JP3659756B2 - ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォア - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアに関し、詳しくは、ナトリウムイオンに対して可逆的な補足能を有し、特にイオン選択性電極として用いるのに好適なナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、ナトリウムを選択的に検知したり定量することは多くの分野でその必要性が認められている。例えば、臨床検査の分野においてはヒト血清、血漿及び尿中のナトリウム濃度を知ることは種々の病気を診断するうえで無くてはならない手段となっている。特に血清中のナトリウム濃度は健康なヒトで135から145ミリモル/リットルと極めて狭い範囲に維持されており、この数値の変動は身体の重大な異常に直結しているので、その値を測定する診断的意義は大きい。またナトリウムイオンは広く自然界に存在するために、これらを制御しなくてはならない工業的プロセス中や廃水中、および河川中においてもその濃度の測定が広く行われている。その他、最近では健康食に対する一般人の関心が高まり、食品メーカーや消費者団体、個人消費者が食品中のナトリウム濃度を測定したいという大きなニーズがある。
【0003】
これらのニーズを満たしうる技術がイオン選択性電極法である。イオン選択性電極法は試料を破壊することなく、簡単な設備でイオン濃度を測定することのできる極めて有用な測定手段である。イオン選択性電極法の利点は、この他、広い濃度範囲にわたって測定が可能であること、短時間で測定が行えること、一本の電極で繰り返し測定が行えること等である。イオン選択性電極以外にナトリウムイオン濃度を測定する手段としてはプラズマ発光分光分析法、原子吸光法、炎光法等が或るが、いずれもガス供給装置が必要であるなど装置が大きく価格も高価である。
【0004】
イオン選択性電極でナトリウムイオン濃度を測定する際には、その電極が有する固有のイオン選択性、及び試料中に含まれる共存物質に対する影響に注意する必要がある。
【0005】
すべての電極は共存するイオンに対する許容限界濃度が存在し、それ以上の濃度環境でのナトリウムイオン測定は結果に大きな誤差を含む。電極の選択性が高いほど高濃度の妨害イオン存在下での測定が可能となり、使用に際しては予め選択性を把握しておく必要がある。
【0006】
さらに、例えば臨床検査分野など、生体由来の試料を測定する際には、共存するタンパク質等の影響により、測定所要時間が長くなったり、測定値に誤差を与える場合があり、検査業務に支障をきたすことがあるため注意を要する。
【0007】
イオン選択性電極は、無機物から構成されるものと有機物から構成されるものとがある。後者はイオノフォアと呼ばれるイオンを選択的に取り込む機能を有する環状または非環状の化合物を主成分としており、この化合物がイオンと選択的に錯化する現象を利用している。イオノフォアとしてよく知られた化合物としてはペダーソンの発見したクラウンエーテルが挙げられる。従来よりナトリウムイオン選択性電極用のイオノフォアとして実用化されているのは、環状化合物であるクラウンエーテルから誘導されたものであり、特にビス-12-クラウン-4誘導体が使われてきた。これは、ナトリウムイオンのイオノフォアとしてこれまで実用的に用いられているもののうち最も選択性が高く、カリウムイオンに対する選択係数Kは、およそlogKNa,K=−2である(この数値が低いほど良好な選択性を示す。)
最近、カリックスアレーン化合物が非常に高いナトリウムイオン選択性を有しているという特徴から、イオン選択性電極用のイオノフォアとして検討されている。例えば榊ら ( Journal of Inclusion Phenomena and Molecular Recognition in Chemistry誌、14巻、285ページ、1992年) によって合成されたカリックス[4]アレーンのテトラ(t-オクチル)エトキシカルボニルメチルエーテル誘導体のカリウムイオンに対する選択係数は、logKNa、K=−3.1であることが知られている。しかしながら上記カリックスアレーン誘導体を使用したイオン選択性電極によって生体由来の試料を測定する場合には、試料中に共存するタンパク質等の影響を受けるため、測定時に測定電位のドリフトが生じ、ナトリウムイオン濃度の測定がかならずしも正確にできないばかりでなく、測定時間が長くかかるという問題点があった(例えば、D.Diamond、 Journal of Inclusion Phenomena and Molecular Recognition in Chemistry誌、19巻、156ページ、1994年)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、選択性が高く、かつ生体由来の試料の測定時に共存物質の影響を受けないナトリウムイオン選択性電極用イオノフォア及びナトリウムイオン選択性感応膜を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、高い選択性を有しかつタンパク質等の影響を受けない、優れたナトリウムイオン選択性電極を開発すべく研究を重ねた結果、特定の化合物からなるナトリウムイオン選択性電極用イオノフォア及び該特定の化合物からなるナトリウムイオン選択性感応膜の調製に成功し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
