JP2884953B2 - 二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルム - Google Patents

二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルム

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JP2884953B2 JP4293848A JP29384892A JP2884953B2 JP 2884953 B2 JP2884953 B2 JP 2884953B2 JP 4293848 A JP4293848 A JP 4293848A JP 29384892 A JP29384892 A JP 29384892A JP 2884953 B2 JP2884953 B2 JP 2884953B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向熱可塑性樹脂
積層フィルムおよびそれを用いた金属薄膜型磁気記録媒
体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属薄膜型磁気記録媒体としては、ポリ
エステルフィルムに金属薄膜型磁性層を設けてなる磁気
記録媒体が知られている(たとえば特開昭58−682
25号公報)。また、磁気記録のハード、ソフトの高性
能化に伴い、磁気記録テープの磁性体も酸化物塗布、メ
タル塗布、そして蒸着へと移行してきた。こうした磁気
記録の変化にあわせて磁気記録テープの基材フィルムに
も数多くの改良が加えられてきた。従来の2層積層の二
軸配向熱可塑性樹脂フィルムにおいて、片面について平
滑性(磁気テープにした時のS/N(シグナル/ノイズ
比)の高さに関与)と滑り性(磁気テープの走行性に関
与)、面耐久性の3者を満足させたものがある(たとえ
ば特開平2−77431号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のフィルムでは、蒸着面に関して平滑性と滑
り性、面耐久性を満足させることができないという問題
があった。
【0004】本発明は、かかる問題点を解決し、蒸着テ
ープに用いた時にも高いS/Nを有し、しかも両面の滑
り性、面耐久性が良好な二軸配向熱可塑性樹脂積層フィ
ルム、およびそれを用いた磁気記録媒体を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の二軸配向熱可塑
性樹脂積層フィルムは、一方の面(A面)を形成するフ
ィルムAと反対側の面(B面)を形成するフィルムBの
少なくとも2層を有する共押出による積層ポリエステル
フィルムであって、フィルムAおよびフィルムBの積層
フィルムがともに不活性粒子を含有し、含有する不活性
粒子の粒径(d)と積層フィルムの厚さ(t)がフィル
ムAおよびフィルムBともに、 0.1≦t/d≦3 の関係を満たし、 A面の 表面粗さが中心線平均粗さ(R
a)で3nm未満かつそのピーク個数(RMS−n)が
40(個/0.5mm)以上であり、A面に存在する突
起の突起径が40nm以上200nm以下であり、
つ、A面の表面全反射ラマン結晶化指数が20cm-1
下であり、 B面の表面粗さ(Ra)が3〜50nmであ
り、かつ、B面に存在する突起の突起径が200nm以
上1500nm以下であるものからなる。
【0006】この二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルムに
おいては、前記A面に存在する突起の数密度が800万
個/mm 2 以上であることが好ましい。
【0007】また、前記B面に存在する突起の数密度が
20万個/mm 2 以上500万個/mm 2 以下であるこ
とが好ましい。
【0008】
【0009】このようなフィルムを製造するに際して
は、二軸延伸した後、フィルムAの融点以上、フィルム
Bの融点以下の温度で熱処理するとよい。
【0010】さらに、上記のような二軸配向熱可塑性樹
脂フィルムを基材とし、該基材のA面に金属薄膜層を設
けることにより、前述の問題を解消した磁気記録媒体が
得られる。
【0011】本発明を構成する熱可塑性樹脂は、ポリエ
ステルであり、なかでもエチレンテレフタレート、エチ
レン−α,β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボキシレート、エチレン−2,6−ナ
フタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位
を主要構成成分とするのが望ましい。
【0012】本発明のフィルムは、上記組成物を主要成
分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で、他種
ポリマをブレンドしてもよいし、酸化防止剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、核生成剤等の無機または有機
添加剤が添加されていてもよい。
