JPWO2015053349A1 - 歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法 - Google Patents

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Abstract

製紙工程における操業性や紙の地合い物性を損なうことなく、また、紙の種類を問わずに、填料が高含有で、かつ均一に分散された紙を製造することのできる歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法を提供する。粘度平均分子量が3500万を超えるカチオン性またはアニオン性の高分子化合物を含有し、前記カチオン性またはアニオン性の高分子化合物のカチオンまたはアニオン電荷密度が0.6〜4.0meq/gである歩留り剤をスクリーン通過前およびスクリーン通過後の少なくとも一方にパルプ含有水性スラリーに添加する。

Description

本発明は、製紙工程における操業性や紙の地合い物性を損なうことなく、また、紙の種類を問わずに、古紙や填料が高含有で、かつ均一に分散された紙を製造することのできる歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法に関する。
近年、地球の温暖化、資源の有効利用等の環境問題から古紙を再生したパルプが多く使われている。再生される紙としては、例えば、新聞紙、雑誌、コピー紙、段ボール等のほか、最近ではオフィス等から出されるシュレッダーダストと呼ばれる紙を細かく裁断したものが増えてきている。
一般に、再生パルプは、その製造工程で得られるパルプ繊維長がバージンパルプに比べて短いため、再生パルプを使用して紙を製造する場合は、全歩留りを向上させるため、通常は歩留り剤が用いられている。全歩留りの向上は、パルプ成分の凝集体(以下、フロックという)を作り出すことによって得られる。この歩留り剤は通常、ファンポンプやスクリーン等のせん断工程を通過する前後で添加される。そのため、形成されたフロックは大きなせん断力が与えられても崩壊しない凝集性が必要とされる。
しかしながら近年では、紙の白色度、不透明度、印刷適性等を改善するために、紙には、炭酸カルシウムやタルク、クレー、ホワイトカーボン等の様々な填料が高配合量で添加される傾向である。前述の歩留り剤を使用する紙の製造方法では、再生パルプを使用して紙を製造する場合、填料の歩留りが低いため歩留まらなかった填料と脱墨古紙パルプ(以下、「DIP」という)、コートブロークパルプなどに含まれる様々な種類のパルプ成分由来のピッチ成分とが凝集し、抄紙機や紙面に付着し、抄紙機の汚れや紙面欠陥等を引き起こす。その結果、操業性や生産性を低下させている。しかしながら、紙の品質向上や環境問題、コスト削減を理由に填料の添加量が増える傾向にあり、これまで用いられてきた歩留り剤では効果が充分に得られないという問題があった。
そこで、粘度平均分子量が100,000〜1,000,000のカチオン性ポリマーからなる製紙用助剤(特許文献1)が提案された。しかしながら、生産性向上のための抄紙機の運転速度の高速化に伴い、ファンポンプやスクリーン等のせん断工程でのせん断力が増加し、形成されるフロックが崩壊しやすくなったことにより、せん断工程前の添加における歩留り率の点で改善の余地があった。
一方、歩留り剤としてカチオン性物質を用いてフロックを形成させた後、せん断工程を通過させ、さらに歩留り添加剤としてアニオン性物質をパルプスラリーに配合して抄紙する方法(特許文献2)や、カチオン性高分子物質と無機塩または無機酸によりパルプ成分への分散性を向上させたアニオン性水溶性高分子を組み合わせた紙の製造方法(特許文献3)等が提案された。
これらの方法では、イオン性の異なる2種類以上の歩留り剤を組み合わせて使うことにより、フロックが一度崩壊しても再度凝集してフロックを形成することができるが、歩留り剤の合計添加量が多くなるため、パルプ成分が過凝集を引き起こしてより大きなフロックとなり、紙の厚みの均一性(以下、地合い物性という)を低下させてしまう上、抄紙機の操業性が煩雑になるという欠点があった。
特開2006−89864号公報 特開2001−254290号公報 特開2001−295196号公報
このように、近年の紙の製造における、紙への古紙や填料の配合率の増加、紙の製造の高速化に伴い、さらなる紙の品質向上や保存安定性、抄紙機の腐食問題の改善が得られること等の利点から、従来の硫酸バンドを大量に配合した酸性抄紙に代わって、硫酸バンドを使用しないか、あるいは硫酸バンドの使用量を少なくして中性付近で抄紙する中性紙の生産が増加した。
そこで本発明の目的は、製紙工程における操業性や紙の地合い物性を損なうことなく、また、紙の種類を問わずに、填料が高含有で、かつ均一に分散された紙を製造することができる歩留り剤を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、粘度平均分子量が3500万を超える、低い電荷密度のカチオン性またはアニオン性の高分子化合物を含有する歩留り剤を、スクリーンを通過する前および後の少なくとも一方において、パルプ含有水性スラリーに添加することにより、イオン性の異なる歩留り剤を添加する必要がなく、少ない添加量で、大きいせん断力に対しても崩壊し難いフロックを形成し、歩留り性と地合い物性のバランスのとれた状態を維持できる、すなわち各成分の歩留りが良くても地合い物性を低下させずに抄紙可能であることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の歩留り剤は、粘度平均分子量が3500万を超えるカチオン性またはアニオン性の高分子化合物を含有し、前記カチオン性またはアニオン性の高分子化合物のカチオンまたはアニオン電荷密度が0.6〜4.0meq/gであることを特徴とするものである。
また、本発明の紙の製造方法は、パルプ含有水性スラリーを、スクリーンを通過させた後、抄紙する工程を有する紙の製造方法において、前記スクリーン通過前およびスクリーン通過後の少なくとも一方に、前記高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満となるように、本発明の歩留り剤を前記パルプ含有水性スラリーに添加することを特徴とするものである。
