JP2908618B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP2908618B2
JP2908618B2 JP27346291A JP27346291A JP2908618B2 JP 2908618 B2 JP2908618 B2 JP 2908618B2 JP 27346291 A JP27346291 A JP 27346291A JP 27346291 A JP27346291 A JP 27346291A JP 2908618 B2 JP2908618 B2 JP 2908618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関し、特に写真製版用に用いられる超硬調ハロゲン
化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真製版の分野においては、印刷物の多
様性、複雑性に対処するために、オリジナル再現性の良
好な写真感光材料、安定な処理液あるいは、補充の簡易
化などの要望がある。特に線画撮影工程における、原稿
は写植文字、手書きの文字、イラスト、網点化された写
真などが貼り込まれて作られる。したがって原稿には、
濃度や、線巾の異なる画像が混在し、これらの原稿を再
現よく仕上げる製版カメラ、写真感光材料あるいは、画
像形成方法が強く望まれている。一方、カタログや、大
型ポスターの製版には、網写真の拡大(目伸し)あるい
は縮小(目縮め)が広く行なわれ、網点を拡大して用い
る製版では、線数が粗くなりボケた点の撮影となる。縮
小では原稿よりさらに線数/インチが大きく細い点の撮
影になる。従って網階調の再現性を維持するためより一
層広くラチチュードを有する画像形成方法が要求されて
いる。広いラチチュードの要望に応えるシステムとして
塩臭化銀(すくなくとも塩化銀含有率が50%以上)か
ら成るリス型ハロゲン化銀感光材料を、亜硫酸イオンの
有効濃度をきわめて低くした(通常0.1モル/リット
ル以下)ハイドロキノン現像液で処理することにより、
画像部と非画像部が明瞭に区別された、高いコントラス
トと高い黒化濃度をもつ線画あるいは網点画像を得る方
法が知られている。しかしこの方法では現像液中の亜硫
酸濃度が低いため、現像は空気酸化に対して極めて不安
定であり、液活性を安定に保つためにさまざまな努力と
工夫がなされて使用されていたり、処理スピードが著し
く遅く、作業効率を低下させているのが現状であった。
【0003】このため、上記のような現像方法(リス現
像システム)による画像形成の不安定さを解消し、良好
な保存安定性を有する処理液で現像し、超硬調な写真特
性が得られる画像形成システムが要望され、その1つと
して米国特許4,166,742号、同4,168,9
77号、同4,221,857号、同4,224,40
1号、同4,243,739号、同4,272,606
号、同4,311,781号にみられるように、特定の
アシルヒドラジン化合物を添加した表面潜像型ハロゲン
化銀写真感光材料を、pH11.0〜12.3で亜硫酸
保恒剤を0.15モル/リットル以上含み、良好な保存
安定性を有する現像液で処理して、γが10を越える超
硬調のネガ画像を形成するシステムが提案された。しか
しながら上記画像形成システムは、大量のフィルムが処
理されることによって現像液のpHが低下したり臭素イ
オン濃度が上昇することによって、感度、γ、あるいは
最高濃度が低下するという欠点をもっている。一方、フ
ィルムの処理枚数が少ない状態では現像液の経時疲労に
より、保恒剤として導入されている亜硫酸濃度が著しく
減少したり、pHが上昇したりすると黒ポツが多発し、
同時に最大濃度が低下するという欠点を有していた。こ
れらの欠点を解決するためには現像液の補充量を増量す
る方法がある。この方法は現像液コストの上昇、廃液等
の問題があり、補充量の増量によらないで感度の変動、
Dmaxの低下あるいは、黒ポツの発生の少ないシステムが
強く望まれていた。
【0004】ところでテルル化合物を使って化学増感す
ることについては、カナダ特許第800958号、英国
特許第1295462号、同第1396696号、米国
特許第3531289号などに記載されており、乳剤の
高感度化に効果があること、特に米国特許第35312
89号においては有機チオエーテル化合物とロジウム塩
の存在下で調製したAgBrCl及びAgCl乳剤をテ
ルル化合物で化合増感することが記載されている。また
米国特許第3772031号には粒子形成時にテルル化
合物をドープすることが記載されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、高感度、高コントラスト(例えばγで10以上)で
高い黒化濃度を得ることのできるハロゲン化銀写真感光
材料及び画像形成方法を提供することにある。本発明の
第2の目的は、大量のフィルムを処理することによって
pHが低下したり、臭素イオン濃度が増加しても濃度、
γおよびDmaxの低下が少ないハロゲン化銀写真感光材料
を提供することである。本発明の第3の目的は、黒ポツ
の改良されたハロゲン化銀写真感光材料を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有し、
該乳剤層又はその他の親水性コロイド層の少なくとも1
層にヒドラジン誘導体を含有することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料において、該乳剤層が銀1モル当
たり1×10-8モル以上の下記一般式(I)および(I
I)で表わされるテルル化合物によって化学増感された
ハロゲン化銀を含むことを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料によって達成された。 一般式(I)
【0007】
【化5】
【0008】式中、R1 、R2 およびR3 は脂肪族基、
芳香族基、複素環基、OR4 、NR5(R6)、SR7 、O
SiR8(R9)( R10)、Xまたは水素原子を表す。R4
およびR7 は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子
またはカチオンを表し、R5 およびR6 は脂肪族基、芳
香族基、複素環基または水素原子を表し、R8 、R9
よびR10は脂肪族基を表し、Xはハロゲン原子を表す。
【0009】次に一般式(I)について、詳細に説明す
る。一般式(I)において、R1 、R2 、R3 、R4
5 、R6 、R7 、R8 、R9 およびR10で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特
に炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基であ
る。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラル
キル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル
基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−ブテニル基、
3−ペンテニル基、プロパルギル基、3−ペンチニル
基、ベンジル基、フェネチル基等があげられる。一般式
(I)において、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6
およびR7 で表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜
30のものであって、特に炭素数6〜20の単環または
縮環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル
基があげられる。一般式(I)において、R1 、R2
3 、R4 、R5 、R6 およびR7 で表される複素環基
は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のうち少なくとも
一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不飽和の複素環
基である。これらは単環であってもよいし、さらに他の
芳香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素
環基としては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素環基
であり、例えばピリジル基、フリル基、チエニル基、チ
アゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基等
があげられる。一般式(I)において、R4 およびR7
で表されるカチオンはアルカリ金属、アンモニウムを表
す。一般式(I)においてXで表されるハロゲン原子
は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子および沃素
原子を表す。
【0010】また、この脂肪族基、芳香族基および複素
環基は置換されていてもよい。置換基としては以下のも
のがあげられる。代表的な置換基としては例えば、アル
キル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、
アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ
基、アシルアミノ基、ウレイド基、ウレタン基、スルホ
ニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ス
ルホニル基、スルフィニル基、アルキルオキシカルボニ
ル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、アシル
オキシ基、リン酸アミド基、ジアシルアミノ基、イミド
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ハロゲン原子、
シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホ
スホノ基、ニトロ基、およびヘテロ環基等があげられ
る。これらの基はさらに置換されていてもよい。置換基
が2つ以上あるときは同じでも異なっていてもよい。R
1 、R2 、R3 は互いに結合してリン原子と一緒に環を
形成してもよく、また、R5 とR6 は結合して含窒素複
素環を形成してもよい。一般式(I)中、好ましくはR
1 、R2 およびR3 は脂肪族基または芳香族基を表し、
より好ましくはアルキル基または芳香族基を表す。 一般式(II)
【0011】
【化6】
【0012】式中、R11は脂肪族基、芳香族基、複素環
基または−NR13(R14)を表し、R12は−NR15(R
16)、−N(R17)N(R18)R19または−OR20を表
す。R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19および
20は水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基または
アシル基を表す。ここでR11とR15、R11とR17、R11
とR18、R11とR20、R13とR15、R13とR17、R13
18およびR13とR20は結合して環を形成してもよい。
【0013】次に一般式(II)について詳細に説明す
る。一般式(II)において、R11、R13、R14、R15
16、R17、R18、R19およびR20で表される脂肪族基
は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭素
数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アル
ケニル基、アルキニル基、アラルキル基である。アルキ
ル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n−デ
シル基、n−ヘキサデシル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテ
ニル基、プロパルギル基、3−ペンチニル基、ベンジル
基、フェネチル基等があげられる。一般式(II)におい
て、R11、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19
およびR20で表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜
30のものであって、特に炭素数6〜20の単環または
縮環のアリール基であり、例えばフェニル基、ナフチル
基があげられる。一般式(II)において、R11、R13
14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20で表さ
れる複素環基は窒素原子、酸素原子および硫黄原子のう
ち少なくとも一つを含む3〜10員環の飽和もしくは不
飽和の複素環基である。これらは単環であってもよい
し、さらに他の芳香環もしくは複素環と縮合環を形成し
てもよい。複素環基としては、好ましくは5〜6員環の
芳香族複素環基であり、例えばピリジル基、フリル基、
チエニル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ベンズイ
ミダゾリル基等があげられる。
【0014】一般式(II)において、R13、R14
15、R16、R17、R18、R19およびR20で表されるア
シル基は好ましくは炭素数1〜30のものであって、特
に炭素数1〜20の直鎖または分岐のアシル基であり、
例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロ
イル基、デカノイル基等があげられる。ここでR11とR
15、R11とR17、R11とR18、R11とR20、R13
15、R13とR17、R13とR18およびR13とR20が結合
して環を形成する場合は例えばアルキレン基、アリーレ
ン基、アラルキレン基またはアルケニレン基等があげら
れる。また、この脂肪族基、芳香族基および複素環基は
一般式(I)であげた置換基で置換されていてもよい。
一般式(II)中、好ましくはR11は脂肪族基、芳香族基
または−NR13(R14)を表し、R12は−NR
15(R16)を表す。R13、R14、R15およびR16は脂肪
族基または芳香族基を表す。一般式(II)中、より好ま
しくはR11は芳香族基または−NR13(R14)を表し、
12は−NR15(R16)を表す。R13、R14、R15およ
びR16はアルキル基または芳香族基を表す。ここで、R
11とR15およびR13とR15はアルキレン基、アリーレン
基、アラルキレン基またはアルケニレン基を介して環を
形成することもより好ましい。以下に本発明の一般式
(I)および(II)で表される化合物の具体例を示す
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
【化7】
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】
【化15】
【0024】本発明の一般式(I)および(II)で表さ
れる化合物は既に知られている方法に準じて合成するこ
とができる。例えばジャーナル・オブ・ケミカル・ソサ
イアティ( J.Chem.Soc.(A))1969、2927;ジャ
ーナル・オブ・オルガノメタリック・ケミストリー(J.
