JP2917726B2 - 不揮発性カウンタ - Google Patents

不揮発性カウンタ

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JP2917726B2
JP2917726B2 JP5032178A JP3217893A JP2917726B2 JP 2917726 B2 JP2917726 B2 JP 2917726B2 JP 5032178 A JP5032178 A JP 5032178A JP 3217893 A JP3217893 A JP 3217893A JP 2917726 B2 JP2917726 B2 JP 2917726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的に消去・書込が
可能な不揮発性記憶素子に記憶されたデータを所定のカ
ウント値に基づいて更新し、カウント動作を行う不揮発
性カウンタに係り、特にデータの更新方法に特徴を持つ
不揮発性カウンタに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
例えばEEPROMのように、電気的に消去・書込が可
能な不揮発性記憶素子は、バックアップ電源を持たない
システムにおいて、電源オフ時にデータの保存を行う手
段として使用されている。一例として、パルス数等を計
数するカウント回路に並列にEEPROM(以下の説明
中、不揮発性記憶素子の代表としてEEPROMを用い
る。)を配設し、カウンタの値が変化するとその値を不
揮発性記憶素子に書き込む不揮発性カウンタが知られて
いる。
【0003】しかし、EEPROMにおける保存データ
の信憑性を確保するには、以下に示す2点に関して考慮
が必要である。第1点は、EEPROMに対するデータ
の書込・消去には通常数ms以上の時間を要することで
ある。この動作の最中に電源オフ、ノイズ重畳などが発
生しデータの書込・消去動作が中断された場合、そのデ
ータは不確定となり、保存データの信憑性は極めて低下
する。またEEPROMがビット故障を起こした場合、
そのデータが1であるか0であるかの判断は、データの
処理方法に委ねるしかない。そして、この事を改善する
方法として提案されているのは、例えば、1種類のデー
タについて複数(例えば3つ)の収納エリアを設け、3
つのデータの多数決でそのデータを判断する等の方法で
ある。
【0004】もう1点は、EEPROMの書換回数に制
限があることである。現状での書換回数は信頼性を考慮
すると数万回程度であり、この書換回数を越えるデータ
の書換を行えば、EEPROMがビット故障を起こす可
能性が高くなり、保存データの信憑性は極めて低下す
る。この事を改善する方法として例えば、1種類のデー
タについて複数の収納エリアを設け、書換の度に収納エ
リアを変更して1ビット当りの書換回数を低減し、保存
データの信憑性を上げる提案がされている。
【0005】本発明は、このような状況を鑑みてなさ
れ、その目的は、常に保存データの信憑性を確保可能な
不揮発性カウンタを提供することであり、書込・消去動
作の最中に種々の理由でその動作が中断されても常に保
存データの信憑性を確保する不揮発性カウンタ、工程能
力により制限される限界を超える書換回数を要求される
場合に対応して保存データの信憑性を確保可能な不揮発
性カウンタ、及び書込・消去動作最中の動作中断や工程
能力による限界を超える書換回数の要求があっても、常
に保存データの信憑性を確保可能な不揮発性カウンタを
提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に成された請求項1記載の不揮発性カウンタは、図1に
例示するように、電気的に消去・書込可能な不揮発性記
憶素子に記憶されたデータを、所定のカウント値に基づ
いて更新し、カウント動作を行う不揮発性カウンタであ
って、前記不揮発性記憶素子が、1種類のデータに対し
て3つ以上設けられたデータ収納領域と、それら各デー
タ収納領域にそれぞれ対応して設けられたフラグワード
収納領域と、を有すると共に、前記データ収納領域のデ
