JPH06133793A - ミュレル管抑制物質様ポリペプチドおよびその製造方法 - Google Patents

ミュレル管抑制物質様ポリペプチドおよびその製造方法

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JPH06133793A
JPH06133793A JP5178268A JP17826893A JPH06133793A JP H06133793 A JPH06133793 A JP H06133793A JP 5178268 A JP5178268 A JP 5178268A JP 17826893 A JP17826893 A JP 17826893A JP H06133793 A JPH06133793 A JP H06133793A
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    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少なくとも1種のミュレル管抑制物質(MI
S)様ポリペプチドおよびその製造方法を得る。 【構成】 DNA配列の分離およびクローン化におい
て、ウシMIS蛋白に基づく選択手段を採用した。従っ
て、ウシ睾丸からウシMIS蛋白質を精製し、かつこの
蛋白の各種断片のアミノ酸配列を決定した。これら蛋白
はいれつに基づき、次いで最小のヌクレオチド縮退を有
する精製ウシ蛋白の領域に対応する数種の反対方向のオ
リゴヌクレオチドDNAを合成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、DNA配列、組換DN
A分子およびミュレル管抑制物質(Mullerian
Inhibiting Substance)(MI
S)−様ポリペプチドの製造方法に関するものである。
さらに詳細には、本発明は、少なくとも1種のMIS−
様ポリペプチドをコードすることを特徴とするDNA配
列および組換DNA分子に関するものである。したがっ
て、これら配列により形質転換された宿主を本発明の方
法に使用して、本発明のMIS−様ポリペプチドを産生
させることができる。これらのポリペプチドは抗腫瘍活
性を有すると共に、特に女性生殖系の癌(たとえば卵巣
癌)のような癌を処置するのに有用である。
【0002】
【従来の技術とその問題点】分化直後の男性生殖腺によ
る少なくとも2種の睾丸因子の生成は、ジョストの兎去
勢実験により正常な雄生殖発育にとって必要であること
が最初に示された[C.R.Soc.Biol、第14
0巻、第463〜464頁(1946)およびC.R.
Soc.Biol、第141巻、第135〜136頁
(1947)]。1つの因子であるテストステロンは、
ウオルフ氏管からの副睾丸、輸精管および貯精嚢の分化
に寄与することが示されている。しかしながら、第2の
因子である非ステロイド系因子が存在してミュレル管
(すなわち雄生殖系の原基)の退行を刺激しなければ、
雄の男性化は完全でなかった。ジョストは、この第2の
調整因子をミュレル管抑制物質(MIS)と名付けた
[Rec.Prog.Horm Res、第8巻、第3
79〜418頁(1953)]。MISを精製する関心
が高まったのは、ウシMISが発育におけるその重要な
役割に加えてヒト卵巣腫瘍細胞ラインHOC−21に対
しインビトロにて細胞毒性である[ドナホーエ等、サイ
エンス、第205巻、第913〜915頁(1979)
およびフラー等、J.Clin.Endocrino
l.Metab、第54巻、第1051〜1055頁
(1982)]と共に裸ネズミモデルにてインビボでも
細胞毒性である[ドナホーエ等、Ann.Surg、第
194巻、第472〜480頁(1981)]ことが判
明したからである。高度に精製したウシMISのフラク
ションは、患者に由来する主として卵巣および子宮癌の
コロニー成長をも抑制する[フラー等、Gyn.Onc
ol、(1985)]。
【0003】MISの精製を試みて種々の方法が使用さ
れている[たとえばジョッソ等、Rec.Prog.H
om.Res、第33巻、第117〜167頁(197
7)およびドナホーエ等、Rec.Prog.Hom.
Res、第38巻、第279〜330頁(1982)参
照]。ウシ新生児の睾丸は誕生後8週間まで高レベルの
MISを含有し[ドナホーエ等、Biol.Repro
d、第16巻、第238〜243頁(1977)]、生
化学的精製に利用しうる組織源を供給する。ドナホーエ
および共同研究者等は、プロテアーゼ阻止剤の存在下で
グアニジン塩酸塩と共に培養することにより、ウシ睾丸
の活性かつ粗製のMIS調製物を初めて得た[スワン
等、Dev.Biol、第69巻、第73〜84頁(1
979)]。イオン交換またはゲル濾過クロマトグラフ
ィーによるその後の分画は純度を約3倍高めた。胎児ウ
シ睾丸からの培養培地を用いた他の研究により、同様な
結果が得られた[ピカード等、バイオメジスン、第25
巻、第147〜150頁(1976)およびジョッソ
等、Rec.Prog.Hom.Res、第33巻、第
117〜167頁(1977)]。順次のイオン交換ク
ロマトグラフィーを順次のレクチン親和性クロマトグラ
フィーと組合せることにより、ウシMISの純度がさら
に高められた[ブジク等、セル、第21巻、第909〜
915頁(1980);米国特許第4,404,188
号;および米国特許第4,510,131号]。ブジク
等(上記)の結果は、ウシMISが高分子量のグリコ蛋
白であって、半精製したMISフラクションを与え、こ
れを用いて抗−MISモノクローナル抗体を作成したこ
とを示唆している[ムジェット−ハンター等、ジャーナ
ル・イミュノロジー、第128巻、第1327〜133
3頁(1982);シマ等、ハイブリドーマ、第3巻、
第201〜214頁(1984);および米国特許第
4,487,833号]。自然条件下でのゲル濾過によ
り分画したレクチン親和性精製したウシMISは約20
0,000ダルトンに単一のピークを示したが、ポリア
クリルアミドゲルでの変性に際しこのフラクションは複
数成分を含有して、複数サブ単位構造を示唆した[ブジ
ク等、セル、第21巻、第909〜915頁(198
0)]。
【0004】その後、マトリックス・ゲル・グリーンA
を用いて2000倍以上のウシMIS精製を達成すると
共に、出発時の活性の60%回収を得た。これは透析可
能な保護剤である2−メルカプトエタノールとEDTA
とノニデット−P40(NP40)とでMIS活性を安
定化させることにより達成された。SDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動による2000倍精製MISフラ
クションの分析は、多数の成分が検出されたが、14
0,000ダルトンにて移動する1種のみの成分が減成
に対し感受性であることを示した。電気泳動前の試料の
減成は140,000ダルトンの喪失と同時に74,0
00ダルトンの新たなバンドを示したのに対し、このフ
ラクションにおける他の全成分の移動は効果上未変化で
あった[ブジク等、セル、第34巻、第307〜314
頁(1983)]。このことは、ウシMISが124,
000ダルトンの総分子量を有するジスルフィド結合サ
ブ単位の二量体であるという示唆と一致する[ピカード
等、Mol.Cell.Endocrinol、第12
巻、第17〜30頁(1978)]。
【0005】より高い純度のMISが腫瘍学研究のため
緊急に多量必要である。何故なら、女性生殖系の癌を処
置する現在の方法は不充分であるからである。女性生殖
系の癌は、人間における癌全体の約9%を占める。現
在、医者は、生殖系癌が早期に検出された場合(たとえ
ば卵巣癌第I−IIa期)、手術または放射線照射を行な
う。これらの処置方法は有効ではあるが、患者を不妊症
にする。患者が手術不可能であると判定された進行癌の
場合(第III −IV期)には、化学療法が用いられる。化
学療法剤のうちシスプラチヌム.アドリアマイシンおよ
びシトキサンが最も一般的に使用される。これらの薬剤
は、シスプラチヌム含有の処方と組合せて長期間使用す
れば最も効果的であることが判明している。これらの各
薬剤は毒性が高いと思われ、その使用には患者の間欠的
入院を必要とする。
【0006】天然の生物学的退行剤としてのMISは、
その特異性により副作用が少ないと思われる。他の潜在
的なMISの用途は、高レベルの上皮成長因子(EG
F)リセプタ(たとえば頭および首、肺、消化官上皮
系、角膜および皮膚などからのもの)による腫瘍の処置
を含有する[ハットソン等、サイエンス、第223巻、
第586〜589頁(1984)]。さらに、MISは
生殖細胞減数分裂を抑制すると思われる。何故なら、こ
の物質はグラフ細胞の顆粒膜細胞に局在しているからで
ある。たとえば、避妊剤としてのその使用が開発されつ
つある。これら幅広い潜在的用途は、MISの充分な供
給源を提供する重要性をさらに増大させる。