本発明の紙の製造方法は、前記パルプ含有水性スラリーに填料をパルプに対し5〜60質量%添加することが好ましい。また、本発明の紙の製造方法は、前記歩留り剤をスクリーン通過後のパルプ含有水性スラリーに添加することが好ましい。さらに、本発明の紙の製造方法は、前記歩留り剤をスクリーン通過前のパルプ含有水性スラリーとスクリーン通過後のパルプ含有水性スラリーに添加することが好ましい。
本発明によれば、製紙工程における操業性や紙の地合い物性を損なうことなく、また、紙の種類を問わずに、古紙や填料が高含有で、かつ均一に分散された紙を製造することのできる歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法を提供することができる。
図1は本発明方法における歩留り剤の添加位置を示すフローチャートである。 図2は本発明の実施例2−11で得られた紙断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図3は比較例2−10で得られた紙断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
まず、本発明の歩留り剤について説明する。本発明に用いられる歩留り剤とは、粘度平均分子量が3500万を超えるカチオン性またはアニオン性の高分子化合物であり、カチオン性またはアニオン性の高分子化合物のカチオンまたはアニオン電荷密度は0.6〜4.0meq/gである。
ここで、粘度平均分子量とは、極限粘度法により測定したポリビニルアルコール換算の粘度平均分子量である。具体的にはウベローデ粘度計(柴田科学株式会社製、商品名「粘度計 ウベローデ」)を用いて極限粘度(固有粘度)を測定し換算した数値を指す。
また、カチオンまたはアニオン電荷密度とは高分子化合物を構成するモノマー単位中のカチオンまたはアニオン電荷の当量数(meq/g)をいう。具体的にはカチオン性高分子の場合は、ポリビニル硫酸カリウム(和光純薬株式会社製、商品名「ポリビニル硫酸カリウム滴定液(N/400)」を用いたコロイド滴定法により求められた数値を指す。アニオン性高分子の場合は、メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬株式会社製、商品名「メチルグリコールキトサン溶液(N/200)」)を添加後、過剰分をポリビニル硫酸カリウム(和光純薬株式会社製、商品名「ポリビニル硫酸カリウム滴定液(N/400)」を用いたコロイド滴定法により求められた数値を指す。
カチオン性またはアニオン性高分子化合物の粘度平均分子量が3500万を超えると、パルプ成分や填料等に対する製紙用添加助剤の高い定着力が得られ、歩留り性も向上する。特に、粘度平均分子量が3800万以上であれば、フロック形成後にスクリーンのようなせん断下で微細パルプ繊維や填料、ピッチ成分が脱落することがなく、歩留り率が向上し、抄紙機の汚染を防止することができる。また、粘度平均分子量が8000万以下であれば、良好な凝集力となり、所望する紙の地合い物性を得ることができる。したがって、本発明の歩留り剤を構成するカチオン性またはアニオン性高分子化合物の好ましい粘度平均分子量は3800万〜8000万の範囲であり、特に好ましい粘度平均分子量の上限値は7000万である。
これまでは歩留り剤として3500万を超える分子量を有する高分子化合物を含有するものを用いると、歩留り剤がパルプ含有水性スラリーに均一に分散せず、地合い物性が低下すると考えられ実用化されてこなかった。また、従来の歩留り剤はパルプ表面電荷を中和することで填料や各種製紙用添加助剤をパルプ表面に定着させていたが、同時に不要な水分をフロック中に含有してしまうため、フロックが大きくなり過ぎたり、スクリーン通過等、シェアがかけられた際にフロックが細かくなり過ぎたり、不均一な形状となり、結果として地合い物性を低下させる場合があった。本発明においては、高分子化合物の電荷密度を0.6〜4.0meq/gの範囲内とすることにより、高分子化合物がパルプ含有水性スラリーに均一に分散し、大きさが揃ったフロックを形成することができ、地合い物性が向上する。
つまり、本発明の歩留り剤に含まれる高分子化合物の電荷密度をかかる範囲内に調整することにより、鎖状構造を有する前記高分子化合物は、分子内での電荷状態により良好な凝集力が得られるように分子鎖が広げられるため、従来の歩留り剤とは異なり、電荷による歩留り向上効果ではない新たな歩留り剤を提供することができる。そのため、酸性紙や中性紙等、得られる紙の種類を問わず用いることができ、パルプ含有水性スラリー内の電荷密度が高い場合でも、地合い物性を損なわず、高い歩留りで紙を製造することができる。この電荷密度が0.6meq/g以上であり、4.0meq/g以下であれば、特に、歩留り性、濾水性および地合い物性を向上することができるとともに、ピッチ量を削減することができる。好ましい電荷密度は0.6meq/g以上3.8meq/g以下、特に好ましくは0.8meq/g以上3.0meq/g以下の範囲である。
本発明の歩留り剤に含有されるカチオン性高分子化合物は、粘度平均分子量と電荷密度がかかる範囲内であるものならば、化学構造に特に限定はなく、直鎖状、分岐状、架橋型のいずれのものも用いることができる。また、本発明の歩留り剤においては、1種類のカチオン性高分子化合物を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。
本発明の歩留り剤に含有されるカチオン性高分子化合物としては、例えば、ポリエチレンイミン、ジメチルジアリルアミン−二酸化硫黄共重合体、ポリアクリルアミドカチオン変性物、ポリアミノアクリル酸の他、第四級アンモニウム塩残基を有するカチオン性モノマーを構成単位として含む単独重合体または共重合体、エピハロヒドリン−アルキルアミン付加重合物およびアリルアミン重合体の塩あるいは四級アンモニウム塩、ならびにジシアンジアミド−ホルムアルデヒド−塩化アンモニウム縮合ポリマー等が挙げられ、特に第四級アンモニウム塩残基を有するカチオン性モノマーを構成単位として含む単独重合体または共重合体が好ましい。
