JP2664043B2 - 4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの新規光学活性誘導体 - Google Patents

4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの新規光学活性誘導体

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JP2664043B2 JP4764494A JP4764494A JP2664043B2 JP 2664043 B2 JP2664043 B2 JP 2664043B2 JP 4764494 A JP4764494 A JP 4764494A JP 4764494 A JP4764494 A JP 4764494A JP 2664043 B2 JP2664043 B2 JP 2664043B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、アルデヒドおよびケトン等のカ
ルボニル基を含有する化合物の検出、定量の際に蛍光標
識試薬として用いることのできる4−(2−カルバゾイ
ルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサ
ジアゾールの新規な光学活性誘導体に関する。
【0002】
【背景技術】アルデヒドおよびケトン類を検出、定量す
る際の蛍光標識試薬としては、従来、ダンシルヒドラジ
ン[Kawasaki,T.等J.Chromatog
r.,226,1(1981)]、O−(アンスリルメ
チル)ヒドロキシルアミン類やアンスラセンカルボン酸
ヒドラジド類[Goto,J.等Anal.Sci.,
,399(1989)]、DMEQ−ヒドラジド[Y
amaguchi,M.等Analyst,115,1
363(1990)]、ヒドラジノ−2,1,3−ベン
ゾオキサジアゾール類[Uzu,S.等Analys
t,115,1477(1990)]、Fmoc−ヒド
ラジン[Zhang,R−E.等Anal.Bioch
em.,195,160(1991)]等が知られてい
る。これらの試薬による方法は、特異性が高く、ケトン
類の検出限界においてもサブピコモルのオーダであり良
好であるが、標識化反応条件が苛酷であったり、試薬や
生成した誘導体の安定性が悪く、常に一定の測定結果は
得難いという問題がある。
【0003】一方、光学異性体の形で存在し得るカルボ
ニル基を分離、定量するための吸光度標識試薬として
(+)−2,2,2−トリフルオロ−1−フェニルヒド
ラジンが報告されている[Perriera,W.E.
等Aust.J.Chem.,24,1103(197
1)]。この試薬による方法の特異性は高いが、蛍光標
識法に比較し十分な測定感度を得ることができないとい
う欠点がある。
【0004】
【発明の開示】本発明者等は、アルデヒドおよびケトン
類に対して選択的で反応性が高く、光学異性体を識別で
きる化合物を得るべく、合成ならびにスクリーニングを
重ねるなかで、(+)−4−(2−カルバゾイルピロリ
ジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ルあるいは(−)−4−(2−カルバゾイルピロリジン
−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの
7位にアミノスルフォニル基、ジアルキルアミノスルフ
ォニル基あるいはニトロ基を導入した新規な化合物がア
ルデヒドおよびケトン類に対する蛍光試薬として極めて
優れており、かつ未反応の蛍光試薬等に影響されること
なくカルボニル基を含有する光学異性体を高感度で分離
定量することが可能であることを見出した。本発明はか
かる知見に基づいてなされたものである。
【0005】すなわち、本発明は、一般式(I)
【化3】 [式中Rは、SONR(ただし、R、R
は、それぞれ水素原子または低級アルキルである)ま
たはNOであり、*は不斉中心を意味する。]で表わ
される4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)
−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの新規な光学活
性誘導体とその化合物からなる蛍光標識試薬を提供する
ものである。
【0006】本発明に係る上記式(I)で表される化合
物は、文献未載の新規化合物であり、その製造方法とし