【0007】ウシMISの精製法がドナホーエおよび共
同研究者により案出されている[ブジク等、発生メカニ
ズム:正常および異常、J.W.ラッシュ編、アラン・
R・リス・インコーポレーション、科学・医学および学
術出版、第207〜233頁(1985)]。規模拡大
した方法を用いて、80%純度の蛋白約1mgをウシ新
生児の睾丸1000個から分離することができる。しか
しながら、この精製法は労力を要しかつ高価につく。特
に重大なことは、広範な腫瘍学研究に充分な原料を提供
し得ないことである。組換DNA技術は、より大きいウ
シMISの供給源をもたらす。
【0008】MISに関する殆どの研究はウシMISに
ついて行われているが、ひな鳥MISにも若干の興味が
持たれる。ケミカルウィーク(1985年1月30日、
第69頁)の論文に見られるように、C.S.テングは
ひな鳥MISを精製しかつひな鳥の胚からMIS遺伝子
を分離した。しかしながら、それ以上の詳細は報告され
ていない。
【0009】臨床用途には、動物源のMISよりもヒト
MISが好ましい。しかしながら、ヒトMISは、ヒト
組織が充分量で得られないため入手するのがずっと困難
である。したがって、ヒトMISを製造する唯一の途は
組換DNA技術である。よって、MIS用のヒト遺伝子
を分離することが極めて重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的、少なく
とも1種のMIS−様ポリペプチドをコードするDNA
配列、この種の配列を含む組換DNA分子、この種の配
列を含む宿主、並びに前記DNA配列により形質転換さ
れた宿主にて前記ポリペプチドを従来可能であったより
も、高純度で製造する方法を提供することにより、上記
問題を解決することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のDNA配列は、
(a)式
【0012】
【化10】
【0013】
【化11】
【0014】
【化12】
【0015】
【化13】
【0016】
【化14】
【0017】
【化15】
【0018】
【化16】
【0019】
【化17】
【0020】(b)上記DNA配列にハイブリッド化し
かつ発現に際しヒトMIS−様ポリペプチドまたはウシ
MIS−様ポリペプチドをコードし、好ましくは前記D
NA配列に対し実質的な同質性程度(より好ましくは少
なくとも約70%の同質性、特に好ましくは少なくとも
約80%の同質性)を有するDNA配列;および(c)
上記DNA配列のいずれかにより発現に際しコードされ
たポリペプチドを発現に際しコードするDNA配列より
なる群から選択される。これらDNA配列を含む組換D
NA分子、これらにより形質転換された宿主、およびこ
れらにより発現に際しコードされるMIS−様ポリペプ
チドも本発明の一部を構成する。
【0021】本発明のDNA配列、組換DNA分子、宿
主および方法の発明は、卵巣癌や他の感受性癌の処置に
使用するためのMIS−様ポリペプチドの製造を可能に
する。
【0022】さらに、本発明の範囲内には、式
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】これらに関連するMIS−様ポリペプチド
よりなる群から選択されるポリペプチド、並びにこれら
ポリペプチドの1種と医薬上許容し得るキャリヤとから
なる抗癌医薬組成物および女性生殖系の癌(たとえば卵
巣癌)などの感受性癌を処置する際の前記組成物の使用
方法も包含される。
【0028】本発明を一層充分に理解しうるよう、以下
詳細に説明する。
【0029】以下の説明において、次の用語を使用す
る:ヌクレオチド :糖成分(ペントース)と燐酸塩と含窒素
複素環塩基とからなるDNAもしくはRNAの単量体単
位。塩基はグリコシド炭素(ペントースの1′炭素)を
介して糖成分に結合される。塩基と糖との結合体はヌク
レオチドと呼ばれる。各ヌクレオチドはその塩基を特徴
とする。4種のDNA塩基はアデニン(“A”)、グア
ニン(“G”)、シトシン(“C”)およびチミン
(“T”)である。4種のRNA塩基はA、G、Cおよ
びウラシル(“U”)である。
【0030】DNA配列:隣接ペントースの3′炭素と
5′炭素との間のホスホジエステル結合により互いに結
合されたヌクレオチドの線状列。
【0031】コドン:mRNAを介してアミノ酸と翻訳
開始信号と翻訳終了信号とをコードする3種のヌクレオ
チド(トリプレット)のDNA配列。たとえばヌクレオ
チドトリプレットTTA、TTG、CTT、CTC、C
TAおよびCTGはアミノ酸ロイシン(“Leu”)を
コードし、TAG、TAAおよびTGAは翻訳停止信号
であり、ATGは翻訳開始信号である。
【0032】解読枠:アミノ酸配列までmRNAを翻訳
する際のコドンのグループ化。翻訳の際、適切な解読枠
を維持せねばならない。たとえば、DNA配列GCTG
GTTGTAAGは3つの解読枠(すなわち相)におい
て発現することができ、その各々は異なるアミノ酸配列 GCT GGT TGT AAG−−Ala−Gly−Cys−Lys G CTG GTT GTA AG−−Leu−Val−Val GC TGG TTG TAA G−−Trp−Leu−(停止) を与える。
【0033】ポリペプチド:隣接するアミノ酸のα−ア
ミノ基とカルボキシル基との間のペプチド結合により互
いに結合されたアミノ酸の線状列。
【0034】ゲノム:細胞もしくはウイルスの全DN
A。これは、特に物質のポリペプチドをコードする構造
遺伝子、ならびにオペレータ、プロモータおよびリボソ
ーム結合ならびにたとえばシャイン−ダルガーノ配列の
ような配列を含めて相互作用配列を包含する。
【0035】遺伝子:雛型もしくはメッセンジャーRN
A(“mRNA”)を介して、特定ポリペプチドに特徴
的なアミノ酸配列をコードするDNA配列。
【0036】転写:遺伝子もしくはDNA配列からmR
NAを生成する過程。
【0037】翻訳:mRNAからポリペプチドを生成す
る過程。
【0038】発現:ポリペプチドを生成するため遺伝子
もしくはDNA配列により受ける過程。これは、転写と
翻訳との組合せである。
【0039】cDNAクローン:mRNAから合成され
かつイントロンを含有しないDNA挿入物を含むクロー
ン。ベクターはプラスミドまたはファージとすることが
できる。
【0040】ゲノムクローン:ゲノムの断片であるDN
A挿入物を含むクローン(すなわち、全細胞DNAから
分離される)。これは、遺伝子の蛋白コード化領域を中
断するイントロンを含むことができる。ベクターはプラ
スミド、ファージまたはコスミドとすることができる。
【0041】エクソン:転写後に、先駆体RNAのスプ
ライス後のmRNAに維持される遺伝子の部分。
【0042】イントロン:転写後にスプライス・アウト
される遺伝子の部分。
【0043】プラスミド:完全「レプリコン」からなる
非クロモソーム二重鎖DNA配列であり、これによりプ
ラスミドは宿主細胞内で複製される。プラスミドを単細
胞微生物に入れると、その生物の特性がプラスミドのD
NA挿入の結果として変化または形質転換する。たとえ
ば、テトラサイクリン耐性(TetR )についての遺伝
子を担持するプラスミドは従前テトラサイクリンに感受
性であった細胞をこれに対し抵抗性の細胞に形質転換さ
せる。プラスミドにより形質転換された細胞を「(形質
転換体)」と呼ぶ。
【0044】ファージもしくはバクテリオファージ:細
菌性ウイルスであり、その多くは蛋白質エンベロプもし
くは被覆(「カプシド」)中にカプセル化されたDNA
配列からなっている。
【0045】コスミド:バクテリオファージλの凝集末
端(「cos」)部位を有するプラスミド。コスミド
は、cos部位が存在するため、λコート蛋白中に封入
され、これを用いて適当な宿主にインフェクトすること
ができる。外来DNAの大型断片に対するその能力のた
め、コスミドはクローン化ベヒクルとして有用である。
【0046】クローン化ベヒクル:宿主細胞中で複製し
得るプラスミド、フアージDNA、コスミドまたはその
他のDNA配列であり、これは1個または少数のエンド
ヌクレアーゼ識別部位を特徴とし、その部位においてこ
のDNA配列はDNAの本質的な生物学的機能(たとえ
ば再現性)、被覆蛋白質の生成の喪失またはプロモータ
もしくは結合部位の喪失を伴わずに決定可能に切断さ
れ、またこの部位は形質変換細胞の同定(たとえばテト
ラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性)に使用する
のに適する標識を有する。クローン化ベヒクルはしばし
ばベクター(Vector)と呼ばれる。
【0047】クローン化:微生物またはDNA配列の増
殖を得る過程であって、無性増殖によりこの種の一種の
微生物または配列から得られる。
【0048】組換DNA分子すなわちヒブリドDNA
生体細胞の外部で末端−末端結合されかつ生存細胞に維
持される能力を有する、異なるゲノムからのDNA断片
