JP2889044B2 - 果実酒及びその製造法 - Google Patents
果実酒及びその製造法Info
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Description
果実酒及びその製造法に関わるものである。
めとして、果実を原料とする果実酒は飲料として楽しま
れることの他に、調理用としても各種料理に用いられて
いる。特にワインは西洋料理では欠かすことのできない
調味料であって、クッキングワインとして飲用とは別の
調理専用ワインも市販されている。
な牛肉が市場に出回るようになってから、その消費が拡
大傾向にある。輸入牛肉は安価ではあるが肉質が硬いと
いう欠点があり、調理に際しては工夫を要するものが多
い。
従来から種々検討がなされているところであるが、蛋白
分解酵素を含有する軟化剤で処理する方法が一般的に行
なわれている方法である。
よる「肉質改善方法」(特開昭62−220139号)
や生醤油や生味噌の有する酵素を利用した「焼肉用調味
料」(特開昭60−256359号)も提案されてい
る。
浸透しにくく、内部まで軟化させるためには大量の軟化
剤を使用する必要があり、結果的に肉表面が軟化過剰と
なる。このため肉特有の食感を失い、レバー様の食感と
なるのである。また特開昭60−256359号も同様
の欠点を有すると同時に、必然的に肉に醤油味や味噌味
を付与することになる。
で挟み込んで軟化することも行なわれている。これはパ
イナップルが含有する蛋白分解酵素ブロメラインの働き
を利用するものであるが、これとて肉の内部まで軟化す
ることは困難である。
について検討したところ、酵素をアルコールと共存させ
ることにより浸透性が高まるという知見を得た。この知
見をもとに更に検討を重ね、肉の調理に多用される果実
酒に着目し、蛋白分解酵素を含有する果実を発酵させて
得られる果実酒を、プロテアーゼ活性が残存するように
製成し、この果実酒に肉を浸漬処理することによって肉
が中心部まで均一に軟化するという新たな知見を得た。
ものであって、蛋白分解酵素を含有する果汁を発酵させ
て得られる、プロテアーゼ活性を残存させた果実酒であ
り、また蛋白分解酵素を含有する果汁を発酵させて得ら
れた、プロテアーゼ活性を有する果実酒を他の果実酒と
混合した果実酒である。
明する。本発明は蛋白分解酵素を含有する果汁を発酵さ
せて得られる、プロテアーゼ活性を残存させた果実酒、
あるいはまた蛋白分解酵素を含有する果汁を発酵させて
得られた、プロテアーゼ活性を有する果実酒を他の果実
酒と混合した果実酒であるが、これらの原料となる果実
は代表的なものとしてパイナップルが挙げられ、この他
にパパイヤ、キウイ、いちじく等も使用できる。
であるが、発酵そのものは通常の方法と変わるところは
なく、要は製品中にプロテアーゼ活性が残存するように
製造すればよい。また混合する果実酒としてはワインが
好適である。
て製造する場合について具体的に説明する。パイナップ
ル果実を常法により剥皮、芯抜きした後、果肉を破砕、
搾汁し、これに亜硫酸として30〜50ppmになるよ
うに、例えばメタ重亜硫酸カリウムを添加し、次いで遠
心分離あるいはデカンテーション等適宜の方法で固形物
を除去する。なお亜硫酸の添加は主として酸化防止を目
的とするものであるが、酵素の安定性を向上させるため
にも重要である。
ト濾過等で清澄化し、これにワイン酵母を添加し15〜
20℃で7〜20日間発酵させる。発酵終了後遠心分
離、セライト濾過等によって製成し、遊離亜硫酸として
60〜80ppmになるようにメタ重亜硫酸カリウムを
添加し、これをそのままあるいは50〜55℃に加熱し
瓶詰して製品とする。こうして得られた製品は150〜
250U/mlのプロテアーゼ活性があり、肉の軟化機
能を充分に備えているものである。(プロテアーゼ活性
の測定はアゾカゼイン法によった。)
を防止するために、普通は発酵後ベントナイト処理して
発酵液に含まれる蛋白等を除去するが、この処理を行な
うと酵素も同時に除去され、目的とする製品は得られな
い。本発明方法はこのベントナイト処理をせずに製品と
するところに特徴を有する。上記の方法は製品に混濁や
沈殿が生じるが、清澄タイプの製品を得る場合には以下
の方法を採用すればよい。
様であるが、亜硫酸調整後53〜55℃で10〜20分
の加熱処理して熱に不安定な蛋白を沈殿させ、これをセ
ライト濾過によって清澄化し、そのままあるいは50〜
52℃に加熱し瓶詰することにより混濁や沈殿のない製
品となる。
ル果実酒を他の果実酒例えば、ワインと混合することも
できる。
て説明する。ぶどう果汁を発酵熟成させた後300〜1
500ppmのベントナイトを添加して蛋白等を凝集、
沈殿除去したワインに上記の方法によって得られたパイ
ナップル果実酒を混合する。次いで亜硫酸として50〜
70ppmになるようにメタ重亜硫酸カリウムを添加
し、−2〜−4℃で10日前後放置して酒石を安定化さ
せた後、シートないしメンブランによる仕上げ濾過して
そのままあるいは50℃に加熱して瓶詰する。
は、製品中のプロテアーゼ活性が3U/ml以上、好ま
しくは6〜30U/mlとなるように混合すればよい
が、調理用ワインとしての特徴を有する製品とするため
にはワイン80〜95に対しパイナップルワイン20〜
5で混合する。
いられるが、プロテアーゼ活性のない通常の果実酒と比
べ果実香が強くこくがあり、飲用としても好ましいもの
である。更に消化促進効果も期待できる。また、本発明
製品は通常の焼肉用たれやステーキソースに添加混合し
て用いることもできる。
明する。 実施例1 フィリッピン産の生のパイナップル果実を剥皮、除芯
