JP2876117B2 - 運動用臼歯保護具 - Google Patents
運動用臼歯保護具Info
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- B32B17/00—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
- B32B17/06—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
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- B32B17/10005—Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin laminated safety glass or glazing
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- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/30—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising vinyl (co)polymers; comprising acrylic (co)polymers
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- A63B—APPARATUS FOR PHYSICAL TRAINING, GYMNASTICS, SWIMMING, CLIMBING, OR FENCING; BALL GAMES; TRAINING EQUIPMENT
- A63B2209/00—Characteristics of used materials
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、プロスポーツ選
手や一般のスポーツ愛好家あるいは重量物を持つ人が、
運動等を行う場合に臼歯保護のため着用する運動用臼歯
保護具に関するものである。
手や一般のスポーツ愛好家あるいは重量物を持つ人が、
運動等を行う場合に臼歯保護のため着用する運動用臼歯
保護具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ゴルフ、野球、トラック競技等の運動全
般において、集中力や瞬発力など、その力を発揮させる
時点および状態は運動の種類によりそれぞれ異なるが、
その力を集中発揮させる際に、運動者あるいは重量物を
持つ人が上下の臼歯を瞬間的に強く噛みしめる点は、い
ずれの運動においても共通している。このように、運動
者の集中力や瞬発力と臼歯の噛み締め力とは、相互に密
接な関係を有しているところ、この瞬間的な臼歯の噛み
締めが連続的ないし長時間に亘って行われた場合、上下
の臼歯が互いに擦り減ったり、歯が欠けたりすることが
ある。その結果、上記集中力や瞬発力が発揮できなくな
ったり、臼歯のガタつきにより抜歯が必要となったりす
るなどの問題がある。また、この状態でさらに運動を続
けた場合にはプロとしてのスポーツ生命を継続すること
が困難となることもある。さらには、咬合状態に不正を
生じる結果、腰痛、肩こりあるいはその他の神経系の病
気を誘発したりするという深刻な事態も生じることが、
医学的に解明されている。このような事態は、一般スポ
ーツ愛好家よりもプロスポーツ選手に、またプロスポー
ツ選手にあっては、平均的レベルにある選手よりも高度
なレベルにあるいわゆる一流選手に見られる傾向が強
い。
般において、集中力や瞬発力など、その力を発揮させる
時点および状態は運動の種類によりそれぞれ異なるが、
その力を集中発揮させる際に、運動者あるいは重量物を
持つ人が上下の臼歯を瞬間的に強く噛みしめる点は、い
ずれの運動においても共通している。このように、運動
者の集中力や瞬発力と臼歯の噛み締め力とは、相互に密
接な関係を有しているところ、この瞬間的な臼歯の噛み
締めが連続的ないし長時間に亘って行われた場合、上下
の臼歯が互いに擦り減ったり、歯が欠けたりすることが
ある。その結果、上記集中力や瞬発力が発揮できなくな
ったり、臼歯のガタつきにより抜歯が必要となったりす
るなどの問題がある。また、この状態でさらに運動を続
けた場合にはプロとしてのスポーツ生命を継続すること
が困難となることもある。さらには、咬合状態に不正を
生じる結果、腰痛、肩こりあるいはその他の神経系の病
気を誘発したりするという深刻な事態も生じることが、
医学的に解明されている。このような事態は、一般スポ
ーツ愛好家よりもプロスポーツ選手に、またプロスポー
ツ選手にあっては、平均的レベルにある選手よりも高度
なレベルにあるいわゆる一流選手に見られる傾向が強
い。
【０００３】そこで、近時、特にプロスポーツ選手は、
このような事態を未然に防止するため、テンプレートを
着用して、運動時の臼歯保護を図っている。このテンプ
レートは、歯科医でのみ製作されるテンプレート、つま
り、被施癒者の咬合状態を具象化するために使用される
テンプレート（咬合歯型板）を改良したものであって、
歯科医院に特別注文することにより、以下の手順で製作
されている。 まず、歯科医師が、上下の歯の型をとって、バイトワ
ックス（咬合採取用ロウ材料）により、着用者の上下臼
歯の咬合位置を設定する。次に、咬合器に装着して、ロ
ウ歯型（テンプレート型）をとる。つぎに、このテン
プレート型を石膏に埋没して、石膏を硬化させる。そ
して、この石膏を上下に分割して加熱し、ロウ歯型を溶
融除去（ロウ抜き）することにより、石膏製の上下成形
型を製作する。さらに、この上下成形型内にアクリル
樹脂を填入して加熱し重合硬化させる。この後、該上
下成形型から成形品であるアクリル樹脂製のテンプレー
トを開輪して、これを研磨する。最後に、このテンプ
レートを模型上で調整し、さらに着用者の口腔内に装着
して、歯科医師が、その装着具合を見ながら適宜調整し
て、完成品とする。
このような事態を未然に防止するため、テンプレートを
着用して、運動時の臼歯保護を図っている。このテンプ
レートは、歯科医でのみ製作されるテンプレート、つま
り、被施癒者の咬合状態を具象化するために使用される
テンプレート（咬合歯型板）を改良したものであって、
歯科医院に特別注文することにより、以下の手順で製作
されている。 まず、歯科医師が、上下の歯の型をとって、バイトワ
ックス（咬合採取用ロウ材料）により、着用者の上下臼
歯の咬合位置を設定する。次に、咬合器に装着して、ロ
ウ歯型（テンプレート型）をとる。つぎに、このテン
プレート型を石膏に埋没して、石膏を硬化させる。そ
して、この石膏を上下に分割して加熱し、ロウ歯型を溶
融除去（ロウ抜き）することにより、石膏製の上下成形
型を製作する。さらに、この上下成形型内にアクリル
樹脂を填入して加熱し重合硬化させる。この後、該上
