JP2910042B2 - 光学情報記録媒体 - Google Patents

光学情報記録媒体

Info

Publication number
JP2910042B2
JP2910042B2 JP63334296A JP33429688A JP2910042B2 JP 2910042 B2 JP2910042 B2 JP 2910042B2 JP 63334296 A JP63334296 A JP 63334296A JP 33429688 A JP33429688 A JP 33429688A JP 2910042 B2 JP2910042 B2 JP 2910042B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical information
information recording
recording
recording medium
reflectance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63334296A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02179791A (ja
Inventor
典之 岸井
伸行 松澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP63334296A priority Critical patent/JP2910042B2/ja
Priority to EP89124102A priority patent/EP0376327B1/en
Priority to DE68923777T priority patent/DE68923777T2/de
Priority to US07/458,457 priority patent/US5079135A/en
Publication of JPH02179791A publication Critical patent/JPH02179791A/ja
Priority to HK98106791A priority patent/HK1007621A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP2910042B2 publication Critical patent/JP2910042B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Thermal Transfer Or Thermal Recording In General (AREA)
  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、有機色素層を記録層とする光学情報記録媒
体に関し、特に有機色素の選択に関する。
〔発明の概要〕
本発明は、基板上に有機色素を含む記録層が形成され
てなる光学情報記録媒体において、上記有機色素として
置換アミノフタロシアニンを選択することにより、読出
し耐久性に優れる光学情報記録媒体の提供を図るもので
ある。
〔従来の技術〕
近年、情報記録の分野においては光学情報記録方式に
関する研究が各所で進められている。この光学情報記録
方式は、非接触で記録・再生が行えること、磁気記録媒
体に比べて一桁以上も高い記録密度が達成できること、
再生専用型,追記型,書換え可能型のそれぞれのメモリ
ー形態に対応できること等の数々の利点を有し、安価な
大容量ファイルの実現を可能とする方式として産業用か
ら民生用まで幅広い用途の考えられているものである。
上述のメモリー形態のうち追記型、エンドユーザーに
おいて記録と再生とが行えるものであり、消去ができな
いことから、主にデータの長期保存用ファイルとして使
用される。記録に際しては、記録材料がレーザー光の光
エネルギーを吸収して熱エネルギーに変換することによ
り生ずる記録層の局部的な非可逆的物理変化を利用して
いる。この非可逆的物理変化としては、記録層の形状変
化(ピットの形成)、表面性変化、結晶状態変化等が知
られている。
現在実用化されている追記型光学情報記録媒体は、そ
のほとんどがテルル合金またはテルル化合物を記録材料
とするものである。しかし近年、媒体の耐蝕性,量産
性,経済性等をより向上させる観点から、これらテルル
系材料に代わって有機色素が注目されている。上記有機
色素は、記録再生に使用される半導体レーザーの近赤外
領域において大きな吸収とある程度の反射を示すことが
