JPH0665580B2 - 連続体巻取装置 - Google Patents

連続体巻取装置

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JPH0665580B2
JPH0665580B2 JP1075743A JP7574389A JPH0665580B2 JP H0665580 B2 JPH0665580 B2 JP H0665580B2 JP 1075743 A JP1075743 A JP 1075743A JP 7574389 A JP7574389 A JP 7574389A JP H0665580 B2 JPH0665580 B2 JP H0665580B2
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tension
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武男 山元
敬明 倉橋
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Kasuga Denki Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、たとえば、織機ビームを用意するためのビー
ミング工程において、糸シートを巻取ったり、また、
紙,プラスチックフィルム,布等のシート帯を巻取った
りするための連続体巻取装置に関する。
[従来の技術] 第36図は、従来の連続体巻取装置の一例であるナイロ
ン,レーヨン,アクリル,綿等の糸を巻取る糸巻取装置
の概略構成図である。
一般に、布を製織するに際しては、経糸は、織機ビーム
と呼ばれる大径巻取ロールに、所定本数だけ、シート上
に平行して巻取った形で織機にに仕掛けられる。この織
機ビームを調整するには、ビーミング工程において、所
定本数のビームから所定本数の経糸をシート上に引出
し、1本の織機ビーム(巻取ビーム)に集合して巻取っ
ていく必要がある。このビーミング工程における糸シー
トの巻取りが、第36図に示す糸巻取装置により行なわれ
る。
所定本数(図面では6本)の送出ロールの一例の送出ビ
ーム76には、その送出ビーム76の回転に所定の大きさの
制動力を付与するためのブレーキ装置77がそれぞれ設け
られている。この送出ビーム76に予め巻かれている糸9
が、それぞれの送出ビーム76から引出されて、遊転ロー
ル75,テンションカットロール74を介して巻取ロールの
一例の巻取ビーム73に巻取られる。この巻取ビーム73に
は、モータ70からの駆動力がベルト式無段変速装置(PI
V)71を介して供給される。その駆動力により巻取ビー
ム73が回転して糸9がその巻取ビーム73の外周に巻取ら
れる。一方、前記モータ70からの駆動力は、減速装置72
を介してテンションカットロール74にも供給され、糸9
が巻付けられていない自由回転状態で、そのテンション
カットロール74が、前記巻取ビーム73の回転速度よりも
多少遅い速度で回転するように前記減速装置72が調整さ
れている。この状態で、糸9を巻取れば、巻取ビーム73
よりもテンションカットロール74の方が遅く回転しよう
とするため、テンションカットロール74とビーム73との
間に掛け渡された糸シート部分に所定の張力が発生し、
巻取ビーム73に所定の張力をかけながら糸シートを巻取
けることができる。
なお、前記糸9は、ナイロン,レーヨン,アクリル,綿
等からなるが、その他に、プラスチックフィルム等の帯
状体や、紐等のものであってもよく、巻取ロール73によ
って巻取ることが可能な連続体であれば何でもよい。
[発明が解決しようとする課題] ところが、第36図に示した従来の巻取装置において、巻
取ビーム73に巻取られる糸9に対し、その巻取初期から
巻取りの終了まで一定の値のテンションを付与した状態
で巻取れば、巻取りの進行に伴ってその巻取られた糸ロ
ールの中心付近に皺が生じるという不都合が生ずる。第
37図は、前記巻取りに伴って生じた皺を示す状態説明図
である。図中、78は巻取ビーム73の回転軸であり、この
