JP2877726B2 - 金属イオン呈色性カリックスアレーン誘導体 - Google Patents

金属イオン呈色性カリックスアレーン誘導体

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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カリックスアレーン誘
導体に関し、詳しくは、金属イオン、特にナトリウムイ
オンの存在下に呈色性を有するカリックス[4]アレー
ン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、ナトリウムイオンを選択的に検知
したり定量することは多くの分野でその必要性が認めら
れている。例えば、臨床検査の分野においてヒト血清、
血しょう及び尿中のナトリウムイオン濃度を知ること
は、種々の病気を診断する上でなくてはならない手段と
なっている。特に血清中のナトリウム濃度は健康なヒト
で135から145ミリモル/リットルと極めて狭い範
囲に維持されており、この数値の変動は身体の重大な異
常に直結しているので、その値を測定する診断的意義は
大きい。またナトリウムイオンは広く自然界に存在する
ために、これらを制御しなくてはならない工業的プロセ
ス中や廃水中、および河川中においても、その濃度の測
定が広く行われている。その他、最近では健康食に対す
る一般人の関心が高まり、食品メーカーや消費者団体、
個人消費者が食品中のナトリウムを測定したいという大
きなニーズがある。
【0003】これらニーズを満たし得る技術が、呈色性
化合物から成る比色試薬を用いる方法である。比色試薬
は、少量の試料、簡単な設備で分光光度法によりイオン
濃度を測定することの出来る、極めて有用な測定手段で
ある。この他、比色試薬の利点は、短時間で測定が行わ
れること、少量の呈色性化合物を用いて測定できること
である。比色試薬を用いる測定は、通常溶媒抽出法(二
相抽出法)によるが、これ以外でも例えば、抽出フロー
インジェクション(FIA)と光学センサーなどがあ
る。光学センサーにおいては、呈色性化合物を含む膜状
物を光ファイバーの先端部に取りつけることにより、容
易に小型化できること、極少量の試料でよく、さらには
臨床検査において重篤患者のナトリウムイオン濃度をリ
アルタイムで測定できることも期待される。
【0004】比色試薬以外に、ナトリウムイオン濃度を
測定する手段としてはプラズマ発光分光分析法、原子吸
光法、炎光法等があるが、いずれもガス供給装置が必要
であるなど、装置が大きく価格も高価である。また、イ
オン選択性電極法は、電気的ノイズの影響を受けやすい
という欠点がある。
【0005】比色試薬を用いてナトリウムイオン濃度を
測定する際には、共存するイオンに対する影響、および
感度に注意する必要がある。比色試薬には固有の許容限
界濃度が存在し、その濃度以上の共存イオン濃度環境で
のナトリウムイオン測定は、結果に大きな誤差を含む。
また、試薬の有する感度領域においてのみイオン濃度の
測定を行うことが出来る。使用に際しては予め性能を把
握しておく必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ナトリウムイオン比色
試薬には、従来より環状ホストとアゾフェノール基とを
組み合わせた呈色性化合物がよく用いられている。クラ
ムらは、スフェランドを用いた化合物[J.Am.Ch
em.Soc.,111巻、p6339、1989年]
を開発している。また、サザーランドらは、ジアザクラ
ウンエーテルを用いた化合物[Tetrahedron
Letters、p3165、1993年]を開発し
ている。これらは、いずれも、ナトリウムイオンに対し
て優れた選択性を示すことが知られている。また、クラ
ウンエーテルを用いた化合物[Anal.Chim.A
cta.,139巻、p219、1982年]、また、ジ
アザクラウンエーテルを用いた[J.Chem.So
c.,Chem.Commun.,p1716、199
2年]などが知られている。また、本化合物と類似の化
合物[化2]は、[Sensors and Actu
ators B11、p331,1993年]に記載さ
れている(同文献の化合物22)が、示されている平衡
抽出定数が低い(logKex=−9.74)ことから
も明らかなように感度は極めて低い。
【0007】さらに上述したような、比色試薬の多くは
合成が多段階にわたり、また、原料化合物も高価であ
る。また、ナトリウムイオン存在下での極大吸収波長の
変化が小さく、たとえば血液検査において共存する赤血
球の影響を受けやすく測定誤差の原因となりやすいこ
と、さらにはカリウムなどのイオンに対する選択性が不
十分などの問題点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】最近注目されている、カ
リックス[4]アレーンと称される環状化合物は、複数
個のフエノール単位をメチレン基で結合した環状オリゴ
マーである[総説;C.D.Gutcheら、”Cal
ixarenes”、Royal Society o
f Chemistry、Cambridge、198
9年]。カリックスアレーンは機能材料としての研究も
活発に行われており、金属イオン認識材料としての実用