必要であり、これまでにメチン系色素,ベンゼンジチオ
ールニッケル錯体,金属フタロシアニン色素,ナフトキ
ノン系色素等が知られている。
一方、書換え可能型とは文字どおり記録情報を消去し
て再記録を可能とするものであり、記録・再生可能なデ
ィジタル・ディスク(いわゆるコンパクト・ディスク
等),ビデオディスク,データメモリー,画像編集用メ
モリー等の非常に広範囲な用途の考えられているもので
ある。この場合、レーザー光の照射により記録層あるい
は該記録層に隣接する他の層に生ずる物理変化は可逆的
でなければならず、幾つかのタイプのものが提案されて
いる。
たとえば、実開昭59−82342号公報および1983年第30
回応用物理学会講演集(講演番号7a−X−8)には、基
板上に光吸収層と熱可塑性層とを順次形成した書換え可
能型の光学情報記録媒体が提案されている。この技術に
よると、光吸収層の光熱変換作用によりレーザー光の照
射部において熱可塑性層が局所的に変形して記録が行わ
れ、媒体全体を加熱することにより消去が行われる。
また特開昭58−224449号公報には、反射率の高い基板
の上に低分子量の熱可塑性樹脂に光吸収体を分散させた
記録層を必要に応じて中間断熱層を介して形成した光学
情報記録媒体が開示されている。この場合は、消去は媒
体全体の加熱によってもレーザー光の照射によっても可
能である。
さらにオプティカル・データ・ストーレージ(Optica
l Data Storage),第10巻,155ページ,1987年には、光
吸収体を含有し記録レーザー光の照射によって変形する
第1の層と、別の光吸収体を含有し消去レーザー光によ
って変形する第2の層とが基板上に順次形成された光学
情報記録媒体が提案されている。この光学情報記録媒体
によると、まず記録時には記録レーザー光の照射によっ
て第1層が変形すると共に第2層に応力が及ぼされ、消
去時には前記記録レーザー光とは異なる波長のレーザー
光を照射することにより蓄積された応力が開放される。
前述の有機色素は、これらの書換え可能型光学情報記
録媒体の光吸収体としても適用できる可能性があり、研
究が進められている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで従来、光吸収体として使用されていた有機色
素には幾つかの特性上の欠点があった。
たとえば、シアニン系色素は光劣化を起こし易く、単
独では実用に耐えない。また、フタロシアニン系色素は
耐光性には優れる反面、多くの溶媒に難溶であり、記録
層を塗布によって形成することができない。その上、色
素単体では半導体レーザー光の波長領域に吸収帯を持た
ないので、会合体を形成させる等の工夫を要する。しか
し、仮に会合体が形成されたとしても、熱可塑性材料や
他の有機色素と混合することにより感度が低下したり、
あるいは会合が解消されて吸収が消失する虞れがある。
また、色々なメモリ形態のうち特に書換え可能型の光
学情報記録媒体の高信頼化と普及を図るにあたっては、
さらに考慮すべき点が残されている。すなわち、上述の
ような従来の技術においては、記録・再生あるいは消去
に関与する部分が2層以上の多層構造とされているこ
と、有機色素が大量の熱可塑性樹脂中に分散されている
こと、あるいは使用するレーザー光の波長が単一でない
ために周辺機器の構成が複雑になること等の問題点があ
り、必ずしも生産性,操作性,経済性等に優れていると
は言えないのが現状だからである。
そこで本発明は、上述の問題を解決し、単純な媒体構
成により信頼性の高い記録・再生、あるいはこれらに加
えて消去も行うことのできる光学情報記録媒体の提供を
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上述の目的を達成するために検討を重ね
た結果、有機色素として置換アミノフタロシアニンを使
用することにより従来の問題点が解決されることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち本発明にかかる光学情報記録媒体は、基板上
に置換アミノフタロシアニンを含む記録層を設けてなる
ことを特徴とするものである。
まず、本発明において使用される置換アミノフタロシ
アニンは、次の一般式(I)で表される化合物である。
上記一般式(I)で表される化合物はいわゆるフリー
ベース型の置換アミノフタロシアニン色素である。な
お、フタロシアニン骨格の最中央部に位置する窒素原子
上の水素原子2原子が金属原子で置換され、金属錯体と
なっていても良い。式中、K1〜K4は置換アミノ基を表す
