JPH0676512B2 - 環状ポリエーテル組成物 - Google Patents

環状ポリエーテル組成物

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JPH0676512B2
JPH0676512B2 JP62220413A JP22041387A JPH0676512B2 JP H0676512 B2 JPH0676512 B2 JP H0676512B2 JP 62220413 A JP62220413 A JP 62220413A JP 22041387 A JP22041387 A JP 22041387A JP H0676512 B2 JPH0676512 B2 JP H0676512B2
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徹 榊
隆之 緒方
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徳山曹達株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な環状ポリエーテル及び熱可塑性樹脂とよ
り成り、特にカリウムイオン選択性を示す環状ポリエー
テル組成物に関する。
〔従来の技術〕
従来、カリウムイオンの分離、分析等の立場から、カリ
ウムイオンに選択的に強く配位する有機化合物が要求さ
れてきた。その代表的なものに抗生物質であるバリノマ
イシンがあるが、これは大量の放線菌から極微量抽出さ
れるものであるため極めて高価であり経済的でない点、
さらにその構造がポリペプチドであるため、熱変性を防
ぐために冷凍保存が必要であるなどその取り扱いに細心
の注意を要する点等の欠点を有していた。本発明者ら
は、上記の問題点を解決した化合物として、容易に合成
が可能で優れたカリウム選択性を有する化合物を既に提
案した。例えば、特開昭59−196885号、特開昭59−2251
78号、特開昭60−130584号、特開昭60−130585号および
特開昭60−142978号がある。しかしながら、これらの化
合物は、シッフベース結合(−N=CH−)を有してお
り、該シッフベース結合がエーテル結合や炭素−炭素単
結合に比較して不安定であるため、該化合物の安定性の
面において未だ改良の余地があった。
〔問題点を解決するための手段及び効果〕
本発明者らは、前記化合物群の有する高カリウム選択性
を失なうことなく、且つ長期にわたる保存に耐えうる化
合物を開発すべく研究を重ねた結果、下記一般式(I)
で示される高カリウム選択性を有し且つ長期にわたり安
定である化合物を合成することに成功した。
(ただしRは (ただし、X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8,X9,X10,X11及びX
12の基はそれぞれ同種又は異種の水素原子、ハロゲン原
子、ニトロ基、フェニル基、ハロゲン置換もしくは非置
換のアルキル基、ハロゲン置換もしくは非置換のアルコ
キシ基、 又は (ただし、Y1,Y2,Y3,Y4及びY5は同種又は異種の水素原
子、ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換又は非置換
のアルコキシ基))、 よりなる群より選ばれた有機基) 本発明者らは、さらに研究を重ねた結果、上記一般式
(I)で示される環状ポリエーテルと熱可塑性樹脂とよ
りなる組成物が、特にカリウム電極として有用な材料で
あることを見い出し、本発明の提案に至った。
すなわち、本発明は、 (A) 一般式 (ただしRは (以下、A基という) (以下、B基という)(ただしX1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X
8,X9,X10,X11及びX12の基はそれぞれ同種又は異種の水
素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、フェニル基、ハロゲ
ン置換もしくは非置換のアルキル基、ハロゲン置換もし
くは非置換のアルコキシ基 又は (ただし、Y1,Y2,Y3,Y4,Y5は同種又は異種の水素原子、
ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換又は非置換のア
