JP3999826B2 - ポルフィリン錯体及び陰イオン感応膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶液中のイオンの活量測定用の陰イオン選択性電極に使用する陰イオン感応膜並びにそれに用いる錯体に関する。詳しくは、陰イオン選択性電極の境界膜として使用した場合、塩素イオンに対して優れた感応性を有する陰イオン感応膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、イオン選択性電極を医療用に応用し、血液や尿等の生体液中に溶解しているイオン、例えばナトリウムイオン、カリウムイオン、塩素イオンなどの定量を行う試みが盛んに行われている。これは、生体液中の特定のイオン濃度が生体の代謝反応と密接な関係にあることに基づいて該イオン濃度を測定することにより、高血圧症状、心臓疾患、腎疾患、神経障害等の種々の診断を行うものである。
【0003】
一般に、陰イオン選択性電極は、図1に示すように試料液に浸漬する部分(一般には底部)に境界膜として陰イオン感応膜12を設けて構成された筒状容器11中に、内部電解液13及び内部基準電極14を設けることにより基本的に構成される。
【0004】
かかる陰イオン選択性電極を用い、溶液中のイオンの活量の測定を行うためのイオン測定装置の代表的な構造を図2に示す。即ち陰イオン選択性電極21は塩橋22と共に試料溶液23に浸漬され、塩橋の他の一端は比較電極24と共に飽和塩化カリウム溶液26に浸漬される。両電極間の電位差はエレクトロメータ25で読み取られ、該電位差より試料溶液中の特定のイオン種のイオン活量を求めることができる。このようなイオン測定装置に用いる陰イオン選択性電極の性能は、それに用いる陰イオン感応膜の性能によって決定される。
【0005】
従来から、陰イオン、特に塩素イオンを選択的に検出するための陰イオン感応膜としてポルフィリン誘導体をイオン感応物質として用いた膜が提案されている。しかしながら、得られる陰イオン選択性電極の欠点として、試料溶液中のタンパク質が非特異的に吸着し、電位が安定しないということが挙げられる。電位が安定しないと迅速且つ正確な測定ができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、試料として生体液を用いた場合でもタンパク質の影響を受けず、塩素イオンを高感度でかつ高選択的に測定可能な陰イオン選択性電極の開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる問題点を解決し得る陰イオン感応膜を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、親水性基と疎水性基の両方を有する特定のポルフィリン錯体を含む膜状物が、塩素イオンに対して優れたイオン感応性を有し、良好な耐水性を有し、しかもタンパク質吸着を防ぐことを見いだした。これを陰イオン感応膜として用いることにより、長寿命でしかも塩素イオンを高感度でかつ高選択的に測定可能な陰イオン選択性電極が得られることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、本発明は、下記一般式で表わされるポルフィリン錯体に関する。
【0009】
【化3】
【0010】
〔式中、R1、R2およびR3は同種又は異種の水素原子または低級アルキル基、R4、R5およびR6は同種又は異種のエチレン基又はトリメチレン基又はイソプロピレン基、R7、R8、R9およびR10は同種又は異種のフェニレン基又は炭素数3以下の低級アルキレン基であり、Mはマンガン原子又はインジウム原子、Xはハロゲンイオンまたは安定な陰イオンを形成する原子団、Yは主鎖にエーテル、エステル、またはアミド結合を有してもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素基、Zは下記構造のいずれかで示される1価の疎水性有機基であって、Aはエーテル結合を有しても良い炭素数8〜30の直鎖状の飽和炭化水素基からなる直鎖疎水基であり、hは1または2の整数であり、
【化4】
l、mおよびnは2〜32の整数を示す。〕
他の発明は、上記ポルフィリン錯体、高分子化合物、および可塑剤を含有してなる陰イオン感応膜であって、当該ポルフィリン錯体を高分子化合物および可塑剤よりなるマトリックス膜に対して1重量%〜20重量%含有することを特徴とする陰イオン感応膜に関する。
【0011】
本発明の陰イオン感応膜の構成成分の1つはポルフィリン錯体である。陰イオン感応膜中に特定構造のポルフィリン錯体を含有することが、陰イオン応答性を付与しかつ塩素イオンに対する選択性を飛躍的に向上させるために必須である。又、本発明で用いられるポルフィリン錯体は分子中に2本または3本の直鎖疎水基からなる疎水性有機基を有しており、高分子化合物と可塑剤よりなるマトリックス膜への溶解性が高いという特長を有している。更に、本発明で用いられるポルフィリン錯体は分子中にオキシアルキレン基よりなる親水性基を有しており、試料中のタンパク質の吸着が起らないという特徴も併せ持っている。
【0012】
上記一般式中、R7、R8、R9およびR10は同種又は異種のフェニレン基または炭素数3以下の低級アルキレン基であり、ポルフィリン環とオキシアルキレン基よりなる親水性基を連結するために合成上必要となる。フェニレン基あるいは炭素数3以下のアルキレン基以外の基を用いた場合、タンパク質の妨害を受ける場合がある。好適な炭素数3以下のアルキレン基を例示すれば、メチレン基、エチレン基、トリエチレン基、又はイソプロピレン基などがある。
【0013】
上記一般式中R1、R2およびR3は同種又は異種の水素原子または低級アルキル基である。低級アルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基が好ましく採用される。炭素数が5以上であるとタンパク質との相互作用を抑制する効果が不十分となる場合がある。ポルフィリンを含む陰イオン感応膜へのタンパク質の吸着性の観点から、炭素数3以下であることが特に好ましい。好適に採用される低級アルキル基を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
【0014】
R4、R5およびR6は同種又は異種のエチレン基又はトリメチレン基又はイソプロピレン基である。エチレン基の場合、ポルフィリン錯体の親水性が高くなりタンパク質の吸着が減少するため最も好適に利用される。トリメチレン基、イソプロピレン基の場合、可塑剤への溶解性が良好なため好適に用いられる。R4、R5およびR6がエチレン基又はトリメチレン基又はイソプロピレン基以外の場合、タンパク質が吸着しやすくなりイオン応答性が悪くなる。
【0015】
上記一般式中l、mおよびnは2〜32の整数である。本発明のポルフィリン錯体中、オキシアルキレン基の繰り返し構造を有することによりポルフィリン錯体の親水性が向上し、タンパク質の吸着防止効果が発現される。タンパク質吸着の防止効果は3以上の値である場合特に良好である。l、m、nが32より大きい場合ポルフィリンが膜中で結晶化する場合がある。更にl、m、nが16以下の場合電極寿命が良好となるため好適に採用される。
【0016】
前記一般式中Mは、マンガン原子又はインジウム原子であるが、マンガン原子又はインジウム原子の場合、クロル選択性が特に良好であり好適に利用される。これら以外の金属では良好なクロルイオン選択性を示さない。インジウム原子を用いた場合クロル選択性が良好になるため特に好適に採用される。
【0017】
前記一般式中Xは、ハロゲンイオンまたは安定な陰イオンを形成する原子団である。ハロゲンイオンまたは安定な陰イオンを形成する原子団は、本発明に用いるポルフィリン錯体の金属原子の原子価を3価に保つために必要となる。一般に得られる陰イオン感応膜のクロル選択性を良好とするために該金属原子の原子価は3価であることが望ましい。
【0018】
該ハロゲンイオンまたは安定な陰イオンを形成する原子団としては、公知のものが特に制限なく使用されるが、一般に好適に使用されるものを例示すれば以下のとおりである。
即ち、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、水酸イオン、チオシアン酸イオン、酢酸イオン等である。特に、Xが塩素イオンである場合得られる陰イオン感応膜のクロル応答性が向上するため最も好適に用いられる。
【0019】
前記一般式中Yで示される主鎖にエーテル、エステル、またはアミド結合を有してもよい炭素数2〜12の2価の炭化水素基は、Zで示される疎水性有機基とポルフィリンユニットを結合するために必要である。ここでいう炭化水素基の炭素数とは、エステル結合、アミド結合に含まれる炭素原子を除いた数である。該炭素数が2未満であると疎水性有機基を有するポルフィリン化合物の合成が著しく困難となり好ましくない。また、該炭素数が12を越えると得られるポルフィリン化合物のマトリックス膜への溶解性が低下する。
【0020】
