JP2906003B2 - プレキャスト擁壁の施工方法 - Google Patents

プレキャスト擁壁の施工方法

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JP2906003B2
JP2906003B2 JP19714192A JP19714192A JP2906003B2 JP 2906003 B2 JP2906003 B2 JP 2906003B2 JP 19714192 A JP19714192 A JP 19714192A JP 19714192 A JP19714192 A JP 19714192A JP 2906003 B2 JP2906003 B2 JP 2906003B2
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和夫 上野
洋 岡田
敏彦 天野
英樹 吉川
治郎 岡本
則之 美甘
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Kyokuto Kogyo KK
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【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はプレキャスト擁壁の施工
方法に係るものである。
【０００２】
【従来の技術】この種の擁壁は通常現場打ちコンクリー
トによって施工されるが、現場打ち施工のためコンクリ
ート打設までの段取りに多大の労力を要し、打設後、長
いコンクリート養生期間を必要とする。このため、Ｌ型
のプレキャストコンクリート擁壁部材を工場製作し、現
場に搬入するプレキャストＬ型擁壁が施工されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記Ｌ型のプレキャス
トコンクリート擁壁部材による施工法は、同ブロックの
据付後、直ちに背面の埋戻しができるので、施工スピー
ドが速いという利点があるが、１単位ブロックが大きく
かつ重いので、現地への搬入や大型揚重機の使用等に制
約を受け、施工性に問題がある。
【０００４】本発明は前記の問題点に鑑み提案するもの
であり、その目的とする処は、擁壁全体を一体化でき
て、土圧に対するずれ防止と扶壁構造の二役をさせるこ
とができ、施工費の低減と施工の大幅な簡略化とを併
せ達成でき、作業の安全性を確保でき、擁壁面を汚
さないプレキャスト擁壁の施工方法を提供する点にあ
る。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明のプレキャスト擁壁の施工方法は、上下に
貫通した空洞部を有し且つ控えの長さが異なる複数の擁
壁構成用ブロックを積層して、擁壁を構築するプレキャ
スト擁壁の施工時に、基礎上に前面幅より背面幅が短く
且つ上下接合面に係合部を、左右外側面にリブをそれぞ
れ設けた擁壁構成用ブロックをその前面が垂直状若しく
は階段状になるように組積みして、幅方向で相隣るブロ
ック間に胴込コンクリート部を形成し、同胴込コンクリ
ート部に鉄筋を配設し、同胴込コンクリート部背面側の
ブロック間に捨型枠兼用縦排水材を配設し、前記胴込コ
ンクリート部に胴込コンクリートを打設し、同各ブロッ
クの空洞部内に中詰材として砕石或いは現場発生土を充
填し、以下前記作業を反復して多段の擁壁を構築するこ
とを特徴としている。
【０００６】
【作用】本発明は前記のように上下に貫通した空洞部を
有し且つ控えの長さが異なる複数の擁壁構成用ブロック
を積層して、擁壁を構築するプレキャスト擁壁の施工時
に、基礎上に前面幅より背面幅が短く且つ上下接合面に
係合部を、左右外側面にリブをそれぞれ設けた擁壁構成
用ブロックをその前面が垂直状若しくは階段状になるよ
うに組積みして、幅方向で相隣るブロック間に胴込コン
クリート部を形成し、同胴込コンクリート部に鉄筋を配
設し、同胴込コンクリート部背面側のブロック間に捨型
枠兼用縦排水材を配設し、前記胴込コンクリート部に胴
込コンクリートを打設し、同各ブロックの空洞部内に中
詰材として砕石或いは現場発生土を充填し、以下前記作
業を反復して多段の擁壁を構築するので、擁壁全体の胴
込コンクリートが鉄筋コンクリート構造になり、擁壁全
体が一体化して、土圧に対するずれ防止と扶壁構造の二
役が行われる。
【０００７】また胴込コンクリート部背面側のブロック
間に捨型枠兼用縦排水材を配設するので、背面側で型枠
が不要になり、排水に必要な裏砕石も不要になって、施
