JPH07309890A - アミノ末端アラニンをもつ牛又は豚ソマトトロピンの製法 - Google Patents

アミノ末端アラニンをもつ牛又は豚ソマトトロピンの製法

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Abstract

(57)【要約】 【構成】 翻訳開始シグナル/メチオニンコドンを含有
する1〜約3個の連続したメチオニンコドンが直前にあ
るアミノ末端アラニンのコドンを有する牛又は豚ソマト
トロピンをコードするDNA配列を遺伝子工学的にバク
テリア内で発現させて、アミノ末端アラニンをもつ牛又
は豚ソマトトロピンを産生し、回収するソマトトロピン
の製造方法、並びに、このDNA配列を含有する遺伝子
及び組換えDNAベクター。 【効果】 アミノ末端にアラニンをもつ牛又は豚ソマト
トロピンの遺伝子工学的製法を可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−末端にアラニンを
もつ牛又は豚ソマトトロピンを原核生物内で製造する方
法、並びに、この方法に有用な組換えDNAベクター及
び遺伝子に関する。
【0002】
【発明の背景】遺伝子の発現は、真核生物と原核生物と
で、遺伝子をメッセンジャーRNA(mRNA)に転写
し、その後そのmRNAを蛋白質に翻訳するという共通
の基本的過程を有するが、これら過程での細胞内制御機
構は違ったものが用いられる。
【0003】更に、真核生物においては、成熟蛋白質の
多くが、最初は成熟蛋白質のアミノ酸配列を含んだリー
ダー配列又はシグナル配列と融合したポリペプチドであ
る前駆蛋白質として翻訳される。真核生物のmRNAは
前駆蛋白質の全長をコードし、この全長コードの翻訳後
にリーダーアミノ酸配列部分が除去されて成熟蛋白質と
なる。真核生物細胞においては、そのような前駆蛋白質
を、特定の成熟蛋白質にプロセシングするようになって
いるが、原核生物細胞は、そのような真核生物にあるプ
ロセシングシグナルを通常は認識しない。このため、若
し真核生物のmRNAの完全転写体である相補DNA
(cDNA)を、原核生物内での発現のためのDNA配
列として使用したならば、成熟蛋白質ではなくて、前駆
蛋白質が作られてしまう。前駆蛋白質をin vitr
oで成熟蛋白質に変換することは可能であるが、かなり
高価なものとなる。
【0004】原核生物において、成熟蛋白質のDNA配
列を発現させる場合、この配列は、リーダー配列をコー
ドするDNA配列内に通常含まれている真核生物の翻訳
後プロセシングシグナルと翻訳シグナルとを欠いてい
る。従って、クローン化した真核生物遺伝子又は他の外
来性DNA配列を原核生物内で発現させるためには、効
率の悪さと、真核生物に特異的なシグナルが原核生物の
宿主細胞で認識されない可能性のために、原核生物の制
御シグナルを用いねばならないことが確かめられてい
る。
【0005】本明細書中では、“外来性DNA”とう用
語は、少くとも一部分が宿主細胞のゲノムに通常含まれ
ていない組成を持つDNAであると定義づけられる。外
来性DNAの例としては、ウイルス又は真核生物の遺伝
子、遺伝子断片、対立遺伝子および合成DNA配列等を
含むが、それらに限定されるわけではない。“外来性蛋
白質”又は“外来性ポリペプチド”という二つの用語
は、本明細書中では、組成の少くとも一部が、宿主ゲノ
ムに通常はコードされていない蛋白質又はポリペプチド
であると定義づけられる。
【0006】原核生物の制御シグナルには、転写開始を
指令するプロモーターと、リボソーム結合部位、翻訳開
始シグナルおよび翻訳停止シグナルよりなる翻訳制御シ
グナルが含まれる。翻訳停止シグナル以外のこれらの諸
シグナルは、真核生物の遺伝子、或いは発現すべき他の
DNAの前に位置しなければならない。
【0007】外来性DNA(例えば真核生物遺伝子)を
原核生物で発現させる方法には、幾つかのアプローチが
応用されている。1つの方法は、産物である蛋白質をコ
ードするDNA断片を、バクテリア蛋白質の全部又は一
部をコードするDNAに、そのバクテリアのプロモータ
ーの制御下で連結することである。その上、原核生物の
内在性DNAは、リボソーム結合部位と翻訳開始シグナ
ルとを持つ必要がある。このように連結されたDNAが
発現されると、真核生物のポリペプチドがバクテリア蛋
白質の全部又は一部と結合又は融合して含まれる融合蛋
白質と呼ばれるものが作られる。真核生物の蛋白質をこ
れから分離することは、位置特異的酵素又は化学分解
を、内在する真核生物蛋白質の融合位置に適用すること
によって、又は原核生物ポリペプチドのアミノ酸配列を
選択的に分解することによって達成できる。
【0008】真核生物の融合蛋白質をバクテリアで産生
することに関連した公表された文献としては例えば以下
のものがある。即ち、融合、非融合蛋白質で牛のプレ成
長ホルモン又は牛の成長ホルモン(“bGH”)をカル
ボキシ(C−)末端に含み、原核生物蛋白質をアミノ
(N−)末端に含むか又は含まないものについて、ヨー
ロッパ特許出願公開第47,600号(1982年3月
17日公開);bGHと大腸菌のβ−ラクタマーゼの融
合蛋白質に関した英国特許出願公開第2,073,24
5号(1981年10月14日公開);bGHと大腸菌
のβ−ラクタマーゼの融合蛋白質に関したイー・ケシェ
ット(E. Keshet )らによるNucleic Acid Research
9:19−30(1981);配列中にN−末端に内在性蛋白質
1つをもち、翻訳開始シグナルアミノ酸1つ、エンテロ
キナーゼ開裂部位1つ、及び外来性蛋白質(例えば成長
ホルモン)1つをC−末端にもつような融合蛋白質に関
するヨーロッパ特許出願第95,361号(1983年
11月30日公開)。この融合蛋白質による方法は、し
かし、純化の後に行うイン ビトロでの精製を必要とす
ること、商業的量産に用いる酵素の価格がはなはだ高価
となるために厄介である。
【0009】それでも、融合蛋白質は、幾つかの真核生
物遺伝子、又は他の原核細胞内の異種DNAを発現させ
る場合に、融合して生成した産物である融合蛋白質が、
産物として生成した外来性蛋白質を細胞内分解から保護
するために魅力的なシステムになって来ている。バクテ
リア細胞は、自己の細胞で産生された真核生物蛋白質の
幾つかを異物と認識して、それらが産生後直ちに又は産
生後短時間で分解のための処置をするようである。防護
のために、遺伝子操作された融合蛋白質として、アミノ
末端又はカルボキシル末端のいずれか一方に内在性ポリ
ペプチド配列を配置したものを採用することである。後
者の方法の例は、ヨーロッパ特許出願公開第111,8
14号(1984年6月27日公開)であり、これは合
成前端部(アミノ末端)と、C−末端に大腸菌のβ−ガ
ラクトシダーゼを持つbGHの形態よりなる融合蛋白質
を記載している。しかしこれのもつ利点は、前述のよう
に、外来性蛋白質を内在性ポリペプチドから切り離さな
ければならないことのために、消去されてしまう。
【0010】もう一つの試みでは、バクテリアのプロモ
ーター支配下での翻訳開始シグナルであるATGを、外
来性(例えば真核生物の)蛋白質で、N−末端もC−末
端も内在性蛋白質と繋がっていないものをコードするD
NA配列の直前に配置することである。このような遺伝
子構築で産生された蛋白質は、後に開裂操作により希望
する蛋白質に必ずしもする必要はないけれども、このよ
うな蛋白質は、典型的な場合にはメチオニン(時にはフ
ォルミルメチオニン)をN−末端にもつ。この現象は開
始シグナルであるATGが、メチオニンのコドンでもあ
ることに基づくものである。このようなわけで、所望の
成熟蛋白質がメチオニンで始まる配列を持たない限り、
この蛋白質はN−末端がメチオニン残基の追加で変更さ
れていることとなる。
【0011】上記のような遺伝子構築の例には、ギャラ
ンテ(Guarente)ら(Cell (1980)20:543-553)よるも
のがあり、これによると、N−末端にバリンを持つ兎の
β−グロビン遺伝子がいま述べた方法で構築した遺伝子
を用いて大腸菌中で発現されている。この場合“兎のβ
−グロビンではメチオニン末端を持たず、ロイシンが3
番、14番、28番、31番、32番………の位置にあ
るのに対して、(放射能で)標識した蛋白質では、ロイ
シンが4番、15番、29番、32番及び33番にあ
り、メチオニンが1番にあることを当該研究者らは発見
した。このことは、この蛋白質が、兎のβ−グロブリン
にメチオニンのアミノ末端をが付加され、大腸菌の中で
除去されなかったものであることを示す。この文献の第
546−547頁参照。
【0012】もう1つの例は、上記の遺伝子構築でバク
テリア細胞内での成長ホルモン産生に関するものであ
る。ショウナー等(Schoner et al.、Proc. Natl. Aca
d. Sci.U.S.A. (1984) 81:5403-5407 )によると、バ
クテリアによるbGHの高度発現系は、N−メチオニル
bGHを産生する、即ち天然産のbGHのアミノ酸配列
を持つ化合物のN−末端にメチオニンが付加されたもの
に外ならない。バクテリア中で産生された、種々の成長
ホルモン類のN−末端にメチオニンが付加されること
は、ヨーロッパ特許出願公開第103,395号(19
84年3月21日公開)とヨーロッパ特許出願公開第7
5,444号(1983年3月30日公開)でbGHに
ついて論じられ、シーバーグ(Seeburg )らによりDN
(1983) 2:37-45 で、bGHと豚の成長ホルモン
(“pGH”)で論じられている。
【0013】天然物のN−末端に、N−末端メチオニン
が付加することは、幾つかの理由で望ましくない。第一
は、そのメチオニンの存在する蛋白質は、N−末端メチ
オニンの無い形態のものを内在性蛋白質としている生物
で抗原として働くかもも知れない(現時点では、あり得
そうもないと信じられているが)ことである。第二は、
N−末端にメチオニンが付加すると、その蛋白質の生理
活性又は物理的な性質に好ましくない影響を与える可能
性があることである。第三は、蛋白質の形状が変更され
ているため、天然蛋白質の機能と構造との関係を決定す
る科学的努力を妨げるかも知れないことである。更に、
生合成蛋白質を、天然産物蛋白質と出来る限り近似の構
造にして置くことが、医学的、獣医学的使用の為に政府
の承認を得るに際して有利なことである。
【0014】N−末端メチオニンを、その蛋白質の産生
中又はその後に蛋白質から取除く能力のあるバクテリア
のような原核生物は、従って非常に興味のある話題であ
る。例えば、ウェラー(Waller)は、J. Mol. Bi
ol. (1963) 7:483-496で無細胞大腸菌抽出液から得た
“可溶性”蛋白質およびリボソーム蛋白質についてN−
末端アミノ酸配列を調査している。また、ヨーロッパ特
許出願公開第103,395号(1984年3月21日
公開)は、大腸菌で産生された真核生物蛋白質から、N
−末端メチオニンが除去されることを明らかにした。即
ち、バクテリアで産生された二種のbGHでどちらも元
来あるN−末端メチオニンの直後にセリンを持つものの
うちの一つからメチオニンが特異的に取除かれている。
この研究に用いられた遺伝子構築では、しかし、5′−
メチオニン−セリン−ロイシン−3′の為の開始シグナ
ルをコードする部分を合成して、bGHの5′端に接し
て挿入されていて、その挿入部では、天然にある蛋白質
で最初の4分子又は9分子に当る諸アミノ酸をコードす
る部分が欠けている。こうして大腸菌で産生される蛋白
質は、天然には産生されない蛋白質であった。英国特許
出願公開第2,073,245号(1981年10月1
4日公開)は、成熟bGH蛋白質で、メチオニンとプロ
リンがアラニンと入れ換っている時、“メチオニンはバ
クテリアで、アミノ酸配列、プロリン、フェニルアラニ
ン、アラニン、プロリンで始まる改変されたbGHとし
て産生される”ことを明らかにした。
【0015】このように、バクテリアのような微生物に
異種(例えば真核生物の)蛋白質を、N−末端メチオニ
ンを持たせずに製造するための経済的でかつありふれた
手段の開発が必要である。更に、バクテリアで作られた
蛋白質が、細胞外での発酵後の処理を必要とせず、しか