前記一般式中Yで示される2価の炭化水素基としては上記条件を満たすものであれば特に制限されない。一般に合成時の収率を勘案してYとして望ましいものを例示すれば以下の通りである。
【0021】
【化5】
【0022】
上記例示の2価の炭化水素基中、nが2〜10のものが原料の入手が容易であるため好適である。尚、本願明細書中において、具体的に示される2価の炭化水素基(Y)は、右端がZで示される1価の疎水性有機基と結合し左端がポルフィリン環側に結合する。前記一般式中Zで示される2本または3本の直鎖疎水基を有する1価の疎水性有機基は、ポルフィリン錯体の可塑剤への溶解性を飛躍的に高め、且つ良好なイオン応答性を発現するために必要となる。
【0023】
該直鎖疎水基としては、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、ドコシル基、エチルオキシデシル基、ヘキシルオキシデシル基等の炭素数8〜30の直鎖状の飽和炭化水素基が好ましいものとして挙げられる。炭素数が7以下である場合得られるポルフィリン錯体の耐水性が不十分となる傾向にあり、また、炭素数が30を越えると得られるポルフィリン錯体のマトリックス膜への溶解性が不十分となる傾向にある。尚、本発明でいう直鎖疎水基とは、完全に直鎖状のものの他に炭素数2個までの分枝を有する分枝状のものも含むものである。
【0024】
上述の通り本発明に用いる1価の疎水性有機基は2本または3本の直鎖疎水基を有するものである。該直鎖疎水基が1本であると得られる陰イオン感応膜の均一性が十分でなく、また4本以上になるとポルフィリンの合成時の収率が著しく悪化する。
【0025】
該疎水性有機基は2本または3本の直鎖疎水基を有するものであれば特にその構造は制限されないが、通常は2本または3本の直鎖疎水基とそれを連結する原子団とから構成される。該連結する原子団は3つまたは4つの反応性基を有する化合物(以下骨格化合物と略記する)から誘導されたものである場合に合成時の収率が向上するので好適である。
【0026】
上記反応性基としては、アミノ基、ヒドロキシカルボニル基、ヒドロキシ基が合成時の収率が良好であるため好ましく、これら反応性基を有する骨格化合物としては、アンモニア、グリセリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン等が合成時の収率が良好であり且つ得られるポルフィリンの安定性が良好であるため好適に用いられる。尚、直鎖疎水基と骨格化合物の反応性基との間に更にカルボニル基やアミノ基等を、又骨格化合物の反応性基と前記2価の炭化水素基との間にオキシベンゾイル基等を介在させてもよい。
【0027】
本発明における2本または3本の直鎖疎水基を有する1価の疎水性有機基について、合成時の収率の観点から好適なものを以下に具体的に示す。
【0028】
【化6】
【0029】
(但し、Aはエーテル結合を有してもよい炭素数8〜30の直鎖疎水基、hは1または2の整数)
前記一般式中Aで示される直鎖疎水基として一般に好適に使用されるものを例示すれば、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、ドコシル基、エチルオキシデシル基、ヘキシルオキシデシル基等が挙げられる。
【0030】
前記一般式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、X、YおよびZで示される基、整数l、m、nの値はどのような組み合わせであっても良いが、得られるイオン感応膜の安定性、タンパク質吸着の低減効果、クロルイオン選択性、合成時の収率の良さ、原料入手の容易さを勘案すると、下記一般式で表されるポルフィリン錯体が好ましい。
【0031】
【化7】
【0032】
〔式中、p、qは1〜4の整数、rは1〜8の整数、jは2〜10の整数、kは8〜18の整数を示す。〕
上記一般式[2]で示されるように、p、qは1〜4のものがイオン感応膜としたときのタンパク質の吸着を効果的に低減することができる。又、rが1〜8のものが原料の合成が比較的容易である。jが2〜10のものが原料の入手が容易である。更に又、kが8〜18のものがマトリックス膜との相溶性に優れる。上記一般式[2]においてjが4、kが11、pが2、qが2、rが3であるポルフィリン錯体が、イオン感応膜としたとき高速な応答速度を有し、タンパク質の吸着を大きく低減できる点で最も好ましい。
【0033】
本発明のポルフィリン錯体の合成方法は一般に公知の方法を組合わせて合成することができるが、次に示す方法が効率良く合成できるため好適に採用される。
【0034】
ポルフィリンは、通常ピロールとアルデヒドを酸触媒共存下で加熱還流することで合成される。従ってまず最初に、該当するアルデヒドを合成し、これを原料としてポルフィリン環を合成する。すなわち、分子内に疎水性有機基を含むアルデヒドおよび、オリゴエチレングリコールユニットまたはオリゴプロピレングリコールユニットを含むアルデヒドを原料として用いる。ポルフィリン環の合成方法としては、ピロール、アルデヒドを所定の割合(モル比)でジクロロメタンに溶解し酸触媒共存下2時間攪拌した後、クロラニルにより還元する方法が好適に用いられる。反応後得られた固体をシリカゲル粒子と展開溶媒を用いてカラム精製することにより目的とするポルフィリンが得られる。ここで用いる展開溶媒としてはクロロホルム、アセトン、メタノール、酢酸エチル等の公知の溶媒が単独あるいは2種以上混合した形で用いられる。得られたポルフィリンは一般に紫色の固体であり金属光沢を示すことが多い。
【0035】
得られたポルフィリンは、薄層クロマト(以下TLCと略記する)分析で単一のピークを示すことより、純粋な化合物であることが確認される。TLC分析に用いる担体としてはシリカゲルあるいはアルミナがまた展開溶媒としてはクロロホルム、アセトン、メタノール、酢酸エチル等の公知の溶媒が単独あるいは2種以上混合した形で用いられる。更に、プロトンNMRの8.9ppmのピロール環に基づくピークよりその構造が確認される。また、アセトニトリル溶液の紫外可視吸光スペクトル分析を行った際の400nm付近の強い吸収と、蛍光分析行った際の700nm付近の発光(励起波長400nm)よりポルフィリン環の生成を確認できる。
【0036】
最後に、疎水性有機基を有するポルフィリンを公知の方法により金属イオンと反応させ本発明に用いるポルフィリン錯体が合成できる。合成方法としては公知の方法が使用可能であるが、ポルフィリンと金属塩を溶媒中で加熱還流する方法が好適に採用される。用いる金属塩としては、塩化物、酢酸塩、トリスアセチルアセトナト塩等が好適に採用される。また、反応溶媒としては原料が可溶なものであれば公知の溶媒が使用可能であるが、一般に、酢酸、エタノール、ピリジン、ジメチルフォルムアミド等が好適に採用される。
【0037】
反応後得られた固体をシリカゲル粒子と展開溶媒を用いてカラム精製することにより本発明で用いるポルフィリン錯体が得られる。ここで用いる展開溶媒としてはクロロホルム、アセトン、メタノール、酢酸エチル等の公知の溶媒が単独あるいは2種以上混合した形で用いられる。得られたポルフィリン錯体は一般に青紫色の固体または粘稠な液体である。融点は含有する直鎖疎水基の炭素数に依存しており、炭素数が14以下の場合融点は室温以下であり、炭素数が15以上の場合40℃から80℃の範囲であることが多い。一般に水には不溶であるが、ほとんどの有機溶媒に溶解する。
【0038】
得られたポルフィリン錯体はTLC分析で単一のピークを示すことより、純粋な錯体であることが確認される。TLC分析に用いる担体としてはシリカゲルあるいはアルミナが、また展開溶媒としてはクロロホルム、アセトン、メタノール、酢酸エチル等の公知の溶媒が単独あるいは2種以上混合した形で用いられる。また、得られたポルフィリン錯体のアセトニトリル溶液の蛍光分析を行った際、原料には観察された700nm付近の発光(励起波長400nm)が消失または発光強度が低下することによりポルフィリン錯体の生成を確認できる。更に、得られたポルフィリン錯体の元素分析を行うことにより化合物に含まれる金属の量が決定できる。元素分析は公知の方法が採用可能であるが、適当な溶媒に溶かした後誘導結合プラズマ発光分光分析(以下ICPと略記する)する方法が好適に採用される。
【0039】
本発明の陰イオン感応膜は、含有するポルフィリン錯体中に陰イオンと特異的な相互作用を行う金属原子と、2本または3本の直鎖疎水基を有するため、可塑剤への溶解性が高くかつ良好なイオン応答性を有する。また、直鎖疎水基がポルフィリンに対して非対称に導入されることにより、ポルフィリン錯体の結晶性が低下し陰イオン感応膜中で相分離することなく長期に安定して使用可能となる。更にオキシアルキレン基の存在によりタンパク質の吸着によるイオン応答性の低下が防止される。
【0040】
本発明の陰イオン感応膜における当該ポルフィリン錯体の配合量は、後述する高分子化合物と可塑剤よりなるマトリックス膜に対して1重量%〜20重量%の範囲が好ましく、更に好ましくは2重量%〜10重量%の範囲で含有することが望ましい。ポルフィリン錯体が1重量%より少ない場合には、イオンに対する応答性が低下する傾向がある。また、20重量%より多い場合には、ポルフィリン錯体が析出する傾向があり、時にはポルフィリン錯体の相と高分子の相とに相分離を起こし膜状物が不均一になる場合がある。
