JP2003514552A - 改善された性質を有するエリトロポエチンの形態 - Google Patents

改善された性質を有するエリトロポエチンの形態

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、Ig分子のFc部分およびエリトロポエチン(EPO)の生物学的活性を有する標的分子を含んでなる融合蛋白質などの、新規な改変されたEPOの形態に関する。該エリトロポエチン部分ならびに免疫グロブリン部分のアミノ酸配列、およびエリトロポエチンのグリコシレーション・パターンを選択的に変えることにより、高められた生物学的活性を具える融合蛋白質を得ることができる。本発明は。ヒトまたは動物EPOとは相違するシステインまたはジスルフィド結合のパターンを有する新規な非融合EPO分子にも関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、Ig分子のFc部分およびエリトロポエチン(EPO)の生物学的
活性を有する分子を含んでなる融合蛋白質などの、新規なエリトロポエチンの形
態に関する。該エリトロポエチン部分ならびに該免疫グロブリン部分のアミノ酸
配列および該エリトロポエチンのグリコシレーション・パターンを選択的に変更
することにより、改善された性質、例えば、高められた生物学的活性および安定
性を具えた融合蛋白質(Fc−EPO)および非融合EPOを取得することがで
きる。さらに、エリトロポエチンおよび免疫グロブリン鎖の短縮された異形が用
いられている、融合蛋白質を提供することができる。本発明は、ヒトまたは動物
EPOとは異なるシステインならびにジスルフィド結合のパターンを有している
、新規な(非融合)EPO分子にも関する。
【0002】 (背景) エリスロポエシス、すなわち赤血球の生成は、細胞破壊の埋め合わせとして、
ヒトの生涯を通して、絶え間なく起きている。赤血球生成は、適正な組織への酸
素投与のための血液中の、利用可能な赤血球を十分な数ではあるが、血球が循環
を妨げるほどには多くならないことを可能とする、厳格に制御された生理学的メ
カニズムである。赤血球の成熟は、該ホルモン、エリトロポエチン(EPO)の
制御下にある。
【0003】 エリトロポエチンは、約34,000ダルトンの酸性糖蛋白質ホルモンである
。天然産のエリトロポエチンは、胎児期の間は肝臓によって、また低酸素症(貧
血による赤血球減少)に対する応答では腎臓によって産生され、そして、赤血球
の増殖、およびその同源の細胞性受容体細胞との相互作用を介した、赤血球への
分化を制御する。それは、成人の血流中の赤血球レベルを制御するために必要不
可欠であり、そして、骨髄中での赤血球の産生を刺激する。貧血は、腎臓のエリ
トロポエチン産生機能不全の帰結である。エリトロポエチンをコードする遺伝子
により形質転換された宿主細胞からの蛋白質産物の発現を含んでいる、遺伝子操
作技術によって生産された組換えエリトロポエチンは、慢性腎不全に因る貧血の
治療に使用する際、有効であることが見出されている。野生型、あるいは天然産
の、エリトロポエチンは、本明細書において、組換えエリトロポエチン(Jac
obs,K., et al., Nature, 313:806−813
(1985))、または血液(Miyake,T., et al., J.
Biol. Chem., 252:5558−5564 (1977))もし
くはヒツジ血漿(Goldwasser,E., et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. U.S.A., 68:697−698
(1971))から単離および精製がなされた天然産のエリトロポエチン、あ
るいは、当業者に周知の手法を用いて製造することができる、化学合成のエリト
ロポエチンを含むと定義される。ヒト・エリトロポエチンは、自然には単量体と
して存在する、166アミノ酸のポリペプチドである(Lin,F−K., e
t al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82
:7580−7584(1985))。単離蛋白質として、ならびにその受容体
との複合体中での、エリトロポエチンの3次構造が報告されている(Syed
RS,et al.、Nature [1998] 395:511−6; C
heetham J.C., Nat. Struct. Biol. [19
98] 5:861−6)。エリトロポエチンをコードする遺伝子の同定、クロ
ーニング、および発現が、米国特許第4703008号に記載されている。例え
ば、組換えエリトロポエチンプラスミドを含んでいる哺乳動物細胞の増殖を持続
させる細胞培地からの組換えエリトロポエチンの精製に関する記載が、米国特許
第4667016号に含まれている。組換えプラスミド上のエリトロポエチン遺
伝子を含んでいる哺乳動物細胞からの、生物学的に活性な組換えエリトロポエチ
ンの発現および回収は、エリトロポエチンの入手可能量を治療への応用に適する
もととした。加えて、該遺伝子配列ならびに、より多量の精製蛋白質の利用可能
性の知見は、この蛋白質の作用機作のより詳細な理解に繋がった。腎不全、HI
V感染、血液損失および慢性疾患に付随するものを含む、いくつかの型の貧血は
、この造血成長因子によって治療することができる。エリトロポエチンは、典型
的には、約25〜100U/kgの用量で、週3回静脈内または皮下注射によっ
て投与される。
【0004】 原核細胞由来の蛋白質とは異なり、真核細胞によって産生される、多くの細胞
表面および分泌蛋白質は、1つまたは複数のオリゴ糖基によって修飾されている
。この修飾は、グリコシル化と称され、蛋白質の医薬的性質に劇的な影響を及ぼ
すことがあり、また蛋白質の安定性、薬物動態、分泌、および細胞内局在におい
て重要でもありうる。適切なグリコシル化が、生物学的活性のために必須である
。実際、真核生物由来のいくつかの遺伝子は、蛋白質グリコシル化の細胞内過程
を欠いている細菌(例えば、大腸菌)内で発現した際には、グリコシル化の欠如
の結果、ほとんど、または全く活性を伴なわずに回収される蛋白質を産する。グ
リコシル化は、ポリペプチド主鎖の特定の位置で起こり、また、通常は二つの型
があり:O−結合型オリゴ糖は、セリンまたはトレオニン残基に結合するが、一
方、N−結合型オリゴ糖は、配列Asn−X−Ser/Thr(なおXは、プロ
リンを除くいかなるアミノ酸であってもよい)の一部であるアスパラギン残基で
ある場合には、アスパラギン残基に結合する。N−結合型およびO−結合型オリ
ゴ糖の構造、ならびに各型で見出される糖残基は異なっている。双方で共通して
見出される、糖の型の1つは、N−アセチルノイラミン酸(以後、シアル酸と称
する)である。シアル酸は、通常、N−結合型およびO−結合型オリゴ糖の両方
の末端残基であり、また、その負電荷に因って、糖蛋白質に酸性の性質を与える
こともある。(哺乳動物細胞中で発現された)ヒト組換えエリトロポエチンは、
それらを合わせると該糖蛋白質の全分子量の約40%を構成している、3つのN
−結合型オリゴ糖と1つのO−結合型オリゴ糖を含んでいる。N−結合型グリコ
シル化は、24、38および83位に位置するアスパラギン残基(Asn)で起
こり、一方、O結合型グリコシル化は、126位に位置するセリン残基(Ser
)で起こる(Lai et al., J. Biol. Chem. 261
, 3116 (1986);Broudy et al., Arch. B
iochem. Biophys. 265, 329 (1988))。オリ
ゴ糖鎖は、末端のシアル酸で修飾されていることが判明されている。改変された
シアル酸パターンを有している、EPOイソフォームが、例えば、欧州特許第0
668351号または欧州特許第0428267号に開示されている。
【0005】 酵素的に脱グリコシル化されたエリトロポエチンは、正規なグリコシル化され
た蛋白質のものと類似の活性を有することから、グリコシル化は、活性に対して
必要不可欠ではないようである。しかし、エリトロポエチン中のグリコシル化部
位を変異させて、グリコシル化を妨げた際には、蛋白質の正常な合成および放出
の強い阻害がある(Dube et al., J. Biol. Chem.
[1988] 263;17516)。特に、Asn38におけるグリコシル化
の排除は、99%の合成抑制を引き起こし、ならびに、Asn83におけるグリコ
シル化の排除は、少なくとも99.99%の合成抑制を引き起こし、また、Se
126におけるグリコシル化の排除は、99.8%の合成抑制を起こさせる。
【0006】 エリトロポエチン治療に伴う1つの問題は、極めて有効ではあるものの、この
治療形態は、非常に高価であるということである。注射可能な医薬品を用いる際
、薬剤の常用において遭遇するもう1つの問題は、血流中で、該化合物を治療的
な濃度レベルに維持するために、その注射をしなければならない頻度である。例
えば、エリトロポエチンは、比較的に短い血漿半減期しかなく(Spivak,
J.L. and Hogans,B.B. Blood 73:90 (19
89);McMahon,F.G., et al. Blood 76:17
18 (1990))、したがって、治療的な血漿レベルは速やかに消失し、そ
して、反復して静脈内投与を行わなければならない。
【0007】 かかる問題を回避するために、延長された循環半減期を有する、エリトロポエ
チンの利用可能性に富む誘導体を手にすることには有益である。加えて、哺乳動
物細胞以外の宿主細胞において、EPOを合成することが好ましいと考えられる
。残念ながら、細菌中での合成は、適切に折りたたまれた天然の立体配座に、該
蛋白質は産生されないため、問題となる。昆虫細胞または植物細胞中での合成も
、これらの細胞は、好ましくないグリコシレーション・パターンを呈するため、
問題となる。昆虫のパターンまたは植物のパターンに従ってグリコシル化されて
いる蛋白質は、動物に注射した際、一般には、特定の受容体に取り込まれ、そし
て、速やかに分解される。例えば、肝臓中のマクロファージは、非哺乳動物型の
グリコシレーション・パターンを具えた蛋白質を除去する、高マンノース受容体
およびアシアロ糖蛋白質受容体を有している。
【0008】 (発明の概要) 本発明は、上述の課題を対象とする、驚くべき活性を具えている、改変された
新規なEPOの形態、なかでも、融合蛋白質、ならびに、非融合EPOの改変を
も提供する。
【0009】 融合蛋白質および特定の融合蛋白質の改変は、当技術分野において知られてい
る。例えば、融合蛋白質は、蛋白質分解酵素のその蛋白質主鎖自体との物理的接
触を効果的に妨げることもあり、そして、したがって分解を防止する。付加され
る利点には、特定の環境下では、特定の発現系における改善された収量、標的蛋
白質の正しいフォールディング、ならびに該治療用蛋白質の安定性、循環時間、
および生物学的活性の増進が含まれる。かかる改変の1つは、免疫グロブリンの
Fc領域の使用である。抗体は、2つの機能的に独立な部分;抗原と結合する「
Fab」として知られる可変ドメインと、補体または食細胞などの、効果器機能
との連結をもたらす「Fc」として知られる定常部ドメインを含んでいる。単な
るFab断片は短寿命であるが、免疫グロブリンのFc部分は、特に短い半減期
を有する特定の蛋白質に融合した際、長い血漿半減期を引き起こす、Capon
,et al., Nature 337:525−531(1989)。例え
ば、抗炎症および抗拒絶反応剤のIL−10が、該サイトカインの短い血流半減
期を延長するために、マウスのFcγ2aのN末端に融合されている(Zhen
g,X.et al., The Journal of Immunolog
y, 154:5590−5600 (1995))。加えて、インターロイキ
ン2の短い半減期と、その全身性の毒性とを克服するために、インターロイキン
2のN末端は、IgG1またはIgG3のFc部分に融合されている(Harv
ill et al., Immunotechnology, 1:95−1
05 (1995))。IL−10およびIL−2は、EPOとは異なり、腎臓
ろ過によって速やかに排出されるため、非常に短い血漿半減期を有する小蛋白質
である。
【0010】 免疫グロブリンのFc蛋白質中にすべて備わっている、Fc受容体結合、プロ
テインA結合、補体固定および胎盤通過などの機能を取り込むために、Fcドメ
インを用いて、治療用融合蛋白質の構築もなされている。例えば、ホジキン病腫
瘍細胞、未分化リンパ腫細胞、T細胞白血病細胞、および他の悪性細胞型上で発
現されるCD30受容体と結合する分子、CD30−LのN末端にIgG1抗体
のFc領域が融合されている(米国特許第5480981号)。さらに、199
6年には、特定の非変異の標的蛋白質の有効な発現および分泌は、免疫グロブリ
ンのFc部分および前記標的蛋白質を含んでなる融合蛋白質の発現と、続く該標
的蛋白質の蛋白質分解的な切り出しによって、達成できることが報告されている
(国際公開公報第96/08570号、米国特許第5541087号)。
【0011】 本発明は、動物中での赤血球産生を刺激する能力に関して、エリトロポエチン
様活性を有するが、高活性、グリコシル化を伴わずに合成が可能であること、お
よびより長い血漿半減期などの付加的な有益な性質を具えている、新規な蛋白質
を提供する。これらの新規な蛋白質には、他の蛋白質と融合していないEPOの