ルコキシ基))、 よりなる群より選ばれた有機基) で示される環状ポリエーテル0.1〜20重量部及び (B) 熱可塑性樹脂 100重量部 より主としてなる環状ポリエーテル組成物である。
なお、本明細書において、以下 またはベンゾ−15−クラウン−5と表示することもあ
る。
本発明において、前記した一般式〔I〕のA基およびB
基における置換基として示されるハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が特に制限なく採用さ
れる。また、ハロゲン置換のアルキル基としては、上記
のハロゲン原子によって置換されたアルキル基が何ら制
限されないが、そのうち特にトリフルオロメチル基、ペ
ンタフルオロエチル基、トリクロルメチル基、ペンタク
ロルエチル基等のパーハロゲン化アルキル基が好適であ
る。更に、アルキル基またはアルコキシ基の炭素数も特
に制限されるものではないが、通常炭素数1〜20のもの
が好適である。
前記した一般式〔I〕においてRがA基またはB基であ
る場合、カリウム選択性や耐水性をより向上させるた
め、上記のA基またはB基は下記の少なくとも1つの条
件を満足するものを選択することが好ましい。
A基またはB基において、X1〜X5またはX6〜X12
少なくとも1つが水素以外の前記した置換基であるこ
と。
A基またはB基において、X1〜X5またはX6〜X12
少なくとも1つ好ましくは3つ以上がハロゲン原子であ
ること。
A基またはB基において、X1〜X5またはX6〜X12
少なくとも1つ好ましくは2つ以上がニトロ基であるこ
と。
において、X1〜X5のうちの1つのニトロ基がX1
たはX5に存在すること。
A基またはB基において、X1〜X5またはX6〜X12
1つがアルキル基またはアルコキシ基である場合、その
炭素数が6以上であること。
本発明の前記一般式〔I〕で示される環状ポリエーテル
化合物は新規な化合物で、通常次のような測定によって
該化合物であることを確認できる。
(1) 赤外吸収スペクトル ベンゾ−15−クラウン−5の構造に基く吸収が1240〜12
80,1000〜1180cm-1付近に強く現われる。
(2) H1−核磁気共鳴スペクトル 重水素化クロロホルム溶媒中でテトラメチルシランを基
準として測定すると、ベンゾ−15−クラウン−5骨格中
の−CH2−O−のHに由来するピークが3.4〜4.2ppm付近
に、又、芳香環に水素原子が含まれる場合、水素原子の
吸収ピークが6.6〜9.0ppm付近に、さらにベンゾ−15−
クラウン−5とRの間の−CH2−O−Rに由来するピー
クが4.3〜5.4ppm付近に現われ、これらのピークの相対
強度比は、前記一般式〔I〕から算出されるそれぞれの
基に結合した水素の数の比と一致する。
(3) 質量分析 質量分析の一手法として電界脱離法(以下FD法と略す)
を用いることによって、本発明の前記一般式〔I〕で示
される化合物の分子イオンピークが観測される。
(4) 元素分析 前記一般式〔I〕から算出される化合物の炭素、水素、
窒素、ハロゲンの量はその分析結果のそれぞれの元素量
にほぼ一致する。
前記の一般式〔I〕で示される化合物の代表的な性状を
示せば次の通りである。
(1) 本発明の環状ポリエーテル化合物は一般に蒸留
不可能で明確な沸点を得難い。
(2) 本発明の環状ポリエーテル化合物は、室温下に
於いて白色ないし黄白色の固体(まれに液体)である
が、−N=N−が含まれる時には橙色ないし暗赤色、ヨ
ウ素を含む場合には褐色、縮環化合物を含む場合には黄
緑色ないし灰色を帯びやすい。
(3) 本発明の環状ポリエーテル化合物の溶解性は、
一般式〔I〕のRによって若干相違するが、塩化メチレ
ン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム、テロラヒド
ロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドにはよく溶解
し、ベンゼン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、ジオ
キサン、エタノール、メタノールには一部溶解する。水
には殆んど溶解しない。
これら、前記性状については、極めて容易に確認できる
ので、使用に先立ち、予め確認すればよい。