このようなカチオン性高分子化合物を構成する第四級アンモニウム塩残基を有するカチオン性モノマーとしては、例えば、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルジエチルベンジルアンモニウムクロリド、3‐(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3‐(メタ)アクリルアミドプロピルトリエチルアンモニウムクロリド、3‐(メタ)アクリルアミドプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムサルフェート、2‐(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエチルアンモニウムブロミド、3‐(メタ)アクリロイルオキシプロピルジメチルエチルアンモニウムクロリド、3‐メタクリロイルオキシ‐2‐ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、3‐メタクリロイルオキシ‐2‐ヒドロキシプロピルメチルジエチルアンモニウムクロリド、3‐メタクリロイルオキシ‐2‐ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロリド、3‐(メタ)アクリロイルアミノ‐2‐ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、2‐(メタ)アクリロイルアミノエチルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。これらの中でも、2‐(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドを用いた単独重合体または共重合体がカチオン電荷密度と粘度平均分子量とを所望の値に調節しやすいので好ましい。なお、(メタ)アクリロイルという用語は、アクリロイルまたはメタクリロイルを意味する。
このカチオン性高分子化合物は前記カチオン性モノマーとこれと共重合可能な単量体、例えば、エチレン性不飽和化合物との共重合体であってもよい。この共重合体を構成するエチレン性不飽和化合物としては、例えば、エチレン性不飽和モノカルボン酸類やジカルボン酸類、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、芳香族ビニル化合物、不飽和アミド化合物および不飽和ニトリル化合物等が挙げられる。このようなものの例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸2‐メチルブチル、(メタ)アクリル酸tert‐ブチル、(メタ)アクリル酸2‐エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2‐ヒドロキシヘキシル、スチレン、α‐メチルスチレン、(メタ)アクリルアミド、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N‐メチロールアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等が挙げられる。中でも入手が容易で、重合が容易に行われるという点で、(メタ)アクリルアミド、特にアクリルアミドが好ましい。なお、(メタ)アクリルという用語は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
カチオン性高分子化合物が共重合体の場合、カチオン性高分子化合物中の第四級アンモニウム塩残基を有するカチオン性モノマー単位の含有量は、3モル%以上40モル%未満の範囲が好ましい。このカチオン性モノマー単位の含有量が3モル%未満では、所望のカチオン電荷密度が得られにくいし、40モル%以上ではパルプや填料の歩留りを向上させにくい上、使用する慣用の歩留り剤の使用量も削減しにくい。より好ましい配合割合は、5〜30モル%の範囲である。
また、アリルアミン重合体の塩は、下記一般式[I]、
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Xは塩素原子、臭素原子、硫酸残基、硝酸残基、有機カルボン酸残基または有機スルホン酸残基、nは重合度を示す)で表されるものである。
この一般式[I]で表されるアリルアミン重合体の塩は、Rが水素原子または炭素数1〜5のアルキル基であり、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基であり、Xが塩素原子、臭素原子、硫酸残基、硝酸残基、有機カルボン酸残基、有機スルホン酸残基である。アリルアミン重合体の塩の例としては、ポリアリルアミンの塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩や、ポリN−アルキルアリルアミンの塩である、ポリメチルアリルアミン塩酸塩、ポリエチルアリルアミン塩酸塩、ポリプロピルアリルアミン塩酸塩、ポリイソプロピルアリルアミン臭化水素酸塩等が挙げられる。
このカチオン性高分子化合物の重合方法としては、特に制限はなく、溶液重合法、乳化重合法、固体重合法等、任意の方法を用いることができる。この際用いる重合開始剤としては、水溶性のアゾ化合物や過酸化物、例えば、過酸化水素、2,2’‐アゾビス(2‐アミジノプロパン)二塩酸塩、水溶性無機過酸化物、または水溶性還元剤と水溶性無機過酸化物や有機過酸化物との組合せ等がある。