【0013】本発明のフィルムは上記組成物を二軸配向
せしめたフィルムであって、その配向の程度を示す厚さ
方向の屈折率比は特に限定されないが、例えばエチレン
テレフタレートを主要な成分とするポリエステルの場合
には0.935〜0.970の範囲である場合に、S/
N、滑り性、面耐久性がより一層良好となるので特に望
ましい。
【0014】本発明のフィルムは、A面の表面粗さが中
心線平均粗さ(Ra)にて3nm未満である。より好ま
しくは0.3〜2.5nm、さらに好ましくは0.5〜
1.5nmであることが望ましい。この範囲とすること
により、良好な滑り性、面耐久性が確保されると同時に
良好なS/Nが得られる。3nm以上であるとS/Nが
低下するので好ましくない。また、B面の表面粗さ(R
a)は、3〜50nmである。より好ましくは8〜40
nm、さらに好ましくは12〜30nmであることが望
ましい。この範囲より小さいと滑り性が悪化し、この範
囲より大きいと出力特性が不良となるので好ましくな
い。また、A面のRMS−nが40(個/0.5mm)
未満であるとA面のすべり性が悪化する。
【0015】A面の表面全反射ラマン結晶化指数は、2
0cm-1以下とすることにより、耐久性がより一層良好
となり、ハンドリング性も良好となる。
【0016】本発明のフィルムは、フィルムBの厚さ
(tB )、及び、フィルムBに含まれる粒径(dB )の
間に、 0.1≦tB /dB ≦3 という関係がある。より好ましくは0.2以上2以下、
さらに好ましくは0.5以上1.5以下である。この範
囲より小さいと滑り性が悪化するので好ましくない。こ
の範囲より大きいと出力特性が不良となるので好ましく
ない。
【0017】本発明のフィルムにおいて、フィルムAが
フィルムBを構成するポリエステルより融点が40℃以
上低いポリエステルを主成分とし、その中に含有される
不活性粒子の粒径が5〜50nm未満であることが好ま
しく、より好ましくは10〜40nm、さらに好ましく
は15〜30nmであることが望ましい。この範囲より
小さいと滑り性と面耐久性が悪化し、この範囲より大き
いとS/Nが低下するので好ましくない。また、A面に
存在する突起の数密度は800万個/mm2 以上である
ことが好ましく、より好ましくは1200万個/mm2
以上、さらに好ましくは1500万個/mm2 以上であ
ることが望ましい。この範囲より小さいと滑り性と面耐
久性が悪化するので好ましくない。そしてA面に存在す
る突起の突起径については、40nm以上200nm以
下とされ、好ましくは60nm以上160nm以下、
好ましくは80nm以上130nm以下であることが
望ましい。この範囲より小さいと滑り性、面耐久性が悪
化し、大きいとS/Nが低下するので好ましくない。ま
た、フィルムA中に含まれる不活性粒子の添加量が0.
05〜5重量%であることが好ましく、より好ましくは
0.1〜4重量%、さらに好ましくは0.25〜3重量
%であることが望ましい。この範囲より小さいと滑り性
と面耐久性が悪化し、大きいとS/Nが低下するので好
ましくない。さらに、本発明のフィルムは、フィルムA
の厚さ(tA )とフィルムAに含まれる不活性粒子の粒
径(dA )が以下の関係を満たす。 0.1≦tA /dA ≦3 この範囲より小さいと滑り性、面耐久性が悪化し、大き
いと出力特性が不良となるので好ましくない。さらに、
フィルムAを構成するポリエステルに共重合ポリエステ
ルを用いると、高いS/Nが得られるので好ましい。
【0018】本発明において、フィルムB中に含有され
る不活性粒子の粒径は50〜400nmであることが好
ましく、より好ましくは60〜350nm、さらに好ま
しくは100〜300nmであることが望ましい。この
範囲より小さいと滑り性が悪化するので好ましくない。
この範囲より大きいと出力特性が不良となるので好まし
くない。また、添加量は0.1〜10重量%であること
が好ましく、より好ましくは0.5〜7重量%、さらに
好ましくは1〜5重量%であることが望ましい。また、
B面に存在する突起の数密度は20万個/mm2 以上5
00万個/mm2 以下であることが好ましく、より好ま
しくは50万個/mm2 以上400万個/mm2 以下、
さらに好ましくは100万個/mm2 以上300万個/
mm2 以下であることが望ましい。この範囲より小さい
と滑り性が悪化し、大きいと出力特性が悪化する。そし
B面に存在する突起の突起径については、200nm
以上1500nm以下とされ、好ましくは250nm以
上1200nm以下、より好ましくは300nm以上1
000nm以下であることが望ましい。この範囲より小
さいと滑り性が悪化し、大きいと出力特性が悪化する。
【0019】本発明のフィルムを得るためには、その製
造において、二軸延伸後、フィルムAの融点以上、フィ
ルムBの融点以下で、より好ましくはフィルムAの融点
+10℃以上、フィルムBの融点−10℃以下で、さら
に好ましくはフィルムAの融点+15℃以上、フィルム
Bの融点−15℃以下で熱処理することが望ましい。
【0020】本発明のフィルムは、少なくとも上記フィ
ルムAとフィルムBとの二層積層構成を有するが、フィ
