JPH05269838A - 二軸配向積層フイルム - Google Patents

二軸配向積層フイルム

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JPH05269838A
JPH05269838A JP10013292A JP10013292A JPH05269838A JP H05269838 A JPH05269838 A JP H05269838A JP 10013292 A JP10013292 A JP 10013292A JP 10013292 A JP10013292 A JP 10013292A JP H05269838 A JPH05269838 A JP H05269838A
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巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
Hidehito Minamizawa
秀仁 南沢
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 3層以上の積層構造を有し、少なくとも片面
側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(n
m)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が0.2d
≦t≦10dであり、フイルム表面の突起個数が3×1
3 〜2×105 個/mm2 であるか又は該式の関係を
満たす粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105 個/
mm2 であり、かつ、中間層に無機粒子を含有する二軸
配向積層フイルム。 【効果】 最外層含有粒子の平均粒径と最外層の層厚さ
とを特定の関係とし、表面突起数あるいは該関係を満た
す粒径の粒子数を特定の範囲とするとともに、中間層に
無機粒子を含有させることにより、フイルムの表面に削
れにくいかつ所望の突起を効率よく形成して望ましい表
面形態にすることができ、優れた走行性を発揮させるこ
とができるとともに、磁気媒体用として優れた画質、ド
ロップアウト特性を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向積層フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】二軸配向積層フイルム、例えば二軸配向
ポリエステルフイルムとしては、ポリエステルにコロイ
ド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ粒子を含有
せしめたフイルムが知られている(たとえば特開昭59
−171623号公報)。
【0003】しかし、フイルムの加工工程、特に磁気媒
体用途における磁性層塗布・カレンダー及び巻取、カセ
ット組み込み工程などの工程速度の増大に伴い、接触す
るロールやガイドでフイルム表面、とくに微小凹凸を有
するフイルム表面が削り取られやすいという欠点があっ
た。また、従来のものでは、高速磁界転写などによるダ
ビングの増速化にともない、ダビング時の画質低下のた
めに、画質すなわちS/N(シグナル/ノイズ比)も不
十分という欠点があった。
【0004】このような欠点を解消するため、積層フイ
ルムの最外層を薄層とし、該層厚さに対し比較的粒径の
大きな粒子を含有させ、該層厚さと粒子の粒径を特定の
関係にすることにより、フイルム表面に削り取られにく
い微小突起を形成するようにした二軸配向積層フイルム
が提案されている(特開平2−77431号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述の従来
技術における問題点を解決するとともに、特開平2−7
7431号公報提案の技術をさらに改良するもので、フ
イルム表面の微小突起をより最適化して走行性を一層向
上し、特に磁気媒体用途とした時にダビング時等の画質
低下が少なくしかもドロップアウト特性の良好な(以
下、電磁変換特性に優れるということもある。)二軸配
向積層フイルムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向積層フイルムは、少なくとも3層以上の積層構
造からなる二軸配向積層フイルムにおいて、その少なく
とも片面側の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の突起個数が3×1
3 〜2×105 個/mm2 であり、かつ、中間層に無
機粒子を含有するものから成る。
【0007】また、もう一つの本発明の二軸配向積層フ
イルムは、少なくとも3層以上の積層構造からなる二軸
配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側の最
外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)と該
最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該式の関係を満たす粒径の粒子数が3×103
〜1.5×105 個/mm2 であり、かつ、中間層に無
機粒子を含有するものから成る。
【0008】まず、本発明のフイルムは少なくとも3層
以上の積層構造である必要がある。3層以上であれば、
4層でも5層でもかまわないが3層構造の場合に本発明
の効果がより一層良好となり好ましい。しかし、単層や
2層構造のフイルムでは高速削れ性や電磁変換特性を満
足させることはできず、良好な画質や良好なドロップア
ウト特性を得ることができない。
【0009】次に、本発明のフイルムは、これを構成す
る上記各層の少なくとも一層が二軸に配向している必要
がある。3層以上の積層構造の内、全部の層が二軸に配
向していると特に好ましい。全ての層が無配向や一軸配
向では本発明の特性を満足することはできない。
【0010】本発明の二軸配向積層フイルムを構成する
ポリマーは特に限定されないが、磁気媒体用途としては
ポリエステルが好ましい。ポリエステルとしては特に限
定されないが、エチレンテレフタレート、エチレンα,
β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4’−
ジカルボキシレート、エチレン2,6─ナフタレート単
位から選ばれた少なくとも一種の構造単位を主要構成成
分とする場合に特に好ましい。中でもエチレンテレフタ