【0041】
本発明の陰イオン感応膜の構成成分の一つは高分子化合物である。本発明の陰イオン感応膜中に高分子化合物が存在することにより、膜としての形状が保持されると共に、ポルフィリン錯体を膜中に固定化することが可能である。
【0042】
本発明の陰イオン感応膜は、通常水溶液中で使用されるため、高分子化合物は水に溶解しないものであることが好ましい。本発明で使用される高分子化合物として好適なものを例示すると、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニルの単独重合体または共重合体;スチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン等のスチレン及びその置換体の単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体;酢酸ビニル等のビニルエステルの単独重合体または共重合体;ブタジエン、イソプレン等のジエン系重合体またはこれらジエンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合体;ポリウレタン類;シロキサン重合体または共重合体;酢酸セルロース、硝酸セルロース等の繊維素誘導体が挙げられる。特に、ハロゲン化ビニルの単独重合体または共重合体、または、シロキサン重合体または共重合体が本発明の陰イオン感応膜を生体液中で使用した場合に寿命が長く好適である。
【0043】
本発明の陰イオン感応膜の構成成分の他の1つは可塑剤である。可塑剤の存在により陰イオン感応膜が柔軟性を持ち操作性が向上すると共に、イオンに対する応答性が向上する。
【0044】
該可塑剤は特に限定されず公知のものを使用できるが、好適に使用できるものを例示すれば以下の通りである。即ち、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等の脂肪酸エステル類;オルトニトロフェニルオクチルエーテル、オルトニトロフェニルフェニルエーテル、2−フルオロ−2'−ニトロフェニルエーテル等のオルトニトロフェニルエーテル類等である。更に好ましくは、ジオクチルフタレート、または、オルトニトロフェニルオクチルエーテルを用いた場合に得られる陰イオン感応膜のクロルイオン選択性が良好である場合が多く好適に採用される。
【0045】
これらの可塑剤の添加量は陰イオン感応膜の使用目的に応じて適宜選択すればよいが、一般には高分子化合物に対して可塑剤を30〜300重量%の範囲で選べば好適である。
【0046】
本発明の陰イオン感応膜中に更に脂溶性アニオンが存在することにより、本発明の陰イオン感応膜のイオンに対する応答速度が向上し、試料中のイオン濃度を迅速に測定することが可能となることがある。なお、本発明の陰イオン感応膜中において,該脂溶性アニオンは、脂溶性アニオンとその対カチオンとの塩(以下脂溶性アニオン塩という)の状態で含有される。
【0047】
本発明の陰イオン感応膜は、通常水溶液中で使用されるため、脂溶性アニオンは水に対する溶解度の小さいものであることが必須である。本発明で使用される脂溶性アニオンの水に対する溶解度が10以下であることが望ましく、水への溶解度が10を超える脂溶性アニオンを使用する場合は膜との相溶性が低下して電極性能が悪化したり、試料液中に脂溶性アニオンが溶け出して電極寿命が著しく短くなる場合がある。なお、ここでいう脂溶性アニオンの水への溶解度とは、脂溶性アニオンのナトリウム塩が20℃の純水100gに溶解する重量(g)として定義される。
【0048】
本発明で使用される脂溶性アニオンとして好適なものを例示すると、例えば、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、テトラキス(4−クロロフェニル)ボレート、テトラキス(4−フルオロフェニル)ボレート、テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボレート類;デシルスルホン酸、ドデシルスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、オクタデシルスルホン酸、オレイルスルホン酸などの長鎖アルキルスルホン酸類;ビスメチルヘキシルスルフォコハク酸、ジオクチルスルフォコハク酸、ジデシルスルフォコハク酸、ジドデシルスルフォコハク酸などの長鎖ジアルキルスルフォコハク酸類;デシルホスフォン酸、ドデシルホスフォン酸、ドデシルベンゼンホスフォン酸、オクタデシルホスフォン酸、オレイルホスフォン酸などの長鎖アルキルホスフォン酸類;ビスメチルヘキシルホスフォン酸、ジオクチルホスフォン酸、ジデシルホスフォン酸、ジドデシルホスフォン酸などの長鎖ジアルキルホスフォン酸類;ビスメチルヘキシルホスフォコハク酸、ジオクチルホスフォコハク酸、ジデシルホスフォコハク酸、ジドデシルホスフォコハク酸などの長鎖ジアルキルホスフォコハク酸類などが挙げられる。
【0049】
上記脂溶性アニオンの対カチオンとしては公知の陽イオンが制限なく採用されるが、カリウムイオン、ナトリウムイオンが製膜する際に用いる有機溶媒への溶解度が良く好適に採用される。
【0050】
本発明の陰イオン感応膜において脂溶性アニオンの量はポルフィリン錯体に対して1mol%〜100mol%の範囲が好ましく、更に好ましくは10mol%〜50mol%の範囲で含有することが望ましい。脂溶性アニオンの配合量が1mol%より少ない場合には、イオンに対する応答速度が遅くなる。また、100mol%より多い場合にはイオンに対する応答性が低下し、時にはイオンに対する応答性を失う場合がある。
【0051】
本発明の陰イオン感応膜の製造方法は従来公知の方法が採用される。一般に好適に採用される代表的な製造方法を例示すれば次の通りである。
【0052】
前記ポルフィリン錯体を高分子化合物、可塑剤および必要に応じて脂溶性アニオン塩と共に有機溶媒に溶解し、該溶液を板状面に塗布または流し込んだ後、有機溶媒を蒸発せしめて陰イオン感応膜とする方法が挙げられる。
【0053】
上記有機溶媒としては、高分子化合物、可塑剤及びポルフィリン錯体、更には脂溶性アニオン塩を溶解するものであれば公知のものがなんら制限されず使用し得る。一般に好適に用いられる有機溶媒を具体的に例示すれば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
【0054】
上記に示した方法により得られる陰イオン感応膜は、一般に青紫色の均一な膜となる。
本発明の陰イオン感応膜の膜厚は、用いる構成成分の量と膜面積を調製することにより制御可能であるが、陰イオン選択性電極として使用する際の操作性を勘案して1μm〜1mmの範囲であることが望ましい。
【0055】
本発明の方法により得られる陰イオン感応膜が適用可能な陰イオン選択性電極は、公知の構造を有するものが特に制限なく採用される。一般には、試料溶液に浸漬する部分の少なくとも一部が前記陰イオン感応膜で構成された容器内に内部標準電極、及び内部電解液を内蔵した構造が好適である。例えば代表的な態様としては前記の図1に示した構造がある。即ち、図1の陰イオン選択性電極は、電極筒体11の低面部に陰イオン感応膜12を装着して構成される容器内に、内部電解液13が満たされ、且つ内部基準電極14を設けてなるものである。なお、15は液シール用のOリングである。
【0056】
該電極においては、陰イオン感応膜以外の材質等は特に制限されず、従来のものが限定なく採用される。例えば電極筒体の材質としては、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル等、内部電解液としては塩化ナトリウム水溶液、塩化カリウム水溶液等、内部基準電極としては白金、金、カーボングラファイトなどの導電性物質あるいは銀−塩化銀、水銀−塩化水銀等の難溶性金属塩化物等が使用される。
【0057】
本発明の方法によって得られる陰イオン感応膜を適用し得る陰イオン選択性電極は、図1に示した構造に限定されず、前記陰イオン感応膜を有する電極であればいかなる構造であってもよい。他の陰イオン選択性電極の好適なものを例示すれば、金、白金、グラファイト等の導電体あるいは、塩化銀、塩化水銀等のイオン導伝体に前記陰イオン感応膜を直接貼付けて構成される陰イオン選択性電極等である。
【0058】
また、かかる陰イオン感応膜を使用した陰イオン選択性電極は公知の方法で使用することができる。例えば、前記した図2に示すような使用態様が基本的である。即ち、陰イオン選択性電極21は、塩橋22と共に試料溶液23中に浸漬され、塩橋の他の一端は比較電極24と共に飽和塩化カリウム溶液26に浸漬される。上記比較電極としては一般に公知のものが採用されるが、公的に使用されるものを例示すれば、カロメル電極、銀−塩化銀電極、白金板、カーボングラファイト等である。
【0059】
【発明の効果】