改変異形、EPOの免疫グロブリン領域との融合蛋白質、変更されたグリコシル
化を有するEPOの形態、改変、他の部分との融合、および/または変更された
グリコシル化を有用に組み合わせているEPOの形態、末端切除されたアミノ酸
配列を有するEPOの形態、それに伴い、例えば、Fc受容体に対する低下した
親和性を有する、修飾/改変がなされているFc免疫グロブリン部分の形態、F
cの短縮または末端切除された形態、ならびに特定のリンカーを有するFc−E
PO構築物が含まれる。Fc−EPO融合蛋白質などの、上にならびに後に規定
する、本発明のEPOの形態は、増強された生物学的活性および改善された安定
性などの、改善されている性質を示す。
【0012】 (詳細な説明) 本発明の目的は、 改善された性質を有する改変されたエリトロポエチン(EPO)の形態であって
、ヒトもしくは哺乳動物EPOのジスルフィド結合またはシステインのパターン
とは相違するシステインまたはジスルフィド結合のパターンを有している、非融
合のヒトもしくは哺乳動物改変EPO、あるいは (i)Fc−EPO (ii)Fc−L−EPO (iii)Fc−EPOdesial (iv)Fc−EPOm (v)Fcm−EPO (vi)Fcm−EPOm (vii)Fcm−L−EPO (viii)Fc−L−EPOm (ix)Fc−EPOtrunc (x)Fc−L−EPOtrunc の群より選択される、Fc部分がそのC末端を介して、直接もしくは間接的に、
前記EPO分子にそのN末端で、共有結合的に融合されており、また、前記Fc
部分ならびにEPO部分は、修飾もしくは改変がなされていてもよい、Ig分子
のFc部分およびエリトロポエチン分子(EPO)を含んでなる融合蛋白質のい
ずれかであることができる、前記EPOの形態を提供することである。
【0013】 本明細書において、EPOは、哺乳動物、好ましくはヒト起源に由来の、天然
産のEPOの意味を有し、そして、天然種から遺伝子操作がなされた組換えEP
Oをも含んでいる。本発明にかかるEPOは、前述および後述、ならびに先行技
術によって示されるとおり、グリコシル化されている、グリコシル化されていな
い、部分的にグリコシル化されている、またはそのグリコシレーション・パター
ンにおいてそれ以外の変更が施されている。特定の使用のために、EPO部分は
正しく折りたたまれた構造を有する。本発明は、グリコシル化されていない、E
POの形態を合成するための新規な方法を開示する。既に、アスパラギンに結合
した糖基を除去する、N−グリコシダーゼで、グリコシル化されたEPOを処理
することができることは知られていた。しかし、この酵素は、Ser126上に見
いだされる、別の糖修飾は除去しない。一般的な代替合成法としては、グリコシ
ル化が起こらない、細菌中でEPOを発現させることも可能である。しかし、こ
の方法で合成された蛋白質は、一般に、封入体中の変性蛋白質として得られ、ま
た、ジスルフィド結合を持たない。したがって、該蛋白質を可溶状態に再構成す
るために、余分な労力が必要となる。最後に、EPO中のグリコシル化部位の改
変は、哺乳動物細胞中では合成することができない蛋白質としてしまう(Dub
e et al., J. Biol. Chem. [1988] 263;
17516)。該変異蛋白質は、分泌がなされる前に分解されるようである。し
かし、本明細書に開示するとおり、Fc−非グリコシル化EPOをコードするD
NA構築物を、哺乳動物細胞系中に配する際、該Fc−非グリコシル化EPOは
、効果的に発現され、分泌され、培養上清中に可溶型で見いだされる。該Fc−
非グリコシル化EPO融合蛋白質は、標準的な手法、例えば、プロテインAカラ
ム上で精製することができる。例えば、該Fc−非グリコシル化EPOは、動物
に抗原として注射して、グリコシル化の不在によって表出される、新規エピトー
プを対象とする、抗体を創製することができる。加えて、グリコシル化部位にの
み変異を含むFc−非グリコシル化EPOは、検出可能なEPO活性を有し、増
進された活性を有する、さらなる変異が施された形態の単離する際の出発点とし
て利用することができる。
【0014】 EPOdesialは、通常、分泌されたグリコシル化されている蛋白質上で見いだ
されるシアル酸残基が、部分的にまたは実質的に存在しない、本発明にかかるグ
リコシル化EPOである。これは、シアル酸残基は実質的に除去されるように、
酵素での酵素的処理によって得ることができる。例えば、酵素ノイラミニダーゼ
で処理された蛋白質は、そのシアル酸の除去がなされている。かかる蛋白質は、
肝臓中のアシアロ糖蛋白質受容体によっても認識される。脱シアル酸は、この過
程を担う酵素が不足している変異細胞を用いることによってもなしとげることが
できる。例えば、CHO細胞系の既知のLec−2変異誘導株は、分泌蛋白質中
のN−結合型およびO−結合型糖鎖に対するシアル酸残基の付加に不備がある(
「アシアロ」)。その結果、かかる蛋白質上の露出されたガラクトース残基は肝
臓中のアシアロ糖蛋白質受容体によって認識され、細胞中への取り込みが可能で
あり、そして、通常は分解される。本発明にかかる融合蛋白質のEPO部分にお
ける脱シアル酸は、完全に排除される必要はない。
【0015】 EPOtruncは、末端の切除を受けているものの、そのアミノ酸配列中に変異
はなされていない、本発明にかかるEPOである。末端切断された形態は、本質
的には、完全な、または僅かな弱められたエリトロポエチンの生物学的活性を有
している蛋白質断片である。本発明にかかるEPOの好ましい末端切断された形
態は、C末端が短縮され、N末端から算出して少なくとも65アミノ酸を有する
ものである。好ましい末端切断されたEPOの形態は、155〜116、108
、104、98、93、88、85または78アミノ酸を有する。EPOの特に
好ましい形態は、C末端が108、104、98、93、88、85または78
位のアミノ酸において、終端されている。
【0016】 免疫グロブリンのFc領域は、免疫グロブリンH鎖の定常領域のカルボキシル
末端部分のアミノ酸配列である。該Fc領域は、免疫グロブリンの生物学的機能
を決定する上で特に重要であり、そして、これらの生物学的機能は効果器機能と
呼ばれる。周知のように、免疫グロブリンサブクラスのH鎖は、4つまたは5つ
のドメイン含んでおり、IgMおよびIgEは、5つのH鎖ドメインを有し、I
gA、IgDおよびIgGは、4つのH鎖ドメインを有している。IgA、Ig
DおよびIgGのFc領域は、ヒンジ−CH2−CH3ドメインの2量体であり、
一方、IgMおよびIgEにおいては、ヒンジ−CH2−CH3−CH4ドメイン
の2量体である(W.E.Paul,ed., 1993, Fundamen
tal Immunology, Raven Press, New Yor
k, New York を参照)。
【0017】 本明細書における用法では、「Ig分子のFc部分」なる用語は、免疫グロブ
リンH鎖の定常領域のカルボキシル末端部分、またはその類縁体もしくは部分を
意味する。すなわち、例えば、Ig、好ましくはIgG、最も好ましくはIgG
1、IgG2およびIgG3の免疫グロブリンFc領域は、少なくとも、ヒンジ
領域の一部、CH2ドメイン、およびCH3ドメインを含むことができる。好ま
しい実施態様では、Fc領域は、少なくとも、ヒンジ領域の一部およびCH3ド
メインを含む。
【0018】 ある状況では、Fc−EPO融合蛋白質のFc部分内の特定のアミノ酸を変異
することが有用である。例えば、非ヒト型グリコシル化パターンを生じる細胞型
の中で、Fc−EPO融合蛋白質が発現される際には、Fc領域内のグリコシル
化部位を変異させ、そして、この部位でのグリコシル化を完全に排除することが
しばしば有用である。結果として、得られた蛋白質は、変更されたグリコシル化
パターンを認識する捕捉システムによって見分けられず、また分解されない。
【0019】 したがって、Fcmは、上に定義したように、そのアミノ酸配列において、変
異および/もしくは末端の切断がなされており、ならびに/またはそのグリコシ
ル化パターンが改変されている、Fc部分である。本発明によって、かかる改変
されたFc部分は、改善された性質を具えたFc−EPO融合蛋白質に導くこと
が明らかにされている。この関係においては、Fcmには、細胞上のFc受容体
に対する、低下された親和性が有する、さらに改変または変異はなされたFc部
分が含まれる。Fc受容体に対する、融合蛋白質の結合親和性は、細胞上のFc
受容体に対して、本質的に減少した結合親和性を有しているH鎖アイソタイプを
融合パートナーとして用いることによって、低減させることができる。例えば、
IgG1およびIgG3は、例えば、FcRγ1と高い親和性で結合し、また、
該結合部位は、CH2ドメイン中に位置していることが知られている。したがっ
て、Fc受容体結合を担うドメイン中の1つまたは複数のアミノ酸に変異、欠失
または挿入を有している、延長されたインビボでの循環半減期を具えたFc−E
POの提供が、本発明の一つの形態である。本発明の好ましい実施態様では、該
Fc−EPO融合蛋白質は、該IgG1の定常領域における変異、欠失、または
挿入は、Leu234、Leu235、Gly236、Gly237、Asn297、およびP
ro331から選択されている、IgG1のFc部分を含んでいる。別の好ましい
実施態様では、該変異、欠失または挿入は、本発明にかかる融合蛋白質のFc部
分のIgG1定常領域中、Leu281、Leu282、Gly283、Gly284、As
344およびPro378から選択される1つまたは複数のアミノ酸において導入さ
れる。低下したFc受容体親和性を持つFc部分を作製する方法は、例えば、P
CT/US99/03966に開示されている。
【0020】 本発明は、その中のEPO部分が変更されている、Fc−EPOの有用な変異
体の形態を創製する方法も開示する。増進したEPO生物学的活性を持つFc−
EPOの変異体は、下記の実施例に記載する、ならびに、当技術分野において公
知の手順によって創製することができる。
【0021】 したがって、EPOmは、そのアミノ酸配列において、変異を有するが、末端
の切断はなされていない、本発明にかかるEPOである。該変異の数は、限定は
されないが、該分子の生物学的活性の減損に対して制限される。好ましくは、1
〜10アミノ酸の変異を用いる。驚くことに、その中のEPOは、上述のとおり
に変異されている、本発明にかかるFc融合蛋白質は、変異のないEPO部分を
有している、相当するFc−EPO融合蛋白質よりも、より高い比活性を有する
ことを示すことができた。したがって、その中のEPOが変異されている、上な
らびに請求の範囲中に定義されている融合蛋白質の提供が、本発明の好ましい形
態の一つである。本発明の好ましい融合蛋白質は、EPOm部分中に、下記の変
換:Asn24,38,83→Xxx、Ser126→Xxx、ただし、Xxxは異なるア
ミノ酸である、の少なくとも1つがなされているEPO分子を有する。本発明に
かかる、好ましい変換は、Asn24,38,83→Glnおよび/またはSer126
Alaである。更なる好ましい変異は、His32→Glyおよび/またはSe
r34→Argおよび/またはPro90→Alaである。本発明の1つの実施
態様において、上述の変異全てがなされている。
【0022】 本発明にかかる、これらおよびその他の変異蛋白質は、EPO受容体への結合
を強め、高めた安定性、正しい、活性な立体配座の高められた選択、高まった薬
物動態特性、増進された生合成、またはその他の有利な特徴を持つことができる
。Fc−EPOのEPO部分中の変異は、さらに増強された活性を有する蛋白質
を創製するために組み合わせることができる。実施例中に開示された、Fc−E
POの改善のための具体的な方法は、部位特異的な変異誘導法を用いる。広範な
部位特異的な変異誘導法が利用可能であり、また、同様の結果を達成するために
、代替法として使用できることを留意しておくことが重要である。これらの手法
中から選択する上での戦略は、分子生物学分野の当業者には周知である。同様に
、標的DNAのランダムなおよび半ばランダムな変異誘導を達成する上でも、広
範な手法がある。これらの手法も、分子生物学分野の当業者には周知である。
【0023】 Fc−EPOの別な変異体の形態が、本発明に従って構築することができる。
該変異は、非グリコシル化Fc−EPOの活性を増大させる効果を有する。その
変異に応じて、EPO受容体に対するFc−EPOの親和性を増大する、適切に
折りたたまれたFc−EPOの分画を増す、またはFc−EPOの薬物動態特性
を改善するなどの、活性は、様々なメカニズムによって増進される。いくつかの
変異は、組み合わせた際、非グリコシル化Fc−EPOの活性に相加的または相
乗的な作用を有する。
【0024】 本発明に従って、該Fc部分およびEPO蛋白質は、リンカー分子によって連
結することもでき、その際、化学的なまたはアミノ酸リンカーは様々な長さであ
る。化学的なリンカーは、当技術分野において周知である。ペプチド・リンカー
が好ましい。リンカー分子によって、Fc部分が標的蛋白質と連結されている融
合蛋白質は、改善された性質を持つことができる。かかるリンカー分子を有して
いる、本発明にかかるFc−EPO融合蛋白質は、増強された生物学的活性を示
す。本発明のリンカー(L)は、上にならびに後に述べるように、プロテアーゼ
切断部位を持していない、リンカー分子である。
