JP2904490B2 - 組換えポリペプチドの製法 - Google Patents

組換えポリペプチドの製法

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JP2904490B2 JP63018487A JP1848788A JP2904490B2 JP 2904490 B2 JP2904490 B2 JP 2904490B2 JP 63018487 A JP63018487 A JP 63018487A JP 1848788 A JP1848788 A JP 1848788A JP 2904490 B2 JP2904490 B2 JP 2904490B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はブタの成長ホルモン活性を有する組換えポリ
ペプチドを、この種のポリペプチドをコードする合成DN
A配列を含む単細胞生物の培養により製造すること;こ
の種の生物を調製するための組換えDNA技術;特異的プ
ラスミドベクター;およびブタ成長ホルモン活性を有す
る特異的ポリペプチドを含有する獣医学的組成物に関す
る。
成長ホルモン(ポリペプチドホルモン)は下垂体前葉
において、より大型の前駆分子として合成される。天然
ではこの前駆分子が開裂による処理を受けて、このホル
モンの生物学的に活性な形態を与える。一般的な蛋白同
化作用物質として周知の成長ホルモンはライフサイクル
全般にわたって無数の生理学的作用を促進する。その名
称が意味するように、これは骨格の成長に関与する成長
促進物質および蛋白合成の増強物質である。成長ホルモ
ンはインシュリン増強作用をも示し、弱い乳腺刺激活性
をもち、脂質の代謝およびホメオスターシスの維持にお
いても役割を演じる。
ある程度、成長ホルモンは種特異性である。たとえば
ウシのホルモンはヒトおよびサルにおいては不活性であ
るが、ラットおよびヤギにおいては効果を生じるであろ
う。
養豚においては、成長ホルモンの投与により体重増加
が促進され、屠殺体の質が改良され、これにより飼料転
化率が高められる。経済的見積りによれば、ブタを成長
ホルモンで処置することにより、生産の効率および経費
と共に食肉の質が改良されることが示されている。残念
ながら天然のブタ下垂体ホルモンの供給はその需要に達
せず、種特異性による制限があり、他の天然同族体を代
替品として安価に使用することはできない。
組換えDNA技術および細菌を利用して、確立された方
法に従って同族ポリペプチドを製造することによって、
不足を避けることはできる。しかしこの種の方法には一
定の固有の欠点がある。その1つは、真核細胞のDNAは
一般に細菌における発現に不適当である点である。それ
がしばしば非コード部位またはイントロンを含み、これ
らが遺伝子を妨害するからである。この現象は細菌性ゲ
ノムには見られない。他の問題は真核細胞と原核細胞の
調節配列の不適合性に由来する。
従って本発明の目的は、先行技術に関連する1または
2以上の難点を克服し、または少なくとも軽減すことで
ある。特に本発明者らは、後述の方法を用いて、良好な
ブタ成長ホルモン活性をもつ比較的大量の組換えポリペ
プチドを製造することができた。これらのポリペプチド
は良好な活性をもち、天然ホルモンに対する有効な代替
品としてインビボで使用できる。
従って本発明の一観点によれば、 1)(a)ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチド
をコードし、かつ単細胞成長において複製、転写および
翻訳されうるDNA配列を含む組換えプラスミド発現ベク
ター、ならびに(b)単細胞生物を用意し; 2)上記組換えプラスミド発現ベクターを上記単細胞生
物に、形質転換、形質導入またはトランスフェクション
から選ばれる方法により導入し; 3)得られた生物を培養し; 4)上記DNA配列によりコードされる組換えポリペプチ
ドを発現させ;そして所望により 5)上記ポリペプチドを培養物から単離する工程を含
む、ブタ成長ホルモン活性を有する組換えポリペプチド
の製法が提供される。
本発明方法において、単細胞生物は原核生物、たとえ
ば細菌の菌株、たとえば大腸菌(E.coli)の菌株であっ
てもよい。大腸菌の菌株である大腸菌DH1が特に適切で
あることが認められた。
本発明のこの観点に用いる組換えプラスミド発現ベク
ターは、後記の方法により調製される適切なベクターの
いずれであってもよい。特に有用なベクターには、のち
に詳述するようにpGH935、pMG936、pGM939およびpMG940
が含まれる。この種の発現ベクターは本発明の他の観点
をなす。
本発明方法はここに定める組換えポリペプチドpGH(m
et1−190)およびpGH(4−190)の製造に特に好適であ
る。
本発明方法の工程(1)−(4)は周知の方法、たと
えば後記実施例に記載されるものにより行うことができ
る。工程(5)に従ってポリペプチド生成物を単離した
い場合も、常法を採用することができる。たとえば細胞
を破裂させたのち(たとえば細胞溶解により)、たとえ
ばイオン交換、アフィニティもしくは分粒樹脂を用いる
クロマトグラフィーにより、および/または沈降法、た
とえば遠心分離により、または他の既知のポリペプチド
精製法により、ポリペプチドを単離することができる。
組換えポリペプチドが不溶性凝集体として発現されて
いる場合、および/または変性されている場合、常法に
より、たとえば国際特許出願WO83/04418号、英国特許第
2138004号および欧州特許第226448号明細書に記載され
る方法により、可溶化および/または復元させることが
できる。
本発明方法の工程(3)に用いるために特に有用な生
物には大腸菌の菌株、特に組換えプラスミド発現ベクタ
ーpMG935、pMG936、pMG939およびpMG940のうち1種を含
む大腸菌DH1が含まれる。この種の菌株はその変異体、
組換え体および遺伝子工学による誘導体と共に本発明の
他の観点をなす。
本発明方法により製造される特に有用な組換えポリペ
プチドにはブタ成長ホルモン変異体pGH(met1−190)お
よびpGH(4−190)が含まれる。これらの組換えポリペ
プチドは両者とも天然ホルモンに比べて予想外に良好な
インビボ活性をもち、動物、特にブタにおいて、たとえ
ば屠殺体の質を改良し、および/または体重増加を促進
するために用いることができる。この方法に使用するた
めには、pGH(met1−190)およびpGH(4−190)を動物
に獣医学的配合物の形で投与することができる。
従って本発明の他の観点によれば、pGH(met1−190)
またはpGH(4−190)およびそれらの獣医学的に受容で
きる塩類から選ばれるブタ成長ホルモン活性を有する組
換えポリペプチド、ならびに獣医学的用途に受容できる
キャリヤー1種または2種以上からなる獣医学的組成物
が提供される。
ここで用いるpGH(met1−190)という語は、天然のブ
タ成長ホルモンのアミノ酸配列を含み、さらにN末端に
おいてメチオニン残基により置換された組換えポリペプ
チドを意味する。pGH(4−190)という語は、天然のブ
タ成長ホルモンのアミノ酸配列を含むが、ただし最初の
3個のN末端アミノ酸(Phe−Pro−Ala−)が存在しな
いポリペプチドを意味する。