レートを主要構成成分とするポリエステルの場合が特に
好ましい。なお、本発明を阻害しない範囲内で、2種以
上のポリエステルを混合しても良いし、共重合ポリマを
用いても良い。
【0011】本発明の二軸配向積層フイルムの少なくと
も片面の最外層には、まず、粒子が、該粒子の平均粒径
d(nm)と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d になるように含有される。tが0.2dよりも小さいと
走行性が悪化し、tが10dよりも大きいと磁気テープ
としたときの画質が低下する。
【0012】そして、該粒子は、上記式の関係を満たす
粒径の粒子数が3×103 〜1.5×105 個/mm2
になるように含有される。このように、粒子の粒径と最
外層の層厚さとが特定の関係を満たす粒径の粒子数を特
定の範囲とすることにより、まず、該含有粒子自身によ
り、フイルム表面に所望の微小突起が効率よく形成され
る。
【0013】そして、本発明の二軸配向積層フイルムに
おいては、中間層に無機粒子が含有されるから、該中間
層含有無機粒子の突起形成作用が薄層の最外層にも現
れ、該無機粒子による突起形成面にさらに上記最外層含
有粒子による突起が上乗せされた形態で突起が形成さ
れ、より削り取られにくい、一層良好な走行性を発揮で
きる望ましい突起が形成される。中間層に無機粒子を含
有させないと、とくに、磁気テープとしたときの、テー
プ端部でのドロップアウトが増加する。
【0014】このように最外層含有粒子に加え中間層含
有無機粒子も突起形成作用を奏する結果、本発明の二軸
配向積層フイルムにおいては、最外層側のフイルム表面
の突起個数は3×103 〜2×105 個/mm2 とされ
る。
【0015】最外層側フイルム表面の突起個数が上記範
囲よりも少ないと、摩擦係数が高くなって、良好な走行
性が得られない。逆に突起個数が上記範囲よりも多い
と、磁気テープとしたときの画質が低下する。
【0016】また、最外層含有粒子の、前記式を満たす
粒径の粒子数が前記範囲よりも少ないと、やはり良好な
走行性が得られず、前記範囲よりも多いと、磁気テープ
としたときの画質が低下する。
【0017】中間層に含有される無機粒子は、特に限定
されないが、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、ジル
コニア、酸化チタンから選ばれた少なくとも1種類であ
ることが好ましい。
【0018】中間層含有無機粒子が炭酸カルシウムであ
る場合には、その結晶形態はカルサイト型またはバテラ
イト型であることが好ましい。また、該無機粒子がシリ
カである場合には、コロイダルシリカであることが好ま
しい。さらに、該無機粒子がアルミナである場合には、
その結晶形態はδ型またはγ型であることが好ましい。
【0019】なお、本発明のフイルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲内で、異種ポリマをブレンドして
もよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸
収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加されて
いてもよい。
【0020】次に本発明フイルムの製造方法を、ポリエ
ステルフイルムの場合について説明する。まず、ポリエ
ステルに粒子を含有せしめる方法としては、例えばジオ
ール成分であるエチレングリコールに粒子を所定割合に
てスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリコール
を所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が好まし
い。粒子を添加する際には、例えば、粒子を合成時に得
られる水ゾルやアルコールゾルを一旦乾燥させることな
く添加すると粒子の分散性が非常によく、高速削れ性、
電磁変換特性を共に良好とすることができる。また粒子
の水スラリーを直接所定のポリエステルペレットと混合
し、ベント方式の2軸混練押出機に供給しポリエステル
に練り込む方法も本発明の効果をより一層良好とするの
に非常に有効である。粒子の含有量、個数を調節する方
法としては、上記方法で高濃度の粒子マスターを作って
おき、それを製膜時に粒子を実質的に含有しないポリエ
ステルで希釈して粒子の含有量を調節する方法が有効で
ある。
【0021】次にこのポリエステルのペレットを用いて
3層以上の積層構造をもったポリエステルフイルムとす
る。上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを
所定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用
押出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台以上の押出
機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロック(例え
ば角型合流部を有する合流ブロック)を用いて、各最外
層を構成するフイルム層、中間層を構成するフイルム層
を積層し、口金から3層以上のシートを押し出し、キャ
スティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。こ
の場合、ポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は有効である。また、最表層積層部側
のポリマーを押出す押出機の溶融温度を基層部側より5
〜10℃低くすることが、有効である。
【0022】次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法ま
たは同時二軸延伸法を用いることができる。ただし、最
初に長手方向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸
法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦
延伸倍率を3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好まし
い。長手方向延伸温度はポリエステルの種類によって異
なり一概には言えないが、通常、その1段目を50〜1
30℃とし、2段目以降はそれより高くすることが有効