【0025】 該ペプチド・リンカーは、しばしば、例えばグリシンおよび/またはセリンな
どの一連のペプチドである。好ましくは、該ペプチド・リンカーは、約5〜25
、好ましくは10〜20残基長の、グリシンおよびセリンの入り混じっている一
続きのペプチドである。好ましいアミノ酸リンカーLが用いられ、下記の配列を
含むが、ただし、蛋白質分解酵素の切断部位を有するようなリンカーは除外され
る: 1.AlaAlaAla 2.AlaAlaAlaAla、 3.AlaAlaAlaAlaAla、 4.Ser、 5.SerSer、 6.GlyGlyGly、 7.GlyGlyGlyGly、 8.GlyGlyGlyGlyGly、 9.GlyGlyGlyGlyGlyGlyGly、 10.GlyProGly、 11.GlyGlyProGlyGly、 12.GlyGlyGlyGlySer、および 13.前記1〜12のサブパートの任意な組み合わせ。
【0026】 好ましいアミノ酸リンカーは、(Gly Gly Gly Gly Ser) x 、なおxは1〜5である、である。他の適するリンカーは、Robinson
et al., 1998, Proc. Natl. Acad. Sci
. USA;95,5929に開示されている。
【0027】 本明細書の用法では、「蛋白質分解切断部位」とは、蛋白質分解酵素または他
の蛋白質分解切断試薬によって優先的な切断がなされる、アミノ酸配列を意味す
る。蛋白質分解切断部位には、トリプシン、プラスミン、またはエンテロキナー
ゼKなどの蛋白質分解酵素によって認識されるアミノ酸配列が含まれる。多くの
切断部位/切断試薬のペアが知られている。該標的蛋白質配列がインターフェロ
ン−アルファまたはその活性変異体に対する前駆分子である場合、所望の蛋白質
産物は、エラスチンまたはプラスミンまたはウロキナーゼなどの内因性蛋白質分
解酵素による切断によって産生されてもよい。
【0028】 上および下での用法では、エリトロポエチンおよびEPO融合蛋白質の生物学
的活性は、それぞれ、その同源の細胞受容体との相互作用を介して、赤血球の増
殖および分化を調節する能力、または、周知の実験的な技法を用いて決定される
、特異的な免疫反応を誘発する抗原性と定義される。例えば、生物学的に活性な
、または機能的に活性な、エリトロポエチンの断片(EPOtrunc)は、エリト
ロポエチンに特異的な抗体(抗エリトロポエチン抗体)を産生する免疫反応を誘
発することができる。
【0029】 「機能的に」または「生物学的に活性」であるために、Fc−EPOなどのエ
リトロポエチン様分子は、典型的には、野生型、または天然産のエリトロポエチ
ンの対応する配列と、実質的な(アミノ酸)配列の類似性(例えば、少なくとも
約65%、典型的には、少なくとも約80%、および最も典型的には、約90〜
95%)を共有し、その野生型エリトロポエチンの機能の1つまたは複数を有す
る。
【0030】 上で指摘したとおり、本発明の融合蛋白質は改善された性質を有する。したが
って、これらは、改善された生物学的活性を示し、延長された血漿半減期を有し
、なお、前記延長された血漿半減期は、15時間よりも長く、好ましくは、20
時間よりも長く、最も好ましくは、25時間よりも長い。
【0031】 本発明のもう1つの重要な形態は、改善されたEPOの形態、好ましくはFc
−EPO融合蛋白質を得るために、システイン−システインのジスルフィド結合
の変更されたパターンを導入することが有益であるという知見である。したがっ
て、そのEPOまたはEPOm部分の、少なくとも1つ、好ましくは2〜4個の
システイン残基が遺伝子操作されている、Fc−EPO融合蛋白質または非融合
EPOの提供が、本発明の形態の一つである。特には、該EPOまたはEPOm
部分が、ヒトまたは哺乳動物のEPOとは相違しているジスルフィド結合のパタ
ーンを有する、Fc−EPO融合蛋白質または非融合EPOの提供が、本発明の
形態の一つである。本発明の1つの実施態様では、該EPO部分は、下記のアミ
ノ酸変異:29位は、Cysではなく、33位は、Cysではなく、88位は、
Cysであり、ならびに139位は、Cysである、の1つまたは複数を含む。
好ましいCysが遺伝子操作されている本発明の実施態様では、該EPO部分は
、ヒトEPO由来であり、かつ、下記の変異:His32→Gly、Ser34
→ArgならびにPro90→Ala、の少なくとも1つを有する。
【0032】 変更されたジスルフィド結合を創製するため、1つのシステイン残基を、アラ
ニンまたはセリンなどの、構造的に対応しているアミノ酸に変異させ、そして、
三次元構造において近くにある、第2のアミノ酸をシステインに変異させる。し
たがって、EPO分子またはEPOm分子のシステイン残基の少なくとも1つが
、当技術分野において周知の手法で遺伝子操作されている、Fc−EPO融合蛋
白質または非融合EPOの提供が、本発明のさらなる形態の一つである。1つの
実施態様は、Cys33が任意の他のアミノ酸で置換されている、Fc−EPO融
合蛋白質である。別の実施態様では、アミノ酸Gln86、Pro87、Trp88
Glu89、Leu91の1つがCysで置換されている、融合蛋白質が、該本発明
の形態である。好ましくは、Trp88が、Cysで置換されている。例えば、3
3位のCysを欠失し、また、88位にCysを含んでいる、EPO部分を含む
融合蛋白質は、ヒトEPO中では見出されないジスルフィド結合を形成すること
になる。この結合は、Cys29とCys33との間のジスルフィド結合を含んでい
るが、その他は類似の融合蛋白質に対して、優れており性質を有する融合蛋白質
をもたらす。例えば、該Cys29−Cys88融合蛋白質は、Cys29−Cys33 融合蛋白質よりも高い活性を有する。加えて、該Cys29−Cys88融合蛋白質
は、該融合蛋白質のEPO部分中に他の変異は存在する際に、Cys29−Cys 33 融合蛋白質に関係する活性に著しい増大を示す。また、ある場合には、His 32 を、任意の他のアミノ酸、好ましくはGlyまたはSerへの変異、Ser34 をArgへの変異、およびPro90をAlaへの変異を組み込むことも有用であ
る。
【0033】 もう1つの有用な一連の変異には、本発明のEPOのCys29の任意の他のア
ミノ酸への変異、およびArg139のCysへの変異が含まれる。これらの変異
を両方含むEPOの形態は一般に、Cys33とCys139との間のジスルフィド
結合を含むことになる。この結合の結果、Cys29とCys33との間のジスルフ
ィド結合を含む、その他は類似の融合蛋白質に比べて優れた性質を有する融合蛋
白質が得られる。例えば、Cys33−Cys139融合蛋白質はCys29−Cys3 3 融合蛋白質よりも高い活性を有する。加えて、Cys33−Cys139融合蛋白質
は、融合蛋白質のEPO部分における他の変異存在下で、Cys29−Cys33
合蛋白質に比べて著しい活性の増大を示す。さらなる別法として、2つのアミノ
酸をシステインに変異させることにより、まったく新しいジスルフィド結合を蛋
白質に追加する。
【0034】 ヒト以外の動物により合成されたエリトロポエチンは一般に、ヒトエリトロポ
エチンとは異なるパターンのシステイン残基を含むことが、当技術分野において
知られている(Wen,D.,et al.、Erythropoietin
structure−function relationships:hig
h degree of sequence homology among
mammals Blood 82、1507−1516[1993];Fu,
P.,et al.、The sheep erythropoietin g
ene:molecular cloning and effect of
hemorrhage on plasma erythropoietin
and renal/liver messenger RNA in adu
lt sheep Mol.Cell.Endocrinol.93、107−
116[1993];Lin,F.K.,et al.、Monkey ery
thropoietin gene:cloning,expression
and comparison with the human erythr
opoietin gene Gene 44,201−209[1986];
Suliman,H.B.,et al.、Cloning of a cDN
A encoding bovine erythropoietin and
analysis of its transcription in se
lected tissues Gene 171、275−280(1996
);McDonald,J.D.、Cloning,sequencing,a
nd evolutionary analysis of the mous
e erythropoietin gene Mol.Cell.Biol.
6、842−848[1986];Nagao,M.,et al.、Nucl
eotide sequence of rat erythropoieti
n Biochim.Biophys.Acta 1171(1)、99−10
2[1992])。しかし、マカク、ブタ、イヌ、ネコ、ウシおよびヒツジなど
のこれらの動物のほとんどによって通常産生されるエリトロポエチンは、5つの
システインを含む。マウスおよびラットなどのげっ歯類は4つのシステインを含
むが、その2つは29位と139位である。ヒトEPOの三次元構造に基づき、
げっ歯類EPOの29位と139位のシステインは、お互いまたは他のいかなる
システインともジスルフィド結合を形成することができない。一般に、分泌され
た細胞外蛋白質は対になっていないシステインを含むことはない。細胞外空間の
比較的酸化性の環境において、非対システインは酸化されて、例えばシステイン
酸となりうる。その結果、蛋白質の活性は低下すると考えられる。理論に縛られ
ようとすることなく、ヒト以外の動物のEPOにおけるシステインの酸化は、E
PO活性をダウンレギュレートするはたらきをし、赤血球生成が必要とされない
ときには、高酸素状態でEPO蛋白質を不活化する。
【0035】 いずれにせよ、本発明は、同じ数のシステインを有し、システインはすべてジ
スルフィド結合を形成することができる、知られている動物由来のEPOの形態
とは異なるEPO部分を提供する。新規ジスルフィド結合パターンを含むこれら
のEPO部分は、Fc融合体として、アルブミンなどの他の蛋白質への融合体と
して、または非融合単離部分として有用でありうる。
【0036】 本発明のもう1つの特徴は、29、33、38、および139位にシステイン
を有するEPOの形態である。この一連のシステインが7および161位に通常
のシステインを含むEPO中に存在するとき、得られるEPOは2つではなく3
つのジスルフィド結合を含む。得られる分子は、通常のEPO蛋白質を不安定化
する他の変異存在下であっても、非常に安定である。例えば、EPO(Cys29 −Cys88、Cys33−Cys139)は通常のヒトEPOに比べて非常に安定で
ある。同様に、EPO(Cys29−Cys88、Cys33−Cys139)へのFc
融合体などの融合蛋白質は、通常のヒトEPOまたはヒト以外の動物由来の通常
のEPOへの対応する融合体に比べてより安定である。
【0037】 したがって、本発明は、ヒトおよび動物EPOとは異なるシステイン残基およ
びジスルフィド結合のパターンを有する、新規なEPO、ならびに他の部分、好
ましくはFc部分と融合されているEPOの形態を提供する。これらの新規なE
POの形態は、対応するEPOの天然の形態よりも、著しい利点を有する。例え
ば、変更されたジスルフィド結合パターンを持つEPOの形態は、より高い比活
性、増進された安定性、EPOを不安定化させる他の変異が存在する際には、劇
的に増進されている安定性、および改善された薬物動態を有する。下記の実施例
のいくつかは、これらの点を例示している。例えば、EPOの酵素的脱グリコシ
ル化は、EPO活性に対して不安定化する作用を有する。変更されたジスルフィ
ド結合のパターンを持つEPOの形態は、通常のジスルフィド結合パターンを有
する、対応するEPOの形態よりも、脱グリコシル化に際し、より安定である。
加えて、変更されたジスルフィド結合のパターンを持つEPOの形態は、通常の
ジスルフィド・パターンを有する、対応するEPOの形態よりも高い比活性を有
する。
【0038】 したがって、ヒトまたは動物/哺乳動物EPOのジスルフィド結合パターンと
は異なるジスルフィド結合のパターンを有する、新規な組換えヒト、または動物
、好ましくは哺乳動物の(非Fc融合)エリトロポエチン(EPO)の提供が、
本発明の形態の一つでもある。本発明にかかる動物または哺乳動物EPOは、マ
ウス、マカク、ラット、イヌ、ブタ、ウシまたはヒツジ由来であってもよい。
【0039】 さらに、本発明の目的は、該Fc融合蛋白質内のEPOおよびEPOm部分が
2量体化されている、上で、および請求の範囲に定義されている、融合蛋白質の
提供が、本発明の形態の一つもある。
【0040】 「2量体(の)」なる用語は、2つの蛋白質サブユニットが、共有結合または
非共有結合的な相互作用を介して安定に会合している、特定の多量体分子を意味
する。本明細書中の用法では、「多量体(の)」なる用語は、2つまたはそれ以
上の蛋白質サブユニットの、共有結合的な相互作用によって、例えば、ジスルフ
