロジン及びこれらのロ
ジンの変性物であり、これらは単独あるいは2種以上の
混合物として用いられる。前記ロジン変性物としては、
一部あるいは実質的に完全に水素化されたもの、不均化
されたもの、重合化されたもの、あるいはホルムアルデ
ヒドで変性されたものなどが挙げられる。また、これら
ロジン系物質に、α、β−不飽和カルボン酸類を付加反
応した強化ロジンも含まれる。α、β−不飽和カルボン
酸類の代表的なものは、フマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン
酸、無水シトラコン酸等の不飽和二塩基酸、アクリル酸
又はメタクリル酸等の不胞和一塩基酸などである。さら
にロジンとグリセリン、ペンタエリスリトール等の多価
アルコールとのエステル、ロジンとエポキシ化合物との
反応生成物が挙げられる。
【0010】本発明のエマルション組成物においては、
エマルションのロジン系物質50〜99.8重量部に対
して、グリセライド類が0.1〜50重量部、より好ま
しくは0.5〜20重量部含まれる。0.1重量部未満
ではサイズ性能などに及ぼす効果が上記範囲のものより
は低下し、また、50重量部以上ではサイズ性能などへ
の影響が頭打ちする傾向がみられ、経済的には好ましく
ない。乳化分散剤及び/又は保護コロイドはロジン系物
質50〜99.8重量部に対して0.1〜20重量部用
いることが好ましい。これより少ないと、ロジン系物質
とグリセライド類との混合物を乳化分散させる作用及び
貯蔵安定性が上記範囲のものより低下し、これより多く
ても乳化分散作用が格別に良くなることはなく、サイズ
性能及び発泡性の点でも上記範囲のものよりは良くなる
ことはない。
【0011】グリセライド類をエマルション固形分中に
上記含有量を含める方法としては、特に限定はされない
が、グリセライド類0.1〜50重量部とロジン系物
質、好ましくはα、β−不胞和カルボン酸類により強化
したロジン系物質99.8〜50重量部を溶融混合した
後、乳化分散するか、ロジン系物質、好ましくはα、β
−不飽和カルボン酸類により強化したロジン系物質9
9.8〜50重量部をグリセライド類0.1〜50重量
部と乳化分散剤及び/又は保護コロイド0.1〜20重
量部で乳化分散するか、いずれかの方法で行うことがで
きる。乳化分散後のエマルションの全固形分は20〜6
0重量%が好ましく、より好ましくは30〜50重量%
である。
【0012】本発明において、ロジン系物質の乳化分散
に使用する乳化分散剤及び/又は保護コロイドは、特に
限定されるものではないが、各種低分子界面活性剤、高
分子系乳化分散剤、カゼイン、レシチン、ポリビニルア
ルコール、変性澱粉などが使用でき、これらは単独ある
いは2種以上組合わせて使用しても良い。各種低分子界
面活性剤としては、ロジンのアルカリ金属塩、強化ロジ
ンのアルカリ金属塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エス
テル塩、ポリオキシエチレンモノ及びジスチリルフェニ
ルエーテル硫酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン
酸塩ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルスルホコハク酸モノエステル塩、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルスルホコハク酸塩モノエ
ステル塩、ポリオキシモノ及びジスチリルフェニルエー
テルスルホコハク酸モノエステル塩などのアニオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシプロピ
レンポリオキシエチレングリコールグリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ペンタエリス
リトール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、脂肪酸ジエタノールアミド、ポリオキシプロ
ピレン、ポリエチレングリコール等の非イオン性の界面
活性剤、さらにはテトラアルキルアンモニウムクロライ
ド、トリアルキルベンジルアンモニウムクロライド、オ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミンなどのカチオン性界面活性剤も例示すること
ができる。
【0013】また、高分子系乳化分散剤としては、特に
限定しないが基本的には疎水性基、非イオン性基及び/
又はイオン性基をもつ合成高分子あるいは一般の天然高
分子系乳化分散剤が使用でき、一例を挙げればアニオン
性スチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の部分ある
いは完全ケン化物、アニオンあるいはカチオン性の(メ
タ)アクリル酸エステル系共重合体あるいはアクリルア
ミド系共重合体、カチオン性のポリアミノポリアミド−
エピクロルヒドリン樹脂、アルキレンポリアミン−エピ
クロルヒドリン樹脂、ポリ(ジアリルアミン)−エピク
ロルヒドリン樹脂等を例示することができる。また、こ
れらの高分子系乳化分散剤は保護コロイドとして単独あ
るいは2種以上を組み合せて使用しても良い。
【0014】かかる構成よりなる本発明のエマルション
は、その製造法は特に限定されず、例えば特公昭54−
36242号に記載されている反応生成物等を溶剤に溶
かし、分散剤を添加した後ホモジナイザーを通して水中
油型エマルションを製造する方法(溶剤法)、特開昭5
4−77206号に記載されている溶融した反応生成物
等と分散剤を混合して油中水型エマルションを形成し、
反転水を添加し水中油型エマルションを製造する方法
(転相法)、特公昭53−32380号に記載されてい
る反応生成物等を高圧下でホモジナイザーを通して水中
油型エマルションを製造する方法(メカニカル法)等に
準じて製造される。
【0015】かくして得られた本発明のロジン系エマル
ション組成物は、サイズ剤として用いると、保存安定性
及び機械的安定性に優れており、高速抄紙機で比較的温
和な乾燥条件下の場合に従来の酸性抄紙系でのサイズ性
能が優れているばかりでなく、中性抄紙領域、とくに炭
酸カルシウムが混入あるいは填料として使用されている
抄紙系においても弱サイズから強サイズまでの調節が可
能であるという利点を具備している。
【0016】本発明のサイジング方法は、本発明のロジ
ン系エマルション組成物を含有するサイズ剤を、紙また
は板紙の製造工程において、例えばウエット・エンド部
に添加することにより実施される。具体的には、本発明
のサイズ剤をパルプの水性分散液に乾燥重量に対して
0.005〜10固形分重量%、好ましくは0.05〜
5固形分重量%添加する。
【0017】紙又は板紙を製造するにあたって、パルプ
原料としては、クラフトパルプあるいはサルファイトパ
ルプなどの晒あるいは未晒化学パルプ、砕木パルプ、機
械パルプあるいはサーモメカニカルパルプなどの晒ある
いは未晒高収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール
古紙あるいは脱墨古紙などの古紙パルプのいずれも使用
することができる。また、上記パルプ原料と石綿などの
無機物繊維、あるいはポリアミド,ポリエステル、ポリ
オレフィン等の合成繊維との混合物も使用することがで
きる。
【0018】填料、染料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増
強剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤などの添加剤も、各
々紙種に要求される物性を発現するために、必要に応じ
て使用しても良い。填料としては、クレー、タルク、重
質または軽質炭酸カルシウム等が挙げられ、これら単独
あるいは併用しても良い。乾燥紙力増強剤としては、ア
ニオン性ポリアクリルアミド、カチオン性ポリアクリル
アミド、両性ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉等が
挙げられ、これら単独あるいは併用しても良い。湿潤紙
力増強剤としては、ポリアミド・エピクロルヒドリン樹
脂、メラミン・ホルマリン樹脂、尿素・ホルマリン樹脂
等が挙げられ、これら単独あるいはアニオン性ポリアク
リルアミドを併用しても良い。歩留まり向上剤として
は、アニオン性又はカチオン高分子量ポリアクリルアミ
ド、シリカゲルとカチオン化澱粉の併用、ベントナイト
とカチオン性高分子量ポリアクリルアミドの併用等が挙
げられる。濾水性向上剤としては、ポリエチレンイミ
ン、カチオン性及びアニオン性ポリアクリルアミド等が
挙げられる。また、サイズプレス、ゲートロールコータ
ー、ビルブレードコーター、キャレンダーなどで、澱
粉、ポリビニルアルコール、染料、コーテイングカラ
ー、表面サイズ剤、防滑剤なとを必要に応じて塗布して
も良い。また、硫酸バン土は本発明のロジン系エマルシ
ョン組成物を添加する前、添加した後、あるいは同時に
添加して使用される。
【0019】本発明のサイジング方法は、紙又は板紙の
製造工程において、本発明の製紙用ロジン系エマルショ
ンサイズ剤を例えばウェット・エンド部に添加すること
により実施される。具体的には、本発明の製紙用サイズ
剤をパルプの水性分散液にその乾燥重量に対して0.0