である。長手方向延伸速度は5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的である。延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、特に1
80〜200℃、時間は0.2〜20秒の範囲が好適で
ある。
【0023】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)粒子の平均粒径、粒子数 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
数は、積層厚みと平均粒径の関係を満たすものについ
て、体積分率から求め、mm2 あたりに換算する。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0024】(2)積層ポリエステル層の厚さ(最外層
の厚さ:t) 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフイルム中の粒子の内もっと
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では表
面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかる
につれて粒子濃度は高くなる。本発明フイルムの場合は
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2と
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は次の通り。 測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA 社製 A-DIDA3000 測定条件 1次イオン種 :O2 + 1次イオン加速電圧:12KV 1次イオン電流:200nA ラスター領域 :400μm□ 分析領域 :ゲート30% 測定真空度 :6.0×10-9Torr E−GUN :0.5KV−3.0A なお、表層から深さ3000nmの範囲にもっとも多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMSでは測定
が難しいので、表面からエッチングしながらXPS(X
線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記同様
のデプスプロファイルを測定し積層厚さを求めても良い
し、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度の変
化状態やポリマの違いによるコントラストの差から界面
を認識し積層厚さを求めることもできる。さらには積層
ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さを求
めることもできる。
【0025】(3)フイルム表面の突起個数、突起高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求め、測定された突起につい
てその高さの平均値を平均高さとした。また走査型電子
顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、
場合によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置
(WYKO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜2
00倍、高解像度カメラ使用が有効)を用いて得られる
高さ情報を上記SEMの値に読み替えて用いてもよい。
【0026】(4)画質(クロマS/N) フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cm でカレン
ダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
上記テープ原反を1/2インチにスリットし、長さ25
0mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセット
テープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ―ト) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5 重量部 このテ―プに家庭用VTRを用いてシバソク製のテレビ
試験波形発生器(TG7/U706 )により100 %クロマ
信号を記録し、その再生信号からシバソク製カラービデ
オノイズ測定器(925 D/1)でクロマS/Nを測定し
た。
【0027】(5)走行性(摩擦係数μk) フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲
気で走行させ、初期の摩擦係数を下記の式より求めた
(フイルム幅は1/2インチとした)。 μk=2/πln(T2 /T1 ) ここで、T1 は入側張力、T2 は出側張力である。ガイ
ド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面
粗度0.2S)、巻き付け角は90°、走行速度は3.
3cm/秒である。この測定によって得られたμkが
0.3以下の場合は摩擦係数:良好、0.3を越える場
合は摩擦係数:不良と判定した。このμkはフイルムを
磁気記録媒体、コンデンサ、包装用などの加工をする時
のハンドリング性を左右する臨界点である。
【0028】(6)磁気テープにおけるドロップアウト
評価 テープにVTRを用い、TV試験信号発生機(シバソク
製TG−7/1型)からの信号を録画させた後、25
℃、50%RHで100パス(120分×100パス)
走行させた。このテープをドロップアウトカウンターを
用いて、ドロップアウトの幅が5μ秒以上で、再生され
た信号の減衰がマイナス16dB以上のものをピックア
ップしてドロップアウトとした。測定は10巻について
行ない、1分間当りに換算したドロップアウト個数が1
0個未満の場合はドロップアウト良好、10個以上の場
合を不良とした。
【0029】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説
明する。 実施例1(表1) 最外層に含有させる粒子をエチレングリコール中にて、
50μm径のガラスビーズをメディアとして分散させ、
ガラスビーズを除去したのちテレフタル酸と重合し、ポ
リエチレンテレフタレートのマスターペレットとした。