よりなる分子。
【0049】発現制御配列:遺伝子の発現をこれら遺伝
子に作用結合された際に制御しかつ調整するヌクレオチ
ドの配列。これらはlac系、β−ラクタマーザ系、
rp系、tacおよびtrc系、ファージλの主オペレ
ータおよびプロモータ領域、fdコート蛋白の制御領
域、SV40の早期および後期プロモータ、ポリオーマ
ウイルスおよびアデノウイルスから生ずるプロモータ、
メタロチオニンプロモータ、3−ホスホグリセレートキ
ナーゼもしくはその他の糖分解酵素のプロモータ、酸ホ
スファターゼのプロモータ(たとえばPho5)、酵母
α−交配因子のプロモータ、並びに原核もしくは真核細
胞およびそのそのウイルスまたはその組み合わせの遺伝
子の発現を制御することが知られた配列を包含する。哺
乳動物細胞の場合、遺伝子は、たとえばジヒドロホレー
トレダクターゼをコードする遺伝子に結合されかつ支那
ハムスター卵細胞で選択増幅されて活性転写された真核
遺伝子の多コピーを有する細胞ラインを生成するSV4
0の早期領域に対するような真核プロモータに結合する
ことができる。
【0050】MIS−様ポリペプチド:MIS−蛋白の
生物学的もしくは免疫学的活性を示すポリペプチド。本
明細書に使用する「MIS蛋白の生物学的活性」という
用語は、MIS−様ポリペプチドが天然MIS蛋白と実
質的に同様な生物学的活性の交差部分を有することを意
味すると理解すべきである(たとえば、これはミュレル
管の退行を刺激することができ、または卵巣腫瘍細胞の
1種もしくはそれ以上、たとえば細胞ラインHOC−2
1に対し細胞毒性であり、好ましくはこれはミュレル管
の退行を刺激すると共に卵巣腫瘍細胞の1種もしくはそ
れ以上に対し細胞毒性である)。本明細書に使用する
「MIS蛋白の生物学的活性」という用語は、天然MI
S蛋白に対し特異性である抗体と交差反応するMIS−
様ポリペプチドの能力を意味すると理解すべきである。
この種の抗体の例は米国特許第4,487,833号公
報に開示されている。MIS−様ポリペプチドは、天然
MIS蛋白の他にアミノ酸を含むことができ、或いは天
然MIS蛋白のアミノ酸全部を含まなくてもよい。たと
えば、これはN−末端メチオニンを含むことができる。
さらに、このポリペプチドは成熟蛋白もしくは未熟蛋白
とすることができ、或いは未熟蛋白から誘導される蛋白
(たとえば信号配列の1部のみが切断されている蛋白)
とすることもできる。この種のポリペプチドの例は、M
ISアミノ酸配列を改変してその性質(たとえば、より
大きい貯蔵安定性または増大したインビボによる半減
期)の向上を得るべく作成したMISポリペプチドの誘
導体である。本明細書において「誘導されるMIS−様
ポリペプチド」という用語は、本発明におけるMISポ
リペプチド(たとえば、ウシMISもしくはヒトMI
S)だけでなく、この定義に記載した種類の各種の関連
ポリペプチドをも意味すると理解すべきである。
【0051】本発明は、MISポリペプチドをコードす
るDNA配列および組換DNA分子、並びにこれらポリ
ペプチドの製造方法に関するものである。
【0052】本発明によるDNA配列の分離およびクロ
ーン化において、ウシMIS蛋白に基づく選択手段を採
用した。したがって、本発明によれば、ウシ睾丸からウ
シMIS蛋白質を精製し、かつこの蛋白の各種断片のア
ミノ酸配列を決定した。これら蛋白配列に基づき、次い
で最小のヌクレオチド縮退を有する精製ウシ蛋白の領域
に対応する数種の反対方向のオリゴヌクレオチドDNA
試料を合成した。次いでこれらの試料を用いてファージ
クローン化ベクター中に挿入されたウシ睾丸cDNA配
列を含むイー・コリ細胞からなるウシcDNAライブラ
リをスクリーニングした。
【0053】スクリーニングするため、プラークハイブ
リッド化スクリーニング分析を利用してオリゴヌクレオ
チド試料をウシcDNAライブラリにハイブリッド化さ
せかつこれら多数の試料にハイブリッド化するクローン
を選択した。選択したウシcDNA挿入物を分離しかつ
プラスミド中にサブクローン化した後、そのヌクレオチ
ド配列を決定しかつ精製ウシMIS蛋白のペプチドから
得られたアミノ酸配列と比較した。この比較の結果、分
割した全クローンのヌクレオチド配列がウシMIS蛋白
のアミノ酸配列をコードすることを突き止めた。
【0054】1種のウシMIS cDNAクローン(p
S21)の挿入物を用いて、ヒトMIS遺伝子をヒトコ
スミドライブラリから分離しかつ部分cDNAクローン
をヒトcDNAライブラリから分離した。ヒト新生児の
睾丸から抽出した全RNAからヒトcDNAライブラリ
を作成した。
【0055】本発明のcDNA配列もしくはゲノムDN
A配列は発現制御配列に作用結合させることができ、か
つこれを各種の哺乳動物またはその他の真核もしくは原
核宿主細胞に使用して、これらによりコードされたMI
S用ポリペプチドを産生させることができる。さらに、
本発明のcDNA配列もしくはゲノムDNA配列は、M
IS用ポリペプチドをコードする他の配列につきヒトc
DNAライブラリをスクリーニングする試料として有用
である。
【0056】上記ヒトゲノムDNA配列は数個のイント
ロンを有する。これらイントロンの1個もしくはそれ以
上または全部が欠失しているDNA配列および組換DN
A分子も本発明の範囲内に入ると考えられる。
【0057】本発明のウシおよびヒトMIS−様ポリペ
プチド(好ましくは、ヒトMIS−様ポリペプチド)は
抗癌剤として有用である。たとえば、この種の組成物は
抗癌上有効量の本発明によるMIS−様ポリペプチドと
医薬上許容し得るキャリヤとから構成することができ
る。この種の治療は一般にこれら組成物により医薬上許
容し得る方法で患者を処置する方法からなっている。
【0058】一般に、本発明の医薬組成物は、他の医薬
上重要なポリペプチド(たとえばα−インタフェロン)
について使用すると同様な方法を用いて処方しかつ投与
することができる。たとえば、これらポリペプチドを凍
結乾燥型で貯蔵し、投与直前に滅菌水で再編成しかつ静
脈投与することができる。好ましくは、本発明の医薬組
成物は、米国特許第4,510,131号公報に開示さ
れたMIS蛋白につき使用されているものと同様な投与
量および投与方式で投与され、前記米国特許の開示を参
考のためここに引用する。
【0059】広範な種類の宿主/クローン化ベヒクル組
合せ物を、本発明により作成されたMIS−様ポリペプ
チドDNA配列をクローン化しまたは発現させるのに使
用することができる。たとえば、有用なクローン化もし
くは発現ベヒクルは染色体、非染色体および合成DNA
配列の断片、たとえば各種公知のSV40の誘導体およ
び公知の細菌プラスミド、たとえばcolE1、pCR
1、pBR322、pMB9およびその誘導体を含むイ
ー・コリからのプラスミド、広範な宿主範囲のプラスミ
ド、たとえばRP4、ファージDNA、たとえばファー
ジλの多数の誘導体、たとえばNM989およびその他
のDNAファージ、たとえばM13およびフィラメント
状−本鎖DNAファージおよびプラスミドとファージD
NAとの組合せ物から誘導されるベクター、たとえばフ
ァージDNAもしくはその他の発現制御配列を用いるよ
う改変したプラスミド、或いは酵母プラスミド、たとえ
ば2μプラスミドもしくはその誘導体で構成することが
できる。cDNAクローン化のための好適な発現ベクタ
ーは、λgt10であり、好適宿主はイー・コリBNN
102である。動物細胞の発現には、好適な発現ベクタ
ーは支那ハムスター卵細胞(CHO)におけるpBG3
11およびpBG312である。
【0060】各特異性クローン化もしくは発現ベヒクル
の内部には、本発明のMIS−様ポリペプチドDNA配
列を挿入するための各種の部位を選択することができ
る。一般にこれらの部位はこれを切断する制限エンドヌ
クレアーゼにより命名され、当業者に充分認識されてい
る。DNA配列を、これらの部位に挿入して組換DNA
分子を生成させるための各種の方法も周知されている。
たとえば、これらはdG−dCもしくはdA−dT処
理、直接結合、合成リンカ、エキソヌクレアーゼおよび
ポリメラーゼ結合修復反応に続く結合、或いはDNAポ
リメラーゼおよび適当な一本鎖雛型によるDNA鎖の延
長に続く結合を包含する。勿論、本発明に有用なクロー
ン化もしくは発現ベヒクルは、選択DNA断片を挿入す
るための制限エンドヌクレアーゼ部位を有する必要がな
いことを了解すべきである。むしろ、このベヒクルは、
他の手段によって断片に結合することができる。
【0061】各種の発現制御配列を選択して、本発明の
DNA配列の発現を行なうことができる。これらの発現
制御配列はたとえばlac系、β−ラクタマーゼ系、
rp系、TAC系、TRC系、ファージλの主オペレー
タおよびプロモータ領域、fdコート蛋白の制御領域、
3−ホスホグリセレートキナーゼもしくはその他の糖分
解酵素のプロモータ、酸ホスファターゼのプロモータ
(たとえばPho5)、酵母α−交配因子のプロモー
