JP2000274178A - 立坑の築造工法 - Google Patents

立坑の築造工法

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JP2000274178A
JP2000274178A JP11081888A JP8188899A JP2000274178A JP 2000274178 A JP2000274178 A JP 2000274178A JP 11081888 A JP11081888 A JP 11081888A JP 8188899 A JP8188899 A JP 8188899A JP 2000274178 A JP2000274178 A JP 2000274178A
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bottom plate
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steel
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JP11081888A
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Yoshiteru Dobashi
吉輝 土橋
Noriyuki Nishida
徳行 西田
Masanori Kobayashi
正典 小林
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Nishimatsu Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 底版と側壁との結合力を高めることを可能と
するともに、地下水位低下工法や立坑底版下の地盤改良
工法を使用することなく、土留め壁の根入れ長を短くす
ることで工費・工期を低減する一方で、周辺環境の維持
を可能とする立坑の築造工法を提供する。 【解決手段】 底版30と、側壁10とを備えた立坑の
築造工法である。側壁10の内周部に設けられた凹部1
0a(10d、10e)に底版30の周縁部に設けられ
た嵌入部30aを嵌入させることにより底版30と側壁
10との一体性を高める。鋼材20(28)により底版
30の本体30bと底版30の嵌入部30aとを連続的
に補強する。側壁10を施工し、この側壁10の内側を
所定の深さまで水中掘削して溝部を形成した後、この溝
部内に溜めた水を排水する前に底版30を構築し、その
後、前記水の排水を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立坑の築造工法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の立坑は、例えば、円筒状の側壁の
内部に、この側壁と一体的に円盤状の底版を設けたもの
であった。このような立坑の築造工法としては、鋼矢板
工法、SMW工法、地中連続壁工法、ケーソン工法など
が挙げられる。しかし、根入れを必要としないケーソン
工法を除く鋼矢板工法、SMW工法、地中連続壁工法
は、大深度の場合や適切な不透水層がない場合、ボイリ
ングやヒービングの対策上、土留め壁の根入れ長を極め
て長く設定する必要がある場合が多い。土留め壁の根入
れ長を低減する工法としては、地下水位低下工法や立坑
底版下の地盤改良工法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、円筒状
の側壁の内部に、この側壁と一体的に円盤状の底版を設
けた立坑では、側壁と底版との結合力が弱く、底版が下
方向からの揚圧力に好適に抗することができない可能性
があるといった問題があった。また、地下水位低下工法
は、周辺地盤の沈下を伴うため、都市部における採用が
困難であり、さらに、底版の地盤改良工法は、大深度に
おける工費が極めて高いなどの問題があった。なお、ケ
ーソン工法は、合理的に根入れ長を短くすることできる
が、地中連続壁工法などよりも一般に高価であるという
問題の他、周辺地盤を乱す、工期が長いなどの問題があ
った。
【0004】そこで、本発明の目的は、底版と側壁との