pGH(met1−190)およびpGH(4−190)の獣医学的に
受容できる塩類には酸または塩基の塩類、たとえば無機
酸塩、たとえば塩酸塩、または無機塩基塩、たとえばア
ルカリ金属(たとえばナトリウム)塩が含まれる。
本発明による組成物は経口用、直腸用または非経口用
(埋込み用を含む)に適した形状を含めて、投与に適し
たいかなる形状をもとることができる。経口投与のため
には、組成物はたとえば常法により調製された液剤、シ
ロップ剤もしくは懸濁液(たとえば水性緩衝液中)、ま
たは固体組成物、たとえば錠剤もしくはカプセル剤の形
をとることができる。非経口用としては、組成物はたと
えば注射に適した形状、たとえば所望により調剤用物
質、たとえば懸濁化剤、安定剤、可溶化剤、および/ま
たは分散助剤を含有する水性または油性のビヒクル中の
懸濁剤、液剤または乳剤の形状をとることができる。
本発明による組成物において、有効成分の濃度はたと
えば処置すべき動物の性質および目的とする効果に応じ
て異なるが、一般に0.01〜0.2mg/Kg(生体重)/日の有
効成分量を投与するのに十分な量が用いられるであろ
う。
本発明による組成物は常法により調製することがで
き、本発明の他の観点によれば、アリコート量の、pGH
(met1−190)またはpGH(4−190)およびそれらの獣
医学的に受容できる塩類から選ばれるブタ成長ホルモン
活性を有する組換えポリペプチドを獣医学的用途に受容
できるキャリヤー1種または2種以上と合わせることよ
りなる、獣医学的組成物の製法が提供される。
たとえば組換えポリペプチドを常法により適宜なキャ
リヤーと混合もしくはブレンドするか、またはこれに懸
濁もしくは溶解することができる。
本発明方法に用いるプラスミド発現ベクターは下記の
方法により得られる。これらの方法は一般に第1系列の
工程において、ブタ成長ホルモン活性をもつポリペプチ
ドをコードするDNA配列を含むプラスミドベクターの調
製法を記載しており、これらは有用な貯蔵ビヒクル(st
orage vehicle)である。第2系列の工程はこれらの貯
蔵ビヒクルを用いて、本発明方法に使用するプラスミド
発現ベクターを構成することを示している。
以下の方法は高水準のpGH(met1−190)およびpGH
(4−190)を発現しうるプラスミド発現ベクターに特
に有用であるが、他のブタ成長ホルモン変異体を発現す
るベクターの調製にも一般に適用できる。
従って本発明の他の観点によれば、 ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチドをコード
するDNA配列、およびプラスミドベクターを用意し; そしてこれらのDNA配列およびプラスミドベクターを
リゲートさせてDNA配列をプラスミドベクター内に配置
する(deploy) ことを含む、ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA配置を含む組換えDNAプラスミドの製
法が提供される。
こうして調製された組換えDNAプラスミドベクターは
ブタ成長ホルモンポリペプチドコード部位の完全なコピ
ーを含み、構造遺伝子の終止コドンを越えた部位に3′
非翻訳配列を含むことができる。
ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチドをコード
するDNA配列はmRNAから、すなわちcDNAとして誘導しう
る。mRNA、たとえばポリアデニル化mRNAは適宜な組織源
から得られ、たとえばブタ下垂体組織から単離される。
従って本発明の他の観点においては、 ブタ成長ホルモンポリペプチドをコードするmRNAをブ
タ下垂体組織から入手し、 このmRNAから該mRNAに相補的な第1鎖および第2鎖を
有するcDNA配列を調製する ことを含む、ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチ
ドをコードするDNA配列の製法が提供される。
ブタ下垂体組織からのポリアデニル化RNAの抽出はグ
アニジンチオシアネート処理を採用したのちクロマトグ
ラフィー抽出することにより行うことができる。
本発明のこの観点によりmRNAからcDNAを調製する工程
には プライマーオリゴdTをmRNAにアニーリングさせ; このmRNAを逆転写酵素で処理してcDNAの第1鎖を形成
させ; cDNAの第1鎖をDNAポリメラーゼのクレノー断片で、
次いで逆転写酵素で処理して、第1鎖上にcDNAの第2鎖
を形成させ; その生成物を処理して第1鎖と第2鎖の間の共有結合
を開裂させる ことが含まれる。
開裂工程は適宜な酵素、たとえばヌクレアーゼS1によ
り行うことができる。
二重鎖DNAをクローニングするためのプラスミドベク
ターは適宜な型のもの、たとえばプラスミドベクターpB
R322である。クローニング工程はいかなる形態をとって
もよい。ホモポリマーテイリング/アニーリング法を採
用しうる。この場合、プラスミド発現ベクターを修飾
し、オーバーハングした3′側延長部を形成してもよ
い。たとえばpBR322を制限酵素Pst1で消化することがで
きる。プラスミドベクターpBR322はグアニジン残基(ヌ
クレオチド約15個)によりテイル形成していてもよい。
同様にDNA配列はターミナルトランスフェラーゼを用
いてシトシン残基によりテイル形成することもできる。
pGH配列を含むベクターを同定するためには、適切な
宿主細胞、たとえば大腸菌をベクターで形質転換し、挿
入DNA配列を含むベクターで形質転換された細胞を適宜
な手段(たとえば抗生物質に対する耐性)により選択
し、ベクターDNAがpGH特異性ポリヌクレオチドプローブ
とハイブリダイズする能力によって挿入pGH配列を同定
することができる。
従って本発明の他の観点においては、のちに詳述する
pGH3、pGH4およびpGH29から選ばれる組換えDNAプラスミ
ドが提供される。プラスミドpGH29が特に好ましい。後
記のように、これらのプラスミドはそれぞれ3′未終止
コドンを越えて広がるブタ成長ホルモンポリペプチドコ
ード部位の完全コピーを含む。
しかし、この種の組換えDNAプラスミドはブタ成長ホ
ルモン活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列
にとって有用な貯蔵ビヒクルを提供するが、ベクターは
原核宿主細胞におけるこの種の真核細胞遺伝子の発現を
制御および促進するための付加適な原核宿主適合性オペ
レーター配列を必要とすること、すなわちベクターは原
核宿主細胞に適合性の発現ベクターでなければならない
ことは理解されるであろう。従って外来遺伝子が形質転
換された細胞およびそれらの子孫において適正に発現さ
れるのを保証するためには、適正な複製、転写および翻
訳信号がプラスミド上に正確に配列されていなければな
らない。
従って本発明の他の観点においては、 制限処理プラスミド発現ベクター、ならびに ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチドをコード
するDNA配列またはその一部であって、その5′末端に
単細胞生物における複製、転写および翻訳のための調節
要件を満たす合成配列を含むDNA配列を用意し; そして上記DNA配列を上記プラスミド発現ベクター中