本発明の前記一般式〔I〕で示される環状ポリエーテル
化合物の製造方法は、特に限定されるものではなく、如
何なる方法を採用してもよい。工業的に好適な方法を具
体的に例示すれば次の通りである。
すなわち、前記一般式〔I〕のRで示される基に水酸基
を付加した下記一般式〔II〕で示される化合物、 R−OH 〔II〕 金属水酸化物および下記一般式〔III〕で示される化合
(ただし、XはClまたはBrである) を溶媒中で反応させる方法が挙げられる。上記反応は先
ず一般式〔II〕で示される化合物と金属酸化物とを溶媒
中に仕込み、一般式〔III〕で示される化合物を該溶媒
に添加して行うことが好ましい。
前記の反応において、使用する原料のモル比は広い範囲
で選択することができるが、通常は一方が他方に対して
モル比で0.5〜1.5の範囲、さらには当モル付近であるこ
とが好ましい。また、使用する溶媒は原料と反応しない
不活性溶媒であれば何ら制限なく使用し得る。例えば、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素;塩化メチレン、クロロホル
ム等の炭素系脂肪族炭化水素;モノクロルベンゼン、ジ
クロルベンゼン等の塩素系芳香族炭化水素;テトラヒド
ロフラン、ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類
等が挙げられる。反応温度は、特に制限されないが、通
常は0〜150℃の範囲内であることが好ましい。また、
反応時間も、特に制限されず広い範囲から採用される
が、通常は1〜100時間であることが一般的である。
前記反応中、金属水酸化物はアルカリ金属、アルカリ土
類金属であれば特に制限されないが、好ましくは水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
セシウムを用いる。また、使用する溶媒については前記
したが、溶媒として特に水及び、水と相分離しかつ室温
において溶解度の高いクロロホルムや塩化メチレンを用
いると、前記化合物〔III〕が相間移動触媒の役目を果
たすことにより、常温でも速やかに反応を行なうことが
可能である。この場合、水の量及びクロロホルム、塩化
メチレンの量は特に制限されないが、それぞれが金属水
酸化物及び原料の化合物〔I〕および〔III〕を溶解す
る範囲内でできるだけ少量である方が反応は円滑に進め
られる。また、この場合、金属水酸化物は2〜20倍量過
剰に加えることが反応をより円滑に進める上で好まし
い。
上記一般式〔I〕で示される化合物は一般に高沸点であ
るため、蒸留が困難なものが多い。従って通常は、抽
出、再結晶、カラムクロマトグラフィー等の手段によっ
て精製すると好適である。特に本発明の前記一般式
〔I〕で示される化合物と、原料である前記一般式〔II
I〕で示される化合物とを効果的に分離するには、カラ
ムクロマトグラフィーが最も好適に使用される。この方
法を採用するに当っては、カラム充填剤、及び展開溶媒
について予め薄層クロマトグラフィー等の手法により最
適条件を求めておくことが望ましい。
本発明の環状ポリエーテル組成物の他の一成分は熱可塑
性樹脂である。本発明で使用される熱可塑性樹脂として
は、公知のものが何ら制限されずに使用される。本発明
の環状ポリエーテル組成物を膜状物に成形してカリウム
電極に用いる場合、通常水溶液中で使用されるため、熱
可塑性樹脂は水に溶解しないものであることが好まし
い。本発明で使用される熱可塑性樹脂として好適なもの
を例示すると、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化
ビニリデン、テトラフルオロエチレン等のハロゲン化ビ
ニルの単独重合体または共重合体;スチレン、クロルス
チレン、ブロモスチレン等のスチレン及びその置換体の
単独重合体または共重合体;アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、等のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステ
ルの単独重合体または共重合体;酢酸ビニル等のビニル
エステルの単独重合体または共重合体;ブタジエン、イ
ソプレン等のジエン系重合体またはこれらジエンとスチ