ータを書き換える際には、一のデータ収納領域のデータ
書換及びそのデータ収納領域に対応する前記フラグワー
ド収納領域へのフラグワード書込をセットにして、前記
フラグワード収納領域へ所定のフラグワードを書き込ん
だ後に前記データ収納領域のデータを書き換えること
を、書換対象のデータ収納領域に対応する分だけ順次行
書換手段と、該書換手段によるデータ書換が終了した
後に、前記書き込まれたフラグワードを消去する消去手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
【0008】また、請求項2記載の不揮発性カウンタ
は、図に例示するように、電気的に消去・書込可能な
不揮発性記憶素子に記憶されたデータを、所定のカウン
ト値に基づいて更新し、カウント動作を行う不揮発性カ
ウンタであって、前記不揮発性記憶素子が、最大計数桁
数を桁順に複数区分に分割された各区分毎に設けられ、
所定の上位桁対応区分については、1種類のデータに対
して3つ以上設けられた上位桁用データ収納領域と、所
定の下位桁対応区分については、所定カウント値毎のイ
ベントに応じて1ビットずつデータを順に書き込んでい
くための複数のセルから構成された下位桁用データ収納
領域と、前記各上位桁用データ収納領域にそれぞれ対応
して設けられた上位桁用フラグワード収納領域と、前記
下位桁用データ収納領域に対応して設けられた下位桁用
フラグワード収納領域と、を有すると共に、前記上位桁
用データ収納領域のデータを書き換える際には、一の上
位桁用データ収納領域のデータ書換及びその上位桁用デ
ータ収納領域に対応する前記上位桁用フラグワード収納
領域へのフラグワード書込をセットにして、前記上位桁
用フラグワード収納領域へ所定のフラグワードを書き込
んだ後に前記上位桁用データ収納領域のデータを書き換
えることを、書換対象の上位桁用データ収納領域に対応
する分だけ順次行う書換手段と、該書換手段によるデー
タ書換が終了した後に、前記書き込まれた上位桁用フラ
グワードを消去する上位桁用消去手段と、前記下位桁対
応区分のデータ収納領域において、所定の桁上げ数に該
当するセルにデータが書き込まれ、桁上げのため消去す
る際には、前記下位桁用フラグワード収納領域に所定の
下位桁用フラグワードを書き込んだ後に、前記下位桁用
データ収納領域のデータの消去を行う桁上げ手段と、該
桁上げ手段によるデータ消去が終了した後に、前記書き
込まれた下位桁用フラグワードを消去する下位桁用消去
手段と、を備えたことを特徴とする。なお、これら請求
項1又は2に記載の不揮発性カウンタは、請求項3に示
すように、データの書換最中にデータの破壊が起こる可
能性がある記憶素子から構成されることを特徴としても
よく、その場合の記憶素子としては、請求項4に示すよ
うに、EEPROMであることが考えられる。
【0009】
【作用】上記構成を有する本発明の不揮発性カウンタ
は、電気的に消去・書込可能な不揮発性記憶素子に記憶
されたデータを所定のカウント値に基づいて更新し、カ
ウント動作を行うものであり、消去・書込によるデータ
の更新に特徴を有する。
【0010】請求項1記載の不揮発性カウンタによれ
ば、1種類のデータが、3つ以上のデータ収納領域にそ
れぞれ書き込まれている。そして、データ収納領域のデ
ータを書き換える際には、書換手段が、一のデータ収納
領域のデータ書換及びそのデータ収納領域に対応するフ
ラグワード収納領域へのフラグワード書込をセットにし
て、フラグワード収納領域へ所定のフラグワードを書き
込んだ後にデータ収納領域のデータを書き換えること
を、書換対象のデータ収納領域に対応する分だけ順次行
う。そして、書換手段によるデータ書換が終了した後
に、消去手段が、その書き込まれたフラグワードを消去
する。
【0011】従来も、例えばデータ収納領域を3つ持
ち、その3つのデータの多数決により、1つのデータの
データ化けの検出・修正は可能であったが、2番目に書
換が行われるデータの書換動作中に、電源オフ等のトラ
ブルが発生した場合に3データ共異なったデータとなる
と、修正不可能である。
【0012】これに対し、本不揮発性カウンタによれ