Organomet.Chem.)4、320(1965); ibid,1、
200(1963); ibid,113、C35(197
6);フォスフォラス・サルファー(Phosphorus Sulfu
r)15、155(1983);ヘミッシェ・ベリヒテ
(Chem.Ber.)109、2996(1976);ジャーナ
ル・オブ・ケミカル・ソサイアティ・ケミカル・コミュ
ニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)635(19
80); ibid,1102(1979); ibid,645
(1979);ibid,820(1987);ジャーナル
・オブ・ケミカル・ソサイアティ・パーキン・トランザ
クション(J.Chem.Soc.Perkin.Trans.) 1、2191
(1980);ザ・ケミストリー・オブ・オルガノ・セ
レニウム・アンド・テルリウム・カンパウンズ(The Ch
emistry of Organo Selenium and Tellurium Compound
s) 2巻の216〜267(1987)に記載の方法で
合成することができる。本発明に使用されるテルル増感
剤の添加量は、用いるテルル増感剤の活性度、ハロゲン
化銀の種類や大きさ、熟成の温度及び時間などにより異
なるが、好ましくは、ハロゲン化銀1モル当り1×10
-8モル以上である。より好ましくは1×10-7モル以上
1×10-5モル以下である。テルル増感剤を用いた場合
の化学熟成の温度は好ましくは45℃以上である。より
好ましくは50℃以上、80℃以下である。pAg及び
pHは任意である。例えばpHは4から9までの広い範
囲で効果は得られる。テルル増感は、ハロゲン化銀溶剤
の存在下で行うことにより、より効果的である。
【0025】本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、
下記一般式(V)によって表わされる化合物が好まし
い。 一般式(V)
【0026】
【化16】
【0027】式中、R21は脂肪族基または芳香族基を表
わし、R22は水素原子、アルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヒドラジ
ノ基を表わし、G21は−CO−基、−SO2 −基、−S
O−基、−P(O)(R23−基、−CO−CO−基、チオ
カルボニル基又はイミノメチレン基を表わし、A21、A
22はともに水素原子あるいは一方が水素原子で他方が置
換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、又は置換も
しくは無置換のアリールスルホニル基、又は置換もしく
は無置換のアシル基を表わす。R23はR22に定義した基
と同じ範囲内より選ばれ、R22と異ってもよい。一般式
(V)において、R21で表される脂肪族基は好ましくは
炭素数1〜30のものであって、特に炭素数1〜20の
直鎖、分岐または環状のアルキル基である。このアルキ
ル基は置換基を有していてもよい。一般式(V)におい
てR21で表される芳香族基は単環または2環のアリール
基または不飽和ヘテロ環基である。ここで不飽和ヘテロ
環基はアリール基と縮環していてもよい。R21として好
ましいものはアリール基であり、特に好ましくはベンゼ
ン環を含むものである。R21の脂肪族基または芳香族基
は置換されていてもよく、代表的な置換基としては例え
ばアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニ
ル基、アルコキシ基、アリール基、置換アミノ基、ウレ
イド基、ウレタン基、アリールオキシ基、スルファモイ
ル基、カルバモイル基、アルキルまたはアリールチオ
基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アルキルま
たはアリールスルフィニル基、ヒドロキシ基、ハロゲン
原子、シアノ基、スルホ基、アリールオキシカルボニル
基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アシルオキシ
基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、カルボキシ
ル基、リン酸アミド基、ジアシルアミノ基、イミド基、
24−NH−CO−N(R25−CO−基(R24とR25
22で定義したと同じ基の中から選ばれ互いに異っても
よい)などが挙げられ、好ましい置換基としてはアルキ
ル基(好ましくは炭素数1〜20のもの)、アラルキル
基(好ましくは炭素数7〜30のもの)、アルコキシ基
(好ましくは炭素数1〜20のもの)、置換アミノ基
(好ましくは炭素数1〜20のアルキル基で置換された
アミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜3
0を持つもの)、スルホンアミド基(好ましくは炭素数
1〜30を持つもの)、ウレイド基(好ましくは炭素数
1〜30を持つもの)、リン酸アミド基(好ましくは炭
素数1〜30のもの)などである。これらの基はさらに
置換されていても良い。
【0028】一般式(V)においてR22で表わされるア
ルキル基としては、好ましくは炭素数1〜4のアルキル
基であり、アリール基としては単環または2環のアリー
ル基が好ましい(例えばベンゼン環を含むもの)。G21
が−CO−基の場合、R22で表わされる基のうち好まし
いものは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基、
トリフルオロメチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3
−メタンスルホンアミドプロピル基、フェニルスルホニ
ルメチル基など)、アラルキル基(例えば、o−ヒドロ
キシベンジル基など)、アリール基(例えば、フェニル
基、3,5−ジクロロフェニル基、o−メタンスルホン
アミドフェニル基、4−メタンスルホニルフェニル基、
2−ヒドロキシメチルフェニル基など)などであり、特
に水素原子が好ましい。R22は置換されていても良く、
置換基としては、R21に関して列挙した置換基が適用で
きる。一般式(V)のGとしては−CO−基が最も好ま
しい。又、R22はG21−R22の部分を残余分子から分裂
させ、−G21−R22部分の原子を含む環式構造を生成さ