も天然物に無いN−末端メチオニンの付加が起らない方
法の開発が特に望まれる。
【0016】成長ホルモン(ソマトトロピンとも呼ばれ
る)は脳下垂体細胞で作られ分泌されるポリペプチドで
あり、その作用は多くの場合、種特有である。それは骨
格の生育を促す役割の外に、乳汁分泌促進、膵臓からの
インシュリン分泌とグルカゴンの分泌増大などの代謝過
程への作用、更に脂質移動の作用を発揮する。例えば牛
にbGHを外部投与すると、産乳量、飼料効率および/
又は成長率が増し、肥育期間を短縮し、赤身/脂肪比を
良くする。しかし、ホルモンがどうしてこれらの多重的
な効果を発揮するのかは未だ十分には判明していない。
【0017】ヒトの成長ホルモン(hGH)の広範な研
究によって、このホルモンが脳下垂体から分泌されると
きは、1種類の分子としてではなく、幾つかのポリペプ
チドの混合物であることが確認されている。種々のhG
H種を分画すると、そのうち幾つかの画分は、糖尿病誘
発性作用もなく油脂分解作用もない。
【0018】同様に、牛のbHGでも、複数の種類が産
生される。特に、これら4種のbGHは、蛋白質の2ケ
所が相互に違って産生される。N−末端のアミノ酸は、
シグナルペプチド(リーダーペプチド)アミノ酸配列の
除去における予想される多様性からみて、変わりうるも
のであって、その結果成熟蛋白質はNH2 −フェニルア
ラニン−プロリン又は、NH2 −アラニン−フェニルア
ラニン−プロリンのどちらかで始まることとなる。更
に、126番のアミノ酸がロイシンであるかバリンであ
るかによる不均一性もある。この現象は明らかに、牛の
集団中にある対立遺伝子の変異によるものである。ウォ
ーリス(Wallis (1969) FFBS Letters 3:118-120 );
フェローズ及びロゴール(Fellows & Rogol(1969) J. B
iol. Chem244:1567-1575 );フェルナンデス等(Ferna
ndez et al (1971) FEBS Letters18:53-54 )、フェロ
ーズ(Fellows (1973) Recent Progress in Hormone R
esearch 29:404)の私的論評;サントム(Santome (1
973) Eur. J. Biochem 37:164-170);グラフ及びリー
(Graf & Li (1974) Biochem. Biophys. Res. Comm. 5
6:168-176 )参照。脳下垂体のbGHの4つの型(種)
は、本明細書中では次のように定義し、略称する:
【0019】
【表1】
【0020】尚、上記の式中、Pheはフェニルアラニ
ンを、Proはプロリンを、Leuはロイシンを、Al
aはアラニンを、Valはバリンを示す。
【0021】bGH(A,V)およびbGH(V)種は
ときとして集合的に本明細書中では、バリン“対立形質
bGH種”または“バリンbGH種”と称する。同様
に、bGH(A,L)またはbGH(L)種は集合的に
“ロイシン対立形質bGH種”または“ロイシンbGH
種”と称する。上述のように該bGH中のアミノ酸に割
り当てられた数字は同定と参照の目的のみに使用した。
【0022】マイルス等(Mills et. al. (1970)、J. B
iol Chem. 245:3407-3415 )は同様に豚の成長ホルモン
の2つのシアン化ブロム画分が、それぞれのN−末端で
非相同であることを確認した。特に、1画分はN−末端
がフェニルアラニンであり、もう一方はN−末端にアラ
ニンを持つ。これらpGHの分子型は、それぞれpGH
(P)とpGH(A)と略称する。
【0023】bGH(L)とpGH(P)の全DNA塩
基配列と、対応するアミノ酸配列は、シーバーグ等(Se
eburg et. al., DNA (1983) 2:37-45)により発表さ
れ、これを本明細書中に参考として取り入れるものとす
る。
【0024】個々の牛の脳下垂体細胞は、通常、少くと
bGH(AL,L)とbGH(L)との混合物又はbG
H(A,V)とbGH(V)の混合物を含むことが判明
している。培養脳下垂体細胞中に産生されたbGH蛋白
のN−末端の分析はN−末端にフェニルアラニンまたは
アラニンのいずれかを含む分子のほぼ50:50の混合
物であることが示されていた。多数の牛個体の脳下垂体
を用いて作られた市販品は、通常脳下垂体bGHの4型
全部を含んでいる。更に、プールした下垂体から得たb
GH製剤中の分子の約30%は126位にロイシンにか
わりバリンを含むことが報告されている。フェランデツ
(Ferandez)等FEBS Letters 18:53-54(1971) 参照。
これらの既知4型の生物学的活性の差異をしらべること
と、それぞれの型を実質的に他の3つの型のひとつまた
はそれ以上を含まないものの形態で、及び又はウシ由来
の他の蛋白を含まないものを市販できるようにすること
が望まれる。本明細書中で特定の蛋白を表すのに使用す
る用語“実質的に純粋”とは、天然の環境下またはソー
スでは該蛋白と結合している蛋白および/または他の物
質を実質的に含有しないことを意味する。上記の目的及
びその他の目的から、本発明には、少くともこれらの個
々のbGHを若干でも容易に生産できるようにする方法
も含むものである。
【0025】従って、真核生物またはその他の外来性ポ
リペプチドであって、N−末端にメチオニンを有しない
ものを原核生物で産生させることが本発明の目的の1つ
である。
【0026】本発明のもう1つの目的は、N−末端メチ
オニンを除去するためにイン ビトロ操作を必要としな
い、真核生物又はその他の外来性ポリペプチドを原核生
物で産生することである。
【0027】本発明の更にもう1つの目的は、イン ビ
トロ操作を必要とせずに、N−末端にアラニンを持つ真
核生物又はその他の外来性ポリペプチドを、原核生物で
産生する方法を提供することである。
【0028】本発明のもう1つの目的は、アミノ酸配列
が、N−末端メチオニンを持たない天然のものと実質的
に同一である真核生物又はその他の外来性ポリペプチド
を原核生物で産生することである。
【0029】本発明がさらに目的とするものの1つは、
bGH(A,L)、bGH(A,V)及びpGH(A)
など、真核生物の成熟ポリペプチドで見出されるものの
アミノ酸配列を有するポリペプチドを原核生物で産生す
る方法を提供することである。
【0030】本発明の更に次の目的は、牛や豚起源の蛋
白質を実質的に含まないbGH(A,L)、bGH
(A,V)又はpGH(A)を提供することである。
【0031】本発明の更にもう1つの目的は、乳牛の産
乳量を有利に著しく増加させる一連のbGH種を提供す
ることである。
【0032】本発明の方法で産生したbGHポリペプチ
ドは、乳汁分泌量の増加、成長率及び/又は飼糧効率向
上などのソマトトロピン活性を可能にする手段を提供す
る。
【0033】本発明の上記およびその他の目的は、以下
に示す説明から明らかであろう。
【0034】
【発明の要約】本発明のこれらの目的は、一つの実施態
様において1〜約3連続のメチオニンコドンを有し、か
つ、開始シグナルを一つ含有するものと、その直後に続
く外来性ポリペプチド用のコドンと、更にその後に翻訳
停止シグナルコドン1つを有するゲノムDNAを特定の
バクテリアで発現させ、該バクテリア中に生成したN−
末端アラニンを有する外来性ポリペプチドを回収するこ
とよりなる該N−末端アラニンを有する外来性ポリペプ
チドを産生する方法によって達成される。
【0035】もう1つの実施態様としては、本発明は特
定のバクテリア中で翻訳開始シグナル/メチオニン コ
ドン1つと、その直後に続く外来性ポリペプチドのコド
ンと、更にその後に続く翻訳停止シグナル1つを含有す
るゲノムDNAを発現させ、該バクテリア中に生成した
N−末端アラニンを有する外来性ポリペプチドを回収す
ることよりなる該N−末端アラニンを有する外来性ポリ
ペプチドを産生する方法を提供するものである。
【0036】更に他の実施態様として、本発明はバクテ
リア内で天然の真核生物ポリペプチドと実質的に同一の
アミノ酸配列を有する外来性ポリペプチドを生産する方
法を提供するものである。
【0037】その他の実施態様としては、本発明はbG
H(A,L)、bGH(A,V)、pGH(A)又はb
GH(A,L)とbGH(A,V)の混合物から選ばれ
たもので、かつそれぞれ、牛若しくは豚起源の、又はそ
の他のソマトトロピン種のポリペプチドを含まない一つ
のソマトトロピンを含有する組成物を提供するものであ
る。
【0038】また、他の実施態様としては、ロイシンを
含有すること以外は同等であるロイシンbGH種または
bGH(A,L)よりも著しく乳牛の産乳量を増加させ
る一連のバリンbGH種よりなる組成物を見いだしたこ
とである。好ましい一態様としては、実質的に純粋なb
GH種よりなり、かつかかる産乳量の増加を可能とする
ための組成物を提供せんとするものである。
【0039】その他の実施態様としては、牛及び/又は
豚の乳汁分泌を促進し、成牛又は成豚前の成長、及び/
又は飼糧転換効率を高めるために前述の組成物を使用す
る方法並びに前述の方法に有用な種々の遺伝子、DNA
ベクター及び形質転換されたバクテリアが含まれる。
【0040】以下図面を参照しながら更に本発明につい
て説明する。
【0041】以下の各図面において、斜線の入った箱形
は、バクテリア プロモーターのDNAコーディング配
列を示し、黒塗りの箱形は、異種DNAのコーディング
配列、棒形は標識しているように、追加DNAコーディ
ング配列、そして方向矢はDNAコーディング配列の
5′から3′への方向を示す。関連制限酵素の作用部位
も又示してある。DNA上の位置で、しかるべくマーク
してある部分は、表示の目的で行ったもので、比例尺に
合わせて描いたものではない。
【0042】第1図は、M13mp8/BGHex-1の構築
を示し、このものは、M13mp8ベクターのそのSma
I制限酵素(開裂)部位に1つのXbaI制限酵素(開
裂)部位を挿入したものよりなる。
【0043】第2図は、M13mp8/BGHex-1の構築
を示し、このものは、bGH(L)DNAコーディング
配列を保持するM13mp8/XbaIよりなる。
【0044】第3図は、bGH(A,L)DNAコーデ
ィング配列の、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異
誘発による作製を示す。
【0045】第4図は、bGH(A,V)DNAコーデ
ィング配列の、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異
誘発による作製を示す。
【0046】第5図は、pMON3208発現ベクター
の構築を示し、このものはbGH(L)DNAコーディ
ング配列の代わりにbGH(A,L)DNAコーディン
グ配列を含むpBGHex-1よりなる。
【0047】第6図は、pMON3215発現ベクター
の構築を示し、bGH(L)DNAコーディング配列の
代わりに、bGH(A,V)DANコーディング配列を
持つpBGHex-1である。
【0048】第7図は、M13mp9/PGHex-1の構築
を示し、このものはpGH(P)DNAコーディング配
列を保持するM13mp9よりなる。
【0049】第8図は、pGH(A)DNAコーディン
グ配列の、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発
による作製を示す。
【0050】第9図は、pBGHex-1* の構築を示し、
このものは、ptrpDNAコーディング配列の5′端
の上流に位置するEcoRI制限酵素作用部位が除去さ
れているpBGHex-1よりなる。
【0051】第10図は、pMON3213発現ベクタ
ーの構築を示し、このものは、bGH(L)DNAコー
ディング配列の代わりにpPGH(A)DNAコーディ
ング配列を有するpBGHex-1* よりなる。
【0052】
【詳細な説明】本発明は、真核生物(例えば、哺乳動物
や鳥類)由来のものでN−末端にアラニンを持つ外来性
ポリペプチド蛋白質を原核生物内で生産する方法を提供
せんとするものである。このようにして生産されるポリ