に、該DNA配列の複数、転写および翻訳が起こりうる位
置にライゲートさせる ことを含む、ブタ成長ホルモン活性を有するポリペプチ
ドをコードし、かつ単細胞生物において複製、転写およ
び翻訳されうるDNA配列を含む組換えDNAプラスミド発現
ベクターの製法が提供される。
本発明のこの観点による制限プラスミド発現ベクター
はいかなる適切な型のものでもよい。公開された英国特
許出願第2136814A号明細書に記載された種類の二重複製
開始点(dual origin)ベクターが好ましい。二重複製
開始点ベクターは低コピーは低コピー数においてプラス
ミドを安定に維持する役目をもつ一つの複製開始点(or
igin)を含み、一方、複製が温度その他の手段の変化に
より開始される他方の複製開始点はクローニングされた
遺伝子の構成的な合成(constitutive synthesis)を目
的とする。従って大規模培養におけるコピー数増幅の誘
導が比較的安価にかつ簡単に行われる。
プラスミド発現ベクターpMG197、すなわちpMG411の誘
導体(Gene、1984年、ヤラントンら、および英国特許第
2136814A号明細書に記載)は本発明のこの観点により組
換えDNAプラスミド発現ベクターを調製するための出発
材料プラスミドとして用いられる。pMG197はtrpプロモ
ーターからmet−胃液リパーゼ酵素を発現する二重複製
開始点プラスミドであり、これはAUG開始コドンから14
塩基対上流にシャイン−ダイガノ(SD)配列をもつ。
pMG197をたとえばpar座とc1857配列の間のEcoR1部位
を欠失させることにより、またmet−胃液リパーゼ遺伝
子をBal II−EcoR1断片として排除することにより修飾
して、制限プラスミド発現ベクターを形成することがで
きる。
本発明のこの観点による組換えDNAプラスミド発現ベ
クターは二工程法により調製できる。
従って、DNA配列が合成5′末端配列および3′末端
配列を含む、ブタ成長ホルモンをコードするDNA配列の
一部のみを構成する本発明のこの観点の好ましい形態に
おいては、本方法はさらに ブタ成長ホルモンをコードする配列の残部を構成する
付加的DNA配列を用意し; 前記DNA配列を合成5′末端配列と3′末端配列の間
にある制限部位において開裂させ、そして付加的DNA配
列を上記制限部位にライゲートさせる ことよりなる。
好ましくは2種の一般的な型のオリゴヌクレオチドの
うちの1種を上記DNA配列の合成3′末端配列として用
いることができる。たとえば2種の一般的な型のオリゴ
ヌクレオチドはpGHコード配列の最初の17個のアミノ酸
(3′Apal部位において終止する)をコードするDNAを
置換すべくデザインすることができる。
第1の型のオリゴヌクレオチドであるオリゴヌクレオ
チドmet1−17は1位にメチオニンを示し、これにブタ成
長ホルモンの最初の17個のアミノ酸をコードする配列が
続くコドンを含む。選ばれたコドンはアミノ酸をコード
するが、好ましくは大腸菌内に見出される最も豊富なtR
NA(転移RNA)に対応する。
第2の型のオリゴヌクレオチドであるオリゴヌクレオ
チドmet4−17は同様にデザインされたが、pGHの最初の
3個のアミノ酸すなわちRHE、PRO、ALAをコードするDNA
を含まなかった。この遺伝子からの転位はメチオニン、
すなわち普通はpGHポリペプチド鎖の第4位を占めるア
ミノ酸に対するコドンから開始されるであろう。これら
2種のオリゴヌクレオチドの塩基配列は遺伝的コードの
拘束の範囲内で選ぶことができる。遺伝子発現を最小限
にするためには大腸菌において高水準で発現する、宿主
に好まれるコドンを選ぶのが好ましいことが認められ
た。さらにコンピューター分析を行ってメッセンジャー
RNAのリボソーム結合部位内において潜在的二次構造の
部位を探索し、これを除去することもできる。この二次
的実施の一部として、G−C塩基対を可能な場合にはA
−T塩基対で置換することができる。大腸菌の高度に発
現された外被(outer membrane)蛋白質に対する遺伝子
は著しくA/Tに富むプロモーター領域からなる。転写の
制御に関与するこれらの領域はメッセンジャーRNAをDNA
鋳型からコピーするDNA依存性RNAポリメラーゼに結合す
る。
さらに、翻訳効率を指令する5′側配列も著しくA/T
に富むことが認められている。シャイン−ダルガノ配列
と開始ATGの間の領域は二次構造の不安定化に影響をも
ち、これによりリボソームの結合、およびメッセージに
沿った後続の翻訳を容易にすると考えられる。
合成できる個々のオリゴヌクレオチドの例は下記のも
のである。
従って本発明の他の観点においては、ブタ成長ホルモ
ン活性を有するポリペプチドをコードするDNA配列また
はその一部を含み、このDNA配列が5′末端に単細胞生
物における複製、転写および翻訳のための調節要件を満
たす合成配列により置換されたセグメントを含むプラス
ミド発現ベクターが提供される。
調節配列は前記のように先の特異的配列を含むmet1−
17オリゴヌクレオチドおよびmet4−17オリゴヌクレオチ
ドから選ぶことができる。
従って前記のようにBgl II−EcoR1断片を除いた制限
処理pMG197と共に用いるために、上記合成オリゴヌクレ
オチド配列をpGH29から誘導されたDNA配列のApa I−Eco
R1断片にリゲートさせることができる。これはpGHのア
ミノ酸88−190をコードするDNAからなる。従って本発明
はさらに他の観点においては、のちに詳述するpMG933お
よびpMG934から選ばれる中間体プラスミド発現ベクター
が提供される。これらの中間体プラスミド発現ベクター
は先に詳述した合成met1−17オリゴヌクレオチドおよび
met4−17オリゴヌクレオチドを取込む。
こうして形成された合成配列を制限処理した発現ベク
ター(Bgl II−EcoR1)に結合させることができる。
ブタ成長ホルモンをコードするDNA配列の残りの断片
(アミノ酸18−87をコードする中間部分のDNAからな
る)を次いで取込ませることができる。プラスミド発現
ベクターpGH29のApa I消化物から小型のApa I−Apa I断
片を単離する。中間体プラスミド発現ベクターpMG933ま
たはpMG934をApa I制限部位において開裂させ、上記のA
oa I−Apa I断片をこれにクローニングして、それぞれp
MG935およびpMG936を得ることができる。
こうして形成された組換えプラスミド発現ベクターを
用いて適切な宿主細胞を形質転換し、この形質転換され
た宿主細胞を培養して、前記のブタ成長ホルモンポリペ
プチドを発現させることができる。
ここに詳述したプラスミドおよびプラスミド発現ベク
ターを含む大腸菌の見本はブンゲ(オーストラリア)非
公開会社(Bunge Pty.Lsd.)細胞コレクション(オース
トラリア:ビクトリア、ノース メルボルン フレミン
グトンロード87−89)に保管されている。
ここで以下の実施例を参照しながら本発明をより十分
に説明する。ただしこれらの例は説明のためのものにす
ぎず、上記の本発明の一般性を限定するものとみなすべ
きではない。
実施例1 pGH cDNAの調製 成長ホルモンはブタ下垂体蛋白質の主要成分を構成
し、pGHに対するメッセンジャーRNAも豊富であり、総mR
NAのほぼ25%を占める(ジョン・エム・ニルソンら、J.
