JP3115318B2 - Gm―csf及びil―3を含む融合タンパク質 - Google Patents

Gm―csf及びil―3を含む融合タンパク質

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、一般的にはGM−CSF及びIL−3タンパク質
の類似体に関し、特にGM−CSF及びIL−3を含む融合タ
ンパク質の構築に関する。
造血細胞の分化及び増殖は、コロニー刺激因子類(CS
Fs)として、総体的に知られている分泌糖タンパク質に
よって制御されている。ヒトでは、これらのタンパク質
は、正常骨髄からの顆粒球及びマクロファージの生産を
増進し、かつ成熟、分化した顆粒球及びマクロファージ
の活性を制御すると思われる顆粒球−マクロファージCS
F(GM−CSF)を含む。IL−3(多能−CSFとしても知ら
れている)もまた、顆粒球、マクロファージ、好酸球、
マスト細胞、巨核球及び赤血球を含む広範な造血細胞の
形成を刺激する。このようにGM−CSF及びIL−3は、そ
の広範な生物活性の点でかなり重複している。その他の
CSF類はもっと限定された範囲の活性を有しており、マ
クロファージCSF(M−CSF)はほとんどマクロファージ
コロニー形成のみを刺激し、そして顆粒球CSF(G−CS
F)は主として顆粒球コロニーを刺激する。GM−CSFとIL
−3とは異なるアミノ酸配列を有しているが、前臨床的
研究によれば、これらは各種の血球減少症の治療、感染
性病原菌に対する免疫応答の増加、ウィルス感染、或い
は放射線照射又は化学療法誘導性の造血細胞抑圧に続
く、正常血液細胞数の再構築における補助として用い得
ることを示唆している。GM−CSF及びIL−3をコードす
る遺伝子はマウス及びヒトでは同じ染色体上に位置して
おり、これらの遺伝子の発現は活性化Tリンパ球のよう
な、ある種の細胞と関連している[Kelso et al.,J.Imm
unol.136:1718,1986;Yang et al.,Blood 71:958,1988;B
arlow et al.,EMBO J.6:617,1987]。
短期間の実験によれば、ラクトフェリン(lactoferri
n)−処理したマウスにおけるin vitroで、骨髄造血前
駆細胞の循環率及び数を増加する点において、GM−CSF
及びIL−3の同時組み合わせは、GM−CSF又はIL−3の
いずれか単独よりも効果的であることが示された[Brox
meyer et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:3871,198
7]。GM−CSF及びIL−3のin vivoにおける同時投与で
このような相乗効果が観察されたことはないが、臨床研
究では正常シノモルガス(cynomolgus)モンキーの白血
球細胞数を増加する点において、組み換えヒトIL−3と
組み換えヒトGM−CSFとの連続的投与は、GM−CSF又はIL
−3のいずれか単独よりも効果的であることが示された
[Krumwieh et al.,Behring Inst.Mitt.83:250,1988;Do
nahue et al.,Science 241:1820,1988]。
GM−CSF及びIL−3の生物活性は、一次(primary)細
胞及びin vitro細胞系で発現される特定の細胞表面レセ
プターに結合することによって仲介される。GM−CSF及
びIL−3の各々は、それぞれのレセプターと結合し、各
種の免疫エフェクター細胞に生物シグナルの形質導入を
もたらす。ヒト骨髄性白血病細胞系KG−1及びヒト前−
B細胞系JM−1上にある、IL−3のレセプターの特徴及
び分布についての最近の研究では、GM−CSFとも結合す
るレセプターのサブクラスが存在することを示している
[Park et al.,J.Biol.Chem.264:5420,1989]。これら
の研究においては、125I−IL−3のKG−1細胞への結合
を、ヒトGM−CSFがほとんど完全に阻止することがで
き、また逆に125I−GM−CSFの同細胞への結合を、IL−
3が実質的に阻止することができることを示した。1個
の細胞表面レセプターに対するGM−CSFとIL−3との間
の直接的競合は、1個のレセプターがGM−CSFとIL−3
との両方に結合できることを示している。IL−3及びGM
−CSF結合における異種混交が、IL−3のみと、又はGM
−CSFのみと結合するレセプター分子とは異なるレセプ
ター分子が存在するために因るものなのか、或いはIL−
3及びGM−CSFレセプターが、異なる比率のIL−3及びG
M−CSF結合タンパク質からなる多サブユニットとして存
在するのかについてはまだ明らかではないが、ここでは
このレセプターをGM−CSF/IL−3レセプターと呼ぶ。
発明の要約 本発明は、GM−CSF及びIL−3を含む融合タンパク質
である。この融合タンパク質は、以下の式: R1−R2,R2−R1,R1−L−R2及びR2−L−R1 (式中、R1はGM−CSFであり;R2はIL−3であり;そして
Lはリンカーペプチド配列である) からなる群から選択される式を有する。本発明の好まし
い面においては、GM−CSF及びIL−3は、GM−CSF又はIL
−3ドメインのいずれの折り畳みをも邪魔しないリンカ
ー配列を介して連結されている。
本発明の融合タンパク質は、GM−CSF又はIL−3単
独、或いはその組み合わせよりも生物活性が高く、かつ
IL−3に関して、IL−3又はGM−CSFレセプターのみを
有する細胞系と比較して、GM−CSF/IL−3レセプターを
有する細胞系との有意に高い結合親和性を有している。
図面の簡単な説明 図1は、ヒトGM−CSF/IL−3融合タンパク質のヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列である。ヒトGM−
CSFのC−末端(アミノ酸1−127)が、ヒトIL−3のN
−末端(アミノ酸139−271)とリンカー配列(アミノ酸
128−138)を介して連結されている。
図2は、ヒトIL−3/GM−CSF融合タンパク質のヌクレ
オチド配列及び対応するアミノ酸配列である。ヒトIL−
3のC−末端(アミノ酸1−133)が、ヒトGM−CSFのN
末端(アミノ酸149−275)とリンカー配列(アミノ酸13
4−148)を介して連結されている。
図3A−3Dは、IL−3(●)又はGM−CSF(○)単独、
或いはIL−3とGM−CSFとの組み合わせ(△)と比較し
て、GM−CSF/IL−3融合タンパク質(□)がBFU−E
(図3A)、CFU−GM(図3B及び図3C)及びCFU−GEMM(図
3D)コロニー形成を増強することを示すグラフである。
発明の詳細な説明 定義 “GM−CSF"の語は、天然ヒト顆粒球−マクロファージ
コロニー−刺激因子アミノ酸配列(例えば、ATCC5315
7)と実質的に同様なアミノ酸配列を有し、かつGM−CSF
レセプターに結合することができ、GM−CSFレセプター
に結合することによって開始される生物シグナルを形質
導入し、或いはGM−CSFに対して高められた抗−GM−CSF
抗体と交差反応することができるという点において、生
物活性であるタンパク質を言う。このような配列は、例
えば、Anderson et al.,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 82:6
250,1985に開示されている。“GM−CSF"の語はまた、天
然ヒトGM−CSFと共通の生物活性を少なくとも幾つか示
すGM−CSF分子の類似体を含む。GM−CSF類似体の例は、
ヨーロッパ特許公開第212914号に開示されており、これ
は酵母宿主中でGM−CSFの発現を増加するように、不活
性化されたKEX2プロテアーゼ開裂部位を有するGM−CSF
類似体を記載しており、また国際公開89/03881は、各種
グリコシル部位が削除されたGM−CSF類似体を記載す
る。ここに記載する他のGM−CSF類似体もIL−3との融
合タンパク質の構築に用いることができる。さらに、突
然変異誘発に関する当業者には、まだ未公開の、又は未
発見の他の類似体もここに記載するようなGM−CSF/IL−
3融合タンパク質を構築するのに用いうることが理解さ
れるであろう。主要グリコシル化部位が除去された特に
好ましいGM−CSFタンパク質をコードするDNA配列は、寄
託番号ATCC67231(GM−CSF[Leu23Asp27Glu39])の下
に、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションに
寄託されている。ここでアミノ酸配列を特定するために
用いる命名は、タンパク質名のすぐ後のカッコ内に天然
型と異なるアミノ酸を表し、またタンパク質名のすぐ前
に該タンパク質が関連する種を表す。従って、huGM−CS
F[Leu23Asp27Glu29]は、アミノ酸23がロイシン残基
に、アミノ酸27がアスパラギン残基に、そしてアミノ酸
29がグルタミン酸に変更されたヒトGM−CSFを表す。
“IL−3"の語は、天然ヒトインターロイキン−3アミ
ノ酸配列と実質的に同様なアミノ酸配列を有し、かつIL
−3レセプターに結合することができ、又はIL−3に結
合することによって開始される生物シグナルを形質導入
し、或いはIL−3に対して高められた抗−IL−3抗体と
交差反応することができるという点において、生物活性
であるタンパク質を言う。このような配列は、例えば、
ヨーロッパ特許公開第275,598号及び第282,185号に開示
されている。“IL−3"の語はまた、天然IL−3と共通の
生物活性を少なくとも幾つか示すIL−3分子の類似体を
含む。IL−3類似体の例は、ヨーロッパ特許公開第282,
185号に開示されている。本発明に関連してGM−CSFと融
合させることができる特に好ましいIL−3は、huIL−3
[Pro8Asp15Asp70]、huIL−3[Ser8Asp15Asp70]、及
びhuIL−3[Ser8]を含む。ここで記載する融合タンパ
ク質への導入に適した他のIL−3タンパク質をコードす
るDNA配列は、ATCC67747の寄託番号の下にATCCに寄託さ
れている。
ここで使用する際、“融合タンパク質”の語は、GM−
CSF及びIL−3のC−末端からN−末端への融合を言
う。本発明の融合タンパク質は、GM−CSFのC−末端部
分がIL−3のN−末端部分と融合した構築物、及びIL−
3のC−末端がGM−CSFのN−末端と融合した構築物を
含む。特定すれば、本発明の融合タンパク質は、以下の
式: R1−R2,R2−R1,R1−L−R2及びR2−L−R1 (式中、R1はGM−CSFであり;R2はIL−3であり;そして
Lはリンカーペプチド配列である) からなる群から選択される式を有する。GM−CSFは、GM
−CSFとIL−3との生物活性を保持する1個のタンパク
質を生産するような方法でIL−3と連結される。特定の
融合タンパク質構築物は、融合タンパク質中のGM−CSF
及びIL−3ドメインを配列順に(N−末端ドメインを最
初に特定し、次いでC−末端ドメインを特定)挙げるこ
とにより命名される。従って、GM−CSF/IL−3とは、GM
−CSFとそれに続くIL−3(即ち、GM−CSFのC−末端が
IL−3のN−末端と連結する)とを含む融合タンパク質
を言う。特に記載しない場合には、GM−CSF/IL−3及び
IL−3/GM−CSFの語は、リンカー配列が付加された融合
タンパク質を言う。同様に、huGM−CSF[Leu23Asp27Glu
39]/huIL−3[Pro8Asp15Asp70]は、融合構築物のN
−末端領域がhuGM−CSF[Leu23Asp27Glu39]であり、そ
してC−末端領域がhuIL−3[Pro8Asp15Asp70]である
融合タンパク質を言う。
アミノ酸又は核酸を定義するときに用いる“実質的に
同一”の語は、特定の主題の配列、例えば、突然変異体
配列が実質的に全長で、かつ図1又は2の配列と1又は
それ以上の置換、削除、又は付加によって異なってお
り、その正味効果がGM−CSF/IL−3又はIL−3/GM−CSF
融合タンパク質として由来するときのタンパク質の生物
活性を保持するものであることを意味する。若しくは、
もしも(a)DNA類似体配列が天然哺乳動物GM−CSF及び
IL−3遺伝子の実質的に全コーディング領域から由来す
るか;又は(b)DNA類似体配列が(a)の配列と匹敵
する長さで、緩和な緊縮条件下でこれとハイブリダイゼ
ーションすることができ、かつ生物的に活性なGM−CSF
又はIL−3分子をコードするものであるか;又は(c)
遺伝子コードの結果、(a)又は(b)で定義するDNA
類似体配列に変化したDNA配列であって、かつ生物的に
活性なGM−CSF又はIL−3分子をコードするものである
場合には、DNA類似体配列はここに開示する特定のDNA配
列と“実質的に同一”である。実質的に同一な類似体タ
ンパク質は、天然タンパク質の対応する配列と約80%以
上似ている。より少ない類似性を有するが、比較し得る
生物活性を有する配列は、同等物(equivalents)と考
えられる。核酸配列を定義するときには、実質的に同様
なアミノ酸配列をコードすることのできる主題の核酸配
列は全て、対照の核酸配列と実質的に同様であると考え
られる。
例えば、University of Wisconsin GeneticComput
er Group(UWGCG)から入手可能なGAPコンピューター
プログラム、version6.0を用いて配列情報を比較するこ
とにより、類似性パーセントを決定することができる。
GAPプログラムは、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math.