ィド結合により、または、非共有結合的な相互作用によった、安定な会合を意味
する。
【0041】 Fc断片自体は、典型的には、少なくとも、ヒンジ領域の一部、CH2ドメイ
ンおよびCH3ドメインを含むH鎖断片の2量体であることを理解しておくべき
である。しかし、多くの蛋白質リガンドは、2量体として、その受容体に結合す
ることが知られている。蛋白質リガンドXが、天然において2量体化する場合、
該2量体化の過程は、濃度依存的であるため、Fc−X分子中のX部分は、はる
かに高い程度で、2量体化することになる。Fcによって連結されている2つの
X部分の、物理的な近接は、2量体化を分子内プロセスとなし、その平衡を2量
体の方に大きく傾け、そして、その受容体への結合を促進する。
【0042】 全体の、または完全なIg分子が利用されている、EPO融合蛋白質の構築が
、本明細のもう1つの形態である。かかる融合蛋白質は、抗体のH鎖およびL鎖
の可変領域と、特定の抗原に対するエピトープ結合部を含む。例えば、エリトロ
ポエチンを、その可変領域は、ヒト集団の多くまたは全てが曝露されている抗原
を対象としている、抗体内の抗体H鎖のC末端に融合する。かかる抗体は、本開
示においては「ユニバーサル抗体」と称する。抗体融合蛋白質の構築における、
「ユニバーサル」抗体の使用は、エリトロポエチン以外の他の蛋白質部分との融
合分子に対して、一般化が可能であることに留意することが重要である。「ユニ
バーサル」抗体とは、ヒト集団などの、哺乳動物集団の多く、ほとんど、または
全ておいて見出される、特異性を具える抗体を意味する。例えば、破傷風トキソ
イドを対象とする可変領域は、ヒトゲノム中にコードされ、対応する蛋白質は、
一般に、体細胞の変異を経ることなく、血漿中に表出される。したがって、本発
明に従い、エリトロポエチンは、破傷風トキソイドを対象とする抗体のH鎖のC
末端に融合させる。かかる抗体−エリトロポエチン融合体の利点は、該抗体可変
領域は、哺乳動物自己抗原と強く結合しないことである。第2の利点は、抗イデ
ィオタイプ抗体は、特徴づけられていない可変領域を有する抗体に比べて、かか
る抗体に対して、新たに創製されにくいことである。
【0043】 全抗体融合蛋白質をコードするDNA構築物は、以前に記載されているとおり
に、構築することができる(Gillies et al., [1991]
Hybridoma 10:347−356)。
【0044】 本発明は、上に開示されたおよび請求の範囲に記載されている、いずれかの融
合蛋白質をコードするDNA分子にも関する。
【0045】 好ましい実施態様として、上で、ならびに請求の範囲に定義されている、融合
蛋白質をコードし、 (a)シグナル/リーダー配列と、 (b)Ig分子のFc領域と、 (c)EPOの生物学的活性を有する標的蛋白質配列とを含んでなる、DNA
分子が開示される。
【0046】 上述の該本発明のシグナル配列は、小胞体の膜を通過しての蛋白質の輸送を起
こさせるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドである。本発明において有
用であるシグナル配列には、抗体のL鎖シグナル配列、例えば抗体14.18[
Gillies et al., (1989) Jour. of Immu
nol.Meth., 125:19 1]、抗体のH鎖シグナル配列、例えば
MOPC141抗体のH鎖シグナル配列[Sakano et al., (1
980) Nature, 286:5774]、および当技術分野において既
知である任意の他のシグナル配列(例えば、Watson, 1984, Nu
cleic Acids Research 12:5145を参照)が含まれ
る。これらの各参照文献は、参照として本明細書に組み込まれる。シグナル配列
は、当技術分野においてよく特徴付けられており、典型的には、16〜30個の
アミノ酸を含むことが知られており、また、それよりも多いまたは少ないアミノ
酸残基を含むこともある。典型的なシグナル・ペプチドは、3つの領域:塩基性
のN末端領域、中心の疎水性領域、およびより極性のC末端領域からなる。該中
心の疎水性領域は、初期のポリペプチドの輸送中に、膜脂質二重層を貫通して、
シグナル・ペプチドを固定する、4〜12個の疎水性残基を含む。開始に続き、
該シグナルペプチドは、通常、小胞体の内腔において、シグナル・ペプチダーゼ
として知られている細胞酵素によって切断される。該シグナル・ペプチドの可能
性がある切断部位は、一般に「(−3、−1)ルール」に従う。したがって、典
型的なシグナル・ペプチドは、−1および−3位に小さい中性アミノ酸残基を有
し、この領域にプロリン残基を含まない。シグナル・ペプチダーゼは、かかるシ
グナル・ペプチドを−1および+1アミノ酸の間で切断する。したがって、シグ
ナル配列をコードするDNAの部分は、分泌中にFc融合蛋白質のアミノ末端か
ら切断される可能性がある。この結果、Fc領域および標的蛋白質からなるFc
融合蛋白質が分泌される。シグナル・ペプチド配列の詳細な説明は、von H
eiine (1986) Nucleic Acids Res., 14:
4683によって提供されている。当業者には明らかであるとおり、分泌カセッ
ト中の使用に対する、特定のシグナル配列の適合には、いくつかの型どおりの実
験を要することがある。シグナル配列は、「シグナル・ペプチド」、「リーダー
配列」または「リーダー・ペプチド」とも呼ばれ、また、シグナル配列と同義の
意味を有するこれらの各用語を本明細書において用いることもある。
【0047】 本発明は、標的蛋白質、すなわちFc−EPO融合蛋白質の発現を促進する、
前記DNA分子を含んでなる発現ベクターにも関する。本明細書中の用法では、
「ベクター」とは、宿主細胞に取り込まれ、そして、それで組換えられ、宿主細
胞のゲノム中に統合される、あるいは、エピソームとして自律複製するために、
適している塩基配列を含んでなる、いかなる核酸をも意味する。かかるベクター
には、線形の核酸、プラスミド、ファージミド、コスミド、RNAベクター、ウ
イルスベクターなどが含まれる。ウイルスベクターの非限定的例には、レトロウ
イルス、アデノウイルスおよびアデノ関連ウイルスが含まれる。本明細書中での
用法では、「標的蛋白質の発現」は、DNA配列の転写、mRNA転写物の翻訳
、ならびに、正しい活性な立体配座に折りたたまれた蛋白質産物の分泌を意味す
ると理解される。
【0048】 本発明に従って、本出願において定義されている融合蛋白質の発現に適してい
る、真核動物、好ましくは哺乳動物の宿主細胞を用いる。かかる宿主細胞を前記
ベクターでトランスフェクトし、本発明の融合蛋白質を発現、精製および単離す
る方法は、当技術分野において周知である。したがって、本発明にかかる方法は
、 (i)N末端からC末端の方向に、分泌のためのリーダー配列、Fc部分およ
び、EPO、EPOmまたはEPOtruncを含んでなる、前駆蛋白質をコードする
DNAを構築することと、 (ii)前記融合DNAを適切な発現ベクター中に配置することと、 (iii)前記融合蛋白質を真核細胞中で発現させることと、 (iv)前記分泌融合蛋白質を精製することとを含んでなる。
【0049】 最後に、本発明は、上にならびに後に定義される、EPOの形態の少なくとも
1つ、好ましくはFc−EPO融合蛋白質を、製薬学的に許容される担体、希釈
剤、ならびに賦形剤と共に含んでなる、医薬組成物にも関する。これらの医薬組
成物は、場合によっては、EPO欠乏疾患の併用治療に有用な他の薬剤または医
薬品を含んでいてもよい。
【0050】 かかる医薬組成物は、非経口投与、または経口、肺、鼻腔内、経皮もしくは他
の投与の形態用であってもよい。一般に、本発明の蛋白質または誘導体産物の有
効な量を、製薬学的に許容される希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤お
よび/または担体と共に含んでなる医薬組成物が、本発明に包含される。かかる
組成物には、様々な緩衝成分(例えば、トリスHCl、酢酸塩、リン酸塩)、p
Hおよびイオン強度の希釈剤;界面活性剤および可溶化剤などの添加剤(例えば
、トゥイーン80、ポリソルベート80);抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸
、メタ重亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、チメロソル、ベンジルアルコー
ル)、および充填物質(例えば、乳糖、マンニトール)が含まれる。
【0051】 上で、ならびに後に述べる、「非経口」なる用語には、皮下、静脈内、関節内
および気管内注射および注入法が含まれる。非経口投与が好ましい。
【0052】 本明細書中の用法では、「製薬学的に許容される担体または賦形剤」なる用語
は、該活性化合物または患者と有害な反応を起こさない、不活性で非毒性の液体
充填剤、希釈剤、溶媒または溶液を意味する。適当な液体担体は、滅菌水、食塩
水、デキストロース水溶液、糖溶液、エタノール、グリコール、および石油、動
物、植物、または合成起源のものを含む油など、当技術分野においてはよく知ら
れている。該調合物は、非経口投与にとって典型的な補助剤または媒体も含むこ
とができる。
【0053】 前記の適切な調合物に関して、本発明の融合蛋白質は、最終的に、変化された
溶解性を示す、非毒性の有機または無機酸と、製薬学的に許容される塩を形成す
ることもできることは指摘すべきである。無機酸は、例えば、塩酸、硫酸または
リン酸ならびにオルトリン酸1水素ナトリウムおよび硫酸水素カリウムなどの酸
性金属塩である。有機酸の例は、酢酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコ
ルビン酸、マレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、ケイ皮酸、サリチル酸および
スルホン酸などの、モノ、ジおよびトリカルボン酸である。カルボキシ末端アミ
ノ酸部分の塩には、任意の適当な無機または有機塩基と形成された非毒性のカル
ボン酸塩が含まれる。これらの塩には、例えば、ナトリウムおよびカリウムなど
のアルカリ金属、カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属、なら
びにトリアルキルアミンなどの有機の1級、2級および3級アミンが含まれる。
【0054】 好ましくは、本発明にかかる医薬組成物の用量は、約10ng/kg/日と約
10μg/kg/日の間のように、所望の治療効果がもたらすようなものとでき
る。該有効用量は、先行技術において知られている診断ツールを用いて決定して
もい。一般に、前述の範囲内での、所与の患者に対する、最適な治療上許容され
る用量および投与速度は、用いる具体的な活性物質の活性、年齢、体重、全身の
健康状態、性別、食事、投与の時間および経路、排出速度または治療の目的など
の、様々な要素に依存する。当業者であれば、投与すること、および所望の治療
効果を観察することによって、有効な用量を確認することができるであろう。該
用量は、治療の経過中に変動することもあり、最初は治療上の利益が見られるま
で比較的高用量を用い、そして、治療上の利益を維持するためにより低い用量を
用いる。
【0055】 (配列情報) 本発明においては、下記のDNAおよびアミノ酸配列が使用された。
【0056】 翻訳を最適化するために改変コドンを用い、Smal部位を含む5’末端の塩
基を含む、成熟型EPOのコーディング配列を配列番号:1に示す。
【0057】 配列番号:1 (小文字は、発現を増大させるものの、蛋白質配列は変えないと予測される、
ヒトEPOコーディング配列との塩基の相違を示す。) CCCGGGtGCCCCACCACGCCTCATCTGTGACAGCC
GAGTgCTGGAGAGGTACCTCTTGGAGGCCAAGGAGG
CCGAGAATATCACGACcGGCTGTGCTGAACACTGCA
GCTTGAATGAGAAcATCACcGTgCCtGACACCAAAG
TgAATTTCTATGCCTGGAAGAGGATGGAGGTtGGcC
AGCAGGCCGTAGAAGTgTGGCAGGGCCTGGCCCTGC
TGTCGGAAGCTGTCCTGCGGGGCCAGGCCCTGTTGG
TCAACTCTTCCCAGCCGTGGGAGCCCCTGCAaCTGC
ATGTGGATAAAGCCGTgAGTGGCCTTCGCAGCCTCA
CCACTCTGCTTCGGGCTCTGgGAGCCCAGAAGGAAG
CCATCTCCCCTCCAGATGCGGCCTCAGCTGCTCCcC
TCCGcACAATCACTGCTGACACTTTCCGCAAACTCT
TCCGAGTCTACTCCAATTTCCTCCGGGGAAAGCTGA
AGCTGTACACAGGGGAGGCCTgcCGGACAGGGGACA
GATGActcgag 配列番号:2 成熟EPO蛋白質配列(1文字コード) APPRLICDSRVLERYLLEAKEAENITTGCAEHCSL
NENITVPDTKVNFYAWKRMEVGQQAVEVWQGLALLS
EAVLRGQALLVNSSQPWEPLQLHVDKAVSGLRSLTT
LLRALGAQKEAISPPDAASAAPLRTITADTFRKLFR
VYSNFLRGKLKLYTGEACRTGDR Fc−領域のC末端への正常にグリコシル化されたEPOの融合体を構築する
