JPH09187905A - 二軸配向積層フィルム - Google Patents

二軸配向積層フィルム

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JPH09187905A
JPH09187905A JP29496096A JP29496096A JPH09187905A JP H09187905 A JPH09187905 A JP H09187905A JP 29496096 A JP29496096 A JP 29496096A JP 29496096 A JP29496096 A JP 29496096A JP H09187905 A JPH09187905 A JP H09187905A
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JP
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film
layer
polyester
pen
particles
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Application number
JP29496096A
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English (en)
Inventor
Yukari Nakamori
ゆか里 中森
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
Toru Miyake
徹 三宅
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PENフィルムの優れた機械強度を損なうこ
となく、PENフィルムの欠点である引き裂き性を改良
し、なおかつ優れた削れ性および磁気テープとした時の
優れた出力特性や写真用ベースフィルムとした時の巻き
癖カールを満足させる。 【解決手段】 本発明の二軸配向積層フィルムは、ポリ
エチレン−2,6−ナフタレートよりなる層を少なくと
も1層以上有する3層以上の積層構成からなる二軸配向
積層フィルムであって、その少なくとも片面の最外層の
結晶化度Xcがフィルム全体の結晶化度XA に対して2
〜5%低く、かつポリエチレン−2,6−ナフタレート
よりなる層が全フィルム厚みの50%以上であることを
特徴とするものからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二軸配向積層フィ
ルムに関するものであり、特に磁気記録用テープ基材、
もしくは写真用基材として有用な積層ポリエステルフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、芯層をポリエチレンテレフタ
レート(以下PETと記載する)、外層をポリエチレン
−2,6−ナフタレート(以下PENと記載する)とし
た二軸配向積層フィルム(例えば特開昭63−1976
43号公報)、PENの両面にエチレン−2,6−ナフ
タレート成分を特定量含むポリエステルを積層した二軸
配向積層フィルム(例えば特開平5−229083号公
報)が知られている。
【0003】PENを主要構成成分とするポリエステル
フィルムは、PETを主要構成成分とするポリエステル
フィルムに比べて、機械的強度、特に弾性率がはるかに
高いという特性を持っていることが知られている。ま
た、これらポリエステルフィルムを磁気テープとして用
いる場合、特に良好な走行性を確保するために、表面に
均一な微細突起を形成することが有効であり、そのため
の手段として、微細粒子の添加が広く行われている。一
方、写真用基材として用いる場合においては、優れた透
明性、長手方向、幅方向のカールの少ないベースフィル
ムであることが重要であり、そのためにフィルム表面の
粗さを規定したり、ヤング率の長手方向と幅方向の比を
規定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
磁気テープとりわけVTR記録の長時間化に伴うベース
フィルムの薄膜化が進む中、上記従来の外層をPENと
した二軸配向積層フィルムはPENの層が薄いため、そ
の優れた機械強度の寄与が小さく積層フィルム全体とし
てさほど弾性率が上がらないという問題があった。ま
た、内層をPENとした二軸配向積層フィルムにおいて
は、機械強度とフィルム表面の耐削れ性は向上したが、
フィルムの耐引き裂き性が十分ではなかった。
【0005】さらに、写真用途においても、カメラの小
型化、フィルムの薄膜化の要求が高まる中、ベースフィ
ルムの薄膜化が思うように進まず、フィルムが巻き込ま
れているパトローネの小型化ができない。