回転軸78が回転することによりその外周に糸9が巻取ら
れるのである。この巻取りに際し、巻取られる糸9の張
力を巻取初期から巻取りの終了まで一定に保った場合に
は、巻取りの進行に伴って糸9に加えられた張力に伴う
圧力が糸ロール80における前記回転軸78の外周付近に集
中し、その圧力が集中した部分が圧縮されてその部分に
皺が生ずる。その結果、皺が生じている巻取ビームの糸
を経糸として織機に使用した場合には、織機における経
糸の解除テンションが変動し、生産される布に致命的な
欠点が生ずるおそれがある。なお、第37図に示した皺の
問題は、巻取対象である連続体がプラスチック、紙、ゴ
ム、金属箔等のような帯状体の場合も同様に生じる。
そこで、巻取ロール73への巻取初期において巻取られる
連続体9に比較的大きなテンションを付与し、巻取りの
進行に伴ってそのテンションを徐々に減少し、前記巻取
られた連続体のロール80の中心付近に皺が生じないよう
にすることが考えられる。そこで、第36図に示した従来
構造の巻取装置において、無段変速装置(PIV)71およ
びモータ70を制御し、巻取初期においては、テンション
カットロール74に対する巻取ロール73の相対回転速度を
比較的速くし、巻取りの信号に伴ってテンションカット
ロール74に対する巻取ビーム73の相対回転速度を徐々に
低下させ、巻取られる連続体9のテンションを巻取初期
において高くしその後巻取りの進行に伴って徐々に低下
させるように制御することが考えられる。しかし、この
ように制御した場合には、巻取りに伴う連続体9の移動
速度が巻取りの進行に伴って変化し、また、巻取ビーム
73とテンションカットロール74との間の巻取側連続体部
分に付与されるテンションの変動の影響が、テンション
カットロール74と送出ビーム76との間の送出側連続体部
分にも及び、テンションカットロール74と送出ビーム76
との間の糸9のテンションが、巻取りの進行に伴って変
動する。ところが、送出ビーム76に巻かれている糸9
が、予め定められた一定のテンションの下に巻かれてい
るものである場合は、その巻取時の一定テンションに従
って、送出ビーム76から糸9を引出す場合にも一定のテ
ンションの下で引出すのが望ましく、巻取時のテンショ
ンと引出し時のテンションとが異なれば連続体9の送出
ビーム76からのすべり出し等、種々の不都合が生じる。
つまり、巻取側連続体部分に付与される張力は、連続体
の材質や巻取ロールの径などを考慮し、巻取状態が最良
の状態になるように制御するのが望ましく、一方、送出
側連続体部分に付与される張力は、送出ロールに巻かれ
た連続体の巻取張力状態等に応じて制御するのが望まし
いのであるが、従来の連続体巻取装置においては、巻取
側と送出側において、それぞれの側での張力制御が、他
方の側に影響を及ぼすため、結果的に、それぞれの側で
要求される状況に適した最良の張力制御をそれぞれの側
の連続体部分について行なうことができないという欠点
を有していた。
そこで、この欠点を解決する方法として、巻取ビーム73
とテンションカットロール74と送出ビーム76とをそれぞ
れ独立のモータで回転駆動し、前記送出側連続体部分と
巻取側連続体部分との張力をそれぞれに所望の張力に制
御するための目標となる目標張力を定める張力パターン
をそれぞれ設定し、送出側連続体部分の張力パターンに
従って前記送出ビーム駆動用モータを駆動制御し、前記
巻取側連続体部分の張力パターンに従って前記巻取ビー
ム駆動用モータを駆動制御し、さらに、前記テンション
カットロール駆動用モータを、テンションカットロール
に加わる回転負荷の大きさにかかわらず常に所望の回転
速度となるように駆動制御するように構成することが考
えられる。このテンションカット駆動用モータは、回転
トルクと回転速度とをそれぞれ独立に制御可能なものに
して、回転速度を所望の速度に維持し、かつ、回転トル
クについては、巻取側連続体部分の張力と巻出側連続体
部分の張力との差が最大となった状態に照準を定めて、
その状態でも確実にテンションカットが行なえるように
常に最大のパワーを用いてトルク駆動制御する。このよ