結合力を高めることを可能とするともに、地下水位低下
工法や立坑底版下の地盤改良工法を使用することなく、
土留め壁の根入れ長を短くすることで、工費・工期を低
減する一方で、周辺環境の維持を可能とする立坑の築造
工法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
請求項1記載の発明は、底版30と、側壁10とを備え
た立坑の築造工法であって、前記側壁の内周部に設けら
れた凹部10a、10d、10eに前記底版の周縁部に
設けられた嵌入部30aを嵌入させることにより前記底
版と前記側壁との一体性を高めることを特徴としてい
る。
【0006】請求項1記載の発明によれば、立坑の底版
の周縁部に設けられた嵌入部を立坑の側壁の内周部に設
けられた凹部に嵌入させることにより底版と側壁との結
合力を高めてこれらの一体性を高めることができ、底版
が好適に下方向からの揚圧力に抗することができる。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の立
坑の築造工法であって、鋼材20、28により前記底版
30の本体30bと前記嵌入部30aとを連続的に補強
することを特徴としている。
【0008】請求項2記載の発明によれば、鋼材により
底版の本体と嵌入部とを連続的に補強するので、単位体
積当たりの底版の強度を向上させることができるととも
に、底版と本体と底版の嵌入部との一体性を高めること
ができる。従って、底版の本体と側壁とを底版の嵌入部
を介して剛結させることができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1、又は2
記載の立坑の築造工法であって、前記側壁10を施工
し、この側壁の内側を所定の深さまで水中掘削して溝部
を形成した後、この溝部内に溜めた水を排水する前に前
記底版30を構築し、その後、前記水の排水を行うこと
を特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明によれば、施工した側
壁の内側を所定の深さまで水中掘削し、溝部を形成した
後、この溝部内に溜めた水を排水する前に、底版を構築
して溝部の底部を止水した後、前記水の排水を行うの
で、土留め壁の根入れ長を短くしてもボイリングやヒー
ビングの発生を防止できる。よって、根入れ長を短くす
ることで、工費・工期を低減できる。加えて、地下水位
低下工法を用いる必要がないため、地盤沈下などの影響
が懸念される都市部においても採用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】<第一の実施の形態例>以下に、
本発明に係る第一の実施の形態例を図1から図9に基づ
いて説明する。図1は本発明に係る立坑の築造工法の第
一の実施の形態例を説明するための側断面図、図2は鋼
材の配設を説明するための側断面図、図3は吊り下げ時
に鋼材を屈曲・固定した状態を示す要部拡大図、図4は
鋼材のヒンジ構造を説明するための要部拡大図、図5は
鋼材を伸張・固定した状態を示す要部拡大図、図6は鋼
材の端部を側壁の凹部に配置した状態を示す側断面図、
図7は1段目の鋼材の配置例及び鉄筋の配筋例を説明す
るための平面図、図8は2段目の鋼材の配置例及び鉄筋
の配筋例を説明するための平面図、図9は底版コンクリ
ート打設前の状態を示す側断面図、図10は側壁の凹部
周辺の配筋を説明するための側断面図である。
【0012】本発明に係る立坑の築造工法は、図1に示
されるように、側壁10の内周部に設けられた凹部10
aに底版30の周縁部に設けられた嵌入部30aを嵌入
させることにより底版30と側壁10との結合力を高
め、これらの一体性を高めることを主な特徴とするもの
である。
【0013】先ず、地盤を掘削してトレンチを施工し、
このトレンチ内に鉄筋籠を配置し、トレンチ内にコンク
リートを打設して地中連続壁からなる土留め壁10(即
ち、立坑の側壁10となる)を筒状に構築する。ここ
で、トレンチ内へのコンクリートの打設・硬化後に、側
壁10の内周部の下部には底版の嵌入部を嵌入するため
の凹部10aが形成されるように、鉄筋籠には予め側壁
10の内周側に開口する半筐体(この半筐体の内周が凹