即ち、本発明は下記一般式(1)
【0011】
【化3】
【0012】
{式中、R1及びR2は各々独立して水素又は炭素数1〜18のアルキル基であり、R3は炭素数1〜6のアルキル基又は下記式(2)に示されるいずれかの基である。
【0013】
【化4】
【0014】
(式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。)}で示される化合物からなるナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアである。
【0015】
また、他の本発明は上記一般式(1)で示される化合物からなるナトリウム選択性電極用イオノフォア及び熱可塑性樹脂からなることを特徴とするナトリウムイオン選択性感応膜であり、さらに、その一部が該感応膜で構成される容器中に内部標準液及び内部標準電極が内蔵されてなることを特徴とするナトリウムイオン選択性電極である。
【0016】
前記一般式(1)で示される化合物からなるナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアは、ナトリウムイオンに対する選択性が極めて優れておりかつ、タンパク質等の影響を受けにくい。
【0017】
該イオノフォアをナトリウムイオン選択性電極用のイオノフォアとして用いた場合、前述したビス-12-クラウン-4誘導体よりも高い選択性を示し、生体試料、例えば血清測定において迅速、正確な測定が行える。
【0018】
本発明で使用される前記一般式(1)で示される化合物が、ナトリウムイオンに対して著しく高い選択性、およびタンパク質等の影響を非常に受けにくい正確な理由は未だ明らかではないが、前記一般式(1)で示される化合物のクラウン環およびカリックスアレーン骨格のエーテル酸素原子からなる空隙がナトリウムイオンの配位に適していること、さらに、分子内にフェノール性水酸基が存在するため、4個のフェノール性水酸基がすべて置換された通常のカリックスアレーン系イオノフォアと比較し、非常に親水的構造をしているため、タンパク質等が吸着しにくく、結果としてタンパク質等の影響を受けにくいためと推測される。
【0019】
【発明の実施の態様】
本発明でナトリウムイオン選択性イオノフォアとして使用される前記一般式(1)で示される化合物中のR1及びR2は、各々独立して、水素(無置換)、炭素数1〜18までの直鎖または分岐のアルキル基である。炭素数がこれより多い場合には、用いる可塑剤との相溶性が低下し、応答速度、選択性の低下がみられる。特に好適なR1及びR2を例示すれば、直鎖アルキル基としてはブチル基、オクチル基、ドデシル基およびステアリル基等が、分岐アルキル基としては2−エチルヘキシル基、1,1,3,3-テトラメチルブチル基および4−エチルオクチル基等が挙げられる。
【0020】
R3は炭素数1〜6のアルキル基又は前記一般式(2)で示されるいずれかの基である。R3がアルキル基である場合、炭素数が7以上のときには、イオノフォアの疎水性が増し、耐タンパク汚染性の低下がみられる。R3として好適なアルキル基を例示すれば、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基等が挙げられる。また、R3が前記一般式(2)で示されるいずれかの基である場合、式中のR4は炭素数1〜6のアルキル基であり、nは1〜3の整数である。炭素数が7以上の場合には、イオノフォアの疎水性が増し、耐タンパク汚染性の低下がみられる。またnが4以上の場合には、イオノフォアの親水性が増すためイオノフォアが感応膜から水中に溶出し寿命が短くなりやすい。R4として好適なアルキル基を例示すれば、メチル基、エチル基、2−エチルブチル基等が挙げられる。
【0021】
本発明で好適に使用される前記一般式(1)で示される化合物は、前記一般式(1)におけるR1〜R3の組み合わせが下記表1に示される組み合わせの化合物である。
【0022】
【表1】
【0023】
本発明で使用される前記一般式(1)で示される化合物の製造方法は特に限定されるものではなく、如何なる方法を採用してもよいが、以下の方法で製造するのが一般的である。即ち、下記一般式(3)
【0024】
【化5】
【0025】
