JP2736309B2 - ナトリウム選択電極用のモネンシンアミド - Google Patents
ナトリウム選択電極用のモネンシンアミドInfo
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Description
のに有用なイオン選択剤、そしてさらに特定的にはナト
リウムイオン選択電極用のナトリウム選択膜中でナトリ
ウム選択剤として有用なモネンシンアミド誘導体に関す
る。
めに、電気化学的測定が広く用いられる。イオン選択電
極(ISE)と呼ばれるこの手段は、例えば飲料水中の
弗化物イオンの活性、プロセス流体のpHおよび血清中の
電解質の測定を含めて広汎な種類の電位差イオン測定に
おいて使用できる。
域においては、血液、血漿または血清、尿および他の生
物学的液体中に存在する種々のイオンおよび代謝物質の
活性または濃度を測定するためにISEが普通使用され
る。例えばISEはこのような液体中のNa+、C
a++、Mg++、K+、Cl-、Li+イオンおよびpH、お
よび二酸化炭素含有率を測定するために典型的に使用さ
れる。
択膜、内部充填溶液または電解質、および内部参照電極
からなる。イオン選択電極は膜材料の性質に従って分類
することができ、またイオン選択剤を充填した固体膜電
極、ガラス膜電極、液体膜電極および不活性のポリマー
マトリックスに保持されるイオン透過担体のような電気
的に中性のイオン選択剤を含有する有機溶液からつくら
れる膜を有する中性液体膜電極が含まれる。アッセイ測
定を行なうためにISEとともに使用する外部参照電極
は典型的には、Ag/AgClのような金属/ハロゲン
化金属の電極である。
されあるいはさらされる時、試料溶液から膜へと目的と
するイオンが選択的に移動する。イオンに伴う電荷は、
試料中に含まれるイオンの濃度または活性と数学的に関
係づけることのできる電位を発生する。膜がイオン特異
性であるかあるいは目的とするイオンに関して理想的に
選択的であるならば、電位差はイオン活性の活性度比の
対数の一次関数(ネルンストの式)である。FMFに関
するネルンスト式を半経験的に拡張した式(Nikolskii
Eisenmannの式)は、非理想的な条件に関して用いるこ
とができる。「FMF」とは、電流を零またはほとんど
零にして試料溶液によって電解的に結合されている内部
イオン検知電極と外部参照電極との間の電位差を意味す
る。
清浄化しまた維持管理するのが困難であり、また望まし
くない大量の生物学的液体を必要とする傾向がある。こ
れらの理由のため、信頼性が一層高くより小さいサイズ
のISEを開発することに向けて多くの関心が払われて
きた。イオン選択センサーまたはバイオセンサーと称す
るこの比較的小さいISEは、例えば光リトグラフィ
ー、スクリーン印刷、およびイオン注入を含む、電子部
品の製造に使用される技術に似た技術を用いて安価に大
量生産できる。
オセンサーは、慣用的なISEよりも著しく安い製造費
用で製造でき、一回使用のまたは使用回数に制限のある
使い捨て式のセンサーを提供することが可能となり、そ
れによって慣用的なISEを清浄化しまた維持管理する
困難が取除かれる。寸法の小型化されたイオン選択セン
サーはさらに、患者からの試料の必要量を減らすのに役
立つ。一般にセンサーは、慣用の電極の小型の変形した
物または上述した技術の一つ以上を用いて製作されるセ
ンサーのいずれかであってよい。センサーが、目的とす
る成分の濃度または活性のみに応答し、そして干渉イオ
ンの存在および(または)センサーを支持する膜のマト
リックスに関係なく応答をする場合に、分析または診断
の結果について最高の正確さが得られる。所望の選択性
は、導電体上に位置するイオン透過担体のようなイオン
選択剤を含むイオン選択膜によってしばしば達成され
る。
対して選択的であるイオン透過担体を含む、ポリビニル
クロライドのような可塑化ポリマーマトリックスからつ
くられる。例えば天然のポリエーテル抗生物質モネンシ
ンは、ナトリウムイオン(Na+)に対して選択的であ
る既知のイオン透過担体である(W.K. Lutzら、Helv Ch
im ACTA, 53, 1741頁(1970年))。
ステルのようなモネンシンエステル誘導体もまたISE
に用いるための膜内でイオン透過担体またはナトリウム
選択剤として用いられてきた。例えば血清のNa+の測
定のためのISEを用いるのに、著しく親油性であるモ