2:482,1981によって書き換えられた、Needlemen and Wu
nsch,J.Mol.Biol.48:443,1970のアラインメントメソッ
ド(alignment method)を用いる。簡単に言うと、GAP
プログラムでは、類似である鎖状の記号(即ち、ヌクレ
オチド又はアミノ酸)の数を、2つの配列の短い方にあ
る全記号数で割ったものを類似性として定義する。GAP
プログラムのための好ましいデフォルトのパラメーター
は、(1)ヌクレオチドのための一成分比較行列(unar
y comparison matrix)(等恒成分として値1を、非
等恒成分として値0を含む)、及びGribskov and Burge
ss,Nucl.Acids Res.14:6745,1986の重みをかけた比較行
列[Schwartz and Dayhoff,eds.,Atlas of Protein Seq
uence and Structure,National Biomedical Research F
oundation,pp.353−358,1979に記載されている];
(2)各ギャップに3.0のペナルティーと、各ギャップ
中の各記号には更に0.10のペナルティー;及び(3)末
端ギャップにはペナルティーなし、を含む。
“組み換え”の語はここでは、組み換え体(例えば、
微生物又は哺乳動物)発現系に由来するタンパク質を意
味する。“微生物的”とは、バクテリア又は菌類(例え
ば酵母菌)発現系で生産される組み換えタンパク質を言
う。生産物として、“組み換え微生物的”とは、天然の
内在物質を本質的に含まない微生物発現系で生産される
タンパク質を言う。大腸菌などのほとんどのバクテリア
培養物において発現されるタンパク質はグリカンを含ま
ない。酵母菌において発現されるタンパク質は、哺乳動
物で発現されるものとは異なるグリコシル化パターンを
有している。
本明細書で用いる“生物的に活性”の語は、GM−CSF
レセプター、IL−3レセプター又はGM−CSF/IL−3レセ
プターと結合し(例えば、Park et al.,J.Biol.Chem.26
4:5420,1989参照)、GM−CSF及び/又はIL−3刺激を細
胞に伝達し、或いはGM−CSF又はIL−3に対して高めら
れた抗体と交差反応することができるように、特定の分
子が、ここで開示する本発明の態様と十分なアミノ酸配
列の類似性を共有していることを意味する。
“DNA配列”とは、より大きなDNA構築物の分離断片の
形で、又はその成分としてのDNAポリマーを言う。好ま
しくは、DNA配列は、その配列又は成分ヌクレオチド配
列の同定、操作、及び回収が、標準的生化学手法、例え
ばクローニングベクターを用いてなされ得るような量又
は濃度におけるものである。このような配列は、好まし
くは、真核生物遺伝子に典型的に存在する内部非翻訳化
配列、又はイントロンによって邪魔されない読み取り枠
(open reading frame)の形で提供される。関連する
配列を含むゲノムDNAも用いることができる。非翻訳化D
NAの配列は、コーディング領域の操作又は発現を邪魔し
ないような、読み取り枠からの5′又は3′に存在す
る。
“ヌクレオチド配列”とは、デオキシヌクレオチドの
ヘテロポリマーを言う。本発明で提供されるタンパク質
をコードするDNA配列は、cDNA断片及び短いオリゴヌク
レオチドリンカーから、或いは一連のオリゴヌクレオチ
ドから組み立てられて、組み換え転写ユニット内で発現
され得る合成遺伝子を提供する。
“組み換え発現ベクター”とは、本発明の融合タンパ
ク質をコードし、かつ(1)遺伝子発現で制御的役割を
有する遺伝的要素又は要素群、例えばプロモーター又は
エンハンサー、(2)mRNAに転写されてタンパク質へと
翻訳される、構造又はコーディング配列、及び(3)適
当な転写及び翻訳開始及び終止配列、の組み合わせから
なる転写ユニットを含む、DNAを増幅、或いは発現する
ために用いる、複製可能なDNA構築物を言う。酵母菌発
現系で用いる構造要素は、宿主細胞によって翻訳された
タンパク質の細胞外分泌を可能にするリーダー配列を含
むのが好ましい。或いは、組み換えタンパク質がリーダ
ー配列又は輸送配列なしで発現される場合には、N−末
端メチオニン残基を含むことができる。この残基は、後
に発現された組み換えタンパク質から任意に切り出し
て、最終生成物を提供することができる。“組み換え微
生物発現系”とは、染色体DNA中に組み換え転写ユニッ
トを安定に統合し、或いは常任性(resident)プラスミ
ドの一成分として組み換え転写ユニットを保持する、適
当な宿主微生物、例えば大腸菌(E.coli)のようなバク
テリア、又はS.cerevisiaeのような酵母菌の実質的に同
種の単一培養物(monoculture)を意味する。一般的
に、系を構成する細胞は、1個の先祖の形質転換細胞か
らの子孫である。ここで定義する組み換え発現系は、DN
A配列又は発現されるべき合成遺伝子に連結した制御要
素の誘導によって、異種タンパク質を発現することがで
きる。
GM−CSF及びIL−3を含む融合タンパク質をコードするc
DNAの構築 GM−CSF及びIL−3をコードする別々のDNA断片を適当
な発現ベクター中に組み合わせる、組み換えDNA手法を
用いて、融合タンパク質をコードするDNA配列を構築す
る。GM−CSFをコードするDNA断片の3′末端を、単一の
生物的に活性な融合タンパク質中へのmRNAの翻訳を可能
にするような読み取り枠と共に、IL−3をコードするDN
A断片の5′末端に連結する。得られるタンパク質は、h
uGM−CSF[Leu23Asp27Glu39]/huIL−3[Pro8Asp15Asp
70]である。若しくは、IL−3をコードするDNA断片の
3′末端を、単一の生物的に活性な融合タンパク質中へ
mRNAの翻訳を可能にするような読み取り枠と共に、GM−
CSFをコードするDNA断片の5′末端に連結して、タンパ
ク質huIL−3[Pro8Asp15Asp70]/huGM−CSF[Leu23Asp
27Glu39]を製造する。mRNAへのDNAの翻訳を担当する制
御要素は、2個のDNA配列のうちの最初のものの上に保
持されるが、第2のDNA配列への読み通し(read−throu
gh)を防ぐ結合シグナル又は停止コドンは削除される。
逆に、第2のDNA配列からは制御要素が削除され、一方
翻訳を停止するのに必要な停止コドンは保持される。
本発明の好ましい面においては、GM−CSF及びIL−3
ドメインを連結するための手段、好ましくはリンカー配
列を介する手段が提供される。リンカー配列は、GM−CS
F及びIL−3ドメインのそれぞれが正しい二次及び三次
構造に折り畳まれるように、十分な距離をもって各ドメ
インを分離する。適当なリンカー配列は、(1)自在な
伸ばされたコンホメーションを採り、(2)機能的GM−
CSF及びIL−3ドメインと相互作用することのできる順
序正しい第2の構造を発展させる傾向を示し、そして
(3)機能的タンパク質ドメインとの相互作用を推進す
ることのできる最小の疎水性又は荷電性質を有している
であろう。自在なタンパク質領域における典型的な表面
アミノ酸は、Gly,Asn及びSerを含む。Gyl,Asn及びSerを
含むアミノ酸配列のいかなる置換もリンカー配列のため
の上記基準を満足することが期待される。Thr及びAlaの
ような他のほとんど中性のアミノ酸もリンカー配列に用
い得る。
リンカー配列の長さは、融合タンパク質の生物活性に
有意な影響を与えずに変えることができる。例えば、GM
−CSF及びIL−3タンパク質はリンカー配列なしで直接
融合することができる。融合するタンパク質が、機能的
ドメインを分離し、かつ立体障害を防ぐために用いる非
本質的N−又はC−末端アミノ酸領域を有している場合
には、リンカー配列は不必要である。本発明の好ましい
態様によると、GM−CSFのC−末端がIL−3のN−末端
に直接融合される。GM−CSFは、ジスルフィド結合に関
与し、かつタンパク質の正しい折り畳みのために不可欠
であるC−末端システイン残基に続いて6個のアミノ酸
を有している。IL−3はそのN−末端システイン残基の
前に15個のアミノ酸を有している。この組み合わせの末
端領域は、リンカー配列の使用を不必要とする十分な分
離を提供する。
一般的に、2つのタンパク質ドメインは、GM−CSF又
はIL−3の小ユニット寸法(即ち、同様な4本−螺旋ホ
ルモンとの類似から決定して、約0.38nm)とほぼ等しい
距離で分離される。本発明の好ましい態様では、約11個
のアミノ酸の長さのリンカー配列が、機能的タンパク質
ドメインの適当な分離を与えるのに用いられるが、それ
よりも長いリンカー配列でもよい。GM−CSFとIL−3と
を分離するリンカー配列の長さは、1から500アミノ酸
の長さ、より好ましくは1から100アミノ酸の長さであ
る。本発明の最も好ましい面においては、リンカー配列
は約1−20アミノ酸の長さである。ここに開示する特定
の態様では、リンカー配列は約5から15アミノ酸であ
り、有利には約10から15アミノ酸である。GM−CSF及びI
L−3のリンカーとして用いられるアミノ酸配列は、例
えば(Gly4Ser)及びGly4SerGly5Serである。
リンカー配列は、以下に記載する公知の標準的突然変
異誘発手法で融合タンパク質構築物に導入される。
タンパク質及び類似体 本発明はヒトGM−CSF及びIL−3を含む融合タンパク
質を提供する。本発明の融合タンパク質の誘導体は、生
物活性を保持する一次タンパク質の各種構造形態をも含
む。例えば、イオン化しうるアミノ及びカルボキシル基
が存在するために、融合タンパク質は酸性又は塩基性
塩、若しくは中性の形でありうる。個々のアミノ酸残基
は酸化又は還元によって修飾することもできる。
グリコシル基、脂質、リン酸、アセチル基などの化学
部分との共有結合又は会合複合体を形成することによ
り、或いはアミノ酸配列突然変異体を作ることにより、
アミノ酸の一次構造を修飾することができる。共有結合
誘導体は、特定の官能基をアミノ酸側鎖、又はN−又は
C−末端に連結することによって製造できる。本発明の
範囲内における融合タンパク質のその他の誘導体は、N
−又はC−末端融合としての組み換え培養における合成
のように、融合タンパク質と他のタンパク質又はポリペ
プチドとの共有結合又は会合複合体を含む。例えば、複
合ペプチドは、タンパク質の合成部位から細胞膜又は壁