【0006】本発明は、かかる問題点を解決し、薄膜化
に対応できる高い機械強度を供え、しかも耐引き裂き
性、耐削れ性、それと同時に優れた出力特性が得られる
ような磁気記録用テープ基材として有用なフィルム、あ
るいは長手方向、幅方向にカールの少ない写真用基材に
有用なフィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フィルムは、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレートよりなる層(PEN層)を少なくとも1層以上
有する3層以上の積層構成からなる二軸配向積層フィル
ムであって、その少なくとも片面の最外層の結晶化度X
cがフィルム全体の結晶化度XA に対して2〜5%低
く、かつポリエチレン−2,6−ナフタレートよりなる
層が全フィルム厚みの50%以上であることを特徴とす
るものからなる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明フィルムは、ポリエチレン
−2,6−ナフタレートよりなる層を少なくとも1層以
上有する3層以上の積層構造である必要がある。3層構
成の場合、表裏に同一原料を用いたA/B/A構成でも
良いが、表裏のポリマー、もしくは粒子組成を変更した
A/B/C構成とすることが本発明の目的を達成するた
めに好ましい。3層以上の積層構造であれば4層でも、
5層でも構わない。この時PEN層の厚みが全フィルム
厚みの50%以上であることが必要である。好ましくは
60%以上であると、VTR記録の長時間化等に伴うベ
ースフィルムの薄膜化に対応できる優れた機械強度が得
られ特に望ましい。50%未満では、ポリエチレン−
2,6−ナフタレートのもつ優れた機械強度が十分に発
揮できない。
【0009】本発明フィルムの少なくとも片面の最外層
の表層部分の結晶化度はXcは、フィルム全体の結晶化
度XA に対して2〜5%低くする必要がある。表層の結
晶化度を低くすることによって、ベースフィルム表面の
耐削れ性が向上し、さらに、写真基材としたときの、表
面の耐キズ付き性、長手方向や幅方向のカールが著しく
改善される。結晶化度の差が2%よりも低いとベースフ
ィルム表面の耐削れ性が劣り、磁性層塗布工程において
ベースの削れ粉によるドロップアウトが問題となり好ま
しくない。また結晶化度の差が5%よりも高いと耐引き
裂き性が劣り好ましくない。特に片面の最外層を構成す
るポリマーがPENとPETのブレンドポリマーである
場合、本発明の効果を得るのに有効である。
【0010】本発明フィルムの少なくとも片面の最外層
厚みは0.01〜0.2μmとすることが望ましい。こ
の特定厚みとすることによって、磁気媒体用基材とした
とき高さの揃った突起が高密度に形成でき、さらにフィ
ルム表面のPENによる粗大突起が減少するので好まし
い。
【0011】本発明フィルムの少なくとも片面の最外層
は、100nm未満の高さの突起を100万個/mm2
〜2000万個/mm2 形成していることが好ましい。
さらに好ましくは、300万個/mm2 〜1500万個
/mm2 である。100nm未満の高さの突起個数が、
100万個/mm2 よりも少ないと磁気テープ、特に蒸
着テープとしたときの走行性が不十分となり、また、1
00nm未満の高さの突起個数が、2000万個/mm
2 よりも多いと、磁気テープとした時の出力特性が低下
し好ましくない。
【0012】本発明フィルムを構成する積層構成は、特
に限定されないがPETとPENの組み合わせでいろい
ろな積層構成を取りうる。特に少なくとも片面の最外層
をPETとPENのブレンドポリマーとした場合は、表
層部の結晶化度を低くするのに有効であり、本発明の効
果が向上するので特に好ましい。
【0013】この場合、ブレンドポリマー中のPEN成
分としては、40重量%未満であることが好ましく、3
0重量%未満であることがより好ましい。特に5〜25
重量%であると、本発明の結晶化度の差が有効に得られ
る。さらに、フィルム表面のPENによる粗大突起が減
少するので特に好ましい。
【0014】本発明フィルムの、少なくとも片面の最外
層の厚みは、前述の通り0.01〜0.2μm、好まし
くは、0.02〜0.1μmであることが望ましく、ま
た、フィルム厚み全体に対する両最外層厚みの和が、1
5〜75%、好ましくは20%〜60%である場合、本
発明の効果を得ることができ好ましい。
【0015】本発明フィルムは、上記ポリマーを主要成
分とするが、本発明の目的を阻害しない範囲内で酸化防
止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の添加剤が通常添加される
程度添加されていてもよい。特に、最外層表面に100
nm未満の突起数を本発明の範囲にするためには、0.
