JP2877682B2 - カリックスアレーン誘導体 - Google Patents

カリックスアレーン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋構造を有する新規
なカリックスアレーン誘導体に関し、特にイオン選択性
電極などに用いることができるナトリウムイオン選択性
カリックスアレーン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ナトリウムを選択的に検知したり
定量することは多くの分野でその必要性が認められてい
る。例えば、臨床検査の分野においてはヒト血清、血漿
及び尿中のナトリウム濃度を知ることは種々の病気を診
断するうえで無くてはならない手段となっている。特に
血清中のナトリウム濃度は健康なヒトで135から14
5ミリモル/リットルと極めて狭い範囲に維持されてお
り、この数値の変動は身体の重大な異常に直結している
ので、その値を測定する診断的意義は大きい。またナト
リウムイオンは広く自然界に存在するために、これらを
制御しなくてはならない工業的プロセス中や廃水中、お
よび河川中においてもその濃度の測定が広く行われてい
る。その他、最近では健康食に対する一般人の関心が高
まり、食品メーカーや消費者団体、個人消費者が食品中
のナトリウム濃度を測定したいという大きなニーズがあ
る。
【0003】これらのニーズを満たしうる技術がイオン
選択性電極である。イオン選択性電極法は試料を破壊す
ることなく、簡単な設備でイオン濃度を測定することの
できる極めて有用な測定手段である。この他、イオン選
択性電極法の利点は、広い濃度範囲にわたって測定が可
能であること、短時間で測定が行えること、一本の電極
で繰り返し測定が行えること等である。イオン選択性電
極以外にナトリウムイオン濃度を測定する手段としては
プラズマ発光分光分析法、原子吸光法、炎光法等が或る
が、いずれもガス供給装置が必要であるなど装置が大き
く価格も高価である。
【0004】イオン選択性電極でナトリウムイオン濃度
を測定する際にはその電極が有する固有の選択性に注意
する必要がある。いずれの電極も共存するイオンの対す
る許容限界濃度が存在し、それ以上の濃度環境でのナト
リウムイオン測定は結果に大きな誤差を含む。電極の選
択性が高いほど高濃度の妨害イオン存在下での測定が可
能となり、使用に際しては予め性能を把握しておく必要
がある。
【0005】イオン選択性電極は、無機物から構成され
るものと有機物から構成されるものとがある。前者では
ガラス電極が良く用いられるが、水素イオンの影響を受
けやすくまた応答速度が遅いという欠点がある。後者は
ニュートラルキャリアーと呼ばれる環状または非環状の
リガンドを主成分としており、この化合物がナトリウム
イオンと選択的に錯化する現象を利用している。従来よ
りナトリウムイオン用のニュートラルキャリアーとして
用いられているのは、環状化合物であるクラウンエーテ
ルから誘導されたものであり、特にビス−12−クラウ
ン−4誘導体が使われてきた。これは、ナトリウムイオ
ンのニュートラルキャリアーとしてこれまで実際に用い
られているもののうち最も選択性が高く、カリウムイオ
ンに対する選択係数KNa,Kは、およそlogKNa,K=−
2である(この数値が低いほど良好な選択性を示す。)
【0006】最近、カリックスアレーンと称される環状
化合物が注目されている。カリックスアレーンは、複数
個のフェノール単位をメチレン基で結合した環状オリゴ
マーであり、その特徴的な構造の解析が進むに従いホス
ト・ゲスト化学の研究の対象として研究者の注目の的に
なってきている。それとともにカリックスアレーンは、
機能性材料として実用面での価値も検討されている。イ
オン選択性電極のニュートラルキャリアーについても、
カリックス[4]アレーン誘導体を使用する報告が見ら
れる[例えば、Diamondら:Anal.Chi
m.Acta.Vol.204.p223.(1988
年)及びAnalyst.Vol.114.p155
1]。カリックアレーン系でこれまで最も選択性の優れ
た化合物はSakakiら[J.Incl.Phemo
n.、Vol.14,p285、1992年]によって
合成された化合物である。
【0007】この化合物は、カリックス[4]アレーン
のテトラ(p−t-オクチル)エトキシカルボニルメチ
ルエーテル誘導体であり、カリウムイオンに対する選択
係数がそれぞれlogKNa、K=−3.1という選択性
を示すことが知られている。
【0008】しかしながら、以上述べたような物質を用
いるイオン選択性電極の選択性は必ずしも充分ではな
い。本発明の目的は、ナトリウムイオンに対する選択性
がさらに高く、イオン選択性電極のニュートラルキャリ
アー等として一層好適な新しい化合物を提供することに
ある。
【0009】本発明者らは、ナトリウムイオンに対する
選択性をさらに上げるために研究を重ねた結果、特定構
造のカリックスアレーン誘導体が上記の目的に適するこ
とを発見した。すなわち、本発明者らは、4個のフェノ
ール単位からなるカリックス[4]アレーンにおける1
つおきのフェノール単位の下端側(OH基の存する側)
の少なくとも1対がトリ(オキシエチレン)鎖で架橋さ
れたカリックスアレーン誘導体の合成に成功し、この誘
導体がナトリウムイオンに対して極めて高い選択性を有
することを見いだし本発明を完成するに至った。かくし
て、本発明はそのような架橋構造を有するカリックス
[4]アレーン誘導体に関し、特に、下記の一般式[化
2]で示されるカリックス[4]アレーン誘導体に関す
る。
【0010】
【化2】
【0011】 この一般式[化2]で示されるカリック
ス[4]アレーン誘導体は、ナトリウムイオンに対する
選択性が極めて優れている。例えば、該誘導体をイオン
選択性電極のニュートラルキャリアーとして用いた場
合、前述したビス−12−クラウン−4誘導体よりも
択係数が小さく、より大きな選択性を示す。またガラス
電極と比べても水素イオンの影響を非常に受けにくい。
本発明に従う一般式[化2]のカリックス[4]アレー
ン誘導体は、他の形態により、ナトリウムイオンの分離
や分析に利用することもできる。例えば、本発明のカリ