本発明で得られる陰イオン感応膜は、イオン感応部分がポルフィリン錯体で構成されているため、血液、尿等の生体液中に存在する炭酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン等の妨害イオンに対して塩素イオンの応答性が著しく高く、これを陰イオン選択性電極の陰イオン感応膜として使用することにより、血液、尿等の生体液中の塩素イオンの定量を極めて正確に行うことが可能である。
【0060】
更に、ポルフィリン錯体中に2本または3本の長鎖アルキル基が存在するためにマトリックス膜への溶解性が非常に高い。従って、高濃度に膜中に含有することが可能であるため、生体液中の塩素イオンの定量を長期にわたって安定に測定することが可能である。更にオキシアルキレン基よりなる親水性基により、タンパク質の陰イオン感応膜への吸着を効果的に防止することが可能である。以上の点より、本発明の陰イオン感応膜の工業的価値は極めて大きい。
【0061】
【実施例】
以下に本発明をさらに具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0062】
尚本実施例中において、プロトンNMRを1HNMR、ベンゼン環をpheと略記する。また、本実施例中のポルフィリン錯体の組成比とは、高分子化合物及び可塑剤よりなるマトリックス膜に対するポルフィリン錯体の重量比(重量%)である。
【0063】
製造例1(1)1、3−ジドデシロキシ−2−(4−ブロモブトキシ)グリセリン40.5g(71.8mmol)、p-ヒドロキシベンズアルデヒド12.2g(100mmol)、炭酸カリウム13.8g(100mmol)、ヨウ化カリウム1.7g(10mmol)をアセトン200mlに懸濁し、23時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し有機層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム100%)、淡黄色液体18.3g(収率42%)を得た。
【0064】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0065】
1HNMR:0.9〜1.3ppm(m;50H、C−CH2−C、−CH3)、3.5ppm(m;13H、O−CH2、O−CH)、4.1ppm(t;2H、phe−O−CH2)、7.0ppm(d;2H、phe−H)、7.9ppm(d;2H、phe−H)、9.9ppm(s;1H、−CHO)
(2)p−ヒドロキシベンズアルデヒド6.1g(50mmol)、テトラエチレングリコールモノメチルエーテルモノトシレート18.6g(50mmol)、炭酸カリウム8.29g(60mmol)をアセトン200mlに溶解し、15時間加熱還流した。アセトンを減圧留去した後クロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。これを0.1%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=95/5)、淡黄色液体13.3g(収率85%)を得た。
【0066】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0067】
1HNMR:3.4〜4.2ppm(m;19H、O−CH2−C、−O−CH3)、7.0ppm(d;2H、phe−H)、7.8ppm(d;2H、phe−H)、9.8ppm(s;1H、−CHO)
(3)p−(1、4、7、10、13−ペンタオキサテトラデシル)ベンズアルデヒド5g(16mmol)、p−(7−ドデシロキシメチル−1、6、9−トリオキサヘンイコシル)ベンズアルデヒド3.21g(5.3mmol)、ピロール1.43g(21.3mmol)をジクロロメタン2lに溶解し、15分攪拌した。これにトリフルオロ酢酸1.5mlを加え2時間室温で攪拌した。これにクロラニル2.62g(10.7mmol)を加え40〜45℃で1時間加熱攪拌した。溶媒を減圧留去後残渣をクロロホルム/水で抽出し(抽出後の水層のpHは8〜9)、クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=93/7で5回、88/12で3回)、赤紫色粘性固体430mg(収率4.5%)を得た。
【0068】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0069】
1HNMR:−2.8ppm(s;2H、NH)、0.6−2.3ppm(m;51H、C−CH2−C、−CH3)、3.4ppm(s;9H、O−CH3)、3.6ppm(m;49H、O−CH2、O−CH)、3.9ppm(m;6H、phe−O−CH2)、4.2ppm(m;6H、phe−O−C−CH2)、7.3ppm(d;8H、phe−H)、8.1ppm(d;8H、phe−H)、8.9ppm(s;8H、ピロールCH)
(4)上記で得られたポルフィリン0.2g(0.12mmol)、塩化インジウム四水和物0.17g(0.57mmol)、酢酸ナトリウム0.3gを酢酸50mlに溶解し120℃で3時間加熱還流した。反応終了後酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルムに溶解し2度水で洗浄したあと、0.1%塩酸を加え30〜60分放置した後クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=8/2)、青紫色粘性固体185mg(収率81%)を得た。
【0070】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0071】
1HNMR:−2.75ppmのシグナルが消失し、7.30ppm、8.10ppmのピークがそれぞれブロードなダブレットとブロードなダブルダブレットになった。
【0072】
得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】
精製物のTLC分析(シリカゲル薄層、展開液クロロホルム/アセトン=4/1)及びインジウム元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)を行い、次に示す結果を得た。
【0075】
TLC:シングルピークインジウム元素分析:インジウム含量;6.0重量%(計算値 6.22%)
製造例2(製造No.2〜11)
製造例1と同様にして、表2に示すアルデヒド化合物と、疎水性有機基を含むベンズアルデヒド誘導体及びピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造とインジウム元素分析結果を表2に併せて記す。
【0076】
【表2】
【0077】
製造例3(製造No.12)
製造例1で得られたポルフィリン0.623g(0.36mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と二塩化マンガン・4水塩0.285g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体320mg(収率50%)を得た。得られた化合物の構造とマンガン元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表3に併せて示す。
【0078】
製造例4(製造No.13)
製造例1で得られたポルフィリン0.623g(0.36mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と塩化スズ(IV)0.375g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体380mg(収率55%)を得た。得られた化合物の構造とスズ元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表3に併せて示す。
【0079】
製造例5(製造No.14)
製造例1で得られたポルフィリン0.623g(0.36mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と塩化銅・二水和物0.245g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体350mg(収率54%)を得た。得られた化合物の構造と銅元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表3に併せて示す。
【0080】
製造例6(製造No.15)
製造例1で得られたポルフィリン0.623g(0.36mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と三塩化鉄0.233g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後カラム精製(シリカゲル、クロロホルム/アセトン(14/1))し紫色固体418mg(収率65%)を得た。得られた化合物の構造と鉄元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表3に併せて示す。