ば、電源オン時にデータ収納領域のデータとフラグワー
ドを検索することにより、電源オフ時の正しい保存デー
タを読み出すことにより、確実な最終データを得ること
が可能である。なぜなら、上述したように、書換手段は
一のデータ収納領域のデータ書換及びそのデータ収納領
域に対応するフラグワード収納領域へのフラグワード書
込をセットにして、フラグワード収納領域へ所定のフラ
グワードを書き込んだ後にデータ収納領域のデータを書
き換えるため、一のデータ収納領域単位でデータの書き
込み中か否かが判断できるからである。従って、データ
収納領域におけるデータの書込・消去動作の最中に種々
の理由でその動作が中断されても、常に保存データの信
憑性を確保することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】また、請求項記載の不揮発性カウンタに
よれば、所定の上位桁対応区分について設けられた3つ
以上の上位桁用データ収納領域に、1種類の上位桁対応
データがそれぞれ書き込まれ、所定の下位桁に対応する
区分について設けられた下位桁用データ収納領域には、
所定のカウント値毎のイベントに応じて各セルに1ビッ
トずつデータが順に書き込まれていく。
【0018】そして、下位桁用データ収納領域において
所定の桁上げ数に該当するセルにデータが書き込まれ、
桁上げのため消去する際には、桁上げ手段が、フラグワ
ード収納領域に所定のフラグワードを書き込んだ後に下
位桁用データ収納領域のデータ消去を行い、桁上げ手段
によるデータ消去が終了した後に、下位桁用消去手段
が、その書き込まれたフラグワードを消去する。
【0019】一方、上位桁用データ収納領域のデータを
書き換える際には、書換手段が、一の上位桁用データ収
納領域のデータ書換及びその上位桁用データ収納領域に
対応する上位桁用フラグワード収納領域へのフラグワー
ド書込をセットにして、上位桁用フラグワード収納領域
へ所定のフラグワードを書き込んだ後に上位桁用データ
収納領域のデータを書き換えることを、書換対象の上位
桁用データ収納領域に対応する分だけ順次行う。そし
て、書換手段によるデータ書換が終了した後に、上位桁
用消去手段が、その書き込まれた上位桁用フラグワード
を消去する。
【0020】このように、上位桁及び下位桁のデータ共
に、書き換え又は桁上げのための消去を行う際には、そ
れぞれ対応するフラグワードを書き込んだ後にしか行わ
ない。そのため、上位桁用又は下位桁用データ収納領域
におけるデータの書込・消去動作の最中に種々の理由で
その動作が中断されても、電源オン時に該当するデータ
及びフラグワードを検索して電源オフ時の正しい保存デ
ータを読み出すことにより、確実な最終データを得るこ
とが可能である。従って、常に保存データの信憑性を確
保することができる。
【0021】また、必然的に書換回数の多くなる下位桁
については、工程能力により制限される限界を超える書
換回数を要求された場合でもそれに対応でき、保存デー
タの信憑性の確保に寄与する。このように、本不揮発性
カウンタは、書込・消去動作最中の動作中断や工程能力
による限界を超える書換回数の要求があっても、常に保
存データの信憑性を確保することができるのである。
【0022】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図は、本発明の一実施例である不揮発性カ
ウンタを電子オドメータ(走行距離計)に適用したシス
テムの概略ブロック図である。本システムは周知のCP
U10、ROM20、RAM30、電気的に消去・書込
可能な不揮発性記憶素子としてのEEPROM40を電
子制御部の中心として構成されており、CPU10に
は、入力回路60を介して車速センサ50からの信号が
入力し、またCPU10からの出力は駆動回路70を介
して表示器80に表示される。
【0023】車速センサ50は、タイヤ1回転毎にn発
(n≧1)のパルスを発生する。入力回路60は、車速
センサ50からの信号を入力して波形整形およびノイズ
処理を行う。CPU10は、入力回路60から入力され
たパルス数を計数し、RAM30の所定アドレスに格納