下成形型から成形品であるアクリル樹脂製のテンプレー
トを開輪して、これを研磨する。最後に、このテンプ
レートを模型上で調整し、さらに着用者の口腔内に装着
して、歯科医師が、その装着具合を見ながら適宜調整し
て、完成品とする。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構造および製作方法では、以下に述べるような種々
の問題点があり、前述した問題の完全解決にはさらなる
改良が要望されていた。 (1) 製作工程が多くて、製作に長時間を要するととも
に、着用者は完成品を得るまでに何度も歯科医院に足を
運ぶ必要があり、製作が非常に面倒である。このため、
従来のテンプレートは、着用を必須とする一部のプロス
ポーツ選手以外には、あまり利用されていないのが実情
である。 (2) 製作工程自体に特殊技術や熟練を要するため、製作
者毎に仕上がり精度にばらつきがあることは否めず、し
かも、複雑かつ多数の製作工程を経るため、着用者の歯
形にピッタリ適合するような、最適な臼歯保護具はなか
なか得難い。 (3) 製作工程数の多さ、要求される高い熟練度などか
ら、必然的に製造コストの高額化を招いている。 (4) 従来のアクリル樹脂製テンプレートは、製品硬度が
かなり固いため、たとえ上下臼歯と十分に適合するもの
を得たとしても、弾力性に乏しく、これがため、長時間
使用すると、歯が欠けるなど臼歯に有害な衝撃を与える
おそれがある。 (5) 上記(1) から(4) の理由により、特に、気軽にスポ
ーツを楽しむことを目的としている一般スポーツ愛好家
にとっての利用度はきわめて低い。 本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので
あって、プロスポーツ選手はもちろん一般のスポーツ愛
好家も手軽に入手でき、しかも、製作に長時間および熟
練を要することなく、着用者自身が自己の歯形に適した
ものを得ることができ、しかも、長期間に亘って使用し
ても臼歯の保護を維持することができる運動用臼歯保護
具を提供することを目的とする。
うな構造および製作方法では、以下に述べるような種々
の問題点があり、前述した問題の完全解決にはさらなる
改良が要望されていた。 (1) 製作工程が多くて、製作に長時間を要するととも
に、着用者は完成品を得るまでに何度も歯科医院に足を
運ぶ必要があり、製作が非常に面倒である。このため、
従来のテンプレートは、着用を必須とする一部のプロス
ポーツ選手以外には、あまり利用されていないのが実情
である。 (2) 製作工程自体に特殊技術や熟練を要するため、製作
者毎に仕上がり精度にばらつきがあることは否めず、し
かも、複雑かつ多数の製作工程を経るため、着用者の歯
形にピッタリ適合するような、最適な臼歯保護具はなか
なか得難い。 (3) 製作工程数の多さ、要求される高い熟練度などか
ら、必然的に製造コストの高額化を招いている。 (4) 従来のアクリル樹脂製テンプレートは、製品硬度が
かなり固いため、たとえ上下臼歯と十分に適合するもの
を得たとしても、弾力性に乏しく、これがため、長時間
使用すると、歯が欠けるなど臼歯に有害な衝撃を与える
おそれがある。 (5) 上記(1) から(4) の理由により、特に、気軽にスポ
ーツを楽しむことを目的としている一般スポーツ愛好家
にとっての利用度はきわめて低い。 本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので
あって、プロスポーツ選手はもちろん一般のスポーツ愛
好家も手軽に入手でき、しかも、製作に長時間および熟
練を要することなく、着用者自身が自己の歯形に適した
ものを得ることができ、しかも、長期間に亘って使用し
ても臼歯の保護を維持することができる運動用臼歯保護
具を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この請求項１に記載の発明は、上下臼歯の咬合面に
対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護部と、該両
臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯保護具であ
って、臼歯保護部は、上部層、下部層、および、上部層
と下部層の間に介在する中間層からなり、上部層および
下部層が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よ
りも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等からなる易軟
化材で形成され、中間層が、水の沸騰温度以下では軟化
しないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコ
ン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難軟化
材からなることを特徴とする。また請求項２に記載の発
明は、上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有する左右
一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接する連接部
とを備える臼歯保護具であって、臼歯保護部は、上部層
と下部層からなり、上部層および下部層のいずれか一方
が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低
い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等からなる易軟化材で
形成され、上部層および下部層のいずれか他方が、水の
沸騰温度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴ
ム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の
弾力性を有する難軟化材からなることを特徴とする臼歯
保護具である。また請求項３に記載の発明は、上下臼歯
の咬合面に対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護
部と、該両臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯
保護具の製造方法であって、臼歯保護部を、人の体温よ
りも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有
する熱可塑性樹脂等の易軟化材により、内部に空部を設
けて形成し、この空部に、水の沸騰温度以下では軟化し
ないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコン
樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難軟化材