ては、例えば下記の反応式Iに従って(+)−4−(2
−クロロホルミルピロリジン−1−イル)−あるいは
(−)−4−(2−クロロホルミルピロリジン−1−イ
ル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールとヒドラジ
ンとを反応させることにより、本発明の化合物である
(+)−4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イ
ル)−あるいは(−)−4−(2−カルバゾイルピロリ
ジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ルの誘導体を得ることができる。
【0007】
【化4】 [式中、Rおよび*は、前記と同じ意味を有する]
【0008】上記の式で表される反応において使用しう
る溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、テト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アセトン、アセト
ニトリル、ジオキサン、クロロホルム、ジクロルメタ
ン、酢酸エチル、アセトニトリル、エタノール、メタノ
ール等のごとき有機溶媒等が挙げられる。上記反応は、
通常0−200℃の範囲内で行うことができるが、好ま
しくは5−50℃である。反応に要する時間は、反応温
度、反応に供せられる化合物、溶媒等によって異なる
が、通常は5分−12時間、好ましくは5分−3時間の
範囲で適宜選択される。
【0009】反応混合物からの目的物の単離、精製は常
法に従って容易に行うことができる。例えば、ヘキサ
ン、ベンゼン、ジクロルメタン、クロロホルム、酢酸エ
チルのごとき有機溶媒による抽出、再結晶或いはシリカ
ゲル、活性炭素、イオン交換樹脂、デキストラン架橋重
合体、スチレンもしくはアクリル酸エステルの多孔質重
合体等を用いた各種のクロマトグラフィーを適用して行
うことができる。
【0010】出発物質の(+)−4−(2−クロロホル
ミルピロリジン−1−イル)−7−ニトロ−、(−)−
4−(2−クロロホルミルピロリジン−1−イル)−7
−ニトロ−、(+)−4−(2−クロロホルミルピロリ
ジン−1−イル)−7−(N,N−ジメチルアミノスル
フォニル)−または(−)−4−(2−クロロホルミル
ピロリジン−1−イル)−7−(N,N−ジメチルアミ
ノスルフォニル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ル等は、既知化合物であり、豊岡等の方法[Analy
st 118,759(1993)]等に従って製造す
ることができる。
【0011】本発明に係る化合物は、下記の反応式に示
すごとく酸性触媒等の存在下で、アルデヒド類およびケ
トン類と選択的に反応結合し、対応する蛍光性のヒドラ
ゾン誘導体を生成する(式II)。したがって、これを
利用して、検体中の光学活性なアルデヒド類やケトン類
と本発明に係る化合物とを反応させた後、生成する蛍光
物質を液体クロマトグラフィーで分離し、測定すること
により検体中の光学活性鏡像体をそれぞれ別々に検出で
き、また標準物質により作成した検量線を用いてその定
量を行うことが可能である。
【0012】
【化5】 [式中Rおよび*は、前記と同じ意味を有する。またR
、RはHあるいはアルキルまたはフェニルおよびそ
れらの誘導体である。]酸性触媒としては、酢酸、塩
酸、硫酸、硝酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等
が用いられる。
【0013】本発明に係る化合物を蛍光標識試薬として
アルデヒド、ケトン等のカルボニル基を有する光学異性
体を定量する際の好ましい条件は以下のとおりである。
【0014】1)本発明の化合物とアルデヒド類、ケト
ン類との反応を酸性触媒の存在下で行わせる。 2)この際の反応溶媒は、ベンゼン、ジクロロメタン、
アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキサイド、エタノール、メタノール、水、
好ましくはアセトニトリル、水およびアセトニトリル−
水の混合溶液。 3)反応温度は15℃以上、好ましくは30−80℃。 4)反応時間は1分−10時間、好ましくは2分−6時
間である。
【0015】5)光学活性アルデヒドあるいはケトンと
結合して得られたヒドラゾンの蛍光誘導体の分離は、液
体クロマトグラフ法、薄層クロマトグラフ法、濾紙クロ