【0030】次に、中間層に含有させる粒子としてカル
サイト型炭酸カルシウム粒子を上記メディア分散法を用
いてエチレングリコール中に均一に分散させ、上記と同
様にして該粒子含有のマスターペレットを得た。
【0031】上記それぞれのマスターペレットを、粒子
を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレットで
所定割合にて希釈し、180℃で8時間減圧乾燥(3T
orr)した後、押出機1、押出機2(たとえばベント
式二軸混練押出機)にそれぞれ供給し、280℃、29
0℃で溶解した。この2つのポリマを、それぞれ高精度
濾過した後、矩形積層部を備えた3層合流ブロックに
て、中間層部にカルサイト型炭酸カルシウム粒子含有ポ
リマが、両面表層積層部に前記粒子含有ポリマがくるよ
うに積層し、フィッシュテール型の口金よりシート状に
して押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温
度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化
し、厚さ約160μmの未延伸フイルムを作った。この
時のドラフト比は6.5であった。
【0032】この未延伸フイルムを長手方向に3段階に
分け、123℃で1.2倍、126℃で1.45倍、1
14℃で2.3倍それぞれ延伸した。この一軸フイルム
をステンタを用いて幅方向に2段階に分け、111℃で
3.7倍、113℃で1.2倍延伸し、定長下で200
℃にて5秒間熱処理し、厚さ13μmのフイルムを得
た。得られたフイルムの最外層部積層厚さtは、100
0nmで、最外層の積層厚さtと含有粒子の平均粒径d
との関係t/dは1.5であった。また、両表面の突起
数は同じであり、該表面突起数は18000個/mm2
であった。さらに、t/dが0.2〜10の粒子数は1
4000個/mm2 であった。
【0033】このフイルムで作成したVTRテープの画
質を測定すると、クロマS/Nで2.5dBであった。
また、フイルムの走行性(摩擦係数)も0.24と良好
であった。さらに、テープ端部でのドロップアウトを評
価したところ、良好であった。このように、最外層積層
部に含有される粒子と積層厚さとの関係、該関係を満た
す粒子数、表面突起数が本発明の範囲内であり、かつ、
中間層に粒子を含有する場合には、優れた画質、走行
性、ドロップアウト特性が得られる。
【0034】実施例2〜4、比較例1〜4(表1) 実施例1と同様にして、最外層の積層厚さ、該積層厚さ
tと含有粒子の平均粒径dとの関係t/d、表面突起
数、t/dが0.2〜10の粒子数、および中間層含有
粒子の種類を種々変更するとともに、中間層に粒子を含
有させる場合とさせない場合とについて、各種二軸配向
積層ポリエステルフイルムを作成した(但し、実施例4
においては、中間層をポリエチレンナフタレート(PE
N)フイルムとし、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フイルムとPET/PEN/PETの3層積層構成
とした。また、比較例4は、単層のフイルムとし
た。)。最外層の積層厚さ、該積層厚さtと含有粒子の
平均粒径dとの関係t/d、表面突起数、t/dが0.
2〜10の粒子数が本発明の範囲内であり、かつ、中間
層に粒子を含有する場合には、いずれも優れた画質、走
行性、ドロップアウト特性が得られたが(実施例2〜
4)、中間層に粒子を含有しない場合には、たとえ一部
他の条件が本発明の範囲内であっても、画質、走行性、
ドロップアウト特性の全てを満足させることはできなか
った(比較例1〜4)。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の二軸配向積層フイルムによれ
ば、少なくとも3層以上の積層構造の少なくとも片面側
の最外層に、特定の粒子平均粒径と最外層の層厚さとの
関係を満たすように粒子を含有させ、表面突起数あるい
は該関係を満たす粒径の粒子数を特定の範囲とするとと
もに、中間層に無機粒子を含有させたので、積層フイル
ムの表面に削れにくいかつ所望の突起を効率よく形成し
て望ましい表面形態にすることができ、優れた走行性を
発揮させることができるとともに、磁気媒体用として優
れた画質、ドロップアウト特性を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 G11B 5/704 7215−5D // B29K 67:00 B29L 7:00 4F 9:00 4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該最外層側のフイルム表面の突起個数が3×1
    3 〜2×105 個/mm2 であり、かつ、中間層に無
    機粒子を含有することを特徴とする二軸配向積層フイル
    ム。
  2. 【請求項2】 少なくとも3層以上の積層構造からなる
    二軸配向積層フイルムにおいて、その少なくとも片面側
    の最外層に粒子を含有し、該粒子の平均粒径d(nm)
    と該最外層の層厚さt(nm)との関係が 0.2d≦t≦10d であり、該式の関係を満たす粒径の粒子数が3×103
    〜1.5×105 個/mm2 であり、かつ、中間層に無
    機粒子を含有することを特徴とする二軸配向積層フイル
    ム。
  3. 【請求項3】 前記中間層の無機粒子が炭酸カルシウ
    ム、シリカ、アルミナ、ジルコニア、酸化チタンから選
    ばれた少なくとも1種類である請求項1又は2の二軸配
    向積層フイルム。
  4. 【請求項4】 前記炭酸カルシウムの結晶形態がカルサ
    イト型またはバテライト型である請求項3の二軸配向積
    層フイルム。
  5. 【請求項5】 前記シリカがコロイダルシリカである請
    求項3の二軸配向積層フイルム。
  6. 【請求項6】 前記アルミナの結晶形態がδ型またはγ
    型である請求項3の二軸配向積層フイルム。
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JPS62290535A (ja) * 1986-06-11 1987-12-17 東レ株式会社 磁気記録媒体用ポリエステルフイルムならびにその製造方法
JPH0277431A (ja) * 1988-06-08 1990-03-16 Toray Ind Inc 二軸配向熱可塑性樹脂フィルム

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