うに構成すれば、テンションカットロールは、送出側連
続体部分の張力と巻取側連続体部分の張力とがどのよう
な大きさであったとしても、常に所望の回転速度を維持
するように回転駆動し、送出ビーム駆動用のモータの制
御によって送出側連続体部分が所望の張力パターンに制
御され、巻取ビーム駆動用のモータの制御によって巻取
側連続体部分が所望の張力パターンに制御される。
しかし、このように構成した場合においては、巻取側連
続体部分の張力と送出側連続体部分の張力との差がどの
ような大きさであったとしてもテンションカットロール
を常に所望の回転速度に維持するために、テンションカ
ットロール駆動用のモータに当初から大きな回転トルク
を発揮させるべく大電力を供給する必要がある。ところ
が、送出側連続体部分の張力と巻取側連続体部分の張力
との差がたとえばほとんど0に近い状態の場合には、テ
ンションカットロール駆動用のモータはほとんど回転ト
ルクを必要としないのであるが、このような場合におい
ても、テンションカットロール駆動用のモータに大きな
トルクを発生させるための大電力を供給する状態とな
り、無駄が多く、電力の浪費を招来するという新たな欠
点が生ずる。
つまり、テンションカットロールをどのような場合にお
いても常に所望の速度で回転させんとした場合には、送
出側連続体部分の張力と巻取側連続体部分の張力との差
が最大となる状態に照準を合わせて常にテンションカッ
トロール駆動用のモータに大きな馬力が発生する状態に
維持しなければならず、大きな馬力を必要としない場合
においても大きな馬力を発生させる状態に維持されると
いうパワーの浪費が生ずる欠点を有する。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、請
求項1記載の発明の目的は、パワーの浪費を防止できな
がらも、巻取側と送出側とにおいて、一方の側での張力
制御の影響が他方の側に及ぶことを防止し、それぞれの
側で要求される状況に適した最良の張力制御をそれぞれ
の側の連続体部分において行なうことのできる連続体巻
取装置を提供する点にある。
請求項2に記載の発明の目的は、請求項1に記載の発明
において、巻取ロールによって巻取られる巻取側連続体
部分の張力制御を最良に行なう点にある。
請求項3に記載の発明の目的は、パワーの浪費を防止で
きながらも、巻取側と送出側において、一方の側での張
力制御の影響が他方の側に及ぶことを防止し、それぞれ
の側で要求される状況に適した最良の張力制御をそれぞ
れの側の連続体部分において行なうことができ、しか
も、制御系に外乱が生じてもその張力制御を安定させて
極力正確に行なうことのできる連続体巻取装置を提供す
る点にある。
請求項4に記載の発明の目的は、請求項1に記載の発明
の目的に加えて、さらに、フィードバック制御に伴なう
ハンチング現象を極力抑える点にある。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の本発明は、巻取対象である連続体を巻
取る連続体巻取装置であって、 巻取力が変更可能な巻取駆動手段を含み、該巻取駆動手
段の駆動力を利用して前記連続体を巻取るための巻取手
段と、 該巻取手段による巻取力に伴なう前記連続体の引出し移
動に対し所定の大きさの移動負荷を作用させるための移
動負荷作用手段と、 該移動負荷作用手段から前記巻取手段へ移動する前記連
続体部分に対し、該連続体の移動前後方向に沿った方向
に力を付与することが可能で、かつ、その付与する力の
大きさを変更し得る可変型力付与手段と、 該可変型力付与手段による力の付与箇所と前記移動負荷
作用手段との間の送出側連続体部分と、前記力の付与箇
所と前記巻取手段との間の巻取側連続体部分との張力
を、それぞれに所望の張力に制御するための目標となる
目標張力を定める張力パターンがそれぞれ設定され、前
記送出側連続体部分の張力パターンに従って前記移動負
荷作用手段を制御して移動負荷の大きさを調整し、前記
巻取側連続体部分の張力パターンに従って前記巻取手段
を制御して巻取力を調整し、さらに、前記巻取側連続体