マトグラフ法、キャピラリ電気泳動法、ゲル電気泳動法
等により、好ましくは液体クロマトグラフ法、キャピラ
リ電気泳動法により行い、その場合用いるカラムは、オ
クタデシル−、オクチル−、シアノプロピル−、アミノ
プロピル−、ハイドロキシプロピル−、シリカゲル−カ
ラム、ヒドロキシアパタイトカラム、アルミナカラム等
逆相系、順相系いずれでもよく、好ましくはオクタデシ
ルカラム、シリカゲルカラムが有効である。また、溶離
溶媒としては、水、メタノール、エタノール、アセトニ
トリル、アセトン、ジエチルエーテル、クロロホルム、
ジクロルメタン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ベ
ンゼン、ヘキサン等、好ましくは水、アセトニトリル、
メタノールあるいはそれらの混合溶液、ヘキサン、ベン
ゼン、酢酸エチルあるいはそれらの混合溶液を用いる。
【0016】6)蛍光誘導体を励起させ、生じた蛍光強
度を測定するための検出器の励起波長は、400−50
0nm、好ましくは440−480nmであり、蛍光波
長は510−600nm、好ましくは530−580n
mである。
【0017】本発明に係る化合物の特徴を列記すると次
のごとくである。
【0018】1) アルデヒド類、ケトン類等のカルボ
ニル基に対して選択的に反応し、かつ反応性が高いの
で、アルデヒド類、ケトン類およびそれらの光学異性体
を同時に分離、かつ高感度に検出、定量することがで
き、優れた蛍光標識試薬として極めて有用である。
【0019】2) この化合物の(+)体あるいは
(−)体を使い分けることにより、光学活性なアルデヒ
ド類およびケトン類[(+)体あるいは(−)体]の溶
出位置を逆転させることができ、微量混在する光学異性
体の一方を、多量に存在する光学異性体の他方よりクロ
マトグラム上で早く溶出させることができ、そのため、
従来、多量に存在する光学異性体の妨害によって分離定
量が不可能であった微量の光学異性体の一方を、精度良
く測定することができる。
【0020】3) この化合物を還元糖の標識試薬とし
て用いると、従来、特異的吸収を示さず十分な感度が得
られなかったため測定が困難であった還元糖を一斉に高
感度で定量することができる。 4) 溶液状態での安定性が高く、室温で一週間、冷蔵
庫中で一カ月以上安定性を保つ。 5) アルデヒド類、ケトン類と結合した蛍光誘導体
は、pHに依存しないほぼ一定の蛍光極大波長および安
定な蛍光強度をあたえる。
【0021】6) アルデヒド類、ケトン類との蛍光誘
導体は安定性が高く、冷蔵庫中で一週間以上安定性を保
つ。 7) 上記の蛍光誘導体は励起、蛍光極大波長が長波長
域にあるため、通常の蛍光検出法のみならず、化学発光
検出法やレーザー蛍光検出法によっても、光学活性なア
ルデヒド類およびケトン類の(+)体および(−)体の
すべてを高感度に分離、検出することができる。
【0022】本発明の化合物は前述のとおりの特性から
超微量(10−14〜10−16モル)で存在する個々
の光学活性なアルデヒド類、ケトン類について、その定
性分析、定量分析に応用できるばかりでなく、広くカル
ボニル基を含有する医薬品、農薬、汚染物等の光学活性
化合物の解析、定性、定量、あるいは、細胞、膜、組織
等の生体中の光学活性アルデヒド類、ケトン類の分離、
検出あるいは生体構成部分の構造と機能の関係について
の検討に際しての種々の分泌液、その他の臨床試料中の
アルデヒド類、ケトン類の定量に応用することができ、
さらにこれらを基礎とした代謝、臨床分析それらの自動
化の基礎技術あるいは生化学、生理学、および基礎、臨
床にわたる医学的研究等に非常に広範囲にわたって応用
することができる。
【0023】本発明の化合物の中から、(+)−4−
(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−7−
(N,N−ジメチルアミノスルフォニル)−2,1,3
−ベンゾオキサジアゾール(以下[(+)−DBD−P
roCZ]と略記する)を代表例として取り上げ、アル
デヒド(ベンズアルデヒド)との反応性および光学活性
アルデヒド(2−フェニルプロピオナール)および光学
活性ケトン(2−メチルサイクロヘキサノン)より生成
した蛍光誘導体の液体クロマトグラフィーでの分離度
(Rs)について行った実験例を以下に示す。
【0024】
【実験例】
例−1 (+)−DBD−ProCZとベンズアルデ
ヒドとの反応性 1.蛍光標識試薬の調製 (+)−DBD−ProCZ3.54mgを全量が1.