する。
【0024】またCPU10は、RAM30内のデータ
が予め設定された値に達する度に、EEPROM40の
所定アドレスのデータを書き換える。さらにCPU10
は、上記データを表示器80の要求するデータに変換し
て駆動回路70に転送する。ROM20は、システムを
コントロールするプログラムを内蔵する。
【0025】図には、EEPROM40内のメモリマ
ップを示す。EEPROM40は計数部41、積算部4
2、フラグ部43を備えており、図におけるメモリマ
ップ例において、計数部41は5ビット×40ワードの
200ビット、積算部42は5ビット×12ワードの6
0ビット、フラグ部43は5ビット×4ワードの20ビ
ットで構成されている。なお、図中の斜線入りビット
は、未使用ビットを示している。
【0026】以上の構成をオドメータ用に使用する場合
は、車速センサ50で発生するセンサ信号として、タイ
ヤ1回転毎に数発の車速パルス信号が入力回路60に入
力され、入力回路60で方形波に波形整形されてCPU
10に入力される。CPU10は、車速パルス信号が入
力される度に、RAM30内の所定アドレスの「パルス
計数値」を「1」だけインクリメントする。またCPU
10は、パルス計数値をROM20内に既に格納されて
いる「100m当りの計数値」と比較し、一致した場合
は、RAM30内の所定アドレスの「100m単位計数
値」を「1」だけインクリメントする。
【0027】ここで「100m当りの計数値」とは、1
00mを標準タイヤ円周長さで割った値に1回転当りの
パルス数を掛けた数である。通常のオドメータの分解能
は100mである。さらにCPU10は、「100m単
位計数値」をROM20内に既に格納されている「1k
m当りの計数値」と比較し、一致した場合は、RAM3
0内の所定アドレスの「1km単位計数値」を1だけイ
ンクリメントする。同時に、後述するEEPROM40
の書換シーケンスを行う。
【0028】計数部41は上述したように200ビット
で構成されており、1kmから199kmまで1km経
過する毎に、1ビットずつのデータの書込が順次行われ
(以下このようなデータを埋め込みコードデータとい
う。)ていき、200km毎に全消去が行われる。
【0029】このように埋め込みコードデータ方式を採
用したのは、1ビット当りの書換回数を低減させるため
であり、この場合100万km走行完了時の各ビットの
書換回数は1ビット当たり5000回となる。また読出
時には、RK1-1 から順に書込データの読出を行い、未
書込ビットをサーチすることにより、行う。この際、連
続する5ビット以上の読出データの多数決をとることに
より、1ビット以上の故障を救済することができる。
【0030】この多数決処理の具体例を説明する。ま
ず、正常時の読出処理を図を参照して説明する。読出
ルールは、以下の4つである。 最下位ビット(LS
B)からスタートして、最上位ビット(MSB)まで順
にシフトしながらサーチしていく。
【0031】 「0」の数が3以上(実際には4以上
は存在しない)になった所を最終位置とする。 1回シフトする度に、計数を1だけインクリメント
する。 以上〜のシーケンスで読み出した計数値と、R
AM30の値とが異なった場合には、RAM30の値を
真値とする。
【0032】そして、上記ルールを採用するために、L
SBの下位に2ビット及びMSBの上位に2ビットだ
け、データ処理用仮想ビットを設定する。LSBの下位
のデータ処理用仮想ビットには「1」が2ビット設定さ
れ、MSBの上位のデータ処理用仮想ビットには「0」
が2ビット設定される。
【0033】図に示すように、連続5ビット分の読出
用窓がLSBの下位のデータ処理用仮想ビットを2ビッ
ト分含む場合からスタートし、MSBの上位のデータ処
理用仮想ビットを2ビット分含む場合で終了する。な
お、本実施例では計数部41は計数値200毎に消去す
るため、MSBには書き込まれない。
【0034】次に、異常ビット存在時の読出処理を図
を参照して説明する。異常の想定モードは以下の2つで
ある。 (イ) 「1」故障…消去できないビットが存在する。 (ロ) 「0」故障…書込できないビットが存在する。