タ、哺乳動物細胞のプロモータ、たとえばSV40の早
期プロモータ、アデノウイルス後期プロモータおよびメ
タロチオニンプロモータ、並びに原核もしくは真核細胞
またはそのウイルスの遺伝子の発現を制御することが知
られたその他の配列、およびその各種組合せを包含す
る。哺乳動物細胞においては、さらに遺伝子をジヒドロ
ホレートレダクターゼに結合しかつ宿主支那ハムスター
卵細胞に対し選択を行なって発現単位を増幅することも
できる。
【0062】本発明のDNA配列を発現させるには、こ
れらDNA配列を発現ベクターにおける上記発現制御配
列の1種もしくはそれ以上に作用結合させる。選択した
MIS−様ポリペプチドDNA配列がクローン化ベヒク
ル中に挿入される前または挿入された後に行ない得るこ
の種の作用結合は、発現制御配列がDNA配列の発現を
制御しかつ促進することを可能にする。
【0063】本発明に使用する選択DNA断片および発
現制御配列を挿入するためここで選択したベクターもし
くは発現ベヒクルおよび特に部位は各種の因子、たとえ
ば特定制限酵素に感受性である部位の個数、発現すべき
蛋白の大きさ、たとえばベクター配列に対する開始およ
び停止コドンの位置などの発現特性、並びに当業者に認
識されたその他の因子によって決定される。ベクター、
発現制御配列および特定のMIS−様ポリペプチド配列
の挿入部位の選択はこれら因子のバランスによって決定
され、必ずしも全ての選択が所定の場合に同等に有効で
あるとは限らない。
【0064】さらに、クローン化もしくは発現ベヒクル
の選択部位に挿入される本発明によるMIS−様ポリペ
プチドをコードするDNA配列は、MIS−様ポリペプ
チドをコードする実際の遺伝子の1部でないヌクレオチ
ドを包含することができ、或いはこのポリペプチドを全
遺伝子の断片のみを包含し得ることも了解すべきであ
る。唯一の必要なことは、いかなるDNA配列を使用し
ても、形質転換宿主がMIS−様ポリペプチドを産生す
ることである。たとえば、本発明のMIS−様ポリペプ
チド関連DNA配列を、本発明の発現ベクターにおける
同じ読枠中で、少なくとも1種の真核もしくは原核信号
配列をコードする少なくとも1種の真核もしくは原核キ
ャリヤ蛋白もしくはDNA配列或いはその組合せをコー
ドするDNA配列の少なくとも1部に融合させることが
できる。この種の作成は、所望のMIS−様ポリペプチ
ド関連DNA配列の発現を助け、精製を向上させ、また
は宿主細胞からのMIS−様ポリペプチドの分泌、好ま
しくは熟成を可能にする。或いは、MIS−様ポリペプ
チド関連DNA配列は、ATG開始コドンを単独で或い
は他のコドンと一緒に含むことができ、または天然の成
熟MIS−様ポリペプチドの第1アミノ酸をコードする
配列に直接融合させることもできる。この種の作成は、
たとえばメチオニルもしくはその他のペプチジル−MI
S−様ポリペプチドの産生をも可能にし、これも本発明
の1部である。次いで、このN−末端メチオニンもしく
はペプチドを各種の公知方法により細胞内でまたは細胞
外で切断することができ、或いはメチオニンもしくはペ
プチドが結合したMIS−様ポリペプチドを未切断のま
ま医薬組成物および本発明の方法に使用することもでき
る。
【0065】本発明のMIS−様ポリペプチドコード配
列を含むクローン化ベヒクルまたは発現ベクターを本発
明にしたがって使用し、適当な宿主を形質転換させて、
この宿主がDNA配列のコードするMIS−様ポリペプ
チドを発現するのを可能にする。
【0066】有用なクローン化もしくは発現宿主はイー
・コリ、たとえばイー・コリC600、イー・コリED
8767、イー・コリDH1、イー・コリLE392、
イー・コリHB101、イー・コリX1776、イー・
コリX2282、イー・コリMRCI、イー・コリBN
N102、イー・コリJM83、イー・コリJA22
1、並びにシュードモナス、バチルスおよびストレプト
ミセス、酵母およびその他の真菌類の菌株、動物宿主、
たとえばCHO細胞、COS細胞もしくはネズミ細胞、
その他の動物(ヒトを含む)宿主、培養中の植物細胞ま
たはその他の宿主を包含する。
【0067】適する宿主の選択も、当業界で認識された
多数の因子によって管理される。これらは、たとえば選
択ベクターとの適合性、ハイブリッドプラスミドにより
コードされる蛋白の毒性、宿主細胞酵素による蛋白分解
減成に対する所望蛋白の感受性、精製の際に除去するの
が困難な宿主細胞蛋白による発現蛋白の汚染もしくは結
合、所望蛋白の回収容易性、発現特性、生物安全性およ
びコストなどを包含する。これら因子のバランスは、必
ずしも全ての宿主ベクター組合せか特定組換DNA分子
のクローン化もしくは発現のいずれに対しても同等には
有効でないという理解に立脚せねばならない。
【0068】MIS−様ポリペプチド(前記宿主で本発
明により作成される)は、融合蛋白の形態のポリペプチ
ド(たとえば原核、真核もしくは組合せN−末端断片に
結合して分泌を指令し、安定性を向上させ、精製を改善
し、またはN−末端断片の可能な切断を向上させる)、
MIS−様ポリペプチドの先駆体の形態(たとえば、M
IS−様ポリペプチド信号配列またはその他の真核もし
くは原核信号配列の全部または部分から出発する)、成
熟MIS−様ポリペプチドの形態、またはfmet−M
IS−様ポリペプチドの形態のポリペプチドを包含す
る。上記したように、本明細書中に使用する「誘導され
るMIS−様ポリペプチド」という用語は、この種のM
IS−様ポリペプチドを包含すると理解すべきである。
【0069】本発明によるポリペプチド、または少なく
ともその先駆体の1種の特に有用な形態は、容易に切断
されるアミノ酸もしくはアミノ酸シリーズがアミノ末端
に結合した成熟MIS−様ポリペプチドである。この種
の作成は、適当な宿主におけるポリペプチドの合成を可
能にし、成熟ポリペプチドに存在してはならない開始信
号を必要とし、さらに余分なアミノ酸のインビボもしく
はインビトロの切断を可能にして成熟MIS−様ポリペ
プチドを産生する。この種の方法は当業界で既に存在す
る(たとえば、米国特許第4,332,892号、第
4,338,397号および第4,425,437号各
公報参照)。さらに、これらポリペプチドは、天然MI
S−蛋白と同様にグリコシル化されていても或いはグリ
コシル化されていなくてもよく、または天然MIS−蛋
白のパターンとは異なるグリコシル化パターンを有する
こともできる。この種のグリコシル化は宿主細胞の選
択、或いは特定MIS−様ポリペプチドにつき選択した
発現後の処理によって生ずる。さらに、本発明のポリペ
プチドは、本発明のDNA配列におけるコドンの幾つか
または全部につき異なるコドンを特徴とするDNA配列
によって発現に際しコードされるMIS−様ポリペプチ
ドをも包含する。これらの置換コドンは、置換されたコ
ドンによりコードされるものと同一のアミノ酸をコード
し得るが、より高収率のポリペプチドをもたらす。代案
として、アミノ酸置換をもたらす、或いはより長いもし
くはより短いMIS−様ポリペプチドをもたらすコドン
の1個もしくは組合せの置換は、その性質を通常のよう
に変化させることができる(たとえば安定性を増大さ
せ、溶解度を増大させ、または治療活性を増大させ
る)。
【0070】本発明をより良く理解するよう、以下の実
施例により本発明を説明する。これらの実施例は説明の
目的であって、本発明の範囲を決して限定するものでは
ないと理解すべきである。
【0071】
【実施例】実施例1 ウシMIS蛋白の配列 ブドゥツィク等[Cell、第34巻、第307〜31
4頁(1983)]の方法によって新生のウシ睾丸から
ウシMIS蛋白を分離した。マトリックスゲルグリーン
Aカラムから0.5M NaClで溶出した後、ウシM
IS画分(グリーン−3)を濃縮し、PBS緩衝液と
0.01%ノニデット−P40で透析し−70℃で保存
した。
【0072】分析的SDS−PAGE還元によるMIS
(グリーン−3画分)は74Kdと70Kdの主なポリ
ペプチド、並びに140に近い種と95Kdを含む幾つ
かの少量成分を含んでいた。74Kdと70Kd種の高
精製試料を半調製SDS−PAGEの組合せに続く溶離
により得ることが出来た。これらの各々を末端分析に付
した。70Kdと74Kdポリペプチドの両方とも同じ
N−末端(ArgGluGluValPheSer)を
有していた。
【0073】還元しかつカルボルキシメチル化した74
Kdと70KdMISポリペプチドの夫々の約1ノナモ
ルをTPCK−トリプシンで別々に消化した。カルボル
キシメチル化後、精製ポリペプチドを0.1M NH4
HCO3 と0.1mM CaCl2 中に再分散して精製
し、次いでTPCK−トリプシンで16時間37℃下に
培養した。この培養中、トリプシンを3回に分けて添加
し、初回に全蛋白に対し最終濃度2.0%、4時間後に
4.0%、12時間後に6.0%である。
【0074】これら培養による開裂フラグメントを0.