01〜0.3μm、好ましくは0.03〜0.1μmの
粒径の粒子を0.05〜3重量%、好ましくは0.1〜
2重量%含有することが有効である。この時、含有させ
る粒子としては、無機または有機粒子いずれであっても
かまわないし、1種類の粒子でも、2種類以上の粒子を
併用してもかまわないが、透明性、出力特性、走行耐久
性の点からコロイダルシリカもしくはジビニルベンゼン
粒子やシリコーン粒子等の球形粒子が好ましい。その他
の粒子としては、アルミナ、ジルコニアなどの凝集粒子
も用いることができる。
【0016】また、該最外層以外のフィルム層、つまり
内層、あるいはもう片方の最外層を構成するポリマー中
に粒子を1種類または2種類以上含有していてもかまわ
ない。この場合、粒径は、0.05〜2.0μm 、含有
量は0.01〜3.0重量%、さらには0.05〜3.
0重量%で、ジビニルベンゼン粒子、シリカ、炭酸カル
シウム、アルミナ、カーボンブラック、酸化チタン等か
ら選ばれる粒子を含有することが好ましい。
【0017】本発明フィルムは、上記組成物を二軸配向
したフィルムである。一軸あるいは無配向フィルムでは
機械強度が不足し、また本発明の効果を得ることができ
ないので好ましくない。この配向の程度は、特に限定す
るものではないが、磁気媒体用として用いる場合は、フ
ィルムの長手方向と幅方向の弾性率の和が11.7〜1
9.6GPa、好ましくは12.7〜17.6GPaで
ある。
【0018】本発明のフィルムは写真用基材、磁気記録
媒体用に好ましく用いられる。特に蒸着型磁気記録媒体
用として好ましく用いられる他、写真用基材の小型化、
薄膜化に有効である。
【0019】次に本発明フィルムの製造方法の一例を説
明する。
【0020】本発明で用いるPENおよびPETは公知
の方法により得られるものを用いることができる。ま
た、これらのブレンドポリマーは、ポリエステルの重合
工程で共重合させる方法、溶融押出時に両者をブレンド
する方法などがあるが、特に限定されるものではない。
しかし、本発明の効果を得るためには、PEN成分は好
ましくは40重量%未満、更に好ましくは30重量%未
満、特に好ましくは5〜25重量%含有していることが
望ましい。
【0021】これらのポリエステルに粒子を含有せしめ
る方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添
加してもよいが、ポリエステルのジオール成分であるエ
チレングリコールなどに、スラリーの形で混合、分散せ
しめて添加する方法、ベント式の二軸混練押出機を用い
て粒子粉末とポリマーを混合する方法が好ましく用いら
れる。
【0022】粒子の含有量を調節する方法としては、高
濃度の粒子マスターペレットを製膜時に粒子を実質的に
含有しないポリマーで希釈する方法を用いると本発明の
効果がいっそう大きくなるので好ましい。
【0023】次に、これらのポリエステルを十分乾燥し
た後、2台以上の押出機、3層以上のマニホールド又は
合流ブロックを用いて、溶融状態のポリエステルを積層
し、スリット状口金から溶融押出し、40〜70℃のキ
ャスティングドラム上で冷却固化せしめて未延伸フィル
ムを作る。この場合、ポリマ流路にスタティックミキサ
ー、ギヤポンプを設置する方法は本発明の効果を得るの
に有効である。
【0024】また、低結晶層側のポリマーを押出す押出
機の溶融温度を該層と隣接する層より5〜10℃低くす
ることは本発明の効果を得るのに有効である。
【0025】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸延伸法
を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて縦延伸温
度90〜180℃、総縦延伸倍率3.0〜6.0倍の範
囲で行うのが好ましい。
【0026】幅方向の延伸は、公知のテンターを用い
て、90〜140℃の温度で5.0〜8.0倍延伸する
ことが好ましい。また、幅方向の延伸倍率を長手方向の
延伸倍率より高くすることは本発明の効果を得るのに有
効である。さらに、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を
行う。
【0027】次にこの延伸フィルムを熱処理する。この
場合の熱処理温度は150〜200℃、特に160〜1
90℃で、低結晶層側の熱風温度を100℃以上低くす
ることが結晶化度の差を本発明の範囲にするのに有効で