【0035】まず、上記(イ)の「1」故障の場合に
は、図にも示すように、最終書込ビットのすぐ隣に存
在する場合から最終書込ビットの3ビット先に存在する
場合までは、読出用窓のシフトによる計数が正常値(R
AM30の値)よりも1だけ大きくなる。また、「1」
故障が最終書込ビットの4ビット(あるいはそれ以上)
先に存在する場合は、正常値と等しくなる。
【0036】また、上記(ロ)の「0」故障の場合に
は、図にも示すように、最終書込ビットそのものに存
在する場合から最終書込ビットよりも2ビット後に存在
する場合までは、読出用窓のシフトによる計数が正常値
(RAM30の値)よりも1だけ小さくなる。また、
「1」故障が最終書込ビットよりも3ビット(あるいは
それ以上)後に存在する場合は、正常値と等しくなる。
【0037】このように、正常値とそれぞれ+1,−1
だけ異なる結果となった場合には、上記ルールに従
い、RAM30の値を書き込んでいく。但し、電源投入
時は、上記ルール〜の手順に従って、EEPROM
40の値の読出を行い、RAM30に値を貯える。
【0038】一方、積算部42は、上位3桁のBCDコ
ードデータと、下位1桁の埋め込みコードデータで構成
されている。さらに、同一データに対し3ワードずつの
収納領域を有する。これは、データの信憑性を高めるた
め3ワードの多数決を行うためである。上位3桁をBC
Dコードとした理由は、表示器の数値セグメント用デー
タに変換し易くするためである。
【0039】また、下位1桁(この場合は100kmの
オーダー)を埋め込みコードデータとした理由は、10
0万km走行完了時の書換回数を低減するためである。
書込は1ビットずつ行えるが、消去は1行(4ワード)
ずつしか出来ない。仮に4桁共をBCDコードで構成し
た場合は100km毎に書換を行う必要があるため、1
00万km走行完了時の書換回数は、最も多く書換が行
われる最下位桁の最下位ビットにて1ビット当たり50
00回である。
【0040】これに対し、最下位桁を埋め込みコードデ
ータで構成した場合には、200km毎に1ビットずつ
を800kmまで順に埋め込んでいき、1000km毎
に消去するため、100万km走行完了時の書換回数は
1ビット当たり1000回となる(図に両者の比較を
示す)。
【0041】また各行の書換は、1行ずつ順に行われ
る。なお、以下の説明において、積算部42の3行のそ
れぞれに対して、図に示すように、RS1-1 〜RS
1-4 を積算値A、同様に、RS2-1 〜RS2-4 を積算値
B、RS3-1 〜RS3-4 を積算値Cと呼ぶことにする。
【0042】また、フラグ部43は、積算部42の3行
の各データ(積算値A〜C)書換用に1ワードずつ、計
数部41のデータ消去用に1ワード用意されている。図
においてフラグワードRF1-1 が計数部41消去用、
RF1-2 が積算値A書換用、RF1-3 が積算値B書換
用、RF1-4 が積算値C書換用である。
【0043】まず、計数部41消去用のフラグワードR
1-1 は、200km毎の計数部データ消去前にオール
1を書き込まれ、計数部データの消去確認後にそのフラ
グワードRF1-1 が消去される。この動作により、計数
部データ消去直前あるいは消去動作中に電源断等のトラ
ブルが発生しデータが不確定となっても、既に書込が終
了しているフラグワードRF1-1 を電源オン時に検索す
ることにより、トラブルの発生を知ることが可能であ
る。
【0044】また、フラグワードRF1-1 の書込あるい
は消去時に同様のトラブルが発生したとしても、既に消
去あるいは書込が終了している計数部データを検索する
ことにより、データの信憑性は保存される。以上のよう
に、電源オン時に、計数部データとフラグワードRF
1-1 を検索することにより、電源オフ時の正しい保存デ
ータを読み出すことが可能である。
【0045】次に、積算値書換用フラグワードRF1-2
〜RF1-4 も同様に、各積算値A〜Cの書換直前にオー
ル1を書込、積算部42データの書換終了後に消去す
る。積算部42は、積算値A〜Cの3ワードだけでも、