1%トリフロロ酢酸中の0〜75%勾配のアセトニトリ
ルを使用して高圧液体クロマトグラフィーにより分解し
て、C18カラムに結合のペプチドを溶出した。2つの
トリプチル地図は極めて近似しており、同じ一次構造を
示し、かつ70Kdポリペプチドに由来することが推定
された。従って、各々の培養からの選択保存ピークを組
合せ、次いでガス相配列解析機(アプライドバイオシス
テムス470A)を使用して配列分析した。5μmシア
ノカラム(ハイパーシル)により、0.02M酢酸ナト
リウム(pH5.7)中の15〜55%勾配のアセトニ
トリル:メタノール(4:1)を使用して高圧液体クロ
マトグラフィーによりPTH−アミノ酸を分析した。
【0075】トリプチル培養は20以上のピークを生成
した。この内の6つは蛋白配列を与えた。一つのトリプ
チルペプチド、#T105−106の配列を図1に示
す。
【0076】トリプシン又はS.アウレウスV8プロテ
アーゼによる125 I−標識付け74Kd及び70KdM
ISの分析的培養によると、生成ペプチドの大部分は1
0Kdより大きく、かつC18カラムによる高性能液体
クロマトグラフィーで低収率で回収した。SDS−尿素
PAGE及び高性能液体クロマトグラフィー分析の両方
を使用して、保存開裂生成物は70Kdと74KdMI
Sの間に生起することが再び観察され、2つのポリペプ
チドは関係があることを確認した。
【0077】基本pHにおけるTPCK−トリプシンに
よる培養程度を増大するため、培養の前に1ノナモルの
MISをこはく酸付加体とし、次いで得られたペプチド
をC8カラムで分解した(90%収率)。5〜16残渣
に亘る6つのペプチド配列を更に得た。この内の2つは
前に得た配列であることを確認した。トリプチルペプチ
ド#T81の配列を図1に示す。
【0078】培養に際し、2M尿素を含ませることによ
り、TPCK−トリプシンによるMISの培養効率が更
に向上した。このようにして得たペプチドを使用して、
更に11個のペプチド配列を得た。総計して、23個の
ペプチド配列を得、その内の2つを図1に示す。
【0079】実施例2 オリゴヌクレオチドDNAプローブの合成 ウシMIS蛋白の各種範囲のアミノ酸配列を決定した後
(図1参照)。これら蛋白配列の幾つかに対しコードさ
れた抗認識オリゴヌクレオチドDNAプローブの2つの
プールを化学的に合成した(図2および図3参照)。こ
れらは最小核酸縮退を有するMIS蛋白の範囲に相当す
るため図2および図3に示す2つのプール(1−4及び
9−12)を合成した。各アミノ酸配列に対し、総ての
コードンに相補のプローブ混合物を合成した。プローブ
はアミノ酸配列にコードするDNA配列に相補で、即
ち、プローブは抗認識であってプローブがDNA並びに
mRNA中の対応する配列を認識するのを可能とされ
る。MIS蛋白の2つの選択された範囲のアミノ酸配列
及びこれらにコードする総ての可能なヌクレオチドコー
ドン組み合わせとを図2および図3に示す。コードする
縮退を次ぎに示す:N=C、T、A又はG;R=A又は
G;Y=C又はT;及びH=A、C又はT。
【0080】図1のトリプチルフラグメントT105−
106及びT81の配列から誘導したプローブの2つの
プールは夫々256倍縮退を有する17量体又は512
倍縮退を有する20量体であった。プールの中央の縮退
コードンにて開裂することにより、4群中の各プールを
合成した。かくして、64の4つのサブプール[1−
4]中のT105−106の256倍縮退17量体及び
128の4つのサブプール[9−12]中の512倍縮
退20量体とを調製した。これにより正しい配列を含む
サブプールを区別するためノーザンブロートによりこれ
らを別々に使用して縮退を減少することが出来た(下記
参照)。アプライドバイオシステムス380A DNA
合成機によりプローブを合成し、次いでこれらをゲル電
気泳動により精製した。このプローブを[γ−32P]
−ATP及びポリヌクレオチド助酵素を使用して標識付
けした[マックサムとギルバート Proc.Nat
l.Acad.Sci、第74巻、第560頁(197
7)]。
【0081】ノーザン分析を使用して1−4及び9−1
2の2つのプローブの縮退を減少した。生後2週間及び
3箇月のウシ睾丸、並びに成体ウシ腎臓からのRNAを
有するノーザンプロートのためプローブ各々にハイブリ
ッド形成した。生後2週間ウシ睾丸のみが生物学的に活
性MISを含んでいたので、ノーザン分析はどの群内の
プローブが正しいMIS配列を含むか区別するであろう
と期待された。それでcDNAライブラリをスクリーン
するためにより少量の縮退プローブを使用した。MIS
プローブ1−4を有するノーザンプロートはプローブ2
が正しいオリゴマー配列を含むことを暗示し、一方MI
Sプローブ9−12を有するノーザンプロートはプロー
ブ12が正しいオリゴマー配列を含むことを示した。両
方の場合、2000ヌクレオチド転写が生後2週間のウ
シ睾丸からのRNAに観察されたが、他のRNAには観
察されなかった。サブプール2を16倍縮退の4つのサ
ブプール(13−16)に切断し、一方プローブ12を
32倍縮退の4つのサブプール(17−20)に切断し
た。生後2週間のウシ睾丸RNAに2000ヌクレオチ
ド転写へハイブリッド形成されたというプローブのノー
ザン分析により、正しい選択がなされたことが確証され
た。転写は生後3箇月のウシ睾丸又は腎臓には存在しな
かった。
【0082】実施例3 ウシ睾丸cDNAライブラリの
構成並びにスクリーニング ウシ睾丸から分離したポリA+ mRNAのウシcDNA
ライブラリを構成した。cDNAをλgt10に挿入
し、かつイー・コリBNN102細胞の配列を増幅し
た。
【0083】A.ウシ睾丸からRNAの抽出 屠殺直後の生後2週間の仔ウシからの睾丸を入手した。
白膜から精液生成の細管を除去し、これらを液体窒素中
で急速冷凍した。冷凍組織の約10gを粉砕し、これを
抽出緩衝液(4Mグアジニンチオサイアネート、0.5
%SDS、25mMクエン酸ナトリウム、0.1%シグ
マ泡止め剤)100ml中でポリトロンを使用して2分
間高速で均質化した。ホモジネートをソルバールRC2
B遠心機で4℃、20分間、8000rpmで遠心分離
した。75mlの上澄み液を回収し、それをCsCl緩
衝液(5.7M CsCl、25mM NAOAc p
H5.0、1mM EDTA)の30ml(各々10m
l含有の3管)にとり、次いでSW28ロータ中で22
000rpm、16時間遠心分離した。ペレットを10
mMトリス−HCl(pH7.4)1mM EDTA及
び0.1%SDSの10mlに再分散した。0.3M酢
酸ナトリウム中−20℃で一晩核酸をエタノール沈澱さ
せ、これをソルバールRC2B遠心機(SS34ロー
タ)で14Krpm、4℃、20分間でペレット化し
た。ペレットを5mlの0.3M酢酸ナトリウム中に再
分散し、再び上記のようにして核酸をエタノール沈澱さ
せた。最終ペレットを300μlのH2 0中に再分散
し、−20℃で保存した。ポリ(A)+ RNA用のRN
A調製品をオリゴ(dT)−セルローズカラム(PLバ
イオケム)に通して濃縮した。
【0084】B.λGT10中の生後2週間のウシ睾丸
のポリA+ mRNAからのcDNAライブラリの構成 1.cDNAの合成 上記のようにして生後2週間のウシ睾丸から分離した本
発明A+ mRNA25μgからcDNAを合成した。m
RNAをH2 0中55μg/mlに希釈し、水酸化メチ
ル−マーキュリ(CH3 HgOH)で処理することによ
り変性した。次いで50mMに1M CH3 HgOH
(アルファベネトロン)を添加した。5μlの50mM
CH3 HgOHを50μlのH2 0中のmRNH25
μgに添加し、室温で10分間温置した。1.4Mのβ
−メルカプトエタノール10μlを添加することにより
反応を停止した。
【0085】変性mRNA混合物を、42℃の0.1M
トリス−HCl、0.01M MgCl2 、0.01M
DTT、1mM dATP、0.5mM dCTPと
50μCi3 H−dCTP(25.7Ci/mmol、
ニュー イングランド ヌクレア)、1mM dGT
P、1mM dTTP、2.5mMバナジルリボヌクレ
オシド複合体(ベテスダリサーチラブス)、20μgオ
リゴdT12 18(PLビオケム)、及び196U
AMV逆転写酵素(セイカガク アメリカ)からなる反
応混合物へ添加した。混合物の最終容量は200μlで
あった。混合物を3分間室温で、44℃で3時間培養
し、次いで0.5M Na2 EDTA 1/20容量添
加することにより反応を停止した(pH8.0)。
【0086】反応混合物をTE飽和フェノールとクロロ
ホルム(50:50)の混合物で抽出した。(TE緩衝
液は10mM トリス−HCl、pH7.0、1mM
Na2 −EDTA)。次いで有機層をTE緩衝液で再抽
出し、混合液相を、0.01Mトリス−HCl(pH
7.4)、0.1M NaCl、0.01mM Na2
EDTA、0.05%SDSを含有する5mlの殺菌ピ
ペットを介してクロマトグラフィーに付した。LKB液
体シンチレーションカウンター中の各画分のアリコート
をカウントした。前ピークから尾部を差し引いてプール
し、cDNAを95%エタノール2.5容量を使用して
−20℃で沈澱した。cDNAの収量はcDNA−mR
NAハイブリッドとして得られた8.1μgであった。
【0087】2.二本鎖合成 cDNAをH2 0に再分散し、各々4μgのcDNAを
含む重複二次鎖反応物を設定した。各400μlの反応
物は0.02Mトリス−HCl、pH7.5、0.1M
KCl、0.005M MgCl2 、0.5mM d
ATP+100μCiα−dATP32(3000Ci/
mmol、ニュー イングランド ヌクレア)、1mM
dCTP、1mM dGTP、1mM dTTP、1
00uDNA PolIクレノー画分(ボーリンゲル
マンハイム)、及び4uRナーゼH(P.L.ビオケ
ム)を含有した。反応物を12℃で1時間、室温で1.
