JP2870384B2

JP2870384B2 - ワインダの運転条件設定装置

Info

Publication number: JP2870384B2
Application number: JP5281499A
Authority: JP
Inventors: 一嘉鈴木
Original assignee: Murata Machinery Ltd
Current assignee: Murata Machinery Ltd
Priority date: 1993-11-10
Filing date: 1993-11-10
Publication date: 1999-03-17
Anticipated expiration: 2014-03-17
Also published as: JPH07133059A; FR2712271B1; ITMI942278A0; ITMI942278A1; KR950013946A; KR100240030B1; FR2712271A1; IT1276869B1

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ワインダの運転条件を
項目毎に設定する装置に係り、特に、多岐に及ぶ設定操
作を判りやすくかつ間違いのないようにするワインダの
運転条件設置装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】パーンワインダは糸を芯の周りに巻き取
りパーンを形成するものである。パーンの形状は、中腹
では所定の範囲に亘って糸部分の径が一定であり、その
範囲外では糸部分の径が芯の両端近傍で芯にほぼ等しく
なるように円錐状にすぼんでいる。パーンを形成するに
は、芯を回転させつつ糸の供給位置を軸方向に往復移動
（トラバース）させる。しかし、巻き取り動作に伴って
トラバースの区間を常時変更させなければ上記のような
糸部分の径が中腹で一定で両端で小さいパーンの形状が
得られない。

【０００３】パーンの巻き取り方には、ワープとフィリ
ングとの２通りがあり、ワープは巻き取りの初期に芯の
両端に亘る広い幅でトラバースさせて巻き取り、糸部分
の径が増えるにつれてトラバースの幅を狭めることによ
り上記円錐状部分を形成する。フィリングは巻き取りの
初期に芯の一端に集中して糸を巻き取り双円錐状の糸部
分を形成し、その後、狭い幅でのトラバースを徐々に移
動させて芯の反対端に向けて糸部分を成長させて行う。
パーンワインダは需要に応じてワープもフィリングもで
きることが望ましい。

【０００４】近年のパーンワインダでは、パーンの形状
を左右する回転機構やトラバース機構の位置・速度等を
プログラマブルロジックコントローラにより精密に制御
できるようになり、これらの機械的条件に糸の太さ・種
類等の糸の条件を加味してパーンを所望の仕上がり状態
（径、幅、重量等）にするための運転条件を設定するこ
とが可能となった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記パーンワインダに
あっては、パーンを巻き取るに当たって、予め、その仕
上がり形状、総糸長、糸重量を決めておかなければなら
ないし、巻き取りの開始位置やスピンドルの回転方向、
巻き取り中の糸速度、トラバース速度等を決めておかな
ければならない。これら運転条件の項目は多岐に及んで
おり、その多様性が利点であることは確かであるが、設
定が煩わしくなったことは否めない。オペレータにとっ
ては、項目の選択に迷ったり、入力方法が判らなかった
りするために、多岐に及んでいる項目を滞りなく設定す
ることは大きな負担となる。

【０００６】また、運転条件の設定内容が数値であれ
ば、数値入力キーが必要になるし、事柄であれば、その
事柄ごとの専用キー又は一般的な文字入力キーが必要に
なる。項目数が多いためにこれらの操作キーが多数にな
ると操作部のコストが高くなると共に前述のように操作
が繁雑になる。

【０００７】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、多岐に及ぶ設定操作を判りやすくかつ間違いのない
ようにするワインダの運転条件設定装置を提供すること
にある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ワインダの機構部をトラバース動作の上下反
転位置が変えられるよう構成し、上記機構部を制御する
操作部の表示器に巻取り方式及びその巻取り方式に応じ
たトラバース範囲を設定するための画面を表示させ、設
定された巻取り方式及びトラバース範囲に基づき巻き取
り中に上記機構部にトラバース動作の上下反転位置を変
更させてパーン形状を仕上げさせるようにしたワインダ
の運転条件設定装置において、任意の糸量からなる任意
の巻き方の糸層を順次重ね巻きして、任意の仕上がり形
状を得るために、巻き始めから巻き上がりまでを時間間
隔可変な複数のステージに分割し、分割された各ステー
ジについてステージの時間及び上下反転位置を設定する
ための画面を表示させ、この設定に基づきステージの時
間毎にトラバース動作の上下反転位置が変わるようにし
たものである。