ネンシン誘導体の使用が報告されている(K. Tohdaら、
Analiytical Sciences, 6巻、(1990年4月))。
て知られるものの一つは、そのナトリウムイオン(Na
+)に対する選択性がカリウムイオン(K+)と比較して
低いことである。このことは、ヒトの血清試料において
は特に問題にはならない。この試料の場合、ヒトの血清
中には2〜8ミリ当量/リットルの範囲の最大濃度のカ
リウムと145ミリ当量/リットルの標準濃度のナトリ
ウムが存在するので、カリウムイオンに対するナトリウ
ムイオンの選択性率KNa/K=0.5はカリウムに関する僅少
な誤差しか生じない。これとは対照的に、尿の試料は1
ミリ当量/リットルまたはそれ以下の低い濃度から10
0ミリ当量/リットルまでの濃度のカリウムとともに1
0ミリモル/リットルという比較的低水準のナトリウム
を含有する可能性がある。従って、尿の試料中のナトリ
ウムイオンの正確な測定は、Na +に対する選択性がカ
リウムイオン(K+)に対して低い既知のモネンシンエ
ステル誘導体を用いて行なう場合、厄介になる可能性が
ある。この問題は典型的には、カリウムイオンを並行し
て測定しそしてナトリウムの測定の不正確さを補正する
ことによって対処される。
オン透過担体またはナトリウム選択剤にはポリエーテル
ジアミド、ビスクラウンエーテル(Tamuraら、Anal. Ch
em.64、2508頁(1992年))、クリプタンド
(Lehnら、Science 227巻、4689号、849頁
(1985年))、およびカリキサレン(Kimuraら、An
al. Chem. 64、2508頁(1992年))がある。
しかしながら、これらのナトリウムイオン透過担体は、
尿のような生物学的試料中に存在する薬物や干渉性陽イ
オンを含めての干渉性物質によって影響をうけるおそれ
がある。
年)、805〜818頁に所載のK. MaruyamaらのEnant
iomer Recognition of Organic Ammonium Salts by Pod
and andCrown Type Monensin Amides:New Synthetic S
trategy for Chiral Receptersには、生物学的なモネン
シンおよびそのエステルと同じNa+選択性を示すモネ
ンシンアミド誘導体が開示されている。K. Maruyamaら
は本発明のモネンシン誘導体には言及していない。J. C
hem. Soc. Commun.(1989年)の864頁に所載の
K. MaruyamaらのNew Chiral Host Molecules Derived F
rom Naturally Ocurring Monensin Ionophoreには、い
くつかのアミン塩に関する鏡像体選択性を示す、中性の
末端基を有するモネンシン誘導体が開示されているが、
天然のモネンシンは鏡像体間の区別をつけることはでき
なかった。K. Maruyamaらのこれらの文献はいずれも、
ヘキサデシルモネンシンアミドまたはメチルヘキシルモ
ネンシンアミドナトリウム選択剤のような本発明のモネ
ンシンアミド誘導体について言及したりまたは示唆して
いない。
のような生物学的試料中に存在する薬物および干渉性陽
イオンのような干渉性物質の影響を最少にするか少なく
する、ISE中で使用するナトリウム選択剤が求められ
ている。
ナトリウム選択電極の多くの欠点を克服するナトリウム
選択剤およびナトリウム選択電極を提供する。
を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖
または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
く、またR2は6個またはそれ以上の炭素原子を有する
アルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖または分
枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよい)を有す
る、生物学的試料中のナトリウムを測定するのに有用な
ナトリウム選択剤に関する。
有用なナトリウム選択剤に関する。
有用なナトリウム選択剤に関する。
ム選択電極が、導電体とこれを生物学的試料から分離す
るイオン選択膜とからなり、このイオン選択膜が (a) ポリマー材料および (b) 構造式