が、この置換アミノ基としては、ヘキシルアミノ基、ド
デシルアミノ基、プロピルアミノ基が挙げられる。
上述のような置換アミノフタロシアニンは、記録光と
なる半導体レーザー光の波長領域(780nm)に吸収帯を
持つ。これは、会合状態においてのみ吸収を示す従来の
フタロシアニン系色素とは大きく異なる性質であり、結
合剤あるいは他の有機色素との混合も可能となる。しか
も上記置換アミノフタロシアニンは、上記波長領域にお
いて15%程度、あるいはそれより大きい反射率を有して
いる。従来の光学情報記録媒体では、記録・再生に同一
波長の半導体レーザー光を利用しようとすると光吸収体
の吸光度と反射率のバランスをとることが難しいため、
一般には反射率を補うために記録層の上に金属反射層を
積層すること等が行われていた。しかし、上記置換アミ
ノフタロシアニンを含む記録層は、このような金属反射
層を特に必要とはしない。
また、上記置換アミノフタロシアニンは熱分解温度が
370℃以上であり、かつ300℃未満で溶融する。したがっ
て、半導体レーザー光による通常の使用条件下では熱分
解を起こす虞れはなく、優れた光熱変換特性が失われる
ことはない。
記録情報の再生に際しては、記録層に既に生じている
物理変化に影響を与えない程度のパワーの半導体レーザ
ー光を照射して、反射率の変化を検出する。
また記録情報の消去に際しては、媒体全体を色素の熱
分解温度を越えない範囲で加熱するか、あるいは記録光
と同等以上のパワーを有する半導体レーザー光によりピ
ットを再び平坦化するかのいずれかの方法がとられる。
後者の方法によれば、記録情報の選択的な消去が可能と
なる。このとき、半導体レーザー光の焦点位置は、既に
形成されているピットの真上であっても、若干ずれた位
置であっても良い。
上述の置換アミノフタロシアニンを用いて光学情報記
録媒体を作成するには、この有機色素を適当な溶媒に溶
解し、ポリカーボネート,PMMA(ポリメチルメタクリレ
ート),ガラス等の基板上に塗布した後、乾燥させて記
録層を形成すれば良い。
ここで、上記溶媒としては基板を溶解する等の影響を
与えない化合物を適宜選択することが必要である。たと
えば基板の材料としてポリカーボネートを使用する場合
には、ヘキサン系溶媒、セロソルブ系溶媒、ヒドロキシ
ケトン系溶媒等が好適である。本発明の置換アミノフタ
ロシアニンはこれらの溶媒に可溶である。
さらに特性向上を目的として、ニッケル錯体やヒンダ
ードアミン等の各種添加剤を、また成膜性を向上させる
目的で高分子結合剤等を添加しても良い。
以上の有機色素、各種添加剤、高分子結合剤等は、上
述の有機溶媒中に各々の濃度が0.5〜5重量%程度とな
るように溶解されることが好ましい。
塗布方法としてはスピンコート法、ドクターブレード
法、グラビアコート法、ウェッブコート法等が適用可能
であるが、なかでもスピンコート法と特に実用性が高
い。
なお、この光学情報記録媒体には必要に応じて下地
膜、保護膜、金属反射膜等が形成されていても良い。
〔作用〕
本発明において使用される置換アミノフタロシアニン
は、会合体等を形成しなくとも色素単体で半導体レーザ
ー光を吸収し、融解する。したがって、このような置換
アミノフタロシアニンを含む記録層に半導体レーザー光
が照射されると、照射部位において局部的に色素が融解
し、記録層にピットが形成される。この物理変化は、置
換アミノフタロシアニン分子中の置換アミノ基の種類を
適宜選択することにより可逆的とも非可逆的ともなる。
上記物理変化が可逆的である場合、記録光と同等以上の
パワーを有する半導体レーザー光を既に形成されている
ピットあるいはその近傍に照射することにより記録層が
平坦化され、再記録が可能となる。本発明では、このよ
うな物理変化が有機色素のみによって担われ、熱可塑性
層や記録層への熱可塑性材料の混入等を必要としない。
したがって、耐久性の向上や作成上の観点からも有利で
ある。
また、上記置換アミノフタロシアニンは熱分解温度が
従来のシアニン色素等に比べて高く、レーザー光の照射
を受けて融解・固化を繰り返しても劣化を生じない。さ
らに、汎用の溶媒に可溶であるため、各種の塗布方法に
よる記録層の形成が可能である。
〔実施例〕
以下、本発明の好適な実施例について実験結果にもと
づいて説明する。
まず、置換アミノフタロシアニンの一例として、以下
の経路によりテトラヘキシルアミノフタロシアニンを合
成した。
まず、ニトロフタロジニトリル にアルカリ金属アルコラートを作用させて縮合させ、テ