ペプチドは、N−末端メチオニンを持たないので、N−
末端メチオニンの無いポリペプチドを得る為のイン ビ
トロ操作が不要である。遺伝子コーディング配列には存
在するのに、N−末端にメチオニンを欠くポリペプチド
を一貫生産することは新規で、かつ、全く予期しなかっ
た結果である。
【0053】本発明は、N−末端にアラニンを有する実
質的に純粋な蛋白質を生産する価値高い方法を提供せん
とするものである。そのような蛋白質には、牛又は豚の
ソマトトロピンの一定種とその変異体、植物蛋白質のリ
ブロース−1,5−二燐酸カルボキシラーゼの小サブユ
ニット、グルタチオンS−トランスファラーゼ、及び熱
ショック蛋白70などがあるが、これらに限定されるも
のではない。本発明はまた、その他のポリペプチドで、
N−末端にメチオニンではなく、アラニンがあることが
望ましいものを生産するのに有用である。N−末端がメ
チオニンではなくアラニンであることが望まれる場合は
あり得る。とりわけ、N−アラニル型のポリペプチドは
免疫原性が弱く、又は異なった物理特性を持ったり生物
学的作用が改変されたりすることが少ない。
【0054】bGH又はpGHの実質的に純粋な種をバ
クテリアによって産出する本発明の具体例に関して、従
来技術はN−末端からのメチオニンの除去に関する証拠
も教示も明らかに欠いている。実際、バクテリア内でb
GHを作らせた文献でN−末端が天然に存在するbGH
種と同類のN−末端アミノ酸配列よりなるN−末端は、
全部N−末端にメチオニンを持つと報告している。シー
ブルグ等(Seeburg et. al. DNA (1983) 2:37-45の44
頁)は、bGHの一種、例えば、N−末端がフェニルア
ラニンになる遺伝子配列をこと更にbGH(L)の大腸
菌内での発現のために選んでいるが、これは1つには、
他のbGH種であるbGH(A,L)の疎水性のN−末
端アラニンに更に2つ目の疎水性のアミノ酸(メチオニ
ン)を付加することを避けるためである。このように今
日迄に知られている研究結果は、バクテリアを用いて作
られたbGHのN−末端にメチオニンが保持されること
を教示している。これらの報告に満足できず、前述の理
由でbGHの2種、bGH(A,L)とbGH(A,
V)とpGHの1種pGH(A)を生産する必要がある
と本発明者は判断した。しかし、これらソマトトロピン
種をバクテリア内で産生するには、産生されるポリペプ
チドがN−末端メチオニンを持つものと予測しなければ
ならなかった。
【0055】本発明の実施例で詳述するように、本発明
者が行ったバクテリアでのbGH(A,L)、bGH
(A,V)及びpGH(A)の産生へのアプローチは、
次のように要約される。
【0056】前記の蛋白質をコードするDNA配列は、
オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発を、フェニ
ルアランをN−末端に持つ牛及び豚ソマトトロピンDN
Aコーディング配列中に、第3図、第4図、第8図に示
すように生起させて構築した。その後に、bGH(A,
L)、bGH(A,V)及びpGH(A)をコードする
配列を発現ベクターに挿入し、遺伝子の配列順が、プロ
モーター1つ、リボソーム結合部位1つ、ATG開始/
メチオニン コドン1つを、bGH(A,L)、bGH
(A,V)又はpGH(A)のコーディング配列に直接
に接して先行させ、最後に翻訳停止コドンを配置させた
ものよりなる。次に一定の発現ベクターで、所望の遺伝
子配列を持ったものを大腸菌に感染させ、それを所望の
外来性DNAが発現され、所望の異種蛋白質が産生され
る条件で培養した。こうして産生された蛋白質は、アミ
ノ酸配列を確認し、適切な生物学的活性について検査し
た。
【0057】このようにして、開始シグナル/メチオニ
ン コドンを有し、その直後に外来性N−アラニル ポ
リペプチドをコードする配列が続いているDNA配列を
発現させると、原核生物から回収される蛋白質は、メチ
オニンではなく、アラニンをN−末端に実際に有するこ
とを見出した。アラニンのコドンの直前に、3つ以下の
連続したメチオニンのコドンがあり、そのメチオニン
コドンに所望のポリペプチド産物のコードを転写したm
RNAが翻訳開始シグナルコドンを含むときには、同様
の結果が得られるものと信じられている。例えば、翻訳
開始シグナルと、所望のポリペプチド産物をコードする
DNAは、適切にメチオニン アラニン、メチオニン
メチオニン アラニン、メチオニン メチオニン メチ
オニンアラニン又はそれらのものの機能的な均等物であ
ればどんなコーディング配列でも差支えない。
【0058】本明細書においてN−アラニル ポリペプ
チドは、アラニンをアミノ末端に持ったポリペプチドと
定義する。本発明者は下記の機構の説にしばられること
を好まないが、翻訳の後に、メチオニンのN−末端が、
次のアミノ酸がアラニンか又はN−メチオニン除去を容
易にする類似の性質を有するもの(例えば極性や疎水性
において)であれば、原核生物によって酵素的に除去が
行われるものと信じられる。更に、外来性及び/又は内
在性のポリペプチドで該N−末端メチオニンが直接アラ
ニンの隣りにあるときには、どんな原核生物でもN−末
端メチオニンを除去することができると信じられてい
る。
【0059】このような原核生物(例えば、ATCCな
どの良く知られた微生物寄託機関から一般大衆が入手可
能な種々の既知バクテリア)には、大腸菌及びその種々
の菌株を含むが、これに限定されるものではない。実
際、N−末端アラニンを有するポリペプチドを、1から
約3の連続メチオニン コドンで始りその直後にアラニ
ンのコドンが続くDNAコーディング配列から作ること
の能力を有する原核生物は、本明細書において開示した
本発明の実施に潜在的に使用可能である。市販され又は
それ以外の方法で入手可能な原核生物は、そのようなN
−アラニル ポリペプチド生産能力について、該生物の
ゲノムに該生物で作用するプロモーター、リボソーム結
合部位をコードしたDNA、1から約3個の連続メチオ
ニン コドンで、その中に翻訳開始シグナルを持ち、そ
の直後に外来性N−アラニル ポリペプチドをコードす
る配列と翻訳停止シグナルが続く遺伝子を挿入し、次い
で該遺伝子を発現させ、そして、このように産生された
ポリペプチドのN−末端アミノ酸配列を同定することに
よってスクリーニングすることができる。このような外
来性N−アラニル ポリペプチドをこのような原核生物
が内部産生するのを見出した場合には、該生物は、本明
細書の記載中でいうところの“選抜された”と定義され
た部類に属するものである。
【0060】本発明の実施に際して好ましい菌として
は、大腸菌K12株由来の3種の単離体があり、いずれ
も、メリーランド州ロックビル市のアメリカ タイプ
カルチャー コレクションに寄託されて居り、寄託番号
としてATCC 39936、53010、および53
009が割り当てられていて、該N−末端メチオニンの
直後にアラニンが続いている場合にN−末端メチオニン
を除去する能力を示す。
【0061】このことは原核生物で、N−末端がアラニ
ンである外来性ポリペプチドを作らせる方法を提供する
こととなるので有意義なことである。
【0062】本発明の方法の好ましい実施態様の1つ
に、2つのbGH種、bGH(A,L)とbGH(A,
V)及び1つのpGH種であるpGH(A)を、牛や豚
の他の蛋白質や他種のbGH又はpGHを含まない形で
それぞれ産生させる方法がある。特に、この方法はbG
H(A,L)、bGH(A,V)又はpGH(A)を単
一種として生産することを可能にする。天然のソマトト
ロピンと同類のアミノ酸配列を有するbGH又はpGH
種を夫々単独に生産する能力は、各bGHやpGH種の
既に一般的に述べたbGH種とpGH種との潜在的機能
によってもたらされる生物学的反応性を正確に決める上
で大きな意義を有し、実際、2つのN−アラニルbGH
種のどちらか一方だけの投与で、例えば、産乳のような
bGHの機能を発揮することを見出した報告がある。更
に、ある研究では、本発明に従って産生したbGH
(A,V)を乳汁分泌促進量投与することで、同様に作
出したbGH(A,L)を投与した場合より、乳牛の産
乳量が統計学的に(例えば、P<0.05)著しく増進
することが見出された。
【0063】産乳中の哺乳動物の産乳量増加についての
特定のbGHの形態(種)に関する相対的効果に対する
教示は今までのところ無い。更に、bGH種間の生物活
性についての差異に関して、イン ビトロ、イン ビボ
共に示唆する先行文献は無い。よって、バリン対立形質
のbGH種がロイシン対立形質のbGH種よりも産乳量
の増加効果がより大きいと言う知見は驚くべきことであ
り、又予期せざるものである。この所見は更に飼料効率
増加や成育促進のような他の成長ホルモンとしての性質
を増強する作用についてもbGH種の相対的効果の差異
を同様に明確化できることを示唆している。このよう
に、実質的に純粋な形態で脳下垂体のbGHの少なくと
も二種の分子形態をバクテリア中で産生させる本発明の
方法を用い、及び/又は他の利用可能な技術を用いて、
特定の成長ホルモンにより誘導化された反応を達成する
のに最も効果的なbGH種が得られる。そのような利用
可能な技術には、全bGH蛋白又はその断片の化学合
成、及び/又は既知の組換えDNA技術を使用した酵母
などの他の微生物又は哺乳動物の細胞中での産生も含む
が、これらに限定される訳では無い。
【0064】加えて、天然に存在する夫々の種の生物活
性が一度決定されると、各種毎に既存のものより、ソマ
トトロピン活性が増大したポリペプチド変異体を作るこ
とが可能となると考えられる。従ってソマトトロピンの
変異体を、ヌクレオチドかアミノ酸の欠失、置換及び/
又は付加により作製することにより、ここで開示した組
成物に相当する有用なものを種々作製できるものと思わ
れる。そのような変異体としては、bGH(V)の変異
型で、メチオニンをアミノ末端に付加することをも含
む。そしてこのような変異体は、遺伝的に形質転換され
たバクテリアで作られ、乳汁分泌を促進する量投与する
ことで乳牛の乳汁分泌を驚く程増大することが見出され
た。
【0065】更に、bGH(V)変異体の投与に関連し
産乳について観察された増加の程度は、126位のアミ
ノ酸がロイシンであることを除きその他の点では同等で
ある変異体の投与に関連して観察された産乳量の増加よ
りも測定可能な程に著しいことが判明した。
【0066】本出願人は以下の機序に関する理論に拘束
されることを望まないが、126位のロイシンの代わり
にバリンで置換すると有意にこのようなソマトトロピン
蛋白のバイオアビリティ及び/又は生物反応性を増加さ
せるようである。特に、ソマトトロピン蛋白について実
施したX線結晶学は、該蛋白のアミノ酸約90位から約
135位の領域は比較的(構造的に)柔軟性に富む領域
を構成していることを示している。その他の蛋白の研究
から柔軟性に富む領域はしばしば生物反応性部位(即
ち、生物活性形態を達成するために、生物学的受容体及
び/又は同一の蛋白の他の部分と相互に反応する部位)
よりなる。かくして、bGH(A,V)の追加の変異
体、例えば、ここに記載の柔軟性に富む領域内及び/又
はこの領域外で(ロイシン以外の点を除き)その他の点
では同等であるロイシンbGH種又はbGH(A,L)
よりも多く乳汁分泌(即ち、産乳量)を測定可能な程増
加させる結果となるアミノ酸の置換、欠失、付加及び/
又は逆位よりなる変異体が作製可能である。例えば、上
述の産乳量の増大を耐え難いほどは減退させないで、1
26位又はその付近のアミノ酸を替えることの中には
(ロイシンに比較して)他のより疎水性及び/又はより
小さいアミノ酸による置換をも含むものである。
【0067】更に、N−末端phe1 又はN−末端al
-1を有するバリンbGH種は、乳牛に投与すると上述
の如く産乳量を増加させることができることが想起され
る。また、天然に存在するbGHの末端と実質的には差
異のないアミノ末端における変更(例えばmet-1
は、(ロイシン以外の点を除き)その他の点では同等で
あるロイシンbGH種又はbG(A,L)よりも測定可
能なほどに著しく産乳量を増大させるバリンbGH種の
能力について耐え難いほどには阻害しないであろうこと