部分の張力パターンに従った巻取側目標張力と前記送出
側連続体部分の張力パターンに従った送出側目標張力と
の差に従って、前記可変型力付与手段を制御して前記連
続体に加える力の大きさを調整し、前記巻取側連続体部
分の張力と前記送出側連続体部分の張力とを、それぞれ
の前記張力パターンに従って独立に制御するための演算
制御手段とを含む。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の前記巻取
手段が、前記巻取駆動手段によって回転駆動されて前記
連続体を巻取る巻取ロールを含み、 前記巻取側連続体部分の張力パターンは、前記連続体の
巻取りに伴なう前記巻取ロールの巻径の増加に対し一定
の割合で前記目標張力が減少する負の一次関数に設定さ
れている。
請求項3に記載の本発明は、巻取対象である連続体を巻
取る連続体巻取装置であって、 巻取力が変更可能な巻取駆動手段を含み、該巻取駆動手
段の駆動力を利用して前記連続体を巻取るための巻取手
段と、 前記巻取駆動手段による駆動力を検出するための巻取力
検出手段と、 前記巻取手段による巻取力に伴なう前記連続体の引出移
動に対し所定の大きさの移動負荷を作用させるための移
動負荷作用手段と、 該移動負荷作用手段により作用された移動負荷の大きさ
を検出するための移動負荷検出手段と、 前記移動負荷作用手段から前記巻取手段に移動する前記
連続体部分に対し、連続体の移動前後方向に沿った方向
に力を付与することが可能で、かつ、その付与する力の
大きさを変更し得る可変型力付与手段と、 該可変型力付与手段により付与された力を検出するため
の付与力検出手段と、 前記可変型力付与手段による力の付与箇所と前記移動負
荷作用手段との間の送出側連続体部分と、前記力の付与
箇所と前記巻取手段との間の巻取側連続体部分との張力
を、それぞれに所望の張力に制御するための目標となる
目標張力がそれぞれ設定され、前記送出側連続体部分の
前記目標張力に従って、前記移動負荷を所望の大きさに
制御するための目標となる移動負荷目標値を算出し、前
記巻取側連続体部分の目標張力と前記送出側連続体部分
の目標張力との差に従って、前記可変型力付与手段によ
って付与される力を所望の大きさに制御するための目標
となる付与力目標値を算出し、前記移動負荷検出手段か
らの検出出力をフィードバック信号として前記移動負荷
目標値と比較し、実際の移動負荷を前記移動負荷目標値
に近づけるための制御動作信号を前記移動負荷作用手段
に与え、前記巻取側連続体部分の張力パターンに従って
前記巻取手段を制御して巻取力を調整し、前記付与力検
出手段からの検出出力をフィードバック信号として前記
付与力目標値と比較し、実際の付与力を前記付与力目標
値に近づけるための制御動作信号を前記可変型力付与手
段に与えるための演算制御手段とを含む。
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の前記演算
制御手段が、 連続体の巻取移動速度を制御する速度制御手段を含むと
ともに、 演算制御手段によって制御される制御対象の実際の制御
量を検出するための検出手段からの検出信号が入力さ
れ、該入力信号をフィードバック信号として、前記制御
量を所望の値に制御するための目標値と比較し、実際の
制御量を前記目標値に近づけるための制御動作信号を前
記制御対象に出力するフィードバック制御手段を含み、 該フィードバック制御手段は、前記検出手段から入力さ
れた実際の制御量と前記目標値との差である制御偏差が
所定の値以上のときには、比較的大幅に前記制御量を修
正するための制御動作信号を出力し、前記制御偏差が所
定の値以下のときには、比較的小幅に前記制御量を制御
するための制御動作信号を出力することを特徴とする。
[作用] 請求項1に記載の本発明によれば、巻取力が変更可能な
巻取手段により連続体が巻取られ、その巻取手段による
巻取力に伴なう連続体の引出移動に対し所定の大きさの
移動負荷が移動負荷作用手段により連続体に作用され
る。巻取中の連続体は、前記移動負荷作用手段から前記
巻取手段に移動するのであり、その移動負荷作用手段か