ために用いたオリゴヌクレオチド。
【0058】 配列番号:3 オリゴ1 CCGGGtGCCCCACCACGCCTCATCTGTGACAGCCG
AGTgCTGGAGAGGTACC 配列番号:4 オリゴ2 TCTTGGAGGCCAAGGAGGCCGAGAATATCACGACc
GGCTGTGCTGAACA 配列番号:5 オリゴ3 CTGCAGCTTGAATGAGAAcATCACcGTgCCtGACA
CCAAAGTgAATTTCTAT 配列番号:6 オリゴ4 GCCTGGAAGAGGATGGAGGTtGGcCAGCAGGCCGT
AGAAGTgTGGCAG 配列番号:7 オリゴ5 GGCCTGGCCCTGCTGTCGGAAGCTGTCCTGCGGGG
CCAGGCCCTGTTGGTC 配列番号:8 オリゴ6 AACTCTTCCCAGCCGTGGGAGCCCCTGCAaCTGCA
TGTGGATAAAGCCG 配列番号:9 オリゴ7 TgAGTGGCCTTCGCAGCCTCACCACTCTGCTTCGG
GCTCTGgGAGCCCAGAA 配列番号:10 オリゴ8 GGAAGCCATCTCCCCTCCAGATGCGGCCTCAGCTG
CTCCcCTCCGcAC 配列番号:11 オリゴ9 AATCACTGCTGACACTTTCCGCAAACTCTTCCGAG
TCTACTCCAATTTCCTCC 配列番号:12 オリゴ10 GGGGAAAGCTGAAGCTGTACACAGGGGAGGCCTgc
CGGACAGGGGACAGATGActcgag グルコシル化部位の変異誘発: 配列番号:13 オリゴ11(オリゴ2’) tc ttggaggcca aggaggccga gcagatcacg
acgggctgtg ctgaaca TCTTGGAGGCCAAGGAGGCCGAGCAGATCACGACc
GGCTGTGCTGAACA 配列番号:14 オリゴ12(オリゴ3’) CTGCAGCTTGAATGAGCAGATCACcGTgCCtGACA
CCAAAGTgAATTTCTAT 配列番号:15 オリゴ13(オリゴ6’) CAGTCTTCCCAGCCGTGGGAGCCCCTGCAaCTGCA
TGTGGATAAAGCCG 配列番号:16 オリゴ14(オリゴ8’) GGAAGCCATCTCCCCTCCAGATGCGGCCGCAGCTG
CTCCcCTCCGcAC 配列番号:17: ヒトIgG1 Fc領域−成熟型蛋白質コーディング配列 EPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDT
LMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHN
AKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCK
VSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEM
TKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTT
PPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHE
ALHNHYTQKSLSLSPGK 配列番号:18: ヒトIgG2定常領域−成熟型蛋白質コーディング配列(CH1、ヒンジ、C
H2、およびCH3領域) ASTKGPSVFP LAPCSRSTSE STAALGCLVK DY
FPEPVTVS WNSGALTSGV HTFPAVLQSSGL YSL
SSVVT VPSSNFGTQT YTCNVDHKPS NTKVDKTV
ER KCCVECPPCP APPVAGPSVFLFPPKPKDTL M
ISRTPEVTC VVVDVSHEDP EVQFNWYVDG VEVH
NAKTKP REEQFNSTFRVVSVLTVVHQ DWLNGKEY
KC KVSNKGLPAP IEKTISKTKG QPREPQVYTL
PPSREEMTKNQVSLTCLVKG FYPSDIAVEW ESNG
QPENNY KTTPPMLDSD GSFFLYSKLT VDKSRWQ
QGN VFSCSVMHEA LHNHYTQKSL SLSPGK 下記の実施例は本発明をより詳細に説明するが、これを限定することはない。
【0059】 実施例1. ヒトFc−EPOの発現 エリトロポエチンの成熟型をコードする配列を、オリゴヌクレオチドから標準
的手法により完全合成した。前述および配列表に示したオリゴヌクレオチドは、
EPO蛋白質をコードするDNAの「トップ」鎖を示している。「ボトム」鎖オ
リゴヌクレオチドは、該トップ鎖と対になり、かつ全EPOコーディング配列が
該オリゴヌクレオチドのリン酸化後に互いにライゲートできるように、4から5
塩基の5’末端の突出を生じるように設計した。該配列は、高レベル発現のため
に最適なコドン使用がなされている、高G/C含有率を有するように設計した。
【0060】 配列番号:2の蛋白質は、成熟蛋白質のN末端リシン残基を持たない。合成し
たDNAは、5’末端には、Xmalに適合する1本鎖部分、および3’末端に
は、Xholに適合する1本鎖部分を持つように遺伝子操作した。次の4つのE
POグルコシル化部位中の変異を有する別の配列を構築した:Asn24→Gln
、Asn38→Gln、Asn83→Gln、およびSer126→Ala。該500
塩基対のDNAをクローニングし、配列分析により、それは、付加的な望ましく
ない変異を伴わず、成熟型ヒトEPOをコードすることを確認した。発現ベクタ
ーpdCs−Fc−EPOを、下記のとおりに構築した。Lo et al.[
Protein Engineering (1998) 11:495]に従
い、ヒトEPO cDNAを含むXmal−Xhol制限酵素断片を、pdCs
−FcベクターのXmal−Xhol断片とライゲートした。得られたベクター
、pdCs−Fc−EPOを用いて、Fc−EPOの発現のために哺乳動物細胞
をトランスフェクトした。このベクターは、ヒト免疫グロブリン ガンマ1鎖の
Fc領域を発現する。該ガンマ1鎖のFc領域をヒトガンマ2由来のFc領域で
置き換えられている、2組目のFc−EPOベクターを構築した。該Fc蛋白質
部分は、通常、グルコシル化部位も含む。この部位は、場合によっては、標準的
手段によって非グリコシル化配列に変えてもよい。
【0061】 実施例2. トランスフェクションとFc−EPO融合蛋白質の発現 一過性トランスフェクションのために、BHK細胞に該プラスミドを導入した
。細胞は、リン酸カルシウムによるプラスミドDNAの沈降[Sambrook
et al., (1989) Molecular Cloning−A
Laboratory Manual、Cold Spring Harbor
、NY]あるいは、Lipofectamine Plus(Life Tec
hnologies,Gaithersburg,MD)を用いて、供給元のプ
ロトコルに従ったリポフェクションによって、トランスフェクトした。安定な細
胞系を得るために、NS/0細胞を、一過性トランスフェクションおよび安定細
胞系の生成の両方に用いた。正常なシアル酸修飾を欠く蛋白質を発現するために
、CHO−Lec2細胞(ATCCナンバー:CRL−1736)。この細胞は
CMP−シアル酸のゴルジ区画への輸送の激しい低下を示し、蛋白質の機能にお
けるシアル酸の寄与を調べるために有用である。
【0062】 安定にトランスフェクトされたクローンを得るために、プラスミドDNAを電
気穿孔により細胞内に導入した。約5×106細胞をPBSで一回洗浄し、0.
5mlのPBSに再度懸濁した。次いで、10μgの線形化されたプラスミドD
NAを細胞と共にGene Pulser Cuvette(0.4cm電極ギ
ャップ、BioRad)内で、氷上、10分間インキュベートした。電気穿孔を
Gene Pulser(BioRad、Hercules、CA)を用い、0
.25Vおよび500マイクロFの設定で行った。細胞を氷上で10分間回復さ
せ、その後、増殖培地に再度懸濁し、次いで2つの96穴プレートに播種した。
安定にトランスフェクトされたクローンを、トランスフェクションの2日後に導
入した、100nMメトトレキセート(MTX)存在下の増殖によって選択した
。細胞に、3日ごとにさらに2〜3回栄養供給し、そして、MTX耐性クローン
が2〜3週間以内に現れた。クローンからの上清を、抗Fc ELISAでアッ
セイして、高産生体を同定した。高生産クローンを単離し、100nM MTX
を含む増殖培地中で増殖させた。
【0063】 BHK細胞およびNS/0細胞は、10%ウシ胎仔血漿、2mMグルタミンお
よびペニシリン/ストレプトマイシンを補足した、ダルベッコ改変イーグル培地
中で増殖させた。CHO−Lec2細胞は、10%ウシ胎仔血漿およびペニシリ
ン/ストレプトマイシンを補足したアルファ培地中で増殖させた。ゲル電気泳動
による通常的な評価のために、該制限培地中のFc融合蛋白質を、プロテインA
セファロース(Repligen、Cambridge、MA)上に捕集し、次
いで、2−メルカプトエタノールを含む、または含まない蛋白質サンプル緩衝液
中で煮沸することによって溶出した。SDSゲル上での電気泳動後、蛋白質バン
ドをクーマシー染色によって可視化した。Fc−EPOは、SDS−PAGEに
おいて見かけ分子量約64kDを有していた。
【0064】 精製のために、プロテインAセファロース上に結合した融合蛋白質を、リン酸
ナトリウム緩衝液(100mM NaH2PO4、pH3、および150mM N
aCl)中で溶出した。次いで、溶出物は、0.1容量の2Mトリス−塩酸、p
H8で直ちに中和した。
【0065】 実施例3. 酵素処理による、脱シアリル化および脱グリコシル化されたEPOおよびFc
−EPO蛋白質の合成 シアル酸残基を、ノイラミニダーゼ処理によりEPOおよびFc−EPOから
除去した。500マイクログラム/mlのFc−エリトロポエチン蛋白質を、5
0mM酢酸ナトリウム、4mM塩化カルシウム、100マイクログラム/mlウ
シ血漿アルブミンを含む緩衝液(pH5.5)中、0.1ユニット/mlの酵素
(Roche Biologicals)と共に37℃で様々な時間処理した。
【0066】 図2のデータは、ノイラミニダーゼで処理したヒトIgG2 Fc−EPOは
、高められた活性を有することを示している。例えば、ノイラミニダーゼで22
時間処理されたFc−EPOは、正常にシアリル化されたFc−EPO対照蛋白
質の約2〜5倍に相当する活性を有する。
【0067】 N−結合型糖部分を完全に除去するために、N−グリコシダーゼ処理を用いた
。500マイクログラム/mlのFc−エリトロポエチン蛋白質を、50mMリ
ン酸塩を含む緩衝液(pH7.8)中、0.02ユニット/mlの酵素(Roc
he Biologicals)と37℃で様々な時間処理した。あるいは、5
0mMリン酸塩pH7.8、20mM EDTA、1%トリトンX−100、1
%β−メルカプトエタノール、および0.1%SDSを含む緩衝液を用いる。
【0068】 実施例4. Fc−EPOおよび脱グリコシル化されたFc−EPOの解析 酵素処理または変異細胞系での発現により生成された、Fc−EPOの脱グリ
コシル化形態を解析するために、SDS−PAGEおよび等電点電気泳動実験を
実施した。SDS−PAGEによって決定されるとおり、N−グリコシダーゼ処
理によって脱グリコシル化されたFc−EPO蛋白質は、著しく速い移動度を示
した(図1)。
【0069】 該Fc−EPO蛋白質は、各サブユニットに4つのN−グリコシル化部位と1
つのO−グリコシル化部位、合計10のグリコシル化部位および36のシアル酸
残基を持つ2量体である。これらの部位のそれぞれ1つは不完全に修飾されてい
るため、Fc−EPOは、IEFにより分析すると多くの型を有する。Fc−E
POをノイラミニダーゼで処理した際には、この酵素によるシアル酸除去に一致
して、特定のIEFバンドが消失し、他のバンドが現れる。同様に、CHO−l
ec2細胞により産生されたFc−EPOは、より少数の酸性度の低い型を有す
る。
【0070】 実施例5. ELISA法 MTX耐性クローンの上清および他の試験サンプル中の蛋白質産物濃度を定量
するためにELISAを用いた。ヒトFcおよびマウスFc含有蛋白質の量を、
それぞれ、抗huFc ELISAおよび抗muFc ELISAにより定量し
た。
【0071】 ELISAプレートを、PBS中5μg/mLの、AffiniPure G
oat anti−Human IgG(H+L)(Jackson Immu
no Research Laboratories、West Grove、
PA)を用い、96穴プレート(Nunc−Immuno plate Max
isorp)中100μl/ウェルでコーティングした。コーティングしたプレ
ートをカバーし、4℃で終夜インキュベートした。次いで、プレートをPBS中
0.05%トゥイーン(トゥイーン20)で4回洗浄し、PBS中1%BSA/
1%ヤギ血漿200μl/ウェルでブロックした。該ブロッキング緩衝液により
37℃で2時間インキュベートした後、プレートをPBS中0.05%トゥイー
ンで4回洗浄し、ペーパータオル上で軽くたたいて乾燥した。
【0072】 コーティングしたプレートを、適当な濃度に希釈した試験サンプルと共にイン