水溶性無機過酸化物の例としては、過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム等が挙げられる。また、水溶性還元剤の例としては、水に可溶な通常のラジカル酸化還元重合触媒成分として用いられる還元剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩、あるいはこれらと鉄、銅、クロム等の重金属との錯化合物、スルフィン酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩、L‐アスコルビン酸またはそのナトリウム塩やカリウム塩やカルシウム塩、ピロリン酸第一鉄、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄アンモニウム、亜硫酸ナトリウム、酸性亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム等が挙げられる。
一方、水溶性有機過酸化物としては、例えば、クメンヒドロペルオキシド、p‐サイメンヒドロペルオキシド、tert‐ブチルイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p‐メンタンヒドロペルオキシド、デカリンヒドロペルオキシド、tert‐アミルヒドロペルオキシド、tert‐ブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオキシド類等が挙げられる。
また、この乳化重合における乳化剤としては、通常アニオン性界面活性剤またはそれとノニオン性界面活性剤との組合せが用いられる。このアニオン性界面活性剤やノニオン性界面活性剤としては、通常の乳化重合に用いられるものの中から任意に選んで用いることができる。このようなアニオン性界面活性剤の例としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸金属塩、ポリオキシアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸塩等が挙げられる。
また、ノニオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルグリセリンホウ酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等、ポリオキシエチレン鎖を分子内に有し、界面活性能を有する化合物および前記化合物のポリオキシエチレン鎖がオキシエチレン、オキシプロピレンの共重合体で代替されている化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の歩留り剤に含有されるカチオン性高分子化合物を乳化重合法で合成する場合、例えば、重合開始剤および乳化剤を含有する水性媒体中において、エチレン性不飽和化合物およびカチオン性モノマーを所定の割合で混合し、通常30〜80℃の範囲の温度において重合させることにより、所望の共重合体微粒子が均質に分散したエマルションを得ることができる。この方法で得られるエマルションは、歩留り剤としてそのままパルプ含有水性スラリーに配合することもできるし、所望ならば塩析または噴霧乾燥等により共重合体を固形物として取り出し、これを用いてセルロース含有懸濁液に配合してもよい。分枝型および架橋型のカチオン性ポリマーの製造方法としては、前記した各重合方法において、二重結合、アルデヒド結合あるいはエポキシ結合からなる群から選ばれる2種以上の試薬群を有する多官能化合物によって構成される分枝剤または二重結合、アルデヒド結合あるいはエポキシ結合からなる群から選ばれる2種以上の試薬群を有する多官能化合物によって構成される架橋剤(この架橋剤には、多価金属塩、ホルムアルデヒド、グリオキザールのようなイオン系架橋剤、モノマーと共重合する共有結合架橋剤を含む)を用いて重合するものである。
一方、本発明における歩留り剤に含有されるアニオン性高分子化合物においても、粘度平均分子量と電荷密度がかかる範囲内であるものならば、化学構造に特に限定はなく、直鎖状、分岐状、架橋型のいずれのものも用いることができる。また、本発明の歩留り剤は、1種類のアニオン性高分子化合物を含有させてもよいし、2種以上を含有させてもよい。
アニオン性高分子化合物としては、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸を含有する水溶性単量体を構成単位とする重合体、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムや前記水溶性単量体とこれと共重合可能な構成単位、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリロニトリル等の構成単位との共重合体、例えば、アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体、メタクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体等が挙げられ、特にアニオン性モノマーとしてアクリル酸ナトリウムを構成単位として含む単独重合体または共重合体が好ましい。
アニオン性高分子化合物が共重合体の場合、アニオン性高分子化合物中の前記水溶性単量体の含有量は、3モル%以上40モル%未満の範囲が好ましい。この範囲より水溶性単量体の含有量が少ないと有効なアニオン性高分子化合物を得ることができないし、この範囲を超えると共重合体とする必要がなくなるので好ましくない。より好ましい配合割合は5〜30モル%の範囲である。
本発明のアニオン性高分子化合物の重合方法としては、特に制限はなく、前記カチオン性高分子化合物の重合方法と同様、溶液重合法、乳化重合法、固体重合法等、任意の方法を用いることができる。
本発明の歩留り剤の性状はどのようなものでもよく、特に制限されないが、例えば、油中水型エマルション、粉体、溶液等が挙げられる。