【０００９】

【００１０】上記設定に基づき時間を横軸に、上下反転
位置を縦軸にとったグラフの画面を表示させてもよい。

【００１１】

【作用】上記構成により、上記機構部は、トラバース動
作の上下反転位置が変えられるようになり、操作部の表
示器には、巻取り方式及びその巻取り方式に応じたトラ
バース範囲を設定するための画面が表示される。例え
ば、巻取り方式がワープの場合、巻き始め位置や巻き始
め幅を設定する画面が表示される。フィリングの場合、
巻き始め位置や最終巻幅を設定する画面が表示される。
この画面を用いて設定された巻取り方式及びトラバース
範囲に基づき巻き取り中に上記機構部にトラバース動作
の上下反転位置を変更させる。このように、所望のパー
ン形状を仕上げるに際し、巻取り方式に応じて設定画面
が表示されるので、判りやすい操作で設定を行うことが
できる。

【００１２】また、設定されたステージの時間毎にトラ
バース動作の上下反転位置が変わるようにすれば、ワー
プやフィリング等の一定の規則に従う巻取り方式ではな
くなり、任意の糸量からなる任意の巻き方の糸層を順次
重ね巻きして、任意の仕上がり形状を得ることができ
る。さらに、設定された時間と上下反転位置とのグラフ
が表示されると、いっそう判りやすい操作で設定を行う
ことができる。

【００１３】

【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

【００１４】図２のパーンワインダは、操作部２１と複
数の機構部２２とからなる。操作部２１は、本発明に係
る表示器／タッチパネル部２３及び操作ボタン部２４
と、機構部２２の制御を行うＰＬＣ（プログラマブルロ
ジックコントローラ）とからなる。図３には機構部３１
が詳しく示されている。機構部３１は複数個ののパーン
３２を同時に巻き取ることができる。各パーン３２は上
下２段に分けて並べて配置される。パーン３２は横巻き
を行うために起立させた状態で回転される。各パーン３
２のスピンドル回転は、図示されない共通のスピンドル
駆動手段の回転をベルト等の伝達手段で伝達させて得
る。トラバース動作は、上下２段に設けられた水平アー
ム３３の昇降によって行われる。水平アーム３３には各
パーン３２の側方を通過する糸案内部３４が設けられて
いる。駆動源はサーボコントロールされるパルスモータ
３５であり、水平アーム３３にはパルスモータ３５の回
転運動を昇降運動に変換する昇降機構３６が連結されて
いる。糸案内部３４のトラバース可能な範囲はパーン３
２の両端間であり、その範囲内で糸案内部３４を任意の
高さ位置から他の位置までパルスモータ３５の回転角を
制御することによってトラバースさせることができ、そ
の速度もパルスモータ３５の回転速度で決めることがで
きる。図示されないが、糸案内部３４の高さ位置を検知
するセンサが組み込まれている。

【００１５】糸Ｙは水平アーム３３の下方に装着したパ
ッケージ３７から解舒し、パッケージ３７上に固定され
た糸案内部３８と昇降する水平アーム３３の糸案内部３
４とを介して供給される。図示されないが、パーン３２
の側方にはパーン３２の外径を検知する光センサからな
る外径センサが設けられている。

【００１６】操作部の回路構成は、図１に示されるよう
に、ＰＬＣ９及びコンピュータ１と、ブラウン管等によ
る表示器２と、その表示器２に併設されているタッチパ
ネル３と、４つの操作ボタンからなる操作ボタン群４
と、スピンドル駆動手段であるモータを駆動するインバ
ータ回路５と、パルスモータ３５のためのサーボコント
ロール回路６と、機構部２２に組み込まれている各種セ
ンサ７と、外径センサ８とから構成されている。ＰＬＣ
９の内部には、時計等の時間計測回路、瞬時停電を検知
してメモリを保護する瞬時停電保護回路が含まれる。Ｐ
ＬＣ９は、インバータ回路５及びサーボコントロール回
路６を介して機構部２２の位置・速度を制御し、各種セ
ンサ７及び外径センサ８によって得られた運転状況や各
種アラームをコンピュータ１に通信することができる。