を注入して成形することを特徴とする臼歯保護具の製造
方法である。また請求項４に記載の発明は、上下臼歯の
咬合面に対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護部
と、該両臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯保
護具の製造方法であって、臼歯保護部を、人の体温より
も高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有す
る熱可塑性樹脂等の易軟化材により、中間層を外側方に
開放した空部を設けて形成し、この空部に、水の沸騰温
度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合
成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性
を有する難軟化材を介在させて成形することを特徴とす
る臼歯保護具の製造方法である。本発明の請求項１の臼
歯保護具を使用するに際しては、まず、この臼歯保護具
を、例えば８０℃程度の軟化温度まで加熱した熱湯の中
に、所定時間浸漬して熱可塑性樹脂等の易軟化材からな
る層を軟化させる。この後、軟化した臼歯保護具を、着
用者の口腔内に挿入する。この際、左右の臼歯保護部を
下顎の左右の臼歯上にそれぞれ当接させるとともに、連
接部を下顎の前歯の裏側面（舌側面）に当接させた状態
で、これらを手指にて押圧して各歯に密着させる。続い
て、この状態のまま、着用者自身が下顎と上顎を噛みし
めることにより、軟化状態にある左右臼歯保護部の上部
層および下部層を変形させて、上下臼歯の歯形に合致し
た形状に成形させる。このとき、中間層が、水の沸騰温
度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合
成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性
を有する難軟化材によって構成されていることにより、
着用者が十分強く噛みしめても噛みきられるおそれがな
く、熱可塑性樹脂等の易軟化材の層に十分強く臼歯の形
をつけることができる。なお、この使用時の成形作業
を、臼歯保護具の製造時の成形作業と区別するため、以
下の説明においては、「使用成形」と称することとす
る。使用成形された臼歯保護具は、軟化温度以下まで冷
却されて硬化した後、口腔内に装着して使用に供され
る。本発明の請求項２の運動用臼歯保護具を使用するに
際しては、上部層または下部層の内、熱可塑性樹脂等の
易軟化材からなる層を熱湯中で軟化させた後、易軟化材
からなる層を左右の臼歯の上に押し当てた後、強く噛み
しめることにより、当該層の表面を臼歯の歯形に合致し
た形状に形成させる。このとき、難軟化材からなる層は
噛み切られたりするおそれがなく、十分強く噛みしめる
ことができる。しかも、請求項２の発明においては、上
部層および下部層のいずれか一方が熱可塑性樹脂等の易
軟化材からなり、他方が難軟化材からなるので、臼歯保
護具は上下いずれかの臼歯とは合致するが他方の層には
歯形形状に形成されていないので、臼歯保護具を装着し
たままで臼歯を左右に比較的自由に滑らすことができ、
ゲーム時間の長いスポーツにおいても装着したままでい
ることを可能とする。
に、この請求項１に記載の発明は、上下臼歯の咬合面に
対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護部と、該両
臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯保護具であ
って、臼歯保護部は、上部層、下部層、および、上部層
と下部層の間に介在する中間層からなり、上部層および
下部層が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よ
りも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等からなる易軟
化材で形成され、中間層が、水の沸騰温度以下では軟化
しないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコ
ン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難軟化
材からなることを特徴とする。また請求項２に記載の発
明は、上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有する左右
一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接する連接部
とを備える臼歯保護具であって、臼歯保護部は、上部層
と下部層からなり、上部層および下部層のいずれか一方
が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低
い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等からなる易軟化材で
形成され、上部層および下部層のいずれか他方が、水の
沸騰温度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴ
ム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の
弾力性を有する難軟化材からなることを特徴とする臼歯
保護具である。また請求項３に記載の発明は、上下臼歯
の咬合面に対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護
部と、該両臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯
保護具の製造方法であって、臼歯保護部を、人の体温よ
りも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有
する熱可塑性樹脂等の易軟化材により、内部に空部を設
けて形成し、この空部に、水の沸騰温度以下では軟化し
ないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコン
樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難軟化材
を注入して成形することを特徴とする臼歯保護具の製造
方法である。また請求項４に記載の発明は、上下臼歯の
咬合面に対応した上下面を有する左右一対の臼歯保護部
と、該両臼歯保護部を連接する連接部とを備える臼歯保
護具の製造方法であって、臼歯保護部を、人の体温より
も高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有す
る熱可塑性樹脂等の易軟化材により、中間層を外側方に
開放した空部を設けて形成し、この空部に、水の沸騰温