ックス[4]アレーン誘導体はナトリウムイオンに対す
る吸収剤としても利用できる。
【0012】一般式[化2]の本発明のカリックス
[4]アレーン誘導体がナトリウムイオンに対して著し
く高い選択性を有する正確な理由は未だ明らかではない
が、一般式[化2]で示される式中のエーテル酸素原子
あるいは、エーテル酸素およびカルボニル酸素原子から
構成される空隙がナトリウムイオンの配位に適している
ためと考えられる。
【0013】Rとして好ましいのは炭素数1〜18まで
の直鎖または分岐のアルキル基、炭素数2〜12までの
直鎖または分岐のアルコキシエチル基、炭素数2〜12
までの直鎖または分岐のアルコキシカルボニルメチル
基、または互いに架橋した3−オキサブタノ基であり、
R1は水素または炭素数1〜12のアルキル基である。
【0014】特に好ましいのはRは炭素数2〜12まで
の直鎖または分岐のアルキル基である。Rがこれより長
い場合にはイオン選択性電極に供する場合、用いる可塑
剤との相溶性が低下する場合もある。R1として好まし
いのは原料として用いるテトラヒドロキシカリックス
[4]アレーンの合成のしやすさ、入手のしやすさか
ら、R1は水素またはt−ブチル基およびt−オクチル
基である。本発明に従うカリックス[4]アレーン誘導
体の特に好ましい例としては下記一般式[化3]を挙げ
ることができる。
【0015】
【化3】 (但し、Rは炭素数2〜12までのアルキル基であり、
R1は水素またはt−ブチル基である)
【0016】カリックス[4]アレーンの二個の水酸基
をオリゴ(オキシエチレン)基で架橋した化合物はカリ
ックス[4]アレーン クラウンエーテル[E.Ghi
diniら J.Am.Chem.Soc.,Vol.
112,p6979,1990年]とも呼ばれている。
カリックス[4]アレーンの二個の水酸基をテトラ(オ
キシエチレン)鎖で架橋されたカリックス[4]アレー
ン クラウンエーテル誘導体については、その特性が調
べられており[E.Ghidiniら J.Am.Ch
em.Soc.,Vol.112,p6979,199
0年]カリウムイオン選択性を示すことが知られてい
る。本発明のカリックスアレーン誘導体の特徴はトリ
(オキシエチレン)鎖でカリックス[4]アレーン誘導
体を架橋することにより、いままで報告されているオリ
ゴ(オキシエチレン)基で架橋されたカリックス[4]
アレーン誘導体とは異なり劇的に高いナトリウムイオン
選択性を示すことである。
【0017】本発明の前記一般式[化2]で示される化
合物はいずれも新規化合物であり通常、次のような測定
によって該化合物であることを確認できる。
【0018】(1)赤外吸収スペクトル エーテル結合に由来する吸収が、1240〜1280、
1000〜1200/cmに強く現れる。カルボニル基
を有する際には1710〜1770/cmに吸収を示
す。
【0019】(2)プロトン核磁気共鳴(プロトンNM
R)スペクトル ベンゼン環が回転自由であるメチレン基で連結されたカ
リックス[4]アレーンはコンフォメーション異性をと
ることができる。すべてのヒドロキシル基上に置換基を
有するカリックス[4]アレーン化合物を合成する際
は、ベンゼン環の向きが固定され立体配座の自由度が減
るため、室温で安定な、コンフォメーションに由来する
複数のコンフォメーション異性体が生成することがあ
る。
【0020】本発明の一般式[化2]の場合には離れた
位置にある2個のベンゼン環がトリ(オキシエチレン)
鎖で架橋されており、架橋された2個のベンゼン環の向
きが固定されているため、コーン コンフォメーション
(以下コーン体と称す)、パーシャルコーン コンフォ
メーション(以下PC体と称す)及び1、3-オルタネ
ート コンフォメーション(以下1、3体と称す)のコ
ンフォメーション異性体が存在する場合がある。これら
の異性体の区別は一般にプロトンNMRのスペクトル解
析により可能である[GutscheらTetrahe
dron,Vol.43,p4917(1987
年)]。例えば、ベンゼン環に挟まれたメチレンプロト
ンに注目すると一般にコーン体は1組のダブレットパタ
ーン、PC体は2組のダブレットパターンあるいは、1
組のダブレット及び1種類のシングレットパターン、そ
して1、3体は1種類のシングレットパターンを示すこ
とからコンフォメーション構造を確認することができ
る。
【0021】重水素化クロロホルム溶媒中テトラメチル
シランを基準として測定すると、主なシグナルは 7.5〜 6.4ppm 芳香族プロトン 4.5〜 3.0 ベンジル位のメチレンプロト
ン 4.5〜 1.5 エーテル部位(−CH2−O
−)のプロトン 2.0〜−0.5 メチル、メチレン等のアルキ
ル基プロトン に示される。更に、下記置換基を有する場合には、該置
換基の隣接位炭素についた水素は以下の位置にそのシグ
ナルが示される。 5.0〜3.5 カルボニル基 また、それぞれこれらのピークの相対強度比は、前記一
般式[化2]から算出されるそれぞれの基に結合したプ
ロトンの数の比と一致する。
【0022】(3)質量分析測定 電子衝撃(EI)法または二次イオン質量分析(SIM
S)法によって当該化合物の分子イオンピーク(M+)
を観察することができる。これらの方法によって測定す
る場合、分子イオンピークと共に分子イオンにナトリウ
ム1個分、すなわち分子量にして23多い分子イオンピ
ーク([M+23]+)が観察される場合がある。
【0023】(4)元素分析 前記一般式[化2]から算出される化合物の炭素および
水素の量は、その分析結果のそれぞれの元素量にほぼ一
致する。
【0024】前記の一般式[化2]で示されるカリック
スアレーン化合物の代表的な性状は次の通りである。 a.通常の製法では常温(25℃)で白色固体、無色針
状晶または無色板状晶として得られる。 b.溶解性は一般式[化2]のR,R1により若干異な
るが塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラ
ン、N,Nージメチルホルムアミド、1,2ジクロロエ
タン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、ジオキサンに