を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖
または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
く、またR2は6個またはそれ以上の炭素原子を有する
アルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖または分
枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよい)を有す
る、ポリマー材料中に含有させたナトリウム選択剤から
なる、生物学的試料中のイオンを測定するのに有用なナ
トリウム選択電極に関する。
を生物学的試料から分離するイオン選択膜とからなり、
このイオン選択膜が(a) 約25重量%のカルボキシ
ル化ポリビニルクロライド、(b) 約2重量%のヘキ
サデシルモネンシンアミドまたはメチルヘキシルアミド
モネンシンおよび(c) 約50重量%のジオクチルア
ジペートからなる、生物学的試料中のナトリウムを測定
するためのナトリウム選択電極に関する。
れを生物学的試料から分離するイオン選択膜を持つ少な
くとも一つのイオン選択電極とがその上に形成されてい
る表面を有する基材と、この基材上に位置しており、参
照流チャンネルとセンサー流チャンネルを形成するエラ
ストマー構成要素とからなる多センサーセル組立体であ
って、上記のイオン選択電極の一つが、ポリマー材料と
これに含有させたナトリウム選択剤とからなる膜を有
し、このナトリウム選択剤が構造式
下の炭素原子を有するアルキル基であり、またこのアル
キル基は直鎖または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含
んでいてよく、またR2は6個またはそれ以上の炭素原
子を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直
鎖または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
い)を有し、参照流チャンネルが参照液を参照電極上に
送入する手段を有し、センサー流チャンネルが試料液体
を各イオン選択電極に送入する手段を有し、参照流チャ
ンネルとセンサー流チャンネルとがセルから液体を排出
するための共通の流出口を形成する、生物学的試料中の
目的とするイオンを測定するための上記多センサーセル
組立体に関する。
学的試料中のナトリウムイオンを正確に測定するのに十
分なカリウムに対比したナトリウムの選択性を示し、さ
らにこのような生物学的試料特に尿中に存在する薬物お
よび(または)干渉性陽イオンのような干渉性物質の影
響を驚く程に低減しまたは最少化する。
は、それが、カリウムと対比して十分なナトリウムの選
択性を示し、さらに生物学的試料、特に尿の試料中に存
在する薬物または干渉性陽イオンのような干渉性物質の
影響を低減しまたは最少化するという点で、既知のナト
リウム選択剤にまさる顕著な利点を与えるナトリウム選
択剤を含むナトリウム選択膜を有する。ナトリウム選択
膜は、ポリマーとこれに含有させるナトリウム選択剤と
からなる。ナトリウム選択電極はさらに導電性物質(導
電体)を含む。
中の目的イオンの活性または濃度にその電位が関係する
電位差測定用電気化学的センサーを意味する。一般に電
位は目的とするイオンの活性の対数に比例する。目的イ
オンの活性は、一般に既知であるか技術上入手できる活
性係数をイオン濃度に乗じたものと定義される。ナトリ
ウム選択電極とは、目的とするイオンがナトリウムであ
るISEを意味する。
たは)物理的に処理され、分析に先立って稀釈されまた
は濃縮されている液体を含めて、生物学的由来の何らか
の液体を意味する。生物学的試料の例には、血清、尿、
血漿、全血、脳脊髄液、羊水、唾液、および涙がある。
「目的とするイオン」とはイオン選択電極を用いて測定
すべき生物学的試料中のイオンを意味する。
一般的論議はClinical Chemistry32巻、8号(198
6年)の1448〜1459頁所載のOeschらの「Ion-S
elective Membranes for Clinical Use」によってなさ
れている。典型的なナトリウム選択電極はポリマー材料
とナトリウム選択剤とを含む膜を有する。この膜の追加
的な任意の成分には、膜を柔軟性にするためのジオクチ
ルアジペートのような可塑化剤および別な成分が含まれ
る。