それらの多数決により1ワードのデータ化けの検出、修
正は可能であるが、3ワード共異なるデータとなった場
合は修正不可能である。仮に2番目に書換が行われるワ
ード(例えば積算値B)の書換動作中に、電源オフ等の
トラブルが発生した場合には、3ワード共異なったデー
タとなりうる。
【0046】これに対して、電源オン時に積算部42デ
ータとフラグ部43の積算値書換用フラグワードRF
1-2 〜RF1-4 を検索することにより、電源オフ時の正
しい保存データを読み出すことが可能である。なお、フ
ラグ部43の各フラグワードRF1-1 〜RF1-4 を5ビ
ットで構成する理由は、自身のビット故障を救済するた
めである。
【0047】上記説明のEEPROM40の書換シーケ
ンスのフローチャートを、図及び図に示す。図
通常時の書換シーケンスを示すフローチャートである。
ステップ100(以下単にS100と呼ぶ。以下同
様。)で計数部41から計数値データを読み出し、S1
10,120で、ビット故障を考慮して多数決処理を行
いながら結果をインクリメントして計数部41に書き込
む。そして、S130で、200kmになったか否か
(すなわち計数部41にデータが全て埋め込まれたか否
か)を判断し、200kmになっていない場合は、S1
40で積算値A〜Cを読み出して、一旦処理を終了す
る。
【0048】一方、S130で200kmになった場合
(計数部41にデータが全て埋め込まれた場合)は、S
150に移行して、積算値A〜Cを読み出し、ビット故
障を考慮して多数決処理を行ってその結果インクリメン
トする。そして、まずS160で計数部41消去用のフ
ラグワードRF1-1 を書き込んだ後、S170で計数部
41を全て消去する。
【0049】続くS180〜S230で積算値A〜Cの
書換を行うのであるが、まず、積算値A書換用のフラグ
ワードRF1-2 を書き込んだ後で、積算値Aを書き換え
(S180,190)、同様に、積算値B書換用のフラ
グワードRF1-3 を書き込んだ後で、積算値Bを書き換
え(S200,210)、積算値C書換用のフラグワー
ドRF1-4 を書き込んだ後で、積算値Cを書き換える
(S220,230)。
【0050】そして、その後、フラグ部43の各フラグ
ワードRF1-1 〜RF1-4 を全て消去して、本処理を終
了する。一方、図は電源オン時の書換シーケンスを示
すフローチャートである。まず、S300でフラグ部4
3の各フラグワードRF1-1 〜RF1-4 の値(フラグ
値)を読み込み、S310〜S340において順に、計
数部41が消去中か否か(S310)、積算値Aが書換
中か否か(S320)、積算値Bが書換中か否か(S3
30)、積算値Cが書換中か否か(S340)をそれぞ
れ判断する。
【0051】そして、S310〜S340において全て
否定判断の場合、すなわち、計数部41及び積算部42
において消去中あるいは書換中には中断されていない場
合には、S350で計数値、S360で積算値A〜Cを
それぞれ読み出して一旦処理を終了する。
【0052】一方、S310〜S340において肯定判
断の時には、各場合に続く処理であるS370〜S40
0の処理を行ってから、各場合とも、S410以下の処
理を行う。まず、計数部41が消去中の場合(S31
0:YES)には、積算値A〜Cを読み出し、多数決処
理を行ってその結果をインクリメントする(S37
0)。また、積算値Aが書換中の場合(S320:YE
S)にも、積算値A〜Cを読み出し、多数決処理を行っ
てその結果をインクリメントする(S380)。この場
合は積算値Aが書換中であり、積算値Aのみが不確定で
あるので、積算値A〜Cを多数決処理すれば確定でき
る。
【0053】一方、積算値Bが書換中の場合(S33
0:YES)には、積算値A〜Cを読み出し、積算値C
をインクリメントしてから多数決処理を行う(S39
0)。この場合は積算値Bが書換中であり不確定であ
る。また、積算値Aは確定であり書換は終了している。
積算値Cは確定であり書換前である。よって、積算値C
をインクリメントして積算値A〜Cの多数決処理をする
ことにより確定できる。
