JPH09131425A - 運動用口腔補助具及びその製造方法 - Google Patents

運動用口腔補助具及びその製造方法

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JPH09131425A
JPH09131425A JP28959895A JP28959895A JPH09131425A JP H09131425 A JPH09131425 A JP H09131425A JP 28959895 A JP28959895 A JP 28959895A JP 28959895 A JP28959895 A JP 28959895A JP H09131425 A JPH09131425 A JP H09131425A
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dental arch
arch
crown
oral
shape
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Takayuki Teranishi
隆之 寺西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用者の歯列弓への装着時の違和感を減少
し、また装着状態での会話や水の摂取を可能とする。 【解決手段】 歯列弓の歯冠部を被覆する歯冠被覆部2
と、この歯冠被覆部2の唇側面及び頬側面の端部から連
続して形成された前側弓面部3と、歯冠被覆部2の舌側
面の端部から連続して形成された後側弓面部4とで形成
するとともに、後側弓面部4のうち少なくとも歯列弓の
前歯部に対応する部分5を切除した構造とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用者の歯を保護
するとともに運動能力を向上させるための運動用口腔補
助具に係り、より詳細には、使用者の歯列への装着性に
優れているとともに、装着時の違和感を減少し、装着状
態での会話や水の摂取を可能とした運動用口腔補助具及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ラグビー、サッカー、アイスホッケー、
アメリカンフットボールといったいわゆるコンタクトス
ポーツでは、顎口腟系へのダメージを予防するととも
に、運動能力を向上させるために、従来よりマウスピー
ス等の運動用口腔補助具が用いられている。
【0003】従来の運動用口腔補助具の一例を、図11
に示す。
【0004】この運動用口腔補助具は、全体形状が上顎
又は下顎の歯列弓に沿う形状であって、断面形状がU字
状に形成されており、前側弓面部51、後側弓面部52
及び歯の噛み合わせ部分である底面部53によって構成
されている。
【0005】この運動用口腔補助具を上顎又は下顎の歯
列弓に嵌合し、装着して歯を保護するようになってい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の運動用口腔補助具では、後側弓面部52が歯
列弓の全体にわたって形成されているため、舌先が後側
弓面部52に触れる結果、極めて舌触りの悪い違和感の
あるものとなっていた。舌先は一番敏感な部位でもある
ことから、舌先に感じる違和感はときとして耐えがた
く、スポーツ選手にとっては集中力を欠く一因ともなっ
ている。
【0007】また、舌先に違和感を感じるために、無意
識のうちに舌先で後側弓面部52を押し出すような動作
を繰り返し、運動用口腔補助具が歯列弓から不測に外れ
てしまうといった問題もあった。
【0008】さらに、後側弓面部52が歯列弓の全体に
わたって形成されているため、舌先が上顎の歯列弓の前
歯部分に密着せず、特にさ行、た行、な行等の各単語が
発音しずらいために、言葉が正しく発せられないといっ
た問題があった。スポーツ選手にとっては、ゲーム中に
運動用口腔補助具をいちいち外して味方と言葉を交わす
わけにもいかず、この点でも従来の運動用口腔補助具は
使い勝手の悪いものであった。
【0009】さらに、後側弓面部52が歯列弓の全体に
わたって形成されているため、運動用口腔補助具を装着
したままで水を飲むことが難しいといった問題もあっ
た。
【0010】さらにまた、前側弓面部51が歯列弓の全
体にわたって形成されているため、笑ったときや口を開
けたときに前側弓面部51が見えて、見栄えが悪いとい
った問題もあった。運動能力を向上させるためには、奥
歯の噛み合わせが重要であり、前歯の噛み合わせは問題
とならない。そのため、野球選手のように前歯の保護よ
りも運動能力の向上(パワーアップ)の方が重要である
場合には、歯列弓の前歯部に対応する部分は必ずしも必
要なものではない。
【0011】本発明は係る問題点を解決すべく創案され
たもので、その目的は、使用者の歯列への装着性に優れ
ているとともに、装着時の違和感を減少し、装着状態で
の会話や水の摂取を可能とした運動用口腔補助具及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1に記載の運動用口腔補助具は、全
体形状が上顎又は下顎の歯列弓に沿う弓形形状に形成さ
れるとともに、断面形状が歯列弓の唇側面及び頬側面
と、舌側面とに沿うほぼU字形状に形成されたものであ