化も検討されている。例えばナトリウムイオン選択性電
極用のニュートラルキャリアーとしても検討されている
[例えば、新海ら;Chemistry Letter
s、1994年、p1115]。
【0009】本発明者らは、カリックスアレーンに関す
る研究を重ねるうちに、比色試薬などとして応用できる
新しいカリックスアレーン誘導体を見いだした。すなわ
ち、本発明者らは、4個のフェノール単位からなるカリ
ックス[4]アレーンにおける1つおきのフェノール単
位の下端側(OH基の存する側)がトリ(オキシエチレ
ン)鎖で架橋されかつ上端側(フェノール環部分)に1
個のアゾ基を有するカリックス[4]アレーン誘導体の
合成に成功するとともに、この誘導体が金属イオン特に
ナトリウムイオンの存在下に呈色性を有することを見い
だし本発明を完成するに至った。
【0010】かくして、本発明は下記一般式[化2]で
示されるカリックス[4]アレーン誘導体に関する。
【0011】
【化2】 (式中Xは、−(CH22[O(CH222−、Y
は、ニトロ基などの電子吸引性基であり、nは、0また
は1〜3の整数、Zは、炭素数2〜8のアルキル基、ま
たはベンジル基、Rは、水素または炭素数1〜12まで
のアルキル基である。)
【0012】一般式[化2]の化合物は、その呈色性に
基づく各種の応用が可能である。とりわけ、金属イオン
特にナトリウムイオンに対して選択的に錯形成して呈色
するので、そのような、金属イオンを抽出したり、分析
するための、溶媒抽出試薬、カラム充填剤、イオン選択
性電極、抽出フローインジェクション分析(FIA)、
光学センサーなどに利用できるとともに、金属イオン比
色試薬、および金属イオン液膜輸送剤として利用でき
る。
【0013】 例えば本発明の化合物を比色試薬として
溶媒抽出に用いた場合、前述した既知化合物らと比較し
同等かそれ以上のナトリウムイオン選択性を示す。さら
に、紫外−可視吸収スペクトルにおける測定吸収波長
が、ナトリウムイオンの存在下、大きく長波長側にシフ
トすることから、たとえば血液測定において赤血球の影
響を受けずに測定できるという特徴がある。また、市販
品であるテトラヒドロキシカリックス[4]アレーン
より、4段階で容易に合成することが出来るという特徴
もある。
【0014】かくして、本発明は、別の観点として、上
記の一般式[化2]で表わされるカリックス[4]アレ
ーン誘導体からなるナトリウムイオン比色試薬を提供す
る。
【0015】一般式[化2]において、Yとして好まし
いのは、水素(n=0、すなわち無置換の場合)、また
はニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、ハロゲ
ン基、N,N’−ジメチルスルファモイル基、アセチル
基、スルホン酸基などの電子吸引性基が挙げられる。こ
れらの電子吸引性置換基Yが1〜3個置換している。Y
は一般に同一の置換基であるが、別異のものであっても
よい。
【0016】また、Zとして好ましいのはエチル基、イ
ソプロピル基、オクチル基など炭素数2〜8のアルキル
基、および無置換あるいは置換ベンジル基である。本発
明者は、Zがメチル基の場合は、目的とする高感度の呈
色性化合物が得られないことを見いだしている。メチル
基において性能が低い原因については定かでないが、メ
チル基は小さいためカリックス[4]アレーンが形成し
ているベンゼン環が自由回転することが出来、単一のコ
ンフォメーション異性をとることが出来ないため、キャ
ビティー形成が不十分となり,ナトリウムイオンとの錯
体形成能が低下するためとも考えられる。他方、Zにお
いて炭素数が長くなると、抽出平衡反応が終結するのに
時間がかかりすぎるために、好ましくない。
【0017】Rとして好ましいのは水素(無置換)また
はメチル基、t−ブチル基、t−オクチル基、n−ドデ
シル基など、炭素数1〜12のアルキル基である。Rの
存在する4個のベンゼン環(フェノール環)は、所望の
特性が損なわれない限り、他の官能基で置換されてもよ
い。
【0018】本発明のカリックス[4]アレーン誘導
体、一般式[化2]において、特に好ましいのは、原料
の入手のしやすさから、Yとしては、4−ニトロ基、
2,4−ジニトロ基、Rとしては水素(無置換)、t−
ブチル基、t−オクチル基である。Zとしてはエチル
基、イソプロピル基、ブチル基のアルキル基、およびベ
ンジル基が特に好ましい。
【0019】 本発明のカリックス[4]アレーン誘導
体は、図1に示すフローチャートに従って合成すること
が出来る。段階1では、一般式[化3]のカリックス
[4]アレーン化合物を水素化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の塩基存在下、ハロゲン化アルキル、アルキルト
シレート等のアルキル化試薬で処理することによりモノ
アルキル化体(一般式[化4])が得られる。なお、
合物[化3]は、例えば特願平6−23700号に記載
されているように、pテトラアルキル置換テトラヒドロ
キシカリックス[4]アレーンとトリエチレングリコー
ルジトシレートを塩基存在下、溶媒中で反応させること
により得られる。次いで、一般式[化4]をFremy
塩、硝酸タリウム、トリフルオロ酢酸タリウムなどの酸
化剤存在下、処理することによりキノン体(一般式[化