トラニトロフタロシアニン を得た。このとき、アルカリ金属アルコラートの代わり
にたとえば金属や金属塩を作用させると、加熱反応によ
り金属錯体が得られる。
次に、上記テトラニトロフタロシアニン を塩化カルシウムの存在下、熱水中で硫化ナトリウム
(Na2S)を用いて還元することにより、高収率でテト
ラアミノフタロシアニン が得られた。
さらに、上記テトラアミノフタロシアニン に固体水酸化ナトリウム,テトラ(n−ブチル)アンモ
ニウムの共存下で1−ブロモ−n−ヘキサンを作用させ
ることにより、テトラヘキシルアミノフタロシアニン を合成した。第1図に、アセトン中で測定したテトラヘ
キシルアミノフタロシアニン の吸収スペクトルを示す。この図より、この化合物の吸
収極大波長は750nmであるが、半導体レーザーの波長で
ある780nmにおいても十分な吸収を示すことがわかる。
固体膜での複素屈折率は1.996−0.468i(780nm)であっ
た。色素単体としてのこのような光学的性質は、従来の
フタロシアニン誘導体にはみられなかったものである。
なお、上記臭化ヘキシルの代わりに種々のアルキルハ
ライドを使用することにより、対応する置換基をアミノ
基の窒素原子上に導入することができる。本発明者ら
は、アルキルハライドとして1−ブロモプロパンおよび
1−ブロモ−n−ドデカンを作用させ、それぞれテトラ
プロピルアミノフタロシアニンおよびテトラドデシルア
ミノフタロシアニンも同様に合成した。これらの化合物
も、色素単体で半導体レーザー光を十分に吸収できるこ
とが確認され、780nmにおける前者の複素屈折率は2.245
−0.649i、後者の複素屈折率は1.844−0.363iであっ
た。
次に、これらの置換アミノフタロシアニンを用いて実
際に光学情報記録媒体を作成し、諸特性を調べた。
実施例1 本実施例は、ポリカーボネートからなる基板上にテト
ラヘキシルアミノフタロシアニンからなる記録層を設け
た光学情報記録媒体の例である。
まず、ジアセトンアルコールにテトラヘキシルアミノ
フタロシアニンを濃度が1〜2重量%となるように溶解
し、塗料を調製した。
次に、中央に直径1.5cmの回転装置結合用の穴を有
し、信号記録部にグルーブが予め形成されている直径12
cmのポリカーボネート基板をスピンコーターにセットし
た。
このポリカーボネート基板の回転数を700〜3000rpmの
範囲で変化させながら種々の層厚の塗膜を形成した後、
乾燥させて記録層とし、光学情報記録媒体を完成した。
上述の光学情報記録媒体をライトワンス型の媒体とし
て使用する場合の特性を検討した。
まず、記録層の層厚を700Åとした場合について、波
長780nmの半導体レーザー光を開口数0.6のレンズでビー
ムスポット径1μm程度に絞り、パワー8mW,パルス幅8
μsecで記録を行った。続いて同じ波長の半導体レーザ
ー光のパワーを0.5mW,パルス幅を1.1μsecとして再生を
行った。この再生を10万回繰り返す過程において、反射
率の変化を調べた結果を第2図に示す。図中、縦軸は反
射率(%)、横軸は再生回数(×1000回)を表す。初期
反射率は21.42%である。10万回再生後の最終反射率は2
1.26%であり、初期反射率の99%以上の値に維持されて
いた。つまり、テトラヘキシルアミノフタロシアニンは
光劣化をほとんど起こさず、極めて安定な記録層を形成
する化合物であり、このような記録層を有する光学情報
記録媒体はまずライトワンス型の媒体として極めて好適
な性能を有していることが確認された。
このテトラヘキシルアミノフタロシアニンは、別の示
差熱分析から分解点が375℃であることがわかり、従来
一般的に使用されているシアニン系色素(日本感光色素
社製;商品名NK−125,後述の比較例参照。)の191℃と
比べてかなり高くなっていた。この事実からも、本実施
例にかかる光学情報記録媒体の優れた耐久性が裏付けら
れる。
次に、この光学情報記録媒体の書換え可能型媒体とし
ての可能性について検討した。すなわち、スピンコート
時の基板の回転数を700rpmとして層厚約2500Åの記録層
を形成した場合について、波長780nmの半導体レーザー
光のパワーを8mW,パルス幅を8μsecとして記録を行
い、同じく10mW,100μsecとして先の記録情報の消去を
行い、再び上述の記録条件にて再記録を行った。再生光
のパワーは0.5mW,パルス幅は1.1μsecとした。このよう
な記録/消去サイクルを繰り返す過程において、反射率
の変化を調べた結果を第3図に示す。図中、縦軸は反射
率(%)、横軸は記録/消去サイクル数(回)を表す。