もまた想起されうることである。更に、プールした脳下
垂体bGH調製物中のバリンbGH濃度が、(その中に
含まれる)全bGHの重量にもとづいて(比較すると
き)、同様にロイシンを含むものの濃度より実質的に高
い濃度であるbGH組成物は、上記の結果を同様に達成
するであろうことも容易に想起されることである。
【0068】最も広範囲な本発明の実施態様としては、
組換えDNA技術の手法を、原核生物内で外来性ポリペ
プチドを直接生産できるように極限まで改良したことで
ある。本明細書中の記載では、ポリペプチドをコードす
るDNAを分離し、クローン化し、クローン化DNAの
塩基配列を再配列したり改変したりしたが、これらはク
ローン化したり改変したりしたDNA配列で微生物を形
質転換する基礎技術の知識を前提とするものである。こ
のような技術は、この分野における常套手段である。
(例えばマニアチス、フリシュ、サムブルック)編 Man
iatis, Fritsch及びSambrook, Molecular Cloning:A La
oratory Manual;1982年を参照)。
【0069】外来性DNAの分離及び/又は構築 本発明の実施態様の一つとして、原核生物内で作らせる
所望の外来性ポリペプチドをコードするDNA配列を選
抜分離するか、そのコーディング配列のDNAを構築す
るか或いは化学合成をする。多くの重要な実施態様にお
いては、そのポリペプチドは真核生物蛋白質である。若
しこのポリペプチドが小さく、アミノ酸配列が既知の場
合、合成DNA分子、換言すれば、そのポリペプチドを
コードする配列を有するDNAは合成できる。若しその
ペプチドのアミノ酸配列が未知であり、又は対応するD
NA配列が長過ぎて合成には向かない場合には、cDN
A(相補DNA)を該ポリペプチドを発現する組織や細
胞から得た対応するmRNAから逆転写して調製するこ
とができる。例えば、本発明の実施態様の1つに、グッ
トマン等(Goodman et al :Methods in Enzymology
68:75-90 (1979) )に説明され、今では常法になってい
る方法で、牛の脳下垂体から得たものを用いてbGHD
NA配列を作製することができる。或いは、cDNA配
列は、天然ジーンバンクからゲノムDNAを分離して、
それによって形質転換を受けた細胞からmRNAを適当
なプローブを用いて単離し、それからの逆転写で作製す
ることができる。ゲノムDNAは、原核生物でDNAが
発現されるような種々のベクター系の中で改変すること
ができる。これらの技術は、常套手段の範囲内にある。
【0070】一度所望のポリペプチドに関する諸コドン
を揃えた外来性DNA配列が手に入ると、その分子の核
酸配列を改変しようと言う欲求が生じるだろう。例え
ば、mRNAの鋳型からDNA分子を逆転写で作製した
とすると、少なくとも蛋白質のリーダー配列をコードし
たDNA部分が含まれることがしばしば起こる。こうな
ると、所望の蛋白質に関する最初のコドンより前の部分
に当るリーダー配列DNA部分を全部取り除くことが必
要となる。場合によっては、所望の蛋白質のN−末端の
コドンがアラニン コドンである場合以外は、アラニン
コドンを所望の蛋白質に関する諸コドンの先端部に付
加したり、又はその先端部を置換したりする必要が生じ
ることがある。その時には、翻訳開始シグナル(それ
は、メチオニンのコドンでもある)がアラニン コドン
に接して直ぐ上流に挿入される。その開始/メチオニン
のコドンは通常(そして好ましくは)ヌクレオチド配列
ATGであるが、時にはGTGが開始/メチオニンのコ
ドンに使われることがある。その上、1つ以上2、3又
は更に多くの連続したメチオニン用諸コドンがあって
も、本発明の方法の範囲内に含まれるものであることは
言うまでもない。
【0071】若し既に存在していないならば、最少1個
の翻訳停止シグナルが、C−末端アミノ酸用コドンの後
に挿入されていなければならない。停止シグナルの例と
しては、デオキシ核酸トリプレットのTAA、TGA、
及びTAGである。従って、主要点は、翻訳開始シグナ
ル/メチオニン コドンに、所望のポリペプチドでN−
末端がアラニンである諸コドン連鎖が直ちに従い、それ
のC−末端アミノ酸用コドンの後に続いて最少1つの停
止シグナルが来ると言う順序になるような組換えDNA
を、DNA組換え技術を用いて構築すると言うことであ
る。
【0072】mRNAの中に、二つの核酸塩基の相補的
なシリーズの水素結合によって形成される二次構造を作
って、それがmRNAの効率良い発現を妨げる場合があ
ることが知られている。このような相補的配列が、特に
N−末端部分をコードしている場所に存在すると、それ
を除去することがリボソームのmRNAへの結合を助け
るので、これにより発現の水準が高められる。
【0073】このことから、このような二次構造に関与
する諸コドンを、同じアミノ酸を意味するが、他の塩基
組合せの核酸トリプレットと交換することが望ましい。
ヨーロッパ特許出願公開第75,444号(1983年
3月30日公開):シーブルク等(Seeburg et al 、(1
983) DNA 2:37-45)及びショーナー等(Shoner etal
(1984) Proc. Nat'l Acad. Sci. U.S.A. 81:5403-540
7)参照。
【0074】他の外来性DNA配列構築の方策はこの分
野において通常の知識を有する者にとって自明のことで
ある。例えばN−末端が、NH2 −met−x−y……
の構造で、xがアラニン以外のアミノ酸であるようなポ
リペプチドをコードするDNAがある場合、翻訳開始シ
グナル/メチオニン コドンと、x用のコドンとの間に
アラニン コドンを挿入するとができる。こうして、N
−末端構造がNH2 −ala−x−y……又はNH2
ala−y……になったポリペプチドが、本発明による
方法を使って、夫々生産できる。
【0075】同様にして、任意のアミノ酸用のコドンの
欠失、付加及び/又は置換を所定の遺伝子配列内で行う
ことが可能で、このことにより本発明は、かかる方法に
よって変異ポリペプチドを発現することができる。“変
異”ポリペプチドは、本明細書中では、所定のポリペプ
チドが天然に持つアミノ酸配列に対し、1つ又は複数の
アミノ酸の欠失、置換及び/又は付加をもつポリペプチ
ドと定義する。そのような“変異体”の例は、met−
bGH(L)およびmet−bGH(V)を含み、しか
しそれだけに限定されるものではないが、これらの変異
bGH種のアミノ酸配列が、N−末端に付加されたメチ
オニン以外は天然に牛の脳下垂体細胞で生産されるbG
H(L)及びbGH(V)と同一のものである。これら
変異ポリペプチドは、その生物活性が許容できない程に
消滅しない限り、天然ポリペプチドと実質的に同一アミ
ノ酸配列を有するように構築される。変異ポリペプチド
の作出とその発現は、蓄積量の増加、蛋白安定性の増
大、ポリペプチド純化の助長、及び/又は生物活性を最
適にすることなどのために望まれる。
【0076】上記した、所望のポリペプチドをコードす
る配列を持つDNAの構築は、制限酵素、エキソヌクレ
アーゼ、エンドヌクレアーゼなどを用いて、この分野に
おける通常の知識を有するものが既に知っている方法で
達成できる。オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘
発の一般技術も、上記の、DNA構造又は配列の改変を
実施するのに使用することができ、この分野における通
常の知識を有するものは既に知っていることである。例
えば、ゾーラー及びスミス(Zoller & Smith (1982) Nu
c. Acids Res. 10:6487-6500 );ゾーラー及びスミス
(Zoller & Smith,(1983) Meth. Enzymol. 100:468-
500 );ノーリス等(Norris et al,(1983) Nuc. Aci
ds Res. 11:5103-5112)参照。
【0077】組換DNA技術により、所望の異種DNA
配列が得られれば、この配列は、DNA配列を増やす手
段となる適切なクローニング ベクターに挿入される。
適切なクローニング ベクターを使用する場合、どれで
もマーカー機能があることが望ましく、その例として、
大腸菌プラスミド ベクターでColEIを持つものに
ついては、ハーシフィールド等(Hershfield et. al,Pr
oc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A. (1974) 71:3455;pBR3
22) 、ボリバー等(Boliber et al,Gene(1977)2:95;p
BR325) 、ソベロン等(Soberon et. al ,Gene(1978)
4:121)に;及びpKC7については、ラオ等(Rao et al,
Gene(1979) 7:79) に;及び大腸菌バクテリオファージ
ベクターでシャロン(Charon)λL47.1を含むものにつ
いては、ローネン等(Loenen et al ,Gene(1980)10:24
9)に;更に、M13mp8とM13mp9については、メッ
シング等(Messing et al,Gene(1982)19:269)に記載さ
れている。該DNA配列をクローニング用ベクターに挿
入して、組換ベクターとする一般技術は、この分野にお
ける通常の知識を有するものにとっては常套手段であ
る。例えば、フリッシュ及びサムブルック(Fritsch & S
ambrook)編MolecularCloning :A Laboratory Manual
;Maniatis,(1982)参照のこと。
【0078】所望の外来DNA配列の複製物が沢山得ら
れれば、これらの配列を以下に詳述する如く組み換えベ
クターから除去して所望の外来性蛋白を産生させ単離す
るための発現システムへと挿入できる。該外来性DNA
配列の改変は、発現ベクターへの該配列の挿入に先立っ
て、あるいは該挿入にひきつづいて、この分野における
通常の知識を有するものに知られた方法により行なうこ
とが可能である。
【0079】本発明における実施例においては、メッシ
ング等(Messing et al,Gene(1982)19:269)が記述して
いる如く第1図に示すXbaI制限(酵素)部位を含む
ように改変したM13mp8と、同上文献に記載されてい
るM13mp9を共に、クローニング ベクターとして用
いた。これらを総称して“M13ベクター”と呼ぶ。M13
mp8及びM13mp9ベクターは、組換ベクターを、二
重鎖(ds)又は複製型(RF)の、及び一重鎖(S
S)型のDNAとしてでも分離できる。RF型DNA組
換ベクターを単離すれば、後に複製した所望のDNA配
列を、第5図、第6図、第10図に示すように、発現ベ
クターに挿入することも可能になる。一方、一重鎖型の
組換DNAを単離すれば、所望のDNAの配列決定、発
現に際して正しい5′→3′方向性を有するベクターの
単離、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発技術
によるDNA配列改変が、第3図、第4図及び第8図に
示すように可能になる。更に、これらのM13ベタクー
は、真核生物の遺伝子塩基配列の標準的な全長をクロー
ニングするのに十分な、4キロベースに亘る遺伝子断片
を収容することができる。
【0080】M13ベクターに採用された標識機能には、
メッシング等(Messing et al,Gene(1982)19:269)が述
べたように、β−ガラクトシダーゼについての酵素が含
まれる。特に、所望の外来性DNA配列が、M13上のl
acZ遺伝子断片に挿入され、その結果、このM13上の
LacZ断片は、宿主細胞(例えば大腸菌JM101)
の染色体DNAが持つlacZ遺伝子断片の一部との正
常な相補関係が乱され、そのため該宿主は、バクテリア
成育培地に含まれているラクトースを、もはや代謝する
ことができなくなる。ベクターにあるlacZ遺伝子断
片に外来遺伝子配列が挿入されていないM13ベクターで
大腸菌を感染させたときには、バクテリア成育培地に含
まれているラクトースは代謝することができるので、そ
のバクテリアが0.8%(w/v)のトリプトン、0.