ら前記巻取手段に移動する前記連続体部分に対して、連
続体の移動前後方向に沿った方向に可変型力付与手段に
より力が付与され、その力は大きさが変更可能である。
演算制御手段には、前記可変型力付与手段による力の付
与箇所と前記移動負荷作用手段との間の巻出側連続体部
分と、前記力の付与箇所と前記巻取手段との間の巻取側
連続体部分との張力を、それぞれに所望の張力に制御す
るための目標となる目標張力を定める張力パターンがそ
れぞれ設定されており、その演算手段の働きにより、前
記送出側連続体部分の張力パターンに従って前記移動負
荷作用手段が制御されて移動負荷の大きさが調整され、
前記巻取側連続体部分の張力パターンに従って前記巻取
手段が制御されて巻取力が調整される。さらに、演算制
御手段の働きにより、前記巻取側連続体部分の張力パタ
ーンに従った巻取側目標張力と前記送出側連続体部分の
張力パターンに従った送出側目標張力との差に従って、
前記可変型力付与手段が制御されて前記連続体に加えら
れる力の大きさが調整され、前記巻取側連続体部分の張
力と前記送出側連続体部分の張力とが、それぞれ前記張
力パターンに従って独立に制御される。
つまり、送出側連続体部分と巻取側連続体部分とが、そ
れぞれの張力パターンに従って独立に制御され、しか
も、巻取側連続体部分と送出側部分との間に付与される
付与力の大きさが、巻取側目標張力と送出側目標張力と
の差に従った大きさに自動的に制御されるため、巻取側
と送出側とにおいて、一方の側で目標張力が変化したと
しても、その変化に応じて前記可変型力付与手段の付与
力が変化してその目標張力の変化を吸収し、他方の側に
前記目標張力の変化の影響が及ぶのが極力防止できる。
さらに、前記可変型力付与手段が、巻取側目標張力と送
出側目標張力との差に従って駆動制御される。
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発
明において、巻取手段に含まれている巻取ロールが巻取
駆動手段によって回転駆動されることにより、その巻取
ロールにより連続体が巻取られる。さらに、前記巻取側
連続体部分の張力パターンが、前記連続体の巻取に伴な
う前記巻取ロールの巻径の増加に対し一定の割合で前記
目標張力が減少する負の一次関数に設定されているた
め、巻取初期において比較的大きな張力の下に連続体が
巻取られ、巻取りの進行に伴って徐々に一定の割合で張
力が減少することになり、巻取ロールに巻取ったドーナ
ツ状の連続体ロールにおける巻取ロール外周近傍の部分
に巻取張力の累積による圧力の作用により皺等が生ずる
事態が減少する。
請求項3に記載の本発明によれば、巻取力が変更可能な
巻取手段により連続体が巻取られ、その巻取力が巻取力
検出手段により検出される。前記巻取手段による巻取力
に伴って連続体が引出されて移動し、その連続体に対し
所定の大きさの移動負荷が移動負荷作用手段により作用
され、その作用された移動負荷の大きさが移動負荷検出
手段の働きにより検出される。さらに、可変型力付与手
段の働きにより、前記移動負荷作用手段から前記巻取手
段に移動する前記連続体部分に対し、その連続体の移動
前後方向に沿った方向の力が付与され、その付与される
力の大きさが変更できる。演算制御手段には、前記可変
型力付与手段による力の付与箇所と前記移動負荷作用手
段との間の送出側連続体部分と、前記力の付与箇所と前
記巻取手段との間の巻取側連続体部分との張力を、それ
ぞれに所望の張力に制御するための目標となる目標張力
がそれぞれ設定されている。その目標張力がそれぞれ設
定されている演算制御手段の働きにより、前記送出側連
続体部分の目標張力に従って前記移動負荷を所望の大き
さに制御するための目標となる移動負荷目標値が算出さ
れ、前記巻取側連続体部分の目標張力と前記送出側連続
体部分の目標張力との差に従って、前記可変型力付与手
段によって付与される力を所望の大きさに制御するため
の目標となる付与力目標値が算出される。さらに、演算
制御手段の働きには、前記移動負荷検出手段からの検出
出力をフィードバック信号として前記移動負荷目標値と