また、白三角(△)のプロットは初期反射率、白丸
(○)のプロットは記録後の反射率、黒丸(●)のプロ
ットは消去後の反射率をそれぞれ表す。この図より、記
録/消去サイクルの2回目以降は記録後の反射率が初期
反射率よりも増大しているものの、これに伴って消去後
の反射率も増大しているので両者の間には有意な反射率
の差が存在しており、しかもこの差は再現性良く現れて
いる。この結果をみる限り、本実施例にかかる光学情報
記録媒体は少なくとも10回の記録/消去サイクルに耐え
る書換え可能型の媒体であることがわかる。
なお、記録層の層厚が1500Å未満の場合には満足な記
録/消去特性が現れず、書換え可能型の媒体を提供する
ためには記録層の最適範囲が存在することが示唆され
た。
実施例2 本実施例は、ポリカーボネートからなる基板上にテト
ラドデシルアミノフタロシアニンからなる記録層を設け
た光学情報記録媒体の例である。
媒体の作成は、上述の実施例1に記載した手順に準じ
て行った。記録層の乾燥後の厚層は1500Åであった。
上記光学情報記録媒体のライトワンス型媒体としての
特性を調べた。すなわち、まず波長780nmの半導体レー
ザー光のパワーを8mW,パルス幅を8μsecとして記録を
行い、続いて同じ波長の半導体レーザー光のパワーを0.
5mW,パルス幅を1μsecとして再生を行った。この再生
を10万回繰り返す過程において、反射率の変化を調べた
結果を第4図に示す。図中、縦軸は反射率(%)、横軸
は再生回数(×1000回)を表す。初期反射率は14.21%
である。10万回再生後の最終反射率は10.45%であり、
初期反射率の73%以上に維持されていた。したがって、
上記光学情報記録媒体は、ライトワンス型の媒体として
十分な性能を有している。
示差熱分析によるテトラドデシルアミノフタロシアニ
ンの分解点は397℃であり、色素自身が優れた耐熱性を
有していることも確認された。
実施例3 本実施例は、ポリカーボネートからなる基板上にテト
ラプロピルアミノフタロシアニンからなる記録層を設け
た光学情報記録媒体の例である。
媒体の作成は、上述の実施例1に記載した手順に準じ
て行った。記録層の乾燥後の層厚は1000Åであった。
上記光学情報記録媒体のライトワンス型媒体としての
特性を実施例2に記載した方法に準じて調べた結果を第
5図に示す。初期反射率は20.88%である。10万回再生
後の最終反射率は16.23%であり、初期反射率の78%以
上に維持されていた。したがって、上記光学情報記録媒
体は、ライトワンス型の媒体として十分な性能を有して
いる。
この光学情報記録媒体については書換え可能型媒体と
しての性能も検討したが、消去特性の再現性にやや劣っ
ていた。したがって、書換え可能型媒体が実現されるか
否かは置換アミノ基の種類に依存することが示唆され
る。
比較例 本比較例は、ポリカーボネートからなる基板上にシア
ニン系色素を記録材料とする有機色素層を形成して光学
情報記録媒体を製造した例である。
まず、2−ヒドロキシ−2−メチル−3−ブタノンに
以下の構造式 で表されるシアニン系色素(日本感光色素社製,商品名
NK−125)を濃度が3重量%となるように溶解し、塗料
を調製した。
次に、実施例1と同様にポリカーボネート基板上にス
ピンコートにより層厚700Åの記録層を形成し、光学情
報記録媒体を作成した。
記録は波長780nmの半導体レーザー光のパワーを8mW,
パルス幅を8μsecとして行い、続いて再生を同じ波長
の半導体レーザー光のパワーを0.5mW,パルス幅を1μse
cとして行った。この再生を10万回繰り返す過程におい
て、反射率の変化を調べた結果を第5図に示す。図中、
縦軸は反射率(%)、横軸は再生回数(×1000回)を表
す。初期反射率は36.73%である。10万回再生後の最終
反射率は26.01%であり、初期反射率の70%に低下して
いた。
上記シアニン系色素の分解点は示差熱分析から191℃
と低いこともわかっており、耐熱性も不十分である。
以上、本発明の置換アミノフタロシアニンは優れた再
生耐久性と耐熱性を有することが明らかとなったが、最
後に記録層の層厚と再生耐久性の関係について調べた。
すなわち、各色素について種々の層厚の記録層を形成し
た光学情報記録媒体を作成し、再生可能回数を測定し
た。ここで再生可能回数とは、再生前の初期反射率を
R1,開口数0.6のレンズを介して波長780nm,パワー0.5m
W,パルス幅1μsecの半導体レーザー光をn回照射して
再生した後の最終反射率をR2とするとき、次式の関係を