【0081】
【表3】
【0082】
製造例7(製造No.16)
(1)p−ヒドロキシベンズアルデヒド6.1g(50mmol)、テトラプロピレングリコールモノメチルエーテルモノトシレート20.9g(50mmol)、炭酸カリウム8.29g(60mmol)をアセトン200mlに溶解し、15時間加熱還流した。アセトンを減圧留去した後クロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。これを0.1%水酸化ナトリウム水溶液で3回洗浄した。クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=95/5)、淡黄色液体13.3g(収率85%)を得た。
【0083】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0084】
1HNMR:1.2ppm(d;9H、O−C(CH3)−C)、3.4〜4.2ppm(m;19H、O−CH2−CH、O−CH3)、7.0ppm(d;2H、phe−H)、7.8ppm(d;2H、phe−H)、9.8ppm(s;1H、−CHO)
(2)p−(3、6、9、12−テトラメチル−1、4、7、10、13−ペンタオキサテトラデシル)ベンズアルデヒド5.9g(16mmol)、実施例1で得られたp−(7−ドデシロキシメチル−1、6、9−トリオキサヘンイコシル)ベンズアルデヒド3.21g(5.3mmol)、ピロール1.43g(21.3mmol)をジクロロメタン2lに溶解し、15分攪拌した。これにトリフルオロ酢酸1.5mlを加え2時間室温で攪拌した。これにクロラニル2.62g(10.7mmol)を加え40〜45℃で1時間加熱攪拌した。溶媒を減圧留去後残渣をクロロホルム/水で抽出し(抽出後の水層のpHは8〜9)、クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=93/7で5回、88/12で3回)、赤紫色粘性固体287mg(収率3%)を得た。
【0085】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0086】
1HNMR:−2.8ppm(s;2H、NH)、0.6−2.3ppm(m;77H、C−CH2−C、−CH3、)、3.4ppm(s;9H、O−CH3)、3.6ppm(m;28H、O−CH2、O−CH)、3.9ppm(m;6H、phe−O−CH2)、4.2ppm(m;6H、phe−O−C−CH2)、7.3ppm(d;8H、phe−H)、8.1ppm(d;8H、phe−H)、8.9ppm(s;8H、ピロールCH)
(3)上記で得られたポルフィリン0.2g(0.12mmol)、塩化インジウム四水和物0.17g(0.57mmol)、酢酸ナトリウム0.3gを酢酸50mlに溶解し120℃で3時間加熱還流した。反応終了後酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルムに溶解し2度水で洗浄したあと、0.1%塩酸を加え30〜60分放置した後クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=8/2)、青紫色粘性固体160mg(収率70%)を得た。
【0087】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0088】
1HNMR:−2.75ppmのシグナルが消失し、7.30ppm、8.10ppmのピークがそれぞれブロードなダブレットとブロードなダブルダブレットになった。
【0089】
得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造を表4に示す。
【0090】
【表4】
【0091】
精製物のTLC分析(シリカゲル薄層、展開液クロロホルム/アセトン=4/1)及びインジウム元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)を行い、次に示す結果を得た。
【0092】
TLC:シングルピークインジウム元素分析:インジウム含量;5.5重量%(計算値 5.61%)
製造例8(製造No.17〜20)
製造例7と同様にして、表6に示すアルデヒド化合物と、疎水性有機基を含むアルデヒド誘導体及びピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造と元素分析結果を表5に併せて記す。
【0093】
【表5】
【0094】
製造例9(製造No.21〜25)
製造例1と同様にしてp−(1、4、7、10、13−ペンタオキサテトラデシル)ベンズアルデヒド、表6に示す疎水性有機基を含むベンズアルデヒド誘導体およびピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造と元素分析結果を表6に併せて示す。
【0095】
【表6】
【0096】
製造例10(製造No.26)
(1)1,3−プロパンジオール5.8g(76mmol)の1,4−ジオキサン溶液に水素化ナトリウム1.6g(含量60%,40mmol)を加え30分間攪拌した。これに1、3−ジドデシロキシ−2−(4−ブロモブトキシ)グリセリン21.5g(38mmol)を徐々に加え120℃で15時間加熱還流した。反応混合物中の固体成分を濾別し、濾液の溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム100%)透明液体10.2g(収率48%)を得た。
【0097】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0098】
1HNMR:0.7〜2.0ppm(m;52H、C−CH2−C、−CH3)、2.5ppm(s,broad;1H、−OH)、3.5ppm(m;17H、−O−CH2、−O−CH)
(2)10−ドデシロキシメチル−4、9、12−トリオキサテトラコサノール10.2g(18.3mmol)、ジメチルスルホキシド4g(51mmol)をそれぞれ50ml、25mlのジクロロメタンに溶解したものを別々の滴下ロ−トに入れた。500mlの三口フラスコにシュウ酸クロライド6.5g(51mmol)を100mlのジクロロメタンに溶解したものを入れた。これを−50〜−60℃に冷却し、攪拌しながらジメチルスルホキシドのジクロロメタン溶液を徐々に加え2分間攪拌した。ついで10−ドデシロキシメチル−4、9、12−トリオキサテトラコサノールの溶液を5分間で滴下し、15分間攪拌した。トリエチルアミン50mlを加え5分間攪拌した後室温に戻した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=95/5)透明液体6.1g(収率60%)を得た。
【0099】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0100】
1HNMR:0.7〜1.7ppm(m;50H、C−CH2−C、C−CH3)、2.6ppm(m;2H、O=C−CH2−)3.2〜3.8ppm(m;15H、O−CH2−C、−O−CH−)、9.8ppm(t;1H、−CHO)
(3)1,3−プロパンジオール25g(330mmol)の1,4−ジオキサン溶液に水素化ナトリウム5g(含量60%,125mmol)を加え30分間攪拌した。これにトリエチレングリコールモノメチルエーテルモノトシレート30g(94mmol)を加え120℃で5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣を減圧蒸留(112〜125℃/0.5mmHg)し透明液体15g(収率72%)を得た。
【0101】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0102】
1HNMR:1.8ppm(m;2H、C−CH2−C)、2.8ppm(bs;1H、−OH)、3.2〜3.8ppm(m;19H、O−CH2、O−CH3)
(4)4、7、10、13−テトラオキサテトラデカノール15g(67mmol)、ジメチルスルホキシド5.8g(74mmol)をそれぞれ50ml、25mlのジクロロメタンに溶解したものを別々の滴下ロ−トに入れた。500mlの三口フラスコにシュウ酸クロライド9.4g(74mmol)を100mlのジクロロメタンに溶解したものを入れた。これを−50〜−60℃に冷却し、攪拌しながらジメチルスルホキシドのジクロロメタン溶液を徐々に加え2分間攪拌した。ついで4、7、10、13−テトラオキサテトラデカノールの溶液を5分間で滴下し、15分間攪拌した。トリエチルアミン50mlを加え5分間攪拌した後室温に戻した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=9/1)透明液体10.2g(収率67%)を得た。