は常温で溶解する。メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、ヘキサン等には加熱下に溶解する。ま
た、水にはほとんど溶解しない。
【0025】本発明の前記一般式[化2]で示されるカ
リックスアレーン化合物は各種の反応を工夫することに
よって合成される。工業的に好適な2段階合成法を
(i)と(ii)に示す。
【0026】(i)下記一般式[化4]で表させる架橋
オキシエチレン鎖を有する前駆体を経る合成法。
【0027】
【化4】 (但し、R1は水素または炭素数1〜12の直鎖または
分岐のアルキル基である)
【0028】下記一般式[化5]で示される原料のpー
テトラアルキル置換テトラヒドロキシカリックス[4]
アレン化合物は総説カリックスアレーン、C.D.グッ
チェら著、ロイヤル ソサイエティー オブ ケミスト
リー[Calixarenes,p216−219,
C.D.Gutsche(Royal Society
of Chemistry)]などに記載されている公
知の化合物である。
【0029】
【化5】 (但し、R1は水素又は炭素数1〜12の直鎖又は分岐
のアルキル基である)
【0030】該化合物と、下記一般式[化6]で示され
る化合物 Y−CH2−(−CH2OCH2−)2−CH2−Y (但し、Yは塩素、臭素、ヨウ素、等のハロゲン原子あ
るいはメタンスルホニル基、p−トルエンスルホニル
基、等の有機スルホニル基より選ばれた基である)と塩
基を溶媒中で反応させることにより前記一般式[化4]
で表しうるカリックスアレーン化合物が得られる。
【0031】
【化4】(但し、R1の定義は前述の通り)
【0032】塩基としては金属水素化物、金属、金属水
酸化物、金属アルコキシドまたは金属炭酸塩等が用いら
れる。金属水素化物としては水素化リチウム、水素化ナ
トリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等アルカ
リ金属、アルカリ土類金属を有する化合物が挙げられる
が、好適には水素化ナトリウムが使用される。金属水酸
化物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を
含むものであれば特に制限されないが好ましくは水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化
バリウムを用いる。金属としてはリチウム、ナトリウ
ム、カリウム等アルカリ金属を用いる。金属アルコキシ
ドとしては、ナトリウムメトキシド、カリウムtーブト
キシド、フェニルリチウム等のアルカリ金属を含有する
化合物を用いる。金属炭酸塩としては、アルカリ金属、
アルカリ土類金属を有するものであれば十分だが、重炭
酸ナトリウム、重炭酸カリウムまたは重炭酸バリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムを用いるのが好ましい。
使用する原料のモル比は広い範囲で選択できるが、通常
は一般式[化6]が一般式[化5]の0.1〜20倍の
範囲、さらには等モル〜4倍モル付近であることが好ま
しい。使用する溶媒は原料に対し不活性であれば何ら制
限されずに使用しうる。例えば、ヘキサン、ヘプタン等
の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテ
ル、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;ホ
ルムアミド、N,Nージメチルホルムアミド、N,Nー
ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトニトリル等
のニトリル類等を単一溶媒または必要に応じ2〜3種類
の溶媒を混合して用いることができる。金属水素化物を
用いる場合には反応溶媒としてはテトラヒドロフラン等
のエーテル類及びN,Nージメチルホルムアミド等のア
ミド類の使用が好適である。金属炭酸塩を用いる場合に
は反応溶媒としてはアセトン等のケトン類及びN,Nー
ジメチルホルムアミド等のアミド類の使用が好適であ
る。反応温度は特に制限されないが一般に0〜150℃
の範囲が好適である。反応時間も、特に制限はされない
が一般に1〜100時間で十分である。
【0033】前記一般式[化4]と下記一般式[化7] R−Z (但し、Rは炭素数1〜18までの直鎖または分岐のア
ルキル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐のアル
コキシエチル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐
のアルコキシカルボニルメチル基、または互いに架橋し
た3−オキサブタノ基であり、Zは塩素、臭素、ヨウ
素、等のハロゲン原子またはメタンスルホニル基、pー
トルエンスルホニル基、等の有機スルホニル基)と塩基
とを溶媒中で反応させることにより前記一般式[化2]
で示されるカリックスアレーン化合物を得る。上記一般
式[化7]においてRの定義は一般式[化2]のRと同
一である。反応条件に際しては前反応条件に記載の塩
基、反応溶媒、反応温度及び反応時間が好ましい。使用
する原料のモル比は広い範囲で選択できるが、通常は一
般式[化7]が一般式[化4]の0.5〜8倍の範囲、
さらには2〜4倍量であることが好ましい。
【0034】(ii)下記一般式[化8]で表させる前
駆体を経る合成法。
【0035】
【化8】 (但し、Rは炭素数1〜18までの直鎖または分岐のア
ルキル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐のアル
コキシエチル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐
のアルコキシカルボニルメチル基、または互いに架橋し
た3−オキサブタノ基であり、R1は水素または炭素数
1〜12のアルキル基である)
【0036】前記一般式[化5]及び一般式[化7]で
表される化合物と塩基とを溶媒中で反応させることによ
り前記一般式[化8]で示されるカリックスアレーン化
合物が得られる。反応条件に際しては前反応条件に記載
の塩基、反応溶媒、反応温度及び反応時間が好ましい。