満足し得る回数nと定義した。
(R1−R2)/R1=0.3 つまり、初期反射率と最終反射率の差が初期反射率の
30%に増加するまでに可能な再生回数である。比較のた
めに、同様の測定をシアニン系色素NK−125についても
行った。この結果を第7図に示す。図中、縦軸は再生可
能回数(回)、横軸は記録層の層厚(Å)を示す。ま
た、白三角(△)のプロットはテトラドデシルアミノフ
タロシアニン、黒三角(▲)のプロットはテトラヘキシ
ルアミノフタロシアニン、白丸(○)のプロットはテト
ラプロピルアミノフタロシアニン、黒丸(●)のプロッ
トはシアニン系色素NK−125を記録層とした場合をそれ
ぞれ表す。同一の層厚で比較すると、本発明にかかる置
換アミノフタロシアニンはいずれもシアニン系色素NK−
125よりも優れた再生耐久性を有していることが明らか
である。
〔発明の効果〕
以上の説明からも明らかなように、本発明を適用すれ
ば、色素を単独で成膜して記録層としてもその優れた光
熱変換作用により十分な大きさの反射率の変化が生じ
る。したがって、光学情報記録媒体の構成を簡略化する
ことができ、経済性や生産性が向上する。また、本発明
で使用される置換アミノフタロシアニンは、汎用の溶媒
に溶解することができ、色素単体で半導体レーザーの波
長領域に吸収を有し、しかも光劣化をほとんど起こさな
い安定な化合物であるため、長期の使用に耐える信頼性
の高い光学情報記録媒体の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図はテトラヘキシルアミノフタロシアニンの吸収ス
ペクトルである。第2図はテトラヘキシルアミノフタロ
シアニンからなる記録層を有する光学情報記録媒体の繰
返し再生における反射率変化を示す特性図である。第3
図はテトラヘキシルアミノフタロシアニンからなる記録
層を有する光学情報記録媒体の記録/消去サイクルにお
ける反射率変化を示す特性図である。第4図はテトラド
デシルアミノフタロシアニンからなる記録層を有する光
学情報記録媒体の繰返し再生における反射率変化を示す
特性図である。第5図はテトラプロピルアミノフタロシ
アニンからなる記録層を有する光学情報記録媒体の繰返
し再生における反射率変化を示す特性図である。第6図
は比較例としてシアニン色素からなる記録層を有する光
学情報記録媒体の繰返し再生における反射率変化を示す
特性図である。第7図は再生耐久性と記録層の層厚との
関係を示す特性図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−233887(JP,A) 特開 昭63−242588(JP,A) 特開 昭64−31692(JP,A) 特開 平1−133790(JP,A) 特開 平1−176585(JP,A) 特開 平1−198391(JP,A) 特開 平1−297293(JP,A) 特開 平1−210388(JP,A) 特開 平2−1374(JP,A) 特開 平2−39991(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にテトラヘキシルアミノフタロシア
    ニン、テトラドデシルアミノフタロシアニン、テトラプ
    ロピルアミノフタロシアニンから選ばれる少なくとも1
    種を含む記録層を設けてなることを特徴とする光学情報
    記録媒体。
JP63334296A 1988-12-29 1988-12-29 光学情報記録媒体 Expired - Lifetime JP2910042B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63334296A JP2910042B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 光学情報記録媒体
EP89124102A EP0376327B1 (en) 1988-12-29 1989-12-28 Optical recording medium
DE68923777T DE68923777T2 (de) 1988-12-29 1989-12-28 Medium für optische Aufzeichnung.
US07/458,457 US5079135A (en) 1988-12-29 1989-12-28 Optical recording medium
HK98106791A HK1007621A1 (en) 1988-12-29 1998-06-25 Optical recording medium