の内部或いは外部にある機能部位へのタンパク質の運搬
を同時翻訳的に或いは翻訳後に指示するタンパク質のN
−末端領域にあるシグナル(又はリーダー)ポリペプチ
ド配列でありうる(例えば酵母菌a−因子リーダー)。
GM−CSF/IL−3融合タンパク質の精製又は同定を容易に
するためにペプチドを付加することもできる(例えばポ
リ−His)。融合タンパク質のアミノ酸配列は、ペプチ
ドAsp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(DYKDDDD
K)と連結することもできる[Hopp et al.,Bio/Technok
ogy 6:1204,1988]。後者の配列は高度に抗原性で、特
定のモノクローナル抗体によって可逆的に結合するエピ
トープを提供し、発現する組み換えタンパク質の迅速な
アッセイと容易な精製とを可能にする。この配列は、As
p−Lysペアの直後の残基において、ウシ粘膜エンテロキ
ナーゼによって特異的に切断される。このペプチドでキ
ャップされた融合タンパク質は大腸菌における細胞内分
解に対して耐性でもある。
融合タンパク質はまた、免疫原、レセプターに基づく
イムノアッセイの試薬、又は結合リガンドのアフィニテ
ィ精製法のための結合剤といて用いることもできる。シ
ステイン又はリシン残基において、M−マレイミドベン
ゾイルスクシンイミドエステル及びN−ヒドロキシスク
シンイミドのような架橋剤を用いて誘導体を得ることも
できる。融合タンパク質はまた、反応性側基を介して、
臭化シアン−活性化、ビスオキシラン−活性化、カルボ
ニルジイミダゾール−活性化又はトシル−活性化アガロ
ース構造のような各種の不溶性基質に共有結合させる
か、或いは(グルタールアルデヒド架橋を伴うか伴わず
に)吸着によりポリオレフィンに共有結合させることも
できる。
本発明は、関連する天然型のグリコシル化を伴うか伴
わないタンパク質をも含む。大腸菌のようなバクテリア
における融合タンパク質をコードするDNAの発現は、非
グリコシル化分子を与える。不活性化N−グリコシル化
部位を有する機能性突然変異体は、オリゴヌクレオチド
合成及び連結によって、或いは部位特異的突然変異誘発
法によって生産することができる。これらの類似タンパ
ク質は酵母菌発現系を用いて、均質な還元炭化水素の形
で好収率で生産される。真核生物タンパク質におけるN
−グリコシル化部位は、アミノ酸3個組Asn−A1−Z
(式中、A1はProを除くいかなるアミノ酸でもよく、Z
はSer又はThrである)で特徴付けられる。この式におい
て、アスパラギンは炭化水素の共有結合性付加のための
側鎖アミノ基を提供する。Asn又は残基Zを他のアミノ
酸で置換するか、Asn又はZを削除するか、或いはA1
Zとの間にZでないアミノ酸を挿入するか、又はAsnとA
1との間にAsn以外のアミノ酸を挿入することによって、
このような部位を除去することができる。グリコシル化
部位が除去されたヒトGM−CSF類似体の例は、huGM−CSF
[Leu23Asp27Glu39]、huGM−CSF[Leu23]、huGM−CSF
[Leu23Asp27]、huGM−CSF[Glu38],huGM−CSF[Asp
27Glu39],huGM−CSF[Leu23Glu39]及びhuGM−CSF[As
p27]を含む。グリコシル化部位が除去されたヒトIL−
3類似体の例は、huIL−3[Pro8Asp15Asp70]、huIL−
3[Asp70]、huIL−3[Asp15Asp70]、huIL−3[Pro
8Asp15]、huIL−3[Pro8Asp70]及びhuIL−3[As
p15]を含む。
誘導体及び類似体は、融合タンパク質の突然変異によ
っても得られる。ここで言及する誘導体又は類似体は、
GM−CSF及びIL−3ドメインが図1及び2に開示する配
列の全長のGM−CSF及びIL−3ドメインと実質的に相同
であるが、削除、挿入又は置換によるアミノ酸配列の違
いを有しているようなポリペプチドである。
融合タンパク質の生物等価的類似体は、例えば、残基
又は配列の各種置換を行うことによって構築される。例
えば、システイン残基を削除又は他のアミノ酸で置換し
て、タンパク質再生時の誤った分子内ジスルフィド架橋
を防ぐことができる。突然変異誘発への他のアプローチ
は、KEX2プロテアーゼ活性が存在する酵母菌系での発現
を増加するために、隣接する二塩基性アミノ酸残基を修
飾することを含む。一般に、置換は保存的になされるべ
きである;即ち、最も好ましい置換アミノ酸は、置換さ
れるべき残基と似た物理化学的性質を有するものであ
る。同様に、削除又は挿入計画を作成する際には、削除
又は挿入が生物活性に及ぼすかも知れない影響を考慮に
入れるべきである。
もちろん、類似体の発現のために構築されるヌクレオ
チド配列中の突然変異は、コーディング配列の読み取り
枠相を保存しなければならず、また好ましくは、ハイブ
リダイゼーションの結果、GM−CSF/IL−3レセプターmR
NAの翻訳に逆の影響を及ぼすループやヘアピンのような
mRNAの二次構造をもたらす、相補的領域を作り出さない
ようにする。突然変異部位はあらかじめ定められている
かも知れないが、当然変異の性質自体はあらかじめ定め
られている必要はない。例えば、一定部位における突然
変異体の最適性質を選択するために、標的コドンでのラ
ンダム突然変異誘発を実施し、発現した突然変異体から
所望の活性をスクリーニングする。
GM−CSF及びIL−3を含む融合タンパク質をコードす
るヌクレオチド配列の全ての突然変異体が最終生成物中
に発現される訳ではなく、例えば、ヌクレオチド置換は
発現を増加するため、主として翻訳されたmRNA中の二次
構造ループを避けるため[EPA75,444A(参照によりここ
に包含される)参照]、又は選択された宿主によってよ
り容易に翻訳されるコドンを提供するために(例えば、
大腸菌発現のための大腸菌が好むコドンがよく知られて
いる)行われる。
天然配列の断片と連結させるための制限部位を脇にも
つ、突然変異体配列を含む合成オリゴヌクレオチドによ
って、突然変異は特定の遺伝子座に導入される。連結後
に得られる再構築された配列は、所望のアミノ酸挿入、
置換又は削除を有する類似体をコードする。
若しくは、オリゴヌクレオチド−指示部位特異的突然
変異誘発法を用いて、所望の置換、削除、又は挿入によ
って改変された特定のコドンを有する改変された遺伝子
を提供することもできる。上記の改変法の例は、Walder
et al.,Gene 42:133,1986;Bauer et al.,Gene 37:73,1
985;Craik,Biotechniques,January 1985,12−19;Smith
et al.,Genetic Engineering:Principles and Methods,
Plenum Press,1981;及び米国特許第4,518,584号及び4,7
37,462号(これらは参照によりここに包含される)に記
載されている。
GM−CSF及びIL−3を含む組み換え融合タンパク質の発
現 本発明は、哺乳動物、微生物、ウィルス又は昆虫遺伝
子に由来する、適当な転写又は翻訳制御要素と作動的に
連結した、GM−CSF及びIL−3を含むヒト融合タンパク
質、又は生物等価的類似体をコードする、合成又はcDNA
−由来の断片を含む組み換え発現ベクターを提供する。
このような制御要素は、転写プロモーター、転写を制御
する任意のオペレーター配列、適当なmRNAリボゾーム結
合部位をコードする配列、及び以下に詳述する転写及び
翻訳の終末を制御する配列を含む。複製起点、及び形質
転換細胞の認識を容易にする選択遺伝子によって通常付
与される、宿主中の複製能力を追加的に導入することも
できる。DNA領域はこれらが互いに機能的に関連してい
るときには作動的に連結される。例えば、もしもあるシ
グナルペプチド(分泌リーダー)用DNAがあるポリペプ
チドの分泌に関与する前駆体として発現されるならば、
そのシグナルペプチドは該ポリペプチド用DNAと作動的
に連結され;もしもあるプロモーターがある配列の転写
を制御しているならば、そのプロモーターはコーディン
グ配列と作動的に連結され;又はもしもリボソーム結合
部位が翻訳を認めるように位置しているならば、そのリ
ボソーム結合部位はコーディング配列と作動的に連結さ
れている。一般に、作動的に連結される、とは隣接して
いることを意味し、分泌リーダーの場合には隣接してお
り、かつ読み取り枠内にあることを意味する。
縮重のために、同じアミノ酸配列をコードするヌクレ
オチド配列にもかなりの変化が有り得るが;DNA態様の例
としては、図1又は2に示すヌクレオチド配列に対応す
るものがある。他の態様は、図1又は2の配列と釣り合
う長さで、かつ緩和な緊縮条件下に(50℃、2 X SS
C)該配列とハイブリダイゼーションすることができ、
かつ生物活性な融合タンパク質をコードする配列を含
む。
形質転換された宿主細胞とは、組み換えDNA法を用い
て構築した融合タンパク質ベクターで形質転換又はトラ
ンスフェクションされた細胞である。形質転換された宿
主細胞は普通所望の融合タンパク質を発現するが、DNA
のクローニング又は増幅のために形質転換された宿主細
胞は必ずしも該タンパク質を発現しない。発現された融
合タンパク質は一般に培養上澄みに分泌される。融合タ
ンパク質の発現に適した宿主細胞は、原核生物、酵母
菌、又は適当なプロモーターの制御下における高等真核
細胞を含む。原核生物は、例えば大腸菌やバチルスなど
のグラム陰性又は陽性菌を含む。高等真核細胞は以下に
記載する哺乳動物由来の確立された細胞系を含む。本発
明のDNA構築物に由来のRNAを用いる融合タンパク質の生
産には、無細胞翻訳系も用いることができる。バクテリ
ア、菌類、酵母菌、及び哺乳動物細胞宿主に用いる適当
なクローニング及び発現ベクターは、Pouwels et al.,C
loning Vevtors:A Laboratory Manual,Elsevier,New Yo
rk,1985に記載されており、その関連の記載は参照によ
りここに包含される。
原核生物発現宿主は、タンパク質分解及びジスルフィ
ド処理をさらに必要としない融合タンパク質の発現に用
いる。原核生物発現ベクターは一般に、1又はそれ以上
の表現型選択可能マーカー、例えば、抗生物質耐性を付
与したり、又は独立栄養要求を与えるタンパク質をコー
ドする遺伝子と、宿主内での増幅を確実にするために宿