使用する原料のモル比は広い範囲で選択できるが、通常
は一般式[化7]が一般式[化5]の0.1〜20倍の
範囲、さらには2〜4倍量であることが好ましい。
【0037】前記一般式[化6]及び一般式[化8]で
示される化合物と、塩基とを溶媒中で反応することによ
り前記一般式[化2]を得る。反応条件に際しては前反
応条件に記載の塩基、反応溶媒、反応温度及び反応時間
が好ましい。使用する原料のモル比は広い範囲で選択で
きるが、通常は一般式[化6]が[化8]の0.5〜8
倍の範囲、さらには1〜2倍モル量であることが好まし
い。
【0038】一般式[化2]、[化4]及び[化8]で
示される化合物の精製は抽出、再結晶、カラムクロマト
グラフィーによって行われる。特に前駆体及び精製した
異性体の分離には、カラムクロマトグラフィーが好適に
用いられる。この方法を採用する際には、あらかじめ、
カラム充填剤、展開溶媒について予め薄層クロマトグラ
フィにて最適条件を検討しておく必要がある。
【0039】本発明の前記一般式[化2]で示される化
合物を一成分としてナトリウム選択性電極を構成する態
様については、特に限定されず、たとえば、イオン選択
性電極(共立出版、1977)第7章;イオン・セレク
ティブ・エレクトローズ・イン・アナリティカル・ケミ
ストリー(プレナム・プレス、1987)[IonSe
lective Electrodes in Ana
lytical Chemistry(Prenum
Press 1978)]第3章及第4章;アナリティ
カルケミストリー (Analytical Chem
istry)47巻 2238頁(1975年)等に記
載された種々の公知の方法が用いられている。具体的に
例示すれば次のごとくである。
【0040】本発明の前記一般式[化2]で示される化
合物をニトロベンゼン、ジフェニルエーテル、ブロモベ
ンゼン等の水に不溶性の有機溶媒に溶解し、ガラスキャ
ピラリー、セラミック多孔膜、高分子多孔膜に保持させ
る方法、または本発明の前記一般式[化2]で示される
化合物を、熱可塑性樹脂等とともに適当な方法、例え
ば、共通溶媒に溶解した後溶媒を蒸発せしめて膜状物を
一旦形成し、この膜状物を電極に取り付けるか、あるい
は銀線、または白金線、またはシリコン半導体のゲート
部上に直接皮膜を形成させる方法により、ナトリウム電
極を構成することができる。
【0041】前記、熱可塑性樹脂等としては、熱可塑性
樹脂単体あるいは必要に応じて熱可塑性樹脂及び可塑
剤、あるいはさらに有機ホウ素化合物が挙げられる。
【0042】本発明で使用される前記熱可塑性樹脂とし
ては、公知のものがなんら制限されずに使用される。本
発明のカリックスアレーン誘導体を、膜状物に成形して
ナトリウム電極として用いる場合、通常水溶液中で使用
されるため、熱可塑性樹脂は水に溶解しないものである
ことが好ましい。本発明で使用される熱可塑性樹脂とし
て好適なものを例示すると、たとえば、塩化ビニル、臭
化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等
のハロゲン化ビニルの単独重合体または共重合体;アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、また
はメタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体;
スチレン、クロロプレン、ブロモスチレン、等のスチレ
ン及びその置換体の単独重合体または共重合体;酢酸ビ
ニル等のビニルエステルの単独重合体または共重合体;
ブタジエン、イソプレン等のジエン系重合体またはこれ
らジエンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合
体;ポリウレタン類;シロキサン重合体または共重合
体;酢酸セルロース、硝酸セルロース等の繊維素化合物
が挙げられる。
【0043】かくして、本発明は、別の視点から、一般
式[化2]で示されるカリックスアレーン化合物と熱可
塑性樹脂等を含みイオン選択性電極に用いる膜状物とし
て好適な組成物を提供する。ここで、該一般式[化2]
で示される化合物の配合割合は目的の性能を発揮する限
り特に限定されるものではないが一般には該熱可塑性樹
脂100重量部に対して、0.1〜20重量部好ましく
は1〜10重量部の範囲で用いると好適である。一般式
[化2]で示される化合物が上記範囲より少ない場合に
は、ナトリウムイオンに対する選択性が低下する傾向が
あり、ナトリウム電極を構成する組成物として好ましく
ない場合がある。また、上記範囲より多い場合には、一
般式[化2]で示される化合物が析出する傾向があり、
極端な場合には上記化合物の相と熱可塑性樹脂との相と
に相分離を起こし、カリックスアレーン組成物が不均一
になる場合があるので一般には好ましくない。
【0044】本発明のカリックスアレーン組成物は前記
説明したカリックスアレーン誘導体と熱可塑性樹脂から
構成した場合においても実施例において示すように、十
分実用に供し得るナトリウム電極を構成することが可能
であるが、さらに下記一般式[化9]で示される有機ホ
ウ素化合物を含有するのが好ましい。
【0045】
【化9】
【0046】式中、Yは水素原子、ハロゲン原子、アル
キル基又はハロアルキル基で、iは1〜5の整数、Mは
アルカリ金属である。この際、前記カリックスアレ−ン
誘導体に対し[化9]の有機ホウ素化合物をモル比で
0.001〜1.0好ましくは0.1〜0.8の範囲で
用いることにより、本発明の組成物をナトリウム電極と
して使用した場合、その測定感度を向上させることがで
きる。有機ホウ素化合物の量が、上記範囲を越えると、
本発明のカリックスアレーン組成物をナトリウム電極と
して使用した場合に、ナトリウムイオンの選択性及び感
度を著しく低下させることがあるので好ましくない。
【0047】前記一般式[化9]中、Yで示されるハロ
ゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原
子が用いられるが、好ましくはフッ素および塩素が用い
られる。
【0048】また、前記一般式[化9]中、Yで示され
るアルキル基としては、その炭素数に限定されないが、