本発明の歩留り剤は、スクリーン通過前およびスクリーン通過後の少なくとも一方において、パルプ含有水性スラリーに添加することにより用いられる。前記パルプ成分としては、特に制限されず、機械パルプ、化学パルプ、古紙パルプ等から選ばれた1種または2種以上のパルプから選択されたものを使用することができる。機械パルプとしては、砕木パルプ、リファイナーグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ(TMP)等が挙げられる。化学パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(LBKP)や針葉樹クラフトパルプ(NBKP)等のクラフトパルプ、サルファイドパルプ、アルカリパルプ等が挙げられる。古紙パルプとしては、新聞紙、段ボールやシュレッダーダスト等を原料とするパルプや脱墨処理を施したDIP等が挙げられる。環境に対する意識向上によりこのような古紙パルプ利用率は上昇する傾向にあるが、本発明においてはバージンパルプも用いることができる。パルプの原木としては、エゾマツ、トドマツ、アカマツのような針葉樹や、ブナ、ポプラ、カバのような広葉樹等が挙げられる。
本発明の歩留り剤は従来の歩留り剤と比べて填料がパルプ含有水性スラリーに対して均一に分散し、パルプ成分に定着するため、填料が高濃度のパルプ含有水性スラリーに好適に用いることができる。本発明の歩留り剤は、特に、パルプ成分に対する填料の添加量が5〜60質量%の場合に好適に用いることができる。前記填料としては、特に制限はないが、重質炭酸カルシウムや軽質炭酸カルシウム等の炭酸カルシウム、酸化チタン、シリカ、タルク、クレー、カオリン、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、ベントナイト、ホワイトカーボン等の無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、微小中空粒子等の有機填料等が挙げられる。填料は単独または適宜2種類以上を組み合わせて使用することができる。また、製紙スラッジや脱墨フロス等を原料とした再生填料も使用することができる。
次に、本発明の紙の製造方法について説明する。本発明における紙の製造方法は、パルプ含有水性スラリーを、スクリーンを通過させた後、抄紙する工程を有する紙の製造方法において、スクリーン通過前および通過後の少なくとも一方に、本発明の歩留り剤に含まれるカチオン性またはアニオン性の高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満となるように、本発明の歩留り剤を前記パルプ含有水性スラリーに添加するものである。本発明の紙の製造方法においては、かかる点が重要であり、それ以外は特に制限はない。本発明の歩留り剤をかかる添加条件でパルプ含有スラリーに添加することにより、パルプ成分が過凝集を引き起こすことなく地合い物性を維持することができる。なお、500ppm未満の高分子化合物の濃度とは、パルプ含有水性スラリーに添加される歩留り剤の全添加量における高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満であることを意味する。
以下に、本発明の紙の製造方法について、図面を用いて、詳細に説明する。図1は本発明の紙の製造方法における歩留り剤の添加位置を示すフローチャートである。本発明の紙の製造方法は、例えば、種箱1よりパルプ成分を少なくとも3質量%含有する濃厚パルプ含有水性スラリーをファンポンプ2に通過させ、パルプ成分が0.5〜2.0質量%程度となるように白水で希釈した後、この希釈されたパルプ含有水性スラリーをスクリーン3に通過させてインレット4に送液する。本発明の歩留り剤は、スクリーン3を通過する前および通過した後の少なくとも一方において、カチオン性またはアニオン性の高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満となるように、希釈パルプ含有水性スラリーに添加する。続いて、歩留り剤を添加した水性スラリーを抄き出した後に脱水工程、搾水工程、乾燥工程を経て紙を製造する。
本発明の紙の製造方法において、歩留り剤に含まれる高分子化合物はそのイオン性がカチオン性またはアニオン性でなければならないが、パルプ含有水性スラリーに含まれる填料やパルプ等の各種成分、このスラリーの物性等に応じて、高分子化合物のイオン性を適宜選択すればよい。
本発明の紙の製造方法においては、本発明の歩留り剤を、スクリーン3の通過前および通過後の少なくとも一方において、パルプ含有水性スラリーに、高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満となるように添加するが、得られる紙の品質、つまり、地合い物性を重視して製紙する場合は、スクリーン3通過前のパルプ含有水性スラリーに歩留り剤をパルプ成分に対して高分子化合物の濃度が500ppm未満、好適には10〜450ppmとなるように添加することが好ましい。この位置で歩留り剤を添加した場合には、得られる紙の地合い物性を制御しやすいからである。また、コストを重視、つまり、歩留り性および歩留り剤(高分子化合物)の添加量の軽減を重視して製紙する場合は、スクリーン3通過後のパルプ含有水性スラリーに歩留り剤をパルプ成分に対して高分子化合物の濃度が500ppm未満、好適には10〜300ppmとなるように添加することが好ましい。この位置で歩留り剤を添加した場合には、低添加量でありながらも高い歩留り性が得られるからである。しかしながら、地合い物性および歩留り性のバランスを考慮すると、本発明の歩留り剤をスクリーン3通過前後にパルプ成分に対して高分子化合物の濃度が合計500ppm未満、好適には10〜300ppmとなるようパルプ含有水性スラリーに添加するのが、最適な形状をもつフロックを維持することができるので有利である。
スクリーン3通過の前後に本発明の歩留り剤を添加する場合は、スクリーン3通過の前後の歩留り剤の全添加量が、その中に含まれる高分子化合物の濃度が500ppm未満となるように調整されるが、スクリーン3通過前とスクリーン3通過後の本発明の歩留り剤の添加割合は99:1〜1:99の中から適宜選択すればよい。スクリーン3通過前後に本発明の歩留り剤を用いる場合、スクリーン3通過前に用いる歩留り剤と、スクリーン3通過後に用いる歩留り剤は、粘度平均分子量や電荷密度が異なる高分子化合物を用いてもよいが、そのイオン性はカチオン性もしくはアニオン性のいずれか一方のみを選択する。