部10aとなる)が取付けられていることとする。この
半筐体は例えば鋼製のものである。また、当初、半筐体
の開口部には撤去可能なシートが設けられており、この
シートにより、トレンチ内へのコンクリート打設時にお
ける半筐体内へのコンクリートの流入が防止されるとと
もに、掘削時における半筐体内への土砂の流入が防止さ
れる。
【0014】土留め壁10を構築したら、土留め壁10
の内側を所定の深さまで水中掘削する。このとき、土留
め壁10の内側には水を溜めた状態であるので、土留め
壁10の外側の地下水圧が内側の水圧に相殺される。よ
って、このときの根入れ長は極めて短いものであっても
土留め壁10の外側の地下水位の低下および、ボイリン
グやヒービングの発生を防止できる。ここで、掘削時
に、前記半筐体の開口部に設けられたシートをダイバー
作業等により撤去する。
【0015】このように土留め壁10の内側を掘削した
ら、図2に示されるように、鋼材20を底版部に吊り降
ろす。図3ないし図4に示されるように、この鋼材20
は本体20bと、本体20bとヒンジ構造20aにより
連結され、本体20bに対して揺動可能な揺動部20c
とを備えている。鋼材の本体20bおよび揺動部20c
は、例えば、図示のようにH型鋼であることが挙げられ
るが、I型鋼や溝型鋼などであっても良い。このような
鋼材20の吊り下げ時には、本体20bに対して揺動部
20cを垂直に屈曲した状態で本体20bと揺動部20
cとの間に固定部材21を挟み込んでこの固定部材21
を本体20bおよび揺動部20cに対してそれぞれボル
ト21a,…により固定しておく。これにより、本体2
0bに対する揺動部20cの角度を固定し、鋼材20の
全幅を小さくし、鋼材20が側壁10の内周にぶつから
ないようにしておく。
【0016】鋼材20を側壁10の凹部10aの深さま
で吊り下げたら、先ず、鋼材20の図2の右端部を図2
の右側の凹部10aの中に挿入する。そしてこの状態で
ダイバー作業等により固定部材21を取り外し、図5に
示されるように揺動部20cを本体20bに対して真っ
直ぐにするとともに、揺動部20cと本体20bの端面
同士をボルト20d,…により接合して、鋼材20を一
本の剛体にする。また、このとき、図6に示されるよう
に鋼材20の図の左端部を左側の凹部10aの中に挿入
し、図9に示されるように鋼材20の両端部を対応する
凹部10aの内部に挿入した状態にする。ここで、鋼材
20の本体20bと揺動部20cとの繋ぎ目部分(ヒン
ジ構造20a)は他の部分に比較すると構造的に弱い可
能性があるので、この部分は底版に作用する断面力が大
きな底版の周縁部および中央部を避けて配置されるよう
にする必要がある。従って、逆に言えば、底版の周縁部
および中央部以外に本体20bと揺動部20cとの繋ぎ
目部分が位置するように、本体20bと揺動部20cの
寸法が設計されていることとする。図示例では、底版の
周縁部と中央部との中間位置に鋼材20の継ぎ目部分、
即ちヒンジ構造20aが位置するように設定されてい
る。
【0017】また、鋼材20は、例えば、図7に示され
る平面図のように、底版部に複数本の配置を行う。こう
して鋼材20,…を配置したら、図7に示されるよう
に、鋼材20,…の上に鋼材20,…に交差する方向
(直交する方向)に鉄筋25,…を配置する。
【0018】さらに、以上のような鋼材20,…および
鉄筋25,…の配置を一段目の配置とすると、図8に示
されるようにこの一段目の配置と同様で一段目の配置に
対して直交する二段目の配置を、一段目の上方に行う
(図1も参照)。ただし、図8には図示の都合上、一段
目の配置を省略している。
【0019】このように、底版部への鋼材20,…およ
び鉄筋25,…の配置を終え、図9に示される状態にし
たら、底版30を構成するコンクリートを打設する。こ
のコンクリートとしてはセルフレベリング性を有する高
流動性の水中不分離性コンクリートを用い、打ち込み後
放置するだけで底版コンクリートが平坦に形成されるよ
うにすることが望ましいが、トレミー管を用いて通常の
水中コンクリートを打ち込むこととしても良い。このと
き、打設したコンクリートが鋼材20,…および鉄筋2