【００１７】本発明の運転条件設定装置は、コンピュー
タ１、表示器２、タッチパネル３、及び操作ボタン群４
からなり、操作部２１には図４に示されるように、表示
器２及びタッチパネル３と操作ボタン群４とが設けられ
る。表示器２は縦横任意の位置に文字Ｘや図形Ｆを表示
することができ、タッチパネル３は表示器２の表面にオ
ペレータが接触した縦横の位置を検知することができ
る。操作ボタン群４は、非常ボタン（EMERGENCY ）、運
転ボタン（START ；スタートＳＷ）、停止ボタン（STO
P；ストップＳＷ）、初期化ボタン（RESET ；リセット
ＳＷ）からなり、表示器２及びタッチパネル３の左辺に
沿って縦に並べてある。コンピュータ１のメモリには、
多数の表示画面と、その表示画面に連動した入力図形の
配置とが記憶されている。コンピュータ１はある表示画
面が表示されているとき、タッチパネル３にオペレータ
が触れた位置を入力図形の配置に参照して入力操作が行
われたことを検知することができる。入力図形には、運
転条件の項目を示す文字自体や文字を枠で囲ったもの、
文字の陰陽を反転したもの、数字キーを並べたテンキー
や矢印キーに擬した図形等が用いられる。表示画面に
は、入力図形の他に、画面の内容を示すタイトル、運転
条件の項目名及び数値、操作を案内するメッセージ、操
作を促すプロンプト、項目によって特色のある図形が適
宜配置されている。各表示画面については後述の操作説
明に併せて説明する。

【００１８】本発明の運転条件設定装置において設定す
る項目は、まず、巻取方式（ワープ、フィリング）であ
り、巻取方式によって設定する項目が異なる。

【００１９】ワープの場合は以下の通り。

【００２０】糸太さ２桁単位；ｄｅｎ糸種類及び糸密度３種類単位なし巻重量４桁単位；ｇ巻き始め幅３桁単位；ｍｍ糸速度３桁単位；ｍ／ｍｉｎトラバース速度往復別各２桁単位；ｍ／ｓｅｃクリーピング量２桁単位；ｍｍクリーピング率２桁単位なし（％）パーン直径２桁単位；ｍｍスピンドル回転方向２種類ＣＷ／ＣＣＷ巻き始め位置２桁単位；ｍｍ角度２桁単位；ｄｅｇフィリングの場合は以下の通り。

【００２１】スピンドル回転数３桁単位；ｒｐｍトラバース幅３桁単位；ｍｍ最終巻幅３桁単位；ｍｍトラバース移動速度２桁単位；ｍ／ｍｉｎトラバース速度往復別各２桁単位；ｍ／ｓｅｃパーン直径２桁単位；ｍｍスピンドル回転方向２種類ＣＷ／ＣＣＷ巻き始め位置２桁単位；ｍｍ次に実施例の作用をタッチパネル操作の説明に併せて述
べる。

【００２２】図５は電源投入時の表示画面であり、図６
は瞬時停電が検知されたときの表示画面である。いずれ
の場合もリセットボタンが押されるまで他の動作に移行
しない。オペレータはメッセージを見ることによってそ
の運転状態を知ることができ、矢印の点滅と文字「ＰＵ
ＳＨ」とからなるプロンプト表示によって次に行うべき
操作を理解することができる。矢印の表示位置はリセッ
トボタン等の操作ボタン群４の位置に合わせてあるので
操作ボタンの位置も判りやすい。このように表示する図
形は、表示器以外の物に合わせて配置してもよい。リセ
ットボタンが押されると図８の表示画面に切り替わる。
ここではパーンワインダが停止中であるから、「停止
中」のタイトルと、「設定」、「巻取状態」、「原点復
帰」、「アラーム履歴」の入力図形が表示される。「設
定」を選択すると図１０または図１２の一覧表示画面に
切り替わる。また、「巻取状態」を選択すると図２４又
は図２５の巻取モニタ画面に、「原点復帰」を選択する
と図３５の原点復帰の操作画面に、「アラーム履歴」を
選択すると図３６のアラーム履歴の表示画面に切り替わ
る。