製造のために使用するのに適した任意のポリマーを意味
する。ポリメチルアクリレートおよび他のアクリレー
ト、シリコーンゴム、ポリカーボネートセルロース、セ
ルロースエステル、ポリ(ビニルアセテート)、ポリウ
レタン、ポリ(ビニルブチラール)、ポリビニルクロラ
イド、カルボキシル化ポリビニルクロライド、およびビ
ニルクロライドの別なコポリマーを含めて種々なポリマ
ーが使用できるが、これらに限られるわけではない。セ
ルロースエステルとは、セルロースアセテート、セルロ
ースブチレート、および一連の同族体に属する別なもの
を含めたセルロースのすべてのエステル誘導体を意味す
るが、これらに限定されない。ポリ(ビニルブチラー
ル)とはビニルブチラール、ビニルアルコールおよびビ
ニルアセテートのコポリマーを意味する。カルボキシル
化ポリビニルクロライドが好ましい。
電極として使用するのに適した厚さと構造的一体性とを
もつ膜を製造するのに十分な量である。本発明のナトリ
ウム選択電極で使用するのに好ましいポリマー材料の量
は約20重量%である。本発明のナトリウム選択電極の
厚さは約1μ〜約1000μであってよくまた約50μ
であるのが好ましい。
対して選択的相互作用を行う任意の物質である。このよ
うなナトリウム選択剤の例には、イオン透過担体および
別なナトリウム選択剤がある。既知のナトリウム選択剤
の例には天然のモネンシン、モネンシンエステル誘導体
例えばメチル、エチル、ブチルおよびドデシルエステル
モネンシン、ポリエーテルジアミド、ビスクラウンエー
テル、クリプタンドおよびカリキサレンがある。
下の炭素原子を有するアルキル基であり、またこのアル
キル基は直鎖または分枝鎖でありそしてO、NおよびS
のようなヘテロ原子を含んでいてよく、またR2は6個
またはそれ以上の炭素原子を有するアルキル基であり、
またこのアルキル基は直鎖または分枝鎖でありそして
O、NおよびSのようなヘテロ原子を含んでいてよい)
を有するモネンシンアミド誘導体である化合物である。
R1がHでありそしてR2がC16H33である(ヘキサデシ
ルアミドモネンシン)か、C6H13である(メチルヘキ
シルアミドモネンシン)が好ましい。ヘキサデシルアミ
ドモネンシンが特に好ましい。
るナトリウム選択剤の量は1〜10重量%であってよ
い。約2〜約5重量%の量が好ましい。使用するナトリ
ウム選択剤の量は、膜の使用寿命に影響を及ぼす。ここ
に、使用寿命とは分析の質を損なうことなくアッセイさ
れる試料の数と定義する。
な溶媒中に溶解されたポリマー材料の適当な量を、イオ
ン選択ポリマー材料をつくるのに適当な量のナトリウム
選択剤と混合することによってつくることができる。使
用する溶媒は慣用的な膜をつくるのに広く使用する任意
の溶媒であってよく、そしてこの溶媒としては例えばイ
ソホロン、ジメチルアジペートおよびシクロヘキサノン
を挙げることができる。必要ならば、適当な量の可塑化
剤およびフュームドシリカおよびシランのような他の成
分をナトリウム選択剤に含有させてよい。含有させる場
合、可塑化剤はナトリウム選択剤とともにベヒクル中に
添加されてよい。
マー材料、ナトリウム選択剤および可塑化剤はいかなる
混合順序で使用されてもよい。ナトリウム選択剤と可塑
化剤とがベヒクルに添加され、そしてフュームドシリカ
を含有させる場合には、これが次に処方物中に混合さ
れ、次いで、シランを含有させる場合には、これを添加
するのが好ましい。得られるナトリウム選択ポリマー材
料は次いでナトリウム選択膜をつくるのに使用すること
ができ、一方このナトリウム選択膜はナトリウム選択電
極をつくるのに使用できる。ナトリウム選択電極の製造
は、既知の技術および方法を用いて実施できる。図1お
よび2に示されているナトリウム選択電極5が特に好ま
しい。
組立体中で別なISEとともに利用できる。例えば、図
1および2は本発明のナトリウム選択電極5を有する多
センサー流れセルを示す。ナトリウム選択電極5は、商
業的に入手できそして例えばCoorsCeramics社から購入
できるセラミック基材1上につくられる。このセラミッ
ク基材1は、各イオン選択電極5、5A、5Bおよび参
照電極6のための適当な電気的接点をつくるように、適
当な導電性物質(導電体2)によって適切にスクリーン
印刷されている表面を有する。イオン選択電極5は本発
明のナトリウム選択電極であり、センサー電極5Aおよ
び5Bはそれぞれカリウムイオン選択電極および塩素イ