せる環化反応を生起するようなものであってもよく、そ
の例としては例えば特開昭63−29751号などに記
載のものが挙げられる。A21、A22としては水素原子が
最も好ましい。一般式(V)のR21またはR22はその中
にカプラー等の不動性写真用添加剤において常用されて
いるバラスト基またはポリマーが組み込まれているもの
でもよい。バラスト基は8以上の炭素数を有する写真性
に対して比較的不活性な基であり、例えばアルキル基、
アルコキシ基、フェニル基、アルキルフェニル基、フェ
ノキシ基、アルキルフェノキシ基などの中から選ぶこと
ができる。またポリマーとして例えば特開平1−100
530号に記載のものが挙げられる。一般式(V)のR
21またはR22はその中にハロゲン化銀粒子表面に対する
吸着を強める基が組み込まれているものでもよい。かか
る吸着基としては、チオ尿素基、複素環チオアミド基、
メルカプト複素環基、トリアゾール基などの米国特許第
4,385,108号、同4,459,347号、特開
昭59−195,233号、同59−200,231
号、同59−201,045号、同59−201,04
6号、同59−201,047号、同59−201,0
48号、同59−201,049号、同61−170,
733号、同61−270,744号、同62−948
号、同63−234,244号、同63−234,24
5号、同63−234,246号に記載された基が挙げ
られる。一般式(V)で示される化合物の具体例を以下
に示す。但し本発明は以下の化合物に限定されるもので
はない。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
【化24】
【0037】本発明におけるヒドラジン誘導体の添加量
としてはハロゲン化銀1モルあたり1×10-6モルない
し5×10-2モル含有されるのが好ましく、特に1×1
-5モルないし2×10-2モルの範囲が好ましい添加量
である。
【0038】本発明においては下記一般式(III) で表わ
される化合物を用いることが好ましい。本発明で用いら
れる一般式(III) の化合物は、特開昭61−2983
7、同62−124830、同62−124831、同
62−218644、同62−218645にヒドラジ
ンとの組み合わせの記載および米国特許第4,147,
547号にカラー用ハロゲン化銀写真感光材料のカブリ
抑制剤としての記載がある。次に一般式(III) で表わさ
れる実質的に可視域に吸収極大をもたない化合物につい
て説明する。 一般式(III)
【0039】
【化25】
【0040】Z31及びZ32は各々ベンゾオキサゾール
核、ベンゾチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフ
トオキサゾール核、ナフトチアゾール核、ナフトセレナ
ゾール核、チアゾール核、チアゾリン核、オキサゾール
核、セレナゾール核、セレナゾリン核、ピリジン核又は
キノリン核を完成するに必要な非金属原子群を表わす。
31及びR32は各々アルキル基またはアラルキル基を表
わす。Xは電荷バランス対イオンであり、nは0又は1
を表わす。ここで、一般式(III) がラジカル体となる場
合には、好ましくは、Z31、Z32で示される原子群また
はR31、R32に示される基から水素原子が1個離脱した
ものであり、特にR31、R32から水素原子が1個離脱し
たものが好ましい。また、一般式(III) において、置換
基として酸基を有したもの(例えばR31、R32が酸基を
有したアルキル基またはアラルキル基)においては、そ
れ自体が一般式(III) で示される化合物となりうる。一
般式(III) において、Z31及びZ32で形成される複素環
として好ましくはベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾ
ール核、ナフトオキサゾール核、ナフトチアゾール核、
チアゾール核、またはオキサゾール核であり、更に好ま
しくは、ベンゾオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、
またはナフトオキサゾール核であり、最も好ましくは、
ベンゾオキサゾール核またはナフトオキサゾール核であ
る。一般式(III) において、Z31又はZ32で形成される
複素環は少くとも一つの置換基で置換されていてもよ
く、その置換基としてはハロゲン原子(例えば弗素、塩
素、臭素、沃素)、ニトロ基、アルキル基(好ましくは
炭素数1〜4のもの、例えばメチル基、エチル基、トリ
フルオロメチル基、ベンジル基、フェネチル基)、アリ
ール基(例えばフェニル基)、アルコキシ基(好ましく
は炭素数1〜4のもの、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基)、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜5のも
の、例えばエトキシカルボニル基)、ヒドロキシ基、シ
アノ基等を挙げる事ができる。
【0041】一般式(III) でZ31及びZ32に関し、ベン
ゾチアゾール核としては、例えばベンゾチアゾール、5
−クロロベンゾチアゾール、5−ニトロベンゾチアゾー
ル、5−メチルベンゾチアゾール、6−ブロモベンゾチ
アゾール、5−ヨードベンゾチアゾール、5−フェニル
ベンゾチアゾール、5−メトキシベンゾチアゾール、6
−メトキシベンゾチアゾール、5−カルボキシベンゾチ
アゾール、5−エトキシカルボニルベンゾチアゾール、
5−フルオロベンゾチアゾール、5−クロロ−6−メチ
ルベンゾチアゾール、5−トリフルオロメチルベンゾチ
アゾール、などを、ナフトチアゾール核としては例え
ば、ナフト〔2,1−d〕チアゾール、ナフト〔1,2
−d〕チアゾール、ナフト〔2,3−d〕チアゾール、
5−メトキシナフト〔1,2−d〕チアゾール、5−メ
トキシナフト〔2,3−d〕チアゾール、などを、ベン
ゾセレナゾール核としては例えば、ベンゾセレナゾー
ル、5−クロロベンゾセレナゾール、5−メトキシベン
ゾセレナゾール、5−ヒドロキシベンゾセレナゾール、
5−クロロ−6−メチルベンゾセレナゾール、などを、
ナフトセレナゾール核としては例えば、ナフト〔1,2
−d〕セレナゾール、ナフト〔2,1−d〕セレナゾー
ルなどを、チアゾール核としては例えば、チアゾール