レン、アクリロニトリル等との共重合体;ポリウレタン
類;シロキサン重合体または共重合体;酢酸セルロー
ス、硝酸セルロース等の繊維素誘導体等が挙げられる。
本発明の環状ポリエーテル組成物は、前記一般式(I)
で示される環状ポリエーテルと熱可塑性樹脂とを含む組
成物である。該一般式(I)で示される化合物の配合割
合は目的の性状を発揮する限り特に限定されるものでは
ないが、一般には該熱可塑性樹脂100重量部に対して、
0.1〜20重量部好ましくは1〜10重量部の範囲で用いる
と好適である。上記一般式(I)で示される化合物が上
記範囲より少ない場合は、カリウムイオンに対する選択
性が低下する傾向があり、カリウム電極として好ましく
ない場合がある。また、上記範囲より多い場合は、一般
式(I)で示される化合物が析出する傾向があり、ひど
いときは上記化合物の層と熱可塑性樹脂との層とに層分
離を起こし、環状ポリエーテル組成物が不均一になる場
合があるので一般には好ましくない。
本発明の環状ポリエーテル組成物は、前記説明した環状
ポリエーテルと熱可塑性樹脂から構成した場合において
も、実施例において示すように十分実用に供し得るカリ
ウム電極に使用することが可能であるが、更に下記一般
式〔IV〕 ただし、Z1,Z2,Z3,及びZ4は同種または異種の水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基またはハロアルキル基
で、p1,p2,p3及びp4は同じかまたは異なる1〜5の整数
で、Mはアルカリ金属である。) で示される有機ホウ素化合物を前記環状ポリエーテルに
対して、モル比で0.001〜0.5好ましくは、0.01〜0.4の
範囲で用いることにより更にカリウム電極の測定感度及
び寿命を向上せしめることができる。有機ホウ素化合物
の量が環状ポリエーテルに対してモル比で0.5を越える
と、本発明の環状ポリエーテル組成物をカリウム電極と
して用いた場合に、カリウムイオンの選択性及び感度を
著しく低下させることがあるので好ましくない。
前記一般式〔IV〕中、Z1,Z2,Z3及びZ4で示されるハロゲ
ン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子
が用いられる。
また、前記一般式〔IV〕中、Z1,Z2,Z3及びZ4で示される
アルキル基としては、その炭素数に限定されないが、一
般には炭素数1〜4のものが好ましい。具体的には、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が
挙げられる。さらに、ハロアルキル基としては、上記の
アルキル基の水素原子の少なくとも1つ以上がハロゲン
原子で置換されたものが何ら制限されずに用い得る。具
体的には、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロム
エチル基、ヨードプロピル基、クロロブチル基、ジフル
オロメチル基、ジクロロエチル基、ジブロムプロピル
基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリ
ブロムプロピル基、ペンタフルオロエチル基、等が挙げ
られる。
本発明において用いる前記一般式〔IV〕で示される有機
ホウ素化合物は、公知の方法、例えば「J.Prackt.Che
m.,26,15(1964)」及び「Synth.React.Inorg.Met.−Or
g.Chem.,10,261(1980)」等に示された方法に従って合
成することができる。
前記一般式〔IV〕で示される有機ホウ素化合物中、Z1,Z
2,Z3及びZ4が水素原子、フッ素原子、塩素原子またはト
リフルオロメチル基である化合物は、容易に入手可能で
あるか、または入手物から目的アルカリ金属塩に塩交換
することによって容易に誘導可能であるため、本発明に
おいて好適に用いられる。また、一般式〔IV〕におい
て、アルカリ金属がカリウム、ルビジウム、セシウム等
が一般に水への溶解度が低いため好適であり、カリウム
である場合が特に好ましい。アルカリ金属がリチウム、
ナトリウムである場合には、一般に水溶性が大きいた
め、本発明の環状ポリエーテル組成物に含まれる熱可塑
性樹脂及び前記一般式(I)で示される環状ポリエーテ
ルとの組み合わせによっては得られる環状ポリエーテル