【００２３】「設定」が選択されたとき、それまでの巻
取方式設定がワープであれば図１０、フィリングであれ
ば図１２の一覧表示画面となる。これらの一覧表示画面
にはタイトル、頁数と共に先に列記した項目が並んでい
る。項目は項目名、数値（又は種類）、単位とからな
る。この実施例のように画面の大きさに対して設定項目
が多いときには一覧表示画面を複数頁に分割してもよ
い。この場合、図１０又は図１２の一覧表示画面の右下
に「戻る」と「次頁」とが配置され、「戻る」を押せば
図８の表示画面に戻り、「次頁」を押せば図１１又は図
１３の２頁目の一覧表示画面に切り替わる。図１１又は
図１３の一覧表示画面において「戻る」を押せば図１０
又は図１２の１頁目の一覧表示画面に戻ることができ
る。各項目の設定を行うときには、図１０〜図１３の一
覧表示画面において所望の項目となっている入力図形を
触れる。これにより図１４〜図２３に示した項目別設定
画面のうち該当するものが得られる。

【００２４】図１４は、巻取方式の設定画面であり、各
項目別設定画面に共通の「設定変更」のタイトルが示さ
れ、ワープを視覚的に示す図解図形として、パーンの図
形とワープにおけるトラバース動作を単純化した図形と
が入力図形「ワープ」と共に配置されている。また、フ
ィリングを視覚的に示す図解図形として、パーンの図形
とフィリングにおけるトラバース動作を単純化した図形
とが入力図形「フィリング」と共に配置されている。入
力図形「ワープ」又は「フィリング」は現在選択されて
いるものが反転、明滅又は色彩を変えて表示され、入力
図形を触れると選択が切り替わる。「戻る」を触れる
と、このときの選択は無効になり、それ以前の巻取方式
が維持され、画面は一覧表示画面に戻る。「確定」を触
れると、選択されている巻取方式の一覧表示画面に切り
替わる。

【００２５】図１５は、ワープにおける糸太さ及び糸種
類の設定画面である。糸太さは、テンキー形式の数字入
力の入力図形で設定するか又は上下を向いた矢印の入力
図形で現在表示されている値を増減して設定する。糸種
類は項目を押して選択する。選択されている項目には枠
が示される。「戻る」を触れると設定・選択が無効にな
り、元の一覧表示画面に切り替わる。「確定」を触れる
と設定・選択が有効になり、新しい一覧表示画面に切り
替わる。図１５において、糸種類の項目に連続して示さ
れている糸密度は、「密度設定」を押して図１６の設定
画面に切り替え、テンキー又は上下矢印で糸密度を入力
する。

【００２６】図１７は、ワープにおけるパーン直径、巻
き始め幅及び巻き始め位置の設定画面である。ここで
は、各値Ａ、Ｂ、Ｃの意味を視覚的に示す図解図形とし
て、パーンの図形とＡ、Ｂ、Ｃに対応する寸法線とが配
置されている。いずれかの項目を押すことにより、その
表示が反転、明滅又は変色し、その項目の数値設定操作
が受付けられる。このように、類似性のある項目に関し
ては、１つの設定画面で異なる項目の数値設定を行うよ
うにしてもよい。

【００２７】図１８は、ワープにおける巻重量、糸速度
及びスピンドル回転方向の設定画面である。ここでは、
巻重量と糸速度とが数値設定できると共にスピンドル回
転方向がＣＷ又はＣＣＷのいずれかを選択するかたちで
設定できる。図１９は、トラバース速度（往復別）及び
角度の設定画面である。角度θがパーンの図形に添えて
視覚的に判りやすく示されている。図２０は、クリーピ
ング量及びクリーピング率の設定画面である。クリーピ
ング量Ｃｗ、クリーピング率に相当する量Ｎがトラバー
ス動作を単純化した図形によって判りやすく示されてい
る。

【００２８】図２１は、フィリングにおけるパーン直
径、最終巻幅及び巻き始め位置の設定画面である。値Ｂ
の意味が最終巻幅である他は図１７と同様である。図２
２は、スピンドル回転数及びスピンドル回転方向の設定
画面である。図２３は、トラバース（初期）幅、トラバ
ース移動速度及びトラバース速度の設定画面である。パ
ーンの図形の脇に示された上下方向の矢印が往復のトラ
バース速度を、フィリングにおけるトラバース動作を単
純化した図形に添えられた斜めの矢印がトラバース移動
速度を、寸法線がトラバース幅を表している。このよう
にフィリングの運転条件設定においては、フィリングに
必要な項目だけが図解図形と共に示されるので、ワープ
との設定項目の違いで迷うことがない。