って、歯列弓の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯
冠被覆部の唇側面及び頬側面の端部から連続して形成さ
れた前側歯肉部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆
部の舌側面の端部から連続して形成された後側歯肉部に
密着する後側弓面部とで形成されるとともに、前記後側
弓面部のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分
が切除されているものである。ここで、前歯部とは、本
明細書では左右の中切歯、側切歯、犬歯の合計6本の歯
の総括名称として使用している。
【0013】また、本発明の請求項2に記載の運動用口
腔補助具は、全体形状が上顎又は下顎の歯列弓に沿う弓
形形状に形成されるとともに、断面形状が歯列弓の唇側
面及び頬側面と、舌側面とに沿うほぼU字形状に形成さ
れたものであって、歯列弓の歯冠部の形状に沿って密着
する歯冠被覆部のみで形成されたものである。
【0014】また、本発明の請求項3に記載の運動用口
腔補助具は、請求項1又は2に記載の運動用口腔補助具
において、前記前側弓面部のうち少なくとも歯列弓の前
歯部に対応する部分、及び前記歯冠被覆部の唇側面及び
頬側面のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分
が切除されているものである。
【0015】また、本発明の請求項4に記載の運動用口
腔補助具の製造方法は、使用者の上顎及び下顎の歯列模
型を形成し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟
化させて前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態
で、両歯列模型を咬合させることにより、上下の歯列の
噛み合わせを考慮した形状の口腔補助具を形成し、その
後、歯列弓の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠
被覆部の唇側面及び頬側面の端部から連続して形成され
た前側歯肉部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆部
の舌側面の端部から少なくとも歯列弓の前歯に対応する
部分を除いて連続して形成された後側歯肉部に密着する
後側弓面部とを残して不要部分を切除するものである。
【0016】また、本発明の請求項5に記載の運動用口
腔補助具は、使用者の上顎及び下顎の歯列模型を形成
し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟化させて
前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態で、両歯列
模型を咬合させることにより、上下の歯列の噛み合わせ
を考慮した形状の口腔補助具を形成し、その後、歯列弓
の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠被覆部の唇
側面及び頬側面の端部から連続して形成された前側歯肉
部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆部の舌側面の
端部から少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分を除
いて連続して形成された後側歯肉部に密着する後側弓面
部とを残して不要部分を切除するとともに、前記前側弓
面部のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分、
及び前記歯冠被覆部の唇側面及び頬側面のうち少なくと
も歯列弓の前歯部に対応する部分を切除するものであ
る。
【0017】また、本発明の請求項6に記載の運動用口
腔補助具の製造方法は、使用者の上顎及び下顎の歯列模
型を形成し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟
化させて前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態
で、両歯列模型を咬合させることにより、上下の歯列の
噛み合わせを考慮した形状の口腔補助具を形成し、その
後、歯列弓の歯冠部の形状に沿って密着する歯冠被覆部
のみを残して不要部分を切除するものである。
【0018】また、本発明の請求項7に記載の運動用口
腔補助具の製造方法は、使用者の上顎及び下顎の歯列模
型を形成し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟
化させて前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態
で、両歯列模型を咬合させることにより、上下の歯列の
噛み合わせを考慮した形状の口腔補助具を形成し、その
後、歯列弓の歯冠部の形状に沿って密着する歯冠被覆部
のみを残して不要部分を切除するとともに、前記歯冠被
覆部の唇側面及び頬側面のうち少なくとも歯列弓の前歯
部に対応する部分を切除するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して説明する。