度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合
成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性
を有する難軟化材を介在させて成形することを特徴とす
る臼歯保護具の製造方法である。本発明の請求項１の臼
歯保護具を使用するに際しては、まず、この臼歯保護具
を、例えば８０℃程度の軟化温度まで加熱した熱湯の中
に、所定時間浸漬して熱可塑性樹脂等の易軟化材からな
る層を軟化させる。この後、軟化した臼歯保護具を、着
用者の口腔内に挿入する。この際、左右の臼歯保護部を
下顎の左右の臼歯上にそれぞれ当接させるとともに、連
接部を下顎の前歯の裏側面（舌側面）に当接させた状態
で、これらを手指にて押圧して各歯に密着させる。続い
て、この状態のまま、着用者自身が下顎と上顎を噛みし
めることにより、軟化状態にある左右臼歯保護部の上部
層および下部層を変形させて、上下臼歯の歯形に合致し
た形状に成形させる。このとき、中間層が、水の沸騰温
度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合
成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性
を有する難軟化材によって構成されていることにより、
着用者が十分強く噛みしめても噛みきられるおそれがな
く、熱可塑性樹脂等の易軟化材の層に十分強く臼歯の形
をつけることができる。なお、この使用時の成形作業
を、臼歯保護具の製造時の成形作業と区別するため、以
下の説明においては、「使用成形」と称することとす
る。使用成形された臼歯保護具は、軟化温度以下まで冷
却されて硬化した後、口腔内に装着して使用に供され
る。本発明の請求項２の運動用臼歯保護具を使用するに
際しては、上部層または下部層の内、熱可塑性樹脂等の
易軟化材からなる層を熱湯中で軟化させた後、易軟化材
からなる層を左右の臼歯の上に押し当てた後、強く噛み
しめることにより、当該層の表面を臼歯の歯形に合致し
た形状に形成させる。このとき、難軟化材からなる層は
噛み切られたりするおそれがなく、十分強く噛みしめる
ことができる。しかも、請求項２の発明においては、上
部層および下部層のいずれか一方が熱可塑性樹脂等の易
軟化材からなり、他方が難軟化材からなるので、臼歯保
護具は上下いずれかの臼歯とは合致するが他方の層には
歯形形状に形成されていないので、臼歯保護具を装着し
たままで臼歯を左右に比較的自由に滑らすことができ、
ゲーム時間の長いスポーツにおいても装着したままでい
ることを可能とする。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明に係る臼歯保護具１は左右
一対の臼歯保護部２，２および連接部３とからなり、使
用に際して、各着用者個人の歯形に合致する形状に使用
成形された後、図９に示すように上下臼歯４，５間に噛
みしめた状態で使用されるものである。臼歯保護部の第
１の態様は、図１，４，５に示すように臼歯保護部が上
部層２１と下部層２３と中間層２５の３層からなるもの
で、この３層の内、上部層２１および下部層２３の軟化
温度が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度より
も低い熱可塑性樹脂からなる易軟化材で形成され、中間
層２５が、水の沸騰温度以下では軟化しない難軟化材か
らなるものである。この第１の態様は、さらに、図１に
示すように易軟化材からなる上部層２１と下部層２３と
の間に難軟化材からなる中間層２５がサンドイッチ状に
挟まれている態様のものと、図４に示すように難軟化材
からなる中間層２５の内側部分２２が上部層２１・下部
層２３と同材質の易軟化材で連接されている態様のもの
と、図５に示すように難軟化材からなる中間層２５の内
側部分２２及び外側部分２４が、上部層２１・下部層２
３と同材質の易軟化材で連接され、中間層２５の周囲が
易軟化材によって囲まれている態様のものとがある。臼
歯保護部の第２の態様は２層からなるもので、その１つ
は図７に示すように臼歯保護部が上部層２７と下部層２
９の２層からなり、上部層２７が、水の沸騰温度以下で
は軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、
シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の難軟化材からな
り、下部層２９が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸
騰温度よりも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂の易軟
化材からなるものである。２層からなる臼歯保護部の他
の態様は、図８に示すように臼歯保護部が上部層３１と
下部層３３の２層からなり、上部層３１が、人の体温よ
りも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有
する熱可塑性樹脂からなる易軟化材で形成され、下部層
３３が、水の沸騰温度以下では軟化しないエラストマ
ー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱
可塑性樹脂等の難軟化材からなるものである。いずれの
態様においても連接部３は易軟化材によって形成するの
が好ましい。
一対の臼歯保護部２，２および連接部３とからなり、使
用に際して、各着用者個人の歯形に合致する形状に使用
成形された後、図９に示すように上下臼歯４，５間に噛
みしめた状態で使用されるものである。臼歯保護部の第
１の態様は、図１，４，５に示すように臼歯保護部が上
部層２１と下部層２３と中間層２５の３層からなるもの
で、この３層の内、上部層２１および下部層２３の軟化
温度が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度より
も低い熱可塑性樹脂からなる易軟化材で形成され、中間
層２５が、水の沸騰温度以下では軟化しない難軟化材か
らなるものである。この第１の態様は、さらに、図１に
示すように易軟化材からなる上部層２１と下部層２３と
の間に難軟化材からなる中間層２５がサンドイッチ状に
挟まれている態様のものと、図４に示すように難軟化材
からなる中間層２５の内側部分２２が上部層２１・下部
層２３と同材質の易軟化材で連接されている態様のもの
と、図５に示すように難軟化材からなる中間層２５の内
側部分２２及び外側部分２４が、上部層２１・下部層２
３と同材質の易軟化材で連接され、中間層２５の周囲が
易軟化材によって囲まれている態様のものとがある。臼
歯保護部の第２の態様は２層からなるもので、その１つ
は図７に示すように臼歯保護部が上部層２７と下部層２
９の２層からなり、上部層２７が、水の沸騰温度以下で
は軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、
シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の難軟化材からな
り、下部層２９が、人の体温よりも高く、かつ、水の沸
騰温度よりも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂の易軟
化材からなるものである。２層からなる臼歯保護部の他
の態様は、図８に示すように臼歯保護部が上部層３１と
下部層３３の２層からなり、上部層３１が、人の体温よ
りも高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有
する熱可塑性樹脂からなる易軟化材で形成され、下部層
３３が、水の沸騰温度以下では軟化しないエラストマ
ー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱
可塑性樹脂等の難軟化材からなるものである。いずれの
態様においても連接部３は易軟化材によって形成するの
が好ましい。
【０００７】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。臼歯保護具１は左右一対の臼歯保護部２，２お
よび連接部３とからなる。使用に際して、各着用者個人
の歯形に合致する形状に使用成形された後（図１０参
照）、図９のように上下臼歯４，５間に噛みしめた状態
で使用される。臼歯保護部が３層の場合は上部層・下部
層を、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よりも
低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂の易軟化材によって
構成し、２層の場合は一方の層を人の体温よりも高く、
かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有する熱可塑
性樹脂等の易軟化材によって構成する。図１は、臼歯保
護部２が、上部層２１と下部層２３と中間層２５の３層
からなり、しかも、この３層がサンドイッチ状に積層さ
れている場合である。図２は平面図であり、図３はIII
−III 線で切断した断面図である。図４は、中間層２５
の内側部分２２が上部層２１・下部層２３と同材質の易
軟化材によって構成されている場合を示している。
明する。臼歯保護具１は左右一対の臼歯保護部２，２お
よび連接部３とからなる。使用に際して、各着用者個人
の歯形に合致する形状に使用成形された後（図１０参
照）、図９のように上下臼歯４，５間に噛みしめた状態
で使用される。臼歯保護部が３層の場合は上部層・下部
層を、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度よりも
低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂の易軟化材によって
構成し、２層の場合は一方の層を人の体温よりも高く、
かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有する熱可塑
性樹脂等の易軟化材によって構成する。図１は、臼歯保
護部２が、上部層２１と下部層２３と中間層２５の３層
からなり、しかも、この３層がサンドイッチ状に積層さ
れている場合である。図２は平面図であり、図３はIII
−III 線で切断した断面図である。図４は、中間層２５
の内側部分２２が上部層２１・下部層２３と同材質の易
軟化材によって構成されている場合を示している。
【０００８】図５は、中間層２５の内側部分２２及び外
側部分２４が、上部層２１・下部層２３と同材質の易軟
化材によって構成されている場合を示している。この易
軟化材である熱可塑性樹脂としては、その軟化温度が比
較的低いもの、つまり、人の体温よりも高くかつ熱湯温
度よりも低い軟化温度（例えば６０〜９０℃）を有する
ものが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂、シリコン
樹脂、酢酸ビニル樹脂などが好適に使用される。図示例
の臼歯保護具１の熱可塑性樹脂の部分、すなわち、３層
の場合の上・下部層、２層の場合の一方の層（つまり図
７の下部層２９、図８の場合の上部層３１）は、エチレ
ンー酢酸ビニル共重合体が好適に使用され、その軟化温
度は８０℃前後で、しかも成形後においても適度の柔軟
性を保つ。エチレンー酢酸ビニル共重合体は、酢酸が２
０〜３３重量％のものが好適に使用される。
側部分２４が、上部層２１・下部層２３と同材質の易軟
化材によって構成されている場合を示している。この易
軟化材である熱可塑性樹脂としては、その軟化温度が比
較的低いもの、つまり、人の体温よりも高くかつ熱湯温
度よりも低い軟化温度（例えば６０〜９０℃）を有する
ものが好ましい。例えば、ポリウレタン樹脂、シリコン
樹脂、酢酸ビニル樹脂などが好適に使用される。図示例
の臼歯保護具１の熱可塑性樹脂の部分、すなわち、３層
の場合の上・下部層、２層の場合の一方の層（つまり図
７の下部層２９、図８の場合の上部層３１）は、エチレ
ンー酢酸ビニル共重合体が好適に使用され、その軟化温
度は８０℃前後で、しかも成形後においても適度の柔軟
性を保つ。エチレンー酢酸ビニル共重合体は、酢酸が２
０〜３３重量％のものが好適に使用される。
【０００９】これに対し、３層の場合の中間層および２
層の場合の他方の層（つまり図７の上部層２７、図８の
場合の下部層３３）に適用される難軟化材としては、水
の沸騰温度以下では軟化しないエラストマー、シリコン
ゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂が
使用される。例えば三菱化学株式会社のラバロンＭＪシ
リーズ、日本ユニカー株式会社のナックフレックスＮＴ
７シリーズ、住友化学工業株式会社の住友ＴＰＥーＳＢ
２０００シリーズなどが使用される。なお、３層の場合
の上・下部層と中間層とに、あるいは、２層の場合の一
方の層と他方の層とに、酢酸の含有量を異にするエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を適用してもよい。この場合、
難軟化材の層の方の酢酸の含有量を少なくする。例え
ば、３層の内、上・下部層の酢酸の含有量を２０〜３３
重量％、中間層の含有量を１０〜２５重量％とし、両者
の含有量の間に５〜１０重量％程度以上の差を設ける。
左右一対の臼歯保護部２，２は、左右対称の同一形状と
されている。各臼歯保護部２は、略矩形状の断面を有す
るとともに、その上下面２ａ，２ｂが、標準的な体格の
人間を基準として、上記上下臼歯４，５の咬合面に対応
した平面とされている。つまり、上記上下面２ａ，２ｂ
はそれぞれ、上記咬合面４ａ，５ａの輪郭よりも若干大
きな輪郭形状を有する平面に形成されている。また、上
記上下面２ａ，２ｂ間の高さ寸法は、これら両面間の使