比較し、実際の移動負荷を前記移動負荷目標値に近づけ
るための制御動作信号が前記移動負荷作用手段に与えら
れ、前記巻取側連続体部分の張力パターンに従って前記
巻取手段が制御されて巻取力が調整され、前記付与力検
出手段からの検出出力をフィードバック信号として前記
付与力目標値と比較し、実際の付与力を前記付与力目標
値に近づけるための制御動作信号が前記可変型力付与手
段に与えられる。
つまり、巻取側連続体部分と送出側連続体部分との間に
付与される付与力の大きさが、巻取側連続体部分の目標
張力と送出側連続体部分の目標張力との差に従った大き
さに自動的に制御されるため、巻取側と送出側とにおい
て、一方の側で目標張力が変動されたとしても、その目
標張力の変動に従って前記可変型力付与手段の付与力が
変動してその目標張力の変動を吸収し、一方の側での目
標張力の変動の影響が他方の側に及ぶことが極力防止さ
れる。しかも、移動負荷作用手段によって作用される移
動負荷と、可変型力付与手段によって付与される付与力
とが、それぞれの力に対し設定された目標値に近づくよ
うにフィードバック制御されるため、制御系に外乱が生
じたとしても連続体に作用するそれぞれの力がフィード
バック制御されて速やかに目標値に近づくように制御さ
れるため、連続体の張力制御が安定し極力正確に行なえ
る。
請求項4に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発
明において、演算制御手段の働きにより、連続体の張力
制御ばかりでなく連続体の巻取移動速度の制御も行なわ
れる。しかも、演算制御手段に含まれるフィードバック
制御手段の働きにより、演算制御手段によって制御され
る制御対象の実際の制御量がフィードバック信号とし
て、その制御量を所望の値に制御するための目標値と比
較され、実際の制御量を前記目標値に近づけるための制
御動作信号が前記制御対象に出力されてその制御対象が
フィードバック制御される。さらに、そのフィードバッ
ク制御においては、入力された実際の制御量と前記目標
値との差である制御偏差が所定の値以上のときには、比
較的大幅に前記制御量が修正されて比較的迅速に制御量
を目標値に近づけるための制御が行なわれ、前記制御偏
差が所望の値以下のときには比較的小幅に前記制御量が
修正されて、比較的ゆっくりと慎重に制御量を目標値に
近づける制御が行なわれる。
[発明の実施例] 次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。なお、本実施例においては、連続体巻取装置の具体
例として、糸を巻取る糸巻取装置およひびプラスチック
フィルムを巻取るフィルム巻取装置を示すが、本発明は
これらに限らず、紐状体や帯状体等、何らかの巻取手段
によって巻取ることができる連続体を巻取る連続体巻取
装置であれば何でもよい。
第1図は、本発明に係る連続体巻取装置の一例の糸巻取
装置を示す概略構成図である。
構成において、制動機構1に軸支された送出ロールの一
例の送出ビーム2が複数個(図面では6個)配設されて
いる。その送出ビームに巻かれている連続体一例の糸9
を巻取るための巻取ロールの一例の巻取ビーム8が、巻
取駆動手段7に軸支されている。前記巻取ビーム8と送
出ビーム2との間に、テンションカットロール4が付与
力制御装置3に軸支された状態で配設されている。な
お、図中、5,6は遊転ロールである。なお、糸9は、た
とえば、ナイロン,レーヨン,アクリル,綿等の材質か
らなる。
次に動作について説明する。それぞれの送出ビーム2か
ら引出された糸9は、遊転ロール5,テンションカットロ
ール4ならびに遊転ロール6のそれぞれの外周に接触し
た状態で前記巻取ビーム8に掛け渡され、巻取駆動手段
7の駆動力により巻取ビーム8が回転することにより、
巻取ビーム8により糸9が巻取られる。その糸9の巻取
りに伴って、送出ビーム2が図示矢印方向に回転され、
その送出ビーム2の外周に巻かれている糸9が図示矢印
方向に引出され、遊転ロール5,テンションカットロール
4,遊転ロール6を通って巻取ビーム8側に移動する。そ