5時間培養し、次いでpH8/0で0.5M Na2
DTAを1/20容量添加して反応を停止した。次いで
前節に記載したcDNA合成工程におけるようにフェノ
ール:クロロホルムで反応混合物を抽出し、抽出物を
0.2容量の10M酢酸アンモニウムと2.5容量の9
5%エタノールを−70℃、20分間にて添加して沈澱
させた。得られた混合物を室温に加温し、次いでエッペ
ンドルフ遠心機で15分間回転して二本鎖cDNAをペ
レットとした。ペレットをTE緩衝液に再分散し、酢酸
アンモニウムで沈澱を繰り返し(最終濃度2M)、エタ
ノールで2回沈澱させた。
【0088】ペレットを高速真空で乾燥し、TE緩衝液
100μl中に再分散した。次いで25μgの煮沸Rナ
ーゼA(シグマ)を添加し、混合物37℃で30分間培
養し、フェノール:クロロホルムで抽出し、cDNA合
成工程に対し上記したようにセファデックスG150を
介してクロマトグラフに付した。
【0089】鈍い端部を確認するため、二本鎖cDNA
をH2 0に再分散し、それを0.001M酢酸マグネシ
ウム、0.17M DTT、88μg BSA、0.2
5mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP、及
び18uT4 DNAポリメラーゼ(ニュー イングラン
ド バイオラブス)を含む反応物へ添加した。最終反応
物の容量は300μlであった。反応物を37℃で1時
間培養し、次いで抽出し、2次鎖合成工程に対して記載
したように2M酢酸アンモニウムと2.5容量の95%
エタノールで2回沈澱させた。
【0090】鈍い端部化cDNAの2μgを独特なオリ
ゴマリンカーに結合させた。このリンカーはリンカー2
7、配列5′AATTGAGCT CGA GCG C
GGCCG Cで5′ホスホリル化リンカー28への2
2量体、配列5′GCGGCC GCG CTC GA
G CTC 3での18量体を煮もどしすることにより
形成した。煮もどししたリンカーは鈍い端部化cDNA
への結合に対するホスホリル化鈍い端部とλgt10培
養したEcoRIへの結合に対する非ホスホリル化5′
突出配列(AATT)とを含有する。リンカーは次ぎの
限定酵素に対して認識配列を含んでいた:Alul、A
val、Ban2、Bsp12、Fnu4H、FnuD
2、Hal3、Hgi A1、Hha1、HinP1、
Not1、Sst1、Xho1、Xma3。
【0091】リンカー27−28の2μgを0.05M
トリス−HCl pH7.8の2μgcDNA、0.0
1M MgCl2 、0.03M NaCl、1mMスペ
ルミジン、0.2mM Na2 EDTA、2mM DT
T、100μg/ml BSA、0.4mM ATP、
及び1000uT4 DNAリガーゼ(ニュー イングラ
ンド バイオラブス)中の2μgのcDNAへ4℃で2
4時間にて最終容量26μl中で結合した。過剰リンカ
ーを除去し、かつcDNAの大きさを分割するため、T
E飽和フェノールとクロロホルム混合物で結合反応物を
抽出した。有機層をTEN緩衝液(0.01Mトリス−
HCl pH7.5、0.1M NaCl、及び1mM
Na2 EDTA)で再抽出し、混合水溶液を、予めT
EN緩衝液で平衡化された1×30cmバイオゲルA5
0(ビオラッド)でクロマトグラフに付した。TBE緩
衝液(0.089Mトリス−HCl、0.089ほう酸
及び2.5mM Na2 EDTA)中の1%アガロース
ゲルにカラム画分のアリコートを流し、ゲルを乾燥し、
それを−70℃でコダックXAR−5フィルムにさらし
た。500bpより大きなcDNAを含む画分をプール
し、次いでこれらをエタノール沈澱させた。大きな分離
した二本鎖cDNAの収率は900ngであった。
【0092】3.ライブラリ構成 λGT10切断EcoRIの6μgを、0.05Mトリ
ス−HCl pH7.8、0.01M MgCl2
0.03M NaCl、1mMスペルミジン、0.2m
M Na2 EDTA、2mM DTT及び31.2μl
中の100μg/ml BSAに混合した。これら成分
を70℃3分間、45℃15分間加熱し、氷上で冷却
し、次いでエッペンドルフ遠心機で5秒間回転した。反
応混合物を0.25mM ATPと2000uT4 DN
Aリガーゼ(NEB)へ調節し、次いで16時間15℃
で培養した。結合のアリコート3.4μlをアメルシャ
ムによって供給される記録に従ってアメルシャム包装混
合物を使用するファージ粒子に詰め込み、包装DNAを
感染E.コリBNN102細胞へ使用した。ライブラリ
のプラーク形成は増幅しかつCsSL結合したところの
5.4×106 の独立プラークを生成した。プラークの
41%は2.2×106 再結合のライブラリ複雑度を示
すインサートを有した。ファージ結合のCsSL力値は
1.6×1013PFU/mlであった。
【0093】C.ライブラリのスクリーニング ベントンとダビス[サイエンス、第196巻、第180
頁(1977)]のプラークハイブリッド形成スクリー
ニング技術を使用してMIS蛋白配列のコードしたヌク
レオチドに対し、標識付けしたオリゴヌクレオチドのプ
ローブ16でライブラリをスクリーンした。
【0094】L−ブロスと0.2%マルトース中でBN
N102細胞の一晩培養物をペレット化し、それをSM
緩衝液(50mMトリス−HCl、pH7.5、100
mMNaCl、10mM MgSO4 、及び0.01%
ゼラチン)の等量に再分散した。次いで、0.3mlの
細胞を室温で15分間、5×104 ファージ粒子で予備
吸着した。次いでLB+10mM MgSO4 と0/7
%アガロースの8mlに55℃で分散物を希釈した。こ
のようなプレートを30個作り、次いでプラークが殆ど
接触するまで約8時間37℃でプレートを培養した。次
いでプレートを1時間4℃で冷却してアガロースを硬化
させた。
【0095】ニトロセルロースフィルターを再結合プラ
ークを含むプレートの上に5分間置き、次いで持ち上
げ、かつ0.5N NaOH/1.5M NaClのプ
ールの上に5分間置くことによりフィルターを溶解し、
次いで同じ緩衝液に5分間浸漬した。フィルターを0.
5Mトリス−HCl(pH7.4)、1.5M NaC
lに5分間ずつ2回浸漬することにより中和した。1M
NH4 OAcに2分間洗浄してそれを空気乾燥し、2
時間80℃で加熱した。
【0096】0.2%ポリビニル−ピロリドン、0.2
%フィコール(MW400000)、0.2%ウシ血清
アルブミン、0.05Mトリス−HCl(pH7.