用成形時の厚さ寸法を考慮して設定され、好ましくは２
〜９mmに設定されており、さらに好ましくは小臼歯側よ
りも大臼歯側の方の厚さが１０〜５０％薄くなるように
形成する。このようにすることにより、より異物感の少
ない臼歯保護具を提供可能となる。また大臼歯側の幅よ
り小臼歯側の幅を１０〜４０％細くなるように形成する
と、より異物感の少ない臼歯保護具を提供可能となる。
層の場合の他方の層（つまり図７の上部層２７、図８の
場合の下部層３３）に適用される難軟化材としては、水
の沸騰温度以下では軟化しないエラストマー、シリコン
ゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂が
使用される。例えば三菱化学株式会社のラバロンＭＪシ
リーズ、日本ユニカー株式会社のナックフレックスＮＴ
７シリーズ、住友化学工業株式会社の住友ＴＰＥーＳＢ
２０００シリーズなどが使用される。なお、３層の場合
の上・下部層と中間層とに、あるいは、２層の場合の一
方の層と他方の層とに、酢酸の含有量を異にするエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体を適用してもよい。この場合、
難軟化材の層の方の酢酸の含有量を少なくする。例え
ば、３層の内、上・下部層の酢酸の含有量を２０〜３３
重量％、中間層の含有量を１０〜２５重量％とし、両者
の含有量の間に５〜１０重量％程度以上の差を設ける。
左右一対の臼歯保護部２，２は、左右対称の同一形状と
されている。各臼歯保護部２は、略矩形状の断面を有す
るとともに、その上下面２ａ，２ｂが、標準的な体格の
人間を基準として、上記上下臼歯４，５の咬合面に対応
した平面とされている。つまり、上記上下面２ａ，２ｂ
はそれぞれ、上記咬合面４ａ，５ａの輪郭よりも若干大
きな輪郭形状を有する平面に形成されている。また、上
記上下面２ａ，２ｂ間の高さ寸法は、これら両面間の使
用成形時の厚さ寸法を考慮して設定され、好ましくは２
〜９mmに設定されており、さらに好ましくは小臼歯側よ
りも大臼歯側の方の厚さが１０〜５０％薄くなるように
形成する。このようにすることにより、より異物感の少
ない臼歯保護具を提供可能となる。また大臼歯側の幅よ
り小臼歯側の幅を１０〜４０％細くなるように形成する
と、より異物感の少ない臼歯保護具を提供可能となる。
【００１０】連接部３は、上記左右の臼歯保護部２，２
の前部２ｃ，２ｃ同士を連接するもので、その形状寸法
は、下顎の前歯７の裏側面（舌側面）７ａ……に沿う薄
肉の湾曲形状とされている。臼歯保護部２を３層とする
場合には、中央部に心材を配した状態で熱可塑性樹脂に
よって臼歯保護部２と連接部とを一体形成した後、心材
を除去し、この心材を除去することによって生じた空部
に難軟化材であるシリコンゴム、シリコン樹脂、エラス
トマが注入成形される。心材の除去は、側方に行う場合
と後方に行う場合とがある。図１１は心材３１を後方に
抜き、心材を抜いたあとの空部３２に難軟化材であるシ
リコン樹脂、シリコンゴムまたはエラストマを注入し成
形する状態を示す。図１２は心材３３を側方に除去し、
除去したあとに難軟化材であるエラストマー、シリコン
ゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂を
充填して中間層２５を成形する状態を示す。
の前部２ｃ，２ｃ同士を連接するもので、その形状寸法
は、下顎の前歯７の裏側面（舌側面）７ａ……に沿う薄
肉の湾曲形状とされている。臼歯保護部２を３層とする
場合には、中央部に心材を配した状態で熱可塑性樹脂に
よって臼歯保護部２と連接部とを一体形成した後、心材
を除去し、この心材を除去することによって生じた空部
に難軟化材であるシリコンゴム、シリコン樹脂、エラス
トマが注入成形される。心材の除去は、側方に行う場合
と後方に行う場合とがある。図１１は心材３１を後方に
抜き、心材を抜いたあとの空部３２に難軟化材であるシ
リコン樹脂、シリコンゴムまたはエラストマを注入し成
形する状態を示す。図１２は心材３３を側方に除去し、
除去したあとに難軟化材であるエラストマー、シリコン
ゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂を
充填して中間層２５を成形する状態を示す。
【００１１】次に、以上のように構成された臼歯保護具
１の使用成形方法について説明する。 (1) 臼歯保護具１を、易軟化材の軟化温度である８０℃
程度に加熱した熱湯の中に浸漬しておくと、該臼歯保護
具１の易軟化材によって構成されている層は３０秒〜１
分間程度で軟化温度まで温められて、可撓性の軟化状態
となる。 (2) この軟化した臼歯保護具１を、着用者の口腔内に挿
入した後、予備成形する。すなわち着用者が、図９に示
すように臼歯保護具１の左右の臼歯保護部２，２を、下
顎左右の臼歯５、５上にそれぞれ当接させるとともに、
連接部を、下顎の前歯７…の裏側７ａ…に当接させた
後、手指によりこれらの各部位を押圧して、上記各臼歯
および前歯に密着させて、予備成形する。 (3) 臼歯保護具１が予備成形された状態で、図１０に示
すように着用者自身が下顎と上顎を噛みしめると、自己
の歯形に合致する形状に使用成形される。すなわち、上
記噛みしめ力によって、軟化状態にある臼歯保護具１の
易軟化材からなる層が塑性変形されて、上記左右臼歯保
護部２，２の上面および下面、またはいずれか一方の面
は、その中央部分が上下臼歯４，５の咬合面４ａ，５ａ
に沿った凹凸面に成形されるとともに、その周囲部分が
上記咬合面４ａ，５ａの外周部分を覆い、これにより、
着用者個人の歯形にピッタリ適合した形状が使用成形さ
れる。
１の使用成形方法について説明する。 (1) 臼歯保護具１を、易軟化材の軟化温度である８０℃
程度に加熱した熱湯の中に浸漬しておくと、該臼歯保護
具１の易軟化材によって構成されている層は３０秒〜１
分間程度で軟化温度まで温められて、可撓性の軟化状態
となる。 (2) この軟化した臼歯保護具１を、着用者の口腔内に挿
入した後、予備成形する。すなわち着用者が、図９に示
すように臼歯保護具１の左右の臼歯保護部２，２を、下
顎左右の臼歯５、５上にそれぞれ当接させるとともに、
連接部を、下顎の前歯７…の裏側７ａ…に当接させた
後、手指によりこれらの各部位を押圧して、上記各臼歯
および前歯に密着させて、予備成形する。 (3) 臼歯保護具１が予備成形された状態で、図１０に示
すように着用者自身が下顎と上顎を噛みしめると、自己
の歯形に合致する形状に使用成形される。すなわち、上
記噛みしめ力によって、軟化状態にある臼歯保護具１の
易軟化材からなる層が塑性変形されて、上記左右臼歯保
護部２，２の上面および下面、またはいずれか一方の面
は、その中央部分が上下臼歯４，５の咬合面４ａ，５ａ
に沿った凹凸面に成形されるとともに、その周囲部分が
上記咬合面４ａ，５ａの外周部分を覆い、これにより、
着用者個人の歯形にピッタリ適合した形状が使用成形さ