Biol.Chem.258(1983))。pGHをコードするcDNAクロー
ンを得る方法はmRNA集団全体をcDNA合成用鋳型として用
い、cDNAクローン集団からブタGH遺伝子を含むものを選
択することである。要約すると、これは下記よりなる。
(1) グアニジウムチオシアネート法、およびオリゴ
(dT)セルロース上でのクロマトグラフィーを採用して
ポリA含有RNAを成豚下垂体から抽出する。
(2) 逆転写酵素、およびDNAポリメラーゼ1のクレ
ノー断片を双方を用いてcDNAを合成する。
(3) Pst1 制限処理pBR322およびホモポリマーアニ
ーリング法を採用して大腸菌HB101recA中へクローニン
グする。
下垂体RNAの単離 冷凍したブタ下垂体前葉をガラステフロンホモジナイ
ザー内で0.5mlの5Mグアニジンチオシアネート、1%サ
ルコシル、20mM・EDTA、1%(v/v)2−メルカプトエ
タノール、50mMトリス−HCl(pH7.0)中においてホモジ
ナイズした。ホモジナイゼーション緩衝液を追加してホ
モジネートを最終容積約3.5mlとなし、0.1M・EDTAを含
有する5.7M・CsCl(pH7.0)1.2ml上にスピンコSW50.1遠
心管内において積層し、36,000rpmで20℃において17時
間遠心分離した。上層液をパスツールピペットで慎重に
除去し、RNAペレットを滅菌水0.5mlに室温で溶解したの
ち60℃で30秒間インキュベートした。RNAを−20゜で0.1
容積の2M酢酸カリウム(pH5)および2.5容量の95%エタ
ノールの添加により2回沈殿させた(チンギンら、Bioc
hem.18,5294(1979)の変法)。
ポリ(A)+RNAの選択 メッセンジャーRNA、より詳細にはポリアデニル化RNA
をオリゴdt(dT−セルロース)上でのクロマトグラフィ
ーによりRNA種の混合物から単離することができる。オ
リゴ−dt(dT−セルロース)77型はファルマシアから購
入された。この樹脂を無菌の装填用緩衝液(20mMトリス
−HCl(pH7.6)、0.5M・NaCl、TmM・EDTA、0.1%SDS)
中で平衡化し、1.0mlをカラムに注入した。カラムを
a)滅菌水、b)0.1M・NaOH/5mM・EDTAおよびc)滅菌
水それぞれで、3回(またはカラム流出液のpHが8より
も低くなるまで)洗浄した。次いで無菌の装填用緩衝液
5容量をカラムに導通した。RNAは滅菌水に懸濁し、65
℃で5分間熱処理することにより調製された。等容量の
2×装填用緩衝液をRNA試料に添加し、次いでこれを室
温にまで放冷したのちカラムに装入した。カラム流出液
を採取し、65℃に5分間加熱し、冷却し、再びカラムに
装入した。次いでカラムをカラムの5〜10容量の装填用
緩衝液、次いでカラムの4容量の20mMトリスHCl(pH7.
6)、0.1M・NaCl、1mM・EDTA、0.1%SDSで洗浄した。ポ
リアデニル化RNAをカラムの2〜3容量の無菌10mMトリ
ス−HCl(pH7.5)、1mM・EDTA、0.05%SDSで溶離し、3M
酢酸ナトリウムおよびエタノールで沈殿させた。ペレッ
トを滅菌水に懸濁し、−70℃に保存した。ポリアデニル
化DNAを溶離したのち260nmにおける光学濃度を読取っ
た。
コピーDNAの合成 選択後にポリアデニル化mRNAを二重鎖cDNAに転化し、
細菌性プラスミドに挿入した(“分子クローニングにつ
いての実験室用ガイド”による−マニアチスら(1982
年)コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー
ズ)。簡単に述べると、これは逆転写酵素(RNA依存性D
NAポリメラーゼ)により第1鎖を合成し;RNA鋳型をアル
カリ消化により除去し;逆転写酵素およびDNAポリメラ
ーゼ1(クレノー断片)の双方により第2鎖を合成し;
最後にヌクレアーゼ−S1を用いる酵素消化によりヘアピ
ンループを除く(第1鎖と第2鎖を共有結合させる)こ
とによる。
第1鎖の合成 cDNAの酵素合成を行う前にポリ(A)+RNAの結合性
を(アガロース ホルムアルデヒド)ゲル電気泳動によ
り調べた。合成はポリアデニル化mRNA約10μg、ヌクレ
オチド(dTTP、dCTP、dATP、dGTP)各50ピコモル、およ
び100mM水酸化メチル水銀1μを混合することにより
開始された。この混合物を室温に10分間保持して全長mR
NA鋳型の収率を高めた。逆転写酵素を添加する前に700m
M・2−メルカプトエタノール2μを添加して、逆転
写酵素の作用を抑制することが知られている水銀イオン
を封鎖した。RNAの分解を抑制するためにRNasin 1μ
(約25単位)をも添加した。混合物をさらに15分間室温
に保持したのち逆転写酵素40単位(2μ)を添加し、
42℃で3時間インキュベーションを続けた。0.5M・EDTA
(pH8.0)2μおよび150mM・NaOH25μの添加により
反応を停止した。mRNA鋳型は65℃で1時間のインキュベ
ーションに際して加水分解された。3M酢酸ナトリウムお
よび無水エタノール中で−70℃においてエッペンドルフ
遠心分離機により10分間回転させることによってDNAを
沈殿させ、ペレットを乾燥させた。
第2鎖の合成 DNAの全長コピーを確実に作成するために、第1鎖鋳
型からの第2鎖の合成はDNAポリメラーゼを逆転写酵素
と共に用いて行われた。両酵素は鋳型に添って異なる地
点に止まる(stall)ので、それらの併用によって配列
全長を読取る機会が増す。
乾燥した第1鎖cDNAペレットを滅菌水50μに再懸濁
し、特容量の2×第2鎖用緩衝液(0.2M・HEPEs(pH6.
9);20mM・MgCl2;5mMジチオトレイトール;0.14・KCl;1m
M・dTTP;1mM・dCTP;1mM・dATP;1mM・dGTP)を添加し
た。反応はDNAポリメラーゼ1のクレーノー断片40単位
を添加することにより開始され、15℃で20時間維持され
た。20時間の経過後に0.5M・EDTA2.0μの添加によりD
NAポリメラーゼ1を不活化した(EDTAは活性酵素複合体
の重要な成分である二価マグネシウムイオンをキレート
化する)。試料を等容量のフェノール/クロロホルムで
抽出し、ds cDNAをセファデックスG−50上でのクロマ
トグラフィーにより、取込まれていないdNTPから分離し
た。DNAを3M酢酸ナトリウムおよび無水エタノールによ
り−70℃で沈殿させ、次いで滅菌水40μに再懸濁さ
せ、cDNA20μを採取し、これに1Mトリス−HCl(pH8.