ある。熱処理の時間は0.2〜20秒の範囲が好適であ
る。
【0028】
【物性の評価方法ならびに効果の評価方法】本発明の特
性値の測定方法ならびに効果の評価方法は次の通りであ
る。
【0029】(1)粒子の平均粒径 フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、1
0万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約1
00nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒
子の平均径は重量平均径(等価円相当径)から求める。
【0030】(2)粒子の含有量 ポリエステルは溶解し粒子は溶解しない溶媒を選択し、
粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重量に
対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。場合
によっては赤外分光法の併用も有効である。
【0031】(3)フィルム積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通りである。
【0032】 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流 :200nA ラスター領域 :400μm □ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :5.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A
【0033】なお、表層から深さ3000nmの範囲に最
も多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMS
では測定が難しいので、表面からエッチングしながらX
PS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで
上記同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求め
ても良いし、電子顕微鏡等による断面観察で、粒子濃度
の変化状態やポリマーの違いによるコントラストの差か
ら界面を認識し積層厚みを求めることもできる。
【0034】(4)表面突起個数、高さ 4検出方式のフィールドエミッション電子線三次元粗さ
解析装置(エリオニクス社製ERA−8000FE)を用い
て、フィルム表面の平坦面の高さを0とした時の突起高
さを測定した。ここで、走査型電子顕微鏡の倍率は50
00〜30000倍の間を選択し、測定を100視野に
ついて行い、0.005μm以上の高さを有する物を突
起として、突起個数を求め、測定された突起について、
その高さの平均値を平均高さとした。なお、場合によっ
ては、原子間力顕微鏡(Digital Instru
ments社製 Nanoscope III) を用いて、
5μm四方の視野を走査速度0.69Hzで走査するこ
とによって得られる高さ情報を、上記粗さ解析装置の値
に読み替えてもよい。
【0035】(5)結晶化度 フィルム密度を臭化ナトリウム水溶液からなる密度勾配
管を用いて、25℃で測定した。最外層の密度は、同条
件で製造された最外層のみのフィルム、または、積層フ
ィルムから最外層を削り取った試料で密度を測定した。
また、削り取る操作が難しい場合は表層のみの結晶化状
態を測定可能な手法、例えば、全反射ラマン法、FT−
IR法等で得られた情報を、検量線を用いて、密度に読
み替えることも可能である。
【0036】結晶化度(%)は、下記式より求めた。
【0037】
【数1】 ポリエチレンテレフタレート 非晶密度:1.335g/cm3 結晶密度:1.455g/cm3 ポリエチレン−2,6−ナフタレート 非晶密度:1.325g/cm3 結晶密度:1.407g/cm3 として求めた。
【0038】(6)引き裂き強度 引き裂き強度の測定には、東洋精機製作所製のエレメン
ドルフ引き裂き試験機を用いた。50.8(長手方向)
×63.5(幅方向)mmのフィルム試料を作成し、長手
方向に沿う両ツカミの中央で直角に幅方向に12.7mm
の切れ目を作り、残りの50.8mmに対する引き裂きの
力(g)を求めた。この力をフィルムの厚みで割り、引
き裂き強度(N/mm)とした。この測定をフィルム長手方
向と幅方向について行いそれぞれの引き裂き強度が2.