(式中、R1及びR2は各々独立して水素又は炭素数1〜18のアルキル基である)
で示される化合物と脱離基を有するアルキル、エステル、アミドまたはエーテル化合物とを溶媒中で塩基存在下反応させる事により目的の化合物を得ることが出来る。この時、好適に使用される脱離基を有するアルキル、エステル、アミドおよびエーテル化合物としては、それぞれ、臭化エチル、ブロモ酢酸エチルエステル、2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミドおよび2−ブロモエチルエチルエーテルアミドが挙げられ、塩基としては、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。また好適な溶媒としては、ジメチルホルムアミド、テトラハイドロフラン等の極性有機溶媒が挙げられる。
【0026】
上記反応における反応温度等その他反応条件は、使用する前記一般式(3)で示される化合物の種類、各反応試剤の種類およびこれらの組み合わせによって適宜決定されるが、通常は、−20℃〜溶媒の沸点(溶媒還流下)で行われる。また、高収率で目的物を得るために、反応は無水溶媒を用い、窒素雰囲気下で行うのが好ましい。得られた化合物の精製には再結晶、カロムクロマトグラフィーなど一般に用いられる方法を採用することができる。
【0027】
具体的な製造方法を例示すれば、前記一般式(3)式で示される化合物においてR1、R2がともに水素である化合物を用い、脱離基を有するエステル化合物としてブロモ酢酸エチルエステルを、塩基として炭酸カリウムを用いて、これらを無水アセトン中で加熱還流下で反応させた後、溶媒を除去し、次いでカラムクロマトグラフィーを行った後、さらにエタノール/クロロホルム混合溶媒を用いて再結晶することにより、エステル基を有する下記式(4)で示される化合物が純度良く得られる。
【0028】
【化6】
【0029】
(式中、R1及びR2は各々独立して水素又は炭素数1〜18のアルキル基である)
このようにして得られた化合物の構造は、赤外吸収スペクトル、プロトン核磁気共鳴スペクトル、質量分析、元素分析など一般に化合物同定に用いられる分析手段によってその構造を確認できる。
【0030】
前述のような方法によって得られた前記一般式(1)で示される化合物は、ナトリウムイオンを選択的に捕捉する能力が高く、ナトリウムイオンの選択的吸着剤として使用したり、ナトリウム選択性電極の構成部材として使用することができる。吸着剤としての使用形態はナトリウムイオンの存在状態より相違するが、代表的な例を具体的に示せば次のごとくである。即ち水溶液中にカリウム塩と共存するナトリウム塩を選択的に抽出除去するに際し、本発明の前記一般式(1)で示される化合物を水と混和しない有機溶媒に溶解し、その有機溶媒を水層と接触させることにより、該ナトリウムイオンを水層より選択的に有機溶媒中に抽出することができる。
【0031】
また、イオン選択性電極の感応膜部として前記一般式(1)で示される化合物を含む組成物を使用することによりナトリウムイオン選択性電極とすることができる。この時の前記一般式(1)で示される化合物の固定化方法は特に限定されず、例えば、「イオン選択性電極」(共立出版、1977)第7章;「イオン・セレクティブ・エレクトローズ・イン・アナリティカル・ケミストリー」(プレナム・プレス、1987) [Ion Selective Electrodes in Analytical Chemistry (Premum Press 1978)] 第3章及び第4章;アナリティカルケミストリー誌 (Analytical Chemistry) 47巻 2238頁(1975年)等に記載された種々の公知の方法を採用することができる。
【0032】
即ち、前記一般式(1)で示される化合物をニトロベンゼン、ジフェニルエーテル、ブロモベンゼン等の水に不溶性の有機溶媒に溶解し、ガラスキャピラリー、セラミック多孔膜、高分子多孔膜に保持させ、これらの部材をイオン選択性電極の測定液と接触する部分の構成部材の一部とする方法、前記一般式(1)で示される化合物を熱可塑性樹脂とともに、あるいは熱可塑性樹脂とさらに他の成分とともに適当な方法、例えば、共通溶媒に溶解した後溶媒を蒸発せしめて膜状物を一旦形成し得られた膜をこの膜状物を電極に取り付けるか、あるいは銀線、白金線またはシリコン半導体のゲート部上に直接皮膜を形成させる方法などを任意に採用することができる。この様な方法によって前記一般式(1)で示される化合物が感応膜に固定化されたイオン電極は、いずれもナトリウムイオンに対して高い選択性を示すが、なかでも前記一般式(1)で示される化合物と熱可塑性樹脂とからナトリウムイオン選択性を有する感応膜を得、該膜をナトリウムイオン選択性感応膜として使用する方法を採用するのが簡便であり特に好適である。
【0033】