5%(w/v)の酵母エキス、0.5%の食塩及びβ−
ガラクトシダーゼ指標色素を含んだ1×YT寒天培地上
で生育させると、特徴ある青のプラークを作る。M13
acZ遺伝子断片に外来性DNA配列が挿入された組換
ベクターで感染させた大腸菌のプラーク発色は、該バク
テリアを同一培地で生育させたとき、透明又は無色であ
る。従って、クローニング用ベクターに外来性DNA配
列を挿入すると、大腸菌宿主が組換ベクターに感染した
後に無色のプラークができることで判定できる。bGH
(L)又はpGH(P)コーディング配列を持つDNA
をM13ベクターに挿入する手順は第2図と第9図に夫々
示してある。
【0081】好ましい実施態様としては、シーブルグ等
(Seeburg et al,DNA(1983)2(1) :37-45)により記
載されているように、バクテリア プラスミドのpBG
ex-1及びpPGHex-1′ の各々が持つbGH(L)
又はpGH(P)DNAコーディング配列が、特定位置
での制限エンドヌクレアーゼによる開裂により、これら
のプラスミドから単離された。バクテリア性プラスミド
pBGHex-1またはpPGHex-1でそれぞれトランスフ
ェクトしたバクテリアを、続いてpGH(L)及びpG
H(P)をコードしている配列をそれぞれ発現させ、N
−末端メチオニンを伴うソマトトロピン(例えば、それ
ぞれmet−PGH(P)またはmet−PGH
(P))を産生する条件下で培養させたと言うことに着
目しなければならない。該当する配列は、次に、第2図
と第7図に示したように、改変したM13mp8ベクター
(M13mp8/XbaI)とM13mp9ベクターのRF
DNAの中にそれぞれ挿入した。再び第2図と第7図
に示すように、所望のbGH(L)又はpGH(P)を
コードするDNA配列のM13mp9RF DNAへの挿
入は、特定部位制限エンドヌクレアーゼを用いた開裂に
より確認した。大腸菌JM101は、メッシング等(Mes
sing et al,Method in Enzymology(1983)101:20) の
記述と同様にして、これら組換ベクターの1つで導入感
染させ、そしてメッシング等(Messing et al,Gene(198
2)19:269)の記載と同様に、組換ベクターのSS DN
Aを分離した。メッシング等(Messing et al) の文献の
関連部分を、ここに引用として挿入する。
【0082】組換ベクターの一重鎖DNAは、一旦単離
されると、オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発
によって、bGH(A,V)、bGH(A,L)、bG
H(V)及びpGH(A)をコードするDNA配列にな
るように改変された。特に、bGH(L)は第3図に示
すように、bGH(L)コーディング配列の5′末端に
アラニンのコドン、例えば、GCCを付加して改変し
た。ここで採用した発現系での最適ソマトトロピンの収
量にとって好ましいアラニン コドンはGCCである。
アラニン用の4種のコドンは、どれでもこのように付加
できることが期待される。アラニンのコドンが付加され
て、bGH(A,L)コーディング配列が出来たことの
確認は、サンガー等(Sanger等、Proc. Nat'l. Acad. S
ci., U. S.A. (1977)74:5463)の方法に従って、bG
H(A,L)をコードするDNA配列の5′の末端の全
部をDNA配列分析することで達成できる。
【0083】bGH(A,V)コーディング配列は、オ
リゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発により、第4
図に示すように、アミノ酸位置127[bGH(A,
L)における]のロイシンコドンを、バリン コドン、
例えば、GTGに変換することにより、bGH(A,
L)コーディング配列に生起させて作製した。この場合
も同様に、どのバリン用コドンでも、この変換に採用で
きるものと考えられる。bGH(A,V)コーディング
配列の作製については、産生したbGH(A,V)コー
ディング配列のDNA配列分析で、同様に確認された。
【0084】該bGH(V)コーディング配列を含む発
現ベクターでトランスフェクトさせたバクテリア中でm
et−bGH(V)蛋白を産生するbGH(V)コーデ
ィング配列は、同様にして該bGH(L)コーディング
配列をオリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発で
[bGH(L)中の]アミノ酸の位置126のロイシン
コドンをバリン コドン、例えば、GTGに変えること
により作製した。
【0085】bGH(P)コーディング配列からの、オ
リゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によるpGH
(A)コーディング配列の作製は、第8図と、以下に更
に詳述するように行われ、DNA配列分析によって確認
された。
【0086】今、bGH(A,L)、bGH(A,
V)、bGH(V)及びpGH(A)について例示した
如く所望の外来性DNA配列を、単離し、構築したがこ
の分野において通常の知識を有する者にとって常套手段
でありかつ引用した方法によりこれらの配列を複製し、
多数のコピーを産生できる。これらの外来性DNA配列
は、所望の外来性ポリペプチドを原核生物内で産生させ
るのに適したベクターに挿入される。
【0087】N−末端がアラニンのポリペプチドの産生 既に述べた如く、適切な発現ベクターは、外来性ポリペ
プチドを、選ばれた宿主細胞内で生産するのに必要な転
写及び翻訳用諸シグナルを備えていなければならないだ
けでなく、これら発現ベクターに所望の外来性DNA配
列が挿入されていることを識別するマーカー機能もあわ
せて有していなければならない。原核生物の発現ベクタ
ーを用いることによって、その組換DNA配列は、形質
導入、形質転換又はトランスフェクション(ここでは
“トランスフェクション”と総称する)を通じて原核生
物の遺伝子相補体の中に付加することができ、そうし
て、当該生物を、次に所望のポリペプチド製造を誘起す
る条件で(一般に、プロモーター及び用いる宿主と双方
に支配される)培養する。このように、本発明に用いら
れる生物の“ゲノム”DNAは、染色体とエピソームD
NAとの両方を含有する。
【0088】多くの発現ベクターの原核生物宿主細胞で
の外来性遺伝子の発現と、外来性蛋白質の産生につい
て、記述されており、これらはこの分野において通常の
知識を有する者に既に知られていることである。
【0089】本発明の好ましい実施態様の1つにおいて
は、ベクターpBGHex-1、(ハーバーグ等(Seeburg e
t al,DNA(1983)2(1) :37-45 参照)と、その改変
pBGHex-1であるpGHex-1* とが用いられる。
【0090】bGHex-1発現ベクターは、bGH(L)
をコードする遺伝子を持つバクテリア プラスミド、p
BR322である。この遺伝子は、順に、トリプトファ
ンのプロモーター(ptrp)1 個、シャイン−ダルガルノ(S
hine-Delgarno)の配列を1個、ATGの翻訳開始/メチ
オニンのコドンをbGH(L)ポリペプチドの第1アミ
ノ酸、N−末端フェニアラニンをコードする配列の直前
に有し、bGH(L)コーディング配列と翻訳停止コド
ン1個より成っている。pBGHex-1発現ベクターのマ
ーカー機能は、抗生物質耐性である。特に、pBGH
ex-1は2つの抗生物質耐性遺伝子を持ち、1つはアンピ
シリンに抗するもの(ampr )もう1つはテトラサイ
クリンに抗するもの(tetr )であって、発現ベクタ
ーと一緒に、安定した形で形質転換させた、元来は非耐
性の宿主を、特定の抗生物質への耐性を与える。このよ
うに、安定化した形質転換菌は、テトラサイクリン、ア
ンピシリン又は両方の抗生物質を含む、いずれかの培地
上で成育させて選抜することができる。
【0091】本発明の具体例により、bGH(L)コー
ディング配列の代わりに、bGH(A,L)又はbGH
(A,V)コーディング配列をそれぞれ含む発現ベクタ
ーpMON3209とpMON3215を第5図及び第
6図に示すようにして構築した。これらの発現ベクター
の1つで、その後大腸菌のようなバクテリアを、安定的
に形質転換し、形質転換菌を適切な抗生物質を含む培地
での成育で選抜した。形質転換したバクテリアに含まれ
る発現ベクターは、次にbGH(A,L)又はbGH
(A,V)コーディング配列を5′→3′の方向で正し
く存在しているか否かについて、制限酵素切断法によっ
てスクリーニングした。
【0092】本発明の実施例1において、ptrpコーディ
ング配列の5′−末端の上流にあるEcoRI制限(酵
素)部位除去により改変されたpBGHex-1であるpB
GHex-1* を、bGH(L)コーディング配列の代わり
にbGH(A)コーディング配列を保持する発現ベクタ
ーであるpMON3213の作製に使用した。産物であ
るpBGHex-1* は、第9図に示すようにEcoRI
(切断)部位を1つしか含まない。発現ベクターpMO
N3213を作製する為にpBGHex-1* のpGH
(A)コーディング配列のpGH(L)コーディング配
列による置換についての工程を、第10図に示してい
る。該混合物を用いて、次に大腸菌を形質転換し、その
形質転換菌を、抗生物質を含んだ培地上で生育させスク
リーニングした。形質転換菌に含まれた発現プラスミド
は制限(酵素)開裂法によって、pGH(A)コーディ
ング配列を有するものをスクリーニングした。
【0093】大腸菌の中でbGH(A,L)、bGH
(A,V)又はpGH(A)を産生するものは、ATC
Cに寄託してあり、その寄託番号がそれぞれ3993
6、53010及び53009である大腸菌W3110
株、大腸菌LE392株又は大腸菌294株は、発現ベ
クターpMON3209、pMON3215又はpMO
N3213のいずれかで、下に更に詳述する方法で形質
転換することにより得られた。形質転換した大腸菌W3
110を、そのソマトトロピンが発現され、所望のポリ
ペプチド産生が可能な条件で培養した。
【0094】生産されたポリペプチドの精製は、選んだ
蛋白質と宿主細胞との両方に依存する。例えば、大腸菌
のようなバクテリアで産生された蛋白質は、細胞内に
“屈光体(refractile)”として沈澱することがしばし
ばあることが観察されている。“屈光”(又は屈折)の
語を使用する理由は、この物体が位相差顕微鏡で実際に
観察できるからである。生物学的活性をもった形で外来
蛋白質を回収するのに有用な方法の1つは、ヨーロッパ
特許出願公開第114,506号(1984年8月1日
公開)に記述され、引用文献としてここに取入れられ
る。要約すれば、この精製法は、宿主細胞を濃縮し、該
細胞を細胞抽出物又はそのホモジネートを作る為に溶菌
し、次に分別遠心分離で屈光体を単離するもので、工程
はすべて、当該技術分野に属する通常の知識を有する者
には既に知られたものである。単離した屈光体は、グア
ニジン塩酸のような強変性剤に溶解し、この可溶化させ
た蛋白質を、次に適当な溶剤(例えば尿素)中に入れ換
え、クロマトグラフィの手段で精製し、最後に生物学的
に活性化、すなわちその活性な構造となるようにし、次
に酸化するとその活性構造は、ヨーロッパ特許出願公開
第114,506号に記述されているように、適切なシ
スティン残基間のジスルフィド結合によって保持され
る。このような、外来性蛋白質の更に微に入った精製法
の1つが同時に出願された米国特許出願の2件に述べら
れている。1つは、エス・ビイー・ストールズ(S. B. S
torrs)“ソマトトロピンの可溶化法”であって、ここに
引用記載されている。もう1つはエル・エイ・ベントル
(L. A. Bentle)、エス・ビイー・ストールズ(S. B. Sto
rrs)およびジイー・ダブリュウ・ミッチェル(J. W. Mit
chell)によるもので“ソマトトロピンの天然化法”に関
するものであって同様に引用記載している。これら2つ
の同時に出願された米国特許出願と、本出願とは、全部
共通してモンサント社に譲渡されたものである。その後
の外来性ポリペプチドを、夾雑物であるバクテリア蛋白
質から分離精製することは、ゲル濾過や、イオン交換ク
ロマトグラフなど旧来のクロマトグラフィ法で達成でき
る。典型的な場合には、精製後の組成は、重量比でN−
アラニル ポリペプチドが約90%から約99.5%で
あって、約0.5%から約10%が、ポリペプチドを産
生する原核生物宿主由来のものである。
【0095】本発明の方法で発現した外来性ポリペプチ
ドの少なくとも約80%は、N−末端構造が、NH2
アラニンである。残余は主としてメチオニル型で、N−
末端がNH2 −メチオニン−アラニン…である。しかし
培養条件及び/又は遺伝子発現誘発の時期を変更する
と、アラニンをN−末端に持つポリペプチドの比率を少
なくとも95%に高めることができる。
【0096】本発明の特に好ましい実施態様の1つとし
て、上述したようにして産生、単離されたソマトトロピ
ンのポリペプチド種は、ソマトトロピン様の生物学的活
性を示すことが、ツシマ及びフリーソン(Tsusima & Fri