本発明の紙の製造方法において製造される紙の種類に特に制限はないが、例えば、塗工紙、微塗工紙、塗工原紙、上質紙、中質紙、新聞紙、PPC紙、ライナー原紙、中芯原紙、白板紙等が挙げられる。
本発明の紙の製造方法においては、本発明の歩留り剤以外にも、従来使用されている慣用の添加剤を使用することができる。例えば、添加剤としては、硫酸バンド、サイズ剤、紙力剤、濾水向上剤、凝結剤、ピッチコントロール剤、嵩高剤、スライムコントロール剤等が挙げられる。
本発明の紙の製造方法においては、填料を高配合してもパルプ含有水性スラリーに対して填料が均一に分散するため、高い歩留り性を有し、かつ地合い物性が良好であり、高分子化合物が低濃度の、つまり、歩留り剤添加量を削減した紙を製造することができる。すなわち、古紙を利用したパルプ含有水性スラリーに填料を高配合した場合においても、ピッチトラブルを防止することができる。また、パルプ含有水性スラリーの電荷状態(カチオン、アニオン要求量)等の環境に影響されることなく高い歩留り効果を発揮できる。さらに、従来のイオン性の異なる2種類以上の歩留り剤を組み合わせて添加する作業を必要としないため、作業を簡素にすることができる。
以下、本発明の歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法につき実施例を用いて具体的に説明するが、本発明の歩留り剤およびそれを用いた紙の製造方法はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜3および従来例1〜3)
下記表1〜9に示すカチオン性およびアニオン性の高分子化合物を用いて歩留り剤を調製した。なお、各実施例および比較例ならびに従来例で用いられたカチオン性およびアニオン性の高分子化合物は以下の通りである。
カチオン性高分子化合物A: アクリルアミド−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体(直鎖構造)
カチオン性高分子化合物B: アクリルアミド−アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド共重合体(分岐構造)
アニオン性高分子化合物A: アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体(直鎖構造)
アニオン性高分子化合物B: アクリルアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体(分岐構造)
[粘度平均分子量の測定]
高分子化合物の粘度平均分子量は、極限粘度法に従って、ウベローデ粘度計(柴田科学株式会社製、商品名「粘度計 ウベローデ」)を用いて極限粘度を測定し、ポリビニルアルコール換算して求めた。
[カチオンおよびアニオン電荷密度の測定]
各カチオン性高分子化合物の電荷密度は、コロイド滴定法に従って、ポリビニル硫酸カリウム(和光純薬株式会社製、商品名「ポリビニル硫酸カリウム滴定液(N/400)」を用いて測定した。また、各アニオン性高分子化合物の電荷密度は、コロイド滴定法に従って、メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬株式会社製、商品名「メチルグリコールキトサン溶液(N/200)」)を添加後、過剰分をポリビニル硫酸カリウム(和光純薬株式会社製、商品名「ポリビニル硫酸カリウム滴定液(N/400)」を用いて測定した。
(試験例)
得られた歩留り剤を用いて、下記の手順に従って、歩留り剤添加試験を行い、歩留り性(全歩留りと灰分歩留り)、濾水性、濁度、カチオン要求量およびピッチ量の6項目について評価した。さらに、スクリーン添加後、抄紙して得られた紙について地合い物性評価を行った。これらの項目については、以下の方法により評価した。また、従来例として、カチオン性歩留り剤とアニオン性歩留り助剤とを用いて、実施例や比較例と同様に歩留り剤添加試験を行った。
<歩留り剤添加試験>
パルプ3.2質量%濃度のパルプ含有水性スラリーを白水で希釈し、スラリー濃度1.0質量%のパルプ含有水性スラリーを調製した。白水とは紙の製造工程にて循環使用される水のことをいう。このパルプ含有水性スラリーをブリット式ダイナミックドレイネージジャーテスター(40メッシュのスクリーンとタービン翼を備えた撹拌機を装備。以下、「ブリットジャー」と略す。)に入れた後、撹拌機を用いて毎分1200回転にて撹拌しながら、10秒間隔で硫酸バンドを0.5質量%、アルキルケテンダイマー系サイズ剤(AKD)を0.2質量%、カチオン性ポリアクリルアミド系紙力剤を0.5質量%、下記表1〜9に示す濃度で填料として炭酸カルシウムをこの順序で添加し、25秒経過後、回転数を600回転に変更して、さらに15秒撹拌した。歩留り剤の添加位置は、填料を添加後10秒後および/または25秒後とした。填料を添加後10秒後に歩留り剤を添加した場合をスクリーン(SC)前添加試験とし、得られた結果を表1〜3に示す。また、填料を添加後25秒後に歩留り剤を添加した場合をスクリーン後添加試験とし、得られた結果を表4〜6に示す。さらに、填料を添加後10秒後と25秒後に歩留り剤を添加した場合をスクリーン前後添加試験とし、得られた結果を表7〜9に示す。なお、各薬剤および歩留り剤を加えた後のパルプ含有水性スラリー(以下、「試料スラリー」という。)のpHは7.5となるように調整した。
[歩留り性]
歩留り剤添加試験で得られた試料溶液100mlをワットマンNo.4濾紙を用いて濾過し、得られた濾液を110℃で60分間乾燥し、乾燥後の質量を測定することにより、全歩留り(%)を求めた。また、乾燥後の濾紙を550℃で2時間加熱したときの灰分より、灰分歩留り(%)を測定した。
[地合い物性]
歩留り剤添加試験で得られた試料スラリーを坪量が50g/mとなるように抄紙機(東西精機社製、商品名「角型抄紙機」)を用いて抄紙した。得られた湿紙はプレス機を用いて荷重5.25kg/cmにて5分間加圧し、さらに2分間加圧した後、脱水した。続いて、回転式ドライヤーを用いて95℃にて3分間乾燥後、25℃、湿度55%にて24時間放置し、評価用の紙を得た。この紙を光透過型光学式地合計(エムケイシステムズ(MK SYSTEMS)社製、商品名「3Dシートアナライザー」)を用いて地合い指数を測定した。得られた指数値は大きい値の方が地合い物性が良好であることを示す。