オン選択電極である。導電体2は例えばQS175銀ペ
ースト(米国、E.I. du Pont社製)のようにやはり商業
的に入手できる銀ペーストからつくることができる。誘
電性層3は導電体2を電気的に絶縁しそして導電体2と
イオン選択膜10とのための凹みを与えるのに役立つ。
銀と塩化銀との混合物(Ag/AgCl)からなる層4
が、各イオン選択電極5、5Aおよび5Bならびに参照
電極6のために、導電体2上にスクリーン印刷される。
上述したようにつくられるナトリウム選択ポリマー材料
は、ナトリウム選択膜10を形成するように銀/塩化銀
層4上におかれる。多センサー組立体は、各層が施され
た後、既知の厚膜ベルト技術を用いて然るべく焼成され
る。
1に対して加圧下で施されて、参照流用チャンネル9と
センサー流用チャンネル9Aとが形成されまた参照流用
チャンネル9および試料流用チャンネル9Aに沿って液
体シールが行われる。参照流用チャンネル9およびセン
サー流用チャンネル9Aは、参照液体と試料液体を参照
電極6とイオン選択電極5、5Aおよび5Bとの上に送
入するための手段となっている。さらにまた、参照流用
チャンネル9とセンサー流用チャンネル9Aとはセルか
ら液体を除去するための共通の流出口11を形成する。
マー成分8は参照流およびセンサー流用のチャンネル9
および9Aを形成するのに好適な任意の形態のものであ
ってよい。例えば本発明の多センサーセル組立体は、特
許出願第07/916,231号に開示されている使い
捨てセンサー組立体またはカートリッジとともに使用で
きる。
約25重量%のカルボキシル化ポリビニルクロライド、
約9重量%のシラン、約50重量%のジオクチルアジペ
ートおよびナトリウム選択剤としての約2重量%のヘキ
サデシルアミドモネンシンまたはメチルヘキシルモネン
シンアミドを含む膜を有する。ヘキサデシルアミドモネ
ンシンはナトリウム選択剤として特に好ましい。
血漿、唾液、脊髄液および血清のような生物学的試料中
の目的とする種々のイオンを電位差測定をするのに有用
である。このような試料、特に尿試料は、目的とするナ
トリウムつまり測定すべきイオンを測定するのに干渉す
ることのある薬物および干渉性陽イオンのような種々な
干渉性物質をしばしば含有する。尿試料中のこのような
干渉性物質の存在によるナトリウムイオンの測定に対す
る干渉は特に厄介となる可能性がある。
11Na;0.2886ミリモル;FW=692.9)(Si
gma Chemical社製)を100mlのエルレンマイヤーフラ
スコの中で20mlのクロロホルム中に溶解した。
mlの1NのHClで2回(20×2ml)また純化された
脱イオン(DI)水で6回(25×6ml)抽出した。ク
ロロホルム溶液を次に無水硫酸マグネシウム(MgSO
4)上で乾燥した。この乾燥した溶液をタールを塗った
100mlの丸底瓶フラスコ内に濾過しながら入れ、そし
て残留物を15mlのクロロホルムで洗浄した。一緒にし
た溶液を回転蒸発法によって除去した。収率約100%
で白色固形物(ナトリウムを含有しないモネンシン酸、
193mg)が得られた。使用前にこの固形物を3時間に
わたって真空乾燥した。
(ナトリウムを含有しないモネンシン酸、0.2239
ミリモル)と63.10mgのジスクシンイミジルカーボ
ネート(DSC)(FW=256.17;0.2463ミ
リモル)とを、磁力撹拌機を備えた10mlのガラス瓶内
にいれ、栓をした。5mlの量の乾燥テトラヒドロフラン
(THF)(4A分子篩上に少なくとも24時間保存さ
れていた大まかな量の試薬級のTHF)を添加しそして
混合物を室温で15分間撹拌した。DSCがいくらか溶
解しないで残った。
A)(FW=101.19;d=0.726)を添加しそ
して少なくとも2.5時間反応物を撹拌した。DSCは
約1時間にわたってゆっくりと溶解した。54.06mg
(0.2239ミリモル)のヘキサデシルアミン(CH3
(CH2)15NH2;FW=241.46)(Aldrich Chemi
cal社製)を1mlのTHF中に溶解した。得られるヘキ
サデシルアミン溶液を撹拌しつつ反応混合物に添加し
た。次に混合物を室温で2時間撹拌した。
50%のエチルアセテートと50%のヘキサンとからな
る1mlの混合溶媒中に再び溶解した。50%のエチルア
セテートと50%のヘキサンとの溶媒混合物を用いて、
生成物をカラムクロマトグラフィー(約2.5×32cm
のシリカゲルカラムを用い、シリカゲルと混合物との重