【0103】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0104】
1HNMR:2.6ppm(m;2H、O=C−CH2−)3.2〜4.0ppm(m;17H、O−CH2−C、O−CH3)、9.8ppm(t;1H、−CHO)
(5)4、7、10、13−テトラオキサテトラデカナール3.6g(16.2mmol)、10−ドデシロキシメチル−4、9、12−トリオキサテトラコサナール3g(5.4mmol)、ピロール1.45g(21.6mmol)をジクロロメタン2lに溶解し、15分攪拌した。これにトリフルオロ酢酸1.5mlを加え2時間室温で攪拌した。これにクロラニル2.7g(10.8mmol)を加え40〜45℃で1時間加熱攪拌した。溶媒を減圧留去後残渣をクロロホルム/水で抽出し(抽出後の水層のpHは8〜9)、クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=6/4)、暗赤褐色粘性固体165mg(収率2.1%)を得た。
【0105】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とし、ポルフィリン環をPorと略記する)を行い、次に示す結果を得た。
【0106】
1HNMR:−2.9ppm(s;2H、NH)、0.6−2.3ppm(m;50H、C−CH2−C、−CH3)、3.2〜3.8ppm(m;58H、O−CH2、O−CH、O−CH3)、4.4ppm(t;8H、Por−C−CH2)、5.2ppm(t;8H、Por−CH2)、9.5ppm(s;8H、ピロールCH)
(6)上記で得られたポルフィリン165mg(0.117mmol)、塩化インジウム四水和物0.17g(0.57mmol)、酢酸ナトリウム0.3gを酢酸50mlに溶解し120℃で3時間加熱還流した。反応終了後酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルムに溶解し2度水で洗浄したあと、0.1%塩酸を加え30〜60分放置した後クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=8/2)、青紫色粘性固体110mg(収率60%)を得た。
【0107】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0108】
1HNMR:−2.9ppmのシグナルが消失し、4.4ppm、5.2ppm、9.5ppmのピークがそれぞれ4.6ppm、5.4ppm、9.8ppmにシフトした。
【0109】
得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造を表7に示す。
【0110】
【表7】
【0111】
精製物のTLC分析(シリカゲル薄層、展開液クロロホルム/アセトン=4/1)及びインジウム元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)を行い、次に示す結果を得た。
【0112】
TLC:シングルピークインジウム元素分析:インジウム含量;7.2重量%(計算値 7.38%)
製造例11(製造No.27〜36)
製造例10と同様にして、表8に示す親水性アルデヒド化合物と、疎水性有機基を含むアルデヒド化合物及びピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造とインジウム元素分析結果をを表8に併せて記す。
【0113】
【表8】
【0114】
製造例12(製造No.37)
製造例10で得られたポルフィリン0.6g(0.42mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と二塩化マンガン・4水塩0.285g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体308mg(収率49%)を得た。得られた化合物の構造とマンガン元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表9に併せて示す。
【0115】
製造例13(製造No.38)
製造例10で得られたポルフィリン0.6g(0.42mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と塩化スズ0.375g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体366mg(収率56%)を得た。得られた化合物の構造とスズ元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表9に併せて示す。
【0116】
製造例14(製造No.39)
製造例10で得られたポルフィリン0.6g(0.42mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と塩化銅・二水和物0.245g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後シリカゲルカラム精製し(クロロホルム/アセトン=4/1)、深緑色固体310mg(収率50%)を得た。得られた化合物の構造と銅元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表9に併せて示す。
【0117】
製造例15(製造No.40)
製造例1で得られたポルフィリン0.6g(0.42mmol)を酢酸100mlと共に200mlの三角フラスコに入れた。そこに酢酸ナトリウム0.23g(2.88mmol)と三塩化鉄0.233g(1.44mmol)を加え2時間加熱還流した。放冷後、酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルム溶液として塩酸で洗浄し溶媒を減圧留去した後カラム精製(シリカゲル、クロロホルム/アセトン(14/1))し紫色固体450mg(収率70%)を得た。得られた化合物の構造と鉄元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)結果を表9に併せて示す。
【0118】
【表9】
【0119】
製造例16(製造No.41)
(1)1,3−プロパンジオール25g(330mmol)の1,4−ジオキサン溶液に水素化ナトリウム5g(含量60%,125mmol)を加え30分間攪拌した。これにトリプロピレングリコールモノメチルエーテルモノトシレート30g(83mmol)を加え120℃で5時間加熱還流した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣を減圧蒸留し透明液体15g(収率68%)を得た。
【0120】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0121】
1HNMR:1.8ppm(m;8H、C−CH2−C)、2.8ppm(bs;1H、−OH)、3.2〜3.8ppm(m;19H、O−CH2、O−CH3)
(2)テトラプロピレングリコールモノメチルエーテル15g(57mmol)、ジメチルスルホキシド5.8g(74mmol)をそれぞれ50ml、25mlのジクロロメタンに溶解したものを別々の滴下ロ−トに入れた。500mlの三口フラスコにシュウ酸クロライド9.4g(74mmol)を100mlのジクロロメタンに溶解したものを入れた。これを−50〜−60℃に冷却し、攪拌しながらジメチルスルホキシドのジクロロメタン溶液を徐々に加え2分間攪拌した。ついでテトラプロピレングリコールモノメチルエーテルの溶液を5分間で滴下し、15分間攪拌した。トリエチルアミン50mlを加え5分間攪拌した後室温に戻した。溶媒を減圧留去し残渣をクロロホルム/水で抽出し、クロロホルム層を分取した。溶媒を減圧留去し残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=9/1)透明液体9.6g(収率64%)を得た。
【0122】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0123】
1HNMR:1.8ppm(m;6H、C−CH2−C)、2.6ppm(m;2H、O=C−CH2−)3.2〜4.0ppm(m;17H、O−CH2−C、O−CH3)、9.8ppm(t;1H、−CHO)
(3)3、6、9、12−テトラメチル−4、7、10、13−テトラオキサテトラデカナール4.2g(16mmol)、実施例1で得られた10−ドデシロキシメチル−4、9、12−トリオキサテトラコサナール3.21g(5.3mmol)、ピロール1.43g(21.3mmol)をジクロロメタン2lに溶解し、15分攪拌した。これにトリフルオロ酢酸1.5mlを加え2時間室温で攪拌した。これにクロラニル2.62g(10.7mmol)を加え40〜45℃で1時間加熱攪拌した。溶媒を減圧留去後残渣をクロロホルム/水で抽出し(抽出後の水層のpHは8〜9)、クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=9/1)、赤紫色粘性固体320mg(収率3.9%)を得た。