5])が得られる。さらに、一般式[化5]を濃硫酸な
どの脱水剤存在下、ヒドラジン誘導体と反応させること
により目的化合物一般式[化2]を得ることができる。
【0020】以下の説明においては、本発明の前記カリ
ックス[4]アレーン化合物(一般式[化2])を金属
イオン比色試薬として、二相抽出測定に用いる際の例を
中心に示すが、本発明の化合物は、その呈色性に基づき
他の用途にも利用可能である。一般式[化2]を用いて
ナトリウムイオンを二相抽出する場合には、一般式[化
2]を有機溶媒に溶解し、水−有機溶媒系、有機溶媒−
有機溶媒系へ添加すればよい。これにより、一般式[化
2]の化合物と金属イオンが錯体を形成することによ
り、水あるいは有機溶媒中の金属イオンの抽出が行わ
れ、錯体を含む溶液の可視−紫外吸収スペクトルを測定
すれば、金属イオンの検出、定量が可能である。その
際、透過光、反射光のいずれも利用することができる。
この抽出操作においては、一般式[化2]の化合物は、
リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウムの各イオンの影響を受けずに測定する
ことができる。
【0021】二相抽出に使用される溶媒としては、トル
エン、ベンゼン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族
系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロ
フラン等のエーテル系溶媒、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール等のアルコール系溶媒、四塩化炭素、ク
ロロホルム、トリクレン、ジクロロメタン等のハロゲン
系溶媒を1種類単独または2種類以上混合して用いるこ
とが出来る。
【0022】一般式[化2]の化合物は、水−有機溶媒
系または有機溶媒−有機溶媒系の全溶媒使用量に対して
0.1mol/l〜0.00001mol/lの範囲で
使用することが好ましい。
【0023】一般式[化2]の化合物は、プロトン解離
型化合物であり、溶媒抽出を行う際には、対アニオンを
必要とせずに抽出を行うことが出来、化合物によっては
水または有機溶媒のpHを調節する操作が不溶である
が、可視−紫外吸収スペクトル測定の感度を増加させる
ため、pH調節試薬を用いることも可能である。この場
合、pH調節試薬としては、N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)グリシン、N−シクロヘキシル−2−アミ
ノエタンスルホン酸などの通称グッド緩衝剤、あるいは
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、トリエチル
アミン、塩酸などのナトリウムを含まない塩基や酸を用
いることが出来る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の特徴をさらに明らかにするた
めに、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこ
れらの例に限定されるものではない。なお、本発明の説
明に関連して示す化学構造式の一部においては、慣用に
従い炭素原子や水素原子を省略していることがある。
【0025】実施例1:本発明に従うカリックスアレー
ン誘導体[化6]を以下の要領で合成した。
【0026】
【化6】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0027】まず[化7]を次の手順で合成した。
【0028】
【化7】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0029】[化8]を1.0gおよび60%含有水素
化ナトリウム0.22gを乾燥ジメチルホルムアミド2
50mlと窒素雰囲気下混合し、2時間攪拌後、氷浴中
で冷却した。臭化エチル0.20gを添加し、そのまま
終夜攪拌した。反応液を濃縮後、残査に0.1N塩酸2
00ml中にあけ、クロロホルム70ml加え振とうし
た。有機相を分離後、水相をクロロホルム50mlで2
回抽出を行った。有機相をまとめて硫酸マグネシウムに
て乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。残さをエタノー
ルから再結晶し、目的物0.51gを得た。
【0030】
【化8】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0031】得られた化合物の分析結果を以下に示す。 (1)融点;232−233度 (2)質量分析スペクトル(SIMS(+);m/e=
566(M+))
【0032】次に[化9]を合成した。
【0033】
【化9】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0034】[化7]を100mgを窒素で脱気したメ
タノール/クロロホルム混合溶媒10mlに溶解し、窒
素雰囲気下メタノール/クロロホルム混合溶液5mlに
溶解した三硝酸タリウム(三水和物)177mgを室温
で滴下した。30分後反応液にクロロホルムを加え、沈
澱物をろ別した。得られたろ液に水にあけ、クロロホル