94N/mm以上のものを引き裂き性良好とした。引き裂き
強度2.94N/mm未満の場合、製膜中の破れ、磁気テー
プとして使用中の切れが頻繁に生じるため、品質上問題
となる。
【0039】(7)耐削れ性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットし、テ
ープ走行試験機TBT−300D/H型((株)横浜シ
ステム研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲気
にて、入側張力90g、走行速度250m/min でビデ
オカセットのガイドピン(表面粗さがRaで50nm、
Rtで250nm程度の表面を持ったステンレス製ガイ
ドピン)上を巻き付け角60度で走行させ、走行の始め
の部分から90mの地点をサンプリングし、アルミ蒸着
を施し傷を目視により次の基準で判定した。
【0040】 全く傷のないもの・・・・・・5点 傷はあるが本数は少ない・・・3点 深い傷が多数あるもの・・・・1点
【0041】この測定を10回行い平均を耐削れ性の点
数とし3点以上を耐削れ性良好とした。
【0042】(8)出力特性(C/N) 本発明のフィルムに連続真空蒸着装置を用いて、微量の
酸素の存在下にコバルト・ニッケル合金(Ni20重量
%)の厚み200nmの蒸着層を設けた。さらに、蒸着層
表面にカーボン保護膜、反対面にバックコート層を公知
の手段で形成させた後、8mm幅にスリットし、パンケ
ーキを作成した。次いで、このパンケーキから長さ20
0m分をカセットに組み込み、カセットテープとした。
【0043】このテープについて、市販のHi8用VT
R(SONY社製 EV-BS3000 )を用いて、7MHz±
1MHzのC/Nの測定を行った。
【0044】このC/Nを市販のHi8用ビデオテープ
(120分ME)と比較して +3dB以上 :優 +1〜+3dB :良 +1dB未満 :不良 と判定した。
【0045】(9)弾性率 本発明のフィルムより幅10mm、長さ200mmのサ
ンプルを切り出し、チャック間の距離を100mm、引
張速度20mm/min、チャート速度500mm/m
inとしてインストロンタイプの引張試験機にて引っ張
り、チャートに描かれた荷重−伸び曲線の立ち上がりに
接線を引き、弾性率を計算し、次の基準で判定した。
【0046】
【0047】(10)巻き癖カールの大きさ フィルムを幅方向35mm、長手方向135mmの大き
さにサンプリングし、直径10mmの巻き芯に巻き付
け、70℃、30%RH、72時間の処理を行い、その
後、巻き芯から解放し、38℃の蒸留水に30分間浸漬
後、30gの張力をかけた状態で、50℃の熱風オーブ
ン中で5分間乾燥する。処理したフィルムサンプルを平
面上に置いたときに形成される円筒の直径を測定した。
巻き癖カール回復性は、以下の5段階で評価した。
【0048】 5:カールなし(フィルムが平ら) 4:円筒の直径60mm以上 3:円筒の直径が40mm以上60mm未満 2:円筒の直径が20mm以上40mm未満 1:円筒の直径が20mm未満
【0049】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説
明する。
【0050】実施例1 まず第1層に用いる原料(ポリエステルA)を下記のよ
うに作成した。平均粒径0.045μmのコロイダルシ
リカに起因するシリカ粒子を含有する水スラリーをポリ
エチレンテレフタレートペレットと混合し、ベント式の
2軸混練押出機を用いて練り込み、PETの粒子ペレッ
トを得た。また、同様に公知の方法により得られた無粒
子のポリエチレン−2,6−ナフタレートのペレットを
得た。この粒子ペレットと実質的に粒子を含有しないP
ETポリマペレットおよびPENポリマペレットを適当
量混合し、粒子含有量1.0重量%、PEN成分20重
量%のポリマペレットとした(ポリエステルA)。次
に、第2層に用いる原料として、粒子を含有しないPE
Tを作成した(ポリエステルB)。さらに、第3層に用
いる原料として、平均粒径0.1μmのジビニルベンゼ
ン粒子(ジビニルベンゼン成分81%)を含有するPE
Nポリマペレットを作成した(ポリエステルC)。
【0051】これらの原料(ポリエステルA、B、C)
をそれぞれ170℃で6時間真空乾燥した後(3Tor
r)した後、押出機1、押出機2、押出機3にそれぞれ
供給し、255℃、260℃、280℃でそれぞれ溶融