キュベートした。サンプル緩衝液は、PBS中に1%BSA、1%ヤギ血漿、お
よび0.05%トゥイーンを含む。標準曲線は、濃度が知られている(ヒトFc
を具えている)キメラ抗体により作成した。標準曲線を作成するために、サンプ
ル緩衝液中で連続希釈を行い、125ng/mL〜3.9ng/mLの範囲の標
準曲線を得た。希釈サンプルおよび標準を、100μl/ウェルでプレートに加
え、プレートを37℃で2時間インキュベートした。インキュベーション後、プ
レートをPBS中0.05%トゥイーンで8回洗浄した。次いで各ウェルに、製
造元の指示に従って、サンプル緩衝液中で希釈した100μlの2次抗体、ホー
スラディッシュ・ペルオキシダーゼ複合抗ヒトIgG(Jackson Imm
uno Research)を加えた。37℃で2時間のインキュベーション後
、プレートをPBS中0.05%トゥイーンで8回洗浄した。基質溶液を100
μl/ウェルでプレートに加えた。該基質溶液は、30mgのOPD(o−フェ
ニレンジアミン・2塩酸塩、1錠)を、新しく加えたH22を0.03%含む、
15mLの0.025Mクエン酸/0.05M Na2HPO4緩衝液(pH5)
に溶解することにより調製した。室温、暗所で30分間、発色させた。発色時間
は、コーティングしたプレート、2次抗体などのロット間偏差に応じて変化する
ことがある。反応をいつ停止させるかを決めるために、標準曲線における発色を
観察する。反応は、100μl/ウェルの4N H2SO4を加えることによって
停止させた。該プレートを、490および650nmの両方に設定し、650n
mでのバックグラウンドODを490nmのODから差し引くようにプログラム
された、プレート・リーダーで読み取った。
【0073】 抗muFc ELISAのための方法は、ELISAプレートをPBS中5μ
g/mLのAffiniPure Goat anti−murine IgG
(H+L)(Jackson Immuno Research)を用いて、1
00μg/ウェルでコーティングしたこと、および2次抗体がホースラディッシ
ュ・ペルオキシダーゼ複合ヤギ抗muIgG(Southern Biotec
hnology Assoc.、Birmingham,AL)であったことを
除き、同様である。
【0074】 実施例6. ヒトFc−EPO融合蛋白質のインビトロ活性 下記の方法は、一過性および安定発現によって産生されるヒトFc−EPO蛋
白質の活性を試験するために用いたし、また、用いる。細胞培養上清中の各融合
蛋白質の量を、まずELISAにより定量し、用量反応曲線を設定するために用
いた。該活性は、Fc−EPO融合蛋白質で見いだされ、また、上で述べた活性
に密接に対応していた。
【0075】 具体的には、ヒトFc−EPOおよびアシアロ−ヒトFc−EPO分子のEP
O活性は、TF−1細胞増殖アッセイと、続いて分子免疫学の分野の技術者には
知られている標準的手順によって試験した(Hammerling et al
., [1996] J .Pharmaceutical and Biom
edical Analysis 14:1455−1469; Kitamu
ra et al., [1989] J. Cellular Physio
l. 140:323−334)。ヒトTF−1細胞系は、EPOまたは他のサ
イトカインおよび成長因子に反応して増殖する。活発な対数期増殖期中のTF−
1細胞を、EPOを含まない培地で2回洗浄し、マイクロ・タイター・ウェルに
シアル酸と共に、またはシアル酸なしで、様々な量の市販のEPOまたはFc−
EPO融合蛋白質存在下、約1×104細胞/ウェルで播種した。細胞を様々な
試験蛋白質存在下で48時間インキュベートし、放射能取り込みレベル定量の1
0時間前に、0.3マイクロキュリーの3H−チミジンを加えた。様々なEPO
およびFc−EPO融合蛋白質は、3H−チミジンの細胞への取り込みを用量依
存的に刺激し、また、モルあたりの3H−チミジン取り込み刺激においてほぼ等
量的に有効であった。
【0076】 これらの結果は、Fc−EPOのインビトロ生物学的活性は、ノイラミニダー
ゼによる脱シアリル化により増大することを示した。該結果はまた、シアリル化
された、またはされていないFc−EPO融合蛋白質は、ヒトEPOと同様の活
性を有することも示した。具体的には、図1は、正常にシアリル化されたヒトI
gG2 Fc−EPOの生物学的活性は、酵素により脱シアリル化されたヒトI
gG2 Fc−EPOのそれに比べて約2分の1〜5分の1でしかなく、また、
これらのFc−EPO融合蛋白質の活性は、モルあたりでNIBSC EPOと
同様であったことを示している。
【0077】 実施例7. 非グリコシル化EPOの部位特異的変異誘発 非グリコシル化EPOの活性を増大させる変異を、下記のとおりにFc−非グ
リコシル化EPO融合蛋白質に導入する。非グリコシル化EPOをコードするD
NA配列を、1対のオリゴヌクレオチドが、1つまたは複数のアミノ酸が変更さ
れたEPOの一部をコードする、対応するオリゴヌクレオチド対で置き換えられ
ていること以外は、実施例1に記載のとおりに構築する。例えば、Asn147
Alaの変換を導入するために、オリゴ9(配列番号:11)の代わりに、オリ
ゴヌクレオチド AATCACTGCTGACACTTTCCGCAAACTC
TTCCGAGTCTACTCCGCATTCCTCCを、対応するように変更
された逆相補オリゴヌクレオチドと共に用いる。この方法によって、下記の変異
:Gly101Ala、Arg143Ala、Ser146Ala、およびAsn147Al
aを導入する。これらの変異は、そのEPO受容体に対する親和性を高めること
により、Fc−EPOの活性を増大させる効果を有するようである。別の例とし
て、Gln65を、より小さくかつ/またはより疎水性の側鎖を有するアミノ酸に
変異させる。この変異の効果は、活性なFc−EPOの画分を増加させることで
ある。この効果は、アミノ酸114〜130の領域における変異も存在する際に
、顕著である。
【0078】 他の変異では、実施例13に記載のとおり、システイン残基を、置換により挿
入および除去する。得られる蛋白質は、特に前述の変異と組み合わせる際に、よ
り安定で、より効率的に発現される。
【0079】 実施例8. 活性に対する部位特異的変異の試験 Fc−非グリコシル化EPOの変異体形態を速やかに試験するために、下記の
戦略を用いた。各変異体形態をコードするプラスミドを、BHK細胞などの哺乳
動物細胞にトランスフェクトする。組織培養上清を取り出し、そして、ELIS
AによりヒトFc、ヒトEPOについて、およびTF1細胞増殖アッセイにおけ
る活性について、定量した。各上清の4つの希釈液を、二重法で試験した。希釈
液中のFc−非グリコシル化EPO濃度は、約0.01nM、0.1nM、1n
M、および10nMであった。
【0080】 実施例9. Fc−EPOのランダム変異誘発 予め選択がなされていないFc−非グリコシル化EPOの変異体形態を創製す
るために、下記の方法の1つを用いる。例えば、成熟型非グリコシル化EPOの
コード配列を、10の別々のプールを生成する以外は、実施例1に記載のとおり
に合成する。第1のプールでは、オリゴ1およびその逆相補鎖を、オリゴヌクレ
オチド前駆体の混合物を用いて、各ヌクレオチドが変異する確率3%を有するよ
うに合成する。その結果、平均して、各オリゴヌクレオチドは1から2個のアミ
ノ酸置換を有することになる。同様に、第2のプールにおいても、オリゴ2とそ
の逆相補鎖を、オリゴヌクレオチド前駆体の混合物を用いて、各ヌクレオチドが
変異する確率3%を有するように合成する、等々。
【0081】 ライゲーションおよび大腸菌への形質転換後、各プールについて、約20コロ
ニーを取り出す。20の形質転換体それぞれからDNAを作製し、次いで、別々
にBHK細胞などの哺乳動物細胞系に導入する。次いで、一過性にトランスフェ
クトした各細胞群の上清のEPO活性を、実施例8に記載のとおりに試験する。
【0082】 特定のトランスフェクトしたBHK系が、より強い比活性を有するEPOを産
生することが判明した。変異体コード領域の対応するDNA配列を決定する。こ
れらの変異および上述の実施例において特定された変異に基づき、多重変異体コ
ード配列を構築する。対応する多重変異体蛋白質が発現され、特定の形態は、個
々の変異体「親」形態よりもさらに強い比活性を有することが判明した。
【0083】 実施例10. 薬物動態データ 現在のところ、エリトロポエチンは、通常、1週間に3回患者に投与する(P
hysicians’ Desk Reference[1996]「EPOg
en:EPOetin Alfa」、p.489−496)。静脈内投与したエ
リトロポエチンの血漿半減期は、約4〜13時間である。エリトロポエチンの皮
下投与後、血漿レベルは、5〜24時間以内に最大に達する。赤血球産生を刺激
し、また、エリトロポエチンよりも長い血漿半減期を具える蛋白質を手にするこ
とは有益であり、投与をより少ない頻度とできる。
【0084】 実施例11. Fc−EPO融合蛋白質の薬物動態 ヒトEPO蛋白質および特定の人Fc−EPO融合蛋白質を、Balb/cマ
ウスに静脈内注射した後の薬物動態について試験した。マウスから眼窩後出血に
より採血し、エッペンドルフ・マイクロ遠心チューブ中4℃で保存した。ELI
SA法を用いて、様々な時点で血中に残存する、ヒトFc領域などのヒト抗体関
連蛋白質の量を定量した。ヒト抗体を定量するELISAでは、捕捉のためにヒ
トHおよびL鎖に対する抗体を、検出のために抗ヒトFc抗体を用いた。ウェス
タンブロットを用いて、Fc−エリトロポエチン融合蛋白質が正しいサイズを保
持し、分解されていないことを検証した。そのままのFc−エリトロポエチン融
合蛋白質部分を検出するための別法として、改良ELISA法を用いた。この融
合蛋白質特異的アッセイは、同じ第1の捕捉ステップを用いるが、検出には抗ヒ
トEPO抗体を用いる。EPO自体を検出するために、捕捉抗体および検出抗体
の両方がヒトEPOに特異的である。例えば、ヒトEPO検出キットを用いる。
これらの実験において、該Fc−EPO融合体は、約2〜4時間の血漿半減期を
有していた。これに対して、特定のより入念に遺伝子操作されたFc−EPO融
合体の血漿半減期は、試験したところ、はるかに長いことが判明した。例えば、
抗体全体−EPO融合体を試験したところ、約10〜20時間またはさらに長い
マウスでの血漿半減期を有している。
【0085】 そのままのアシアロ−EPOの血漿半減期は、非常に短いことが測定されてい
る。プローブとして、ヒトIgGに対する抗体を用いるウェスタンブロッティン
グにより測定されたとおり、アシアロ−Fc−EPO融合蛋白質のエリトロポエ
チン部分は、速やかに分解されるが、Fc部分は比較的安定で、血漿中で保持さ
れる。これらの結果は、特定のFc−EPO融合蛋白質だけが長い血漿半減期を
有し、また、Fc部分は、蛋白質の血漿半減期を延長する上で、普遍的に十分で
あるわけではないことを示している。
【0086】 実施例12. Fc−EPO融合蛋白質のインビボ活性 ヒトFc−EPO融合蛋白質のインビボ活性を試験し、そのままのヒトEPO
と比較した。投与後の短い期間内の赤血球産生刺激を測定するアッセイを用い、
モルあたりで、Fc−エリトロポエチンの活性は、そのままのヒトEPOのそれ
とほぼ同等である。
【0087】 正常赤血球血マウスアッセイにおいて、ヒトEPOおよびIgG2 Fc−E
POの活性をアッセイした。該アッセイ手順の開始の1週間前に、B6D2F1
系の8週齡の雄マウスを、ケージ当たり6匹ずつケージに入れた。各ケージ群内
で、各マウスに濃度10、20または40マイクログラム/mlのエリトロポエ
チンまたはFc−EPOを0.5ml注射した、なお、Fc−EPOの用量は、
ELISAにより決定した、EPO単量体の量の計算により測定した。各実験で
は、各用量群に8匹のマウスを用いた。
【0088】 注射の4日後、血液サンプルを採取し、赤血球30,000個あたりの網状赤
血球の数を下記のとおりに求めた。1マイクロリットルの全血を、1ミリリット
ルの0.15マイクロモルのアクリジンオレンジに加えた。3〜10分間の染色
後、赤色蛍光ヒストグラムの分析により、網状赤血球数をフローサイトメトリー
計測器において微蛍光測定法により定量した。下記のデータが得られた。
【0089】
【表1】 このアッセイの変形において、マウスに、エリトロポエチン、Fc−エリトロ
ポエチン、Ig−エリトロポエチン、および変異、切断、または変更されたグリ
コシレーション・パターンを含む様々な他のFc−EPOの形態を投与する。網
状赤血球を、試験蛋白質の注射後第4日、5日、6日、および7日に採血する以
外は前述のとおりに測定する。この様式で実験を行うことにより、試験蛋白質の
機能的薬物動態が示される。そのままのIg−EPOなどの特定のFc−EPO
の形態は通常のEPOよりも長い期間機能的活性を示すことが明らかにされてい
る。EPO活性を測定するための別法として、ヒトEPOおよびFc−EPO蛋
白質のインビボ活性を、絶食ラットアッセイ(Goldwasser E.an
d Gross M.Erythropoietin:assay and s
tudy of its mode of action.Methods E
nzymol.[1975]37 Pt B:109−21)により試験する。
約215から250グラム(約9週齡)の雄Sprague−Dawleyレー