5,…を埋め尽くすとともに、該コンクリートが側壁1
0の凹部10aの内部にも充填される。
【0020】この打設したコンクリートの硬化により、
側壁10と一体的に底版30が構築される。底版30の
うち側壁10の凹部10aの内部に充填された部分は嵌
入部30aであり、底版30の嵌入部30aは側壁10
の凹部10aに嵌入された構造となっている。従って、
底版30と側壁10とを強い結合力により結合された一
体性の高いものとすることができる。よって、底版30
が下からの揚圧力に好適に抗することができるようにな
っている。また、鋼材20,…により底版30の本体3
0bが補強されているとともに、この鋼材20,…によ
り底版30の本体30bと嵌入部30aとが連続的に補
強され、本体30bと嵌入部30aとの一体性が高めら
れている。よって、底版30がより好適に下からの揚圧
力に抗することができるようになっている。さらに、こ
の補強により底版30の単位体積当たりの強度が増すの
で、底版30の厚さは比較的小さいものに設定すること
も可能である。
【0021】このように底版30を構築したら、側壁1
0の内側に溜めた水を排水する。このとき、既に底版3
0が側壁10と一体的に構築されているので、底版30
と側壁10との間で止水が施されたこととなり、立坑の
周辺の地下水が底版30と側壁10との間から侵入した
りすることがない。従って、上述したように土留め壁1
0の根入れ長を短く設定してあってもボイリングやヒー
ビングの発生を防止できる。
【0022】ここで、排水により底版30上の水が軽く
なるに従って、底版30に作用する力は周辺の地下水に
よる下方向からの力の方が次第に大きくなり、側壁10
の凹部10aが底版30の嵌入部30aから受ける力が
大きくなる。このように、凹部10a周辺には大きな力
が作用するため、図10に示されるように、側壁10の
内部の凹部10aの周辺では鉄筋10b,…に加えて鉄
筋10c,…を配筋することにより開口部補強を施して
おくことが望ましい。
【0023】ドライアップしたら、側壁10の内側に必
要に応じた内部構造物(図示省略)を構築して立坑の完
成となる。
【0024】以上のような第一の実施の形態例によれ
ば、立坑の底版30の周縁部に設けられた嵌入部30a
を立坑の側壁10の内周部に設けられた凹部10aに嵌
入させることにより底版30と側壁10との一体性を高
めることができ、底版30が好適に下方向からの揚圧力
に抗することができる。
【0025】底版30を鋼材20により補強するので、
単位体積当たりの底版30の強度を向上させることがで
きるとともに、鋼材20により底版30の本体30bと
嵌入部30aとを連続的に補強するので、底版30の本
体30bと嵌入部30aとの一体性が高まる。従って、
底版の本体と側壁とを底版の嵌入部を介して剛結させる
ことができ、底版30がより好適に下からの揚圧力に抗
することができる。
【0026】地中連続壁により施工した側壁10の内側
を所定の深さまで水中掘削し、溝部を形成した後、この
溝部内に溜めた水を排水する前に底版30を構築して溝
部の底部を止水した後、前記水の排水を行うので、土留
め壁10の根入れ長を短くしてもボイリングやヒービン
グの発生を防止できる。よって、根入れ長を短くするこ
とで、工費・工期を低減できる。加えて、地下水位低下
工法を用いる必要がないため、地盤沈下などの影響が懸
念される都市部においても採用できる。
【0027】なお、上記の第一の実施の形態例では、鋼
材20を、その揺動部20cが垂直方向に揺動可能なヒ
ンジ構造であることとしたが、揺動部が水平方向に揺動
可能なヒンジ構造としても良い。この場合、側壁の凹部
10aの形状を水平方向に長くする必要があるかわりに
垂直方向に短くすることができ、条件によっては底版3
0の厚さを薄く設定することも可能となる。また、鋼材
20を、本体20bと揺動部20cとが予めヒンジ構造
20aにより連結された構成としたが、2本の鋼材をそ
れぞれ別に吊り降ろした後でこれら2本の鋼材を接合す
るようにしても良い。加えて、鋼材20および鉄筋25
の配置を上下2段の構造としたが、要求性能に応じて1
段、あるいは3段以上の構造であっても良い。
【0028】<凹部の変形例>図11は凹部の形状の変