した。これらのポリマーを公知の方法で濾過し、3層用
の矩形の合流ブロック(フィードブロック)にて3層積
層した。また各層の厚みはそれぞれのラインに設置され
たギヤポンプの回転数を調節して押出量を制御すること
によって調節した。
【0052】これを静電印加キャスト法を用いて、表面
温度60℃のキャスティングドラム上に、ドラムと接触
する面が第1層側となるように巻き付けて冷却固化し、
未延伸フィルムを作った。この時、それぞれの押出機の
吐出量を調節し総厚さ、および各積層厚さを調節した。
【0053】この未延伸フィルムを90℃で長手方向に
4.0倍延伸した。この延伸は2組ずつのロールの周速
差で、3段階で行った。この一軸延伸フィルムをテンタ
ーを用いて95℃で幅方向に5.0延伸した。続いてこ
のフィルムを定長下で180℃、この時の第1層面側の
熱風温度を80℃として、5秒間熱処理し、層厚さ7μ
mの積層ポリエステルフィルムを得た。
【0054】このフィルムの第1層側の表面に、前述の
方法により蒸着層を設け、金属薄膜型磁気記録媒体を得
た。
【0055】このフィルムの特性は表1、表2に示した
とおりであり、本発明の範囲のフィルムは耐引き裂き
性、耐削れ性、出力特性、弾性率全てに良好であること
が分かる。
【0056】実施例2 第1層を構成するポリエステルを、粒子添加量1.5重
量%としたポリエステルAとし、第2層を構成するポリ
エステルを、実質的に粒子の含有しないPENポリマペ
レットとし、第3層をポリエステルCとし、第2、第3
層の厚みを種種変更した以外は実施例1と同様のプロセ
スで積層ポリエステルフィルムを得た。
【0057】実施例3 第1層を構成するポリエステルを、粒子添加量1.2重
量%としたポリエステルAとし、第3層を構成するポリ
エステルを、平均粒径0.3μmのシリカ粒子を、0.
5重量%添加したPETポリマペレット(ポリエステル
D)とし、その他の積層構成は実施例2と同様にして積
層ポリエステルフィルムを得た。
【0058】実施例4 第1層、第3層を構成するポリエステルAと、第2層を
構成するポリエステルCの3層積層構成であって、各層
の厚みを変更した以外は実施例1と同様のプロセスで積
層ポリエステルフィルムを得た。
【0059】実施例5 第1層を構成するポリエステルを、平均粒径0.1μm
のジビニルベンゼン粒子(ジビニルベンゼン成分81
%)を1.5重量%含有したポリエステルAとし、各層
の厚み比率を変更した以外は実施例1と同様の積層構
成、プロセスで積層フィルムを得た。
【0060】実施例6 第1層、第3層を構成するポリエステルを、平均粒径
0.1μmのコロイダルシリカを、添加量0.5重量%
としたブレンドポリエステルE( PEN成分20重量
%)、第2層を構成するポリエステルを、実質的に粒子
の含有しないPENポリマペレットとした。これらの原
料をそれぞれ170℃で6時間真空乾燥した後(3To
rr) 押出機1、押出機2にそれぞれ供給し260℃、
280℃でそれぞれ溶融した。これらのポリマーを公知
の方法で濾過し、3層用の矩形の合流ブロック(フィー
ドブロック)にて3層積層した。また各層の厚みはそれ
ぞれのラインに設置されたギヤポンプの回転数を調節し
て押出量を制御することによって調節した。
【0061】これを静電印加キャスト法を用いて、表面
温度20℃のキャスティングドラム上に、ドラムと接触
する面が第1層側となるように巻き付けて冷却固化し、
未延伸フィルムを作った。この時、それぞれの押出機の
吐出量を調節し総厚さ、および各積層厚さを調節した。
【0062】この未延伸フィルムを実施例1と同様のプ
ロセスで全厚75μmの積層ポリエステルフィルムを得
た。
【0063】実施例7 第1層を構成するポリエステルをポリエステルE、第2
層を構成するポリエステルを、実質的に粒子の含有しな
いPENポリマペレット、第3層を構成するポリエステ
ルをポリエステルDとした。、各層の厚みを種種変更し
た以外は実施例1と同様のプロセスで全厚50μmの積
層ポリエステルフィルムを得た。
【0064】比較例1 シリカ粒子の添加量を2.0重量%としたポリエステル
Aを用いて単層のポリエステルフィルムを得た。耐引き
裂き性以外、耐削れ性、出力特性、弾性率全てに不良で
あった。
【0065】比較例2 A/B/Aの3層積層構成であって、A層を構成するポ
リエステルを、平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.