主によって認識される複製起点とを含む。形質転換用に
適した原核生物宿主は、シュードモナス属(Pseudmona
s),ストレプトミセス属(Streptomyces),及びスタ
フィロコックス属(Staphylococcus)の各種を含むが、
他の物も選択により用い得る。
バクテリア用の有用な発現ベクターは、選択可能なマ
ーカーと、公知のクローニングベクターpBR322(ATCC37
017)の遺伝子要素を含む市販のプラスミドから由来す
るバクテリア複製起点とを含む。このような市販のベク
ターは、例えばpKK223−3(Pharmacia Fine Chemica
ls,Uppsala,Sweden)及びpGEM1(Promega Biotech,Med
ison,WI,USA)を含む。これらpBR322の“主力(backbon
e)”部分を適当なプロモーター及び発現すべき構造配
列と組み合わせる。大腸菌は典型的には、大腸菌由来の
プラスミドであるpBR322(Bolivar et al.,Gene 2:95,1
977)の誘導体を用いて形質転換される。pBR322はアン
ピシリン及びテトラサイクリン耐性遺伝子を含み、これ
は形質転換細胞を同定する簡単な手段を提供する。
組み換え微生物発現ベクターに通常用いるプロモータ
ーは、ブラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)及びラクトー
スプロモーター系(Chang et al.,Nature 275:615,197
8;Goeddel et al.,Nature 281:544,1979)、トリプトフ
ァン(trp)プロモーター系(Goeddel et al.,Nucl.Aci
ds Res.8:4057,1980;及びEPA36,776)及びtacプロモー
ター(Maniatis,Molecular Cloning:ALaboraotory Mann
ual,Cold Spring Harbor Laboratory,p.412,1982)を含
む。特に有用なバクテリア発現系はファージλPLプロモ
ーター及びcI857ts熱誘導性リプレッサーを用いる。λP
Lプロモーターの誘導体を導入したアメリカ・タイプ・
カルチャー・コレクションから入手可能なプラスミドベ
クターは、大腸菌JMB9株に含まれるプラスミドpHUB2(A
TCC37092)、及び大腸菌RR1株に含まれるpPLc28(ATCC5
3082)を含む。
組み換え融合タンパク質な酵母菌宿主、好ましくはS.
セレビシアエ(S.cerevisiae)のようなサッカロミセス
属(Saccharomyces)の宿主中で発現させることもでき
る。ピチア属(Pichia)又はクルーベロミセス属(Kluy
veromyces)のような他の属の酵母菌も用いることがで
きる。酵母菌ベクターは一般に、2m酵母菌プラスミドか
らの複製起点又は自律的複製配列(autonomously repl
icating sequence:ARS)、プロモーター、融合タンパ
ク質をコードするDNA、ポリアデニル化のための配列及
び翻訳末端及び選択遺伝子を含む。好ましくは、酵母菌
ベクターは、複製起点、及び大腸菌のアンピシリン耐性
遺伝子及びS.cerevisiae trpl遺伝子(これはトリプト
ファン中で成長する能力を欠く酵母菌の突然変異体のた
めの選択マーカーを提供する)のような、大腸菌と酵母
菌の両方での形質転換を可能とする選択可能マーカー、
及び下流の構造配列の転写を誘導するための、高度に発
現された酵母菌に由来するプロモーターを含む。かくし
て酵母菌宿主ゲノム中のtrpl障害の存在は、トリプトフ
ァンの存在下での成長による形質転換を検出するための
効果的な環境を与える。
酵母菌ベクター中の適当なプロモーター配列は、メタ
ロチオネイン用プロモーター、3−フォスフォグリセレ
ートキナーゼ(Hitzman et al.,J.Biol.Chem.255:2073,
1980)又は他の解糖酵素(Hess et al.,J.Adv.Enzyme R
eg.7:149,1968;Holland et al.,Biochem.17:4900,197
8)、例えばエノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−フ
ォスフェートデヒドロゲナーゼ、エキソキナーゼ、ピル
ベートデカルボキシラーゼ、フォスフォフルクトキナー
ゼ、グルコース−6−フォスフェートイソメラーゼ、3
−フォスフォグリセレートムターゼ、ピルベートキナー
ゼ、トリオースフォスフェートイソメラーゼ、フォスフ
ォグルコースイソメラーゼ、及びグルコキナーゼを含
む。酵母菌発現に用いる適当なベクター及びプロモータ
ーはR.Hitzemanら、EPA73,657にさらに記載されてい
る。
好ましい酵母菌ベクターは、大腸菌中での選択及び複
製のためのpBR322からのDNA配列(Ampr遺伝子及び複製
起点)、及びグルコース抑制性ADH2プロモーターとα−
因子選択リーダーとを含む酵母菌DNA配列を用いて組み
立てることができる。ADH2プロモーターは、Russell et
al.,J.Biol.Chem.258:2674,1982及びBeier et al.,Nat
ure 300:724,1982に記載されている。異種タンパク質の
分泌を指示する酵母菌α−因子リーダーを、プロモータ
ーと発現すべき構造遺伝子との間に挿入することができ
る。例えば、Kurjan et al.,Cell 30:933,1982;及びBit
ter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5330,1983を参
照されたい。リーダー配列と外来遺伝子との融合を容易
にするために、その3′末端近くに1個又はそれ以上の
有用な制限部位を含むようにリーダー配列を修飾するこ
とができる。
酵母菌形質転換に適した方法は当業者に公知であり、
例示的方法はHinnen et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 7
5:1929,1978に記載されており、これは0.67%酵母窒素
塩基、0.5%カザミノ酸、2%グルコース、10μg/mlア
デニン及び20μg/mlウラシルからなる選択培地中でTrp+
形質転換体を選択する。
ADH2プロモーターを含むベクターで形質転換された宿
主株は、80μg/mlアデニン及び80μg/mlウラシルを補充
した、1%酵母エキス、2%ペプトン、及び1%グルコ
ースからなる栄養培地中で、生育させて発現させること
ができる。ADH2プロモーターの脱抑制は培地のグルコー
スを使い尽くしたときに起きる。粗酵母菌上澄みを濾過
によって回収し、次の精製前に4℃で保持する。
組み換えタンパク質を発現させるために、各種の哺乳
動物又は昆虫細胞培養系を用いることができる。昆虫細
胞中で異種タンパク質を生産するためのバキュロウィル
ス系が、Luckow and Summers,Bio/Technology 6:47,198
8に記載されている。適当な哺乳動物細胞系の例は、Glu
zman,Cell 23:175,1981に記載のサル腎臓細胞のCOS−7
系を含み,適当なベクターを発現させることのできる他
の細胞系は,例えばL細胞、C127、3T3、チャイニーズ
ハムスター卵巣(CHO)、HeLa及びBHK細胞系を含む。哺
乳動物発現ベクターは、複製起点のような非−転写要
素、適当なプロモーター及び発現すべき遺伝子に連結し
たエンハンサー、及び5′又は3′フランキング非転写
配列、及び5′又は3′非翻訳配列、例えば必要なリボ
ソーム結合部位、ポリーアデニル化部位、スプライスド
ナー及びアクセプター部位、及び転写終結配列を含むこ
とができる。
脊椎動物細胞を形質転換するのに用いる発現ベクター
中の転写及び翻訳制御配列は、ウィルス源のものを用い
ることができる。例えば、通常用いられるプロモーター
及びエンハンサーは、ポリオーマ、アデノウィルス2、
シミアンウィルス40(SV40)、及びヒトサイトメガロウ
ィルスに由来する。例えば、SV40ウィルスゲノム由来の
DNA配列、SV40オリジン、初期及び後期プロモーター、
エンハンサー、スプライス、及びポリーアデニル化部位
が、異種DNA配列の発現に必要な他の遺伝子要素を提供
するために用いられる。初期及び後期プロモーターは特
に有用である。何故ならば、これらはいずれもSV40ウィ
ルス複製起点をも有する断片としてウィルスから容易に
得られるからである(Fiers et al.,Nature 273:113,19
78)。ウィルス複製起点に位置するHind III部位からBg
l I部位に伸びる約250bpの配列が含まれるという条件
で、より小さな又は大きなSV40断片を用いることもでき
る。例示的ベクターはOkayama and Berg,Mol.Cell.Bio
l.3:280,1983の記載に従って構築できる。
C127マウス乳上皮細胞中の哺乳動物レセプターcDNAの
安定で高レベルな発現のための有用な系は、Cosman et
al.,Mol.Immunol.23:935,1986の記載に実質的に従って
構築できる。
GM−CSF/IL−3 DNAの発現に特に好ましい真核生物
ベクターは、pIXY321及びpIXY344を含み、これらはいず
れもpBC102.K22(ATCC67,255)に由来する酵母発現ベク
ターであって、以下の実施例1及び7に記載するよう
に、大腸菌及び酵母菌における選択及び複製のためのpB
R322由来のDNA配列(Apr遺伝子及び複製起点)を含む。
精製哺乳動物融合タンパク質又はその類似体は、本発
によるDNAの組み換え翻訳生成物を発現するための適当
な宿主/ベクター系を培養し、次いで培地又は細胞抽出
物を精製することによって生産される。
例えば、組み換えタンパク質を培地に分泌する系から
の上澄みを、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば
アミコン又はミリポアペリコン限外濾過ユニットを用い
てまず濃縮する。濃縮工程に次いで、濃縮物を適当な精
製マトリックスに付す。例えば、適当なアフィニティー
マトリックスは、GM−CSF又はIL−3レセプター又はレ
クチン又は適当な支持体に結合した抗体分子を含むこと
ができる。若しくは、陰イオン交換樹脂も用いることが
でき、例えば付属的(pendant)ジエチルアミノエチル