し、これをクラッシャーで破砕し、圧搾濾過して果汁を
得た。この果汁のプロテアーゼ活性は350U/mlで
あった。この果汁10Lにメタ重亜硫酸カリウム1gを
添加し遠心分離によって固形物を除き、更にセライト濾
過機(ミリポア社製)を通して清澄化した。
添加し18℃で10日間発酵させたのち、セライト濾過
し遊離亜硫酸として60ppmとなるようにメタ重亜硫
酸カリウムを添加し、これを52℃に加熱し瓶詰し製品
とした。この製品のプロテアーゼ活性は130U/ml
であり、30日室温保存後のそれは120U/mlであ
った。なお瓶底にはわずかに沈殿がみられた。
55℃、10分の加熱処理をしたのちセライト濾過し、
遊離亜硫酸として60ppmになるようにメタ重亜硫酸
カリウムを添加し、−2〜−4℃で10日間放置し有機
酸塩を安定化させた後、シート濾過による仕上げ濾過
し、52℃の熱酒詰を行い製品を得た。
ベントナイト処理(1500ppmのベントナイトを添
加し1時間攪拌後セライト濾過する方法)したのち、遊
離亜硫酸として60ppmになるようにメタ重亜硫酸カ
リウムを添加し、−2〜−4℃で10日間放置し有機酸
塩を安定化させた後、シート濾過による仕上げ濾過し5
2℃で熱酒詰した。これらの製品のプロテアーゼ活性を
表1に示す。
クラッシャーで破砕し、圧搾濾過して果汁を得た。この
果汁のプロテアーゼ活性は300U/mlであった。こ
の果汁10Lにメタ重亜硫酸カリウム1gを添加し遠心
分離によって固形物を除き、更にセライト濾過機(ミリ
ポア社製)を通して清澄化した。
添加し18℃で10日間発酵させたのち、セライト濾過
し遊離亜硫酸として60ppmとなるようにメタ重亜硫
酸カリウムを添加し、これを52℃に加熱し瓶詰し製品
とした。この製品のプロテアーゼ活性は80U/mlで
あり、30日常温保存後のそれは70U/mlであっ
た。なお瓶底にはわずかに沈殿がみられた。
ントナイトを添加して蛋白等を凝集、沈殿除去したワイ
ン9Lに対し、実施例1と同様にして発酵させ、55
℃、10分の加熱処理をしたのちセライト濾過したパイ
ナップル果実酒1Lを混合し、遊離亜硫酸として60p
pmになるようにメタ重亜硫酸カリウムを添加し、−2
〜−4℃で10日間放置し酒石を安定化させた後、シー
ト濾過による仕上げ濾過し、52℃の熱酒詰を行いワイ
ンを得た。この製品のプロテアーゼ活性は11U/ml
であり、30日常温保存後のそれは10U/mlであっ
た。なお沈殿は全くみられなかった。
トラリア産の牛もも肉を実施例1〜4で得られた製品
(ただし実施例1〜3の製品はプロテアーゼ活性が10
U/mlになるように通常の瓶詰ワインで希釈調整した
ものを用いた。)30mlに漬け込み、室温で30分放
置したのち、ホットプレートで焼き上げた。(180
℃、3分間)
(無処理)に比較しての、食感の良否を判断させた。結
果を表2に示す。
漬け込んだもの。 参考2:市販の肉軟化剤(パパインを主成分としたO社
製肉軟化剤)を2g散布したもの
Claims (2)
- 【請求項1】 蛋白分解酵素を含有する果実を破砕、搾
汁したのち固形物を除去、清澄化し、これに酵母を加え
て発酵させたのち亜硫酸を添加し53〜55℃、10〜
20分の加熱処理を施した後濾過し、これを50〜52
℃で加熱瓶詰することを特徴とする果実酒の製造法 - 【請求項2】 蛋白分解酵素を含有する果実を破砕、搾
汁したのち固形物を除去、清澄化し、これに酵母を加え
て発酵させたのち亜硫酸を添加し53〜55℃、10〜
20分の加熱処理を施した後濾過し、これを通常の方法
で得られたワインに添加混合することを特徴とする果実
酒の製造法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8923692A JP2889044B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 果実酒及びその製造法 |
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JP8923692A JP2889044B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 果実酒及びその製造法 |
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JPH05260944A JPH05260944A (ja) | 1993-10-12 |
JP2889044B2 true JP2889044B2 (ja) | 1999-05-10 |
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Family Applications (1)
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JP8923692A Expired - Fee Related JP2889044B2 (ja) | 1992-03-16 | 1992-03-16 | 果実酒及びその製造法 |
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Cited By (1)
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1992
- 1992-03-16 JP JP8923692A patent/JP2889044B2/ja not_active Expired - Fee Related
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