トを第1日に絶食させる。次いで、第2および第3日にこれらのラットに2ml
の試験物質を静脈内注射する。ラットを5匹ずつの群に分ける。標準曲線を作成
するために、1群には生理食塩水を、他の4群には1匹あたり1.0、1.5、
2.0または3.0ユニットのエリトロポエチンを注射する(1.246ユニッ
トが1ナノグラム(=26.7フェントモル;確認されたい)の糖蛋白質に相当
する)。第4日に、2回目の注射から28時間後、クエン酸塩で緩衝化した生理
食塩水中1.0マイクロキュリーの59Fe3+を腹腔内注射する。59Fe3+注射の
16から18時間後、ラットを麻酔し、ヘパリン加シリンジを用いて心臓穿刺に
より採血する。放射性標識を計数するために1mlの血液を採取し、ミクロヘマ
トクリット管にも血液を充填する。動物を秤量する。血液は動物の体重の5%を
構成すると仮定して、注射した59Fe3+の全赤血球量に取り込まれたパーセント
を計算する。ヘマトクリットを記録し、ヘマトクリットが50未満のラットから
のデータは廃棄する。各試験群の平均値から食塩対照群の平均値を差し引いて、
EPOまたはFc−EPO融合蛋白質により刺激された取り込みパーセントを求
めることにより、データを評価する。もう1つの代替法として、ヒトEPOおよ
びFc−EPO蛋白質のインビボ活性を多血症マウスアッセイアッセイアッセイ
(Goldwasser E.andGross M.同上)によって試験する
。このアッセイでは、赤血球生成を抑制するよう、マウスに過剰の赤血球を投与
する。赤血球多血症を作製する方法は、低圧(約0.5気圧)への曝露、正常圧
での低酸素への曝露、低レベルの一酸化炭素への曝露、またはO2分圧の漸減へ
の曝露を含む。マウスがヘモグロビン合成増大のために十分な鉄を確実に有する
ようにするため、低酸素ストレスに曝露する前に、マウスに2.5mgの鉄−デ
キストランを皮下注射してもよい。第1日にマウスを正常な酸素環境に戻し、第
8日に59Fe3+を注射する。あるいは、マウス赤血球をマウスに注射する。例え
ば、1mlの同種の濃縮洗浄赤血球を第1および第3日に腹腔内注射する。試験
サンプルは食塩対照および1匹あたり0.05、0.10および0.20ユニッ
トの標準用量を含む。これらを第5および第6日に注射し、第7日に59Fe3+
注射し、第10日にマウスから採血する。1mlの血液を計数する。ヘマトクリ
ットに血液の一部を用いる。マウスを秤量する。体重の血液に相当するパーセン
トは8%と仮定される。ヘマトクリットが55未満の場合、そのマウスのデータ
は用いない。これらの方法の変形、ならびに他の方法も、様々なEPO蛋白質型
のインビボ活性を調べるために用いることができる。
【0090】 実施例13. 変更されたジスルフィド結合パターンを含むFc−EPO変異体の構築と発現 Fc−EPO内のEPO部分のジスルフィド結合パターンを変更する変異を下
記のとおりに導入した。His32Gly、Cys33Pro、Trp88Cysおよ
びPro90Alaの変更を、標準的部位特異的変異誘発技法によってヒトFc−
EPOに導入した。この蛋白質はFc−EPO(Cys29−Cys88)と命名さ
れた。Fc−EPO(Cys29−Cys88)を先の実施例に記載のものと類似の
方法により、哺乳動物細胞で発現させた。Fc−EPOおよびFc−EPO(C
ys29−Cys88)蛋白質を、Staph A蛋白質カラムを用いて実施例2に
記載のとおりに精製した。
【0091】 Fc−EPO(Cys29−Cys88)はTF−1細胞の増殖を測定する細胞に
基づくアッセイにおいて、Fc−EPOに比べて1.5から2倍活性が高いこと
が判明した。Fc−EPO(Cys29−Cys88)がFc−EPOよりも活性が
高い理由を調査するために、各精製蛋白質をHPLCで調べた。図4および5に
典型的な結果を示す。Fc−EPO蛋白質の約1/3から1/2は見かけ分子量
約100,000ダルトンでカラムを移動し、これは2量体Fc−EPOの推定
分子量であるが、残りの1/2から2/3のFc−EPO蛋白質ははるかに高い
分子量で移動し、Fc−EPOが凝集状態であることを示していた(例えば、図
4のとおり)。変性および還元条件下で行ったSDS−PAGEにより、この高
分子量物質は他の蛋白質の混入によるものではないことが示された。これに対し
て、Fc−EPO(Cys29−Cys88)蛋白質の約95%は見かけ分子量約1
00,000ダルトンでHPLCカラムを移動し、Fc−EPO(Cys29−C
ys88)の約5%だけが明らかに凝集状態であった(例えば、図5)。標準的H
PLC条件を用いた。
【0092】 Fc−EPO(Cys29−Cys88)の増強された安定性をさらに調べるため
に、Fc−EPOおよびFc−EPO(Cys29−Cys88)の両方を、エリト
ロポエチンから3つのN−結合型オリゴ糖を除去するN−グリカナーゼで処理し
た。製造元の指示に従い、標準的消化条件を用いた。これらの条件下で、SDS
−PAGEにより調べたところ、N−結合型オリゴ糖はFc−EPOおよびFc
−EPO(Cys29−Cys88)から1時間以内に完全に除去された。1時間よ
りも長時間インキュベーションしてもFc−EPO蛋白質の移動度に影響はなか
ったが、N−グリカナーゼによる消化条件下でさらにインキュベートすると、前
述のとおり、Fc−EPOの生物学的活性が速やかに失われることになるが、F
c−EPO(Cys29−Cys88)では活性は消失しないことが明らかとなった
【0093】 Fc−EPOまたはFc−EPO(Cys29−Cys88)をN−グリカナーゼ
存在下で様々な時間インキュベートした後、−20℃で凍結することにより反応
を停止し、処理Fc−EPOの様々な希釈液と共にTF−1細胞をインキュベー
トした。3H−チミジン取り込みの刺激を測定し、NIBSCエリトロポエチン
標準と比較した。下記の表に示すとおりの結果が得られた。
【0094】
【表2】 これらの結果より、Fc−EPO(Cys29−Cys88)はFc−EPOに比
べ、N−グリカナーゼ処理に対してはるかに安定であることが示された。理論に
しばられようとすることなく、N−グリカナーゼの緩衝液条件、すなわちリン酸
緩衝化食塩水がFc−EPO内の脱グリコシル化EPO部分を不安定化している
か、またはN−グリカナーゼにEPO部分を不活化するプロテアーゼが混入して
いる可能性がある。Fc−EPO(Cys29−Cys88)への変異の導入は、E
POのCys29およびCys88の間のジスルフィド結合形成を可能にする。同様
に、そのままの非融合ヒトEPOへの類似の変異の導入は、Cys29およびCy
88の間のジスルフィド結合形成を引き起こす。ジスルフィド結合は、非還元条
件下でトリプシンなどの部位特異的エンドプロテアーゼにより切断した後、得ら
れたペプチドを質量分析またはHPLC分析を用いて分析することにより、特定
する。
【0095】 例えば、対照を用いて下記の一連の実験を行う。ヒトFc−EPO、ヒトFc
−EPO(Cys29−Cys88)、ヒトEPO、およびヒトEPO(Cys29
Cys88)を、還元および非還元の両方の条件下、トリプシンで切断する。これ
ら8つのサンプルを質量分析により分析する。トリプシン処理した非還元ヒトF
c−EPO(Cys29−Cys88)およびヒトEPO(Cys29−Cys88)は
それぞれ、2つのN−結合型グリコシレーションを有するEAENITTGCA
EGPSLNENITVPDTK+GQALLVNSSQPCEPLQLHVD
Kに対応する高分子量のピークを示す。サイズが大きく、2つのN−グリコシレ
ーションによって不均質になっているため、このピークは他のピークから容易に
識別される。このピークは還元サンプルまたは非変異体ヒトEPOもしくは非変
異体ヒトFc−EPO由来のサンプルでは認められない。N−グリカナーゼ処理
したサンプルでは、EAENITTGCAEGPSLNENITVPDTK(配
列番号:2、21〜45位)+GQALLVNSSQPCEPLQLHVDK(
配列番号:2、77〜97位)に対応するピークはアミノ酸単独の分子量により
推定されるサイズにシフトする。
【0096】 他の方法でFc−EPO(Cys29−Cys88)をさらに試験し、これが有利
であることが判明した。例えば、Fc−EPO(Cys29−Cys88)はマウス
、ヒト、または他の哺乳動物で試験すると、優れた薬物動態特性を有している。
Fc−EPO(Cys29−Cys88)およびEPO(Cys29−Cys88)の凍
結乾燥型は、対応するFc−EPOおよびEPO蛋白質よりも安定である。高温
での長時間インキュベーション後の残存生物学的活性試験などの長期安定性試験
では、Fc−EPO(Cys29−Cys88)およびEPO(Cys29−Cys88 )は対応するFc−EPOおよびEPO蛋白質よりも安定である。Fc−EPO
(Cys29−Cys88)およびEPO(Cys29−Cys88)は対応するFc−
EPOおよびEPO蛋白質よりもプロテアーゼ抵抗性である。
【0097】 加えて、特定の態様において有利であるが、同時にEPO部分の安定性を低下
させる変異を、EPO部分に導入することが有用であることもある。そのような
場合には、Cys29およびCys88の間にジスルフィド結合を形成させる1つま
たは複数の変異を導入することも有用である。追加のジスルフィド結合の効果は
変異したEPOの安定性を増大させることである。例えば、Gly101→Ala
、Arg143→Ala、Ser146→Ala、およびAsn147→Alaの変異は
、EPOのシグナリング活性を増大させる。このタイプの変異はEPOの特定の
性質に関して有利であるが、医薬品開発のためには蛋白質を不安定化する。
【0098】 EPOのCys29およびCys88の間のジスルフィド結合を形成させる1つま
たは複数の変異の有利な性質は、Fc部分が結合されていないそのままのEPO
でも観察され、また、EPOの他の部分への融合蛋白質、グリコシレーションレ
ベルが低下、増大、または質的に変更されたEPOの形態などの他のEPOの形
態でも観察される。
【0099】 同様の一連の実験において、Arg139→CysおよびCys29からAla、
Val、LeuまたはIleなどの他のアミノ酸への変異を含むヒトFc−EP
O蛋白質をコードする発現プラスミドを、Fc−EPO(Cys29−Cys88
の構築と同様に構築する。プロテアーゼ処理および質量分析による分析から、こ
の蛋白質はCys33およびCys139の間のジスルフィド結合を含むことが示さ
れ、したがってFc−EPO(Cys33−Cys139)と命名されている。Ar
139→Cysおよびcys29からAla、Val、LeuまたはIleなどの
他のアミノ酸への変異を含むヒトEPOをコードする類似の発現プラスミドも構
築する。Fc−EPO(Cys33−Cys139)はいくつかの有利な性質を有し
ている。例えば、Fc−EPO(Cys33−Cys139)は主として通常の2量
体型であり、ヒトFc−EPOに比べて凝集型が少ない。例えば、精製したFc
−EPO(Cys33−Cys139)をHPLCで分析すると、物質のほとんどは
見かけ分子量約100kDで移動する。もう1つの有利な性質はFc−EPO(
Cys33−Cys139)がヒトFc−EPOよりも活性が高いことである。理論
にしばられようとすることなく、Fc−EPO(Cys33−Cys139)および
ヒトFc−EPO両方の100kD型が活性型であり、HPLCで求めた見かけ
の分子量が高い型はほとんど、またはまったく活性がないようである。Fc−E
PO(Cys33−Cys139)およびFc−EPO(Cys29−Cys88)は活
性が25%から100%に増大しているが、これらの蛋白質は製造が高価で、貧
血患者の大集団を治療するために大量に用いられるため、この活性の改善は経済
的に重要である。
【0100】 Fc−EPO(Cys33−Cys139)はヒトFc−EPOに比べて薬物動態
も改善されている。Fc−EPO(Cys33−Cys139)はヒトFc−EPO
に比べて溶液および凍結乾燥型での長期安定性改善も示す。
【0101】 Fc−EPO(Cys33−Cys139)は、ヒトFc−EPOを不安定化する
追加の変更または変異存在下で、著しく安定性が増大しているという有利な性質
も有する。
【0102】 Fc−EPO(Cys33−Cys139)の有利な性質は、Fc部分のないEP
O(Cys33−Cys139)でも観察される。例えば、EPO(Cys33−Cy
139)は安定性増大、活性改善、優れた薬物動態、長期安定性改善、および追
加の不安定化する変更存在下での著しい安定性増大を示す。
【0103】 ヒトFc−EPOおよびヒトEPOの他の有用な型は、Cys29およびCys 88 、ならびにCys33およびCys139の間にジスルフィド結合を有する多重変
異体蛋白質を含む。例えば、EPO(Cys29−Cys88+Cys33−Cys13 9 )は安定性増大、活性改善、優れた薬物動態、長期安定性改善、および追加の
不安定化する変異存在下での著しい安定性増大を示す。ヒトFc−EPOおよび
ヒトEPOは他のジスルフィド結合導入により有利な性質を持つよう操作される
。そのようなジスルフィド結合の設計は、X線結晶学およびNMRを用いて決定
されたヒトEPOの知られている構造を指標とすることができる。例えば、ヒト
EPOまたはヒトFc−EPOのAla22およびPhe142をそれぞれシステイ