(DEAE)基を有するマトリックス又は基質を用いる。マ
トリックスはアクリルアミド、アガロース、デキストリ
ン、セルロース又はタンパク質精製に通常用いる他の型
のものでもよい。若しくは、陽イオン交換法も用い得
る。適当な陽イオン交換体は、スルフォプロピル又はカ
ルボキシルメチル基を含む各種不溶性マトリックスを含
む。スルフォプロピル基が好ましい。
最後に、付属的メチル又は他の脂肪族基を有するシリ
カゲルのような、疎水性RP−HPLC媒質を用いて、1又は
それ以上の逆相高速液体クロマトグラフィー(RP−HPL
C)工程を用いて融合タンパク質組成物を更に精製す
る。前記の全ての精製工程のいくつかを組み合わせて用
いて、均質な組み換えタンパク質を生産する。
バクテリア培養で生産される組み換えタンパク質は、
通常細胞小球からの最初の抽出物を単離し、次いで1回
又はそれ以上の濃縮、塩析、水性イオン交換又はサイズ
排除クロマトグラフィー工程を行う。最終精製工程には
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いる。発現又
は組み換え融合タンパク質に用いた微生物は、凍結融
解、超音波、機械的破砕、又は細胞分解剤を含むいかな
る便法によっても破砕しうる。
融合タンパク質を分泌タンパク質として発現する酵母
の発酵は、精製工程をおおいに簡素化する。大規模発酵
による分泌組み換えタンパク質は、Urdal et al.,J.Chr
omatog.296:171,1984に記載の方法と同様の方法によっ
て精製できる。この文献は、分離用HPLCカラム上での組
み換えマウスGM−CSFの精製のための2段階逆相HPLC工
程を開示する。
組み換え培養で合成された融合タンパク質は、培養物
から融合タンパク質を回収するための精製工程に依存す
る量と特質のタンパク質を含む、非−ヒト細胞成分の存
在を特徴とする。これらの成分は通常、酵母、原核生
物、又は非−ヒト真核生物由来のものであり、好ましく
は無害な混在量、或いは走査型濃度計又はクロマトグラ
フィーで約5%以内の量で存在する。更に、組み換え細
胞培養は、細胞、細胞滲出物、又は体液などのそれぞれ
の起源の種に天然に見られるような、GM−CSF又はIL−
3と関連するタンパク質を含まない融合タンパク質の生
産を可能にする。
融合タンパク質組成物は、所望の精製度の融合タンパ
ク質を生理学的に受容し得る担体と混合することによっ
て、投与用に調製される。このような担体は使用する投
与量及び濃度において患者に非毒性である。普通、この
ような組成物の調製は、融合タンパク質と、緩衝液、ア
ルコルビン酸などの酸化防止剤、低分子量(約10残基以
下)のポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、グルコー
ス、スクロース、又はデキストリンを含む炭水化物、ED
TAなどのキレート剤、グルタチオン及びその他の安定化
剤及び賦形剤との組み合わせを伴う。
融合タンパク質組成物は、骨髄細胞のような造血前駆
体細胞の増殖、分化及び機能的活動を増強するのに用い
ることができる。特に、融合タンパク質を含む組成物
は、末梢血白血球数を増加し、かつ骨髄抑制性患者の循
環顆粒球数を増加するのに用いることができる。この目
的を達成するためには、治療的に有効な量の融合タンパ
ク質組成物を、哺乳動物、好ましくはヒトに医薬担体又
は希釈剤と共に投与する。
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであ
り、何らこれを限定するものではない。
実施例 実施例1:GM−CSF/IL−3融合タンパク質をコードするcD
NAの合成 A.huIL−3をコードするcDNAの単離 Ficollへパーク密度遠心を用いて、全血(Portland
Red Cross,Portland,Oregon,USA)から調製した淡黄色
被覆物(buffy coats)から末梢血リンパ球を単離し
た。2−アミノエチルチオウロニウムブロミドー処理し
たヒツジ赤血球でロゼット形成してT細胞を単離した。
100ml RPMI、10%ウシ胎児血清、50μM b−メルカ
プトエタノール、1%フィトヘマグルチニン(PHA)及
び10ng/mlフォルボール12−ミリステート13−アセテー
ト(PMA)中で、175cm2のフラスコ中、5x106細胞/ml
で、18時間、細胞を培養した。グアニジニウムCsCl法及
びオリゴーdTセルロースクロマトグラフィーによって調
製したポリA+RNA(Maniatis et al.,Molecular Clonin
g:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor,1982)に
よってRNAを抽出した。Gubler and Hoffman,Gene 25:26
3−269,1983の記載に本質的に従ってポリA+RNAからcDNA
を調製した。cDNAをDNAポリメラーゼIを用いて二本鎖
にし、T4 DNAポリメラーゼで平滑末端とし、cDNA内のE
coR1切断部位を保護するためにEcoR1メチラーゼでエチ
ル化し、そしてEcoR1リンカーに連結した。この構築物
をEcoR1で消化して、cDNAの両端にあるリンカーの1コ
ピー以外の全てを除去し、EcoR1切片及びファージλgt1
0(Huynh et al.,DNA Cloning:A Practical Approach,G
lover,ed.,IRL Press,pp.49−78)の脱フォスフォリル
化アームと連結し、製造者の指示に従いλファージ抽出
物(Stratagene,San Diego,CA,USA)中にパッケージし
た。大腸菌C600hf1-株上に500,000個の組み換え体をプ
レートし、以下のプローブを用いる標準的プラークハイ
ブリダイゼーション法でスクリーニングを行った。
huIL−3遺伝子の選択された5′及び3′配列に相補
的な配列を用いて、2つのオリゴヌクレオチドを合成し
た。huIL−3リーダーの一部をコードする配列に相補的
な5′プローブは、5′−GAGTTGGAGCAGGAGCAGGAC−
3′の配列を有していた。成熟タンパク質のアミノ酸12
3−130をコードする領域に相補的な3′プローブは、
5′−GATCGCGAGGCTCAAAGTCGT−3′の配列を有してい
た。合成法は、Sood et al.,Nucl.Acids Res.4:2557,19
77及びHirose et al.,Tet.Lett.28:2449,1978の記載に
実質的に似た標準的自動化トリエステル法であった。合
成に続いて、オリゴヌクレオチドを脱ブロックし、分離
用ゲル電気泳動で精製した。スクリーニングプローブと
して用いるために、オリゴヌクレオチドをManiatisらの
記載に似た方法を用いて、32P−ATP及びT4ポリヌクレオ
チドキナーゼで末端放射能標識した。ライブラリーのス
クリーニングに用いた大腸菌株はC600hf1-(上記Huynh
ら)であった。
13個の陽性プラークを精製し、別々に2個のハイブリ
ダイゼーションプローブと再プローブした。11個のクロ
ーンが両方のオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーシ
ョンした。幾つかの陽性組み換えファージからのcDNA挿
入物を、特異的EcoR1部位、BamH1部位及びその他多数の
特異的制限部位を有するポリリンカーを含む標準的クロ
ーニングベクターpBR322のEcoR1−切片誘導体(pGEMBL1
8)にサブクローンした。この型の例示的ベクターであ
るpGEMBLは、Dente et al.,Nucl.Acids Res.11:1645,19
83に記載されており,これはSP6及びT7ポリメラーゼの
ためのプロモーターが複数のクローニング部位に隣接す
る。選択されたクローンのヌクレオチド配列は鎖末端法
によって決定した。特に、λGT10:IL−3クローン2,3,4
及び5の部分EcoR1消化は、850bpから1,000bpの大きさ
の断片を生成し、これを別々にpGEMBL18のEcoR1部位に
サブクローンした。pGEMBL18の複数クローニング部位に
隣接して結合する普遍的プライマーと、huIL−3配列に
由来する合成オリゴヌクレオチドプライマーとを用い
て、pGEMBL:rhuIL−3サブクローンの挿入物を配列し
た。
B.huIL−3cDNAによってコードされるN−グリコシル化
部位の修飾及びrhuIL−3(Pro8Asp15Asp70)用発現ベ
クター 天然タンパク質(Asn15及びAsn70)に存在する2つの
アスパラギン−連結グリコシル化部位を、これらの位置
のコドンをアスパラギン酸をコードするコドンに変える
ことによって改変した。これは酵母細胞によって分泌さ
れるタンパク質のN−連結グリコシル化(しばしば超グ
リコシル化)を防ぎ、より均質な生成物が得られる。こ
の変更は、以下に記載するようにhuIL−3cDNAを酵母発
現ベクターpIXY120中にサブクローンして行った。
酵母発現ベクターpIXY120は、複数のクローニング部
位を含む以下の合成オリゴヌクレオチドが、a−因子シ
グナルペプチドの3′末端近くのAsp718部位(アミノ酸
79)から2μ配列中に含まれるSpel部位までに挿入され
る点以外は、EPA243,153に記載のpBC102−K22と実質的
に同一である。
更に、複製起点及び遺伝子間領域を含む一本鎖バクテ
リオファージf1から由来する514−bpのDNAをpBR322 DN
A配列中のNrul部位に挿入した。f1複製起点の存在は、
適当な大腸菌(雄性)株に形質転換してバクテリオファ
ージf1で重感染すると、ベクターの一本鎖コピーの世代
が可能となる。この可能性はベクターのDNA配列決定を
容易にし、またin vitroでの突然変異誘発の可能性を
もたらす。
酵母発現ベクターpIXY120を制限酵素Asp718[これは
α−因子リーダーペプチド(ヌクレオチド237)の3′
末端近くで切断する]、及びBamH1(これはポリリンカ
ー中で切断する)で消化した。大きい方のベクター断片
を精製して以下のDNA断片:(1)Cla1部位(成熟huIL
−3のヌクレオチド58)からBamH1部位(ポリリンカー
中の3′からhuIL−3cDNA)までの、プラスミドGEMBL1
8:huIL−3由来のhuIL−3 cDNA断片);及び(2)以