量比は約80対1であった)によって精製した。50%
のエチルアセテートと50%のヘキサンとの混合物を展
開溶媒として用いて薄層クロマトグラフィー(TLC)
法を行って反応をモニターした。TLCのスポットを可
視化するために沃素を使用した。第1の画分(TLC、
Rf=0.4、50%のエチルアセテートと50%のヘキ
サン)を収集しそして溶媒を除去してヘキサデシルモネ
ンシンアミドの無色で粘稠な油を95mg得た(モネンシ
ン酸からの全収率は48%)。
るために実施例1の記載と同一な手順を用いたが、ただ
しメチルヘキシルアミドモネンシンを合成するために、
ヘキサデシルアミンの代りにメチルヘキシルアミン(Al
drich Chemical社製のF.W. 115)を使用した。
HAM)を1.5gのテトラヒドロフラン(THF)溶
媒中に溶解した。この溶液に可塑化剤として0.97g
のジオクチルアジペートを撹拌しつつ添加した。THF
を蒸発するために容器を80℃のオーブンに15〜20
分間いれた。88gのイソホロン溶媒(Fluka Chemical
社製)の入った400mlのビーカーに、12gのカルボ
キシル化ポリビニルクロライド(CPVC)(Aldrich
Chemical社製)をいれた。溶媒の蒸発を防ぐように、得
られた懸濁液に蓋をし、そしてホットプレート/撹拌機
を使用して約60℃まで約15〜20分間にわたって加
熱した。懸濁液が透明になった時に加熱を停止し、そし
てさらに5分間撹拌を続けた。得られるポリマー材料
(ベヒクル)を、ナトリウム選択膜処方物を調製するの
に後で使用するために、密封される容器内に移しいれ
た。
ミドモネンシン(MHAM)とジオクチルアジペートと
の入った容器に、上述のように調製した4.03gの量
のベヒクルを(THFの蒸発に引続いて)入れそして撹
拌した。混和機(Hoover Automatic Muller Model M5)
を用い、1サイクルあたり20回転のサイクルを3回行
いつつ、0.294gの量のフュームドシリカ(Si
O2)(Degussa社からAerosil R972として入手可能)を
上記の容器内の混合物中に分散ないしは混和した。次に
0.17gの量のシラン(3−グリシドオキシプロピル
トリメトオキシシラン)(Aldrich Chemical社製、カタ
ログ番号23)を撹拌しつつ混合物に添加した。得られ
るナトリウム選択膜材料を引続いてナトリウム選択電極
をつくるのに利用した。
材料を、図1に示す多センサー流れ組立体中に以下のよ
うにして含有させた。セラミック基材(Coors Ceramics
社製)を超音波により清浄化しそして乾燥した。銀ペー
ストQS175(E.I. du Pont社製)を用いて、導電体
として働く銀のパターンをこのセラミック基材上にスク
リーン印刷した。次に、厚膜加工技術で普通に用いられ
るような厚膜ベルト炉内で、加熱速度を毎分95℃とし
て、セラミック基材を850℃まで焼成し、セラミック
基材を850℃に10分間保持し、次いで毎分95℃の
割合で冷却した。次にこのセラミック基材上に3層の厚
膜透電体QS482(E.I. du Pont社製)をスクリーン
印刷しそして乾燥した。これらの三つの透電体層のある
セラミック基材を、加熱速度を毎分95℃として厚膜ベ
ルト内で850℃まで焼成し、セラミック基材を850
℃に10分間保持し、次いで毎分95℃の割合で冷却し
た。
の銀と10重量%の塩化銀)を図2に示す導電体2上に
層4としてスクリーン印刷した。次にセラミック基材を
毎分100℃にて600℃まで加熱し、600℃に10
分間保持しそして毎分100℃で冷却した。得られる仕
上げられたセラミック基材を以下のように使用するまで
窒素中で保管した。
リウム選択ポリマー材料を、ナトリウム選択電極の位置
にある銀の導電体2上に注射器を用いて施し、図1およ
び2に示す多センサー流れ組立体において示されている
ナトリウム選択電極のナトリウム選択膜を形成した。同
様に、図1および2に示すカリウム選択電極および塩素
選択電極の位置にある銀の導電体2上に、カリウム選択
ポリマー材料および塩素選択ポリマー材料を施した。次
にセラミック基材を80℃で90分間加熱することによ
り、ナトリウム選択材料とカリウム選択および塩素選択
ポリマー材料とを硬化してナトリウム選択膜をつくっ
た。次に、得られるセラミック基材組立体を750ミリ
ジュール/平方センチメートルの強度をもつ紫外線源に