組成物が使用目的に合致しない場合があるので注意を要
する。
本発明の環状ポリエーテル組成物は、熱可塑性樹脂を含
むために、用途に応じて任意の形状、例えば、膜状物、
粒状物、繊維状物等に成形することができる。膜状物に
成形した場合には、カリウム電極として、粒状物や繊維
状物に成形した場合には、イオン交換樹脂あるいはクロ
マトグラフィー材料に応用することが可能である。
以下に、本発明の環状ポリエーテル組成物を膜状物に成
形した場合について説明する。
本発明の環状ポリエーテル組成物を成形して得た膜状物
をカリウム電極を構成する膜状物として使用する場合
は、その膜状物の厚さは、特に限定されないが、1〜10
00μmの範囲で選択すれば十分である。また、上記の膜
状物は、柔軟性を有するものの方がよく一般には膜状物
の引張弾性率(25℃)が5000kg/cm2以下のものが好まし
く、特に10〜3000kg/cm2好ましくは50〜2000kg/cm2の範
囲のものが好適に使用される。従って、一般に柔軟性の
膜状物が得られる、ポリウレタン類、ポリシロキサン類
を熱可塑性樹脂として用いる場合は、これらの樹脂をそ
のまま使用出来るが、比較的柔軟性に欠ける膜状物を付
与する熱可塑性樹脂例えばポリ塩化ビニル、ポリスチレ
ン等のようなものを用いるときは、可塑剤を使用するの
がよい。該可塑剤は特に限定されず公知のものを使用出
来るが、一般には次のようなものを使用すればよい。例
えばジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチ
ルフタレート、ジオクチルフタレート等のフタル酸エス
テル類;ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート
等の脂肪酸エステル類;オルソニトロフェニルオクチル
エーテル等のオルソニトロフェニルアルキルエーテル等
が挙げられる。これらの可塑剤の添加量は膜状物の使用
目的に応じて適宜選択すればよいが、一般には熱可塑性
樹脂100重量部に対して可塑剤を30〜300重量部の範囲で
選べば好適である。
上記の膜状物の製造方法は特に限定されない。一般に好
適に採用される代表的な製造方法を例示すれば次のとお
りである。
(i) 前記一般式(I)で示される化合物を熱可塑性
樹脂と共に、あるいはさらに可塑剤を添加して、これら
を有機溶媒に溶解し、該溶液を板上面に塗布または流し
込んだ後、有機溶媒を蒸発せしめて膜状物とする方法。
上記有機溶媒としては、熱可塑性樹脂及び一般式(I)
で示される化合物を溶解するものであれば公知のものが
何ら制限されず使用し得る。一般に好適に用いられる有
機溶媒を具体的に例示すれば、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン、塩化
メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、ベンゼン、トルエン等が挙げられる。
更に、前記一般式〔IV〕で示される有機ホウ素化合物を
添加する場合、有機ホウ素化合物単独では有機溶媒に難
溶である場合でも、前記一般式(I)で示される化合物
が共在する場合、前記一般式(I)で示される化合物に
対するモル比が0.5以下では、可溶化することが多いの
で予め溶解試験を実施した上で溶媒を選択することが望
ましい。
(ii) 一般式(I)で示される化合物を熱可塑性樹脂
と更には可塑剤、更に必要に応じて前記一般式〔IV〕で
示される有機ホウ素化合物を加えて、該混合物を原料に
加熱成形して膜状物とする方法がある。該加熱成形する
方法は特に限定されず公知の方法が採用出来る。例えば
前記一般式(I)で示される化合物、熱可塑性樹脂ある
いは必要に応じて可塑剤を添加した混合物を該熱可塑性
樹脂の軟化温度または溶融温度以上の温度下に溶融押出
し、膜状物に成形する方法あるいは該混合物を熱プレス
により膜状物に成形する方法を採用すればよい。
上記に示した方法により得られる膜状物は特にカリウム
電極の膜状物として好適に使用される。該膜状物をカリ
ウム電極に構成する態様については公知の方法が特に限
定されずに用いうる。例えば、前記(i)に示した一般
式(I)で示される化合物を溶解した溶液をガラス板上
に流出し、該溶媒を除去して膜状物を形成せしめ、膜状