工費が低減される上に、施工が大幅に簡略化される。
【０００８】また各段の擁壁を構築する度毎に行われる
捨型枠兼用縦排水材の配設作業、鉄筋の配設作業、胴込
コンクリートの打設作業などの作業が中詰材充填前のブ
ロック空洞部内から行われ、背面側からの転石等による
危険から身が守られて、作業の安全性が確保される。
【０００９】また胴込コンクリート部背面側のブロック
間に捨型枠兼用縦排水材を配設するので、施工後は、同
捨型枠兼用縦排水材の背面側で背面湧水が処理され、擁
壁前面に水があまり出なくて、擁壁面が汚れない。
【００１０】
【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。Ａは擁壁構成用ブロックで、前面幅より背面幅が短
く、控えの長さが上方より下方に至るに従い漸大された
方形枠状主体の左右外側面にリブ１が設けられ、上下接
合面には接続用ガイドピン穴２及びブロック懸吊用アン
カー３が配設されている。なお前記ガイド接続ピン穴２
は前記ブロックＡの前端及び後端、または中間部の任意
の位置に配置されており、垂直壁、階段壁、その他任意
に組合された擁壁の構築が可能になっている。
【００１１】Ｂはプレキャストコンクリート製基礎版
で、１．５ｍ毎に設置することによって掘削深さ及び幅
が狭くてすみ、型枠を不要ならしめるものである（図７
参照）。なお図中の符号４は基礎砕石、５はレベル用基
礎版、６は底版基礎コンクリートである。
【００１２】而して前記基礎版Ｂ上に前記ブロックＡを
上下方向及び幅方向に組積みする。この際、上下で相隣
るブロックＡの接続用ガイドピン穴２にガイド接続ピン
Ｃ（図８参照）が嵌装され、幅方向で相隣るブロックＡ
間に胴込コンクリート部が形成され、同胴込コンクリー
ト部の背面に捨型枠兼用縦排水材７が配設されて、同縦
排水材７背面のブロックＡ間に背面湧水を処理する湧水
処理部が形成され、胴込コンクリート部に胴込コンクリ
ート８が打設されて、前記各ブロックＡが一体化する。
【００１３】前記ブロックＡの外側面にはリブ１が突設
がされており、同リブ１により滑動時に発生するせん断
抵抗が増大する。また胴込コンクリート部背面のブロッ
クＡ間に捨型枠兼用縦排水材７が配設されており、同捨
型枠兼用縦排水材７により背面側の型枠が不要になり、
また裏砕石も不要になって、施工が簡略化される。さら
に捨型枠兼用縦排水材７の背面で湧水が処理され、擁壁
前面に水があまり出なくて、擁壁面が汚れない。図中の
符号９は止水コンクリート、１０は擁壁前面の集水溝、
１１は止水パッキンである。
【００１４】前記擁壁の施工時には、底版基礎コンクリ
ート６上に擁壁構成用ブロックＡを前面が垂直面を構成
するように順次組積みして、同ブロックＡを数個据付け
たのち、胴込コンクリート部の背面のブロックＡ間に捨
型枠兼用縦排水材７をセットし、各ブロックＡの滑動ず
れを防止するために胴込コンクリート部に用心鉄筋１２
を配設し、胴込コンクリート部に胴込コンクリート８を
打設して、バイブレータで十分に締め固めを行う。
【００１５】一方、前記各ブロックＡの空洞部には中詰
材として砕石１３または良質の現地発生土を充填して、
十分に締固めを行う。
【００１６】さらに擁壁背面の埋戻しには良質土を使用
し、転圧を十分に行う。前記の施工を反復して、図１に
示すように多段の擁壁を構築し、擁壁最上部に擁壁構成
用ブロックＡ′を設置し、必要に応じ擁壁構成用ブロッ
クＡ′に基礎コンクリート１５を介してガードレール１
４を埋込む。内カーブ施工の場合、前記ブロックＡは前
面幅より背面幅が短いので、その幅で据付を行う。図中
の符号１６は吸出し防止材である。
【００１７】図２は本発明の他の実施例を示しており、
この実施例では擁壁前面の上下で相隣るブロックＡ間に
階段部を設け、同階段部に植生を施して、擁壁前面を緑
化する。図中の符号１３′は中詰材、その他前記実施例
と均等部分には同一符号が附されている。
【００１８】
【発明の効果】上下に貫通した空洞部を有し且つ控えの
長さが異なる複数の擁壁構成用ブロックを積層して、擁
壁を構築するプレキャスト擁壁は、ブロックが軽量なた
め、Ｌ型ブロックに比較するとブロック単体の取扱いが
容易で施工性に優れている。本発明は、このプレキャス
ト擁壁の施工時に、基礎上に前面幅より背面幅が短く且
つ上下接合面に係合部を、左右外側面にリブをそれぞれ
設けた擁壁構成用ブロックをその前面が垂直状若しくは
階段状になるように組積みして、幅方向で相隣るブロッ
ク間に胴込コンクリート部を形成し、同胴込コンクリー
ト部に鉄筋を配設し、同胴込コンクリート部背面側のブ