[濾水性]
歩留り剤添加試験で得られた試料スラリー500mlを100メッシュを張った内径50mmのアクリル樹脂製円筒型の容器に入れ、メスシリンダーを用いて濾水量200mlとなるまでの時間を測定した。
[濁度]
歩留り剤添加試験で得られた試料スラリーを撹拌機で撹拌したまま下穴から50mlを採取し、ワットマンNo.4濾紙にて吸引濾過し、その濾液についてJIS K0101によりホルマジン濁度を測定した。この濁度は、歩留り、薬剤、ピッチの定着性を評価するためのものであり、この値が小さいほど歩留りが高く、薬剤、ピッチの定着率が高いものであることを意味する。
[カチオン要求量]
歩留り剤添加試験で得られた試料スラリーを、濁度測定と同じく、撹拌機で撹拌したまま下穴から50mlを採取し、ワットマンNo.4濾紙にて吸引濾過した。得られた濾液についてカチオン要求量を粒子電荷計(ミューテック社製、商品名「Particle Charge Detector PCD03」)により測定した。このカチオン要求量は、系内の電荷状態を評価するためのものであり、この値が高ければ、系内にアニオン性物質が多く含まれることを意味する。
[ピッチ量]
歩留り剤添加試験で得られた試料スラリー250mlと予め質量を測定したポリエチレン製発泡プラスチック片(12cm×3cm×1cm)とをガラスビンに入れ、40℃恒温で2時間振とう後、前記プラスチック片を取り出し、100mlのイオン交換水で洗浄後、乾燥し、発泡プラスチック片の質量を測定し、次の計算式により付着量(mg)を求め、付着量をピッチ量とした。
付着量=(振とう後のプラスチック片の質量)−(初期プラスチック片の質量)
このピッチ量は、系内の疎水性ピッチ成分の量を示すものであり、この値が高ければピッチ成分がパルプ繊維に定着できていないことを意味する。
表1〜9より、本発明の歩留り剤は、填料の添加量が多いときでも、紙の地合い物性を損なうことなく高い歩留り性と濾水性を与えることが分かる。例えば、填料配合量が実施例1−11では20%、実施例1−12では40%、実施例1−13では50%であり、填料が増加するに従い全歩留り率が実施例1−11では76.0%、実施例1−12では72.9%、実施例1−13では70.5%と低下しているが、比較例1−11では電荷密度が4.8meq/gであるため、填料が20%でも全歩留り率は69.8%であり、実施例1−13と比較しても全歩留り率が低いことが分かる。
填料の添加量が多いときはピッチ量が増えるのが一般的であるが、実施例1−9では3.15、実施例1−12では3.15、実施例1−13では3.26であるのに対し、比較例1−11では3.46であり、本発明の歩留り剤は試料スラリー内のピッチ量が低下傾向であることが分かる。同様にして、実施例2−10、2−12、2−13を比較すると、填料が増加するに従い、歩留り率が低下しているが、比較例2−11では電荷密度が5.0meq/gであるため、実施例2−13と比較しても歩留り率が低いことがわかる。さらに、ピッチ量については、実施例2−10では2.92、実施例2−12では3.09、実施例2−13では3.18であるのに対し、比較例2−11では3.34であり、試料スラリー内のピッチ量が低下傾向であることがわかる。このように、本発明の歩留り剤はピッチ量が少ないことから、ピッチがパルプ繊維に定着し、試料スラリー中から外へ排出され、その結果として抄紙機へのピッチ付着を防止することができる。
また、本発明の歩留り剤は、水性スラリーに含まれるパルプが再生パルプであっても、バージンパルプであっても、比較例や従来例よりも優れた物性の紙が得られた。パルプの種類についてさらに検討を進めると、実施例1−1、1−19、1−22、1−23および1−24、実施例2−1、2−17、2−18、2−19および2−20、実施例3−1、3−11、3−12、3−13、3−14および3−15を参照すると、歩留り剤の添加位置によらずパルプスラリーに対する効果としてクラフトパルプが最も優れており、本発明の歩留り剤を使用すれば、填料の配合量が高くても歩留り性が向上し、パルプ含有水性スラリー内のピッチ量が低下する傾向にあることが分かる。
さらに、本発明の歩留り剤は、カチオン性の歩留り剤とアニオン性の歩留り助剤とを併用する従来例とは異なり、スクリーンの前後を問わず、つまり、せん断の前であっても後であっても、イオン性の異なる複数の歩留り剤を用いることなく優れた物性を有する紙が得られた。この点につき、歩留り剤に含まれるカチオンまたはアニオン性高分子化合物の粘度平均分子量および電荷密度の観点から、以下でさらに検討する。
(粘度平均分子量による影響)
歩留り剤の添加位置がスクリーン前である場合について検討すると、実施例1−1、1−14、1−15および1−16は、比較1−15と比較して全歩留り、濾水性、濁度が向上し、ピッチ量も削減できていることが理解できる。実施例1−16では、全歩留りが極めて高い水準であるため実用レベルであるものの、地合い物性がやや劣る結果となった。また、実施例1−2と比較例1−2を比較すると、実施例1−2の方が地合い物性を損なうことなく全ての物性を向上させていることが理解できる。実施例1−5と比較例1−7を比較すると地合い物性も向上していることが理解できる。
次に、歩留り剤の添加位置がスクリーン後である場合について検討すると、実施例2−1および2−14は比較例2−13と比較して地合い物性を損なうことなく、全歩留り、濾水性、濁度を向上させていると共に、ピッチ量も削減できていることが理解できる。この傾向は、実施例2−2と比較例2−2を比較した場合でも同様であった。
更に、歩留り剤の添加位置がスクリーン前後である場合について検討すると、実施例3−1および3−8は比較例3−12と比較しと、地合い物性が同等かそれ以上であるにも関わらず、各種特性が向上できていることが理解できる。特に実施例3−2と比較例3−3との比較においては、地合い物性が大幅に向上できているにも関わらず、全ての物性において本発明の歩留り剤が優れていることが確認できる。これらの比較により、粘度平均分子量の影響が、歩留り剤の添加量よりも大きい効果をもたらすことも理解できる。