曝露した。硬化されたセラミック基材組立体を図2に示
すエラストマー構成要素8と可塑性のハウジング格納装
置とを有するカートリッジ組立体内に取付けた。エラス
トマー構成要素8は、電極を支持する部材に加圧下で取
り付け、参照電極6とイオン選択電極5、5Aおよび5
B上に流れる参照液と試料液とのための参照流用チャン
ネル9および試料流用チャンネル9Aに沿って液体シー
ルを行った。多センサー流れ組立体に対する空気検知部
7は、参照液および(または)試料液中に存在する干渉
性の空気泡を検知するための手段となる。
イ 本発明のナトリウム選択膜電極処方物を既知のナトリウ
ム検知膜処方物と比較するために図1の多センサーセル
組立体を使用した。Na+濃度の変化とともに変わる電
圧(mV)は、試料の溶液または液体とイオン選択膜と
の接触部で生じる。電圧Eはネルンストの式により規定
されそしてナトリウム選択電極の膜内に存在するイオン
選択剤の相互作用の結果発生する、Na+イオンの空間
荷電層に由来する。
膜を有するナトリウム選択電極とデシルエステルモネン
シン電極およびFluka(III)電極との比較 Fluka(III)(N,N,N′,N′−テトラシクロヘキシ
ル−1,2−フェニレンジオキシジアセトアミド、C34
H52N2O4(Fluka Chemical社からFluka SodiumIonoph
ore(III)(Fluka(III))として入手可能))およびデ
シルエステルモネンシンの二つの既知のナトリウム選択
膜と本発明のヘキサデシルモネンシンアミド膜とをナト
リウム選択電極内で試験した。
およびヘキサデシルモネンシンアミドの各電極の膜は、
メチルヘキシルアミドモネンシンを含む膜を有するナト
リウム選択電極に関して上記Aにおいて述べたのと同じ
手順および同じ組成を用いてつくったが、ただし利用し
たイオン選択剤は、Fluka(III)電極についてはFluka
(III)、デシルエステルモネンシン電極についてはデ
シルエステルモネンシンそしてヘキサデシルモネンシン
アミド電極についてはヘキサデシルモネンシンアミドで
あった。
に対比される選択性定数はFluka(III)については0.
06、デシルエステルモネンシンについては0.2そし
てヘキサデシルアミドモネンシンについては0.12で
あると測定された。この選択性定数は、測定される電位
に対する干渉性イオンの寄与を規定するNickolskii-Eis
enmann式によって定義される。上記の選択性はカリウム
イオンのみに関して測定した。Fluka(III)膜の電極は
最低の選択性を示したのに対し、ヘキサデシルアミドモ
ネンシン電極は下記に示すように尿試料中に存在する他
の干渉性物質に関して一層良好な性能を示した。
過担体でつくられた膜に対するナトリウムのアッセイ
を、E.I. du Pont社から入手できるDimension(R) Clini
cal Chemistry system analyzerに使用されるナトリウ
ム選択ガラス電極に対して相関させた。図3、図4およ
び図5に示すすべての相関は、同一の試料を用いて同時
に行った。使用した試料は米国のデラウェア州Wilmingt
onおよびペンシルバニア州Philadelphiaにある病院、麻
薬専門病院、および毒物学研究所から得られたヒトの尿
の試料であった。尿の試料中に存在する干渉性物質は、
ナトリウムイオンの測定において特に厄介である。Fluk
a(III)電極およびデシルエステルモネンシン電極は双
方とも、アウトライアー試料(例えばU3、U37およ
びU35)と呼ばれるいくつかの試料については劣悪な
性能を示した。図5は、モネンシンヘキサデシルアミド
電極についてはアウトライアーのアッセイ(試料U3お
よびU35参照)がすべてなくなっているという点でヘ
キサデシルアミドモネンシン電極がFluka(III)電極よ
りも優り(図4)またデシルエステルモネンシン電極よ
りも優った(図3)。
キサデシルモネンシンアミド電極およびメチルヘキシル
アミドモネンシン電極の性能 本発明のヘキサデシルアミドモネンシンおよびメチルヘ
キシルアミドモネンシンのナトリウム選択電極を用いて
尿試料を試験した。結果を図6に示す。図6の結果は、
メチルヘキシルアミドモネンシンとヘキサデシルアミド
モネンシンとが性能的に互いに比肩しうるものであり、
そしてガラス膜電極に匹敵することを示す。
ム(Na+)選択電極、およびカリウム(K+)選択電極
がその上に形成されているセラミック基材を有する多セ