下の合成オリゴヌクレオチドリンカーA: と連結した。オリゴヌクレオチドAは、α−因子リーダ
ーペプチドのC−末端をコードし、これをオクタペプチ
ドDYKDDDDKに枠内で(in−frame)融合する配列を再生
させ、このオクタペプチドを次いで成熟rhuIL−3のN
−末端と融合させる。このrhuIL−3タンパク質との融
合はオクタペプチドに特異的な抗体を用いる検出を可能
とし、rhuIL−3の発現及び精製をモニターするのに始
め用いた。このオリゴヌクレオチドはまた、位置15にお
けるアミノ酸の変更(Asn15からAsp15)をコードして、
このN−グリコシル化部位を変える。オリゴヌクレオチ
ドA中の下線部ヌクレオチドは野生型cDNA配列からの変
化を表す。(成熟huIL−3分子のN−末端アラニンに対
応するコドンから数えて)それぞれヌクレオチド43及び
45にあるAからGへの、及びCからTへの変更を行うだ
けでアミノ酸の変更(Asp15)をもたらす。その他の塩
基の変更は、アミノ酸配列の変更を伴わずに、便宜的な
制限部位(Aha II及びPvu II)を導入する。得られるプ
ラスミドはpIXY139と命名され、1個の残るN−連結グ
リコシル化共通(consensus)配列(Asn70)を有するrh
uIL−3 cDNAを含む。
プラスミドpIXY139は、オリゴヌクレオチド−指示突
然変異誘発を行って、Asn70をAsp70に変更することによ
り第2のN−連結グリコシル化配列を除去するのに用い
た。in vitroの突然変異誘発は、Walder and Walder,G
ene 42:133,1986の記載と同様の方法で実施した。酵母
ベクターpIXY139は、一本鎖バクテリオファージf1のた
めの複製起点を含み、適当な(雄性)大腸菌株中に存在
し、ヘルパーファージで重感染するとき、一本鎖DNAを
作ることができる。
大腸菌JM107株で形質転換してヘルパーファージIR1で
重感染することにより一本鎖DNAを作った。一本鎖DNAを
単離して以下の突然変異誘発オリゴヌクレオチドB:GTC
AAG AGT TTA CAG GAC GCA TCA GCA AAT G
(これは成熟huIL−3の位置70において、AspをAsnで置
換するコドンスイッチを提供する)とアニーリングし
た。アニーリング及び形質転換条件は、上記Walder an
d Walderの記載に従って実施した。トリプトファン欠
乏培地で生育させて酵母形質転換体を選択し、プールし
てHolm et al.,Gene 42:169,1986の記載に従ってDNAを
抽出した。野生型と突然変異プラスミドDNAの混合物を
含む、このDNAを用いて大腸菌RR1を形質転換してアンピ
シリン耐性とした。得られるコロニーを標準法によっ
て、放射能標識したオリゴヌクレオチドBとハイブリダ
イゼーションすることによりスクリーニングした。huIL
−3 Asp70をコードするDNAを含むプラスミドを、緊縮
条件下に放射能標識したオリゴヌクレオチドBとハイブ
リダイゼーションすることによって同定し、ヌクレオチ
ド配列決定によって確認した。
得られる酵母発現プラスミドはpIXY138と命名され、A
sp15Asp70アミノ酸の変更をコードするhuIL−3遺伝子
と、N−末端にオクタペプチドDYKDDDDKとを含んでい
た。最終酵母発現プラスミドは、オクタペプチドをコー
ドするヌクレオチド配列を欠く点以外ではpIXY138と同
じであり、かくして成熟rhuIL−3を生成物として生産
する。
最終酵母発現プラスミドは以下のように構築した。酵
母発現ベクターpIXY120を制限酵素Asp718及びBamH1で上
記したように切断した。大きなベクター断片を(1)Ah
a2部位(これは成熟huIL−3のヌクレオチド19で切断す
る)からBamH1部位(cDNAへの3′)まで伸びる、プラ
スミドpIXY138から由来するhuIL−3 cDNA断片、及び
(2)以下の合成オリゴヌクレオチドC: と連結した。オリゴヌクレオチドCは、Asp718部位から
のα−因子リーダーペプチドの3′末端(アミノ酸Pro
−Leu−Asp−Lys−Arg)及びhuIL−3のN−末端の7ア
ミノ酸をAha II部位に再生する。得られるプラスミドを
pIXY151と命名した。このベクターは、酵母中に存在す
るとき、グルコース−制御性発現及びrhuIL−3(Pro8A
sp15Asp70)の分泌を可能にする。
C.修飾されたN−グリコシル化部位を有する、rhuGM−C
SF(Leu23Asp27Glu39)用発現ベクター プラスミドpHG23上にある、ヒトGM−CSFをコードする
野生型遺伝子が、寄託番号第39900の下に、アメリカン
・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)、12301
Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,USAに
寄託されている。酵母発現ベクターpYαfHuGM中に挿入
されている野生型遺伝子も寄託番号第53157の下にATCC
に寄託されている。ヒトGM−CSFの非−グリコシル化類
似体を得るために、PCT公開WO89/03881に記載のよう
に、オリゴヌクレオチド−指示部位特異的突然変異誘発
法を用いて、有力なN−グリコシル化部位を排除した。
この類似体、huGM−CSF(Leu23Asp27Glu39)をコードす
るプラスミドは、寄託番号第67231の下に、大腸菌RR1株
中のプラスミドL207−3としてATCCに寄託された。
D.GM−CSF/IL−3融合タンパク質用発現ベクターの構築 リンカー配列で分けられたヒトGM−CSF及びヒトIL−
3を有する融合構築物を発現するための分泌ベクターを
作成するためには、読み取り枠や介在配列をかまわず
に、GM−CSF及びIL−3をコードするDNAを直接融合して
前駆体プラスミドをまず構築した。非グリコシル化ヒト
GM−CSFをコードするcDNA断片を、977bpの制限断片(Sp
hlからSspl)としてプラスミドL207−3から切り取っ
た。IL−3 cDNAは、Asp718で消化することによりpIXY
151から切り取り、これをManiatis et al.,A Laborator
y Manual,Cold Spring Harbor,1982,p.118のT4反応を用
いて平滑末端とし、次いでXho1で消化することにより80
3bpの断片を得た。この2つの断片を次いで、Sph1及びX
ho1で切断したpIXY151ベクター断片に直接連結した。こ
のプラスミドはGM/IL−3直接融合と呼ばれた。
GM/IL−3直接融合プラスミドを、上記Walder and
Walderの記載と同様の方法で、オリゴヌクレオチド−指
示突然変異誘発における鋳型として用いた。次いで以下
のオリゴヌクレオチドを合成した。
このオリゴヌクレオチドはGM−CSFの3′末端と13bp
でオーバーラップするが、停止コドンは含んでおらず、
GlySerリンカーを含み、かつIL−3の5′末端と13bpで
オーバーラップする。このリンカー配列は、Huston et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879−5883,1988に記
載のリンカーに変更を加えたものであるが、Bennetzen
et al.,J.Biol.Chem.257:3026,1982のように酵母中でコ
ドンを使用するために最適化した。
R408ヘルパーファージ及びRussel et al.,Gene 45:33
3−338,1986の方法を用いて、GM/IL−3直接融合から一
本鎖プラスミドDNAを作製した。次いで、上記オリゴヌ
クレオチドを一本鎖プラスミドDNAにアニーリングし
て、上記Walder and Walderの記載に従ってアニーリ
ングしたDNAで酵母菌XY2181株を形質転換することによ
り、オリゴヌクレオチド指示突然変異誘発を実施した。
この酵母菌ベクターは一本鎖バクテリオファージf1用の
複製起点を含み、適当な(雄性)大腸菌株中に存在し、
ヘルパーファージで重感染すると、一本鎖DNA生産とす
ることができる。トリプトファン欠乏培地で生育させて
酵母菌形質転換体を選択し、プールし、そしてHolm et
al.,Gene42:169,1986の記載に従ってDNAを抽出した。突
然変異体及び野生型プラスミドDNAの混合物を含むこのD
NAを用いて、大腸菌RR1を形質転換してアンピシリン耐
性とした。得られるコロニーを標準法で放射能標識した
オリゴヌクレオチドとハイブリダイゼーションしてスク
リーニングした。GM−CSF/リンカー/IL−3をコードす
るDNAを含むプラスミドを、緊縮条件下でリンカーを含
む放射能標識したオリゴヌクレオチドとハイブリダイゼ
ーションすることによって同定し、ヌクレオチド配列決
定によって確認した。
ヌクレオチド配列決定過程において、リンカー領域に
突然変異が起こったことが判明した。ヌクレオチド配列
TGGTGGATCTGGが削除され(配列参照)、その結果アミノ
酸配列GlyGlySerGlyが削除された配列のタンパク質を発
現した。この突然変異は、読み取り枠に変化を与えず、
また生物活性タンパク質の発現を妨げなかった。得られ
るプラスミドはpIXY321と命名され、融合タンパク質huG
M−CSF[Leu23Asp27Glu39]/Gly4SerGly5Ser/huIL−3
[Pro8Asp15Asp70]を発現した。
E.GM−CSF/IL−3融合タンパク質の発現及び精製 University of Washington,Department of Genet
ics Yeast Strain Bank,Seattle,WA,USAから得たXV6
17−1−3b[a,his6,leu2−1,Trpl−1,ura3,ste5」と、
Yeast Genetic Stock Center,University of Cali
fornia,Berkeley,CA,USAから得たX2181−1B[a,trpl−
1,gal1,ade1,his2]とを交配することによって、二倍体
S.cerevisiaeである宿主XV2181株を作製した。Sherman
et al.,Laboratory Course Manual for Methods in Yea
st Genetics,Cold Spring Harbor Laboratory,1986の方