3)5μ、1M・KCl7μ、250mM・MgCl22μ、20mM
(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)25μ、700mM・2−メル
カプトエタノール2μ、水7μおよび逆転写酵素2
μ(40単位)を添加した。反応混合物を42℃で1時間
インキュベートし、次いで0.5M・EDTA2.0μの添加に
より反応停止した。混合物を等容量のフェノールおよび
クロロホルムで抽出し、次いでセファデックスG−50上
でクロマトグラフィー処理して、取込まれていないdNTP
を除去した。DNAを3M酢酸ナトリウムおよびエタノール
により−70℃で沈殿させた。
ヌクレアゼーS1による消化 第1鎖および第2鎖の合成が終了した時点で両鎖は一
重鎖ループにより共有結合している。これはヌクレアー
ゼ−S1を用いる消化によって容易に除かれる。二重鎖cD
NA約0.5μgを50μの1mMトリス−HCl(pH7.6)、0.1m
M・EDTAに懸濁した。10μの10×ヌクレアーゼS1用緩
衝液(2M・NaCl、0.5M酢酸ナトリウム(pH4.5)、10mM
・ZnSO4、5%グリセロール)を添加し、反応混合物を
滅菌水で100μとなした。5単位のヌクレアーゼS1を
添加することにより反応を開始し、37℃で30分間継続し
たのち、酵素を0.5mM・EDTA11mlにより不活化した。
ヌクレアーゼS1を用いる消化により、種々のオーバー
ハング配列を含む二重鎖配列が得られた。大腸菌DNAポ
リメラーゼ1のクレノー断片(2単位)および4種のデ
オキシリボヌクレオチド(25mM原液)を用いて修復する
ことにより、各断片を平滑末端となした。セファデック
スG−50上でのクロマトグラフィーにより、DNAを取込
まれていないヌクレオチドから分離した。
二重鎖DNAのクローニング pGH cDNAはターミナルトランスフェラーゼによりシ
トシン残基でテイル形成したホモポリマーである。ヌク
レオチド約15個の鎖長につき酵素濃度および時間を判定
した。同様にプラスミドベクターpBR322を制限エンドヌ
クレアーゼPst1(これはオーバーハングした3′末端延
長部を形成する)で消化し、グアニジン残基(約15ヌク
レオチド)をテイル形成した。
二重鎖cDNAおよび直鎖化したプラスミドを下記に従っ
て処理した。
滅菌水55μに懸濁したDNAを等容量の2×テイル形
成用緩衝液(0.4Mカコジル酸カリウム、50mMトリス−HC
l(pH6.9)、4mMジチオトレイトール、1mM・CoCl2、2mM
3H)dGTP(プラスミドDNA用)または2mM(3H)dCTP
(cDNA用)、500μg/mlBSA)に添加した。10μアリコ
ートを用いて約15ヌクレオチドの付加に必要な期間を判
定した。残りの線状プラスミドDNAを37℃で10分間イン
キュベートした。0℃に冷却したのち0.5M・EDTA(pH
8)10μを添加することにより反応を停止した。等容
量のフェノールおよびクロロホルム中に抽出したのち、
ホモポリマーテイル形成DNAをセファデックスG−100
(1×アニーリング用緩衝液中で平衡化:1M・NaCl、0.1
Mトリス−HCl(pH7.8)、1mM・EDTA)上でのクロマトグ
ラフィーによって低分子量不純物から分離した。
ベクターDNAおよびpGH cDNAを混合し、3M酢酸ナトリ
ウムおよびエタノールにより−70℃で沈殿させた。乾燥
DNAを50μのリガーゼ用緩衝液(30mMトリス−HCl(pH
8)、4mM・MgCl2、12mM・EDTA、1.0mM・ジチオトレイト
ールおよび50μg/ml・BSA)に再懸濁させた。反応はT4
DNAリガーゼ(ファルマシア)2μにより触媒され、1
0℃で16時間継続された。反応混合物25μアリコート
を下記に従って大腸菌HB101中へ形質転換した。
100μのLブロス(1%酵母エキス、1%トリプト
ン、0.5%NaCl)に一夜培養した細菌培養物(大腸菌HB1
01)1mlを接種した。細胞を37℃で3時間、振とうプラ
ットフォーム上で増殖させた。3時間後に細胞を冷却
し、卓上遠心分離機中で4℃において5分間回転させ、
上層液を廃棄した。細胞を50mlの氷冷した無菌の50mM・
CaCl2および10mMトリス−HCl(pH8)の溶液を再懸濁
し、氷中に15分間保持した。次いで卓上遠心分離機中で
回転させることにより細胞を収穫し、6.5mlの氷冷した
無菌の50mM・CaCl2および10mMトリス−HCl(pH8)の溶
液に再懸濁し、0.2mlオリコートを予冷した試験管に分
注した。これらの細胞を4℃に24時間保存して形質転換
の効率を高めた。24時間経過後に、TE緩衝液(10mMトリ
ス−HCl(pH8)、1mM・EDTA)に再懸濁したプラスミドD
NAを細胞に添加し、混合し、氷上に30分間保持した。次
いで細胞およびDNAに42℃で2分間の熱衝撃を与えた。
Lブロス1.0mlを各試験管に添加し、37℃で30分間イン
キュベートした。この期間中に細菌は回復し、抗生物質
耐性を発現し始めた。30分後にテトラサイクリンまたは
アンピシリンを補充した寒天平板上に系列希釈液100μ
を展延した。
無傷のプラスミドpBR322を含む細菌細胞はすべてアン
ピシリンおよびテトラサイクリン上で増殖するが、pGH
cDNAがpBR322のPst1部位にクローニングされた組換えプ
ラスミドを含む細菌細胞はテトラサイクリン上でのみ増
殖する。アンピシリン耐性はこの組換えにより失われる
からである。テトラサイクリン上でのみ増殖したコロニ
ーをさらに、全ブタ下垂体ポリA+RNAから合成された
一重鎖放射性標識付きcDNAプローブを用いてスクリーニ
ングした(ブタ成長ホルモンのメッセージはポリアデニ
ル化RNAの約25%に関与する)。これに基づいて、より
高度に標識されたコロニーを選択した。テトラサイクリ
ン耐性コロニーをニトロセルロースフィルターディスク
上に順に配置した。細胞壁をアルカリ性条件下で溶解し
てDNAを放出させ、次いでこれを80℃で2時間の熱処理
によりフィルターに固定した。放射性標識したブタ下垂
体cDNAをフィルターと共に37℃で16時間インキュベート
した。フィルターを2×SSCで洗浄し、乾燥させ、オー
トラジオグラフィー処理した。陽性のコロニーを単離
し、多数の4および6塩基切断酵素を用いて制限分析を
行った。部分制限マップを文献中の配列データと比較し
(第1図)、pGHクローンを選択した。これら3種の陽
性クローン(pGH3、pGH4およびpGH29)のうちプラスミ
ドpGH29(第2図)が後続の操作に最適であることが認
められた。pGH29は3′未終止コドンを越えて伸びたブ
タ成長ホルモンcDNAの全コピーを含んでいた。
二重複製開始点ベクターpMG197中へのクローニング 1.オリゴヌクレオチドの合成 ブタ成長ホルモンcDNAをプラスミドpMG197(第3図)
にリゲートする前に、このベクターを修飾して、真核細
胞遺伝子pGH cDNAの5′末端に融合しうる適宜な原核細
胞調節配列を含有させることが必要であった。
一般にゲノム真核細胞DNAのcDNAは、(内生原核細胞D