【００２９】以上の運転条件の設定が終了すると運転が
可能となる。オペレータは、「停止中」の画面に戻って
スタートボタンを押す。これより運転が開始され、表示
は図９の「運転中」に切り替わる。運転中には運転条件
を設定することはできないが、設定内容や運転状況を表
示することができる。図９において、「速度モニタ」、
「巻取モニタ」、「設定値一覧」の入力図形が表示され
る。このうち、「設定値一覧」を触れると、先に説明し
た図１０又は図１２の一覧表示画面に切り替わるが、運
転中であるので各項目別設定画面には切り換えることが
できない。

【００３０】「巻取モニタ」を触れると、図２４又は図
２５の巻取モニタ画面に切り替わる。なお、この巻取モ
ニタ画面は停止中に「巻取状態」を触れた場合にも得ら
れる。図２４はワープにおける現在の巻取状況を示して
いる。この画面には、総巻取時間、現在巻取時間、残り
時間、総糸長及び最終パーン直径が数値で示される。こ
れらの数値のうち、総巻取時間、総糸長及び最終パーン
直径は、設定した運転条件から算出したものである。現
在巻取時間は運転を開始してからの時間計測による通算
時間であり、残り時間は、総巻取時間から現在巻取時間
を差し引いたものである。図２４の画面には、ワープに
おけるパーンの巻取途中の図形が配置されている。巻取
途中の図形は、外径センサ８で検知した現在のパーン外
径に応じて巻取済み部分の面積（斜線部）が変わるよう
になっている。フィリングの場合、図２５の巻取モニタ
画面となる。数値は、総移動幅、現在移動幅、残り移動
幅及び残り時間であり、図形は、フィリングにおけるパ
ーンの巻取途中の図形となっており、現在の巻取量に応
じて巻取済み部分の面積（斜線部）が変わるようになっ
ている。

【００３１】図２６はワープにおける速度モニタの表示
画面である。ワープにおけるパーンの巻取途中の図形に
回転方向を示す矢印が付加され、インバータ回路５の制
御出力に対応するスピンドル回転数又は各種センサ７で
検知したスピンドル回転数が数値で示される。「戻る」
を触れると図９の画面に戻る。「次頁」を触れると図２
７のワープにおける制御モニタの表示画面に切り替わ
る。この表示画面には、スピンドル回転数と共にトラバ
ースの反転位置が数値で示される。「戻る」を触れると
図２６の画面に戻る。図２８、図２９はフィリングにお
ける速度モニタ及び制御モニタの表示画面であり、パー
ンの巻取途中の図形の他はワープの場合と同じである。

【００３２】図３０は非常停止の表示画面、図３１〜図
３４はアラームの表示画面である。非常停止はオペレー
タが非常ボタンを押したことによりパーンワインダが非
常停止したことを示している。図３１のアラームはサー
ボコントロール回路６からの異常検知、図３２のアラー
ムはインバータ回路５からの異常検知によりパーンワイ
ンダが停止したことを示している。いずれの場合も、矢
印の点滅と文字「ＰＵＳＨＲＥＳＥＴ」とからなるプ
ロンプト表示が行われ、リセット以外の操作は受付けな
い。図３３のアラームは外径センサ８の検出値が異常で
あることを示しており、オペレータが「戻る」を押すこ
とにより図９の画面に戻る。図３４のアラームは各種セ
ンサ７の位置検出により、トラバース動作が設定した往
復範囲から外れたことが検知されたことを示している。
「原点復帰」の入力図形が配置され、原点復帰以外の操
作はできないようになっている。

【００３３】図３５は原点復帰の操作画面であり、図３
４のアラーム表示画面において「原点復帰」を押した場
合と、図８の停止中の表示画面において「原点復帰」を
押した場合に表示される。この画面には「はい／スター
ト」、「いいえ／ストップ」及び「戻る」の入力図形が
配置されている。「はい／スタート」を押すとトラバー
サが往復移動を開始し、そのまま放置すれば原点の位置
で停止する。この往復移動の途中又は停止中に「いいえ
／ストップ」を押すとトラバースの現在位置が原点とな
る。「戻る」を押すと元の表示画面に戻る。原点復帰の
操作は、瞬時停電や非常停止、アラームによる停止の際
にトラバースを原点復帰させることに用いられる他に、
パーンワインダの設置時の試運転や臨時に行われるデモ
ンストレーションにおいて人為的にトラバース範囲をず
らすことにも用いられる。