この時使用される熱可塑性樹脂は水に不溶性で膜状物に成形可能なものであれば特に限定されない。この様な熱可塑性樹脂を例示すると塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビニルの単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、またはメタクリル酸エステルの単独重合体または共重合体;スチレン、クロロプレン、ブロモスチレン、等のスチレン及びその置換体の単独重合体または共重合体;酢酸ビニル等のビニルエステルの単独重合体または共重合体;ブタジエン、イソプレン等のジエン系重合体またはこれらジエンとスチレン、アクリロニトリル等との共重合体;ポリウレタン類;シロキサン重合体または共重合体などのシリコーンゴム;酢酸セルロース、硝酸セルロース等の繊維素化合物が挙げられる。
【0034】
これら熱可塑性樹脂に前記一般式(1)で示される化合物を配合するときの配合割合は、目的とする性能を発揮する限り特に限定されるものではないが、一般には上記熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部、さらに好ましくは1〜10重量部の範囲で用いると好適である。前記一般式(1)で示される化合物の配合割合が熱可塑性樹脂100重量部に対して1〜10重量部の範囲である場合には、ナトリウムイオンに対する選択性が特に高く、前記一般式(1)で示される化合物の析出によりナトリウムイオン選択性感応膜が不均一になることがないので、ナトリウムイオン選択性電極を構成する組成物として特に好ましい。
【0035】
本発明のナトリウムイオン選択性感応膜は上記で説明したナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアと熱可塑性樹脂から構成した場合においても実施例において示すように、十分実用に供し得るナトリウム電極を構成することができるが、さらに下記一般式(5)で示される有機ホウ素化合物
【0036】
【化7】
【0037】
(但し、Yは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基又はハロアルキル基で、Mはアルカリ金属であり、iは基Yの数を表し、1〜5の整数である。)
を前記ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアに対しモル比で0.001〜1.0さらに好ましくは0.01〜0.8の範囲で含有させることにより、応答速度などの測定感度を向上させることができる。
【0038】
有機ホウ素化合物の含有量が、上記モル比で0.01〜0.8の範囲のときには、特に優れたナトリウムイオンの選択性及び感度が得られる。
【0039】
前記一般式(5)中、Yがハロゲン原子である場合には、該ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子が用いられるが、化合物の経時安定性から判断すると好ましくはフッ素および塩素原子が用いられる。
【0040】
また、前記一般式(5)中、Yがアルキル基である場合には、該アルキル基としては、炭素数1〜4のもの、具体的には、メチル基、エチル基、nープロピル基、nーブチル基等であるのが好ましい。さらに、Yがハロアルキル基である場合には、上記のアルキル基の水素原子の少なくとも1つ以上がハロゲン原子で置換されたもの、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモエチル基、ヨードプロピル基、クロロブチル基、ジクロロエチル基、ジブロモプロピル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモプロピル基、ペンタフルオロエチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基、等であることが好ましい。。
【0041】
本発明において用いる前記一般式(5)で示される有機ホウ素化合物は、公知の方法、例えば[I. Prackt. Chem., vol.26, p15 (1964)]及び [ Synth. React. Inorg. Met.-Org. Chem., vol.10, p261 (1980)]等に示された方法に従って合成することができる。
【0042】
前記一般式(5)で示される有機ホウ素化合物中、Yが水素原子、フッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル基である化合物は、その合成が容易であるため、本発明に於て特に好適に用いられる。
【0043】
また、前記一般式(5)においてアルカリ金属としては、水への溶解度が低い有機ホウ素化合物を形成するアルカリ金属であれば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどが制限されずに使用できる。