ム20mlで3回抽出を行った。有機相をまとめて硫酸
マグネシウムにて乾燥し、続いてろ過、濃縮を行った。
残さを展開溶媒としてクロロホルムを用いシリカゲルク
ロマトグラフィーを行い目的物65mgを白色固体とし
て得た。
【0035】得られた化合物の分析結果を以下に示す。 (1)融点;217−220度 (2)質量分析スペクトル(SIMS(+);m/e=
580(M+))
【0036】[化9]50mgと2,4−ジニトロフェ
ニルヒドラジン20mgをエタノール/クロロホルム混
合溶媒5mlに溶解し、濃硫酸2滴加え室温で30分攪
拌した。反応液を水にあけクロロホルム30mlで3回
抽出を行った。硫酸マグネシウムにて乾燥し、続いてろ
過、濃縮を行った。残さを展開溶媒としてクロロホルム
を用いシリカゲルクロマトグラフィーを行った。(以下
の操作には、すべて石英ガラス製器具を用いた)目的物
を含む留分をまとめ0.1N塩酸で1回、続いて純水で
3回洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥し、続いてろ
過、濃縮を行い目的物45mgを白色固体として得た。
【0037】得られた化合物について以下の分析を行っ
た。 (1)融点;259−261度 (2)プロトン核磁気共鳴スペクトル(300MHz、重クロロホルム) δ9.05 (s, 1H,フェノール性水酸基) 8.74 (d, 1H,芳香族プロトン) 8.42 (dd,1H,芳香族プロトン) 7.71 (d, 1H,芳香族プロトン) 7.54 (s, 2H,芳香族プロトン) 7.19 (dd,2H,芳香族プロトン) 7.14 (dd,2H,芳香族プロトン) 6.90 (t, 2H,芳香族プロトン) 6.81 (d, 2H,芳香族プロトン) 6.55 (t, 1H,芳香族プロトン) 4.55−4.42 (m, 6H,Ar−CH2−Ar、−OCH2− ) 4.37−4.13 (m, 4H,−OCH2−) 4.10−3.99 (m, 6H,−OCH2−) 3.92−3.80 (m, 2H,−OCH2−) 3.39 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) 3.35 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) 1.50 (t, 3H,−O−C−CH3) (3)質量分析スペクトル(SIMS(+);m/e=761[M+H]+) (4)元素分析値(C42H40O10N4) C H N (%) 計算値 66.31 5.30 7.36 実測値 66.07 5.33 7.31 これら分析結果より前記構造式[化6]であることが確
認できた。
【0038】実施例2:実施例1と類似な方法を用いて
一般式[化2]中、Xが、−(CH22[O(C
222−であり、Yが2個のニトロ基、Zがベンジ
ル基、Rが水素である化合物[化10]を3段階反応に
て合成した。この際、原料として前記の[化8]を用
い、モノベンジル化反応にては塩化ベンジルを用いた。
【0039】
【化10】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0040】最終的に得られた化合物について以下の分
析を行い構造確認を行った。 (1)融点;251−252度 (2)プロトン核磁気共鳴スペクトル(300MHz、重クロロホルム) δ8.97 (s, 1H,フェノール性水酸基) 8.73 (d, 1H,芳香族プロトン) 8.42 (dd,1H,芳香族プロトン) 7.71 (d, 1H,芳香族プロトン) 7.52 (s, 2H,芳香族プロトン) 7.50−7.40 (m, 5H,芳香族プロトン) 7.16 (d, 2H,芳香族プロトン) 7.13 (d, 2H,芳香族プロトン) 6.89 (t, 2H,芳香族プロトン) 6.81 (d, 2H,芳香族プロトン) 6.58 (t, 1H,芳香族プロトン) 4.92 (s, 2H、ベンジル位のメチレンプロトン) 4.75 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) 4.41 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) 4.33−4.25 (m, 2H,−OCH2−) 4.12−3.62 (m,10H,−OCH2−) 3.37 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) 3.22 (d, 2H,Ar−CH2−Ar) (3)質量分析スペクトル(SIMS(+);m/e=844[M+Na]+) (4)元素分析値(C42H40O10N4+2H2O) C H N (%) 計算値 65.72 5.40 6.52 実測値 66.15 5.05 6.49 C H N (%) これら分析結果より上記構造式[化10]であることが
確認できた。
【0041】実施例3:実施例1と類似な方法を用いて
一般式[化2]中、Xが、−(CH22[O(C
222−であり、Yが2個のニトロ基、Zがエチル
基、Rがt−ブチル基である[化11]、およびt−オ
クチル基である化合物[化12]をそれぞれ3段階反応
にて合成した。この際、原料として一般式[化13]を