【００３４】図３６はアラーム履歴の表示画面であり、
アラームの発生した順に、年・月・日・時刻及び内容が
示される。上下方向を向いた矢印の入力図形はスクロー
ルキーを意味しており、これに触れることによりアラー
ム履歴をスクロールすることができる。「戻る」に触れ
ると図８の停止中の表示画面に戻る。「ALL CLEAR 」に
触れると、このアラーム履歴を全部消去する画面に切り
替わる。図３７はアラーム履歴を全部消去する画面であ
り、メッセージに続いて「はい」「いいえ」の入力図形
が配置されている。

【００３５】図３８、図３９は、ＰＬＣ９と本発明の運
転条件設定装置であるコンピュータ１との通信に関する
表示画面である。

【００３６】次に、本発明の他の実施例を説明する。

【００３７】前記実施例では、巻取方式としてワープ及
びフィリングの２通りを対象としていたが、この例では
特殊巻を選択することができる。特殊巻は、ワープやフ
ィリングのように一定の規則に従って巻く方式ではな
く、トラバース範囲をある範囲から別の範囲まで徐々に
変えながら巻く方式であり、しかも、ある程度巻いたと
ころで目標のトラバース範囲を大きく変えることができ
る。スピンドル回転数も変えることができる。これによ
り、任意の糸量からなる任意の巻き方の糸層を順次重ね
巻きして、任意の仕上がり形状を得ることができる。以
下の例では、巻き始めから巻き上がりまでを時間間隔可
変に５つに区分し、各区分毎に巻き方を設定するように
なっており、５通りの異なる巻き方を順に重ねるもので
ある。

【００３８】特殊巻の場合、設定する項目は以下の通
り。

【００３９】ステージの時間３桁単位；分上反転位置３桁単位；ｍｍ下反転位置３桁単位；ｍｍスピンドル回転数３桁単位；ｒｐｍさて、特殊巻を行う場合には、図１４の巻取方式の設定
画面に特殊巻の入力図形が付加される。そこで、特殊巻
を選択すると図４０の特殊巻設定画面に切り替わる。図
４０の特殊巻設定画面は、０〜５のステージ番号毎に時
間、上反転位置、下反転位置、スピンドル回転数の欄が
あり、その欄を触れることにより欄内の数値設定が可能
になる。設定している欄は明暗反転され、右側のテンキ
ーで数値が入力され、ＥＮＴで確定される。オペレータ
は、０ステージから順に設定を行う方が易しいので、そ
の順で説明する。

【００４０】まず、０ステージの時間は必ずゼロである
から、この欄に限っては設定不可になっている。巻き始
めのトラバース範囲には制約がないので、図のように下
２０ｍｍから上１００ｍｍに設定する。このとき上反転
位置と下反転位置とが上下逆転しているような設定や糸
案内部３４のトラバース可能な範囲（或いはパルスモー
タ３５で制御可能な範囲）を越える設定はエラーとな
り、ＥＮＴを受け付けない。巻き始めのスピンドル回転
数は３２００ｒｐｍに設定する。次に、１ステージの時
間を３０分に、上反転位置を３００ｍｍに、下反転位置
を４０ｍｍに、スピンドル回転数を２５００ｒｐｍに設
定する。以下、同様にして５ステージまで設定する。勿
論、時間の設定はステージ順に大きくしなければ、エラ
ーとなる。このようにして、特殊巻設定画面の全部の欄
が設定される。

【００４１】設定後（設定中でも可）、「グラフ」の入
力図形を押すと、図４１のグラフ画面に切り替わる。グ
ラフは、横軸を時間とし、縦軸に回転数と上下の反転位
置とを当てて、前記各設定値をプロットしたものであ
る。各点は折れ線で結ばれる。このグラフ画面から設定
されている特殊巻の巻き方の変化が判るようになってい
る。即ち、特殊巻にあってはパーンワインダがこの折れ
線に沿ってトラバース範囲とスピンドル回転数とを変化
させるのである。