物を得て、その膜状物を所定の大きさに切り出し、膜ホ
ルダーに膜状物を装着しカリウム電極とする方法、ある
いは銀線、白金線等の表面に、直接膜状物を形成せし
め、それをカリウム電極とする方法などが挙げられる。
〔発明の効果〕
本発明の環状ポリエーテル組成物は、前記したように、
カリウムイオンに対する選択性が極めて良好であり、こ
れを成形した膜状物は、カリウム電極を構成する膜状物
として理想的なものである。その他本発明の環状ポリエ
ーテルを含有する組成物は、カリウム塩の選択的輸送能
力あるいは選択的吸収能力を有しており、カリウム塩の
除去、更には濃縮等への応用も可能である。
以下に本発明を更に具体的に説明するために製造例及び
実施例を挙げるが、本発明はこれらの製造例及び実施例
に限定されるものではない。
実施例において、本発明の組成物を成形して得た膜状物
を用いた電極の性能は、第2図に示した膜ホルダーに、
膜状物を装着し、第1図に示した装置を用いて評価し
た。
すなわち、第1図は起電力を測定する装置の説明図であ
り、第2図は第1図の電極に内蔵される各種構成要素を
示す説明図である。本発明の化合物から製造した膜状物
は、第2図の膜状物(16)に設置してカリウム選択性電
極の構成部品として使用される。なお、第1図及び第2
図中、各数値は次の内容を示す。
1 電極 2 測定溶液 3 磁気回転子 4 磁気撹拌機 5 酢酸リチウム塩橋 6 塩化カリウム飽和水溶液 7 飽和かんこう電極 8 エレクトロメーター 11 アクリル製膜ホルダー 12 銀線 13 被覆ガラス管 14 銀−塩化銀線 15 塩化カリウム内部標準液 16 膜 17 O−リング 製造例1 磁気回転子を入れた内容積30mlの三角フラスコに で示される化合物(以下単にクロルメチルベンゾ−15−
クラウン−5という)3.2ミリモル、水酸化ナトリウム3
2ミリモル、水1.4ml、塩化メチレン2ml及び3,4,5−トリ
クロルフェノール3.2ミリモルを仕込み、撹拌をしなが
ら室温下で16時間反応させた。反応後、水30ml、塩化メ
チレン30mlを加えてよく振とうし、油層を回収、さらに
水30mlに加えて塩酸で中和し、油層を回収、ボウ硝で乾
燥した後溶媒を除去、酢酸エチルを展開溶媒としてカラ
ム分別し、さらにIPAより再結晶して黄白色の結晶0.5g
(収率14%)を回収した。得られたものについて以下の
分析を行った。
(1) 赤外吸収スペクトル(結果を第3図として添付
する。) (2) H1−各磁気共鳴スペクトル(結果を第4図とし
て添付する。) 測定溶媒:重クロロホルム 標 準:テトラメチルシラン (a) 6.6〜8.1ppm (b) 4.8〜4.9ppm (c) 3.4〜4.5ppm (3) 質量分析スペクトル FD法 m/e=476,478,480,482(M+) (塩素イオンが質量35と37のものがあるのでM+は上記の
如く4本に分裂して表われる。) (4) 元素分析 C H Cl 実 測 値 51.9% 4.69% 22.0% C21H23Cl3O6としての計算値 52.9% 4.83% 22.4% 以上の測定より、生成物が目的物であることが確認でき
た。
製造例2〜130 磁気回転子を入れた内容積30mlの三角フラスコに、クロ
ルメチルベンゾ−15−クラウン−5を3.2ミリモル、一
般式R−OHで示されるフェノール(ただし第1表中では
Rのみを示した)を3.2ミリモル、水酸化ナトリウム32
ミリモル、水1.4ml及び塩化メチレン2mlを仕込み、撹拌
をしながら室温下で16時間反応させた。反応後、水30m
l、塩化メチレン30mlを加えてよく振とうし、油層を回
収、さらに水30mlを加えて塩酸で中和し、油層を回収、
ボウ硝で乾燥した後溶媒を除去して酢酸エチルを展開溶
媒としてカラム分別し、前記一般式(I)で示される化
合物を合成した。
これらの合成された化合物については、製造例1と同様
に赤外吸収スペクトル、H1−核磁気共鳴スペクトル、質
量分析スペクトル、元素分析を行い、目的物であること
を確認した。
なお、参考までに製造例のうち※印の化合物については
第5図〜第10図に赤外吸収スペクトル及び1H−核磁気共
鳴スペクトルを示した。また、各化合物の収量及び性状
を第1表に併せて示した。
実施例2 本発明の化合物のカリウム選択性電極への応用例を示
す。
製造例1〜130に於いて得られた本発明の化合物を10m