ロック間に捨型枠兼用縦排水材を配設し、前記胴込コン
クリート部に胴込コンクリートを打設し、同各ブロック
の空洞部内に中詰材として砕石或いは現場発生土を充填
し、以下前記作業を反復して多段の擁壁を構築するの
で、擁壁全体の胴込コンクリートを鉄筋コンクリート構
造にでき、擁壁全体を一体化できて、土圧に対するずれ
防止と扶壁構造の二役をさせることができる。
【００１９】また胴込コンクリート部背面側のブロック
間に捨型枠兼用縦排水材を配設するので、背面側で型枠
を不要にでき、排水に必要な裏砕石も不要にできて、施
工費を低減できる上に、施工を大幅に簡略化できる。
【００２０】また各段の擁壁を構築する度毎に行う捨型
枠兼用縦排水材の配設作業、鉄筋の配設作業、胴込コン
クリートの打設作業などの作業を中詰材充填前のブロッ
ク空洞部内から行うことができ、背面側からの転石等に
よる危険から身を守ることができて、作業の安全性を確
保できる。
【００２１】また胴込コンクリート部背面側のブロック
間に捨型枠兼用縦排水材を配設するので、施工後は、同
捨型枠兼用縦排水材の背面側で背面湧水を処理でき、擁
壁前面に水をあまり出さなくて、擁壁面を汚さない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るプレキャスト擁壁の施工方法の一
実施例を示す縦断面図である。
【図２】本発明の他の実施例を示す縦断面図である。
【図３】擁壁構成用ブロックの斜視図である。
【図４】擁壁構成用胴込コンクリート部の平面図であ
る。
【図５】図４の斜視図である。
【図６】前記擁壁の基礎部を示す縦断面図である。
【図７】図６の部分詳細図である。
【図８】ガイドピンの正面図である。
【符号の説明】
Ａ 擁壁構成用ブロック Ｂ 基礎版 Ｃ ガイド接続ピン １ リブ ２ 接続用ガイドピン穴 ３ ブロック懸吊用アンカー ４ 基礎砕石 ５ レベル用基礎版 ６ 底版基礎コンクリート ７ 捨型枠兼用縦排水材 ８ 胴込コンクリート ９ 止水コンクリート １０ 集水溝 １１ 止水パッキン １２ 用心鉄筋 １３ 中詰砕石 １４ ガードレール １５ 基礎コンクリート １６ 吸出し防止材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 洋 東京都渋谷区千駄ヶ谷四丁目６番15号 株式会社フジタ内 (72)発明者 天野 敏彦 広島県広島市安佐北区口田５丁目16−27 (72)発明者 吉川 英樹 広島県広島市安佐北区安佐町飯室921− 418 (72)発明者 岡本 治郎 岡山県真庭郡落合町下市瀬687 (72)発明者 美甘 則之 岡山県真庭郡湯原町社1003 (56)参考文献 特開 昭52−45106（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−140805（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−121251（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−128733（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭50−35723（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) E02D 29/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 上下に貫通した空洞部を有し且つ控えの
    長さが異なる複数の擁壁構成用ブロックを積層して、擁
    壁を構築するプレキャスト擁壁の施工時に、基礎上に前
    面幅より背面幅が短く且つ上下接合面に係合部を、左右
    外側面にリブをそれぞれ設けた擁壁構成用ブロックをそ
    の前面が垂直状若しくは階段状になるように組積みし
    て、幅方向で相隣るブロック間に胴込コンクリート部を
    形成し、同胴込コンクリート部に鉄筋を配設し、同胴込
    コンクリート部背面側のブロック間に捨型枠兼用縦排水
    材を配設し、前記胴込コンクリート部に胴込コンクリー
    トを打設し、同各ブロックの空洞部内に中詰材として砕
    石或いは現場発生土を充填し、以下前記作業を反復して
    多段の擁壁を構築することを特徴としたプレキャスト擁
    壁の施工方法。
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