の際に、前記2つの遊転ロール5,6は前記テンションカ
ットロール4側に押圧され、遊転ロール5,6の外周とテ
ンションカットロール4の外周とで移動してくる糸9を
挟持しているため、糸9の移動に伴って、遊転ロール5,
6とテンションカットロール4とが図示矢印方向にそれ
ぞれ回転する。
前記制動機構1は、後述するように巻取ビーム2の回転
に所定の大きさの制動力を付与する機能を有する。ま
た、付与力制御装置3は、後述するように、テンション
カットロール4の回転軸に所定の大きさのトルクを作用
させ、糸9に対し、その糸9の巻取りに伴う移動方向に
沿った方向に所定の大きさの力を付与する機能を有す
る。
第2A図は、前記制動機構1の構成を説明するための概略
構成図である。
10はサーボモータドライバであり、外部からの速度指令
信号とトルク指令信号とを受けてサーボモータ11に制御
信号を与え、サーボモータ11を駆動制御する。なお、こ
のサーボモータ11は、送出ビーム2の回転を制動するた
めのブレーキとして機能を果たす。12は減速器であり、
サーボモータ11の回転が減速されて前記送出ビーム2に
伝達される。換言すれば、サーボモータ11による制動ト
ルクが、この減速器12により増大されて前記送出ビーム
2に伝達される。13はロードセルであり、送出ビーム2
の回転に伴う回転トルクを検出するためのものであり、
その検出出力は後述するように制御に用いられる。14は
パルスジェネレータからなるエンコーダであり、たとえ
ば、1回転につき1000パルスの信号を出力し、送出ビー
ム2の回転数を検出するために用いられている。この状
態で、前記巻取ビーム8(第1図参照)の巻取力に伴っ
て糸9が図示矢印方向に引出され、送出ビーム2が回転
すれば、その回転力がプーリとベルトならびに減速器12
を介してサーボモータ11に伝達され、そのサーボモータ
11がブレーキとして機能し、前記送出ビーム2の回転に
所定の制動力が作用される。その制動力に伴って生じる
制動トルクがロードセル13により検出される。さらに、
送出ビーム2の回転がプーリとベルトを介してエンコー
ダ14に伝達され、そのエンコーダ14により送出ビーム2
の回転数が検出される。前記サーボモータ11により、後
述する巻取手段による巻取力に伴う前記連続体の引出移
動に対し所定の大きさの移動負荷を作用させるための移
動負荷作用手段が構成されている。なお、本発明におい
て、サーボモータとは、二次ベクトル制御モータのこと
であり、回転速度制御信号と回転トルク制御信号とを受
けて、回転速度と回転トルクとが独立に制御可能なモー
タをいう。前記ロードセル13により、前記移動負荷作用
手段により作用された移動負荷の大きさを検出するため
の移動負荷検出手段が構成されている。
第2B図は、前記制動機構1(第1図参照)の別実施例を
示す概略構成図である。
送出ビーム2の回転軸には、ロードセル13が設けられて
おり、さらにエアブレーキ15が設けられている。そして
このエアブレーキ15に所定の圧縮空気を供給制御するこ
とにより、送出ビーム2の回転軸に所定の大きさの制動
トルクを付与し、巻取りに伴って糸9が引出されて送出
ビーム2が回転するその回転に対し所定の制動力が作用
される。その制動力の大きさがロードセル13により検出
され、その検出出力が後述するように制御に用いられ
る。さらに送出ビーム2の回転が、ベルトとプーリを介
してエンコーダ14に伝達され、送出ビーム2の回転数が
検出され、その検出出力が後述するように制御に用いら
れる。前記エアブレーキ15により、後述する巻取手段に
よる巻取力に伴う前記連続体の引出移動に対し所定の大
きさの移動負荷を作用させるための移動負荷作用手段が
構成されている。前記ロードセル13により、前記移動負
荷作用手段により作用された移動負荷の大きさを検出す
るための移動負荷検出手段が構成されている。
第3A図は、前記付与力制御装置3(第1図参照)の構成
を説明するための概略構成図である。前記巻取ビーム8
(第1図参照)の巻取力に伴って糸9が矢印方向に移動
し、それに伴ってテンションカットロール4が回転す