一般には炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等
が挙げられる。さらに、ハロアルキル基としては、上記
のアルキル基の水素原子の少なくとも1つ以上がハロゲ
ン原子で置換されたものが何ら制限されずに用い得る。
具体的には、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロ
モエチル基、ヨードプロピル基、クロロブチル基、ジク
ロロエチル基、ジブロモプロピル基、トリフルオロメチ
ル基、トリクロロメチル基、トリブロモプロピル基、ペ
ンタフルオロエチル基、1、1、1、3、3、3−ヘキ
サフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、等が挙げ
られる。
【0049】本発明において用いる前記一般式[化9]
で示される有機ホウ素化合物は、公知の方法、例えば
[I.Prackt.Chem.,Vol.26,p1
5(1964年)]及び[Synth.React.I
norg.Met.−Org.Chem.,Vol.1
0.p261(1980年)]等に示された方法に従っ
て合成することができる。前記一般式[化9]で示され
る有機ホウ素化合物中、Yが水素原子、フッ素原子、塩
素原子、トリフルオロメチル基である化合物は、容易に
入手可能であるか、又は入手物から目的アルカリ金属塩
に塩交換することによって容易に誘導可能であるため、
本発明に於て好適に用いられる。また、一般式[化9]
においてアルカリ金属がカリウム、ルビジウム、セシウ
ム等が一般に水への溶解度が低いため好適であり、カリ
ウムである場合が特に好ましい。アルカリ金属がリチウ
ム、ナトリウムである場合には一般に水溶性が高いた
め、熱可塑性樹脂及び前記一般式[化2]で示されるカ
リックスアレーン誘導体との組合せによっては得られる
組成物が使用目的に合わない場合があるので注意を要す
る。
【0050】本発明のカリックスアレーン誘導体と熱可
塑性樹脂等からなる組成物は目的に応じて任意の形状、
例えば、膜状物、粒状物、繊維状物等に成形することが
できる。膜状物に成形した場合には、ナトリウム電極と
して、粒状物、繊維状物に成形した場合には、イオン吸
着樹脂あるいはクロマトグラフィー材料に応用すること
が可能である。
【0051】以下に、本発明のカリックスアレーン誘導
体からなる組成物を膜状物に成形した場合について説明
する。
【0052】本発明のカリックスアレーン組成物を成形
して得られた膜状物をナトリウム電極を構成する膜状物
として使用する場合には、その膜状物の厚さは、特に限
定されないが、1〜1000μmの範囲で選択すれば十
分である。また、上記の膜状物は、柔軟性を有するもの
の方がよくポリシロキサン類を熱可塑性樹脂として用い
る場合には、これらの樹脂をそのまま使用できるが、比
較的柔軟性に欠ける膜状物を付与する熱可塑性樹脂、例
えばポリ塩化ビニル、アクリル酸メチル等を用いるとき
は、可塑剤を使用するのがよい。該可塑剤は特に限定さ
れず公知のものを使用できるが、一般には、次のような
ものを使用すればよい。例えば、ジメチルフタレート、
ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチル
フタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペ
ート、ジオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類;o
−ニトロフェニルフェニルエーテル、o−フルオロ−
o’−ニトロジフェニルエーテル等のジフェニルエーテ
ル類;o−ニトロフェニルオクチルエーテル等のo−ニ
トロフェニルアルキルエーテル類が挙げられる。これら
の可塑剤の添加量は膜状物の使用目的に応じて適宜選択
すればよいが、一般には熱可塑性樹脂100重量部に対
して可塑剤を30〜300重量部の範囲で選べば好適で
ある。
【0053】上記の膜状物の製造方法は特に限定されな
い。一般に好適に採用される代表的な製造方法を例示す
れば次の通りである。
【0054】前記一般式[化2]で示される化合物を熱
可塑性樹脂と共に、あるいはさらに可塑剤を添加して、
これらを有機溶媒に溶解し、該溶液を板上面に塗布又は
流し込んだ後、有機溶媒を蒸発せしめて膜状物とする方
法。上記有機溶媒としては熱可塑性樹脂及び一般式[化
2]で示される化合物を溶解するものであれば公知のも
のが何ら制限されず使用しうる。一般に好適に用いられ
る有機溶媒を具体的に例示すれば、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、塩
化メチレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、
ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
【0055】さらに、前記一般式[化9]で示される有
機ホウ素化合物を添加する場合、有機ホウ素化合物単独
では有機溶媒に難溶である場合でも、前記一般式[化
2]で示される化合物が共存する場合、前記一般式[化
2]で示される化合物に対しモル比で0.5以下では、
可溶化することが多いので予め溶解試験を実施した上で
溶媒を選択することが望ましい。
【0056】一般式[化2]で示される本発明のカリッ
クスアレーン誘導体を含む膜状物をナトリウム選択性電
極として使用する場合の電極の概略図を[図1]から
[図3]に示す。
【0057】[図1]は起電極を測定する装置の説明図
で、[図2]は[図1]の電極1に内蔵される各種構成
要素を示す説明図である。[図3]は本発明の前記一般
式[化2]で表されるような化合物を被覆した白金線の
概略図である。以下に測定装置の概略を記す。
【0058】上記のようにして得られたカリックスアレ
ーン誘導体を含む膜状物を[図2]の16のごとくo−
リング17を介してアクリル製膜ホルダー11と圧着す
る。銀線の端子12と電気的に短絡するための内部標準
液15を満たし、作用電極1を構成する。
【0059】磁気攪拌子3を入れた試料溶液2を磁気攪
拌機で攪拌混合しておく。この測定液に電極1及び0.