核、4−メチルチアゾール核、4−フェニルチアゾール
核、4,5−ジメチルチアゾール核、などを、チアゾリ
ン核としては例えば、チアゾリン核、4−メチルチアゾ
リン核などを挙げられる。
【0042】一般式(III) においてZ31及びZ32に関
し、ベンゾオキサゾール核としては例えば、ベンゾオキ
サゾール核、5−クロロベンゾオキサゾール核、5−メ
チルベンゾオキサゾール核、5−ブロモベンゾオキサゾ
ール核、5−フルオロベンゾオキサゾール核、5−フェ
ニルベンゾオキサゾール核、5−メトキシベンゾオキサ
ゾール核、5−エトキシベンゾオキサゾール核、5−ト
リフルオロメチルベンゾオキサゾール核、5−ヒドロキ
シベンゾオキサゾール核、5−カルボキシベンゾオキサ
ゾール核、6−メチルベンゾオキサゾール核、6−クロ
ロベンゾオキサゾール核、6−メトキシベンゾオキサゾ
ール核、6−ヒドロキシベンゾオキサゾール核、5,6
−ジメチルベンゾオキサゾール核などを、ナフトオキサ
ゾール核としては例えば、ナフト〔2,1−d〕オキサ
ゾール核、ナフト〔1,2−d〕オキサゾール核、ナフ
ト〔2,3−d〕オキサゾール核、5−メトキシナフト
〔1,2−d〕オキサゾール核、などを挙げる事ができ
る。更にZ31及びZ32に関し、オキサゾール核としては
例えば、オキサゾール核、4−メチルオキサゾール核、
4−フェニルオキサゾール核、4−メトキシオキサゾー
ル核、4,5−ジメチルオキサゾール核、5−フェニル
オキサゾール核又は4−メトキシオキサゾール核など
を、ピリジン核としては例えば2−ピリジン核、4−ピ
リジン核、5−メチル−2−ピリジン核、3−メチル−
4−ピリジン核などを、又キノリン核としては例えば、
2−キノリン核、4−キノリン核、3−メチル−2−キ
ノリン核、5−エチル−2−キノリン核、8−フルオロ
−2−キノリン核、6−メトキシ−2−キノリン核、8
−クロロ−4−キノリン核、8−メチル−4−キノリン
核、などを挙げる事ができる。
【0043】一般式(III) において、R31及びR32で表
わされるアルキル基は無置換及び置換アルキル基を含
み、無置換アルキル基としては、炭素原子の数が18以
下、特に8以下が好ましく、例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、
n−オクタデシル基などがあげられる。また、置換アル
キル基としては、アルキル部分の炭素数原子の数が6以
下のものが好ましく、特に炭素原子の数が4以下のもの
が好ましく、例えば、スルホ基で置換されたアルキル基
(スルホ基はアルコキシ基やアリール基等を介して結合
していてもよい。例えば2−スルホエチル基、3−スル
ホプロピル基、3−スルホブチル基、4−スルホブチル
基、2−(3−スルホプロポキシ)エチル基、2−〔2
−(3−スルホプロポキシ)エトキシ〕エチル基、2−
ヒドロキシ−3−スルホプロピル基、p−スルホフェネ
チル基、p−スルホフェニルプロピル基など)カルボキ
シ基で置換されたアルキル基(カルボキシ基はアルコキ
シ基やアリール基等を介して結合していてもよい。例え
ば、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3
−カルボキシプロピル基、4−カルボキシブチル基、な
ど)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシ
エチル基、3−ヒドロキシプロピル基、など)、アシロ
キシアルキル基(例えば、2−アセトキシエチル基、3
−アセトキシプロピル基など)、アルコキシアルキル基
(例えば2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル
基、など)、アルコキシカルボニルアルキル基(例え
ば、2−メトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカ
ルボニルプロピル基、4−エトキシカルボニルブチル
基、など)、ビニル基置換アルキル基(例えばアリル
基)、シアノアルキル基(例えば2−シアノエチル基な
ど)、カルバモイルアルキル基(例えば2−カルバモイ
ルエチル基など)、アリーロキシアルキル基(例えば2
−フェノキシエチル基、3−フェノキシプロピル基な
ど)、アラルキル基(例えば2−フェネチル基、3−フ
ェニルプロピル基など)、又はアリーロキシアルキル基
(例えば2−フェノキシエチル基、3−フェノキシプロ
ピル基など)などがあげられる。
【0044】R31、R32で示される置換基としては、特
に、少なくとも一方がスルホ基もしくはカルボキシル基
を有したアルキル基であることが好ましい。電荷バラン
ス対イオンXは、複素環中の四級アンモニウム塩で生じ
た正電荷を相殺することができる任意の陰イオンであ
り、例えば、臭素イオン、塩素イオン、沃素イオン、p
−トルエンスルホン酸イオン、エチルスルホン酸イオ
ン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イ
オン、チオシアンイオンなどである。この場合nは1で
ある。複素環四級アンモニウム塩がさらにスルホアルキ
ル置換基のような陰イオン置換基を含む場合は、塩はベ
タインの形をとることができ、その場合には対イオンは
必要なく、nは0である。複素環四級アンモニウム塩が
2個の陰イオン置換基、たとえば2個のスルホアルキル
基を有する場合には、Xは陽イオンであり、例えばアル
カリ金属イオン(ナトリウムイオン、カリウムイオンな
ど)やアンモニウム塩(トリエチルアンモニウムなど)
などがあげられる。ここで、「実質的に可視光域に吸収
極大を持たない」化合物とは写真感光材料上の残色が実
用上問題のないレベル以下の色調をもつ化合物を意味
し、より詳しくは、現像処理後の残色が実用上問題のな
いレベル以下の色調をもつ化合物である。好ましくは、
上記化合物のメタノール中での吸収極大が460nm以
下のもの、より好ましくは430nm以下のものであ
る。一般式(III) で示される化合物の具体例を以下に示
す。但し本発明は以下の化合物に限定されるものではな
い。
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】
【化28】
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】本発明においてはさらに下記一般式(IV)で