5)、1M NaCl、0.1%ピロリン酸ナトリウ
ム、1%SDS、10%デキストランサルフェイト(M
W500000)及び100μg/ml tRNA中の
オリゴヌクレオチドプローブ16へフィルターを予備ハ
イブリッド形成及びハイブリッド形成をした。オートラ
ジオグラフィーによってλ−cDNA配列がハイブリッ
ド形成されたことを検出した。
【0097】この技術によって、同じプローブを使用し
て低密度で19正のプラークを取り上げかつスクリーン
した。
【0098】これらのクローンのDNAを分離し、クー
ソルで消化し、サザンブロート技術によってオリゴマー
プローブ16及び18でそれをハイブリッド形成した
[E.M.サザン、J.Mol.Biol、第98巻、
第503−18頁(1975)]。クローンの9つは挿
入cDNAを含み、それはトリプチルペプチドT105
−106にコードするプローブ16へのみならずトリプ
チルペプチドT81にコードするプローブ18へもハイ
ブリッド形成した。
【0099】クローンλ8.21のDNAをSaC1で
消化し、かつpUC18のフラグメントをサブクローン
して再結合プラスミドpS21を生成した。クーソルを
使用して、クローンλ8.21のインサートを除去も
し、かつそれをpUC18にサブクローンして再結合プ
ラスミドpX21を生成した。次いでこのプラスミドを
マクサムとギルバート[Proc.Natl.Aca
d.Sci、第74巻、第560頁(1977)]の方
法によって配列した。この分析はクローンpS21はウ
シMIS蛋白のアミノ酸配列に相当するヌクレオチド配
列を含むことを実証した。このインサートの2000b
p内で、成熟N−末端を含んで配列された総ての23ペ
プチドをコードするDNA配列であった(即ち、Arg
GluGluValPheSer)。クローンは推定
上、先行配列である10アミノ酸を上流コードする配列
の30bpを含有した。
【0100】総ての成熟蛋白に対するDNA配列が得ら
れたことを確認するため、コスミドライブラリからのウ
シMIS(cbmisl5)に対するゲノムクローンを
分離しかつチャーチとギルバート[Proc.Nat
l.Acad.Sci、第81巻、第1991−95頁
(1984)]の方法により5′末端を配列した。この
ことはクローンpS21のインサートの5′端末から上
流配列を付与した。ATGは成熟蛋白配列と同じ先行フ
レーム、成熟N−末端のアルグ残余の72bp上流に位
置していた。この72bp先行24アミノ酸にコードし
ている。この先行の16又は17アミノ酸は信号配列を
構成しているように思われ、これは蛋白が分泌されるこ
とを可能にする[ホンハイジネ分析、Eur.J.Bi
ochem.、第133巻、第17−21頁(198
3)から推定した]。残留7又はアミノ酸は引き続き開
裂されて成熟蛋白を生成する(この開裂が蛋白を活性化
するのに必要かどうか明らかでない)。プロモータ配列
TATAは開始メチオニン(34bp)から上流に位置
し、このことは5′非翻訳領域が極めて短いことを暗示
する。このことを次の一次拡大実験により確認したが、
これはRNA開始は開始ATGの上流約10ヌクレオチ
ドに起こることを示した。抗認識キナーゼ化オリゴマー
(5′−A*GTCCCAGGCTTGCTGAAAG
ATGAGTGCCC3′)がウシ睾丸からのポリA+
RNAへハイブリッド形成され、かつ逆転写酵素で拡大
された。これは開始ATGからの上流のmRNA10又
は11ヌクレオチドの5′端末を配置した。この分析
は、58Kd蛋白に対しコードするウシMISに対する
総ての遺伝子が分離されたことを証明した。DNA配列
を図4−図8に示す。最初の100bpはプロモータと
5′非転写範囲を含む。ウシMIS蛋白と3′非転写配
列の81bpをコードする1875bpがこれに続く。
【0101】実施例4 ヒトゲノムクローンの分離 ウシcDNAクローンpS21を使用してヒトコスミド
ライブラリからヒトクローン(Chmis33)を分離
した。総ての遺伝子を配列したが、この配列は2.8K
dの距離を測る5個のイクスオン中に含まれる。図10
は一般的ヒト遺伝子の構造を示し、一方図11〜図17
はヌクレオチド配列を示している。図11〜図17にお
いて、最初の100bpはヒトプロモータと5′非転写
範囲を含む。範囲をコードする5個の蛋白を含む262
2bpがこれに続き、これはDNA配列の下に示されて
いる。最後の112bpは3′非転写範囲である。
【0102】実施例5 完全な長さのヒトcDNAの構成 次ぎの4つのフラグメントを使用して図19に示す4つ
の結合方法を介してpBG312(pD1)の完全な長
さのヒトcDNAの構成した;1)pGAP1.6から
の271bp StuI−MstIIフラグメント;2)
pMIS D/Fからの323bp MstII−Xho
Iフラグメント;3)pBG312.hmisからの1
299bp XhoI−StuIフラグメント;および
4)pBG312.hmisからの6251bp St
uIフラグメント。pBG312.hmisの構成は実
施例7に記載されている。pGAP1.6とpMIS
D/Fの構成は以下に記載される。
【0103】隙間のある変異誘発を介して最初のイント
ロンがないプラスミドpGAP1.6を生成した。Ch
mis33(図10)からの16000bpPvuIIフ
ラグメントをpUC18のSmaI部位のサブクローン
化してpUC18.PV2を生成した。このプラスミド
はSspIで直線化し、変性し、次いでStuIとMs
tIIで消化した変性pUC18.PV2へ煮もどしし
た。これにより消化SspIとpUC18.PV2消化
のStuIとMstIIの間の2重ハイブリッドの形成が
可能となった。エクソン1の3′端末とエクソン2の
5′端末とからの配列を含むオリゴマを2重ハイブリッ
ドへ煮もどした(即ち、最初のイントロンをなくすこ
と)。DNAポリメラーゼ1−大フラグメントを使用し
て第2次鎖を合成した。Eコリを転換しかつ32P標識付
けしたオリゴマでコロニーをスクリーンした。正クロー
ン、pGAP1.6を同定し、次いでそれを配列して最
初のイントロンが除去されたことを実証した。4つの結
合方法に対して271bp StuI−MstIIフラグ
メントを分割した(図19)。
【0104】イントロン2、3および4を除いたpMI
S D/Fの構成は2工程を含んだ。第1工程におい
て、pBG312でトランスフェクト化されたCOS細
胞から分離したRNAより作ったλgt10cDNAラ
イブラリからのラムダクローンλMIS21を分離した
(実施例7参照)。このクローンのインサートを配列し
て、イントロン3および4が除かれたことを決定した。
第2工程において、エクソン3からエクソン5の5′端
末へ隔てるλMIS21の269bpAvaIXhoI
フラグメントを分離し、かつそれをリンカーとベクトル
pcHSA35のXhoI−HindIII フラグメント
へ結合した。リンカーはエクソン2のMstII部位から
エクソン3のAvaI部位へのDNA配列を含むが、イ
ントロン2を除いた63ヌクレオチドの2つのオリゴマ
を合成することにより作られた。更に、リンカーは、
5′端末のHindIII 部位をコードするDNA配列を
含んだ(MstII部位に調節)。3つの結合方法はイン
トロン2、3および4が除かれたプラスミドpMIS
D/Fを生成した。次ぎに323bp MstII−Xh
oIフラグメントを4つの結合方法に対して分離した
(図19)。
【0105】pcHSA35はプラスミドpcHSA3
6から構成された。pcHSA36はロックビイル マ
リーランドにあるアメリカ型培養収集の培養収集中に1
982年12月9日に預けられ、そこにてHSA−Bと
して同定され、ATCC登録番号39253が割り当て
られた。
【0106】pcHSA36を限定酵素BstEIIで消
化して完成し、エクソンヌクレアーゼBa131で鈍い
端末とし、続いて限定酵素BamHIで消化し、次にD
NAポリメラーゼI−大フラグメントで鈍い端末化した
粘性端末とした。得られた直線プラスミドを結合により
環化し、単一XhoI部位を含むプラスミドを分離し
て、pcHSA35と命名した。
【0107】実施例6 ウシ遺伝子の発現 ウシcDNAクローン(PX21)からの配列とウシゲ
ノムコスミドクローン(cbmis.15)からの配列
とを動物細胞の発現ベクターpBG311において組合
せることにより、COS細胞およびCHO細胞において
全ウシ蛋白を発現させた(図9)。発現は、ノーザンお
よびS1分析にとりRNAを分析して検出することがで
きる。さらに、組換ウシMISは、RIAによりおよび
器官培養分析により検出することができる。プラスミド
pBG311.bmisを有するイー・コリ菌株JM8
3をインビトロ・インターナショナル・インコーポレー
ション委託機関に受託番号第IV110090号として
寄託した。
【0108】実施例7 動物細胞におけるヒト遺伝子の発現 ヒトMIS遺伝子を動物細胞にて発現させるため、ch
mis33からの4.5KbAflII断片をゲート等に
より記載されるように[セル第45巻、第685〜69
8頁(1986)]動物細胞発現ベクターpBG311
およびpBG312中へ挿入して、pBG311.hm
isとpBG312.hmisとをそれぞれ生成させた
(図18)。pBG311はSV40早期プロモータを
用いる一方、pBG312は発現を始動させるためにア
デノウイルス−2の主後期プロモータを使用した。これ
らの作成物をCOS細胞[欠失SV40形質転換サル細
胞、グルツマン、セル第23巻、第175〜182頁
(1981)]中に導入して一時的に発現させ、次いで
支那ハムスター卵細胞(CHO)[チェイシンおよびウ
ルラウブ、PNAS第77巻、第4216〜4220頁
(1980)]中に挿入して安定的に発現させた。
【0109】ソムペイラックおよびドンナのDEAE/
デキストラン法[PNAS第78巻、第7575〜75
78頁(1981)]を用いてCOS細胞にpBG31
2.hmisをトランスフェクトさせた。S1分析を使
用して、ヒトMIS遺伝子が転写されかつRNAがスプ
ライスされることを示した。次いで、器官培養分析[ド
ナホーエ等、J.Srug.Res、第23巻、第14
1〜148頁(1977)]を使用して、ヒトMIS遺
伝子をトランスフェクトさせたCOS細胞が生物学上活
性なMISを分泌することを示した。pBG312.h
misをインフェクトさせたCOS細胞からの状態調節
した培地はこの分析においてミュレル管の等級3の退行
を生じたのに対し、ヒト組織プラスミノーゲン活性化c
DNAをトランスフェクトさせたCOS細胞からの比較
培地および状態調節培地は退行を生ぜしめなかった。こ
のことは、ヒトMIS遺伝子をトランスフェクトさせた
COS細胞が生物学上活性なMISを分泌してラットの
ミュレル管の退行をインビトロで生ぜしめることを示し
ている。
【0110】CHO細胞にてヒトMIS遺伝子を発現さ
せるため、プラスミドpBG311.hmisおよびプ
ラスミドpSV2DHFR[サブラマニ等、モレキュラ
・セル・バイオロジー、第1巻、第854〜864頁
(1981)]をジヒドロホレートレダクターゼが欠失
しているCHO細胞中へシャイル等の方法[PNAS第
80巻、第4654〜4658頁(1983)]により
導入した。ヌクレオシドを欠失している培地中で増殖し
た25種のクローンを選択し、これらをT75フラスト
へ拡大させた。これらのクローンから全RNAを分離
し、かつS1分析によりヒトMISmRNAの存在につ
き分析し、これらのクローンのうち10種がヒトMIS
mRNAを含有していた。次いで、MISmRNAにつ
き陽性の1種の細胞ライン、311〜22から得た状態
調節培地を器官培養分析で試験した。これは器官培養分
析にてミュレル管の等級3〜4の退行を生じたのに対
し、比較細胞ラインG2からの状態調節培地は退行を示
さなかった。
【0111】細胞ライン311〜22の状態調節培地か
らのヒト組換MISをレンチル−レクチンクロマトグラ
フィーによって部分精製し、かつ2種の異なる抗体を用
いてウエスタンブロットで分析した[トゥビン等、PN
AS、第76巻、第4350頁(1979)]。一方の
抗体は変性ウシMISに対して生じたのに対し、他方は
ヒトMISのペプチドに対して生じた。両者の場合、こ
れらの抗体は分子量約70,000を有する311〜2
2の状態調節培地にて蛋白を識別した。比較CHO細胞
ラインG2の状態調節培地には、検出し得る蛋白が存在
しなかった。このことは、CHO細胞で作成されたヒト
MISが新生児睾丸から分離したウシMISと同レベル
もしくはほぼ同レベルまでグリコシル化されていること
を示す。さらに、CHO細胞を[H3 ]−グリコサミン
の存在下で24時間増殖させることにより、これらCH
O細胞で産生されたMISを標識した。次いでグリコ蛋
白を状態調節培地からレンチル−レクチン−セファロー
スによりバッチ精製し、かつMISを変性ウシMISに
対する抗体で免疫沈澱させた。
【0112】組換MISの性質および構造を確認した。
クローン311−2A9B7(30nMメソトレキセー
トで増殖)からの状態調節された血清フリー培地を限外
濾過によって濃縮し、かつグリコ蛋白をレンチル−レク
チンで抽出した。70KdバンドをSDS−PAGE後
のクーマシー染色により検出したが、これは陰性比較と
して作用する細胞ラインの状態調節培地には存在しなか
った。2−Dゲル電気泳動(非減成−減成)を行なっ
て、ヒト組換MISがジスルフィド減成二量体であるこ
とを示した。蛋白のCNBr地図は、MISの公知メチ
オニン分布と一致する断片のパターンを示した。400
mlの状態調整された血清フリー培地からの70Kdバ
ンド20μgのレンチル−レクチンとゲル濾過クロマト
グラフィーとの組合せにより部分精製した。調製用SD
Sゲルから蛋白を電気溶出させ、蛋白の微小配列分析を
行なった。組換蛋白のアミノ末端はLRAEEであっ
て、ヒトMISがCHO細胞により正確に処理されたこ
とを示している。
【0113】CHO細胞ラインにおけるMISの発現レ
ベルは、メソトレキセート始動の遺伝子増幅により増大
させることができる[カウフマンおよびシャープ、J.