【0020】図1は、本発明の請求項1に対応する運動
用口腔補助具の全体斜視図、図2は同平面図、図3は図
2におけるA−A線に沿う端面図、図4は図2における
B−B線に沿う端面図、図5は上顎の一般的な歯列弓の
平面図、図6は口腟内の概略断面図である。
【0021】本実施形態の運動用口腔補助具(以下、単
に口腔補助具という)1は、その全体形状が図5に示す
上顎の歯列弓20に沿う弓形形状に形成されるととも
に、断面形状が図6に示す歯列弓20の唇側面21及び
頬側面22と、舌側面23とに沿うほぼU字形状に形成
され、同図6に示す如く、上顎(又は下顎)の歯列弓2
0に嵌合、装着して使用するものである。
【0022】このようになる口腔補助具1は、歯列弓2
0の歯冠部24を被覆する歯冠被覆部2と、この歯冠被
覆部2の唇側面11及び頬側面12の上端縁から連続し
て形成された、前側歯肉部25に密着する前側弓面部3
と、歯冠被覆部2の舌側面13の上端縁から連続して形
成された、後側歯肉部26に密着する後側弓面部4とで
形成されている。
【0023】そして、本実施形態の口腔補助具1では、
後側弓面部4のうち少なくとも歯列弓20の前歯部(左
右の中切歯、側切歯、犬歯の合計6本)27に対応する
部分5が、歯と歯茎の境目部分に沿って切除(この切除
線を図1及び図2中に符号6で示す)された形状となっ
ている(切除部分を図2中に斜線で示す)。
【0024】つまり、前歯部27の部分については、口
腔補助具1は歯冠被覆部2と前側弓面部3とでのみ形成
され、後側弓面部4については形成されない構造となっ
ている。
【0025】歯列弓20への装着力は、歯冠被覆部2の
歯冠への密着力、前歯部27及び臼歯29の部分に対応
して形成された前側弓面部3の前側歯肉部25への密着
力、及び臼歯29部分に対応して形成された後側弓面部
4の後側歯肉部26への密着力によって確保されてお
り、前歯部27部分に対応する後側弓面部4が無くて
も、歯列弓20への装着力が低下することはない。
【0026】また、歯冠被覆部2については、その内部
形状を歯列弓20に密着するように歯型に合わせた形状
としているが、咬合面についても、図示は省略している
が、下顎の歯列弓40との噛み合わせを考慮した形状と
している。
【0027】このような構造の口腔補助具1を装着した
場合、舌先30は専ら前歯部27の舌側面23と、この
前歯部27に対応する後側歯肉部26とに触れるが、後
側歯肉部26には後側弓面部4が無いことから、舌先3
0に感じる違和感が軽減され、口腔補助具1としての装
着性が向上することになる。また、このことは口腔補助
具1を装着するスポーツ選手にとって、集中力を欠く一
因が解消されたことになる。
【0028】また、舌先30に違和感を感じることが少
ないため、無意識のうちに舌先30で口腔補助具1を押
し出すといったことも無くなり、口腔補助具1が歯列弓
20から不測に外れてしまうといった問題も解消され
る。
【0029】さらに、前歯部27に対応する後側弓面部
4が切除されているため、口腔補助具1を装着した状態
でも舌先30を前歯部27に対応する後側歯肉部26に
密着させることができ、さ行、た行、な行等の各単語も
明確に発音できるため、言葉を正しく発することができ
る。このことは、スポーツ選手にとっては、ゲーム中に
口腔補助具1を外さずに味方と言葉を交わすことがで
き、使い勝手の良いものである。
【0030】さらにまた、前歯部27に対応する後側弓
面部4が切除されているため、口腔補助具1を装着した
ままで水を飲むことが可能であり、この点でも使い勝手
の良いものとなっている。なお、この点については、実
際に本発明の口腔補助具1を装着して水を飲む実験を行
い、良好な結果を得ている。
【0031】さらにまた、歯冠被覆部2の咬合面につい
ては、下顎の歯列弓40との噛み合わせを考慮した形状
となっているので、この口腔補助具1を上顎の歯列弓2
0に装着して噛みしめたとき、口腔補助具1が上顎の歯
列弓20及び下顎の歯列弓40の全体に当接して、咬合
力がほぼ均等に加わることになり、補助具としての機能
(すなわち、歯列の保護及び運動能力の向上)がより一
層発揮されることになる。
【0032】このような構造の口腔補助具1の材質とし
ては、適度な弾性変形が可能であり、かつ十分な強度を
有するものが良く、例えばウレタンゴムやシリコンゴ
ム、EVA(エチレン・ビニール・アセテート)軟性樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等が好適に使用さ
れるが、これらに限定されるものではない。
【0033】なお、上記の実施形態では、前歯部27に
対応する部分5の後側弓面部4を切除した構造として説
明しているが、さらに第一小臼歯に対応する部分まで、
又は第二小臼歯に対応する部分まで、後側弓面部4を切
除した構成とすることが可能である。後側弓面部4をこ
こまで切除しても、残りの第一大臼歯及び第二大臼歯部
分に対応して形成された後側弓面部4によって、後側歯
肉部26への十分な密着力が得られるので、口腔補助具
1全体としての十分な装着力は得られるものである。
【0034】装着した口腔補助具1が舌先30に当たる
ことによって違和感を感じる範囲は個人差がある。つま
り、前歯部27に対応する部分5の後側弓面部4を切除