形例を示す側断面図である。図11に示されるように、
側壁10の凹部を側壁10の内周側に向けて広がるよう
な凹部10dにすることで、凹部10d内に底版コンク
リートが充填されやすくするとともに、鋼材20を凹部
10d内に配置し易くすることができる。
【0029】<第二の実施の形態例>以下に、本発明に
係る第二の実施の形態例を図12から図15に基づいて
説明する。図12は本発明に係る第二の実施の形態例を
説明するための側断面図、図13から図15は本発明に
係る第二の実施の形態例を説明するための工程図であ
る。この第二の実施の形態例では、底版を補強する鋼材
の構成が上記の第一の実施の形態例と異なる。よって、
同じ構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略す
るとともに、施工手順等においても一部省略した説明と
する。
【0030】先ず、地盤にトレンチを設け、このトレン
チにコンクリートを打設して土留め壁10(即ち、立坑
の側壁10)を筒状に構築する際に凹部10eが形成さ
れるように、上記の第一の実施の形態例と同様に鉄筋籠
の下部には予め側壁10の内周側に開口する半筐体(こ
の半筐体の内周が凹部10eとなる)を取付けておく
が、図12に示されるように、この半筐体の内部には揺
動機構26aにより垂直方向に揺動可能な鋼材26が設
けられている。この鋼材26は、その長手方向を水平に
した際には、端部が前記半筐体の開口部よりも側壁10
の内周側に突出するような寸法となっている。鉄筋籠を
吊り降ろす際には鋼材26を前記半筐体内で起ててお
き、鋼材26の全体が前記半筐体の内部領域に収まるよ
うにし、さらに、半筐体の開口部には第一の実施の形態
例と同様の撤去可能なシートが設けられていることとす
る。
【0031】側壁10の構築後は、鋼材26を倒してそ
の長手方向を水平にする。ここで、図13等に示される
ように、側壁10の対向する内面に一対の鋼材26が設
けられていることとする。一方で、図14に示されるよ
うに、図の左側の鋼材26と右側の鋼材26に掛け渡す
ことが可能な長さの鋼材27を揚重装置により吊り降ろ
し、図15に示されるように、鋼材26,27,26を
ボルト接合などにより接合し、これらにより一本の剛体
である鋼材28とする。
【0032】このような鋼材28,…を必要数だけ設置
し、鋼材28,…の上に鉄筋を配置し、さらに、これら
鋼材28,…および鉄筋の段を要求性能に応じて(底版
に作用する水圧等に応じて)複数段配置した後(図示で
は一段の場合を示すが)、底版部に底版コンクリートを
打設することにより、側壁10と一体的に底版が構築さ
れる。
【0033】以上のような第二の実施の形態例によって
も、上述の第一の実施の形態例と同様の作用・効果が得
られる。また、この場合、鋼材27を鉛直下方に吊り降
ろすだけで良く、吊り降ろし後に鋼材27を水平方向に
移動させる必要がないため、鋼材の吊り降ろし作業が容
易であるという利点がある。
【0034】なお、上記の第二の実施の形態例では、鋼
材26が垂直方向に揺動可能な構成としたが、鋼材26
を水平方向に揺動可能な構成としても良い。この場合、
側壁の凹部10eの形状を水平方向に長くする必要があ
るかわりに垂直方向に短くすることができ、条件によっ
ては底版の厚さを薄く設定することも可能となる。ま
た、鋼材26の上に鋼材27を載置してこれらを接合す
る構成としたが、鋼材26と鋼材27を一直線上に配置
してこれらを接合する構成としても良い(この場合、鋼
材27又は鋼材26が少し短くなる)。
【0035】さらに、上記の第一・二の実施の形態例お
よびその変形例では、ともに、底版構築後にドライアッ
プすることで、根入れ長を短くするとともに、ボイリン
グ、ヒービングの発生を防止する構成としたが、本発明
はこれに限らず、底版の周縁部の嵌入部を側壁の内周部
の凹部に嵌入させることで、底版と側壁との一体性を高
め、底版が下からの揚圧力に好適に抗することができる
ものであればその他でも良い。また、底版の本体と嵌入
部とを鋼材により連続的に補強する構成としたが、底版
の本体のみの補強、あるいは、鋼材による補強を施さな
いものであっても良い(例えば鉄筋による補強のみのも