【0124】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0125】
1HNMR:−2.9ppm(s;2H、NH)、0.6−2.3ppm(m;68H、C−CH2−C、C−CH3)、3.4ppm(s;9H、O−CH3)、3.6ppm(m;58H、O−CH2、O−CH)、4.4ppm(t;8H、Por−C−CH2)、5.2ppm(t;8H、Por−CH2)、9.5ppm(s;8H、ピロールCH)
(4)上記で得られたポルフィリン0.2g(0.13mmol)、塩化インジウム四水和物0.17g(0.57mmol)、酢酸ナトリウム0.3gを酢酸50mlに溶解し120℃で3時間加熱還流した。反応終了後酢酸を減圧留去した。残渣をクロロホルムに溶解し2度水で洗浄したあと、0.1%塩酸を加え30〜60分放置した後クロロホルム層を分取し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラム処理し(クロロホルム/アセトン=8/2)、青紫色粘性固体130mg(収率59%)を得た。
【0126】
精製物の1HNMR(CDCl3中、TMSを基準(0.00ppm)とする。)を行い、次に示す結果を得た。
【0127】
1HNMR:−2.9ppmのシグナルが消失し、4.4ppm、5.2ppm、9.5ppmのピークがそれぞれ4.6ppm、5.4ppm、9.8ppmにシフトした。
【0128】
得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造を表10に示す。
【0129】
【表10】
【0130】
精製物のTLC分析(シリカゲル薄層、展開液クロロホルム/アセトン=9/1)及びインジウム元素分析(ジクロロエタン溶媒でICP発光分析)を行い、次に示す結果を得た。
【0131】
TLC:シングルピークインジウム元素分析:インジウム含量;6.7重量%(計算値 6.82%)
製造例17(製造No.42〜45)
製造例16と同様にして、表11に示すアルデヒド化合物と、疎水性有機基を含むアルデヒド誘導体及びピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造と元素分析結果を表11に併せて記す。
【0132】
【表11】
【0133】
製造例18(製造No.46〜50)
製造例10と同様にしてテトラエチレングリコールモノメチルエーテル−4−オキシベンズアルデヒド、表12に示す疎水性有機基を含むベンズアルデヒド誘導体およびピロールを用いてポルフィリンを合成し、ポルフィリン/インジウム錯体を合成した。得られたポルフィリン/インジウム錯体の構造と元素分析結果を表12に併せて示す。
【0134】
【表12】
【0135】
実施例1製造例1で得られたポルフィリン錯体(製造No.1)を表13に示す量、ポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてo−ニトロフェニルオクチルエーテル100mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解させた後、直径35mmのガラス製シャーレに流延した。溶媒を20℃大気圧の条件下で24時間かけて蒸発させ膜状物を得た。結果を表13に示す。
【0136】
【表13】
【0137】
得られた膜状物をそれぞれ図1に示すように電極に装着した後、図2に示した装置により、種々の陰イオンについて、室温での濃度と電位差の関係を測定した。得られた結果より公知の方法[G.J.Moody、J.D.Thomas著、宗森信、日色和夫訳「イオン選択性電極」、共立出版、18ページ(1977)に記載の方法]により各陰イオンに対する塩素イオン選択係数を求めた。結果を表13に併せて示す。また、10-3M 塩化カリウム、標準血清、10-3M塩化カリウムの順序で電位を測定し、標準血清測定前後における10-3M 塩化カリウム溶液中での電位差をタンパク質吸着度と定義し、タンパク質吸着の影響を示す指標とした。タンパク質吸着度は大きいほどタンパク質の吸着による影響が大きいことを示す。結果を表13に併せて示す。
【0138】
比較例1製造例2、11で得られたエチレングリコール基を含有しないポルフィリン/インジウム錯体(製造No.2、27)、直鎖疎水基を含有しないポルフィリン/インジウム錯体(製造No.7、8、32、33)を用いて実施例1と全く同様に膜状物を得た。結果を表13に併せて示す。得られた膜状物を用いて実施例1と同様にして各陰イオンに対する塩素イオン選択系数を求めた。結果を表13に併せて示す。
【0139】
表13より明らかなように、本発明の陰イオン感応膜は非対称に導入された疎水性有機基により、1重量%から17重量%の範囲で相分離することなく膜中に分散可能である。
これに対して直鎖疎水基がないもの(比較膜2、3)では、可塑剤への溶解性が不十分であるため1重量%を越える含量では相分離を起こしている。ポルフィリン錯体の組成比が1%未満の膜(膜NO.79)ではスロープが小さくなり、20%以上の膜(膜NO.80)ではタンパク質の吸着が大きくなる。またエチレングリコール基を含有しないポルフィリン/インジウム錯体では(比較膜1)、タンパク質の吸着を防ぐことができないため標準血清測定前後での電位の差が非常に大きい。またポルフィリン環にフェニレン基が結合していない場合、疎水性有機基の有無によらず(比較膜5、6)1重量%から17重量%の範囲で相分離することなく膜中に分散可能である。しかし、標準血清測定前後での電位の差が大きく(比較膜5)、スロープの低下が見られる(比較膜6)。
【0140】
またエチレングリコール基を含有しない(比較膜4)ポルフィリン/インジウム錯体ではタンパク質の吸着を防ぐことができないため標準血清測定前後での電位の差が非常に大きい。
【0141】
本実施例中のイオン選択係数は、その値が小さいほど陰イオン感応膜の塩素イオンに対する選択性が良好であることを示している。表13よりわかるように本発明の陰イオン感応膜を用いた陰イオン選択性電極は、生体液中に存在する硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンに対する塩素イオンの選択性が優れており生体液中の塩素イオン濃度を正確に測定可能である。
【0142】
実施例2製造例2〜3、製造例7〜8で得られたポルフィリン錯体(製造No.3〜6、製造No.9〜12、製造No.16〜25、)を表14に示す量、ポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてo−ニトロフェニルオクチルエーテル100mgをジクロロエタン2.5mlに溶解させた後、直径35mmのガラス製シャーレに流延した。溶媒を20℃大気圧の条件下で24時間かけて蒸発させ膜状物を得た。得られた膜状物を用いて実施例1と同様にして各陰イオンに対する塩素イオン選択系数を求めた。また、10-3M 塩化カリウム、標準血清、10-3M 塩化カリウムの順序で電位を測定し、標準血清測定前後における10-3M 塩化カリウム溶液中での電位差を、タンパク質吸着の影響を示す指標とした。結果を表14に併せて示す。
【0143】
同様に製造例11〜12、製造例16〜17で得られたポルフィリン錯体(製造No.28〜31、製造No.34〜37、製造No.41〜50)についても膜状物を得た。
得られた膜状物を用いて実施例1と同様にして各陰イオンに対する塩素イオン選択系数、標準血清測定前後での10-3M 塩化カリウム溶液中での電位差を測定した。結果を表15に示す。
【0144】
【表14】
【0145】
【表15】
【0146】
比較例2製造例4、12で得られた疎水性有機基を有するポルフィリン/スズ錯体(製造No.13、38)、製造例5、13で得られた疎水性有機基を有するポルフィリン/銅錯体(製造No.14、39)、製造例6、14で得られた疎水性有機基を有するポルフィリン/鉄錯体(製造No.15、40)をそれぞれ用いて実施例1と全く同様に膜状物を得た。結果を表14に併せて示す。得られた膜状物を用いて実施例1と同様にして各陰イオンに対する塩素イオン選択系数、標準血清測定前後での10-3M 塩化カリウム溶液中での電位差を測定した。結果を表14、15に併せて示す。
【0147】
表14、15より明らかなように、本発明の陰イオン感応膜はポルフィリンに非対称に導入された疎水性有機基により、相分離することなく膜中に分散可能である。また中心金属としてインジウムを用いた場合の他に、マンガン(膜No.14、37)、を用いた場合も生体液中に存在する硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンに対する塩素イオンの選択性が優れており生体液中の塩素イオン濃度を正確に測定可能である。一方、中心金属としてスズを有する比較膜9、比較膜12、銅を有する比較膜10、比較膜13、および中心金属として鉄を有する比較膜11、比較膜14ではこれらイオンに対する塩素イオンの選択性が不十分であるため生体液中の塩素イオンの正確な測定は不可能である。