g、ポリ塩化ビニル(重合度1100)200mg、オルソニトロ
オクチルフェニルエーテル400mgを10mlのテトラヒドロ
フランに溶解した。この溶液を平滑なガラス板上に流延
した後、テトラヒドロフランを蒸発せしめて約100ミク
ロン厚の膜を得た。この膜を第2図のように電極に装着
し、第1図に示した装置を用いて電極性能を評価した。
すべての測定は25℃で行った。
ナトリウムイオンに対するカリウムイオンの選択倍率の
決定は、「イオン選択性電極」(共立出版1977)第2章
第3節に記載された混合溶液法によって求めた。具体的
には塩化カリウムと塩化ナトリウムを含む水溶液におい
て、塩化カリウムを一定濃度(10-4M)とし、塩化ナト
リウムの濃度を変化させて起電力を測定した。そして、
起電力と塩化ナトリウム濃度の関係をプロットし、その
屈曲点における塩化ナトリウムの濃度を塩化カリウムの
濃度で除した値をもって選択倍率とした。この値は大な
るほどカリウム選択性電極として優れている。
また、塩化カリウムのみを10-1〜10-5Mの濃度範囲で含
む水溶液の起電力を測定して、起電力と塩化カリウム濃
度との関係より勾配を塩化カリウム濃度が10倍変化する
についての起電力の変化量としてmV/decadeの単位で求
めた。結果を第3表に示す。
実施例3 第4表に示した環状ポリエーテル10mgと熱可塑性樹脂及
び可塑剤を第4表に示した組成で10mlのテトラヒドロフ
ランに溶解した。この溶液を平滑なガラス板上に流延し
た後、テトラヒドロフランを蒸発せしめて、約100ミク
ロン厚の膜状物を得た。これらの膜状物を用いて構成し
た電極の性能を第4表中の電極性能に示す。
なお、以下、熱可塑性樹脂及び可塑剤を次のように略記
する。
ポリ塩化ビニル :PVC ポリメチルメタクリレート :PMMA ポリスチレン :PSt ポリ塩化ビニリデン :PVDC オルソニトロフェニルオクチルエーテル :NPOE ジブチルフタレート :DBP ジオクチルフタレート :DOP ジオクチルアジペート :DOA ジオクチルセバケート :DOS 実施例4 製造例35によって得られた化合物20mg、ポリ塩化ビニル
200mg、オルソニトロフェニルオクチルエーテル400mgを
ガラス製小型シャーレに入れ、120℃に加熱した熱板上
でミクロスパーテルを用いて十分混合した後、該混合物
を熱プレスにより約70μm厚の膜状物に成形した。この
膜状物を用いて構成したカリウム電極性能は選択倍率20
00、勾配51mV/decadeであった。
実施例5 第5表に示した環状ポリエーテル20mgと、熱可塑性樹脂
及び可塑剤を第5表に示した組成で3mlのテトラヒドロ
フランに溶解した。この溶液に外径0.5mmの白金線を10
秒間浸せきした後、溶液より取り出し10分間放置し、溶
媒であるテトラヒドロフランを蒸発せしめた。この操作
を10回繰り返し、白金線表面に膜状物を形成せしめた。
測定液と白金線との接触を避けるため白金露出部分をテ
トラフルオロエチレン製テープで被覆した。これら膜状
物被覆白金線の電極性能を評価した。その結果を第5表
中に電極性能として示した。
実施例6 第6表に示した環状ポリエーテル20mgと熱可塑性樹脂20
0mg及び可塑剤300mg及び一般式(II)で示される有機ホ
ウ素化合物をシッフ塩基型ベンゾクラウンエーテルに対
して所定のモル比で1,2−ジクロルエタン10mlに溶解し
た後、ガラス板に流延し、1,2−ジクロルエタンを蒸発
せしめ、約100μm圧の膜状物を得た。得られた膜状物
を用いて構成したカリウム電極の電極性能を第6表に示
す。
第6表に示すように、有機ホウ素化合物の添加により、
勾配が57〜60mVという極めて高い値を示し、高感度なカ
リウム電極を構成できることが明らかである。
実施例7 製造例18の化合物15mg、ポリ塩化ビニル200mg、オルソ
ニトロフェニルオクチルエーテル400mg、 を製造例18の化合物に対してモル比で0.1の量をガラス
製小型シャーレに入れ、120℃に加熱した熱板上でミク
ロスパーテルを用いて十分混合した後、該混合物を熱プ
レスにより約80μm厚の膜状物を得た。この膜状物を用
いて構成したカリウム電極の電極性能は、選択倍率400
0、勾配59mV/decadeであった。
実施例8 実施例2No.76で得た膜状物(製造例76の化合物及びポリ