ンで置換し、これらの新しいシステインの間でジスルフィド結合が形成される。
Phe142をそれよりも小さいシステインで置換したことによる、EPO部分の
疎水性中心内の空き容積を補うために、疎水性中心内の別の近接アミノ酸側鎖を
大きい側鎖で最適に置換する。例えば、Val74をPhe、Leu、Tyr、I
le、またはMetで置換する。得られる、追加のジスルフィドを有する蛋白質
は、安定性増大、活性改善、優れた薬物動態、長期安定性改善、および追加の不
安定化する変異存在下での著しい安定性増大を示す。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 N−グリコシダーゼで処理したFc−エリトロポエチンを示す図である。N−
SDSゲルは、グリコシダーゼF処理の前後のFc−エリトロポエチンを示して
おり、レーン1は分子量サイズ標準、レーン2はブランク、レーン3は正常にグ
リコシル化されたFc−EPO、レーン4は脱グリコシル化緩衝液中でのインキ
ュベーション後の正常にグリコシル化されたFc−EPOを示し、また、レーン
5、6、および7は、それぞれ0.5ml中20ユニットのN−グリコシダーゼ
F(Boehringer−Mannheim)とともに、3時間、6時間、ま
たは18時間のインキュベートを行った、正常にグリコシル化されたFc−EP
Oを示す。
【図2】 NIBSC EPO(黒菱形)、ヒトIgG2 Fc−EPO(白四角)、変
異したグリコシル化部位を有するヒトIgG1 Fc−EPO(白丸)、および
CHO−Lec2細胞で発現されたヒトIgG2 Fc−EPO(白菱形)の生
物学的活性を示す折れ線グラフを示す図である。様々な蛋白質中のEPO部分の
活性は、EPO依存性3H−チミジンのTF−1細胞への取り込みによってアッ
セイした。X軸は、ELISAで求めたEPOの当量(ng/ml)を示し、Y
軸は、依存的な3H−チミジンの取り込みをカウント/分の単位で示している。
【図3】 様々な時間、ノイラミニダーゼで処理したヒトIgG2 Fc−EPOの生物
学的活性を示す折れ線グラフを示す図である。Fc−EPOを、緩衝液単独(黒
丸)、0.1ユニットのノイラミニダーゼで15分間(白四角)、1時間(白菱
形)、3.5時間(白三角)、または22時間(白丸)処理した。様々な蛋白質
中のEPO部分の活性は、EPO依存性3H−チミジンのTF−1細胞への取り
込みによってアッセイした。X軸は、ELISAで求めたEPOの当量(ng/
ml)を示し、Y軸は、依存的な3H−チミジンの取り込みをカウント/分の単
位で示している。
【図4】 次の変更:His32→Gly、Cys33→Pro、Trp88→Cys、および
Pro90→Alaを除き、EPO部分はヒトEPOの配列を有する、精製Fc−
EPOのHPLC特性を示す図である:。7.064のピークは、(Fc−EP
O)2を表し、5.302のピークは、分子量が少なくとも800,000ダル
トンの凝集物質を表している。7.064のピークは、検出された物質の93.
2%に相当するが、5.302のピークは、ロードした物質の6.8%に相当す
る。
【図5】 EPO部分はヒトEPOの配列を有する、精製Fc−EPOのHPLC特性を
示す図である。7.254のピークは、(Fc−EPO)2を表し、6.079
のピークは、(Fc−EPO)2のオリゴマー凝集物を表し、5.330のピー
クは、分子量が少なくとも800,000ダルトンの凝集物質を表している。7
.254のピークは、検出された物質の43.4%に相当するが、6.079お
よび5.330のピークは、それぞれロードした物質の30.5%および25.
2%に相当する。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年10月12日(2001.10.12)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 14/505 C12N 1/15 19/00 1/19 C12N 1/15 1/21 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 A C12P 21/02 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 Frankfurter Str. 250, D−64293 Darmstadt,Fed eral Republic of Ge rmany (72)発明者 ハルトマン、 アルノ ドイツ連邦共和国 64354 ラインハイム ウェストリング 6 (72)発明者 ブラント、 シルケ ドイツ連邦共和国 64283 ダルムシュタ ット アーデラングシュトラーセ 35 (72)発明者 リーケ、 エルヴィン ドイツ連邦共和国 64342 シーハイム ヘルマンシュトラーセ 12 (72)発明者 ソーベル、 コーネリアス ドイツ連邦共和国 99130 マインツ ア ン デル キルシェ 4 (72)発明者 ロー、 キン‐ミン アメリカ合衆国 02420 マサチューセッ ツ州 レクシントン キャロル レイン 6 (72)発明者 ウェイ、 ジェフリー、 シー. アメリカ合衆国 02140 マサチューセッ ツ州 ケンブリッジ エイヴォン プレイ ス 12 (72)発明者 ジリース、 ステファン アメリカ合衆国 01741 マサチューセッ ツ州 カーライル サンセット ロード 159 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA03 BA61 CA04 CA05 CA07 DA02 DA06 DA11 EA04 GA11 HA08 4B064 AG18 AG26 CA02 CA05 CA10 CA11 CA19 CC24 DA03 4B065 AA01X AA26X AA57X AA87X AA93Y AB01 BA02 CA24 CA44 4C084 AA01 AA07 BA44 DB56 NA05 ZA55 ZB21 4H045 AA10 AA20 AA30 BA09 BA41 CA40 DA31 DA75 EA24 FA72 FA74

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 改善された性質を有するエリトロポエチン(EPO)の形態
    であって、 (a)Fc部分が、直接または間接的に、そのC末端を介して、前記EPO分
    子に共有結合的に融合されており、また、該Fc部分ならびにEPO部分は、修
    飾または改変を受けていてもよい、下記の群より選択される、Ig分子のFc部
    分およびEPO分子を含んでなる融合蛋白質(Fc−EPO): (i)Fc−EPO (ii)Fc−L−EPO (iii)Fc−EPOdesial (iv)Fc−EPOm (v)Fcm−EPO (vi)Fcm−EPOm (vii)Fcm−L−EPO (viii)Fc−L−EPOm (ix)Fc−EPOtrunc (x)Fc−L−EPOtrunc ただし、 EPOは、グリコシル化されている、グリコシル化されていない、部分的にグ
    リコシル化されている、あるいは、そのグリコシレーション・パターンに、それ
    以外の変更を施されているかであり; EPOdesialは、部分的にシアリル化されているか、またはシアリル化されて
    いないEPOであり; EPOmは、そのアミノ酸配列に改変がなされているが、末端の切断を受けて
    いないEPOであり; EPOtruncは、そのアミノ酸配列は、末端の切断を受けているが、改変はな
    されていないEPOであり; Fcmは、そのアミノ酸配列は、改変および/または末端の切断を受けている
    か、かつ/または、そのグリコシレーション・パターンに変更が施されているか
    のFc部分であり、および Lは、プロテアーゼ切断部位を持たないリンカー分子である、 あるいは (b)融合していない、ヒトもしくは哺乳動物EPO、あるいはヒトもしくは
    哺乳動物EPOのシステインもしくはジスルフィド結合のパターンとは相違する
    、システインもしくはジスルフィド結合のパターンを有するEPOm のいずれかであるEPOの形態。
  2. 【請求項2】 改善された生物学的活性を示す、請求項1に記載のEPOの
    形態。
  3. 【請求項3】 延長された血漿中半減期を有する、請求項2に記載のEPO
    の形態。
  4. 【請求項4】 前記の延長された血漿中半減期が20時間よりも長い、請求
    項3に記載のEPOの形態。
  5. 【請求項5】 前記融合蛋白質は、改変を受けていないEPO分子を有する
    類似するFc−EPO融合蛋白質よりも高い比活性を有する、請求項1に記載の
    融合蛋白質(iv)、(vi)または(viii)。
  6. 【請求項6】 EPOm部分において、下記の変換: Asn24、38、83→Gln、Ser126→Ala、His32→Gly、Ser34
    Arg、Pro90→Alaの少なくとも1つがなされている、請求項5に記載の
    融合蛋白質。
  7. 【請求項7】 EPOtruncは、そのC末端がEPOまたはEPOmの108
    、98、93、88、85または77位のアミノ酸で終端しているアミノ酸配列
    を有している、請求項1に記載の融合蛋白質(ix)および(x)。
  8. 【請求項8】 該Fcm部分の改変は、Fc受容体への親和性低下を引き起
    こしている、請求項1に記載の融合蛋白質。
  9. 【請求項9】 該リンカーLは、(Gly4Ser)x(x=1〜4)である
    、請求項1に記載の融合蛋白質。
  10. 【請求項10】 該EPO分子またはEPOm分子のシステイン残基の少な
    くとも1つが、遺伝子操作されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の融
    合蛋白質。
  11. 【請求項11】 該EPO部分は、ヒトまたは哺乳動物エリトロポエチンと
    は異なるジスルフィド結合パターンを有している、請求項10に記載の融合蛋白
    質。
  12. 【請求項12】 EPOは、下記のアミノ酸変異: 29位は、Cysではなく、33位は、Cysではなく、88位は、Cysであ
    り、139位は、Cysであることの少なくとも1つを含む、請求項10または
    11に記載の融合蛋白質あるいは請求項1に記載の非融合EPO。
  13. 【請求項13】 前記遺伝子操作されたシステイン残基は、ジスルフィド結
    合を形成している、請求項10〜12のいずれか一項に記載の融合蛋白質または
    非融合EPO。
  14. 【請求項14】 該EPOは、ヒトEPO由来であり、下記の改変: His32→Gly、Ser34→ArgおよびPro90→Alaの少なくとも1つ
    を有している、請求項12または13に記載の融合蛋白質あるいは非融合EPO
  15. 【請求項15】 該Fc融合蛋白質内のEPO部分またはEPOm部分は、
    2量体化している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の融合蛋白質。
  16. 【請求項16】 前記融合蛋白質は、Ig分子全体である、請求項1〜15
    のいずれか一項に記載の融合蛋白質。
  17. 【請求項17】 該Ig分子およびEPO分子は、哺乳動物起源である、請
    求項1〜16のいずれか一項に記載の融合蛋白質。
  18. 【請求項18】 該Ig分子は、ヒトIgGである、請求項17に記載の融
    合蛋白質。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18に記載のEPOの形態のいずれかをコード
    するDNA配列。
  20. 【請求項20】 (a)シグナル/リーダー配列と (b)Ig分子のFc領域と (c)エリトロポエチンの生物学的活性を有する標的蛋白質配列とを含んでな
    る、請求項1に記載の融合蛋白質をコードするDNA分子。
  21. 【請求項21】 請求項19または20に記載のDNAを含んでなる発現ベ
    クター。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のベクターを含んでなる、請求項1に記
    載のEPOの形態の発現に適合する宿主細胞。
  23. 【請求項23】 請求項1に記載の融合蛋白質を生産する方法であって、 (i)N末端からC末端方向に、分泌のためのリーダー配列、該Fc部分およ
    び該EPO、EPOmまたはEPOtruncを含んでなる前駆蛋白質をコードするD
    NAを構築することと、 (ii)前記融合DNAを適切な発現ベクター中に配置することと、 (iii)前記融合蛋白質を真核細胞中で発現させることと、 および (iv)前記分泌された融合蛋白質を精製すること を含んでなる方法。
  24. 【請求項24】 請求項1〜18のいずれか一項に記載のEPOの形態と、
    製薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含んでなる、医薬組成物。
  25. 【請求項25】 少なくとも1つの付加的な薬理的に有効な薬剤および/ま
    たは補助薬を含む、請求項24に記載の医薬組成物。
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