したがって、歩留り剤の添加位置に関わらず、粘度平均分子量が3500万を超えると、特に古紙パルプを配合したパルプ含有水性スラリーにおいて、フロック形成後にスクリーンのようなせん断下で微細パルプ繊維や填料、ピッチ成分が脱落することがないため、抄紙機の汚染を防止することができ、歩留り率、濾水性、濁度が向上することがわかる。
また、比較例3−1は全添加量として150ppmの歩留り剤を添加しているが、全歩留り率50.5%、灰分歩留り率25.9%、濾水性209秒、濁度27.0度であるのに対し、実施例3−1では粘度平均分子量が所定の範囲を満たす4000万であるため、添加量を100ppmに減らしているにもかかわらず、全歩留り率57.8%、灰分歩留り率33.9%、濾水性163秒、濁度15.0度が得られた。粘度平均分子量が3500万を超えると、歩留り剤の添加量を減らすことができ、経済的効果も得ることができる。
(電荷密度による影響)
歩留り剤の添加位置がスクリーン前である場合について検討する。実施例1−1、1−17および1−18は、比較例1−3および1−16と比較すると、電荷密度が所定の範囲(0.6〜4.0meq/gの範囲)である場合に、全歩留り率、濾水性、濁度が向上すると共に更にピッチ量も削減できていることが理解できる。
この傾向は、実施例1−4や1−5と比較例1−6、実施例1−7と比較例1−9、実施例1−8と比較例1−10、実施例1−10と比較例1−12や、実施例1−11と比較例1−11との比較においても同様に見られた。
歩留り剤の添加位置がスクリーン後である場合について検討する。実施例2−1、2−15および2−16は比較例2−1および2−14と比較すると、電荷密度が所定の範囲(0.6〜4.0meq/gの範囲)である場合に、全歩留り率、濾水性、濁度が向上すると共に更にピッチ量も削減できていることが理解できる。この傾向は、実施例2−4や2−5と比較例2−6、実施例2−6と比較例2−7、実施例2−9と比較例2−9や実施例2−11と比較例2−10との比較においても同様に見られた。尚、実施例2−7と比較例2−8を比較すると、電荷密度を調整することにより、歩留り剤の添加量以上に各種物性に対する効果が大きいことも確認できる。
歩留り剤の添加位置がスクリーン前後である場合について検討する。実施例3−1、3−9および3−10は、比較例3−13および3−14と比較すると、電荷密度が所定の範囲(0.6〜4.0meq/gの範囲)である場合に、全歩留り率、濾水性、濁度、地合い物性が向上すると共に更にピッチ量も削減できていることが理解できる。実施例3−4と比較例3−7、実施例3−6と比較例3−10、実施例3−7と比較例3−11をそれぞれ比較した場合においても、各項目について極めて優れた効果を有していることが確認できる。
したがって、歩留り剤の添加位置や古紙の配合量に影響されることなく、電荷密度を所定の範囲(0.6〜4.0meq/gの範囲)を満たす4.0meq/g以下に調整することにより、高分子化合物の鎖状構造の広がり過ぎを抑制し、鎖状構造が最適な大きさになることで所望するパルプ成分の凝集力が得られるため、良好な歩留り性、濾水性を得ることができ、地合い物性を向上していることがわかる。
一方、カチオン要求量に着目すると、本発明の歩留り剤は、カチオン要求量が幅広いにもかかわらず、全ての物性において優れた結果が得られているため、パルプ系内の電荷密度に関係なく、本発明の歩留り剤を適用することができることが分かる。
また、図2は実施例2−11で得られた紙の断面であり、填料(図面中の白い部分)が積み重なるパルプ成分の間に広く均一に分散しているのに対し、図3は比較例2−10で得られた紙の断面であり、填料が凝集して塊をつくり、積み重なるパルプ成分の間に不均一に分散している。したがって、本発明の歩留り剤を使用すれば、填料の配合量が高い場合においても、填料がパルプ含有水性スラリーに均一に分散し、地合い物性が向上していることがわかる。
(実施例4および比較例4)
実施例1−10、1−12、2−9、2−12および3−5ならびに比較例1−11、1−12および2−9と同一の条件で、抄紙機(塗工原紙マシン、抄紙速度:1300m/分)に対して、実機による歩留り剤添加試験を行った。実機では、種箱前で硫酸バンドを、種箱でアルキルケテンダイマー系サイズ剤(AKD)を、種箱後でカチオン性ポリアクリルアミド系紙力剤を、ファンポンプ前で填料として炭酸カルシウムを、スクリーン前、スクリーン後またはスクリーン前後で歩留り剤をそれぞれ添加した。得られた結果を表10に示す。
表10より、ブリット式ダイナミックドレイネージジャーテスターによる歩留り剤添加試験は、実機による歩留り剤添加試験と同等の結果が得られることが分かった。
1 種箱
2 ファンポンプ
3 スクリーン
4 インレット

Claims (5)

  1. 粘度平均分子量が3500万を超えるカチオン性またはアニオン性の高分子化合物を含有し、
    前記カチオン性またはアニオン性の高分子化合物のカチオンまたはアニオン電荷密度が0.6〜4.0meq/gであることを特徴とする歩留り剤。
  2. パルプ含有水性スラリーを、スクリーンを通過させた後、抄紙する工程を有する紙の製造方法において、
    前記スクリーン通過前およびスクリーン通過後の少なくとも一方に、前記高分子化合物の濃度がパルプ成分に対して500ppm未満となるように、請求項1記載の歩留り剤を前記パルプ含有水性スラリーに添加することを特徴とする紙の製造方法。
  3. 前記パルプ含有水性スラリーにさらに填料をパルプに対し5〜60質量%添加する請求項2記載の紙の製造方法。
  4. 前記歩留り剤をスクリーン通過後のパルプ含有水性スラリーに添加する請求項2または3記載の紙の製造方法。
  5. 前記歩留り剤をスクリーン通過前のパルプ含有水性スラリーとスクリーン通過後のパルプ含有水性スラリーに添加する請求項2または3記載の紙の製造方法。
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