してもなお強い違和感を感じる人もいる。このような人
に対しては、第一小臼歯に対応する部分まで、又は第二
小臼歯に対応する部分まで、後側弓面部4を切除した口
腔補助具1を作製すればよい。
【0035】図7は、本発明の請求項2に対応する口腔
補助具の全体斜視図である。
【0036】本実施形態の口腔補助具15は、図1に示
す口腔補助具1から前側弓面部3と後側弓面部4とを切
除した構造となっている。つまり、歯列弓20の歯冠部
24を被覆する歯冠被覆部2のみで形成された構造とな
っている。
【0037】このように前側弓面部3と後側弓面部4と
を切除した構造としても、歯冠被覆部2の内部形状を歯
列弓20に密着するように歯型に合わせた形状としてお
けば、歯列弓20への十分な装着力が得られるものであ
る。
【0038】また、この口腔補助具15においても、図
1に示す口腔補助具1と同様、上述の効果、利点が得ら
れることは当然である。
【0039】図8は、本発明の請求項3に対応する口腔
補助具16の全体斜視図である。
【0040】本実施形態の口腔補助具16は、図1に示
す口腔補助具1から、さらに前側弓面部3のうち少なく
とも歯列弓20の前歯部27に対応する部分、及び歯冠
被覆部2の唇側面11及び頬側面12のうち少なくとも
歯列弓20の前歯部27に対応する部分を共に切除した
ものである。つまり、歯列弓20の前歯部27に対応す
る部分については、歯冠被覆部2の舌側面13のみが残
った構造となっている。
【0041】このように、歯列弓20の前歯部27に対
応する部分について、歯冠被覆部2の舌側面13のみを
残した構造としても、歯列弓20への装着力は、臼歯2
9の部分に対応して形成された歯冠被覆部2の歯冠への
密着力、臼歯29の部分に対応して形成された前側弓面
部3の前側歯肉部25への密着力、及び臼歯29の部分
に対応して形成された後側弓面部4の後側歯肉部26へ
の密着力によって確保されており、前歯部27部分に対
応する後側弓面部4及び歯冠被覆部2の唇側面11側が
無くても、歯列弓20への装着力が低下することはな
い。また、笑ったときや口を開けたときでも、口腔補助
具16がほとんど見えないので、口許の見栄えが悪いと
いったこともない。
【0042】なお、この口腔補助具16においても、図
1に示す口腔補助具1と同様、上述の効果、利点が得ら
れることは当然である。
【0043】図9は、本発明の請求項3に対応する口腔
補助具17の全体斜視図である。
【0044】本実施形態の口腔補助具17は、図7に示
す口腔補助具15から、歯冠被覆部2の唇側面11及び
頬側面12のうち少なくとも歯列弓20の前歯部27に
対応する部分を切除したものである。つまり、歯列弓2
0の前歯部27に対応する部分については、歯冠被覆部
2の舌側面13のみが残った構造となっている。
【0045】このように、歯列弓20の前歯部27に対
応する部分について、歯冠被覆部2の舌側面13のみを
残した構造としても、歯列弓20への装着力は、歯冠被
覆部2の臼歯29に対応する部分の内部形状を歯列弓2
0に密着するように歯型に合わせた形状としておけば、
歯列弓20への十分な装着力が得られるものである。ま
た、笑ったときや口を開けたときでも、口腔補助具17
がほとんど見えないので、口許の見栄えが悪いといった
こともない。
【0046】なお、この口腔補助具17においても、図
1に示す口腔補助具1と同様、上述の効果、利点が得ら
れることは当然である。
【0047】次に、上記構成の口腔補助具の製造方法に
ついて説明する。
【0048】製造を行うに際し、まず使用者の上顎及び
下顎の歯列模型45,46を作製する。歯列模型45,
46の作製については、従来より行われている方法と全
く同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0049】次に、一定の厚みに形成された口腔補助具
の元となる平板状の基材47を用意し、この基材47を
一定温度で加熱して軟化させた後、図10に示す如く基
材47を上顎の歯列模型45の歯列弓20に圧接(例え
ば、5.5気圧程度で圧接)する。このとき、同時に下
顎の歯列模型46を下方から押し上げるように圧接し
て、両歯列模型45,46による咬合状態を再現する。
これにより、基材47から型取りされた口腔補助具の歯
冠被覆部は、その内部形状が上顎の歯列模型45の歯列
弓20の形状に一致し、咬合面は下顎の歯列模型46の
歯列弓40の形状に一致することになる。
【0050】この後、歯列弓20の歯冠部24を被覆す
る歯冠被覆部2と、この歯冠被覆部2の唇側面11及び
頬側面12の上端部から連続して形成された前側弓面部
3と、歯冠被覆部2の舌側面13の上端部から少なくと
も歯列弓20の前歯部27に対応する部分を除いて連続
して形成された後側弓面部4とを残して、その他の不要
部分を切除することにより、図1乃至図5に示す口腔補
助具1を作製する。
【0051】また、歯列弓20の歯冠部24の形状に沿
って密着する歯冠被覆部2のみを残して、その他の不要
部分を切除することにより、図7に示す口腔補助具15
を作製する。
【0052】また、図1乃至図5に示す口腔補助具1か
ら、前側弓面部3のうち少なくとも歯列弓20の前歯部
27に対応する部分、及び歯冠被覆部2の唇側面11及
び頬側面12のうち少なくとも歯列弓20の前歯部27