【0054】また、積算値Cが書換中の場合(S34
0:YES)には、積算値A〜Cを読み出して多数決処
理を行う(S400)。この場合は積算値Cが書換中で
あり不確定である。また積算値A、Bは確定であるた
め、単に積算値A〜Cの多数決処理をすることにより確
定できる。
【0055】この後の、S410〜S490の処理は、
上述した通常時の書換シーケンスを示すフローチャート
(図)におけるS160〜S240の処理と同じなの
で、説明は省略する。なお、本実施例は、請求項記載
の発明に係る場合であり、図に示した各手段との対応
を簡単に説明しておくと、上記図におけるS160,
170の処理の実行が桁上げ手段として働き、S180
〜S230の処理の実行が書換手段として働く。また、
S240の処理の実行が上位桁用消去手段及び下位桁用
消去手段として働く。
【0056】一方、図における計数部41が下位桁用
データ収納領域に対応し、積算部42が上位桁用データ
収納領域に対応する。従って、フラグ部43の計数部消
去用フラグワードRF1-1 が下位桁用フラグワードとし
て働き、積算値書換用フラグワードRF1-2 〜RF1-4
が上位桁用フラグワードとして働く。
【0057】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。上述した実施例では不
揮発性記憶素子の代表としてEEPROM41を用いた
が、他にも例えばフロッピーディスクや磁気テープ等の
ように、データの書換最中にデータの破壊が起こる可能
性がある記憶素子であれば有効に適用できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の不
揮発性カウンタによれば、データ収納領域におけるデー
タの書込・消去動作の最中に種々の理由でその動作が中
断されても、常に保存データの信憑性を確保することが
できる。
【0059】また、請求項記載の不揮発性カウンタに
よれば、上位桁用又は下位桁用データ収納領域における
データの書込・消去動作最中の動作中断があっても、電
源オン時に該当するデータ及びフラグワードを検索して
電源オフ時の正しい保存データを読み出すことにより、
確実な最終データを得ることが可能である。従って、常
に保存データの信憑性を確保することができる。そして
また、必然的に書換回数の多くなる下位桁については、
工程能力により制限される限界を超える書換回数を要求
された場合でもそれに対応でき、保存データの信憑性確
保に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1記載の不揮発性カウンタの基本的構
成を例示するブロック図である。
【図2】 請求項2記載の不揮発性カウンタの基本的構
成を例示するブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例の不揮発性カウンタを電子
オドメータに適用したシステムの概略ブロック図であ
る。
【図4】 本実施例のEEPROM内のメモリマップを
示す説明図である。
【図5】 読出データ多数決処理の具体例における正常
時の読出処理を示す説明図である。
【図6】 読出データ多数決処理の具体例における異常
ビット存在時の読出処理を示す説明図である。
【図7】 BCDコード及び埋め込みコードでデータを
構成した場合の両者の書換回数の比較の一例を示す説明
図である。
【図8】 通常時の書換シーケンスを示すフローチャー
トである。
【図9】 電源オン時の書換シーケンスを示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
A〜C…積算値、 RF1-1 …計数部消去用フラグ
ワード、RF1-2 〜RF1-4 …積算値書換用フラグワー
ド、41…計数部、 42…積算部、 43…フラ
グ部、 50…車速センサ、60…入力回路、 70…