esen,J. Clin Endoerinol.Metab.(1973)37:334-337)
が述べている兎肝臓の受容体検定とラットの重量増加生
物検定で示されたことである。後者の検定において、大
腸菌生産のソマトトロピンは、既知単位のソマトトロピ
ン(例えば牛又は豚の脳下垂体ソマトトロピン)と比較
して、種々の注射量で起る脳下垂体切除ラットの体重増
加量で検定される。特に、既知又は標準のソマトトロピ
ン試料を、滴定した投与量(0と60ミリグラムの間)
で脳下垂体を除去したラット(95〜135g)に毎日
7日間又はそれ以上継続し注射した。多重回帰を用いて
既知、未知のホルモン単位を対数変換した投与量に対し
て回帰する。その傾きを調べて、非平行であることと、
切片共通性を確認する。生物学的活性は、傾斜度に、標
準品の活性を乗じたものとして表わされる。
【0097】本発明によるN−アラニンbGH産物の使
用は、牛の産乳量を増し、(その結果)その牛の一定産
乳量に対する飼糧必要量を減ずるものと考えられる。乳
牛に、bGH種で成熟bGH蛋白質の126位かその付
近にバリンを持つものを乳汁分泌促進量投与すること
は、これら乳牛の産乳促進に特に適切なことである。本
発明によるそのような産物を牛に投与する場合、注射、
輸血、又は重合体に封入し植込むこと等、又は必要な投
与量の循環系への送達を達成できるものであれば他のど
んな方法も用いられる。医薬品用として使用可能な基礎
製剤、例えば溶液、懸濁液又はゲルなどが、カプセル封
入し又は封入せずに用いられる。これらの製剤は、単一
のbGH種又は変異種、又は天然産及び/又は変異ポリ
ペプチド[例えばbGH(A,V)とbGH(A,L)
の混合物、及び/又はbGH(A,V)とメチオニン−
bGH(A)の混合物]の予め調剤された組合せも含む
ものである。投与量は、1頭1日当り、最少0.005
mgから約200mgの範囲であるが、1頭1日約5m
gから約40mgが好ましい。産乳量及び/又は飼糧対
乳量効率にもっとも有効な量は、常法の試験で決定でき
るであろう。実際に好ましいbGH投与量は、特定の動
物の大きさ、一般健康状態と栄養状態などにより決定さ
れる。産乳量は、牛に対するbGHの影響判定に用いる
ことができるが、牛の他の生産性、即ち成育率と、肉生
産性にも同様に使用できる。若し望むなら、bGHは、
他の生物学的に活性のある蛋白質、抗原、又はそれらの
相当物などの有用物質と共に投与でき、かつ増強効果が
得られる。
【0098】前述の如く、本発明は、N−末端にアラニ
ンを有し、かつ欠失、付加、及び/又は置換をポリペプ
チド鎖に沿って有するbGH変異体の生産も目的とする
ものである。そのような改変で望まれる、乳汁分泌及び
/又は生長促進特性を持つものは、牛で常法のテストを
行って同定できる。
【0099】以下の実施例は本発明で好ましい実施態様
を示すものであって、本発明の技術的範囲がそれらに限
定されるものでは勿論ない。本発明を好ましい実施態様
との関係で説明するが、本明細書の記載にもとづいてこ
れらの実施態様を種々変更することは、この分野に属す
る技術について通常の知識を有する者にとっては自明の
ことである。
【0100】微生物とプラスズミド 下記の微生物は米国メリーランド州ロックビル市パーク
ローンのアメリカンタイプ カルチャー コレクション
(American Type Culture Collection (ATCCと称
す)、12301、Parklawn Drive, Rockville, Maryl
and ,20852、U.S.A.)から入手可能であ
る: ATCC 39936−大腸菌W3110 ATCC 53010−大腸菌LE392 ATCC 53009−大腸菌294株 ATCC 53024−大腸菌W3110(pMON3
209) ATCC 53022−大腸菌W3110(pMON3
215) ATCC 53023−大腸菌W3110(pMON3
213) これら寄託菌は、この出願の譲渡人モンサント社に、米
国での特許が付与された場合には、一般公衆が入手可能
となる。これら寄託菌は、この特許出願日にもとづく利
益を享受する米国特許の有効期間中は入手可能となる。
しかしながら、この寄託菌が一般公衆が入手できること
が、政府の決定で保証された特許権を減損させてこの主
題の発明の実施権を設定するものではないことを理解す
べきである。更に本発明は、寄託された微生物によって
その技術的範囲が限定されるわけではない。それは、寄
託した実施態様物は、単に、発明のうち特定な例示とし
て意図したものに過ぎないからである。
【0101】
【実施例】実施例1 オリゴヌクレオチドは全て、モンサントの生物科学部門
において、アップライド バイオシステムズのDNA合
成装置を用い、製造元であるアップライド バイオシス
テムズ社(カルホルニア州ホスター市)の定めた手順に
従って合成した。制限酵素とDNA改変酵素とは、ニュ
ー イングランド バイオラブズ社(マサチュウセッツ
州ビバレー市)、ニュー イングランド ヌクレアー社
(マサチュウセッツ州ボストン市)及びベセスダ リー
サーチ ラボラトリーズ社(BRLと称す)(メラーラ
ンド州ゲティスバーク市)から購入した。XbaIリン
カーは、コラボレーティブ リサーチ社(マサチュウセ
ッツ州レキシントン市)から入手した。T4 DNAリガ
ーゼはBRL社から購入した。32P標識ヌクレオチド
は、アマーシャム(イリノイ州アーリントン ハイツ
市)から購入した。大腸菌DNAポリメラーゼI、クレ
ノウ(Klenow)断片は、ニュー イングランド ヌクレア
ー社から購入した。大腸菌JM101はミネソタ大学
(ミネソタ州セントポール市)のジョー メッシング博
士から入手した。
【0102】制限酵素での消化、T4 DNAリガーゼ反
応、及び大腸菌ポリメラーゼI、クレノウ断片での反応
等は、製造業者の定めた手順に従って行うことができ
る。下記制限酵素の反応に好ましい緩衝液は次のようで
ある:XbaI用:100mMNaCl、50mM tr
is,pH7.5、10mM MgSO4 ;EcoRI
用、HindIII 用及びSmaI用:50mM NaC
l、10mM tris,pH7.5、10mM MgSO
4 。T4 DNAリガーゼ反応は、25mM tris,pH
8.0、10mM MgCl2 、10mMジチオスレイ
トール(DTT)、2mMスペルミヂン及び0.2mM
ATPの緩衝液中で進行させた。大腸菌ポリメラーゼ
I、クレノウ断片は、20mM tris、pH7.2、1
0mM MgCl2 、10mMDTT、1mM ATP
及び各1mMのdATP、dGTP、dCTP、dTT
Pを含む緩衝液を用いた。アルファ−32P−dATP
(400ci/mmol)は、新に合成したDNA鎖の
標識が望まれるときにクレノウ反応に添加した。
【0103】オリゴヌクレオチドは、ガンマ−32P−A
TP(比活性5000ci/mmol以上)と100m
M tris、pH8.0、10mM MgCl2 、5mM
DTTの緩衝液中でT4 DNAキナーゼを用いて標識
した。
【0104】bGH(L)及びpGH(P)コーディン
グ配列をもったプラスミド(それぞれ、pBGHex-1
びpPGHex-1′)は、ジェネンテック社(カルホルニ
ア州サンフランシスコ市)から入手した。これらプラス
ミドは、次に述べる諸方法に従って調製できる。即ち、
ヨーロッパ特許出願公開第75,444号(1983年
3月30日公開);シーバーグ等(Seeburg et al.,
NA(1983)2(1) :37-45);ギオデール等(Goeddel et
al,Nature(1979)281 :544-548);エム.ジェー・キャ
ンベリン及びアール・ロドリゲス(M. J. Chamberlin &
R. Rodriguez)編,293章デボア等(DeBoer et al)著,
Promoters Structure and Function(1982)) ;ミオ
ザリー及びヤノフスキー(Miozzari & Yanofsky, J. Bac
teriol.(1978)133 :1457-1466);及びロゼンベルグ及
びコート(Rosenberg & Court ,Annual Review of Gen
etics 13:319-353);ヨーロッパ特許出願公開第75,
444号(デボア等)、に示されるように、bGH
(L)に関するDNAから翻訳される最初の21個の諸
コドンは、ATG TTC CCA GCT ATGT
CT CTA TCT GGT CTA TTC GC
T AAC GCTGTT CTT CGT GCT
CAG CAT CTT又はこれら諸コドンの機能的な
等価物である。(これら諸コンドに相当する機能のもの
は、勿論いずれも代替させて使用できる。)これら諸公
表物の、他の関連部分も、ここに引用している。
【0105】M13mp8とM13mp9とは、ジョー メ
ッセング博士(ミネソタ大学)から入手した。
【0106】バクテリア生育培地の成分全部と、抗生物
質とは、シグマ社(ミゾリー州セントルイス市)又はデ
イフコ ラボラトリーズ社(ミシガン州デトロイト市)
から入手した。
【0107】実施例2 下記の例は、発現させたときに、N−末端アラニンを有
するポリペプチドがバクテリア中で直接に産生される為
の、三種のDNAコーディング配列の構築を示すもので
ある。特に、そのDNAコーディング配列は、翻訳開始
/メチオニンのコドン(ATG)の直後にアラニンのコ
ドン(例えばGCC)が来るように構築された。この実
施例は、バクテリア中で発現させたとき、met−bG
H(V)の産生をもたらすbGH(V)DNAコーディ
ング配列の構築についても示すものである。bGH
(A,L)、bGH(A,V)及びpGH(A)から成
る三種のDNAコーディング配列は、前もって単離して
あるソマトトロピンDNA配列に、オリゴヌクレオチド
部位特異的突然変異誘発を生起させて構築した。
【0108】a.bGH(A,L)DNAコーディング
配列の構築 ソマトトロピン、bGH(L)のDNAコーディング配
列をpGHex-1からXbaI断片として切り出し、改変
18mP8/XbaIベクター(M13mp8/Xba
I)のXbaI部位にクローニングした。元来はSma
I部位に、XbaIリンカーを1つ含むM13mp8/X
baIベクターの構築は、第1図に示してある。第2図
に示すように、XbaIは、bGH(L)DNAコーデ
ィング配列のどちらかの端を切断し、完全bGH(L)
コーディング配列を切り取ってある。XbaI制限(酵
素)切断pBGHex-1プラスミドを、T4 DNAリガー
ゼ存在下でXbaI制限酵素による開裂により線状にし
たRF M13mp8/XbaI DNAと混合し、牛大
腸アルカリフォスファターゼで処理した。この混合物を
14℃で1夜インキュベートした。牛大腸アルカリフォ
スファターゼ処理すると、M13mp8/XbaIベクタ
ーが環状に戻ることが阻止される。bGH(L)DNA
コーディング配列がM13mp8/XbaIベクターに挿
入され、組換ベクターM13mp8/XbaIex-1になっ
たことは、マニアチス、フリッシュ、サンブルーク編の
(Maniatis, Fritsch & Sambrook)Molecular Cloning
:A Laboratory Manual ,(1982)64頁、に述べられた
方法、すなわち、1×YT培地を軟寒天積層法により調
製したものの上に生育した大腸菌JM101が無色のプ
ラークを発生することで確認できる、そしてこの培地
は、10μl 100mM IPTG(イソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノサイド)及び50μl 2
%(w/v)X−GAL(5−ブロモ−4−クロロ−3
−インドリル−β−D−ガラクトコラノシド)を3ml
の最上層寒天に含み、その大腸菌は、前に述べたような
組換ベクターでトランスフェクションさせたものであ
る。bGH(L)コーディング配列の挿入は前述のマニ
アチスら編の、Molecular Cloning A Laboratory Man
ual ,第三章に示す、XbaIを持つ組換ベクターから
単離したRFDNAの分断で挿入された配列である59
0塩基対の断片を得ることから確認できる。この590
塩基対断片を、同書で示された1パーセント(w/v)
アガロースのアガロースゲル電気泳動で同定した。その
後の制限(酵素)断片はすべて、引用したこの方法で同
定した。挿入されたbGH(L)コーディング配列の方
向性は、RF組換ベクターをSmaIとHindIII で
切断することにより確認できる。コーディング配列が正
しく5′→3′方向の場合には、これら制限酵素での切
断で207塩基対の断片が得られるに違いない。一重鎖
(SS)のファージDNA単離は、メッシング等の方法
(Messing et al. Gene(1982)19:269)に従って実施し
た。そのM13mp8/BGHex-1ベクターは、次にゾー
ラー及びスミス(Zoller & Smith ,Nuc. Acid. Res.(1
982)10:6487-6500)、及びMethodsin Enzymol.(1983)1
00 :468-500 。)、リーリス等(Norris et al),Nuc.