1モル塩化アンモニウム塩橋5の一端を浸漬する。5の
他端は銀-塩化銀標準電極14とともに飽和塩化カリウ
ム水溶液6に浸漬し、作用極と電気的に接続する。この
ようにして得た2本の電極の端子をエレクトロメータ
(8:例えばアドバンテスト社製R8240)に接続す
ることにより測定を行うことができる。作用電極として
は上述のものの他に、[図3]に示すごとく、白金線の
周囲に16と同様のカリックス[4]アレーン誘導体を
含む膜状物22を被覆し、ポリテトラフルオロエチレン
製テープ23で境界部を保護した電極を使用しても同様
な測定が可能である。
【0060】本発明の一般式[化2]で示されるカリッ
クス[4]アレーン誘導体は、ナトリウムイオンの選択
的吸着剤としても使用することができる。吸着剤として
の利用の態様は、ナトリウムイオンの存在状態により相
違するが、代表的な例を具体的に示せば、次のごとくで
ある。即ち、水溶液中にカリウム塩と共存するナトリウ
ム塩を選択的に抽出除去するに際し、本発明の前記一般
式[化2]で示される化合物を水と混和しない有機溶媒
に溶解し、その有機溶媒を水層と接触させることによ
り、該ナトリウムイオンを水層より選択的に有機溶媒中
に抽出する。
【0061】
【発明の効果】本発明のカリックスアレーン誘導体は、
金属イオン、特にナトリウムイオンに対する選択性がき
わめて優れている。かくして、本発明のカリックスアレ
ーン誘導体を用いるイオン選択性電極のナトリウムイオ
ン選択性は、従来より知られているものより更に高い。
また、本発明のカリックスアレーン誘導体は、ナトリウ
ムイオンの吸収剤としても優れた効果を発揮する。
【0062】
【実施例】以下、本発明の特徴をさらに明らかにするた
め、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれ
らの例に限定されるものではない。
【0063】実施例1 先ず、次のようにして[化10]を合成した。
【0064】
【化10】
【0065】p−t−ブチルテトラヒドロキシカリック
ス[4]アレーン5.0g、トリエチレングリコール
ジトシレート3.55g、炭酸ナトリウム8.15gを
アセトニトリル150mlと混合した。これを撹拌しな
がら12日間加熱還流を行った。反応混合物を0.2N
塩酸500ml中にあけ、クロロホルム300mlで2
回抽出を行った。有機層をまとめて硫酸マグネシウムに
て乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展開溶媒
としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグラフィ
ーを行い目的物2.2gを白色固体として得た。
【0066】このようにして得られた[化10]を20
0mg(0.26ミリモル)及び60%含有水素化ナト
リウム47mg(1.2ミリモル)を乾燥テトラヒドロ
フラン50mlと混合し、30分間加熱還流した。反応
液に臭化n−ヘキシル318mg(1.9ミリモル)を
加え、14時間加熱還流した。反応容器を冷却後、反応
液を0.1N塩酸100ml中にあけ、クロロホルム5
0mlを添加し有機層に抽出した。有機層を分離し、硫
酸マグネシウムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行っ
た。残さを展開溶媒としてクロロホルムを用いシリカゲ
ルクロマトグラフィーを行い目的物150mgを白色固
体として得た。
【0067】得られた化合物について以下の分析を行っ
た。 (1)融点;156−158℃ (2)赤外吸収スペクトル 2963,2903,1481,1201,1043,
868,634/cm (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 7.14(s、4H、芳香族)、6.47(s、4H、
芳香族)、4.38(d、4H、ベンジル位メチレ
ン)、4.36(t、4H、オキシエチレン)、4.0
4(t、4H、オキシエチレン),3.87(s、4
H、オキシエチレン)、3.72(t、4H、オキシメ
チレン)、3.14(d、4H、ベンジル位メチレ
ン)、1.96(tt、4H、ヘキシル)、1.49
(m、4H、ヘキシル)、1.35(m、26H、ヘキ
シルおよびt−ブチル)、0.91(t、6H、ヘキシ
ル)、0.81(s、18H、t−ブチル). (4)質量分析スペクトル(EI;m/e=930(M
+) (5)元素分析値 これら、分析結果より下記構造式[化11](コーン
体)であることが確認できた。
【0068】
【化11】
【0069】実施例2:実施例1と同様な方法を用いて
一般式[化2]中、Rがエチル基、n−プロピル基、n
−デシル基、エトキシカルボニルメチル基、オクチルオ
キシカルボニルメチル基、2−エトキシエチル基または
2−オクチルオキシエチル基であり、R1がt−ブチル
基である化合物を合成した。この際、それぞれ臭化エチ
ル、臭化n−プロピル、臭化n−デシル、ブロモ酢酸エ
チルエステル、ブロモ酢酸オクチルエステル、ブロモエ
チルエチルエ−テルまたはブロモエチルオクチルエ−テ
ルを、実施例1の臭化n−ヘキシルの代わりに用いた。
合成された化合物は実施例1と同様な分析法で目的物
(いずれもコーン体)であることを確認した。得られた
化合物を下記一般式[化12]〜[化14]に示した。
【0070】
【化12】 (但し、Rはエチル基、n−プロピル基、またはn−デ
シル基である)
【0071】
【化13】 (但し、Rはエチル基またはn−オクチル基である)
【0072】
【化14】 (但し、Rはエチル基またはn−オクチル基である)
【0073】実施例3 先ず、次のようにして[化15]を合成した。
【0074】
【化15】
【0075】p−t−オクチルテトラヒドロキシカリッ
クス[4]アレーン5.14g、トリエチレングリコー
ル ジトシレート2.74g、炭酸カリウム8.28g
をアセトニトリル150mlと混合した。これを撹拌し
ながら12日間加熱還流を行った。反応混合物を0.2
N塩酸500ml中にあけ、クロロホルム200mlで
2回抽出を行った。有機層をまとめて硫酸マグネシウム
にて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展開溶
媒としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグラフ
ィーを行い目的物1.5gを白色固体として得た。
【0076】このようにして得られた[化15]を50
0mg(0.51ミリモル)、臭化エチル1.1g(1
0.2ミリモル)及び炭酸ナトリウム540mg(5.
1ミリモル)をアセトニトリル50mlと混合し、7日
間加熱還流した。反応容器を冷却後、反応液を0.1N
塩酸100ml中にあけ、クロロホルム50mlを添加
し有機層に抽出した。有機層を分離し、硫酸マグネシウ
ムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展開
溶媒としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグラ
フィーを行い目的物130mgを白色固体として得た。
【0077】得られた化合物について以下の分析を行っ
た。 (1)融点;238−242℃ (2)赤外吸収スペクトル 2953,2874,1479,1203,1153,
868,748/cm (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 7.15(s、4H、芳香環)、6.96(s、4H、
芳香環)、4.38−4.16(m、20H、ベンジル
位メチレン及びオキシメチレン)、3.37(d、4
H、ベンジル位メチレン)、1.73(s、4H、t−
オクチル)、1.60(s、4H、t−オクチル)、
1.40(t、6H、エチル)、1.31(s、12
H、t−オクチル)、1.15(s、12H、t−オク
チル)、0.64(s、18H、t−オクチル)、0.