【0044】
本発明で好適に使用できる前記一般式(5)で示される化合物を例示すれば、テトラキス(4−クロロフェニル)ボレートナトリウム塩、テトラキス〔3,5−ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メトキシ−2−プロピル)フェニル〕ボレートナトリウム塩、テトラキス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕ボレートナトリウム塩等が挙げられる。
【0045】
本発明のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを成形して得られた膜状物をナトリウムイオン選択性電極を構成する膜状物として使用する場合には、その膜状物の厚さは、特に限定されないが、1〜1000μmの範囲で選択すれば十分である。また、上記の膜状物は、柔軟性を有するものの方がよくポリシロキサン類を熱可塑性樹脂として用いる場合には、これらの樹脂をそのまま使用できるが、比較的柔軟性に欠ける膜状物を付与する熱可塑性樹脂、例えばポリ塩化ビニル、酢酸セルロース等を用いるときは、可塑剤を使用するのがよい。該可塑剤は特に限定されず公知のものを使用できるが、一般には、次のようなものを使用すればよい。
【0046】
例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート、等の脂肪酸エステル類;O-ニトロフェニルフェニルエーテル、O-フルオローO'ーニトロジフェニルエーテル等のジフェニルエーテル類;O-ニトロフェニルオクチルエーテル,O-ニトロフェニルデシルエーテル、O-ニトロフェニルドデシルエーテル等のO-ニトロフェニルアルキルエーテル類;トリスオクチルフォスフェート等のトリスアルキルフォスフェート類が挙げられる。これらの可塑剤の添加量は膜状物の使用目的に応じて適宜選択すればよいが、一般には熱可塑性樹脂100重量部に対して可塑剤を30〜300重量部の範囲で適度な柔軟性を有する膜状物が得られる。
【0047】
上記の膜状物の製造方法は特に限定されない。一般に好適に採用される代表的な製造方法を例示すれば次の通りである。
【0048】
前記一般式(1)で示される化合物を熱可塑性樹脂と共に、あるいはさらに可塑剤を添加して、これらを有機溶媒に溶解し、該溶液を板上面に塗布又は流し込んだ後、有機溶媒を蒸発せしめて膜状物とする方法。上記有機溶媒としては熱可塑性樹脂及び一般式(1)で示される化合物を溶解するものであれば公知のものが何ら制限されず使用しうる。一般に好適に用いられる有機溶媒を具体的に例示すれば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、クロロホルム、1,2ージクロロエタン、塩化メチレン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
【0049】
さらに、前記一般式(5)で示される有機ホウ素化合物を添加する場合、有機ホウ素化合物単独では有機溶媒に難溶である場合でも、前記一般式(1)で示される化合物が共存する場合、前記一般式(1)で示される化合物に対しモル比で0.5以下では、有機ホウ素化合物が可溶化することが多いので予め溶解試験を実施した上で溶媒を選択することが望ましい。
【0050】
この様な方法で得られたナトリウムイオン選択性感応膜を用い、ナトリウムイオン選択性電極を構成することができる。ここでイオン選択性電極とは図1に示されるように、目的イオンの濃度(正確には活量)に対応した起電力がイオン選択性感応膜と測定液との界面に発生するように工夫された電極である。一般には適当な参照電極との組合せによって電池を構成し、濃度と起電力との関係から目的イオンを定量する。
【0051】
以下、図1および図2を用いて本発明のナトリウムイオン選択性電極および該電極を用いてナトリウムイオン濃度を測定する方法について説明する。まず、磁気攪拌子3を入れた測定溶液2を磁気攪拌機4で攪拌混合しておく。この測定液に電極1及び0.1モル塩化アンモニウム塩橋5の一端を浸漬する。5の他端は飽和かんこう電極7とともに塩化カリウム飽和溶液6に浸漬し、電極1と電気的に接続する。このようにして得た2本の電極の端子をエレクトロメータ8(例えばアドバンテスト社製R8240)に接続することにより起電力測定を行うことができる。
【0052】
図2は図1の電極1に内蔵される各種構成要素を示す説明図である。ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォア、熱可塑性樹脂等からなるナトリウムイオン選択性感応膜14を図2のごとくo-リング15を介してアクリル製膜ホルダー9と圧着する。その一部が被覆ガラス管11で覆われた銀線10の端子と電気的に短絡するための内部標準液13を満たし、(作用)電極1を構成する。内部標準液13としては一定量のナトリウムイオンを含む溶液が用いられる。内部標準電極12としては一般に銀−塩化銀電極が用いられる。