NAの場合)遺伝子の効果的な転写および翻訳を保証する
のに適した調節信号を保有しない。この欠点は宿主細胞
株の好ましいコドン利用に適しかつ特異的制限部位を含
むべく調製しうる合成オリゴヌクレオチドの設計により
克服できる。
pGH遺伝子の5′Apa I制限部位にリゲートすべくデザ
インされた2組のオリゴヌクレオチドは、用いる二重複
製開始点プラスミド中においてpGHmet(1−190)およ
びpGH(4−190)の双方を発現する必要があった。これ
らはホスホトリエステル化学により合成された(ペイテ
ルら(1982)Nucleic Acids Ros.10,5605−5620)。
2. pGH cDNAをpMG197に挿入する方法 ハイブリッドブタ成長ホルモンポリペプチドを発現す
るためのベクターは下記に従って構成された。
各合成オリゴヌクレオチド(Bgl II−Apa I)をキナ
ーゼ処理し、ライゲートさせ、次いでApa IおよびBgl I
Iで制限処理した。適正な断片をアガロースゲルから単
離し、次いでpGH29から誘導したApa I−EcoR1断片(ア
ミノ酸88−190をコードする)にライゲートさせた。線
状化した断片をBgl II−EcoR1制限処理した発現ベクタ
ー(Bg1 II−EcoR1)に結合させ、大腸菌株DH1中に形質
転換し、増幅し、選択した。この中間体はpGH遺伝子の
5′および3′両末端を含むが、pGHのアミノ酸18−87
をコードする中間部分を欠如していた。pGH29のApa I消
化物から小型のApg I−Apa I断片(約200bp、アミノ酸1
8−87をコードする)を単離し、中間体ベクターのApa I
部位にクローニングし、これによりブタ成長ホルモン遺
伝子が完成した(第4図)。2種の発現プラスミドpMG9
35(met1−190pGH)およびpMG936(4−190pGH)を与え
る適正な配列のプラスミドが同定された。これらのプラ
スミドを大腸菌DH1宿主菌株中に形質転換し、アンピシ
リン補充L−ブロス培地中で増幅したのち、制限分析お
よびサンガー法による配列決定によって構造を調べた。
3. pGH遺伝子のDNA配列 配列決定はM13ファージ中にサブクローニングされたp
GHプラスミドの制限処理断片を用いるサンガーのジデオ
キシ法により行われた。pGHプラスミドのうち1種、pMG
936(pGH4−190)のみを完全に配列決定した。大部分の
pGH配列は両構造に共通だからである。従って他方のpGH
プラスミド、pMG935(pGHmet1−190)はpGH遺伝子の
5′未満のみを、ジャンクション断片によって配列決定
した。
データの分析 2種の制限酵素消化は、DNAの両鎖を配列決定するた
めに必要なオーバーラップ断片すべてを含む必要があっ
た。この遺伝子はHpa IとEcoR1の制限部位間に位置する
(第5図参照)。消化“1"はHpa I、Sma IおよびEcoR1
を用いた三重消化であり、これにより約470bpおよび約3
00bpの2種のpGH遺伝子断片を与えた。消化“2"はHind
IIIおよびApa Iを用いる二重消化であり、約220bp、100
0bpの3種のpGH関連断片を与えた。3種の断片はすべて
ゲルから精製され、S1ヌクレアーゼ処理して平滑末端断
片にされた。次いでこれらの断片を、あらかじめEcoR V
およびホスファターゼで処理されたバクテリオファージ
M13ベクター中にクローニングした。各クローンを配列
決定して、300塩基対までの配列を求めた。オーバーラ
ップ制限処理断片を選択して、両鎖につき完全なDNA配
列を得た。
得られた配列は446位においてAからGへの塩基1個
の変化を除いて、文献中のものと一致した(第6図)。
しかしこの変化によって蛋白質の配列は変わらない。両
コドン(GAAまたはGAG)ともグルタミン酸を与えるから
である。DNA配列におけるこの相違はpGH遺伝子における
対立因子の変異を反映したものと思われる。
同じ制限酵素消化をpMG935について行った。ただし第
5図において**および***のマークを付した断片の
みをクローニングし、配列決定した。***のマークを
付した断片を配列決定したのはこれらがpGH(met−19
0)遺伝子の異なる5′末端をカバーするからであり、
一方**のマークを付した断片はpMG936において認めら
れた塩基の変化がpMG935にも存在することを確認するた
めに配列決定された。集成した配列データは446位にお
ける塩基の変化を含めて予想どおりであった。
リボソーム結合部位の最適化および最良のプラスミドの
選択 大腸菌における異種蛋白質生成物の蓄積水準を高める
ために種々のDNA操作法が報告されている。これら種々
の方法は大部分が遺伝子発現量の増加を目的とし、遺伝
子の5′末非コード部位に焦点を合わせたものである。
プロモーター配列に対する変更のほかに、メッセンジャ
ーRNAの構造を変える変更も行うことができる。これら
の変更はリボソームがメッセンジャーRNAと相互作用す
る様式に影響を与え、メッセンジャーRNAから蛋白質へ
の翻訳が開始される速度を変化させる。特に、16Sリボ
ソームRNAの3′末端に相補的な配列(シャイン−ダル
ガノ配列)と構造遺伝子の開始地点におけるATGコドン
との距離を変えることは、遺伝子の発現に著しい影響を
与える(ロバーツら、P.N.A.S.,米国,76,760−764,197
9)。遺伝子の発現を最大限にする方法についてのより
十分な記述はオールドおよびプリムローズ,遺伝子操作
の原理、第3版、138−182頁、1985年に見られる。
高度に発現される大腸菌遺伝子におけるシャイン−ダ
ルガノからATG(SD−ATG)の距離は一般に6〜12塩基で
ある。最適配列を予測するのは容易ではない。メッセン
ジャーRNAの立体配座も発現水準を決定し、この立体配
座はメッセンジャーRNAのリボソーム結合部位の上流お
よび下流双方の配列間の水素結合によって決定されるか
らである。これには蛋白質の構造遺伝子内の配列が含ま
れる。
最良の配列を決定するための最も効果的な方法は一連
の関連プラスミドの作成し、これらを蛋白質蓄積の最高
水準につきスクリーニングするものである。
リボソーム結合部位の修飾 pGH(met1−190)およびpGH(4−190)を発現する本
来のプラスミドを特にこの種の一群のプラスミドの構成
を容易にすべくデザインした。両者とも本来は14塩基対
のSD−ATG距離を有していた。pMG935およびpMG936を構
成するために用いた合成オリゴヌクレオチドは酵素Cla
IおよびBgl IIに対する特異的制限酵素開裂部位を有す
る配列を含んでいた。
これらの酵素は発現プラスミドの二重鎖DNAを非対称的
に開裂させ、一重鎖領域を残す。これらは除去するか
(S1ヌクレアーゼを用いて)、またはフィルインするこ
とができる(DNAポリメラーゼ1のクレノー断片を用い
て)。処理されたDNAを次いでリゲートさせて、SD−ATG
5〜12塩基対を含む一連のプラスミドを得ることができ
る。1回消化したのちフィルインすると、SD−ATGが延
長されるであろう。従つてフィルイン反応は2種の酵素