れる。
【００１２】図１３、図１４は、２層の臼歯保護具が使
用成形された場合を示している。この場合は、上部層と
下部層のいずれか一方の層の表面に上下臼歯のいずれか
一方の咬合面に沿った凹凸面が成形される。この使用成
形により、上記上下面２ａ，２ｂ間の厚さ寸法は２〜９
mmから１〜５mmに減少する。より好ましくは２〜４mmと
なるのがよい。 (4) このように使用成形された臼歯保護具１は、その後
２０秒〜１分間程度で軟化温度以下まで冷却されて硬化
し、使用成形が完了する。しかして、以上のように使用
成形された臼歯保護具１は、図９に示すように、再び着
用者の口腔内に装着されて、上下臼歯４，５…間に噛み
しめた状態で使用に供され、臼歯保護具１自体のもつ適
度の柔軟性により、臼歯が保護される。このとき、難軟
化材からなる層を設けているので、十分強く噛みしめて
も臼歯保護部を上下の歯で噛みきるおそれがなく、臼歯
保護の効果が高いものである。
用成形された場合を示している。この場合は、上部層と
下部層のいずれか一方の層の表面に上下臼歯のいずれか
一方の咬合面に沿った凹凸面が成形される。この使用成
形により、上記上下面２ａ，２ｂ間の厚さ寸法は２〜９
mmから１〜５mmに減少する。より好ましくは２〜４mmと
なるのがよい。 (4) このように使用成形された臼歯保護具１は、その後
２０秒〜１分間程度で軟化温度以下まで冷却されて硬化
し、使用成形が完了する。しかして、以上のように使用
成形された臼歯保護具１は、図９に示すように、再び着
用者の口腔内に装着されて、上下臼歯４，５…間に噛み
しめた状態で使用に供され、臼歯保護具１自体のもつ適
度の柔軟性により、臼歯が保護される。このとき、難軟
化材からなる層を設けているので、十分強く噛みしめて
も臼歯保護部を上下の歯で噛みきるおそれがなく、臼歯
保護の効果が高いものである。
【００１３】
【発明の効果】本発明によれば、以下に説明する優れた
効果が得られ、スポーツ選手だけでなく、一般のスポー
ツ愛好家にも容易に入手することができ、しかも、各着
用者の歯形に適合した臼歯保護具の提供を可能とし、さ
らに、製作時に十分噛みしめて使用成形することができ
ると共に、使用時においても臼歯保護部が上下の歯で噛
みきられて臼歯保護効果が減退することがないものであ
る。 (1) 臼歯保護部の少なくとも上部層もしくは下部層が熱
可塑性樹脂からなる臼歯保護具であるから、該臼歯保護
具を、その軟化温度程度に加熱した熱湯の中に浸漬させ
て軟化させた後、着用者の口腔内に挿入して位置決め
し、この状態のまま下顎と上顎とを噛み締めることによ
り、着用者自身の臼歯に適合した臼歯保護具を得ること
ができる。したがって、従来のテンプレートに比較し
て、製作がはるかに簡単で短時間で行える。 (2) しかも使用成形に特殊な技術や熟練を必要とせず、
かつ軟化温度も一般家庭の熱湯により容易に得られる比
較的低い温度であるため、従来のように、歯科医院に特
別注文をすることなく、各家庭で使用成形することがで
きる。したがってプロスポーツ選手だけでなく、一般ス
ポーツ愛好家も容易に使用することができる。 (3) 使用成形に特殊な技術や熟練を要さず、各個人に最
適な形状を確実に得ることができ、しかも、自己の歯形
に合わなくなっても、熱湯中で軟化させれば再度適合さ
せることができる。 (4) 歯形成形に必要な基本的構造を備えるとともに、そ
の後の使用成形が各個人レベルで行えるため、多量生産
品として量産化することにより、製品コストの大幅な低
減化が図れ、これにより、一般スポーツ愛好家等にも入
手し易い低価格品とすることが可能である。 (5) 各着用者自身が自己の歯形に最適なものを得ること
ができるため、口腔内におけるなじみがきわめて良くて
異物感もほとんどなく、運動時の臼歯保護が有効になさ
れるとともに、臼歯を強く噛み締め得るので、運動時に
おける瞬発力も有効に発揮し得る。ちなみに、背筋力を
例にとった場合、本発明の臼歯保護具を着用すると、着
用しないときよりも背筋力向上が望めることが実験によ
り判明している。 (6) 臼歯保護部が３層からなるときは中間層を、上下２
層からなるときはいずれか一方の層をエラストマー、シ
リコンゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性
樹脂等の弾力性を有する難軟化材から形成してなるの
で、使用成形の際や使用時に、十分強く噛みしめても噛
みきられたり、臼歯保護部が薄くなってしまったりする
おそれがなく、安心して歯形をつけることができ、また
スポーツをする際に上下の歯で強く噛みしめても噛みき
るおそれがなく安心して使用することができる。 (7) さらに、臼歯保護部が２層からなる場合に、その一
方の層を、エラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シ
リコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難
軟化材によって形成した場合は、易軟化材である熱可塑
性樹脂の層には歯形が十分つき着用者の臼歯に適合する
が、難軟化材からなる側の臼歯は上下左右方向に自由に
動かすことができ、会話に支障が少なく長時間スポーツ
をする場合においても着用していて不自由感を生じるこ
との少ないものである。
効果が得られ、スポーツ選手だけでなく、一般のスポー
ツ愛好家にも容易に入手することができ、しかも、各着
用者の歯形に適合した臼歯保護具の提供を可能とし、さ
らに、製作時に十分噛みしめて使用成形することができ
ると共に、使用時においても臼歯保護部が上下の歯で噛
みきられて臼歯保護効果が減退することがないものであ
る。 (1) 臼歯保護部の少なくとも上部層もしくは下部層が熱
可塑性樹脂からなる臼歯保護具であるから、該臼歯保護
具を、その軟化温度程度に加熱した熱湯の中に浸漬させ
て軟化させた後、着用者の口腔内に挿入して位置決め
し、この状態のまま下顎と上顎とを噛み締めることによ
り、着用者自身の臼歯に適合した臼歯保護具を得ること
ができる。したがって、従来のテンプレートに比較し
て、製作がはるかに簡単で短時間で行える。 (2) しかも使用成形に特殊な技術や熟練を必要とせず、
かつ軟化温度も一般家庭の熱湯により容易に得られる比
較的低い温度であるため、従来のように、歯科医院に特
別注文をすることなく、各家庭で使用成形することがで
きる。したがってプロスポーツ選手だけでなく、一般ス
ポーツ愛好家も容易に使用することができる。 (3) 使用成形に特殊な技術や熟練を要さず、各個人に最
適な形状を確実に得ることができ、しかも、自己の歯形
に合わなくなっても、熱湯中で軟化させれば再度適合さ
せることができる。 (4) 歯形成形に必要な基本的構造を備えるとともに、そ
の後の使用成形が各個人レベルで行えるため、多量生産
品として量産化することにより、製品コストの大幅な低
減化が図れ、これにより、一般スポーツ愛好家等にも入
手し易い低価格品とすることが可能である。 (5) 各着用者自身が自己の歯形に最適なものを得ること