Acid Res.(1983)11:5103〜5112) が記述している方法
と、実質的に相同に、オリゴヌクレオチド部位特異的突
然変異誘発に際し鋳型として用い、この文献の関連部分
はここに引用して記述してある。
【0109】第3図には、bGH(A,L)DNAコー
ディング配列をbGH(L)DNAコーディング配列か
ら作製するための突然変異操作手順を示している。簡単
に説明すれば、オリゴヌクレオチドプライマーで(下記
表1参照)、所望の突然変異配列を有するものを、単鎖
DNAのM13mp8/BGHex-1の鋳型として使用する
閉環DNAコピーを作る時の第一次合成に使用する。こ
うして作製された二本鎖DNAの環は、不完全品や単鎖
DNA環のようなものから、ゾーラー及びスミス(Zolle
r & Smith ,Methods in Enzymol,(1983)100 :468-50
0)に記述されているアルカリ蔗糖勾配遠心分離を用いて
分離される。この閉環二本鎖DNA分子で、メッシング
等(Messing et al,Gene(1982)19:269-276)の記載の如
く、大腸菌JM101を形質転換し、得られた無色のプ
ラークを、ポール ウルトラファイン フィルトレーシ
ョン社(ニユー・ヨーク州グレン コウブ市)から入手
した、ポール フィルター上に拾い上げ、部位特異的突
然変異誘発に用いる32P−標識型オリゴヌクレオチド
プライマーとのハイブリダイゼーションについてスクリ
ーニングした。該プラークの拾い上げは、ポール濾紙製
造業者によって記述された方法に従って実施した。ハイ
ブリダイゼーション スクリーニングは、ナイロンのバ
イダイン フィルターで、ポール ウルトラファイン
フィルトレーション社がその使用方法について記載して
いる手順書“ Protocol Guide for DNA Transfer to Pa
ll BiodyneTM A Nylon Filters”(1983)に従って実施し
た。フィルターは次第に温度を上げながら、放射能シグ
ナルが、M13mp8/bGHex-1ファージを用いて調製
した対照フィルターから消滅するまで洗浄した。典型的
な洗浄のプロトコール(操作手順書)は、室温で、6×
SSC(0.9M NaCl及び0.09Mクエン酸ソ
ーダ)中での10分間洗浄、その後6×SSC中での5
0℃5分間洗浄、及びその後の5℃づつ昇温しての洗浄
である。放射性標識したオリゴヌクレオチドプライマー
と、対照のファージよりも高温でハイブリダイゼーショ
ンを起したプラークは、新しく生成したbGH(A,
L)コーディング配列を有するものと仮定し、潜在的陽
性と称した。別に、大腸菌JM101の形質転換体から
個別に無色のプラークをつまみとり5ミリリットル(m
l)の2×YT培地(1.6%(w/v)トリプトン、
1.0%(w/v)酵母エキス、0.5%(w/v)N
aCl)で培養した。メッシング等(Messing et al,G
ene(1982)19:269 )に従って調製したファージDNA
は、放射性標識をしたプライマーでハイブリダイゼーシ
ョンしたニトロセルローズの上にドットし、上述の昇温
洗浄を行った。ファージのDNAで対照のM13mp8/
bGHex-1よりもハイブリダイゼーション温度の高かっ
たものは、前と同様に潜在的陽性と命名した。上記2つ
のいずれのスクリーニング手段で得た潜在的陽性のプラ
ークも、上述のように培養し、単一鎖ファージDNAを
つくる為に使用され、それは、その前にサンガー等(San
ger et al 、Proc. Nat'l. Acad. Sci. U. S. A.(197
7)74:5463) の手法で、bGH(A,L)に関するコー
ディング配列を有することを確認するために塩基配列決
定を行った。
【0110】M13mp8/BGHex-1(ala) のRF D
NAは同様に、HacIII を用いた制限酵素分析でスク
リーニングし、1つの付加アラニン コドンが、開始信
号/メチオニンのコドンであるATGの後にあることを
確認することによりスクリーニングした。というのはア
ラニンのコドンがもう1つ別にHaeIII 制限(酵素)
部位を作出するからである。アラニンのコドンが、bG
H(L)DNAコーディング配列に付加される頻度は約
2%であった。
【0111】b.bGH(A,V)DNAコーディング
配列の構築 bGH(A,V)DNAコーディング配列、スクリーニ
ング、及び配列確認は、上記と同様の手順で、第4図に
示すように鋳型がM13mp8/BGHex-1(ala) である
ことと、以下の表1に示すように異なるオリゴヌクレオ
チドプライマーを用いて実施した。ロイシンのコドンが
バリンのコドンに変換される頻度は約10%であった。
【0112】c.bGH(A,V)DNAコーディング
配列の構築 bGH(V)DNAコーディング配列の構築、スクリー
ニングおよび配列の確認は上記と同じ手順を使用して実
施した。特に、鋳型はM13mp8/BGHex -1で、オリ
ゴヌクレオチドプライマーはbGH(A,V)を調製す
るのに用いたものと同じものを用いた。ロイシン コド
ンのバリン コドンへの変換率は約10%であった。
【0113】d.pGH(A)DNAコーディング配列
の構築 オリゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発を、アラニ
ンのコドンをpGH(P)DNAコーディンク配列に付
加する際、シーブーグ等(Seeburg et al,DNA(1983)
2(1) :37-45)の記述に従い行なった。第8図に示した
突然変異誘発の手順は、次のように実施した。
【0114】pPGHex-1プラスミドを有する、pGH
(P)の590塩基対DNAは、EcoRIとHind
III 制限酵素による切断でプラスミドから切り離され、
これら酵素は、プラスミドを夫々pGH(P)に関する
コーディング配列5′−末端と3′−末端で、第7図に
示すように開裂する。制限酵素切断を受けたpPGH
ex-1プラスミドは、EcoRIとHindIII で同様に
切断されたM13mp9RF DNAと混合したが、その
時牛の大腸アルカリフォスファターゼで前処理をして、
13mp9の制限酵素切断物が再連結するのを阻止し
た。次に当該混合物にT4 DNAリガーゼを加えた。制
限酵素2つで切断したRFファージとpGH(P)DN
Aコーディング配列とは、両端が乱れている為に、pG
H(P)DNAは選択的にRFファージのDNAに挿入
され、第7図に示すように、5′から3′への正しい挿
入が行われる。M13mp8/BGHex-1′について記述
した如く大腸菌JM101は、次にpGH(P)DNA
コーディング配列を有する組換Mm13p9/PGHex-1
で形質転換した。形質転換した大腸菌JM101は、着
色用試薬を含んだ1×YT培地上で培養され、前述のよ
うに、無色のプラーク形成の有無によりスクリーニング
した。pGH(P)DNAコーディング配列の挿入は、
次のようにして確認した。無色のプラークを採取し、前
述のようにして単離したRF M13mp9/PGHex-1
DNAをERcoRIとHindIII で切断し、アガ
ロース ゲル電気泳動にかけて、挿入されたpGH
(P) DNAよりなる590塩基対断片が得られた。
13mp9/PGHex-1ファージは、大腸菌JM101
で増殖され、単鎖のファージDNAが上述のように単離
された。
【0115】M13mp9/PGHex-1DNAは、次に第
8図に示すように、オリゴヌクレオチド部位特異的突然
変異誘発の鋳型として、上記の、bGH(A,L)コー
ディング配列の作製に特定のプライマーを使用した(以
下の表1を参照)時の手順に従って使用した。アラニン
のコドン、ここではGCCであるが、pGH(P)コー
ディング配列に付加される頻度は約12%であった。得
られたpGH(A)コーディング配列は、再びDNA配
列分析を行って確認された。
【0116】
【表2】
【0117】実施例3 ここでは、N−末端にアラニン1つを有するポリペプチ
ドを、バクテリアの中で直接に産生させる、3種の組換
発現ベクターの構築及び発現について例を挙げて説明す
る。こうして調製された3種のポリペプチドは、bGH
(A,L)、bGH(A,V)及びpGH(A)であ
る。この実施例では、bGH(V)の構築及び発現並び
にbGH(L)の発現についても説明する。こうして調
製されたポリペプチドは、それぞれmet−bGH
(V)とmet−bGH(L)である。
【0118】a. bGH(A,L)、bGH(A,
V)、bGH(L)及びbGH(V)の発現 組換ベクターM13mp8/BGHex-1 (ala) 、M13mp
8/BGHex-1 (ala ,val) 及びM13mp8/BGHex-1
(val) に夫々保持されたbGH(A,L)、bGH
(A,V)及びbGH(V)DNAコーディング配列
は、pGHex-1発現プラスミドに保持されたbGH
(L)DNAコーディング配列を置き変えるのに用いら
れた(第5図と第6図を参照)。これは、夫々該当する
13 RF DNAをXbaIで消化することで実施さ
れた。発現プラスミドpBGHex-1mもはやXbaIで
消化し、次いで牛大腸アルカリフォスファターゼで制限
切断断片の再連結阻止のため処理した。消化されたRF
DNAは、夫々別個に消化され、処理されたpBGH
ex-1 DNAと混合し、前述のように1夜14℃に保っ
て連結させた。こうして形成された組換発現ベクター
は、夫々pMON3209、pMON3215及びpM
ON3214と命名され、夫々bGH(A,L)、bG
H(A,V)及びbGH(V)コーディング配列を有す
る。これらpMON3209、pMON3214、pM
ON3215又はpBGHex-1のいずれかを含む連結混
合物を用いて大腸菌W3110を形質転換し、1%(w
/v)トリプシン、0.5%(w/v)酵母エキス、及
び0.5%(w/v)NaClより成り、12.5μg
/mlテトラサイクリンと、200μg/mlアンピシ
リンを含んだルリア(Lauria)ブロス(LB)上で培養
した。pMON3209を含む大腸菌W3110はAT
CC寄託番号53024を有する。大腸菌W3110で
pMON3215を含むものは、ATCC寄託番号53
022を有する。形質転換は、簡単に説明すれば、以下
のように実施された。大腸菌W3110を約50mlの
LB培地中でOD=0.60となるまで生育させた。
【0119】培養細胞を次に遠心沈澱によりペレット化
し、10mlの25mM Tris、pH7.6、10
mM NaClより成る緩衝液Aに再懸濁させた。これ
らの細胞を、再び遠心沈澱しペレット化し1mlの緩衝
液Aに再懸濁させた。それに25mM Tris、pH
7.6、10mM NaCl、50mM CaCl2
緩衝液Bを14ml加え、氷上で30分培養させた。細
胞を、又遠心沈澱しペレット化し、3mlの緩衝液Bに
再懸濁させた。この再懸濁液0.2mlと、0.1ml
の緩衝液Bと、0.1から0.5μgの所望の発現ベク
ター(pMON3209、pMON3215、pMON
3214又はBGHex-1)と混合し、氷上で60分間イ
ンキュベートした。
【0120】インキュベートした混合物は、次に1分間
37℃に加温し、その後3mlのLB培地を加え、その
混合物を37℃で60分間インキュベートした。この細
胞は、次に遠心沈澱しペレット化し、300mlのLB
培地に再懸濁させ、既に述べた抗生物質を含むLB平板
培地中で生育させた。耐性コロニーを選抜し、pMON
3209、pMON3214、pMON3215及びp
BGHex-1発現ベクターDNAを前述のマニアチスら編
Molecular Cloning : A Laboratory Manual,記載の手
順で単離した。そのpMON3209、pMON321
4、pMON3215及びpBGHex-1 DNAを、b
GH(A,L)、bGH(V)及びbGH(A,V)用
のDNAコーディング配列の正しい方向での存在を示す
590塩基対のXbaI断片1つと、200塩基対のH
indIII /SmaI断片1つの存在についてスクリー
ニングをした。それらpMON3209とpMON32
15の発現プラスミドは更に、HaeIII 制限(酵素)
分析によって、新しいHaeIII 部位が、GCC(アラ
ニン)コドンの添加で出現しているか否かについてスク
リーニングした。最後にpMON3209と、pMON
3214及びpMON3215のベクターの590塩基
対断片を、前述のように、bGH(A,L)、bGH
(V)及びbGH(A,V)に関するDNAコーディン
グ配列が、これら発現ベクターに存在することを確認す
るために、前述のように、部分的な配列決定操作を行っ
た。
【0121】pMON3209、pMON3214、B
GHex-1、pMON3215のいずれか一つを保有する
大腸菌W3110単一コロニーを別々に12.5μg/
mlテトラサイクリンを含む5mlののLB培地に接種
し、37℃で1夜通気し生育させた。この一晩培養物
を、0.5mlづつ、別々に250mlのフラスコに、
(培地1リットル中に)100mlの10×塩(Na2
HPO4 70g、KH2 PO4 30g、NaCl
5g、NH4 Cl 10g、を総量1000ml中に含
む)、1.2ml 1M MgSO4 、0.25ml
0.1% B1 、12.5ml 20%(w/v)蔗
糖、0.025ml 1MCaCl2 を含み、0.5%
カザミノ酸と、6.25μg/mlテトラサイクリンを
補充したM9培地を25ml入れたものに接種するのに
用いた。接種後は各個別に37℃で通気し、OD600
(光学密度600ナノメーター)=1.0になる迄生育
させた。培養液を各0.2mlずつフラスコから取出
し、個別にナトリウム ドデシルサルフェート(SD
S)−ポリアクリルアミド電気泳動緩衝液中で溶菌さ
せ、レムリー(Laemmli,Nature(1970)227:6
80−9859に従ってSDS−PAGEを用いて検定
した。どちらの遺伝子構築物を含む大腸菌W3110に
も、22,000ダルトンの蛋白質が高濃度にあった。
更に、ウエスタンブロット検定(キリービー及びローウ
ォールド、Hybridoma (1984)3:252−262
を参照)によりモノクローナル抗体F11−A1−B6
で牛脳下垂体ソマトトロピンに対して産生されたもの
(同文献参照)に22,000ダルトンの蛋白質がいず
れも結合したので、このポリペプチドが、脳下垂体のソ
マトトロピンに関係あることをこれにより確定した。親
pBR322プラスミドを保持する大腸菌W3110細
胞は、抗ソマトトロピン抗体に結合する22,000ダ
ルトンの蛋白質を産生しない。
【0122】発現プラスミドpMON3209、pMO
N3214、pBGHex-1及びpMON3215を保有
するバクテリアは、下記のようにして貯蔵した。これら
プラスミド(pMON3209、pMON3215、p
MON3214又はpBGHex-1)のいずれか1つで形
質転換した大腸菌W3110の単一コロニーは、5ml
のLBと12.5μg/mlテトラサイクリン中で37
℃で通気し、一晩生育させた。その各一晩培養物から1
mlを取出し、それを25mlLB培地に12.5μg
/mlテトラサイクリンを添加したフラスコに個別に加
え、OD600=1.0に達する迄生育させた。その後
各フラスコの細胞は、次に4℃で5分間、6000×g
の遠心分離により収集した。それら遠心沈澱により得ら
れたペレットを各個別に12mlのLBに7.5%(v
/v)DMSOを加えたものに再懸濁し、直ちに1ml
ずつに分液してドライアイス上で凍結した。これら細胞
を、次に液体窒素冷凍庫に貯蔵した。加えて、約10マ
イクログラムの純化プラスミドDNAを−80℃で貯蔵
した。
【0123】b. pGH(A)DNAコーディング配