0mlになるようにアセトニトリルに溶解した。 2.被検サンプルの調製 ベンズアルデヒド10.61mgを全量が100mlに
なるようにアセトニトリルに溶解した。次いでその溶液
0.1mlを分取し、アセトニトリル−水(7:3)を
加え、全量を10mlとした(10μM)。
【0025】3.酸性触媒溶液の調製 トリクロロ酢酸0.5gにアセトニトリルを加えて溶か
し全量を100mlとした(0.5%)。 4.上記2で調製したサンプルを0.4ml分取し、こ
れに、上記1、3で調製した蛍光標識試薬および触媒溶
液をそれぞれ50μl加え、全体を室温で5、20、3
5、50、65、80、95分間放置後、これらの各時
間ごとの反応溶液について、以下に示す条件下で液体ク
ロマトグラフ法により分離し、蛍光検出を行った。この
結果を図1に示す。
【0026】装 置:島津LC−9A液体クロマトグラ
フ カラム:イナ−トシルODS−2(150×4.6m
m、i.d.,5μm) カラム温度:40℃ 溶出液:水/アセトニトリル(55/45) 注入量:5μl 流 速:毎分1.0ml 蛍光検出器:島津RF−550 検出波長:励起波長450nm、蛍光波長535nm
【0027】後掲図1から明らかなように35−50分
後に反応が最大に達し、以後ほぼ一定の蛍光強度(収
率)を示すことが認められた。 例−2 蛍光標識試薬と光学活性アルデヒド(2−フ
ェニルプロピオナール)および光学活性ケトン(2−メ
チルサイクロヘキサノン)より生成した蛍光誘導体の分
離度(Rs)の検討 1.蛍光標識試薬の調製 (+)−DBD−ProCZ3.54mgを全量が1.
0mlになるようにアセトニトリルに溶解した。 2.被検サンプルの調製
【0028】(A) (±)−(2−フェニルプロピオ
ナール)13.42mgを全量が100mlになるよう
にアセトニトリルに溶解した。次いでその溶液0.1m
lを分取し、アセトニトリル−水(7:3)を加え、全
量を10mlとした(10μM)。
【0029】(B) (±)−2−メチルサイクロヘキ
サノン11.22mgを全量が100mlになるように
アセトニトリルに溶解した。次いでその溶液0.1ml
を分取し、アセトニトリル−水(7:3)を加え、全量
を10mlとした(10μM)。 3.酸性触媒溶液の調製 トリクロロ酢酸0.5gにアセトニトリルを加えて溶か
し全量を100mlとした(0.5%)。
【0030】4.上記2で調製したサンプルを0.4m
l分取し、これに、上記1、3で調製した蛍光標識試薬
および触媒溶液をそれぞれ50μl加え、65℃で5分
間反応させた後、それらの反応溶液を以下に示す条件下
に液体クロマトグラフ法により分離し、蛍光検出した。
蛍光標識されたアルデヒドあるいはケトンの光学異性体
のピークの溶出時間を測定し、下記の式にしたがって分
離度(Rs)を計算した。その結果を表1に示す。
【0031】装 置:島津LC−9A液体クロマトグラ
フ カラム:イナ−トシルSIL(150×4.6mm,
i.d.,5μm)[2−フェニルプロピオナールを反
応させたとき] イナ−トシルODS−2(150×4.6mm,i.
d.,5μm)[2−メチルサイクロヘキサノンを反応
させたとき] カラム温度:40℃ 溶出液:n−ヘキサン/酢酸エチル(6:4)[2−フ
ェニルプロピオナールを反応させたとき] 水/アセトニトリル(6/4)[2−メチルサイクロヘ
キサノンを反応させたとき] 注入量:5μl 流 速:毎分1.0ml 蛍光検出器:島津RF−550 検出波長:励起波長450nm、蛍光波長535nm Rs=2(tR2−tR1)/W+WR1,tR2:それぞれ、蛍光標識されたジアステレ
オマーの溶出時間を表わす。W,W:それぞれ、蛍
光標識されたジアステレオマーのピーク幅を表わす。
【0032】
【表1】
【0033】例−3 蛍光標識試薬とアルデヒドとの
反応により生成した蛍光誘導体の検出能の検討 1.蛍光標識試薬の調製 (+)−DBD−ProCZ3.54mgを全量が1.