05〜10固形分重量%、好ましくは0.05〜5固形
分重量%添加する。
【0020】本発明のサイズ紙は、本発明のサイズ剤を
硫酸バン土の多い抄紙系で使用して得られたナイズ紙に
おいて優れたサイズ効果を発揮し、さらに 硫酸バン
土を使用できないか、その使用量が少量に限定される抄
紙系、例えば中性純白ロール紙、中性ライナー、防錆ラ
イナー及び金属合紙、 古紙原料から炭酸カルシウム
が混入する抄紙系,例えば石膏ボード原紙、白板、コー
ト原紙、中質紙、一般ライナー及び中芯、 填料とし
て炭酸カルシウムを使用する抄紙系、例えば中性印刷筆
記用紙、中性コート原紙、中性PPC用紙、中性感熱原
紙、中性感圧原紙、中性インクジェット用紙及び中性情
報用紙、 定着剤の使用量が限定される抄紙系、例え
ばクラフト紙などにおいて本発明のサイズ剤を用いて得
られ、従来のロジン系サイズ剤にはない優れたサイズ性
能を発揮する。また、本発明のサイズ剤はプレスロー
ル、ドライヤーキャンパスなどの抄紙用具の汚れが少な
いこと等の特長がある。
【0021】本発明のサイズ剤は表面サイズ剤としても
使用可能であり、この場合、抄紙された湿紙に噴霧、浸
漬、塗布などの慣用的方法が適用される。
【0022】
【実施例】以下、使用成分の製造例、実施例及び比較例
を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこ
れらの例に限定されるものではない。なお、各例中、部
及び%は特記しないかぎりすべて重量基準である。
【0023】 フマル酸強化ロジン系物質の製造 約200℃で溶融状態にあるガムロジン450部にフマ
ル酸80部を徐々に加えていき、ほとんど全部のフマル
酸が反応し終わった後、さらにホルムアルデヒド処理
(変性率3%)トール油ロジンを470部加え、溶融撹
拌して均質化し、その後に反応生成物を室温に冷却し
た。この反応生成物(強化ロジン)はフマル酸が%付
加されたロジンであった。
【0024】 高分子系乳化分散剤の製造 以下のようにして、ロジン系物質を分散安定化するため
の実施例用高分子系乳化分散剤(C−1)及び(C−
2)を製造した。 …1 実施例用アニオン性高分子系分散剤(C−1)
の製造 特開昭61−108796号公報の参考例10の製造方
法に従い、以下のようにしてスチレン−メタクリル酸系
共重合体ケン化物(C−1)を製造した。スチレン55
部、メタクリル酸30部、イタコン酸5部、アクリル酸
ラウリル10部、10%ナフタレンスルホン酸ナトリウ
ムホルマリン縮合物50部、過硫酸アンモニウム1部及
び水200部を混合攪拌し、加圧下、150℃で30分
間加熱した。ついで70℃まで冷却し、48.5%水酸
化ナトリウム35.5部と水7部を徐々に滴下し、30
分間攪拌した後室温まで冷却することにより、固形分3
0%のポリマー分散液(C−1)を得た。
【0025】−2 実施例用カチオン性高分子分散剤
(C−2)の製造 特開平2−177534号明細書の実施例1にて使用の
疎水性基を有するカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ドの製造方法に従い、以下のようにして高分子系分散剤
(C−2)を製造した。攪拌機、温度計、還流冷却器及
び窒素ガス導入管を備えた1リットル容の4つ口フラス
コに、ジメチルアミノエチルメタクリレート31.4
部、アクリルアミドの50%水溶液85.3部、スチレ
ン20.8部、イオン交換水100.6部、イソプロピ
ルアルコール143.3部、n−ドデシルメルカプタン
0.6部を仕込み、20%酢酸水溶液にてpH4.5に
調節した。この混合液を攪拌しながら窒素ガス雰囲気下
で、60℃まで昇温した。重合開始剤として過硫酸アン
モニウムの5%水溶液2.3部を加え、80℃まで昇温
し1.5時間保持した後、過硫酸アンモニウム5%水溶
液0.7部を追加した。さらに1時間同温度に保持した
後、イオン交換水100部を加え、次いでイソプロピル
アルコールを留去し、さらに水を加え、固形分濃度2
0.4%のポリマー溶液(C−2)を得た。
【0026】 ロジン系エマルション組成物(サイズ
剤)の製造 −1 実施例1〜7 −1で得たフマル酸強化ロジンとグリセライド類を表
1の割合で混合し、約150℃に加熱溶融し、激しく攪
拌しながら、で得た分散剤を添加混合して油中水型の
エマルションとした。これに熱水を徐々に加えて転相さ
せ水中油型のエマルションとし、これにさらに熱水を素
早く添加して安定な水中油型エマルションとした後、室
温まで冷却した。かくして得られたエマルションの固形
分は約45〜50%であり、Master Sizer
(マルバーン(株)製)で測定した重量基準粒径分布に
おける累積50%径(以下、平均粒子径と称す)は0.