【0053】
(作用)電極1としては上述のものの他に、図3に示すごとく、白金線16の周囲に14と同様のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを含む膜状物17を被覆し、ポリテトラフルオロエチレン製テープ18で境界部を保護した電極を使用しても同様な測定が可能である。
【0054】
【実施例】
以下、本発明の特徴をさらに明らかにするため、合成例及び実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0055】
合成例1
本発明のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアとして、下記の化合物(以下、化合物1という)を以下の要領で合成した。
【0056】
【化8】
【0057】
即ち、ジメチルホルムアミド250mlに60%含有水素化ナトリウム222mgを加えさらに、前記一般式(3)で示される化合物として下記の化合物を1.00g添加した。
【0058】
【化9】
【0059】
30分後さらに水2mlを添加し、2時間後反応液に臭化エチル201mgを加え終夜攪拌した。次いで、反応混合物を濃縮後、水を加え反応液を1N塩酸で中和した。該中和液をクロロホルム50mlで2回抽出した後、有機層をまとめて硫酸マグネシウムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さを展開溶媒としてクロロホルムを用いシリカゲルクロマトグラフィーを行ない、さらにクロロホルム/メタノール混合溶媒中再結晶を行って目的物680mgを白色固体として得た。
【0060】
得られた化合物の分析結果を以下に示す。
【0061】
(1)融点;232℃
(2)赤外吸収スペクトル
3456cmー1
(3)プロトン核磁気共鳴スペクトル(90MHz,TMS基準)
7.45ppm(s,1H), 7.23−6.25(m,12H), 4.65−3.62(m,18H)、 3.29(d,2H), 3.21(d,2H), 1.49(t,3H).
(4)質量分析スペクトル(SIMS(+);566(M+))
(5)元素分析値
合成例2〜7
臭化エチルの代わりに表2に示した反応原料を用いた他は合成例1と同様な方法で、下記一般式(6)
【0062】
【化10】
【0063】
においてR3がそれぞれ異なる化合物を合成した。合成された化合物は合成例1と同様な分析法でその構造を確認した。得られた化合物を表2に化合物2〜7として示す。
【0064】
【表2】
【0065】
合成例8〜9
合成例1と同様な方法を用い、前記一般式(1)中、R3がエチル基である化合物を合成した。その際原料としては、前記一般式(3)においてR1、R2が水素原子以外の置換基である化合物を用いた。合成された化合物は合成例1と同様な分析法で表3に化合物8〜9として示す化合物であることを確認した。
【0066】
【表3】
【0067】
実施例1
合成例1〜9から得られた本発明の化合物5mg、ポリ塩化ビニル(平均重合度1000)50mg、o-ニトロフェニルオクチルエーテル100mgを2.5mlのテトラヒドロフランに溶解した。この溶液を平滑なガラス板上に流延したのち、テトラヒドロフランを蒸発せしめて約150ミクロ厚の膜を得た。この膜を図2に示すように装着し、図1に示した装置を用いて、次のような方法で電極性能を評価した。
【0068】
即ち、ナトリウムイオン選択性の決定は、0.1モル/リットルの点におけるそれぞれの電位から求めた。具体的には、カリウムイオン及びナトリウムイオンのこの濃度での電位をそれぞれEM、ESとした場合、EM-ESを25℃でのネルンストの式から算出される理論勾配59mV/decadeで除し、選択性の代表値(KNa,K)とした。本法を用いることにより、ネルンスト勾配の得られないような感度の低い電極が見かけ上大きな選択性を与える弊害を避けることができる。この値は小さくなるほどナトリウムイオンがその対象イオンに対して選択的であることを示す。
【0069】
また、塩化ナトリウムのみを0.1から0.001モル/リットルの濃度範囲で含む水溶液の起電力の変化量をmV/decadeの単位で求めた。
【0070】
さらに、応答時間は、電極を浸漬した塩化ナトリウム0.001モル/リットル溶液(pH7トリス塩酸緩衝液、5ml)に、ナトリウム濃度0.150モル/リットルの血清試料を0.2ml添加した際の95%応答時間で示した。
【0071】
なお、本実施例及び比較例では、内部標準液として0.1Mの塩化ナトリウム溶液を用い、内部標準電極としては銀−塩化銀電極を用いて行い、全ての測定は25℃で行った。
【0072】
評価結果を表4に示す。
【0073】
【表4】