列の発現 第10図に示すように、組換ベクターのM13mp9/p
GHex-1 (ala) に保持されたpGH(A)DNAコーデ
ィング配列は、改変pBGHex-1発現ベクターに保持さ
れたbGH(L)DNAコーディング配列と入れ変える
のに用いた。改変発現ベクターpBGHex-1* は、pB
GHex-1発現ベクターのトリプトファンプロモーター
(ptrp)の上流にあるEcoRI制限部位を除去したも
のである(図9参照)。この改変発現ベクターpBGH
ex-1* を部分的にEcoRIで消化して、その後付着末
端を取除くためのSIヌクレアーゼ処理をしたものであ
る。この制限(酵素)切断pBGHex-1ベクターは、次
にT4 DNAリガーゼで連結して環状に復元し、総て前
述のように、大腸菌JM101の形質転換に使用した。
単一コロニーからのプラスミドDNAは、次に590塩
基対のEcoRI/HindIII 断片で、pGH(A)
DNAコーディング配列を有するものと、1050塩基
対のEcoRI/PstI断片でptrp配列(図9参
照)のものについてスクリーニングした。このEcoR
I制限(酵素)部位を除去することは、特定部位にpG
H(A)コーディング配列を、第10図に示す正しい方
向性でpBGHex-1* 発現ベクターに挿入することを助
ける。こうして形成された発現ベクターは、以後pMO
N3213と称する。pMON3213を含む混合物
で、次に大腸菌W3110を形質転換し、形質転換菌
は、前述のようにスクリーニングした。pMON321
3を保有する大腸菌W3110は、ATCC寄託番号5
3023を持つ。pBGHex-1* 発現ベクター中のpB
GH(L)コーディング配列のpGH(A)コーディン
グ配列による置換は、pMON3213DNAを単離
し、当該発現ベクターをEcoRI及びHindIII で
切断して、590塩基対の断片が生じることと、Hae
III での切断により、アラニン コドンがpGH(A)
DNAコーディング配列の中に存在することにより、も
う一の別のHaeIII の制限部位が存在することにより
確認された。pGH(A)コーディング配列がpMON
3213発現ベクターに存在することの最終的確認は、
EcoRI/HindIII 590塩基対断片を前述のよ
うに、部分的に塩基配列を決定することで達成された。
【0124】pGH(A)DNAコーディング配列の発
現と、pGH(A)の大腸菌W3110内での産生は、
前述のbGH(A,L)とbGH(A,V)生産で実施
した方法で達成された。前述のSDS−PAGEで実証
しうる、22,000ダルトン蛋白質の高濃度について
も同様に達成された。
【0125】pMON3213発現ベクターを保有した
大腸菌W3110を前述のように貯蔵し、これも前述し
たように、pGH(A)産生の大量培養(10〜100
リットルの発酵)に用いた。100リットルバッチの発
酵液中に含まれるpGH(A)蛋白質含量は、ロスナー
等(Rosner et al, J. Immunol, Methods (1982)52:
175−181 )による放射免疫検定により約1g/培養液
1lであった。
【0126】実施例4 この実施例は、バクテリ内で産生された外来性蛋白質、
bGH(A,L)、bGH(A,V)、met−bGH
(V)、met−bGH(L)及びpGH(A)のN−
末端アミノ酸配列を決定するために、本明の実施態様と
して実施したものである。
【0127】大腸菌で生産したソマトトロピン ポリペ
プチドは、粗製の、可溶化した屈光体で、bGH(A,
L)、bGH(A,V)、met−bGH(V)、me
t−bGH(L)又はpGH(A)のいずれかを含むも
のから、キリビー等(Krivi& Rowold, Hybridoma (198
4) 3: 151−161 )により記述された、免疫吸着クロ
マトグラフィによって精製した。免疫吸着クロマトグラ
フィにより精製したソマトトロピンは、三種共、レムリ
ー(Laemmli,Nature(1970) 227: 680−685)に従
った、7.5から15%(w/v)の勾配ゲルを用いる
1μg純化蛋白質のSDS−PAGE分析により95%
よりも高いように思われた。純化されたbGH種の蛋白
濃度は高速液体クロマトグラフィ分析により測定した。
【0128】N−末端配列分析に用いる、免疫親和性ク
ロマトグラフィで純化された蛋白質は、水に対して徹底
的に透析し、その後凍結乾燥した。N−末端配列分析の
前に、純化した蛋白質は、50mM炭酸アンモニウム
と、0.1%(w/v)SDSを含有する緩衝液に再懸
濁し、残留するトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン(トリスと称する)とグリシンを除く為に、同緩衝液
に対して透析した。アプライド バイオシステムズ蛋白
質配列決定機470A型(Applied Biosy
stems,Inc. Foster City, C
A)を、ハンカピラー等(Hunkapiller et al , Method
s inEnzymol. 91: 399−413 (1983))及びハンカピ
ラー等、(Methods in Enzymol. 91: 486−493 (198
3))に記述されているようにN−末端配列分析の全て
に用いた。
【0129】以下の表2は、bGH(A,L)、bGH
(A,V)、met−bGH(V)、met−bGH
(L)、及びpGH(A)のポリペプチドの幾つかの試
料について行ったアミノ酸配列分析の結果を示す。N−
末端がメチオニンの蛋白質は、この表で、試料中の全ソ
マトトロピンのパーセンテージとして示している。メチ
オニンの定量には、2つの方法が用いられた。間接法で
は、主成分のNH2 −ala−phe…中のNH2 −m
et−ala−phe…の量を、遅延信号(lagsignals
)の差異から計算した。この手順は、“正常”配列遅
延の推定に準拠し、それは、サイクル毎に変動があっ
て、存在するNH2 −ala−phe−配列のおおざっ
ぱな推定に過ぎない。エドマン分解反応よりなる直接法
でPTH−metを高速液体クロマトグラフィ(HPL
C)で、化学的ノイズから分離した後にPTH−met
のPTH−alaに対する信号強度を比較するものであ
る。“PTH”は、フェニルチオヒダントインを示す。
特に、エドマン分解配列決定反応は、N−末端アミノ酸
をアミノ酸の開裂とその後に起るそのアミノ酸のPTH
−誘導体の遊離を引起す試薬で反応させることである。
後者の手順は、混在する遊離アミノ酸が微少量であれ
ば、%met−ala−phe…の評価を良好なものに
するものである。
【0130】以下の表2に示したように、N−末端配列
決定の結果、N−末端メチオニンの次がフェニルアラニ
ンであるときには、メチオニンのプロセシングの証拠は
ない。しかし、MBS(A,L)とMBS(A,V)と
の遺伝子構築から作製された蛋白質分子の80%又はそ
れ以上がN−末端にメチオニンではなくアラニンを有し
ている。N−末端メチオニンのプロセシングの程度は、
細胞内で、発酵バッチが異なる毎に相異する。しかし、
ソマトトロピン分子の少くとも80%に起る。加えて、
形質転換した微生物内で生産されるソマトトロピンのレ
ベルは、バクテリア全蛋白質中で概略10から15%と
することに成功した。
【0131】
【表3】
【0132】実施例5 この実施例は、乳牛に於ける産乳の促進に関してバクテ
リア中で産生されたbGH種の活性の測定を目的として
行ったものである。表3に示す如く、bGH(A,V)
もmet−bGH(V)も共にロイシンを含有する類縁
体であるbGH(A,L)とmet−bGH(L)より
も予想を越えて著しく産乳を促進した。更に、供試した
バリンbGH種はロイシンbGH種に対して全体として
比較すると統計学的に(P<0.02)産乳を促進し
た。
【0133】要約すればこの試験は以下の如く実施し
た。第二及び第三乳汁分泌期のホルスタイン種乳牛に炭
酸水素ナトリウム溶液pH9.8±0.5、単独(以後
「対照試料」という)を5ml又は約25mgのbGH
(A,V)、bGH(A,V)およびmet−bGH
(L)(以後総称して「試験ソマトトロピン」という)
を毎日与えた。試験ソマトトロピンと対照試料はいずれ
も21日間連続して毎日半腱様筋への筋肉内注射により
非経口的に投与した。各乳牛の各産乳量を各午前と午後
に分け最初の注射の6日前から21日間の投与期間の間
記録した。乳中の脂肪、蛋白および体細胞について毎週
ミズリー州スプリングフィルド市、65803、のディ
エイチ アイ エイ(DHIA)テスティング セン
ターの同試験室で分析した。以下の表3に示した結果
は、乳牛へのbGH(A,V)の投与によりbGH
(A,L)を使用した場合より約50%以上、met−
bGH(V)ではmet−bGH(L)より約17%以
上産乳量が増加したことを示している。本発明のバリン
bGH種によりもたらされたこの様な予期しない生産性
の利点は、酪農家にとって潜在的ではあるが大変経済的
な利益を有することは明らかである。
【0134】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】M13mp8/BGHex-1の構築を示す。
【図2】M13mp8/BGHex-1の構築を示す。
【図3】bGH(A,L)DNAコーディング配列がオ
リゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によって作製
されることを示す。
【図4】bGH(A,V)DNAコーディング配列がオ
リゴヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によって作製
されることを示す。
【図5】pMON3209発現ベクターの構築を示す。
【図6】pMON3215発現ベクターの構築を示す。
【図7】M13mp9/BGHex-1の構築を示す。
【図8】pGH(A)DNAコーディング配列がオリゴ
ヌクレオチド部位特異的突然変異誘発によって作製され
ることを示す。
【図9】pBGHex-1* の構築を示す。
【図10】pMON3213発現ベクターの構築を示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/09 C12P 21/02 H 9282−4B // A61K 38/27 AER (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ末端アラニンを有する外来性ポリ
    ペプチドをバクテリアを利用して製造する方法であっ
    て、翻訳開始シグナル/メチオニンコドンを含有する1
    ないし約3個の連続したメチオニンコドンが直前にある
    アミノ末端アラニンのコドンを有する牛ソマトトロピン
    又は豚ソマトトロピンから選ばれた家畜ソマトトロピン
    をコードするDNA配列であり、かつ本来の遺伝子から
    産生されたcDNAに比較してポリペプチドアミノ末端
    をコードする部分の核酸配列中に発現を増加させるに有
    効な改変を含有する前記DNA配列を、選択されたバク
    テリア中で発現させて前記アミノ末端アラニンを有する
    ソマトトロピンをバクテリア中で産生させること、及び
    産生された前記アミノ末端アラニンを有するポリペプチ
    ドを回収することよりなる前記方法。
  2. 【請求項2】 前記バクテリア内で産生された家畜ソマ
    トトロピンが、牛ソマトトロピンである請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記バクテリアが、大腸菌(E. co
    li)である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記バクテリア内で産生されるソマトト
    ロピンが、126位のアミノ酸位置に相当するバリン/
    ロイシン不均一性位置にバリンを有する牛ソマトトロピ
    ン及び前記位置にロイシンを有する牛ソマトトロピンか
    ら選ばれたものである請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ソマトトロピンをコードするDNA
    配列が、選択された牛ソマトトロピンをコードするもの
    である請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記ソマトトロピンが、126位のアミ
    ノ酸位置に相当するバリン/ロイシン不均一性位置にロ
    イシンを有する牛ソマトトロピンであり、前記バクテリ
    アがATCC53022株である請求項2に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ソマトトロピンが、126位のアミ
    ノ酸位置に相当するバリン/ロイシン不均一性位置にロ
    イシンを有する牛ソマトトロピンであり、前記バクテリ
    アがATCC53024株である請求項2に記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 前記回収されたソマトトロピンが、天然
    に存在する牛ソマトトロピンのアミノ酸配列と本質的に
    同じものである請求項2に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記バクテリア内に産生された家畜ソマ
    トトロピンが、豚ソマトトロピンである請求項1に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 前記バクテリアが大腸菌である請求項
    9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記バクテリアがATCC53023
    株である請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 1から約3の連続するメチオニンの諸
    コドンと、その直後に配置されたアミノ末端アラニンを
    有する豚ソマトトロピンをコードする配列とを含むDN
    Aにおいて、該豚ソマトトロピンをコードする配列は本
    来の遺伝子から産生されたcDNAに比較してポリペプ
    チドアミノ末端をコードする部分の核酸配列中に発現を
    増加させるに有効な改変を含有するものであり、かつ該
    メチオニンの諸コドンは翻訳開始シグナル/メチオニン
    コドンを含むものである前記DNAが、バクテリアプラ
    スミド及びバクテリオファージから選択されたベクター
    内に挿入されており、また該ベクターはバクテリア内で
    該DNAを発現させる能力のあるものであることを特徴
    とする組換えDNAベクター。
  13. 【請求項13】 バクテリア内で機能する1つのプロモ
    ーターと、1つのリボソーム結合部位と、1〜約3個の
    連続したメチオニンの諸コドンと、その直後に配置され
    たアミノ末端アラニンを有する豚ソマトトロピンをコー
    ドする配列と、さらにその後に配置された翻訳停止シグ
    ナルとを有する遺伝子であって、該メチオニンの諸コド
    ンは、翻訳開始シグナル/メチオニンコドンを含み、豚
    ソマトトロピンをコードする配列は本来の遺伝子から産
    生されたcDNAに比較してポリペプチドアミノ末端を
    コードする部分の核酸配列中に発現を増加させるのに有
    効な改変を含有するものである前記遺伝子。
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