2〜0.5μmであり、長期間安定なものであった。
【0027】−2 比較例1 グリセライド類を使用しない以外は上記実施例と同様の
方法でエマルション組成物(サイズ剤)を得た。上記実
施例、比較例のロジン系エマルションの組成及び性状を
表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】以上の実施例及び比較例で調製された各ロ
ジン系エマルション組成物を用いて、下記の試験条件で
サイズ効果試験を行いその結果を表2に示す。添加薬品
はすべてパルプ絶乾重量に対する固形分重量比で示し
た。
【0030】 サイズ効果試験 −1 サイズ効果試験1 晒クラフトパルプ(針葉樹対広葉樹のパルプ比が1対4
である混合パルプ)をパルプ濃度が2.5%になるよう
に硬度100ppmの希釈用水で希釈し、ビーターを用
いて350mlカナディアンスタンダードフリーネスま
で叩解した。次いで該パルプスラリー1.2リットルを
離解機に秤取し、0.25%あるいは0.5%の所定の
ロジン系エマルションと1.5%の硫酸バン土を同時に
添加し、その後30分間攪拌した。次いでpH4.5の
希釈水でこのパルプスラリーを濃度0.25%まで希釈
し定着剤としてカチオン性ポリアクリルアミド(ディッ
ク・ハーキュレス(株)製エピノックスDS510)を
0.05%添加し、ノーブルアンドウッド抄紙機で抄紙
し、坪量65g/m2(一平方m当たりのg)の試験紙
を得た。湿紙の乾燥は、ドラムドライヤーを用いて所定
の乾燥条件下で行った。得られた試験紙を恒温恒湿(2
0℃−60%相対湿度)環境下で24時間調湿した後、
サイズ度をステキヒト法で測定した。その結果を表2に
示す。
【0031】
【表2】
【0032】−2 サイズ効果試験2 前記の試験1と同一条件で叩解したパルプスラリー1.
2リットルを離解機に秤取し、0.4%あるいは0.8
%の所定のロジン系エマルションと1.0%の硫酸バン
土及び定着剤として上記DS510を0.2%添加し、
その後10分間攪拌した。次いでpH8の希釈水でこの
パルプスラリーを濃度0.25%まで希釈し、軽質炭酸
カルシウム(奥多摩工業(株)製タマパール121S)
を5%、及び歩留り剤として高分子量カチオン性ポリア
クリルアミド(ディック・ハーキュレス(株)製ハイレ
テン104)を0.01%添加し、ノーブルアンドウッ
ド抄紙機で抄紙し、坪量65g/m2の試験紙を得た。
得られた試験紙を恒温恒湿(20℃−60%相対湿度)
環境下で24時間調湿した後、サイズ度をステキヒト法
で測定した結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】 静置安定性試験 長さ30cm、内径2.1cmの試験管に100mlの
各ロジン系エマルションを入れ、3ケ月静置後、底部に
沈澱した沈澱物の厚さ(cm)を測定した。
【0035】 機械的安定性試験 各ロジン系エマルション50gをカップに入れ、温度2
5℃、荷重20Kg、回転数800rpmにて5分間マ
ーロン式安定性試験を行った。生成した凝集物を325
メッシュ金網にて濾過して全固形物に対する析出量を測
定し百分率で表した。上記静置安定性試験及び機械的安
定性試験の結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、グリセライド類とロ
ン系物質とを乳化分散剤及び/又は保護コロイドにより
水中に安定に分散させたロジン系エマルション組成物、
その製造法、サイジング方法、サイズ剤、サイズ紙を提
供できるので、サイズ剤は保存安定性及び機械的安定性
に優れ、このサイズ剤を用いてサイジングを行うと、特
に抄紙速度が高速で乾燥条件の穏やかな条件下において
従来のアニオン性及びカチオン性ロジンエマルションに
は見られなかったような優れたサイズ紙のサイズ効果を
発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリセライド類と、ロジン系物質とを乳
    化分散剤及び/又は保護コロイドにより水中に安定に分
    散させたロジン系エマルション組成物。
  2. 【請求項2】 グリセライド類が植物油及び/又は動物
    油である請求項1記載のロジン系エマルション組成物。
  3. 【請求項3】 グリセライド類とロジン系物質とは混合
    物粒子を形成して分散されている請求項1又は2記載の
    ロジン系エマルション組成物。
  4. 【請求項4】 グリセライド類0.1〜50重量部、ロ
    ジン系物質50〜99.8重量部、及び乳化分散剤及び
    /又は保護コロイド0.1〜20重量部との合計100
    重量部を水中に安定に分散させ、固形分濃度20〜60
    重量%の分散液とする請求項1ないし3記載のロジン系
    エマルション組成物。
  5. 【請求項5】 グリセライド類とロジン系物質との混合
    物を乳化分散剤及び/又は保護コロイドを用いて乳化分
    散する請求項3又は4記載のロジン系エマルション組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4のいずれかに記載され
    たロジン系エマルション組成物を用いるサイジング方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし4のいずれかに記載のロ
    ジン系エマルション組成物を含有するサイズ剤。
  8. 【請求項8】 グリセライド類と、ロジン系物質を含有
    するサイズ紙。
JP15554892A 1992-05-01 1992-05-01 ロジン系エマルション組成物、その製造方法、サイジング方法、サイズ剤及びサイズ紙 Expired - Fee Related JP3221062B2 (ja)

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