Mol.Biol、第159巻、第601〜621頁
(1982)]。
【0114】プラスミドpBG312.hmisを有す
るイー・コリ菌株JA221をインビトロ・インターナ
ショナル・インコーポレーション寄託機関に受託番号第
IV110089号として寄託した。
【0115】実施例8 ヒトcDNAの発現 実施例5に記載したプラスミドpD1は、動物発現ベク
ターpBG312における全長cDNA配列を含有す
る。プラスミドpD1は、ソムペイラックおよびドンナ
のDEAE/デキストラン法[PNAS第78巻、第7
575〜7578頁(1981)]によりCOS細胞中
に導入してヒトMISを産生させることができる。全ヒ
トcDNA配列はAflIIを用いてプラスミドpD1か
ら除去してpBG311のSma1部位に挿入すること
により、CHO細胞にてヒトcDNAを発現させること
ができる。
【0116】全長ヒトcDNA挿入物を含有するpD1
の挿入物を除去してイー・コリおよび酵母ベクター中に
挿入し、イー・コリおよび酵母中でヒトMISを発現さ
せることができる。これらの作成物は、完全ヒトMIS
蛋白をコードするDNA配列または成熟ヒトMIS蛋白
をコードするDNA配列を含有することができる。
【0117】以上、本発明を多くの実施例につき説明し
たが、この基本構成を改変して本発明の方法及び組成物
を用いる他の実施態様を提供し得ることが了解されよ
う。
【0118】
【発明の効果】本発明に係るMIS様ポリペプチドは、
卵巣癌やその他の感受性癌を処置するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ウシMISのトリプチンペプチドの配列分析か
ら得られたアミノ酸配列を示すものであって、得られた
23種の配列のうち2種のみを示す説明図である。
【図2】ウシcDNAクローンを分離するために使用し
た化学合成オリゴヌクレオチドDNA試料の16種のプ
ールを示す説明図である。
【図3】図2に続く、ウシcDNAクローンを分離する
ために使用した化学合成オリゴヌクレオチドDNA試料
の16種のプールを示す説明図である。
【図4】全長のcDNA配列およびプロモータ領域を包
含するウシ遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明図であ
る。
【図5】図4に続く、全長のcDNA配列およびプロモ
ータ領域を包含するウシ遺伝子のヌクレオチド配列を示
す説明図である。
【図6】図5に続く、全長のcDNA配列およびプロモ
ータ領域を包含するウシ遺伝子のヌクレオチド配列を示
す説明図である。
【図7】図6に続く、全長のcDNA配列およびプロモ
ータ領域を包含するウシ遺伝子のヌクレオチド配列を示
す説明図である。
【図8】図7に続く、全長のcDNA配列およびプロモ
ータ領域を包含するウシ遺伝子のヌクレオチド配列を示
す説明図である。
【図9】本発明のウシDNA配列を発現させるために使
用しうるプラスミドpBG311.bmissの作成を
示す説明図である。
【図10】ヒトゲノムクローンchmis33を示しか
つこれをウシcDNAクローンpS21と比較し、実線
ブロックは蛋白コード化領域を含むエクソンを示すもの
である。
【図11】コスミドクローンchmis33におけるヒ
ト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明図であり、蛋白
配列をDNA配列の下に示し、かつこれは4個所でイン
トロンにより中断されるものである。
【図12】図11に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図13】図12に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図14】図13に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図15】図14に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図16】図15に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図17】図16に続く、コスミドクローンchmis
33におけるヒト遺伝子のヌクレオチド配列を示す説明
図である。
【図18】本発明のヒトDNA配列を発現させるために
使用し得るプラスミドpBG311.hmissおよび
pBG312.hmissの作成を示す説明図である。
【図19】本発明のヒトDNA配列を発現させるために
使用しうる全長cDNAを含むプラスミドpD1の作成
を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/74 D 7431−4C 35/78 C 7167−4C 37/02 ADU 8314−4C C07K 13/00 8517−4H C12N 1/21 7236−4B 5/10 15/12 ZNA //(C12P 21/02 C C12R 1:19) (C12P 21/02 C C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 リチャード エル ケイト アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 02416、ブルックリン、アパートメント 4ビー、ビーコン ストリート 1120番 (72)発明者 パトリシア ケイ ドナヒュー アメリカ合衆国、マサチューセッツ州 02193、ウェストン、アシュ ストリート 48番

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミュレル管抑制物質(MIS)蛋白の生
    物学的または免疫学的活性を示すポリペプチドを製造す
    るに際し、(a)DNA配列、 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】 【化7】 よりなる群から選択されるDNA配列のいずれかにハイ
    ブリッド形成しかつヒトまたはウシMIS蛋白の生物学
    的または免疫学的活性を示すポリペプチドをコードする
    DNA配列、および(b)前記特定したDNA配列のい
    ずれかに遺伝子コードの結果として縮退したものであり
    かつヒトまたはウシMIS蛋白の生物学的または免疫学
    的活性を示すポリペプチドをコードするDNA配列、よ
    りなる群から選択されるDNA配列を含み、かつ前記D
    NA配列が組換DNA分子中の発現制御配列に作用結合
    される組換DNA分子によって形質変換された宿主を培
    養する工程からなることを特徴とするポリペプチドの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 組換DNA分子を、pBG311.bm
    is、pBG311.hmisおよびpBG312.h
    misよりなる群から選択する請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 宿主が、イー・コリ、シュードモナス、
    バチルス、酵母および培養された動物細胞からなる請求
    項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 動物細胞が、COS、CHO細胞、マウ
    ス細胞、ブタ細胞および培養されたヒト組織細胞よりな
    る群から選択された請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 式 【化8】 およびヒトMIS蛋白の生物学的または免疫学的活性を
    示すこれらの断片よりなる群から選択されるヒトMIS
    蛋白の生物学的または免疫学的活性を示す組換ポリペプ
    チド。
  6. 【請求項6】 式 【化9】 およびウシMIS蛋白の生物学的または免疫学的活性を
    示すこれらの断片よりなる群から選択されるウシMIS
    蛋白の生物学的または免疫学的活性を示す組換ポリペプ
    チド。
  7. 【請求項7】 抗癌上有効量の請求項5または6記載の
    少なくとも1種のポリペプチドと、医薬上許容し得るキ
    ャリヤとからなる感受性癌を処置するための医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 処置を必要とする患者に抗癌上有効量の
    請求項6記載のポリペプチドを投与することからなる感
    受性癌の処置方法。
JP5178268A 1985-10-30 1993-07-19 ミュレル管抑制物質様ポリペプチドおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP2541761B2 (ja)

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