塩化ビニル及びオルソニトロフェニルオクチルエーテル
よりなる)を用いて構成したカリウム電極、及び実施例
6No.5で得た膜状物(製造例76の化合物及びポリ塩化ビ
ニル及びオルソニトロフェニルオクチルエーテル及び よりなる)を用いて構成したカリウム電極を3の0.15
M NaCl、0.003M KClを含む水溶液に30℃にて浸漬し、
2週間毎に取り出し、電極性能を測定し、両者の電極の
耐久性を調べた。結果を第7表に示す。
【図面の簡単な説明】
前記一般式〔I〕で示される化合物を含む膜状物をカリ
ウム選択性電極として使用する場合の電極の概略図を第
1図および第2図に示す。 すなわち、第1図は起電力を測定する装置の説明図であ
り、第2図は第1図の電極に内蔵される各種構成要素を
示す説明図である。本発明の化合物から製造した膜状物
は、第2図の膜状物(16)に設置してカリウム選択性電
極の構成部品として使用される。なお、第1図及び第2
図中、各数値は次の内容を示す。 1……電極 2……測定溶液 3……磁気回転子 4……磁気撹拌機 5……酢酸リチウム塩橋 6……塩化カリウム飽和水溶液 7……飽和かんこう電極 8……エレクトロメーター 11……アクリル製膜ホルダー 12……銀線 13……被覆ガラス管 14……銀−塩化銀線 15……10-3M塩化カリウム内部標準液 16……膜状物 17……O−リング 第3図及び第4図はそれぞれ製造例1で得た化合物の赤
外吸収スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペクトル、第5
図及び第6図はそれぞれ製造例16で得た化合物の、第7
図及び第8図はそれぞれ実施例59で得た化合物の、第9
図及び第10図はそれぞれ実施例122で得た化合物の赤外
吸収スペクトル及び1H−核磁気共鳴スペクトルである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 (ただし、Rは (ただし、X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8,X9,X10,X11及びX
    12の基はそれぞれ同種又は異種の水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、フェニル基、ハロゲン置換もしくは非置
    換のアルキル基、ハロゲン置換もしくは非置換のアルコ
    キシ基、 (ただし、Y1,Y2,Y3,Y4及びY5は同種又は異種の水素原
    子、ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換又は非置換
    のアルコキシ基、ハロゲン置換もしくは非置換のアルキ
    ル基))、 よりなる群より選ばれた有機基) で示される環状ポリエーテル0.1〜20重量部及び (B)熱可塑性樹脂 100重量部 よりなる環状ポリエーテル組成物。
  2. 【請求項2】(A)一般式 (ただし、Rは (ただし、X1,X2,X3,X4,X5,X6,X7,X8,X9,X10,X11および
    X12の基はそれぞれ同種又は異種の水素原子、ハロゲン
    原子、ニトロ基、フェニル基、ハロゲン置換もしくは非
    置換のアルキル基、ハロゲン置換もしくは非置換のアル
    コキシ基、 (ただし、Y1,Y2,Y3,Y4及びY5は同種又は異種の水素原
    子、ニトロ基、ハロゲン原子、ハロゲン置換又は非置換
    のアルコキシ基、ハロゲン置換もしくは非置換のアルキ
    ル基))、 よりなる群から選ばれた有機基) で示される環状ポリエーテル0.1〜20重量部及び (B)熱可塑性樹脂 100重量部及び (C)上記の環状ポリエーテルに対してモル比で0.001
    〜0.5の 一般式 (ただし、Z1,Z2,Z3及びZ4は同種または異種の水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基またはハロアルキル基
    で、p1,p2,p3及びp4は同じかまたは異なる1〜5の整数
    で、Mはアルカリ金属である。) で示される有機ホウ素化合物よりなる環状ポリエーテル
    組成物。
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