に対応する部分を切除することにより、図8に示す口腔
補助具16を作製する。
【0053】また、図7に示す口腔補助具15から、歯
冠被覆部2の唇側面11及び頬側面12のうち少なくと
も歯列弓20の前歯部27に対応する部分を切除するこ
とにより、図9に示す口腔補助具17を作製する。
【0054】なお、上記各実施形態では、口腔補助具
1,15,16,17を上顎の歯列弓用として説明して
いるが、下顎の歯列弓用として形成することが可能であ
る。例えば、受け口の人にとっては、下顎の歯列弓を保
護する必要があるからである。
【0055】
【発明の効果】本発明の運動用口腔補助具は、歯列弓の
歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠被覆部の唇側
面及び頬側面の端部から連続して形成された前側歯肉部
に密着する前側弓面部と、歯冠被覆部の舌側面の端部か
ら連続して形成された後側歯肉部に密着する後側弓面部
とで形成するとともに、後側弓面部のうち少なくとも歯
列弓の前歯部に対応する部分を切除した構成としてい
る。また、後側弓面部のうち少なくとも歯列弓の前歯部
に対応する部分を切除するとともに、前側弓面部のうち
少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分、及び歯冠被
覆部の唇側面及び頬側面のうち少なくとも歯列弓の前歯
部に対応する部分を切除した構成としているので、以下
に示す種々の効果を奏するものである。 (1)舌先が最も良く触れる前歯部に対応する後側歯肉
部に後側弓面部が無いことから、舌先に感じる違和感が
軽減され、歯列保持具としての装着性が向上する。 (2)舌先に違和感を感じることが少ないため、無意識
のうちに舌先で後側弓面部を押し出すといったことも無
くなり、舌で口腔補助具を歯列弓から不測に外してしま
うといった問題も解消される。 (3)前歯部に対応する後側弓面部が切除されているた
め、口腔補助具を装着した状態でも舌先を前歯部に対応
する後側歯肉部に密着させることができ、さ行、た行、
な行等の各単語も明確に発音できるため、言葉を正しく
発することができる。 (4)前歯部に対応する後側弓面部が切除されているた
め、口腔補助具を装着したままで水を飲むことができ
る。 (5)歯冠被覆部の咬合面を、下顎の歯列弓との噛み合
わせを考慮した形状としたので、この口腔補助具を上顎
の歯列弓に装着して噛みしめたとき、口腔補助具が上顎
の歯列弓及び下顎の歯列弓の全体に当接し、咬合力がほ
ぼ均等に加わって、補助具としての機能(すなわち、歯
列の保護及び運動能力の向上)がより一層発揮される。 (6)前側弓面部のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対
応する部分、及び歯冠被覆部の唇側面及び頬側面のうち
少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分が切除されて
いるため、笑ったときや口を開けたときでも、口腔補助
具がほとんど見えないので、口許の見栄えが悪いといっ
たこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1に対応する運動用口腔補助具
の全体斜視図である。
【図2】本発明の請求項1に対応する運動用口腔補助具
の平面図である。
【図3】図2におけるA−A線に沿う端面図である。
【図4】図2におけるB−B線に沿う端面図である。
【図5】上顎の一般的な歯列弓の平面図である。
【図6】口腟内の概略断面図である。
【図7】本発明の請求項2に対応する運動用口腔補助具
の全体斜視図である。
【図8】本発明の請求項3に対応する運動用口腔補助具
の全体斜視図である。
【図9】本発明の請求項3に対応する運動用口腔補助具
の全体斜視図である。
【図10】本発明の運動用口腔補助具の製造方法を説明
するための図である。
【図11】従来の運動用口腔補助具の一例を示す斜視図
である。
【符号の説明】
1,15,16,17 運動用口腔補助具 2 歯冠被覆部 3 前側弓面部 4 後側弓面部 20 歯列弓 24 歯冠部 27 前歯部 47 基材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体形状が上顎又は下顎の歯列弓に沿う
    弓形形状に形成されるとともに、断面形状が歯列弓の唇
    側面及び頬側面と、舌側面とに沿うほぼU字形状に形成
    された口腔補助具であって、この口腔補助具は、歯列弓
    の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠被覆部の唇
    側面及び頬側面の端部から連続して形成された前側歯肉
    部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆部の舌側面の
    端部から連続して形成された後側歯肉部に密着する後側
    弓面部とで形成されるとともに、前記後側弓面部のうち
    少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分が切除されて
    いることを特徴とする運動用口腔補助具。
  2. 【請求項2】 全体形状が上顎又は下顎の歯列弓に沿う