法で、該宿主株を発現プラスミドで形質転換した。
発現プラスミドpIXY321(上記1D参照)を含む酵母菌
を4℃でYNB−trp寒天プレート上に維持した。1リット
ルのYNB−trp培地(6.7g/L 酵母窒素塩基、5g/L カザ
ミノ酸、40mg/L アデニン、160mg/L ラウシル、及び2
00mg/L チロシン)中に幾つかの単離した組み換え酵母
コロニーを接種することによって前培養を開始し、2リ
ットルのフラスコ中、30℃で、1夜激しく撹拌しながら
生育させた。朝までに培養物は2−7のOD600で定常期
で飽和した。あらかじめ洗滌し、滅菌した発酵機(10リ
ットルの作動容量の機械3機)に、その作動容量の80%
のSD−2培地(4.0g/L 硫酸アンモニウム、3.2g/L リ
ン酸一カリウム、3.0g/L 酵母エキス、1.0g/L クエン
酸、0.1g/L 塩化ナトリウム、5ml/L 2%塩化カルシ
ウム、2.5ml/L ビタミン101溶液、0.5ml/L 微量要素
溶液(trace elements solution)、0.5ml/L 20%硫
酸マグネシウム、2.0ml/L グルコース)を満たし、30
℃、500−600rpmの撹拌、及び10−161pmの通気で維持し
た。接種物を加えた。生育2時間後に、50%グルコース
の栄養供給を始め、10−12時間で50g/Lを加えた。次い
で栄養供給を50%エタノールに変えて、回収時まで30−
40ml/時加えた。
発酵の全経過時間は約20時間であり、その後の吸光度
(600nm)は30から45の範囲であった。次いで発酵機を2
0℃に冷却し、5M NaOHを加えて酵母発酵物のpHを8.0に
調整し、得られたものを0.45μmのフィルターカセット
を備えたミリポアペリコンフィルターシステムで濾過し
て、滅菌した10Lのガラスびんに回収した。
GM−CSF/IL−3融合タンパク質を含む酵母菌上澄み1
リットルをアミコンYM−10膜上で50mlに濃縮した。酵母
菌液濃縮物を次いで、酵母菌濃縮物に適用する前に水中
の0.1%トリフロロ酢酸(溶媒A)で平衡化しておいた
5μC−18シリカ(Vydac,Separations Group,Hesperi
a,CA,USA)を詰めた1cmx25cmのカラムに適用して、分離
用HPLCによってさらに調製した。若しくは、粗酵母菌液
はC−18カラムに直接適用することもできる。材料を入
れた後、溶出物の吸光度がベースラインになるまでカラ
ムを溶媒Aで溶出した。この時点でアセトニトリル中の
0.1%トリフロロ酢酸勾配を、0%Bから100%Bまで、
1分間に1−2%Bの増加率で、かつ2ml/分の流速で行
った。1分毎の分画を回収した。分画から少量を取っ
て、IL−3に対するウサギポリクローナル抗血清を用い
るドットブロットによって、タンパク質含量を分析し
た。GM−CSF/IL−3は、約50%アセトニトリルで分画50
に溶出した。ドットブロットでGM−CSF/IL−3融合タン
パク質に陽性であったHPLC分画をプールして20mM B−ア
ラニン、pH4のSP−セファロースに結合した。0.5M NaC
l,100mM トリス−HCl、pH8で融合タンパク質を溶出し
た。融合タンパク質を含む分画をSDS−PAGEで同定し
た。
分子量35,000を有するタンパク質を含むイオン交換分
画をプールして、100μlに濃縮し、Superose12カラム
上でFPLCゲル濾過を用いてさらに精製した。カラムはPB
Sで溶出した。精製された分子量35,000の融合タンパク
質のみを含む分画をSDS−PAGEで同定した。
上記のようにして実質的に調製したGM−CSF/IL−3の
生物活性(ユニット/mg)及び結合親和性を、実施例4
及び5に記載するように決定した。
実施例4:チミジン取り込みアッセイにおけるGM−CSF/IL
−3融合タンパク質の生物活性 生物活性レベルを測定するために、実施例3で調製し
たGM−CSF/IL−3融合タンパク質を、チミジン取り込み
アッセイにおいて、AML−193細胞の増殖を刺激する能力
でアッセイした。AML−193細胞系は、元来Santoli et a
l.,J.Immunol.139:3348,1987に記載されたGM−CSF依存
性ヒト単球性白血病細胞系である。25mM HEPES、200nM
L−グルタミン、5μg/ml インシュリン、5μg/ml
トランスフェリン、5ng/mlソディウムセレナイト、2.
5%熱不活性化ウシ胎児血清、抗生物質、及び5nb/ml精
製組み換えヒトGM−CSFを含むイスコフのダルベッコ改
変培地(IMDM)中で細胞を生育させた。細胞は1週間に
2回分けて、300,000/mlの密度で新鮮な培地に接種し
た。
既知の成長因子及び未知の上澄みがAML−193の増殖を
刺激する能力を試験するために、チミジン取り込みアッ
セイを行った。AML−193細胞を遠心で洗浄し、ウシ胎児
血清及び/又はGM−CSFを含まない点を除いて、上記のI
MDMと同じ組成のアッセイ培地中に再懸濁した。精製GM
−CSF、IL−3又はGM−CSF/IL−3融合タンパク質を、9
6ウェルの平底組織培養プレートの最初のウェルに、50m
l培地中、400ng/mlの最終濃度で加えた。次いでこれら
のサンプルをマイクロタイタープレートの更に11ウェル
に3倍で連続的に希釈した。各ウェルに3750個のAML−1
93細胞を含む50μlの培地を加え、空気中6%CO2の十
分湿潤な大気中、37℃で138時間インキュベーションし
た。トリチウムを入れたチミジン(0.5mCi/ウェル)を
各ウェルに加えて更に6時間インキュベーションし、自
動サンプル回収器でサンプルを回収して液体シンチレー
ションでカウントした。最大チミジン取り込みの半量を
刺激するのに要する成長因子の量を1ユニット活性と定
義する。
同一濃度におけるIL−3、GM−CSF又はGM−CSF/IL−
3融合タンパク質の同時滴定の結果、融合タンパク質
は、いずれかの因子単独或いはIL−3とGM−CSFとの組
み合わせよりも強力に増殖刺激性であることが判明し
た。IL−3、GM−CSF及びGM−CSF/IL−3融合タンパク
質の特異的活性を以下の表Aに示す。
表A 分子 特異的活性 IL−3 1.65x105 GM−CSF 9.74x104 IL−3+GM−CSF 1.39x105 GM−CSF/IL−3 1.81x106 GM−CSF/IL−3融合タンパク質の特異的活性は、IL−
3又はGM−CSF単独、或いはGM−CSFとIL−3との組み合
わせよりも約10倍高い。
実施例5:平衡結合アッセイにおけるGM−CSF/IL−3融合
タンパク質の結合活性 ヒト細胞系のレセプターに対するヒトIL−3、GM−CS
F及び融合タンパク質の結合親和性を、125I−標識IL−
3又はGM−CSF結合の阻害を用いて測定した。
A.GM−CSF及びIL−3の放射能標識 組み換えヒトGM−CSF/IL−3融合タンパク質を酵母細
胞中で発現させ、本質的には上記の方法で精製した。オ
クタペプチドDYKDDDDKを含むように遺伝子操作された組
み換えヒトIL−3及びGM−CSFを酵母中で発現させ、本
質的にはHopp et al.,Bio/Technology 6:1204,1988に記
載の方法で該オクタペプチドに特異的なモノクローナル
抗体を用いて精製した。精製したGM−CSF及びIL−3タ
ンパク質を、本質的にはPark et al.,J.Biol.Chem.261:
4177,1986に記載するように、市販のエイザイモビーズ
(enzymobead)放射性ヨウ素試薬(BioRad)を用いて放
射能標識した。簡単に言うと、50μl 0.2Mリン酸ナト
リウム、pH7.2中の組み換えタンパク質2−10μgを、
エイザイモビーズ試薬 50μl、20μlの0.05Mリン酸
ナトリウム、pH7中のヨウ化ナトリウム 2mCi、及び2.5
% β−D−グルコース 10μlと組み合わせた。25℃
で10分後、ソジウムアジド(50mMを10μl)及びソジウ
ムメタバイスルファイト(5mg/mlを10μl)を連続的に
加え、25℃で5分間インキュベーションを続けた。反応
混合物を2.5%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA)、0.2
%(w/v)ソジウムアジド及び20mM Hepes、pH7.4を含
むRoswell Park Memorial Institute(RPMI)1640培
地(結合培地)で平衡化した2mlベッド容量のセファデ
ックスG−25(Sigma)上でゲル濾過して分画した、125
I−IL−3及び125I−GM−CSFの最終プールを結合培地中
1x107Mの作動貯蔵溶液(working stock solution)に
希釈して、レセプター結合活性の検出しうるロスなし
で、4℃で1カ月間貯蔵した。GM−CSFの放射能標識の
特異的活性は通常1−5x1015cpm/mmoleの範囲である。I
L−3の特異的活性は3−6x1015cpm/mmoleの範囲であ
る。
B.結合アッセイ JM−1,KG−1,HL−60及びAML−193細胞を用いて結合ア
ッセイを実施した。JM−1,HL−60及びKG−1細胞はPark
et al.,J.Biol.Chem.264:5420,1989の記載により得、
調製した。AML−193細胞は上記実施例4の方法で得、調
製した。上記Parkらが記載するように、125I−GM−CSF
はJM−1細胞と結合せず、またGM−CSFは125I−IL−3
がJM−1細胞と結合するのを阻害しない。これはこの細
胞がIL−3のみと結合できるレセプターを有しているこ
とを示唆する。逆に、125I−IL−3はHL−60細胞と結合
せず、またIL−3は125I−GM−CSFがHL−60と結合する
のを阻害しない。これはこの細胞がGM−CSFのみと結合
できるレセプターを有していることを示唆する。これと
は対照的に、KG−1及びAML−193細胞はいずれも125I−
GM−CSF及び125I−IL−3と結合し、更にIL−3及びGM
−CSFはいずれもおよそ等しい容量で異種の放射能標識
したリガンドの特異的結合を競合することができる。こ
れはこれらの細胞系がIL−3のみと結合するレセプタ
ー、GM−CSFのみと結合するレセプター、及びGM−CSFと
IL−3との両方と結合するレセプターをいずれも高い親
和性で有していることを示唆する。
IL−3、GM−CSF及びGM−CSF/IL−3融合タンパク質