【００４２】設定終了後、パーンワインダの運転を開始
すると、０ステージの設定に従った巻き始めとなり、か
つ１ステージの設定を目標とした運転が行われる。ステ
ージが０分−３０分−９０分−１２０分−１３５分−１
５０分と進む間に、下反転位置は２０ｍｍ−４０ｍｍ−
６０ｍｍ−８０ｍｍ−９０ｍｍ−１７５ｍｍと変化し、
上反転位置は１００ｍｍ−３００ｍｍ−２４０ｍｍ−２
１０ｍｍ−２０５ｍｍ−２００ｍｍと変化し、スピンド
ル回転数は３２００ｒｐｍ−２５００ｒｐｍ−１５００
ｒｐｍ−１０００ｒｐｍ−８００ｒｐｍ−４００ｒｐｍ
と変化し、５ステージの設定どおりに巻き終わる。パー
ンの仕上がり形状は、この巻き方に応じたものとなる。

【００４３】なお、特殊巻にあっては、所望の巻き方を
実現するためには、上記全部の欄をそれに適するように
設定しなければならないから、特殊巻設定画面に切り替
わったときに、全欄をゼロ又はブランクとし、設定忘れ
がないようにするとよい。

【００４４】けれども、このように多くの欄に数値を入
力することの煩わしさを緩和するために、場合によって
は省略できる方法もある。例えば、図４１のグラフを見
ると、上反転位置の１ステージから３ステージまでの変
化は一直線である。このようにステージの変わり目を越
えても変化が一定の場合、そのステージの当該項目の設
定を省けるようにする。具体的には、オペレータが前の
ステージの項目を設定した後、中間のステージの項目の
設定を省いて、後のステージの項目を設定すれば、コン
ピュータ１が直線補間等により自動的に中間のステージ
の項目を内挿するようにする。図４０の例では、上反転
位置の２ステージ、同じく４ステージ、回転数の２ステ
ージの欄に対して適用でき、オペレータが上反転位置の
１ステージに３００を設定した後、３ステージに２１０
を設定すると２ステージには自動的に２４０が入る。な
お、決定後の当該欄の表示は、ブランクのままでも自動
設定値としてもよい。

【００４５】

【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。

【００４６】（１）表示画面に当該設定に必要な入力図
形のみが配置されるので、オペレータが操作に迷うこと
がない。

【００４７】（２）項目名や数値だけでなく当該設定の
項目を図解する図形が伴うので理解しやすい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパーンワインダの操作部の回路図であ
る。

【図２】パーンワインダの概略図である。

【図３】パーンワインダの機構部の側面図である。

【図４】パーンワインダの操作部の正面図である。

【図５】表示画面の一例を表示した操作部の正面図であ
る。

【図６】表示画面の一例を表示した操作部の正面図であ
る。

【図７】表示画面の一例を表示した操作部の正面図であ
る。

【図８】表示画面の一例を表示した操作部の正面図であ
る。

【図９】表示画面の一例を表示した操作部の正面図であ
る。

【図１０】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１１】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１２】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１３】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１４】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１５】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１６】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１７】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１８】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図１９】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２０】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２１】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２２】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２３】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２４】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２５】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２６】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２７】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２８】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図２９】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３０】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３１】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３２】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３３】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３４】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３５】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３６】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３７】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３８】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図３９】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図４０】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【図４１】表示画面の一例を表示した操作部の正面図で
ある。

【符号の説明】

２表示器３タッチパネル

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】ワインダの機構部をトラバース動作の上
下反転位置が変えられるよう構成し、上記機構部を制御
する操作部の表示器に巻取り方式及びその巻取り方式に
応じたトラバース範囲を設定するための画面を表示さ
せ、設定された巻取り方式及びトラバース範囲に基づき
巻き取り中に上記機構部にトラバース動作の上下反転位
置を変更させてパーン形状を仕上げさせるようにしたワ
インダの運転条件設定装置において、任意の糸量からな
る任意の巻き方の糸層を順次重ね巻きして、任意の仕上
がり形状を得るために、巻き始めから巻き上がりまでを
時間間隔可変な複数のステージに分割し、分割された各
ステージについてステージの時間及び上下反転位置を設
定するための画面を表示させ、この設定に基づきステー
ジの時間毎にトラバース動作の上下反転位置が変わるよ
うにしたことを特徴とするワインダの運転条件設定装
置。
【請求項２】上記設定に基づき時間を横軸に、上下反
転位置を縦軸にとったグラフの画面を表示させることを
特徴とする請求項１記載のワインダの運転条件設定装
置。