    弓形形状に形成されるとともに、断面形状が歯列弓の唇
    側面及び頬側面と、舌側面とに沿うほぼU字形状に形成
    された口腔補助具であって、この口腔補助具は、歯列弓
    の歯冠部の形状に沿って密着する歯冠被覆部のみで形成
    されたことを特徴とする運動用口腔補助具。
  3. 【請求項3】 前記前側弓面部のうち少なくとも歯列弓
    の前歯部に対応する部分、及び前記歯冠被覆部の唇側面
    及び頬側面のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応する
    部分が切除されていることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の運動用口腔補助具。
  4. 【請求項4】 使用者の上顎及び下顎の歯列模型を形成
    し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟化させて
    前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態で、両歯列
    模型を咬合させることにより、上下の歯列の噛み合わせ
    を考慮した形状の口腔補助具を形成し、その後、歯列弓
    の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠被覆部の唇
    側面及び頬側面の端部から連続して形成された前側歯肉
    部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆部の舌側面の
    端部から少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分を除
    いて連続して形成された後側歯肉部に密着する後側弓面
    部とを残して不要部分を切除することを特徴とする運動
    用口腔補助具の製造方法。
  5. 【請求項5】 使用者の上顎及び下顎の歯列模型を形成
    し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟化させて
    前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態で、両歯列
    模型を咬合させることにより、上下の歯列の噛み合わせ
    を考慮した形状の口腔補助具を形成し、その後、歯列弓
    の歯冠部の形状に沿って密着する歯冠被覆部のみを残し
    て不要部分を切除することを特徴とする運動用口腔補助
    具の製造方法。
  6. 【請求項6】 使用者の上顎及び下顎の歯列模型を形成
    し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟化させて
    前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態で、両歯列
    模型を咬合させることにより、上下の歯列の噛み合わせ
    を考慮した形状の口腔補助具を形成し、その後、歯列弓
    の歯冠部を被覆する歯冠被覆部と、この歯冠被覆部の唇
    側面及び頬側面の端部から連続して形成された前側歯肉
    部に密着する前側弓面部と、前記歯冠被覆部の舌側面の
    端部から少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分を除
    いて連続して形成された後側歯肉部に密着する後側弓面
    部とを残して不要部分を切除するとともに、前記前側弓
    面部のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応する部分、
    及び前記歯冠被覆部の唇側面及び頬側面のうち少なくと
    も歯列弓の前歯部に対応する部分を切除することを特徴
    とする運動用口腔補助具の製造方法。
  7. 【請求項7】 使用者の上顎及び下顎の歯列模型を形成
    し、所定の厚みに形成された平板状の基材を軟化させて
    前記上顎又は下顎の歯列模型に圧接した状態で、両歯列
    模型を咬合させることにより、上下の歯列の噛み合わせ
    を考慮した形状の口腔補助具を形成し、その後、歯列弓
    の歯冠部の形状に沿って密着する歯冠被覆部のみを残し
    て不要部分を切除するとともに、前記歯冠被覆部の唇側
    面及び頬側面のうち少なくとも歯列弓の前歯部に対応す
    る部分を切除することを特徴とする運動用口腔補助具の
    製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100402978B1 (ko) * 2000-10-02 2003-10-30 김용무 마우스피스 및 그 제조 방법
KR20160095521A (ko) * 2015-02-03 2016-08-11 계명대학교 산학협력단 애견용 마우스피스 및 애견용 마우스피스 세트
CN111904678A (zh) * 2019-05-08 2020-11-10 林易岳 具有开放式咬合面的口腔内吞咽训练辅具及其制造方法

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