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63334296A JP2910042B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 光学情報記録媒体

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9242988A Division JP3063700B2 (ja) 1997-09-08 1997-09-08 光学情報記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02179791A JPH02179791A (ja) 1990-07-12
JP2910042B2 true JP2910042B2 (ja) 1999-06-23

Family

ID=18275756

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63334296A Expired - Lifetime JP2910042B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 光学情報記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2910042B2 (ja)

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63149188A (ja) * 1986-12-13 1988-06-21 Toyobo Co Ltd 光記録媒体
JPS649794A (en) * 1987-07-02 1989-01-13 Toyo Boseki Optical recording medium
JPS63242588A (ja) * 1987-03-30 1988-10-07 Toyobo Co Ltd 光記録媒体
JPS6414088A (en) * 1987-07-07 1989-01-18 Toyo Boseki Optical recording medium
JPS63233887A (ja) * 1987-03-23 1988-09-29 Toyobo Co Ltd 光学記録媒体
JPS63306091A (ja) * 1987-06-05 1988-12-14 Toyobo Co Ltd 光記録媒体
JPS6431692A (en) * 1987-07-29 1989-02-01 Toyo Boseki Optical record medium
JPH01133790A (ja) * 1987-08-14 1989-05-25 Toyo Ink Mfg Co Ltd 光学記録媒体
JPH01176585A (ja) * 1987-12-29 1989-07-12 Toyo Ink Mfg Co Ltd 光学記録媒体
JPH01198391A (ja) * 1988-02-03 1989-08-09 Toyo Ink Mfg Co Ltd 光学記録媒体
JP2545569B2 (ja) * 1988-02-18 1996-10-23 東洋インキ製造株式会社 光学記録媒体
JP2603851B2 (ja) * 1988-04-21 1997-04-23 ダイセル化学工業株式会社 光情報記録媒体
JP2507781B2 (ja) * 1988-05-26 1996-06-19 東洋インキ製造株式会社 光学記録媒体
JP2545580B2 (ja) * 1988-06-06 1996-10-23 東洋インキ製造株式会社 光学記録媒体
JPH0239991A (ja) * 1988-07-29 1990-02-08 Toyo Ink Mfg Co Ltd 光学記録媒体

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02179791A (ja) 1990-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20020028918A1 (en) Styryl dyes
JP3561009B2 (ja) 記録可能な光学要素
JPH0512715A (ja) 光記録媒体
WO2001019923A1 (fr) Colorant de styryle
JP2736241B2 (ja) 電荷移動錯体を用いた光記録媒体
US4783386A (en) Use of anthracyanine and phenanthracyanine chromophores in optical information media
US5516568A (en) Optical recording medium
JPS62175939A (ja) 記録媒体
JP2910042B2 (ja) 光学情報記録媒体
US5356685A (en) Recordable optical element having a leuco dye
JP3063700B2 (ja) 光学情報記録媒体
JP3232512B2 (ja) シアニン色素
JP3841534B2 (ja) 光学記録材料
Pearson Polymeric optical disk recording media
JPH0461638A (ja) 光記録媒体
JPS6214345A (ja) 光デイスクおよび光記録方法
JP2678219B2 (ja) 光記録媒体へのデータ固定方法,光記録媒体,及びデータ記録装置
JPH0316785A (ja) 光記録媒体
JPS61239444A (ja) レ−ザ光感熱記録媒体
KR0170684B1 (ko) 광기록 매체
JP3088501B2 (ja) 情報記録媒体
JP2697770B2 (ja) 光学記録及び再生方法
JPH04141489A (ja) 光学記録媒体
JPS63281240A (ja) 情報記録媒体およびその製造法
JP2001348500A (ja) シアニン色素

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080409

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 10

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090409

Year of fee payment: 10