の結合親和性(KI)を測定するために、125I−IL−3の
JM−1細胞への結合、125I−GM−CSFのHL−60細胞への
結合、並びに125I−IL−3及び125I−GM−CSFのKG−1
及びAML−193細胞への結合を、各種濃度のこれら未標識
タンパク質が阻害する能力を測定して、阻害アッセイを
行った。アッセイは、細胞(3.3x107/ml)を3x10-10M
125I−GM−CSF又は125I−IL−3、及び各種濃度の未標
識IL−3、GM−CSF又はGM−CSF/IL−3融合タンパク質
と共に37℃で30−60分間インキュベーションして行っ
た。本質的にはPark et al.,Blood 74:56,1989に記載さ
れ、またDower et al.,J.Immunol.132:751,1984に開示
のフタレートオイル分離法を用いて、結合をアッセイし
た。IL−3、GM−CSF及びGM−CSF/IL−3の結合親和性
を測定して、以下の表Bに示す。
表Bのデータを得るために用いた実験は、異なる細胞
系を異なる実験で用いたためにいくらかバラツキを示し
ており、直接比較することは難しい。このデータで直接
比較を行うために、対照群と融合タンパク質の双方のKI
値を1つの細胞系における対照群のKI値に規格化した。
IL−3データはJM−1細胞におけるKI=1.8x1010M
-1に、GM−CSFデータはHL−60細胞におけるKI=1.2x10
10M-1に規格化されて、以下の表Cに示す値を与えた。
規格化されたデータを比較すると、GM−CSF/IL−3融
合タンパク質とGM−CSFとは、HL−60、KG−1及びAML−
193のGM−CSFに対するレセプターとほぼ同じ親和性で結
合する。これとは対照的に、GM−CSF/IL−3融合タンパ
ク質は、KG−1及びAML−193細胞(これらはいずれもGM
−CSF/IL−3レセプターを有する)のレセプターに対し
て、IL−3よりも有意に高い親和性で結合する。GM−CS
F/IL−3融合タンパク質のレセプターに対する正常結合
親和性のための(即ち、ただ1個のリガンドと結合する
ことができるレセプターへの結合のための)標準として
JM−1細胞を用いると、GM−CSF/IL−3融合タンパク質
はKG−1細胞と41.0倍高い結合親和性で結合し、またAM
L−193細胞と11.1倍高い結合親和性で結合する。
いかなる特定の理論にも拘束される積もりはないが、
KG−1及びAML−193細胞に対するGM−CSF/IL−3融合タ
ンパク質の高い結合親和性は、これらの細胞系のどちら
にもGM−CSF/IL−3レセプターが存在することと関係が
あると信じられる。特に、GM−CSF/IL−3融合タンパク
質のAML−193細胞系に対する高い結合親和性は、AML−1
93細胞系を用いる実施例4のチミジン取り込みアッセイ
における、GM−CSF/IL−3融合タンパク質の高い生物活
性を説明するものかも知れない。
実施例6:ヒト骨髄の増殖に対するGM−CSF/IL−3の影響 未分化ヒト骨髄の増殖に対するGM−CSF/IL−3の生物
的影響を、GM−CSF及びIL−3単独のそれと比較した。
ヒト骨髄の非−固着性、底密度のT細胞脱プレート化培
養物を、Lu et al.,Blood 61:250,1983に記載するよう
にメチルセルロース(BFU−E,CFU−GEMM,1プレート当た
り40,000細胞)又は寒天(CFU−GM,1培養当たり40,000
細胞)中にプレートした。メチルセルロース培養物は1
プレート当たり1ユニットのエリスロポエチンを含み、
サイトカインの非存在下に48±2BFU−Eのバックグラン
ド数を含む。培養物を5%O2,5%CO2,90%N2大気中で14
日間インキュベーションし、暗視野顕微鏡でカウントし
た。この値は、2つの代表的実験のうちの1つにおける
二重又は三重データポイントの平均±1標準偏差を表
す。
表D及びEは、未分化ヒト骨髄細胞の増殖を増強する
点において、GM−CSFプラスIL−3がGM−CSF又はIL−3
単独よりも約2倍有効であることを示している。GM−CS
F/IL−3融合タンパク質は、GM−CSFとIL−3との混合
物に匹敵する強度であり、GM−CSFとIL−3との混合物
はGM−CSF又はIL−3単独に比較して約2倍の増強を示
した。
実施例7:IL−3/GM−CSF融合タンパク質をコードするcDN
Aの合成 N−末端IL−3とC−末端GM−CSFとを含む融合タン
パク質をコードするcDNAを以下のようにして構築した。
酵母発現ベクターpIXY120(実施例1Bに記載)を制限酵
素Asp718[これはα−因子リーダーペプチド(ヌクレオ
チド237)の3′末端近くで切断する]、及びNco1(こ
れはポリリンカーで切断する)で消化した。大きなベク
ター断片を精製して、L207−3(ATCC67231)の部分消
化から得た約500bpのAsp718−Nco1断片[GM−CSF(Leu
23Asp27Glu39)をコードする]と連結してpIXY273を構
築した。pIXY273の9kb Asp718−Ba12断片[まだGM−CS
F(Leu23Asp27Glu39)を含んでいる]を次いで、pIXY15
1(実施例1Bに記載)からのヒトIL−3(Pro8Asp15Asp
70)をコードするAsp718−Nru1断片、及び以下の二本鎖
オリゴヌクレオチド: と連結した。このオリゴヌクレオチドはIL−3の3′末
端と8bpでオーバーラップするが、停止コドンを含んで
おらず、Gly−Serリンカーを含み、かつGM−CSFの5′
末端と10bpでオーバーラップする。得られるベクターを
pIXY344と命名し、本質的には上記実施例3で記載したI
L−3/GM−CSF融合タンパク質の発現に用いた。
実施例8:平衡結合アッセイにおけるIL−3/GM−CSF融合
タンパク質の結合活性 ヒト細胞系のレセプターに対するヒトIL−3、GM−CS
F及びIL−3/GM−CSF融合タンパク質(実施例8の記載に
より作製)の結合親和性を、上記実施例5に記載のよう
に、125I−標識IL−3又はGM−CSF結合の阻害によって
測定した。
Park et al.,J.Biol.Chem.264:5420,1989の記載に従
って得て、調製したJM−1、HL−60及びKG−1細胞を用
いて、結合アッセイを実施した。JM−1細胞はIL−3と
結合できるレセプターを有しているが、GM−CSFとは結
合しない。逆に、HL−60細胞はGM−CSFと結合できるレ
セプターを有しているが、IL−3とは結合しない。KG−
1細胞はGM−CSF及びIL−3の双方に有するレセプター
を有する。
結合親和性(KI)を、IL−3、GM−CSF及びGM−CSF/I
L−3について測定し、以下の表Fに示した。
上のデータは、GM−CSF/IL−3及びIL−3/GM−CSF融
合タンパク質が、IL−3単独よりも低い親和性でJM−1
細胞と結合することを示す。逆に、GM−CSF/IL−3及び
IL−3/GM−CSF融合タンパク質は、IL−3よりも有意に
高い親和性でKG−1細胞と結合する。KG−1細胞に対す
るGM−CSF/IL−3及びIL−3/GM−CSF融合タンパク質の
いずれのKI値は、JM−1細胞に対するよりも10−20倍高
い。同様に、HL−60細胞に対するGM−CSF/IL−3及びIL
−3/GM−CSFのKI値も同様である。
実施例4−6(これらは結合親和性と生物活性増強と
の関係を示す)に示すデータの観点からすると、上記結
合データはIL−3/GM−CSF融合タンパク質が増強された
生物活性を有することを示唆している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12P 21/02 C12P 21/02 H K // A61K 38/00 A61P 7/00 A61P 7/00 A61K 37/02 (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 コスマン,デービッド・ジェイ アメリカ合衆国ワシントン州98110,バ インブリッジ・アイランド,ノース・イ ースト・エウィング・ストリート 10129 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜15アミノ酸残基を有するリンカーによ
    りIL−3に結合させたGM−CSFを含む融合タンパク質。
  2. 【請求項2】融合タンパク質のアミノ酸配列が、図1の
    アミノ酸残基1〜271および図2のアミノ酸残基1〜275
    からなるグループから選択される、請求項1に記載の融
    合タンパク質。
  3. 【請求項3】ヒトGM−CSFが、huGM−CSF、huGM−CSF[L
    eu23Asp27Glu39]、huGM−CSF[Leu23]、huGM−CSF[L
    eu23Asp27]、huGM−CSF[Glu39]、huGM−CSF[Asp27G
    lu39]、huGM−CSF[Leu23Glu39]およびhuGM−CSF[As
    p27]からなるグループから選択され、そして、ヒトIL
    −3が、huIL−3、huIL−3[Pro8Asp15Asp70]、huIL
    −3[Asp70]、huIL−3[Asp15Asp70]、huIL−3[P
    ro8Asp15]、huIL−3[Pro8Asp70]およびhuIL−3[A
    sp15]からなるグループから選択される、請求項1に記
    載の融合タンパク質。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載のタン
    パク質をコードする、DNA配列。
  5. 【請求項5】請求項4に記載のDNA配列を含む組換え発
    現ベクター。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の組換え発現ベクター含む
    適当な宿主細胞を、発現を促進する条件下において培養
    することを含む、GM−CSFおよびIL−3を含む融合タン
    パク質の製造方法。
  7. 【請求項7】有効量の請求項1に記載の融合タンパク質
    を含む、in vitroでヒト造血前駆(progenitor)細胞の
    増殖を刺激するための組成物。
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