消化が行われた場合にのみ採用される。N.B.最適化をそ
れぞれプラスミドpMG935およびpMG936について行つた。
プラスミドpMG935(met1−190)およびpMG936(4−19
0)はリパーゼコード配列からの余分なEcoR1断片を含む
ことが認められた。これを除いてそれぞれpMG939および
pMG940を得た。これらのプラスミドのpGH遺伝子または
発現配列は変化しなかった。
行った酵素処理のすべての組合わせおよびそれらの予
想生成物の全リストを第7図に示す。
DNAポリメラーゼ1フィルインによる、切断部位の一
重鎖延長部のフィルインは通常は正確であるが、S1ヌク
レアーゼ消化ははるかに制御しにくい。S1ヌクレアーゼ
は一重鎖特異性酵素であり両方向に作用する。一重鎖末
端が除かれると、残りの二重鎖は消化されないはずであ
る。しかし各連鎖は水素結合によって相互に保持されて
いるにすぎないので、末端塩基が水素結合の破断および
熱力学的平衡状態における再生に伴って消化される傾向
がある。その結果、特に末端塩基対がA:Tである場合に
は余分な残基が除去される可能性がある。この対はG:C
対における3本の結合に比べて2本の水素結合をもつに
すぎないからである。
第8図および第9図はpMG939またはpMG940を用いて、
プラスミドを修飾し、母体プラスミドと異なるSD−ATG
距離を含む、他の本発明によるプラスミドを得るプログ
ラムを示す。
組換えpGH(met1−190)のN末端アミノ酸配列決定 5ナノモルの組換えpGH(met1−190)を装入してAB1
蛋白質シーケンサーにおいて24回の分解を行った。結果
は先に発表されているpGH配列と一致した(プラスN末
端Met)。
PTH−metバックグラウンドを無視できる場合は初期サ
イクルの分析におけ−PTHメチオニンピークの大きさか
ら、またバックグラウンドを差引いたPTH−Leuピークの
大きさから、ある程度の“下調べ”判定を行うことがで
きる(N末端蛋白分解を示す)。この判定は、2%以下
のpGH(met1−190)分子が1個のアミノ酸残基を失って
いるというものであった。バックグラウンドが差引かれ
ていないPTH−アラニンピークから得た他の判定は、約
5%の分子が1個のアミノ酸を失っているというもので
あったが、これはバックグラウンドを差引いていないた
め過剰判定であると思われる。
蛋白質の発現 pMG935/大腸菌DH1およびpGH936/大腸菌DH1の小規模培
養を30℃で1.5時間増殖させた。プラスミドコピー数の
増幅および遺伝子発現は温度を42℃に移行させることに
より誘導された。誘導の前および後に1時間毎に試料を
取出し、SDS−ポリアクリルアミドゲル(SDS−PAGE)上
での電気泳動により分析した。クーマシー・ブルーで染
色したのち、pGHmet(1−190)およびpGH(4−190)
の双方につき適正な見掛け分子量をもつ熱誘導可能な蛋
白質が有意水準認められた。pGH蛋白質の水準は誘導の
7時間後に最高水準に達した。これらのバンドは相当す
るSDS−PAGEゲルをpGH特異性モノクローナル抗体21−51
によりウェスタンブロット分析することによって、成長
ホルモンであることが確認された。
生物活性 大腸菌において組換えプラスミドから誘導されたブタ
成長ホルモンを、ブタ下垂体から単離された天然のブタ
成長ホルモンと比較した。等量の蛋白質を4日間にわた
って下垂体切除ラット(PvG)に注射した。最後の注射
の24時間後にラットを屠殺し、右脛骨を摘出した。骨を
洗浄し、近位末端で矢状面において分割した。硝酸銀で
染色したのち、骨端軟骨を周囲の骨から区別することが
できる。結果を増加率%として表わす。
最後に、ここに概説した本発明の精神から逸脱するこ
となく他の種々の修正および/または変更をなしうるこ
とを理解すべきである。
実施例2 pGH(met1−190)およびpGH(4−190)の調製 (a) 発酵 グリセリン(15g/)、(NH42SO4(5.0g/)、Na
H2PO4(6.24g/)および微量元素溶液(20ml/)を含
有する培地6を10の発酵槽中で滅菌した。
この培地に、pMG935を含む大腸菌細胞の振とうフラス
コ培養物200mlを接種し、34℃で通気撹拌下に増殖させ
た。水酸化アンモニウム溶液によりpHを7.0に制御し
た。無菌グリセリンを一定時間毎に添加して、発酵時間
全体にわたって過剰状態を維持した。
10時間後に、培養温度を42℃に10分間高め、次いで38
℃に冷却することにより、pGHの産生が誘導された。こ
の温度をさらに6時間維持した。
最終的バイオマスは乾燥細胞重量26g/であり、位相
差顕微鏡検査により細胞内に封入体が示された。細胞を
ベックマンJ6遠心分離機により5000rpmで15分間、11ボ
ルト中で遠心分離することにより収穫し、必要時まで−
13℃に保存した。
第2回の発酵を等しい条件下で、ただしpMG936を含む
大腸菌細胞を用いて行った。
(b) 細胞ホモジナイゼーション、回収ならびにpGH
の可溶化、精製および復元 (i) 細胞のホモジナイゼーション 細胞ペーストの試料〔(a)節に従って調製した大腸
菌pMG935およびpMG936〕をリン酸塩緩衝液(pH7,5mM・E
DTA、0.5M・NaCl、0.1m・PMSFを含む)390mlに懸濁させ
た。
フレンチプレスセル〔84Kg/cm2(1200psi)で1回〕
を用いて細胞を溶解した。細胞溶解に際して放出された
DNAを消化するために約1mgのDNアーゼIを各懸濁液に添
加した。
(ii) 遠心分離による不溶性変性pGHの回収pGH(met1
−190) 細胞ホモジネートを5000rpmで35分間遠心分離し、封
入体を部分精製した形で回収した。ペレット(13g)を1
60mlのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7、5mM・EDTA、0.5M
・NaCl、0.1mM・PMSFを含有)に再懸濁し、再び遠心分
離した。SDS−PAGE(pGHはペレット中に存在することが
示された)ののち上層液を廃棄した。
pGH(4−190) 細胞ホモジネートを12,000rpmで5分間遠心分離し
た。ペレット(10g)をトライトン−X−100で数回洗浄
し、上層液を廃棄した。
(iii) pGHの可溶化および復元 pGH封入体を含み、(ii)節において調製された各ペ
レットを50mM・トリス(pH8,9)、7Mグアニジン−HCl、
1mM・EDTA、100mM・2−メルカプトエタノール(7ml/g
・ペレット)に可溶化した。澄明化したのに各溶液28ml
のあらかじめ50mM・トリス(pH8、9)、7M・グアニジ
ン−HCl、1mM・EDTA、50mM・2−メルカプトエタノール
で平衡化したセファクリルS300カラム(2.2×85cm)上
でクロマトグラフィー処理した。pGH(4−190)の場合
は2回の操作を行った。各カラムからの溶出液を分画採
取し、280nmにおける吸光により監視した。カラム画分
のアリコートを25mM・トリス−HCl(pH7)、8M尿素、0.