35(s、18H、t−オクチル) (4)質量分析スペクトル(EI);m/e=1042
(M+) (5)元素分析値 これら、分析結果より下記構造式[化16]である化合
物(コーン体)であることが確認できた。
【0078】
【化16】
【0079】実施例4 先ず、次のようにして[化17]を合成した。
【0080】
【化17】
【0081】テトラヒドロキシカリックス[4]アレー
ン3.0g、トリエチレングリコール ジトシレート
3.24g、炭酸ナトリウム7.5gをアセトニトリル
150mlと混合した。これを撹拌しながら10日間加
熱還流を行った。反応混合物を0.2N塩酸500ml
中にあけ、クロロホルム300mlで2回抽出を行っ
た。有機層をまとめて硫酸マグネシウムにて乾燥し、続
いてろ過、濃縮を行った。残さを展開溶媒としてクロロ
ホルムを用いシリカゲルクロマトグラフィーを行い目的
物2.1gを白色固体として得た。
【0082】このようにして得られた[化17]を30
0mg(0.56ミリモル)及び60%含有水素化ナト
リウム60mg(1.5ミリモル)を乾燥テトラヒドロ
フラン50mlと乾燥ジメチルホルムアミド5mlの混
合溶媒と混合し、30分間加熱還流した。反応液に臭化
エチル500mg(4.6ミリモル)を加え、14時間
加熱還流した。反応容器を冷却後、反応液を0.1N塩
酸100ml中にあけ、クロロホルム50mlを添加し
有機層に抽出した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム
にて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展開溶
媒としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグラフ
ィーを行い2種類の化合物をそれぞれ15mg(化合物
A)、95mg(化合物B)を白色固体として得た。
【0083】得られた化合物について以下の分析を行っ
た。 i)化合物A (1)融点;195−198℃ (2)赤外吸収スペクトル 2970、1585、1456、1246、1201、
1041、760/cm (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 7.14(d、4H、芳香環)、6.95(t、2H、
芳香環)、6.22(d like、2H、芳香環)、
6.15(d、4H、芳香環)、4.42(d、4H、
ベンジル位メチレン)、4.20−4.11(m、8
H、オキシエチレン)、3.81(m、8H、オキシメ
チレン)、3.17(d、4H、ベンジル位メチレ
ン)、1.52(t、6H、エチル). (4)質量分析スペクトル(EI);m/e=594
(M+) (5)元素分析値 これら、分析結果より下記構造式[化18]である化合
物(コーン体)であることが確認できた。
【0084】
【化18】
【0085】ii)化合物B (1)融点;220−221.5℃ (2)赤外吸収スペクトル 2980、1583、1456、1248、1053、
974、787cm−1 (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 7.20(d like、4H、芳香環)、7.08
(d、2H、芳香環)、7.01(t、1H、芳香
環)、6.94(t、2H、芳香環)、6.76(d、
2H、芳香環)、6.56(t、1H、芳香環)、4.
42(d、2H、ベンジル位メチレン)、4.12(d
t、2H、オキシエチレン)、3.95−3.71
(m、12H、ベンジル位メチレン及びオキシメチレ
ン)、3.53(dt、2H、オキシメチレン)、3.
29(d、2H、ベンジル位メチレン)、3.15(d
t、2H、オキシメチレン)、1.48(t、3H、エ
チル)、1.42(q、2H、オキシメチレン)、−
0.11(t、3H、エチル). (4)質量分析スペクトル(EI);m/e=594
(M+) (5)元素分析値 これら、分析結果より下構造式[化19]である化合物
(PC体)であることが確認できた。
【0086】
【化19】
【0087】実施例5:実施例4と同様な方法を用いて
一般式[化2]中、Rがn−ヘキシル基でありR1が水
素である化合物を合成した。この際、臭化n−ヘキシル
を実施例4の臭化エチルの代わりに用いた。合成された
化合物は実施例4と同様な分析法で目的物(コ−ン体お
よびPC体)であることを確認した。得られた化合物を
下記[化20]に示した。
【0088】
【化20】
【0089】実施例6 [化17]を200mg(0.37ミリモル)及び60
%含有水素化ナトリウム33mg(0.81ミリモル)
を乾燥テトラヒドロフラン30mlと混合し、30分間
加熱還流した。反応液にトリエチレングリコール ジト
シレート170mg(0.37ミリモル)を加え、12
時間加熱還流した。反応容器を冷却後、反応液を0.1
N塩酸100ml中にあけ、クロロホルム50mlを添
加し有機層に抽出した。有機層を分離し、硫酸マグネシ
ウムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展
開溶媒としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグ
ラフィーを行い目的物51mgを白色固体として得た。
【0090】得られた化合物について以下の分析を行っ
た。 (1)融点;400℃以上 (2)赤外吸収スペクトル 2903、2862、1470、1209、762/c
m (3)プロトン核磁気共鳴スペクトル 7.12(d、8H、芳香環)、6.95(t、4H、
芳香環)、3.90(s、8H、ベンジル位メチレ
ン)、3.38(t、4H、オキシメチレン)、3.2
2(t、4H、オキシメチレン)、2.86(s、8
H、オキシメチレン) (4)質量分析スペクトル(EI);m/e=675
[M+Na]+、652(M+) (5)元素分析値 これら、分析結果より下記構造式[化21]である化合
物(1、3体)であることが確認できた。
【0091】
【化21】
【0092】実施例7:実施例6と同様な方法を用いて
一般式[化2]中、Rが互いに架橋された3−オキサブ
タノ基、R1がt−ブチル基である化合物を合成した。
この際、実施例6の[化17]の代わりに[化10]を
原料として用いた。合成された化合物は実施例6と同様
な分析法で目的物であることを確認した。得られた化合
物を下記[化22]に示した。
【0093】