【0148】
表14、表15よりわかるように本発明の陰イオン感応膜を用いた陰イオン選択性電極は、生体液中に存在する硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオンに対する塩素イオンの選択性が優れており生体液中の塩素イオン濃度の測定に好適である。
【0149】
実施例3製造例1で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.1)を14.2mg(7.6μmol)、表16に示す高分子化合物50mg、及び可塑剤100mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解させた後、直径35mmのガラス製シャーレに流延した。溶媒を20℃大気圧の条件下で蒸発させ膜状物を得た。結果を表16に示す。
【0150】
同様に製造例10で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.26)を11.7mg(7.5μmol)、表17に示す高分子化合物50mg、及び可塑剤100mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解させた後、直径35mmのガラス製シャーレに流延した。溶媒を20℃大気圧の条件下で蒸発させ膜状物を得た。結果を表17に示す。
【0151】
【表16】
【0152】
【表17】
【0153】
表16、表17より明らかなように、本発明のポルフィリンは非対称に導入された疎水性有機基により、相分離することなく膜中に分散可能である。
【0154】
得られた膜状物について実施例1と同様にして各陰イオンに対する塩素イオン選択係数を求めた。結果を表16、表17に併せて示す。
【0155】
表16、表17よりわかるように本発明において高分子化合物と可塑剤の任意の組合せで作成した陰イオン感応膜を用いた陰イオン選択性電極は、生体液中に存在する硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、炭酸イオンに対する塩素イオンの選択性が優れており生体液中の塩素イオン濃度の測定に好適である。
【0156】
実施例4製造例1で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.1)を13.8mg(0.75μmol)、脂溶性アニオンの添加剤としてテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート/ナトリウム塩(以下、TFPBと略記する)を0.7mg(ポルフィリン錯体に対して10mol%)、1.4mg(20mol%)、ないし2.1mg(30mol%)、さらにポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてジオクチルフタレート100mgをテトラヒドロフラン2.5mlに溶解させた後、直径35mmのガラス製シャーレに流延した。溶媒を20℃、大気圧の条件下で24時間かけて蒸発させ膜状物を得た。結果を表18にまとめて示す。同様の操作により、製造例10で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.26)11.7mg(0.75μmol)、脂溶性アニオンの添加剤としてTFPBを0.7mg(ポルフィリン錯体に対して10mol%)、1.4mg(20mol%)、ないし2.1mg(30mol%)、さらにポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてジオクチルフタレート100mg、テトラヒドロフラン2.5mlを用いて膜状物を得た。また、各陰イオンに対する塩素イオン選択係数、標準血清測定前後での10-3M塩化カリウム溶液中での電位差、標準血清を試料としたときの応答速度(99%応答)を測定した。結果を表18に併せて示す。
【0157】
【表18】
【0158】
実施例3と同様の操作により、製造例10で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.26)11.7mg(0.75μmol)、脂溶性アニオンの添加剤としてテトラキス(p−クロロフェニル)ボレート/カリウム塩(以下TCPBと略す)またはジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(以下DESSと略す)を表18に示す量、さらにポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてジオクチルフタレート100mg、テトラヒドロフラン2.5mlを用いて膜状物を得た。また、各陰イオンに対する塩素イオン選択係数、標準血清測定前後での10-3M 塩化カリウム溶液中での電位差、標準血清を試料としたときの応答速度(99%応答)を測定した。結果を表18に併せて示す。
【0159】
比較例3実施例3と同様の操作により、製造例10で得られたポルフィリン/インジウム錯体(製造No.26)11.7mg(0.75μmol)、ポリ塩化ビニル(重合度1000、サン・アロー化学製)50mg及び可塑剤としてジオクチルフタレート100mg、テトラヒドロフラン2.5mlを用いて膜状物を得た。また、各陰イオンに対する塩素イオン選択係数、標準血清測定前後での10-3M塩化カリウム溶液中での電位差、標準血清を試料としたときの応答速度(99%応答)を測定した。結果を表18に併せて示す。
【0160】
膜No.67〜69と77、膜No.70〜72と78を比較すると明らかなように、本発明の陰イオン感応膜を用いた陰イオン選択性電極はTFPBを添加することにより応答速度が高速化し、迅速なクロルイオンの測定が可能である。これに対して、TFPBを含まない膜では応答速度が遅いため、迅速なクロルイオンの測定は困難である。さらに他の脂溶性アニオンを添加した際にも応答速度の向上がみられた(膜No.73〜76)。
【0161】
本実施例中のイオン選択係数は、その値が小さいほど陰イオン感応膜の塩素イオンに対する選択性が良好であることを示している。表18より、本発明の陰イオン感応膜を用いた陰イオン選択性電極は、生体液中に存在する硫酸イオン、硝酸イオン、重炭酸イオンに対する塩素イオンの選択性が優れており、生体液中の塩素イオンを正確に測定可能である。また、脂溶性アニオンを膜に共存させることで応答速度を高速化することが可能である。
【0162】
実施例5実施例1〜4で用いた陰イオン感応膜をそれぞれ図1に示すように電極に装着した後、図2に示した装置により、初期のクロルイオン応答性(100mMの塩化ナトリウム水溶液を試料溶液とした時の膜電位と、10mMの塩化ナトリウム水溶液を試料溶液とした時の膜電位の差の絶対値)を測定した。長期に渡る陰イオン選択性電極の安定性を検討するため、37℃のトリス−リン酸緩衝液中に1年間浸漬した後、再びクロルイオン応答性を測定した。浸漬前後のクロルイオン応答性を表19、表20、表21に併せて示した。
【0163】
【表19】
【0164】
【表20】
【0165】
【表21】
【0166】
比較例5
比較例1〜3で用いた比較膜の中で相分離を起こしていない比較膜1および比較膜4〜6、9〜14を用いて実施例5と同様にして長期に渡る陰イオン選択性電極の安定性を検討した。結果を表21に併せて示す。
【0167】
表19〜21より明らかなように、分子中に非対称に導入された疎水性有機基によりポルフィリン錯体は膜中に安定に存在しており、1年が経過した後でも初期とほぼ同等の性能を示す。一方、非対称に導入された疎水性有機基がない場合、長期の保存により性能が劣化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の陰イオン感応膜を用いる陰イオン選択性電極の一例の構成を示す断面図である。
【図2】 図1の陰イオン選択性電極を用いて電位差を測定する装置の説明図である。
【符号の説明】
11 電極筒体
12 陰イオン感応膜
13 内部電解液
14 内部基準電極
15 Oリング
21 陰イオン選択性電極
22 塩橋
23 試料溶液
24 比較電極
25 エレクトロメーター
26 飽和塩化カリウム水溶液
27 記録計
Claims (4)
- 下記一般式[1]で表わされるポルフィリン錯体。
- 請求項1記載のポルフィリン錯体、高分子化合物、および可塑剤を含有してなる陰イオン感応膜であって、当該ポルフィリン錯体を高分子化合物および可塑剤よりなるマトリックス膜に対して1重量%〜20重量%含有することを特徴とする陰イオン感応膜。
- 更に脂溶性アニオンを含んでなる請求項2記載の陰イオン感応膜。
- 一部が請求項2又は3記載の陰イオン感応膜で構成された構造体に、内部電解液及び内部標準電極を内蔵してなる陰イオン選択性電極。
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