0mlになるようにアセトニトリルに溶解した。 2.被検サンプルの調製 n−ブタナール7.21mg、n−ペンタナール8.6
1mg、n−ヘキサナール10.02mg、n−ペプタ
ナール11.42mg、n−オクタナール12.82m
g、n−ノナナール14.22mgの混合溶液にアセト
ニトリルを加えて溶かし全量が100mlとした。次い
でその溶液0.1mlを分取し、アセトニトリル−水
(7:3)を加え、全量を10mlとした(それぞれ1
0μM)。
【0034】3.酸性触媒溶液の調製 トリクロロ酢酸0.5gにアセトニトリルを加えて溶か
し全量を100mlとした(0.5%)。 4.上記2で調製したサンプルを0.4ml分取し、こ
れに、上記1、3で調製した蛍光標識試薬および触媒溶
液をそれぞれ50μl加え、65℃で5分間反応させた
後、それらの反応溶液を以下に示す条件下に液体クロマ
トグラフ法により分離し、蛍光検出した。その結果を図
2に示す。
【0035】装 置:島津LC−9A液体クロマトグラ
フ カラム:イナ−トシルODS−2(150×4.6m
m、i.d.,5μm)カラム温度:40℃ 溶出液:(A)10mMリン酸緩衝液(pH7.1)/
アセトニトリル(50/50) (B)10mMリン酸緩衝液(pH7.1)/アセトニ
トリル(30/70) 溶出法:リニアグラジェント法により、20分間でA1
00%からB100%とする。 注入量:2μl 流 速:毎分1.0ml 蛍光検出器:島津RF−550 検出波長:励起波長450nm、蛍光波長535nm 後掲図2に示された各脂肪アルデヒドの誘導体のピーク
は16ピコモル(16×10−12モル)に相当する。
このクロマトグラムより算出した検出限界は、およそ5
0フェムトモル(5×10−14モル)であった。
【0036】本発明に係る化合物とアミン類との反応に
より生成した蛍光誘導体は、励起波長および蛍光波長が
共に長波長であるため、生体試料を取扱う場合には、励
起波長および蛍光波長が比較的短波長域(400nm以
下)にある生体成分の影響を受けにくく、微量物質の測
定に際し、再現性の良いデータを得ることができる。ま
た未反応の蛍光試薬や触媒等をあらかじめ除去するとい
うような繁雑な前処理操作が不要であることも優れた特
徴の一つである。さらに順相系、逆相系の両方で分離、
検出することができる。また通常の蛍光法での検出限界
は約10フェムトモル(10−14モル)と十分高感度
であるが、化学発光法やレーザー蛍光法により更に10
−100倍感度の向上がはかられる。次に実施例によっ
て本発明に係る化合物の合成法を説明する。
【0037】
【実施例】
実施例−1 (+)−4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イ
ル)−7−(N,N−ジメチルアミノスルフォニル)−
2,1,3−ベンゾオキサジアゾール([(+)−DB
D−ProCZ]と略記する)および(−)−4−(2
−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−7−(N,N
−ジメチルアミノスルフォニル)−2,1,3−ベンゾ
オキサジアゾール([(−)−DBD−ProCZ]と
略記する)の合成
【0038】ヒドラジン・1水和物70mg(1.4m
mol)を含むメタノール溶液100mlに(+)−4
−(2−クロロホルミルピロリジン−1−イル)−7−
(N,N−ジメチルアミノスルフォニル)−2,1,3
−ベンゾオキサジアゾール([(+)−DBD−Pro
−COCl]と略記する)130mg(0.36mmo
l)を溶かした無水ベンゼン溶液25mlを撹拌下ゆっ
くり滴下する。室温で約30分間撹拌反応後、反応液中
の溶媒を減圧留去する。残渣にメタノール/酢酸エチル
(1:9)の混合溶液を加えて再結晶し、(+)−DB
D−ProCZの黄色結晶147mgを得た(収率91
%)。
【0039】(+)−DBD−ProCZの主な物性値
は次のとおりである。 融点 102−109℃(分解);IR(KBr)16
75、1600、1555、1415、1340、11
40、970cm−1H−NMR(重クロロホル
ム)PPM,7.74(1H,d)、6.07(1H,
d)、4.98(1H,bs)、3.95−4.10
(3H,m)、3.6−3.8(2H,m)、2.8
(6H,s)、2.3−2.45(2H,m)、2.1
−2.3(2H,m)。 (−)−4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イ
ル)−7−(N,N−ジメチルアミノスルフォニル)−
2,1,3−ベンゾオキサジアゾール([(−)−DB
D,ProCZ]と略記する)も(−)−4−(2−ク
ロロホルミルピロリジン−1−イル)−7−(N,N−
ジメチルアミノスルフォニル)−2,1,3−ベンゾオ
キサジアゾール([(−)−DBD−Pro−COC