用い、キノン化反応にはトリフルオロ酢酸タリウムを用
い、モノベンジル化反応にて臭化エチルを用いた。最終
的に得られた化合物については実施例1と同様に同定を
行った。
【0042】
【化11】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0043】
【化12】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0044】
【化13】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH2)22
である。Rはt−ブチル基またはt−オクチル基であ
る。)
【0045】実施例4:実施例1に従って調製した本発
明のカリックス[4]アレーン誘導体[化6]、[化1
0]を比色試薬として用いた場合の性能評価を行った。
【0046】1.0mol/lの塩を含むトリス(ヒド
ロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH8)を
調製した。塩はリチウム、ナトリウム、カリウム、ルビ
ジウム、セシウム、マグネシウムおよびカルシウムの塩
化物塩を用いた。本発明のカリックス[4]アレーン誘
導体を一定量有する([化6]:0.000018mo
l/l、[化10]:0.000011mol/l)ク
ロロホルム溶液3mlと、上記各種塩を含む水溶液3m
lをポリプロピレン製の試験管に入れ、振とう器で攪拌
した。クロロホルム相を分離し、分離後クロロホルム相
の可視−紫外吸収スペクトルを測定した。
【0047】結果を、[図2]、[図3]に示した。1
mol/lの共存下においてもリチウムイオン以外の生
化学的重要な金属イオンの影響を全く受けないことが確
認された。ここで、リチウムイオンは、精神病治療薬使
用時に検出されることはあるが、0.3−1.0mEq
/lと少量であるため、実際の測定では影響を受けな
い。また、本発明のカリックスアレーン誘導体を用いる
と、623nmという画期的に長波長側に吸収極大があ
ることから、血液測定に応用した場合、赤血球の影響を
受けにくいということが解る。
【0048】実施例5:実施例1、実施例2、実施例3
において調製した本発明のカリックス[4]アレーン誘
導体、および比較化合物として[化14]の化合物を比
色試薬として用いた場合の性能評価を、以下の要領で行
った。
【0049】
【化14】 (但し、式中Xは、−(CH22[O(CH222
である。)
【0050】一定濃度の塩化ナトリウムを含むトリス
(ヒドロキシメチル)アミノメタン−塩酸緩衝液(pH
8)を調製した。塩濃度として 0.002, 0.005, 0.01,
0.024,0.05, 0.1, 0.2, 0.4 そして 1.0 mol/lを
調整した。本発明のカリックス[4]アレーン誘導体を
一定量有する(0.000015mol/l)クロロホ
ルム溶液3mlと、上記各種塩を含む水溶液3mlをポ
リプロピレン製の試験管に入れ、振とう器で攪拌した。
クロロホルム相を分離し、分離後クロロホルム相の可視
−紫外吸収スペクトルを測定した。錯体形成時の吸収極
大波長における吸光度を測定した。抽出平衡定数(K
e)を[数1]を用いて測定した。
【0051】
【数1】
【0052】[表1]にKe値を示す。[表1]からわ
かるように本発明のカリックス[4]アレーン誘導体か
らなる比色試薬は、比較化合物[化14]とくらべKe
が1000倍程度大きく、飛躍的に高感度測定が可能で
あることがわかる。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】以上示したように、本発明のカリックス
[4]アレーン誘導体は、たとえば、ナトリウムイオン
比色試薬として溶媒抽出法において、非常に高いナトリ
ウムイオン選択性を示すとともに高感度測定が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカリックス[4]アレーン誘導体の
合成方法の一例を示したフローチャートである。
【図2】 本発明のカリックス[4]アレーン誘導体を
用いた、金属イオン存在下での有機相の紫外−可視吸収
スペクトルを示す図である。
【図3】 本発明のカリックス[4]アレーン誘導体の
別の実施例を用いた、金属イオン存在下での有機相の紫
外−可視吸収スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Chem.Lett.(1992), (7),1287−90 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 323/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式[化1]で示される金属イ
    オン呈色性を有するカリックスアレーン誘導体。 【化1】 (式中Xは、−(CH22[O(CH222−、Y
    は、ニトロ基などの電子吸引性基であり、nは、0また
    は1〜3の整数、Zは、炭素数2〜8のアルキル基、ま
    たはベンジル基、Rは、水素または炭素数1〜12のア
    ルキル基である。)
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