のなど)。さらに、凹部10a、凹部10c、凹部10
eを一つ一つの鋼材20、鋼材28に対応するものとし
たが、例えば、凹部を側壁10の対向する二面にそれぞ
れ連続的に設けて、凹部を全ての、あるいは複数の鋼材
20、28に共通のものとしてもよい。
【0036】
【発明の効果】請求項1記載の発明に係る立坑の築造工
法によれば、立坑の底版の周縁部に設けられた嵌入部を
立坑の側壁の内周部に設けられた凹部に嵌入させること
により底版と側壁との一体性を高めることができ、底版
が好適に下方向からの揚圧力に抗することができる。
【0037】請求項2記載の発明に係る立坑の築造工法
によれば、鋼材により底版の本体と嵌入部とを連続的に
補強するので、単位体積当たりの底版の強度を向上させ
ることができるため、底版を薄く設計することができる
とともに、底版と嵌入部との一体性を高めることができ
る。よって、底版の本体と側壁とを底版の嵌入部を介し
て剛結させることができ、底版がより好適に下方向から
の揚圧力に抗することができる。
【0038】請求項3記載の発明に係る立坑の築造工法
によれば、施工した側壁の内側を所定の深さまで水中掘
削し、溝部を形成した後、この溝部内に溜めた水を排水
する前に、底版を構築して溝部の底部を止水した後、前
記水の排水を行うので、土留め壁の根入れ長を短くして
もボイリングやヒービングの発生を防止できる。よっ
て、根入れ長を短くすることで、工費・工期を低減でき
る。加えて、地下水位低下工法を用いる必要がないた
め、地盤沈下などの影響が懸念される都市部においても
採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る立坑の築造工法の第一の実施の形
態例を説明するための側断面図である。
【図2】鋼材の配設を説明するための側断面図である。
【図3】吊り下げ時に鋼材を屈曲・固定した状態を示す
要部拡大図である。
【図4】鋼材のヒンジ構造を説明するための要部拡大図
である。
【図5】鋼材を伸張・固定した状態を示す要部拡大図で
ある。
【図6】鋼材の端部を側壁の凹部に配置した状態を示す
側断面図である。
【図7】1段目の鋼材の配置例及び鉄筋の配筋例を説明
するための平面図である。
【図8】2段目の鋼材の配置例及び鉄筋の配筋例を説明
するための平面図である。
【図9】底版コンクリート打設前の状態を示す側断面図
である。
【図10】側壁の凹部周辺の配筋を説明するための側断
面図である。
【図11】凹部の形状の変形例を示す側断面図である。
【図12】本発明に係る第二の実施の形態例を説明する
ための側断面図である。
【図13】本発明に係る第二の実施の形態例を説明する
ための工程図である。
【図14】本発明に係る第二の実施の形態例を説明する
ための工程図である。
【図15】本発明に係る第二の実施の形態例を説明する
ための工程図である。
【符号の説明】 10 側壁 10a 側壁の凹部 10d 側壁の凹部 10e 側壁の凹部 20 鋼材 28 鋼材 30 底版 30a 底版の嵌入部 30b 底版の本体
フロントページの続き (72)発明者 小林 正典 東京都港区虎ノ門一丁目20番10号 西松建 設株式会社内 Fターム(参考) 2D047 AB08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】底版と、側壁とを備えた立坑の築造工法で
    あって、 前記側壁の内周部に設けられた凹部に前記底版の周縁部
    に設けられた嵌入部を嵌入させることにより前記底版と
    前記側壁との一体性を高めることを特徴とする立坑の築
    造工法。
  2. 【請求項2】鋼材により前記底版の本体と前記嵌入部と
    を連続的に補強することを特徴とする請求項1記載の立
    坑の築造工法。
  3. 【請求項3】前記側壁を施工し、この側壁の内側を所定
    の深さまで水中掘削して溝部を形成した後、この溝部内
    に溜めた水を排水する前に前記底版を構築し、その後、
    前記水の排水を行うことを特徴とする請求項1、又は2
    記載の立坑の築造工法。
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