l]と略記する)から同様に合成することができる。
【0040】実施例−2 (+)−4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イ
ル)−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾー
ル(以下[(+)−NBD−ProCZ]と略記する)
および(−)−4−(2−カルバゾイルピロリジン−1
−イル)−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジア
ゾール(以下[(−)−NBD−ProCZ]と略記す
る)の合成
【0041】ヒドラジン・1水和物35mg(0.7m
mol)を含むメタノール溶液100mlに(+)−4
−(2−クロロホルミルピロリジン−1−イル)−7−
ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサジアゾール
([(+)−NBD−Pro−COCl]と略記する)
50mg(0.17mmol)を溶かした無水ベンゼン
溶液15mgを撹拌下ゆっくり滴下する。室温で約30
分間撹拌反応後、反応液中の溶媒を減圧留去する。残渣
に水20mlおよび酢酸エチル15mlを加え抽出す
る。同様な抽出操作を2回繰り返す。酢酸エチル抽出液
を合せ溶媒を減圧留去した後メタノール/酢酸エチル
(1:1)の混合溶液を加えて再結晶し、(+)−NB
D−ProCZの赤色結晶15mgを得た(収率30
%)。
【0042】(+)−NBD−ProCZの主な物性値
は次のとおりである。 融点 117−121℃;IR(KBr)1675、1
615、1555、1320、1290、1260cm
−1H−NMR(重クロロホルム)PPM,8.4
1(1H,d)、7.50(1H,bs)、6.12
(1H,d)、5.20(1H,bs)、3.6−4.
2(4H,m)、2.1−2.6(4H,m)。
【0043】(−)−4−(2−カルバゾイルピロリジ
ン−1−イル)−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキ
サジアゾール([(−)−NBD−ProCZ]と略記
する)も(−)−4−(2−クロロホルミルピロリジン
−1−イル)−7−ニトロ−2,1,3−ベンゾオキサ
ジアゾール([(−)−NBD−Pro−COCl]と
略記する)から同様に合成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化合物の一つである(+)−DB
D−ProCZとベンズアルデヒドを反応させたときの
反応時間と蛍光強度(収率)の関係を示すグラフであ
る。
【図2】本発明に係る化合物の一つである(+)−DB
D−ProCZと脂肪族アルデヒドとの混合溶液を反応
させたときに得られた混合物のクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−188224(JP,A) 特開 平6−184141(JP,A) 特公 平6−51699(JP,B2) 特公 平8−19122(JP,B2) 国際公開93/3382(WO,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中RはSONR(ただし、R、Rは、
    それぞれ水素原子または低級アルキルである)、または
    NOであり、*は不斉中心を意味する。)で表わされ
    る4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−
    2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの新規光学活性誘
    導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化2】 (式中RはSONR(ただし、R、Rは、
    それぞれ水素原子または低級アルキルである)、または
    NOであり、*は不斉中心を意味する。)で表わされ
    る4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−
    2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの光学活性誘導体
    からなることを特徴とするアルデヒドおよびケトン類の
    ための分析用蛍光標識試薬。
JP4764494A 1994-02-09 1994-02-09 4−(2−カルバゾイルピロリジン−1−イル)−2,1,3−ベンゾオキサジアゾールの新規光学活性誘導体 Expired - Lifetime JP2664043B2 (ja)

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