表わされる酸ポリマーを併用することが好ましい。 一般式(IV)
【0051】
【化31】
【0052】A:エチレン性不飽和モノマーと共重合可
能なエチレン性不飽和モノカルボン酸又はモノカルボン
酸塩から誘導されるくり返し単位(モノマー単位)を表
わす。 B:多官能性架橋剤から誘導されるくり返し単位(モノ
マー単位)を表わす。 C:A、B以外のエチレン性不飽和モノマーを表わす。 X:30〜100モル% Y:0〜50モル% Z:0〜50モル% 一般式(IV)の構造式で表わされる酸ポリマーについて、
詳しく説明する。xの値としては、40〜100モル
%、特に50〜100モル%であることが好ましい。一
般式(IV)のAの例としては下記のものをあげることがで
きる。
【0053】
【化32】
【0054】マレイン酸、フタル酸、Bの例としてはジ
ビニルベンゼン、トリビニルシクロヘキサン、トリビニ
ルベンゼン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,4−
ジビニルベンゼン、不飽和酸と不飽和アルコールとのエ
ステルたとえばビニルクロトネート、アリルメタクリレ
ート、アリルクロトネート、不飽和酸と多官能性アルコ
ールとのエステルたとえばトリメチロールプロパントリ
メタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキ
サンジオール−ジアクリレート、1,5−ペンタンジオ
ール−ジアクリレート、ペンタエリスリトール−トリア
クリレート、テトラエチレングリコール−ジアクリレー
ト、トリエチレングリコール−ジアクリレート、不飽和
アルコールと多官能性の酸とのエステルたとえばジエチ
ルフタレート、不飽和ポリエーテルたとえばトリエチレ
ングリコール−ジビニルエーテル、あるいは、水溶性の
ビスアクリルアミドたとえばメチレン−ビス−アクリル
アミド、グリオキサル−ビス−アクリルアミド、N,
N′−ジヒドロキシエチレン−ビス−アクリルアミド、
N,N′−シスタミン−ビス−アクリルアミド、トリア
クリリル−ジエチレントリアミン、ポリエーテルのアク
リル酸(またはメタクリル酸)エステルたとえばポリエ
チレングリコール−ジアクリレート(またはジメタクリ
レート)、ジビニルスルホンなどがある。特に好ましい
B成分は、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジ
メタクリルである。C成分としては、アルキルアクリレ
ート、アルキルメタクリレート、エチレン、プロピレ
ン、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、等
をあげることができる。次に好ましい酸ポリマーの具体
例を示す。
【0055】
【化33】
【0056】
【化34】
【0057】これらの酸ポリマーの合成例については、
特開昭62−220947に、記載されている。これら
の酸ポリマーの使用例については、特開昭61−228
437、特開昭62−220947、特開昭62−22
2242、特開昭62−232640、特開昭62−2
32641、特開昭62−247351などに記載があ
る。これらの酸ポリマーの使用量は1平方メートル当り
0.01〜10g、特に0.2〜3gであることが好ま
しい。これらの酸ポリマーの添加場所としてはハロゲン
化銀乳剤層が好ましいがその他の親水性コロイド層でも
よい。
【0058】本発明の感光材料に用いられるその他の各
種添加剤、現像処理方法に関しては特に制限はなく、例
えば下記に示す該当個所に記載されたものを好ましく用
いることが出来る。 項 目 該 当 個 所 1.造核促進剤 特開平2-103536号公報第9頁右上欄13行目から同第 16頁左上欄10行目。 2.ハロゲン化銀乳剤と 特開平2-97937 号公報第20頁右下欄12行目から同第 その製法 21頁左下欄14行目及び特開平2-12236 号公報第7頁 右上欄19行目から同第8 頁左下欄12行目。 3.分光増感色素 特開平2-12236 号公報第8頁左下欄13行目から同右 下欄4行目及び特開平2-103536号公報第16頁右下欄 3行目から同第17頁左下欄20行目。 4.界面活性剤・帯電防 特開平2-12236 号公報第9頁右上欄7行目から同右 止剤 下欄7行目及び特開平2-18542 号公報第2頁左下欄 13行目から同第4頁右下欄18行目。 5.カブリ防止剤・安定 特開平2-103526号公報第17頁右下欄19行目から同第 剤 18頁右上欄4行目及び同右下欄1行目から5行目。 6.ポリマーラテックス 同第18頁左下欄12行目から同20行目。 7.マット剤・滑り剤・ 同第19頁左上欄15行目から同第19頁右上欄15行目。 可塑剤 8.硬膜剤 特開平2-103536号公報第18頁右上欄5行目から同17 行目。 9.染料 同第17頁右下欄1行目から同18行目。 10. バインダー 特開平2-18542 号公報第3頁右下欄1行目から20行 目。 11. 現像液及び現像方法 特開平2-103536号公報第19頁右上欄16行目から同第 21頁左上欄8行目。 12. レドックス化合物 特開平2-301743号公報の一般式(I)で表わされる 化合物(特に化合物例1〜50) 。 13. モノメチン化合物 特開平2-287532号公報の一般式(II) で表わされる 化合物(特に化合物例II〜1、II−26) 。
【0059】
【実施例】
実施例1 以下に述べる方法で乳剤〔A〕、〔B〕、〔C〕及び
〔D〕を調整した。 〔乳剤A〕0.37モルの硝酸銀水溶液と、銀1モルあ
たり1×10-7モルに相当する(NH4)3RhCl6 と2×10
-7モルのK3IrCl6 、0.11モルの臭化カリウムと0.
27モルの塩化ナトリウムを含むハロゲン塩水溶液を、
塩化ナトリウムと、1,3−ジメチル−2−イミダゾリ
ジンチオンを含有するゼラチン水溶液に、攪拌しながら
40℃で12分間ダブルジェット法により添加し、平均
粒子サイズ0.20μm、塩化銀含有率70モル%の塩
臭化銀粒子を得ることにより核形成を行なった。続いて
同様に0.63モルの硝酸銀水溶液と、0.19モルの
臭化カリウムと、0.47モルの塩化ナトリウムを含む
ハロゲン塩水溶液をダブルジェット法により、20分間
かけて添加した。その後常法に従ってフロキュレーショ
ン法により水洗し、ゼラチン40gを加え、pH5.