1%(v/v)2−メルカプトエタノール中へ透析し、SDS
−PAGEにより分析した。
目的とするポリペプチドを含む画分をプールし、各プ
ールを20倍過剰の15mM・トリス−HCl(pH9)、7M尿素、
50mM・2−メルカプトエタノール(4回変換)に対して
透析した。残留物(pGH(met1−190)50mlまたはpGH
(4−190)180ml)を1M・HClでpH7に調整したのちDEAE
セルロース(DE52)カラム(4.4×11cm)に施した。イ
オン交換マトリックスは15mMトリス−HCl(pH7)、7.5M
尿素、50mM・2−メルカプトエタノールで平衡化した。
ピークすなわち蛋白質はマトリックス床容積の2倍量の
平衡化用緩衝液によりカラムから溶離された。このピー
クはpGHを含むことがSDS−PAGEにより示された。ゲル走
査により、pGH(met1−190)は約95%の純度であるのに
対しpGH(4−190)はわずか45%の純度であることが示
された。これは恐らくDE52カラムの過剰装填によるもの
であろう。従ってこの物質はさらに第2のDE52工程によ
って精製された。
イオン交換クロマトグラフィーからプールした画分は
ビスキング(visking)チューブを用いて25倍過剰の25m
Mトリス(pH10)、1%(w/v)マンニトール(3回交
換)に対して透析された。各蛋白質は変性剤および還元
剤をこうして緩徐に除去することにより復元された。
透析された画分を次いで2mlのアリコートに分割し、
液体窒素中で凍結させ、−70℃に保存した。これらの画
分の蛋白質濃度をバイオーラド蛋白質アッセイにより測
定し、595nmで吸光度を読取った。約100mgの復元ブタ生
成ホルモン(met1−190)が細胞ペースト13g(湿潤重
量)から得られた。復元4−190pGH16mgが細胞ペースト
26g(湿潤重量)から得られた。
生成物を証明するためにさらに分析を行った。
(iv) FPLCを用いて、組換えpGH調製物が正確な分子
量のものであり、凝集物たとえば二量体を含まないこと
を証明した。セファロース12のカラム(30×1.0cm)を1
00mMトリス−HCl(pH8.0)で平衡化し、既知の分子量範
囲の標準品で検量した。pGHにつき下記の溶出時間が得
られた。
標準pGH 27.7分 組換えpGH(met1−190) 27.5分 組換えpGH(4−190) 27.0分 混合注入 27.2分 いずれの場合も単一のピークが認められた。このカラ
ムがpGH二重体を分離しうることが、pGH二量体と同じ分
子量、すなわち44,000ダルトンをもつ卵アルブミンを用
いて証明された。
FPLCピーク画分の分子量の指定はSDS−PAGEにより確
認された。
(v) 22Kdの物質がpGH関連であることを確認するた
めに、pGH特異性マウスモノクローナル抗体21−51を用
いてウェスタン・ブロッティング分析を行った。各組換
えポリペプチドおよび標準品の15%還元SDSポリアクリ
ルアミドゲルをニトロセルロースフィルター上に電気溶
離し、pGHマウスモノクローナル抗体でプローブ処理し
た。次いでこれを家兎抗マウスポリクローナル抗体でプ
ローブ処理し、125I標識付き蛋白質Aを用いて検出し
た。得られたオートラジオグラフは22Kdバンドへの結合
を示した。組換え物質はこの基準によれば少なくとも標
準品程度には純粋であった。
(vi) 放射性レセプタの結合を調べて、pGH(met1−1
90)の生物活性に関するインビトロ証明を得た。
標準pGHを125I標識し、妊娠した家兎肝臓膜と共に一
夜インキュベートした。レセプタを遠心分離し、ペレッ
トをγ線計数器により計数することによって結合を調べ
た。無標識標準pGHによる標準pGHによる標識の置換は用
量依存性であった。組換えpGH(met1−190)も125I−pG
Hと置換することが示され、組換えポリペプチドがレセ
プタ部位に対して標準pGHと競合することが示された。
【図面の簡単な説明】
第1図はpGH cDNAの部分制限マップである(縮尺に従わ
ない)。 第2図はプラスミドpGH29(pBR322中のpGH cDNA)であ
る。 第3図はプラスミドpMG197(基本発現ベクター)であ
る。 第4図は完成したブタ成長ホルモン遺伝子である。 第5図はpMG936におけるpGH遺伝子の配列決定法を示
し、*は文献中の配列と異なる塩基の部位、**および
***はpMG935においても配列決定された領域を表わ
す。 第6図はpGH遺伝子のヌクレオチド配列を示す。 第7図はSD−ATG距離の短縮による発現最適化のために
行われた酵素処理の組合わせおよび生成物を示す。 第8図および第9図は修飾されたpGH構造(met1−190)
および(4−190)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−144743(JP,A) 特開 昭59−173083(JP,A) 特表 昭60−501837(JP,A) Proc.Natl.Acad.Sc i.USA Vol.76,No.2, P.760−764(1979) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/02 C12N 15/00 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の工程: (a)(i)ブタ成長ホルモン(pGH)活性を有する組
    換えポリペプチドをコードし、単細胞生物中で複製、転
    写及び翻訳可能であり、そしてプラスミドpMG935,pMG93
    6,pMG939,pMG940およびそれらの発現効率を変調しない
    範囲でSD〜ATGの間隔が変更されているプラスミド誘導
    体からなる群から選択される、組換えプラスミド発現ベ
    クター、および (ii)単細胞生物 からなる、二重複製開始点(dual origin)宿主−ベク
    ター発現系を用意し、 (b)形質転換、形質導入およびトランスフェクション
    からなる群から選択される方法により、組換えプラスミ
    ド発現ベクターを単細胞生物に導入し、 (c)導入された組換えプラスミド発現ベクターを有す
    る単細胞生物を培養し、そして (d)ブタ成長ホルモン活性を有する組換えポリペプチ
    ドを発現させることからなる、ブタ成長ホルモン活性を
    有する組換えポリペプチドを生成する方法。
  2. 【請求項2】ブタ成長ホルモン(pGH)活性を有する組
    換えポリペプチドがpGH(met 1−190)またはpGH(4−
    190)である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】単細胞生物がE.coliである、請求項1記載
    の方法。
  4. 【請求項4】単細胞生物がE.coli DH1である、請求項3
    記載の方法。
  5. 【請求項5】誘導体がpMG939−05,pMG939−07,pMG939−
    09,pMG939−10,pMG939−11,pMG939−12,pMG940−04,pMG
    940−07,pMG940−09,pMG940−10,pMG940−11およびpMG9
    40−12からなる群から選択される、請求項1ないし4の
    何れか1項記載の方法。
  6. 【請求項6】さらに、以下の工程: (d)組換えポリペプチドを不溶性凝集体として単離
    し、 (e)単離された不溶性凝集体を可溶化し、そして (f)可溶化された不溶性凝集体からブタ成長ホルモン
    (pGH)活性を有するポリペプチドを回収すること からなる、ブタ成長ホルモン(pGH)活性を有する組換
    えポリペプチドが不溶性凝集体として発現される、請求
    項1記載の方法。
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