ンサーセル組立体の平面図である。
る。
SEによるナトリウムイオンの測定値(ミリ当量/Lで
示す)とナトリウム選択ガラス膜電極による測定値との
相関を示すグラフである。
N,N′,N″−テトラシクロヘキシル−1,2−フェニ
レンジオキシジアセトアミド)を含む膜を有するISE
によるナトリウムイオンの測定値(ミリ当量/Lで示
す)とガラス膜電極による測定値との相関を示すグラフ
である。
るISEによるナトリウムイオンの測定値(ミリ当量/
Lで示す)とガラス電極による測定値との相関を示すグ
ラフである。
するISEおよびヘキサデシルアミドモネンシンを含む
膜を有するISEによるナトリウムイオンの測定値(ミ
リ当量/Lで示す)とガラス膜電極による測定値との相
関を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 構造式 【化1】 (式中、R1はHまたは6個またはそれ以下の炭素原子
を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖
または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
く、またR2は6個またはそれ以上の炭素原子を有する
アルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖または分
枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよい)を有す
る、生物学的試料中のナトリウムを測定するのに有用な
ナトリウム選択剤。 - 【請求項2】 構造式 【化2】 を有する、生物学的試料中のナトリウムを測定するのに
有用なナトリウム選択剤。 - 【請求項3】 構造式 【化3】 を有する、生物学的試料中のナトリウムを測定するのに
有用なナトリウム選択剤。 - 【請求項4】 導電体とこれを生物学的試料から分離す
るイオン選択膜とからなる、生物学的試料中のイオンを
測定するためのナトリウム選択電極であって、前記イオ
ン選択膜が (a)ポリマー材料および (b)構造式 【化4】 (式中、R1はHまたは6個またはそれ以下の炭素原子
を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖
または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
く、またR2は6個またはそれ以上の炭素原子を有する
アルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖または分
枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよい)を有す
るポリマー材料中に含有させたナトリウム選択剤からな
ることを特徴とする上記ナトリウム選択電極。 - 【請求項5】 一つの参照電極と、導電体とこれを生物
学的試料から分離するイオン選択膜を持った少なくとも
一つのイオン選択電極とがその上に形成されている表面
を有する基材と、 この基材の表面上に位置しており、参照流チャンネルと
センサー流チャンネルを形成するエラストマー構成要素
とからなる多センサーセル組立体であって、上記のイオ
ン選択電極の一つが、ポリマー材料とこれに含有させた
ナトリウム選択剤とからなる膜を有し、このナトリウム
選択剤が構造式 【化5】 (式中、R1はHまたは6個またはそれ以下の炭素原子
を有するアルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖
または分枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよ
く、またR2は6個またはそれ以上の炭素原子を有する
アルキル基であり、またこのアルキル基は直鎖または分
枝鎖でありそしてヘテロ原子を含んでいてよい)を有
し、参照流チャンネルが参照液を参照電極上に送入する
手段を有し、センサー流チャンネルが試料液体を各イオ
ン選択電極に送入する手段を有し、参照流チャンネルと
センサー流チャンネルとがセルから液体を排出するため
の共通の流出口を形成する、生物学的試料中の目的とす
るイオンを測定するための上記多センサーセル組立体。
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