ルムAとフィルムBの間にC層を設け、A/C/Bの3
層フィルムとしてもよい。この場合、中央のC層は不活
性粒子を含まなくてもよいが、フィルムAに含まれる粒
子と同じ粒径の粒子を同量程度まで添加してもよい。
【0021】本発明によって得られる二軸配向熱可塑性
樹脂積層フィルムは、蒸着フィルム、特に3層蒸着フィ
ルムにおいてその効果が顕著となる。
【0022】本発明に使用する不活性粒子の種類は特に
限定されないが、コロイダルシリカに起因する実質的に
球形のシリカ粒子、架橋高分子による粒子(たとえば架
橋ポリスチレン)などが挙げられる。特に10重量%減
量時温度(窒素中で熱重量分析装置島津製作所製TG−
30Mを用いて測定。昇温速度20℃/分)が380℃
以上になるまで架橋度を高くした架橋高分子粒子の場合
に耐久性がより一層良好となるので特に望ましい。な
お、コロイダルシリカに起因する球形シリカの場合には
アルコキシド法で製造された、ナトリウム含有量が少な
い、実質的に球形のシリカの場合に耐久性がより一層良
好となるので特に望ましい。
【0023】次に本発明のフィルム及びそれを基材とす
る磁気記録媒体の製造方法について説明する。まず、
リエステルA、BまたはCに不活性粒子を含有せしめる
方法としては、不活性粒子をエチレングリコールのスラ
リーとし、ベント方式の2軸混練押出機を用いてポリエ
ステルに練り込む方法が、延伸破れなく、本発明範囲の
厚さと平均粒径の関係、含有量の基材フィルムを得るの
にきわめて有効である。粒子の含有量を調節する方法と
しては、上記方法で高濃度マスターを作っておき、それ
を製膜時に不活性粒子を実質的に含有しないポリエステ
で希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効であ
る。
【0024】次に、不活性粒子を所定量含有するポリエ
ステルA、BまたはCのペレットを必要に応じて乾燥し
たのち、公知の溶融積層用押出装置に供給し、スリット
状のダイからシート状に押出し、キャスティングロール
上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわ
ち、A/B2層の構成については2台の押出し機、2層
のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、ポリエス
テルA、Bを積層し、口金から2層のシートを押し出
し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルムを
作る。この場合、ポリエステルAのポリマ流路に、スタ
ティックミキサー、ギヤポンプを設置する方法は延伸破
れなく、本発明範囲の厚さと平均粒径の関係、含有量、
望ましい範囲の表層粒子濃度比のフィルムを得るのに有
効である。また、合流ブロックとして矩形のフィードブ
ロックを用いるのがきわめて有効である。また、A/C
/Bの構成の場合は3台の押出機を用いて同様に、3層
のマニホールドまたは合流ブロックを用いて、ポリエス
テルA、C、Bを積層し、口金から3層のシートを押し
出し、キャスティングロールで冷却して未延伸フィルム
を作る。
【0025】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.0〜6.5倍で行なう方法は、本発明範
囲の厚さと平均粒径の関係、含有量のフィルムを得るの
に有効である。長手方向延伸温度はポリエステルの種類
によって異なり一概には言えないが、通常、その1段目
を50〜130℃とし、2段目以降はそれより高くする
ことが本発明範囲の積層厚さ斑、本発明の望ましい範囲
の表層粒子濃度比のフィルムを得るのに有効である。長
手方向延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が
好適である。幅方向の延伸方法としてはステンタを用い
る方法が一般的である。延伸倍率は、3.0〜5.0倍
の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、1000〜
20000%/分、温度は80〜160℃の範囲が好適
である。
【0026】次にこの延伸フィルムを熱処理する。幅方
向の延伸を行なった後、熱処理を行なわずにもう一度長
手方向、幅方向の延伸を行なった後、熱処理することも
可能である。
【0027】次に、このフィルム上に磁性層となる金属
薄膜を形成する。磁性層を形成する方法は公知の方法で
行なうことができる。例えば、鉄、コバルト・ニッケル
またはその合金の金属薄膜を真空蒸着、イオンプレーテ
ィング、スパッタリング等により基材フィルム上に直
接、あるいはアルミニウム、チタン、クロム等の下地薄
膜を介して形成させるのが好ましい。
【0028】〔特性の測定方法並びに効果の評価方法〕
本発明の特性値の測定方法、並びに効果の評価方法は次
のとおりである。 (1)粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ低温灰化処理法で
除去し粒子を露出させる。処理条件はポリエステルは灰
化されるが粒子はダメージを受けない条件を選択する。