3、pAg7.5に調整し、さらに銀1モルあたりベン
ゼンチオスルホン酸ナトリウム7mgおよび塩化金酸8mg
を加え、チオ硫酸ナトリウム及び一般式(I)または一
般式(II)で表わされるテルル化合物を表3のように加
え、60℃で45分間加熱し、化学増感処理を施し、安
定剤として1,3,3a,7−テトラザインデン150
mgおよび防腐剤としてプロキセルを加えた。さらに銀1
モルあたり1×10-3モルに相当するKI溶液を加え、
10分間経時させた。得られた粒子は平均粒子サイズ
0.28μm、塩化銀含量70モル%の立方体粒子であ
った。(変動係数9%) 〔乳剤B〕乳剤Aと同様の方法でハロゲン塩水溶液の臭
化カリウム量及び塩化ナトリウム量を調整して塩化銀含
有55モル%の塩臭化銀粒子を得た。その後の水洗、化
学増感処理は乳剤Aと同様に行い、平均粒径0.28μ
m、塩化銀含有55モル%の塩臭化銀粒子を得た。 〔乳剤C〕乳剤Aと同様の方法で、ハロゲン塩水溶液の
臭化カリウム量及び塩化ナトリウム量を調整して、塩化
銀含有40モル%の塩臭化銀粒子を得た。その後、水
洗、化学増感処理は乳剤Aと同様に行い、平均粒径0.
28μm、塩化銀含有40モル%の塩臭化銀粒子を得
た。 〔乳剤D〕乳剤Aと同様の方法で塩化銀含有率70モル
%の塩臭化銀粒子を得た。その後常法に従ってフロキュ
レーション法により水洗し、ゼラチン40gを加え、p
H6.5、pAg7.5に調整し、さらに銀1モルあた
りベンゼンチオスルホン酸ナトリウム7mgおよびチオ硫
酸ナトリウム5mg及び塩化金酸8mgを加え、60℃で4
5分間加熱し、化学増感処理を施し、安定剤として1,
3,3a,7−テトラザインデン150mgおよび防腐剤
としてプロキセルを加えた。さらに銀1モルあたり1×
10-3モルに相当するKI溶液を加え、10分間経時さ
せた。得られた粒子は平均粒子サイズ0.28μm、塩
化銀含有70モル%の立方体粒子であった。(変動係数
9%)。以上のようにして得られた乳剤〔A〕、
〔B〕、〔C〕、〔D〕のハロゲン組成及び化学増感法
を表1にまとめた。
【0060】
【表1】
【0061】こうして得られた乳剤〔A〕、〔B〕、
〔C〕及び〔D〕に増感色素として銀1モルあたり1×
10-3モルの5−〔3−(4−スルホブチル)−5−ク
ロロ−2−オキサゾリジンデン〕−1−ヒドロキシエチ
ル−3−(2−ピリジン)−2−チオヒダントインを加
え、更に、一般式(V)で表わされるヒドラジン化合物
を表3のように加え、硬膜剤として1,3−ジビニル−
スルホニル−2−プロパノール(100mg/m2)を添加
した。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルム上
に塗布銀量3.6g/m2になるように塗布した。この上
に保護層としてゼラチン1.2g/m2、粒子サイズ約3
μの不定型なSiO2 マット剤40mg/m2、メタノール
シリカ0.1g/m2、ポリアクリルアミド100mg/
m2、ハイドロキノン200mg/m2とシリコーンオイル、
防腐剤としてプロキセルとフェノキシエタノール及び塗
布助剤として下記に示す〔A〕構造式で示されるフッ素
界面活性剤とドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム
を含む層を同時に塗布を行ない後に示す表3のように試
料を作製した。 構造式〔A〕
【0062】
【化35】
【0063】またバック層は次に示す処方にて塗布し
た。 〔バック層処方〕 ゼラチン 4g/m2 マット剤 ポリメチルメタアクリレート(粒子径3.0〜4.0μ) 10mg/m2 ラテックス ポリエチルアクリレート 2g/m2 界面活性剤 p−ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム 40mg/m2 フッ素系界面活性剤 保護層で用いた構造式〔A〕の化合物 5mg/m2 ゼラチン硬化剤 下記構造式〔B〕の化合物 110mg/m2 染料 下記染料〔a〕、〔b〕、及び〔c〕の混合物 染料〔a〕 50mg/m2 染料〔b〕 100mg/m2 染料〔c〕 50mg/m2 またバック層塗布液には防腐剤としてプロキセルとフェ
ノキシエタノールを加えた。 構造式〔B〕
【0064】
【化36】
【0065】写真特性1はこうして得られた試料をステ
ップウェッジを通してタングステン光源で露光し、表2
に示す現像液および富士写真フイルム(株)製GR−F
1および自動現像機FG−710Fを用いて、34℃3
0秒現像をおこない、感度、γの評価をおこなった結果
とする。
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】写真特性2は100%黒化のフジリスオル
ソフィルムGO−100大全サイズ(50.8cm×61
cm)を150枚処理した後の現像液で写真特性1と同様
の方法で処理した結果とする。感度は34℃30秒現像
における濃度がかぶり+0.1を与える露光量の対数で
表3の試料1−7の値を1とした。値の大きい方が高感
になるようにとった。γは34℃30秒現像におけるD
(濃度)=0.3からD=3.0の部分のγ値で示し
た。黒ポツは、表2の処方の現像液を1週間無補充で経
時疲労させ、pHが0.05上昇し、亜硫酸イオン濃度
が新液の50%に減少した状態で写真特性1と同様の方
法で処理を行い素現部分を顕微鏡観察により5段階に評
価した。「5」が最もよく「1」が最も悪い品質を表わ
す。「5」又は「4」は実用可能で「3」は粗悪だが、
ぎりぎり実用でき「2」又は「1」は実用不可である。
「4」と「3」の中間のものは「3.5」と評価した。
結果を表4に示した。表4より明らかなように、ヒドラ
ジ化合物を添加していない試料1−9はγが低く、製版
感材として必要な硬調な画像が得られていない。本発明
の一般式(I)の化合物で化学増感していない試料1−
7及び1−8は、製版感材として必要な硬調な画像は得