【化22】
【0094】実施例に於て、本発明のカリックス[4]
アレーン誘導体を含む膜状物を用いた電極の性能は、
[図2]に示した膜ホルダーに膜状物を装着し、[図
1]に示した装置を用いて評価した。
【0095】応用例1:本発明の化合物のナトリウム選
択性電極への応用例を示す。実施例1〜7から得られた
本発明の化合物5mg、ポリ塩化ビニル(平均重合度1
000)50mg、o−ニトロフェニルオクチルエーテ
ル100mgを2.5mlのテトラヒドロフランに溶解
した。この溶液を平滑なガラス板上に流延したのち、テ
トラヒドロフランを蒸発せしめて約150ミクロン厚の
膜を得た。この膜を図2に示すように装着し、図1に示
した装置を用いて電極性能を評価した。全ての測定は2
5℃で行った。結果を表2に示す。尚、比較のために、
従来より最適のナトリウム選択性物質として知られた下
記構造式[化23]および下記構造式のカリックスアレ
ーン誘導体[化24]についても同様の方法で試験を行
った。さらに市販のガラス電極(1512A−06T
形、堀場製作所)についても測定を行った。結果を[表
1]、[表2]に示した。
【0096】
【化23】
【0097】
【化24】
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】ナトリウムイオンの選択性の決定は0.1
モル/リットルの点におけるそれぞれの電位から求め
た。具体的には、選択性を求めようとする対象イオン及
びナトリウムイオンのこの濃度での電位をそれぞEM、
ESとした場合、EM−ESを25℃でのネルンストの
式から算出される理論勾配59mV/decadeで除
し、選択性の代表値とした。本法を用いることにより、
ネルンスト勾配の得られないような感度の低い電極が見
かけ上大きな選択性を与える弊害を避けることができ
る。この値は小さくなるほどナトリウムイオンがその対
象イオンに対して選択的であることを示す。また、塩化
ナトリウムのみを0.1から0.00010モル/リッ
トルの濃度範囲で含む水溶液の起電極の変化量をmV/
decadeの単位で求めた。
【0101】[表1]および[表2]より明らかなよう
に、本発明のカリックス[4]アレーン誘導体を用いた
ナトリウム選択性電極は従来の最適のものといわれてい
る化合物[化23]および既知のカリックス[4]アレ
ーン誘導体[化24]に対しても選択性が優れている。
さらにガラス電極に比べても水素イオンに対する選択性
も優れており、ナトリウム選択性電極として非常に有用
である。
【0102】応用例2 本発明の化合物10mgと熱可塑性樹脂及び可塑剤を
[表3]に示した組成で10mlのテトラヒドロフラン
に溶解した。この溶液を平滑なガラス板上に流延した後
に、テトラヒドロフランを蒸発せしめて、約100μm
厚の膜状物を得た。これらの膜状物を用いて構成した電
極の性能を[表3]中の電極性能に示す。用いたカリッ
クス[4]アレーン誘導体は応用例1で付けた化合物番
号を使用した。用いた[表3]において熱可塑性樹脂及
び可塑剤を次のように略記する。 ポリ塩化ビニル :PVC ポリ塩化ビニリデン :PVDC ポリメチルメタクリレート :PMMA ポリスチレン :PSt o−ニトロフェニルオクチルエーテル :NPOE ジブチルフタレート :DBP ジオクチルフタレート :DOP ジオクチルアジペート :DOA o−ニトロフェニルフェニルエーテル :NPPE o−フルオロ−o’−ニトロジフェニルエーテル:FN
DPE
【0103】
【表3】
【0104】応用例3 実施例1〜7から得られた本発明の化合物5mgと熱可
塑性樹脂50mg及び可塑剤75mg及び一般式[化
9]で示される有機ホウ素化合物をカリックス[4]ア
レーン誘導体に対して所定のモル比で1,2−ジクロロ
エタン2.5mlに溶解した後、ガラス板上に流延し、
1,2−ジクロロエタンを蒸発せしめ、約100μm厚
の膜状物を得た。得られた膜状物を用いて構成したナト
リウム電極の電極性能を[表4]および[表5]に示
す。用いたカリックス[4]アレーン誘導体は応用例1
で付けた化合物番号を使用した。
【0105】[表4]および[表5]に示すように、有
機ホウ素化合物の添加により、いずれの膜も勾配が57
〜60mVという極めて高い値を示し、高感度なナトリ
ウム電極を構成できることは明かである。
【0106】
【表4】
【0107】
【表5】
【0108】
【発明の効果】本発明のカリックス[4]アレーン誘導
体は、前記したようにナトリウムイオンに対する選択性
が極めて良好であり、これを成形した膜状物は、ナトリ
ウム電極を構成する膜状物として理想的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカリックスアレーン誘導体を利用して
起電力を測定する装置の説明図である。
【図2】図1の電極1に内蔵される各種構成要素を示す
説明図である。
【図3】本発明の応用例として、本発明の化合物を被覆
した白金線の概略図である。
【符号の説明】
1 電極 2 測定溶液 3 磁気撹拌子 4 磁気撹拌機 5 0.1M塩化アンモニウム塩橋 6 塩化カリウム飽和溶液 7 飽和かんこう電極 8 エレクトロメーター(アドバンテスト社製R824
0) 11 アクリル製膜ホルダー 12 銀線 13 被覆ガラス管 14 銀−塩化銀内部標準電極 15 0.1M塩化ナトリウム内部標準液 16 カリックスアレーン誘導体を含む膜状物 17 o−リング 21 白金線 22 カリックスアレーン誘導体を含む膜状物 23 ポリテトラフルオロエチレン製テープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 323/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式[化1]で示されるナトリ
    ウムイオン選択性カリックス[4]アレーン誘導体。 【化1】 (但し、Rは炭素数1〜18までの直鎖または分岐のア
    ルキル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐のアル
    コキシエチル基、炭素数2〜12までの直鎖または分岐
    のアルコキシカルボニルメチル基、または互いに架橋し
    た3−オキサブタノ基であり、R1は水素または炭素数
    1〜12のアルキル基である)。
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