これを走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の画
像をイメージアナライザーで処理する。観察箇所を変え
て粒子数5,000 個以上で次の数値処理を行ない、それに
よって求めた数平均径Dを平均粒径とする。 D=ΣDi/N ここで、Diは粒子の円相当径、Nは粒子数である。
【0029】(2)突起径、突起密度 明石製作所(株)製SEMを用いてフィルム表面を粒径
にもよるが、おおよそ数万倍で写真撮影し、200個の
粒子について突起径を写真測定し、その平均を突起径と
する。また、これよりも低倍で20視野撮影し、各視野
に存在する突起個数の平均から突起密度を換算した。
【0030】(3)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0031】(4)表面粗さパラメータRa(中心線平
均粗さ)、Rt(最大高さ)、RMS−n(ピーク個
数) 小坂研究所製の高精度段差測定器ET−10を用いて測
定した。条件は下記のとおりであり、20回の測定の平
均値をとった。 ・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :0.5mm ・カットオフ値:0.008mm
【0032】(5)S/N フィルムに真空蒸着機内で微量の酸素の存在下にコバル
ト・ニッケル合金(Ni20重量%)高周波スパッタリ
ング法により斜め蒸着し、厚さμmの蒸着層を形成させ
た。続いてテープ幅にスリットし蒸着テープのパンケー
キを作成した。このパンケーキから長さ250mの長さ
をVTRカセットに組み込みVTRカセットテープとし
た。このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製のテ
レビ試験波形発生器(TG7/U706)により100
%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製カ
ラービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマS/
Nを測定しこのクロマS/Nを市販されている8mmビ
デオテープ(120分ME)と比較して1.0dB以上
高いものをS/N良好、それ以下のものをS/N不良と
判定した。
【0033】(6)滑り性 ASTM−D−1894B−63に従い、スリップテス
ターを用いて測定した。A面に関しては0.7未満を良
好、0.7以上を不良と判定し、B面に関しては0.5
未満を良好、0.5以上を不良と判定した。
【0034】(7)面耐久性 フィルムを幅1/2 インチのテ−プ状にスリットしたもの
をテ−プ走行性試験機を使用して、ガイドピン(表面粗
度:Raで100nm)上を走行させる(走行速度1,00
0m/min、走行回数10パス、巻き付け角:60゜、走行
張力:65g)。この時、フィルムに入った傷を顕微鏡
で観察し、幅2.5μm以上の傷がテ−プ幅あたり2本
未満は優、2本以上10本未満は良、10本以上は不良
と判定した。優が望ましいが、良でも実用的には使用可
能である。
【0035】(8)積層樹脂層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表面か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子の内、最
も高密度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまでの厚さ方向の分析を行なう。表層で
は表面という界面のために粒子濃度は低く、表面から中
に入るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの
場合、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始め
る。この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の
1/2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも
深い)を求め、これを積層厚さとした。条件は次の通
り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製、A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧 :12KV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表面から深さ3000nmの範囲に最も多く含有
する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定が
難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X線
光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様の
デプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには、積
層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを
求めることもできる。
【0036】
【実施例】本発明を実施例、比較例に基づいて説明す
る。 実施例1〜6、比較例1〜7 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダルシ
リカに起因するシリカ粒子を規定量含有するエチレング
リコールスラリーを調製し、このエチレングリコールス
ラリーを190℃で1.5時間熱処理した後、テレフタ
ル酸ジメチルまたはイソフタル酸ジメチル、テレフタル
酸ジメチル混合物とエステル交換反応させ、重縮合し、
該粒子を含有するポリエチレンテレフタレート(以下P
ETと略す)のペレットA、B、Cを作った。この時、
重縮合時間を調節し固有粘度を0.65とした。
【0037】これらのポリマをそれぞれ180℃で6時
間減圧乾燥(3Torr)した後、3台の押出機にそれぞれ
供給し280℃で溶融し、これらのポリマを合流ブロッ
ク(フィードブロック)で合流積層し、静電印加キャス
ト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに
巻きつけて冷却固化し、積層未延伸フィルムを作った。
この時、厚さ調整はA層、B層についてはギヤポンプを
用いて各層の厚さを調節し、C層の押出機の吐出量の調
節により総厚さを調節した。
【0038】この未延伸フィルムを温度80℃にて長手
方向に3.5倍延伸した。延伸は2組ずつのロ−ルの周
速差で、4段階で行なった。得られた一軸延伸フィルム
をステンタを用いて延伸速度2,000 %/分で100℃で
幅方向に3.6倍延伸し、定長下で、所定の温度で5秒
間熱処理し、総厚さ10μmの二軸配向積層フィルムを
得た。
【0039】これらのフィルムの片面に、真空蒸着機内
で微量の酸素の存在化にコバルト・ニッケル合金(Ni
20重量%)を高周波スパッタリング法により斜め蒸着
し、厚さ0.2μmの強磁性薄膜層を形成させた。続い
てテープ幅にスリットし金属薄膜型磁気記録媒体を得
た。
【0040】得られたフィルムの評価結果をまとめて表
1と表2に示した。それらから、フィルムの表面パラメ
ータが本発明範囲内の場合は、蒸着テープとしたときの
S/N、滑り性、面耐久性の全てを満足するフィルムが
得られることがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明においては、表面形態を特定した
二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルムとしたので、従来の
熱可塑性フィルムに比べて、蒸着テープとした時に、高
いS/Nと面耐久性とを有し、蒸着面、走行面ともに滑
り性に極めて優れたフィルムが得られた。これはさらに
また、今後の磁気記録媒体の高品質化のために幅広く活
用できるものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 55/00 - 55/30 B11B 5/704

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の面(A面)を形成するフィルムA
    と反対側の面(B面)を形成するフィルムBの少なくと
    も2層を有する共押出による積層ポリエステルフィルム
    であって、フィルムAおよびフィルムBの積層フィルム
    がともに不活性粒子を含有し、含有する不活性粒子の粒
    径(d)と積層フィルムの厚さ(t)がフィルムAおよ
    びフィルムBともに、 0.1≦t/d≦3 の関係を満たし、 A面の 表面粗さが中心線平均粗さ(Ra)で3nm未満
    かつそのピーク個数(RMS−n)が40(個/0.5
    mm)以上であり、A面に存在する突起の突起径が40
    nm以上200nm以下であり、かつ、A面の表面全反
    射ラマン結晶化指数が20cm-1以下であり、 B面の 表面粗さ(Ra)が3〜50nmであり、かつ、
    B面に存在する突起の突起径が200nm以上1500
    nm以下であることを特徴とする二軸配向熱可塑性樹脂
    積層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記A面に存在する突起の数密度が80
    0万個/mm 2 以上である請求項1の二軸配向熱可塑性
    樹脂積層フィルム。
  3. 【請求項3】 前記B面に存在する突起の数密度が20
    万個/mm 2 以上500万個/mm 2 以下である請求項
    1又は2の二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の二
    軸配向熱可塑性樹脂積層フィルムを基材とし、該基材の
    A面に金属薄膜層を設けてなる磁気記録媒体。
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