【0074】
比較例1および2
比較のために、従来より最適のナトリウム選択性物質として知られた下記構造式
【0075】
【化11】
【0076】
で示される化合物(A)およびカリックスアレーン系イオノフォアである下記構造式
【0077】
【化12】
【0078】
で示される化合物(B)について、実施例1と同様の方法で試験を行った。その結果を、それぞれ比較例1及び2として表4に示す。
【0079】
表4より明らかなように、本発明のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを用いたナトリウム選択性電極は従来の最適のものといわれている化合物(A)に対して選択性が優れており、また、カリックスアレーン誘導体である化合物(B)と比較して血清測定時の応答は早く、ナトリウムイオン選択性電極の成分として有用である。
【0080】
実施例2
本発明の化合物10mgと熱可塑性樹脂及び可塑剤を表5に示した組成で10mlのテトラヒドロフランに溶解した。この溶液を平滑なガラス板上に流延した後に、テトラヒドロフランを蒸発せしめ膜状物を得た。これらの膜状物を用いて構成した電極の性能を表5に示す。用いたナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアは合成例1〜9で付けた化合物番号を使用した。表5において熱可塑性樹脂及び可塑剤を次のように略記する。
【0081】
ポリ塩化ビニル :PVC
三酢酸セルロース :CTA
塩化ビニル/酢酸ビニル/ポリビニルアルコール共重合体 :PVC/VAO-ニトロフェニルオクチルエーテル :NPOE
ジオクチルフタレート :DOP
ジオクチルアジペート :DOA
O-フルオローO'ーニトロジフェニルエーテル:FNDPE
トリス(オクチル)フォスフェート :TEHP
【0082】
【表5】
【0083】
表5より明らかなように、本発明のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを用いたナトリウムイオン選択性電極は本発明で示した組成でいずれも優れた電極性能を与えた。
【0084】
実施例3
合成例1〜9から得られた本発明の化合物5mgと熱可塑性樹脂50mg及び可塑剤75mg及び前記一般式(5)で示される有機ホウ素化合物をナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアに対して所定のモル比で1,2ージクロロエタン2.5mlに溶解した後、ガラス板上に流延した。そして1,2ージクロロエタンを蒸発せしめ、約100μm厚の膜状物を得た。得られた膜状物を用いて構成したナトリウムイオン選択性電極の電極性能を表6に示す。用いたナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアは合成例1〜9で付けた化合物番号を使用した。表6においてB/Aモル比は有機ホウ素化合物/ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアのモル比を示す。
【0085】
【表6】
【0086】
表6に示すように、有機ホウ素化合物の添加により、いずれの膜も勾配が57〜59mVという極めて高い値を示し、応答速度も速くなることから、高感度なナトリウム電極を構成できることは明かである。
【0087】
【発明の効果】
本発明のナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアは、前記したようにナトリウムイオンに対する選択性が極めて良好かつ応答性に優れ、これを成形した感応膜はナトリウムイオン選択性電極を構成する膜状物として理想的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 起電力を測定する装置の説明図である。
【図2】 図1の電極1に内蔵される各種構成要素を示す説明図である。
【図3】 本発明の応用例として、本発明のナトリウムイオン選択性感応膜を被覆した白金線の概略図である。
【符号の説明】
1 電極
2 測定溶液
3 磁気攪拌子
4 磁気攪拌機
5 0.1M塩化アンモニウム塩橋
6 塩化カリウム飽和溶液
7 飽和かんこう電極
8 エレクトロメーター(アドバンテスト社製R8240)
9 アクリル製膜ホルダー
10 銀線
11 被覆ガラス管
12 内部標準電極
13 内部標準液
14 ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを含むナトリウムイオン選択性感応膜
15 o - リング
16 白金線
17 ナトリウムイオン選択性電極用イオノフォアを含むナトリウムイオン選択性感応膜
18 ポリテトラフルオロエチレン製テープ
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