1重量%添加したPENポリマペレット(ポリエステル
F)とし、B層を構成するポリエステルBの両面に積層
し、A/B/Aの3層積層フィルムを得た。耐削れ性、
出力特性、弾性率が不良であった。
【0066】比較例3 第1層をPEN成分70重量%のポリエステルA、第2
層をポリエステルB、第3層をポリエステルDとして各
々積層厚みを変え、実施例1と同様に製膜し、積層フィ
ルムを得た。耐削れ性、出力特性、弾性率が不良であっ
た。
【0067】比較例4 第1層を比較例3と同様、PEN成分70重量%のポリ
エステルA、第2層をポリエステルB、第3層をポリエ
ステルEとして各々積層厚みを変更し実施例1と同様の
プロセスで製膜した。耐削れ性、弾性率が不良であっ
た。
【0068】比較例5 第1層をポリエステルF、第2層は無粒子のPENポリ
マペレット、第3層はポリエステルCとして各々積層厚
みを変更し実施例1と同様のプロセスで製膜した。耐引
き裂き性、耐削れ性が不良であった。
【0069】比較例6 平均粒径0.1μmのシリカ粒子を0.1重量%添加し
たPENポリマペレット(ポリエステルF)を用いて全
厚75μmの単層のポリエステルフィルムを得た。耐引
き裂き性、巻き癖カールが不良であった。
【0070】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【0071】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層フィルムによれ
ば、PEN層を少なくとも1層以上有する3層以上の積
層積層構造の少なくとも片面の最外層とフィルム全体の
結晶化度の差を特定の範囲とするとともに、PEN層と
全フィルム厚みの割合を特定したので、ベースフィルム
の薄膜化に対応できる高い機械強度を備え、しかも耐引
き裂き性、耐削れ性をも兼ね備え、磁気記録媒体用とし
たときには、優れた出力特性が得ることができ、写真基
材に用いた場合、優れた表面の耐キズ付き性や巻き癖カ
ール性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 105:16 B29L 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレン2,6−ナフタレートよりな
    る層を少なくとも1層以上有する3層以上の積層構成か
    らなる二軸配向積層フィルムであって、その少なくとも
    片面の最外層の結晶化度Xcがフィルム全体の結晶化度
    A に対して2〜5%低く、かつポリエチレン−2,6
    −ナフタレートよりなる層が全フィルム厚みの50%以
    上であることを特徴とする二軸配向積層フィルム。
  2. 【請求項2】少なくとも片面の最外層厚みが0.01〜
    0.2μmであり、該最外層に100nm未満の高さの突
    起が、100万個/mm2 〜2000万個/mm2 形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の二軸配向積層フ
    ィルム。
  3. 【請求項3】少なくとも片面の最外層が、ポリエチレン
    −2,6−ナフタレートとポリエチレンテレフタレート
    のブレンドポリマーである請求項1又2記載の二軸配向
    積層フィルム。
  4. 【請求項4】フィルム厚み全体に対する両最外層厚みの
    和が、15〜75%である請求項1〜3のいずれかに記
    載の二軸配向積層フィルム。
  5. 【請求項5】磁気記録媒体用もしくは、写真用基材に用
    いられることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の二軸配向積層フィルム。
JP29496096A 1995-11-07 1996-11-07 二軸配向積層フィルム Pending JPH09187905A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6908686B2 (en) 2002-11-26 2005-06-21 Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership PEN-PET-PEN polymeric film

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