駆動回路、 80…表示器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−2618(JP,A) 特開 平4−140609(JP,A) 特開 昭59−196414(JP,A) 特開 平4−320108(JP,A) 特開 平6−82266(JP,A) 特開 昭63−115005(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H03K 21/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的に消去・書込可能な不揮発性記憶
    素子に記憶されたデータを、所定のカウント値に基づい
    て更新し、カウント動作を行う不揮発性カウンタであっ
    て、前記 不揮発性記憶素子が、 1種類のデータに対して3つ以上設けられたデータ収納
    領域と、 それら各データ収納領域にそれぞれ対応して設けられた
    フラグワード収納領域と、を有すると共に、前記 データ収納領域のデータを書き換える際には、一の
    データ収納領域のデータ書換及びそのデータ収納領域に
    対応する前記フラグワード収納領域へのフラグワード書
    込をセットにして、前記フラグワード収納領域へ所定の
    フラグワードを書き込んだ後に前記データ収納領域のデ
    ータを書き換えることを、書換対象のデータ収納領域に
    対応する分だけ順次行う書換手段と、 該書換手段によるデータ書換が終了した後に、前記書き
    込まれたフラグワードを消去する消去手段と、 を備えたことを特徴とする不揮発性カウンタ。
  2. 【請求項2】 電気的に消去・書込可能な不揮発性記憶
    素子に記憶されたデータを、所定のカウント値に基づい
    て更新し、カウント動作を行う不揮発性カウンタであっ
    て、前記 不揮発性記憶素子が、 最大計数桁数を桁順に複数区分に分割された各区分毎に
    設けられ、所定の上位桁対応区分については、1種類の
    データに対して3つ以上設けられた上位桁用データ収納
    領域と、 所定の下位桁対応区分については、所定カウント値毎の
    イベントに応じて1ビットずつデータを順に書き込んで
    いくための複数のセルから構成された下位桁用データ収
    納領域と、前記 各上位桁用データ収納領域にそれぞれ対応して設け
    られた上位桁用フラグワード収納領域と、前記 下位桁用データ収納領域に対応して設けられた下位
    桁用フラグワード収納領域と、を有すると共に、前記 上位桁用データ収納領域のデータを書き換える際に
    は、一の上位桁用データ収納領域のデータ書換及びその
    上位桁用データ収納領域に対応する前記上位桁用フラグ
    ワード収納領域へのフラグワード書込をセットにして、
    前記上位桁用フラグワード収納領域へ所定のフラグワー
    ドを書き込んだ後に前記上位桁用データ収納領域のデー
    タを書き換えることを、書換対象の上位桁用データ収納
    領域に対応する分だけ順次行う書換手段と、 該書換手段によるデータ書換が終了した後に、前記書き
    込まれた上位桁用フラグワードを消去する上位桁用消去
    手段と、前記 下位桁対応区分のデータ収納領域において、所定の
    桁上げ数に該当するセルにデータが書き込まれ、桁上げ
    のため消去する際には、前記下位桁用フラグワード収納
    領域に所定の下位桁用フラグワードを書き込んだ後に、
    前記下位桁用データ収納領域のデータの消去を行う桁上
    げ手段と、 該桁上げ手段によるデータ消去が終了した後に、前記
    き込まれた下位桁用フラグワードを消去する下位桁用消
    去手段と、 を備えたことを特徴とする不揮発性カウンタ。
  3. 【請求項3】 前記不揮発性カウンタは、データの書換
    最中にデータの破壊が起こる可能性がある記憶素子から
    構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の不
    揮発性カウンタ。
  4. 【請求項4】 前記記憶素子は、EEPROMであるこ
    とを特徴とする請求項に記載の不揮発性カウンタ。
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