られるが、大量処理時の感度、階調Dmaxの低下が大き
く、また黒ポツも粗悪である。これに対して、本発明の
一般式(I)及び一般式(II)の化合物で化学増感され
た試料1−1〜6は、高感度である。このときの黒ポツ
及び処理依存性は良好である。構造式(V−13)、
(V−20)または(V−22)で表わされるヒドラジ
ン化合物を用いた時の結果は、構造式(V−7)で表わ
される化合物を用いたときの結果と同様に、高感度で黒
ポツ及び処理依存性は良好であった。
【0069】
【表4】
【0070】〔実施例2〕乳剤A及びDに実施例1と同
様に増感色素を添加し、更に化学式(III −3)で表わ
される短波シアニン色素または、化学式(IV−8)で表
わされる酸ポリマー及び化学式(V−7)で表わされる
ヒドラジン化合物を表5のように加え、更に硬膜剤1,
3−ジビニルスルホニル−2−プロパノール(200mg
/m2)を加えて、塗布液を得た。そして以下、実施例1
と全く同様にして保護層、バック層とともに塗布した。
こうして得られた試料を実施例1と全く同様の方法で評
価し表6に示した。表6より、テルル増感剤と短波シア
ニン色素を添加した試料2−2〜2−4及びテルル増感
剤と酸ポリマーを添加した試料2−5〜2−7は、試料
2−10、−11に比較して黒ポツ及び処理依存性が良
好である。構造式(V−13)、(V−20)または
(V−22)で表わされるヒドラジン化合物を用いた時
の結果は、構造式(V−7)で表わされる化合物の時と
の結果と同様に、高感度で黒ポツ及び処理依存性は良好
であった。
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 1/40 G03C 1/40 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/09 G03C 1/06 501

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有し、該乳剤層又はその他の親水性コロイド
    層の少なくとも1層にヒドラジン誘導体を含有するハロ
    ゲン化銀写真感光材料において、該乳剤層が銀1モル当
    たり1×10-8モル以上の下記一般式(I)および(I
    I)で表わされるテルル化合物の少なくとも1つによっ
    て化学増感されたハロゲン化銀を含むことを特徴とする
    ハロゲン化銀写真感光材料。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 、R2 およびR3 は脂肪族基、芳香族基、複
    素環基、OR4 、NR5 (R6)、SR7 、OSiR8(R
    9)(R10)、Xまたは水素原子を表わす。R4 およびR7
    は脂肪族基、芳香族基、複素環基、水素原子またはカチ
    オンを表し、R5 およびR6 は脂肪族基、芳香族基、複
    素環または水素原子を表し、R8 、R9 およびR10は脂
    肪族基を表し、Xはハロゲン原子を表わす。 一般式(II) 【化2】 式中、R11は脂肪族基、芳香族基、複素環基または−N
    13(R14)を表し、R12は−NR15(R16)、−N
    (R17)N(R18)R19または−OR20を表す。R13
    14、R15、R16、R17、R18、R19およびR20は水素
    原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基またはアシル基を
    表す。ここでR11とR15、R11とR17、R11とR18、R
    11とR20、R13とR15、R13とR17、R13とR18および
    13とR20は結合して環を形成してもよい。
  2. 【請求項2】 乳剤層中のハロゲン化銀が塩化銀含有量
    50モル%以上のハロゲン化銀であることを特徴とする
    請求項(1) に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 該乳剤層又はその他の親水性コロイド層
    の少なくとも1層に下記一般式(III) で表わされる実質
    的には、可視域に吸収極大を持たない化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項(1) に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。 一般式(III) 【化3】 31及びZ32は各々ベンゾオキサゾール核、ベンゾチア
    ゾール核、ベンゾセレナゾール核、ナフトオキサゾール
    核、ナフトチアゾール核、ナフトセレナゾール核、チア
    ゾール核、チアゾリン核、オキサゾール核、セレナゾー
    ル核、セレナゾリン核、ピリジン核又はキノリン核を完
    成するに必要な非金属原子群を表わす。R31及びR32
    各々アルキル基またはアラルキル基を表わす。Xは電荷
    バランス対イオンであり、nは0又は1を表わす。
  4. 【請求項4】 該乳剤層又はその他の親水性コロイド層
    の少なくとも1層に下記一般式(IV)で表わされる化合物
    を含有することを特徴とする請求項(1) に記載のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。 一般式(IV) 【化4】 A:エチレン性不飽和モノマーと共重合可能なエチレン
    性不飽和モノカルボン酸又はモノカルボン酸塩から誘導
    されるくり返し単位(モノマー単位)を表わす。 B:多官能性架橋剤から誘導されるくり返し単位を表わ
    す。 C:A、B以外のエチレン性不飽和モノマーを表わす。 X:30〜100モル% Y:0〜50モル% Z:0〜50モル%
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