ができるため、口腔内におけるなじみがきわめて良くて
異物感もほとんどなく、運動時の臼歯保護が有効になさ
れるとともに、臼歯を強く噛み締め得るので、運動時に
おける瞬発力も有効に発揮し得る。ちなみに、背筋力を
例にとった場合、本発明の臼歯保護具を着用すると、着
用しないときよりも背筋力向上が望めることが実験によ
り判明している。 (6) 臼歯保護部が３層からなるときは中間層を、上下２
層からなるときはいずれか一方の層をエラストマー、シ
リコンゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性
樹脂等の弾力性を有する難軟化材から形成してなるの
で、使用成形の際や使用時に、十分強く噛みしめても噛
みきられたり、臼歯保護部が薄くなってしまったりする
おそれがなく、安心して歯形をつけることができ、また
スポーツをする際に上下の歯で強く噛みしめても噛みき
るおそれがなく安心して使用することができる。 (7) さらに、臼歯保護部が２層からなる場合に、その一
方の層を、エラストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シ
リコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難
軟化材によって形成した場合は、易軟化材である熱可塑
性樹脂の層には歯形が十分つき着用者の臼歯に適合する
が、難軟化材からなる側の臼歯は上下左右方向に自由に
動かすことができ、会話に支障が少なく長時間スポーツ
をする場合においても着用していて不自由感を生じるこ
との少ないものである。
【図１】本発明の１実施例の運動用臼歯保護具を一部切
断して示す斜視図。
断して示す斜視図。
【図２】同臼歯保護具の平面図。
【図３】同臼歯保護具の断面図。
【図４】本発明の第２の実施例の臼歯保護具を一部切断
して示す斜視図。
して示す斜視図。
【図５】本発明の第３の実施例の臼歯保護具を一部切断
して示す斜視図。
して示す斜視図。
【図６】本発明の第３の実施例の臼歯保護具の使用成形
した状態を一部切断して示す斜視図。
した状態を一部切断して示す斜視図。
【図７】本発明の第４の実施例の臼歯保護具を一部切断
して示す斜視図。
して示す斜視図。
【図８】本発明の第５の実施例の臼歯保護具を一部切断
して示す斜視図。
して示す斜視図。
【図９】本発明の臼歯保護具の使用成形時及び使用時の
状態を一部断面で示す側面図。
状態を一部断面で示す側面図。
【図１０】同臼歯保護具の使用成形時及び使用時の噛み
しめ状態を示す断面図。
しめ状態を示す断面図。
【図１１】本発明の第３の実施例の臼歯保護具の製造方
法を示す斜視図。
法を示す斜視図。
【図１２】本発明の第２の実施例の臼歯保護具の製造方
法を示す斜視図。
法を示す斜視図。
【図１３】本発明の第４の実施例の臼歯保護具の使用成
形後の状態を一部切断して示す斜視図。
形後の状態を一部切断して示す斜視図。
【図１４】本発明の第５の実施例の臼歯保護具の使用成
形後の状態を一部切断して示す斜視図。
形後の状態を一部切断して示す斜視図。
１ 臼歯保護具 ２ 臼歯保護部 ３ 連接部 ４ 上側臼歯 ５ 下側臼歯
Claims (4)
- 【請求項１】 上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有
する左右一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接す
る連接部とを備える臼歯保護具であって、 臼歯保護部が、上部層、下部層、および、上部層と下部
層の間に介在する中間層からなり、 上部層および下部層が、人の体温よりも高く、かつ、水
の沸騰温度よりも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等
の易軟化材からなるとともに、中間層が、水の沸騰温度
以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合成
ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を
有する難軟化材からなることを特徴とする臼歯保護具。 - 【請求項２】 上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有
する左右一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接す
る連接部とを備える臼歯保護具であって、 臼歯保護部は、上部層と下部層からなり、 上部層および下部層のいずれか一方が、人の体温よりも
高く、かつ、水の沸騰温度よりも低い軟化温度を有する
熱可塑性樹脂等の易軟化材からなり、 上部層および下部層のいずれか他方が、水の沸騰温度以
下では軟化しないエラストマー、シリコンゴム、合成ゴ
ム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有
する難軟化材からなることを特徴とする臼歯保護具。 - 【請求項３】 上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有
する左右一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接す
る連接部とを備える臼歯保護具の製造方法であって、臼
歯保護部を、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度
よりも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等の易軟化材
により、内部に空部を設けて形成し、この空部に、水の
沸騰温度以下では軟化しないエラストマー、シリコンゴ
ム、合成ゴム、シリコン樹脂、高温度熱可塑性樹脂等の
弾力性を有する難軟化材を注入して成形することを特徴
とする臼歯保護具の製造方法。 - 【請求項４】 上下臼歯の咬合面に対応した上下面を有
する左右一対の臼歯保護部と、該両臼歯保護部を連接す
る連接部とを備える臼歯保護具の製造方法であって、臼
歯保護部を、人の体温よりも高く、かつ、水の沸騰温度
よりも低い軟化温度を有する熱可塑性樹脂等の易軟化材
により、中間層を外側方に開放した空部を設けて形成
し、この空部に、水の沸騰温度以下では軟化しないエラ
ストマー、シリコンゴム、合成ゴム、シリコン樹脂、高
温度熱可塑性樹脂等の弾力性を有する難軟化材を介在さ
せて成形することを特徴とする臼歯保護具の製造方法。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8227832A JP2876117B2 (ja) | 1996-08-08 | 1996-08-08 | 運動用臼歯保護具 |
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