る。そのテンションカットロール4の回転力が、ベルト
とプーリを介してロードセル19に伝達され、さらに減速
器18を介してサーボモータ17に伝達される。このサーボ
モータ17には、サーボモータドライバ16が設けられてお
り、外部からの回転速度制御信号と回転トルク制御信号
とに基づいてサーボモータ駆動用信号がそのサーボモー
タドライバ16からサーボモータ17に与えられる。そして
サーボモータ17は、与えられたサーボモータ駆動用信号
に基づいて回転し、テンションカットロール4の回転を
制動したりあるいは逆に回転方向に駆動したりする。
テンションカットロール4の回転は、ベルトとプーリを
介してエンコーダ20にも伝達され、そのエンコーダ20に
より、テンションカットロール4の回転数が検出され、
その検出出力が後述するように制御に用いられる。前記
テンションカットロール4と付与力制御装置3により、
前記移動負荷作用手段から後述する巻取手段に移動する
前記連続体部分に対し、該連続体の移動を前後方向に沿
った方向に力を付与することが可能で、かつ、その付与
する力を変更し得る可変型力付与手段が構成されてい
る。前記ロードセル19により、前記可変型力付与手段に
より付与された力を検出する付与力検出手段が構成され
ている。
第3B図は、前記可変型力付与手段3(第1図参照)の別
実施例を示す概略構成図である。
糸9の移動に伴うテンションカットロール4の回転力
は、ロードセル19に伝達されるとともにエアブレーキ21
に伝達される。このエアブレーキ21には、圧縮空気が供
給され、その圧縮空気の供給制御により、テンションカ
ットロール4の回転に所定の大きさの制動力が付与され
る。その制動力が前記ロードセル19により検出され、そ
の検出出力が後述する制御に用いられる。さらに、テン
ションカットロール4の回転は、ベルトとプーリを介し
てエンコーダ20にも伝達され、そのエンコーダ20により
テンションカットロール4の回転数が検出され、その検
出出力が後述するように制御に用いられる。前記付与力
制御装置3と前記テンションカットロール4とにより、
前記移動負荷作用手段から後述する巻取手段に移動する
前記連続体部分に対し、該連続体の移動前後方向に沿っ
た力を付与することが可能で、かつ、その付与する力を
変更し得る可変型力付与手段が構成されている。前記ロ
ードセル19により、前記可変型力付与手段により付与さ
れた力を検出する付与力検出手段が構成されている。こ
の第3A図および第3B図で説明した可変型力付与手段と、
前記第2A図および第2B図で説明した移動負荷作用手段と
により、後述する巻取手段による巻取力に伴って移動す
る連続体部分に移動抵抗を付与することが可能で、か
つ、該付与する移動抵抗の大きさを変更し得る可変型抵
抗付与手段が構成されている。なお、前記エアブレーキ
15,21は、パウダーブレーキ等でもよく、付与する制動
力の大きさが制御可能なブレーキであれば何でもよい。
第4図は、前記巻取駆動手段7(第1図参照)の構成を
説明するための概略構成図である。
図中、22はサーボモータドライバであり、外部からの回
転速度制御信号と回転トルク制御信号とを受け、サーボ
モータ23に対しサーボモータ駆動制御信号を与える。サ
ーボモータ23は、サーボモータドライバ22から与えられ
たサーボモータ駆動制御信号に基づいて所定の回転速度
でかつ所定の回転トルクで回転しようとする。そのサー
ボモータ23の回転力は、ベルト式無段変速装置(PIV)2
4を介してロードセル25に与えられ、さらにベルトとプ
ーリを介して巻取ビーム8に伝達される。以上の構成に
より、サーボモータ23の駆動力により巻取ビーム8が回
転され、糸9を巻取ビーム8の外周に巻取る。
前記ベルト式無段変速装置(PIV)24は、パルスモータ
等のパイロットモータ26により変速制御され、サーボモ
ータ24の回転数が所定の大きさに変速される。またこの
パイロットモータ26の回転がベルトとプーリを介してア
ブソリュートエンコーダ27に伝達され、パルスモータ26
の回転角度が検出され、その検出出力は後述する制御に
用いられる。さらに、前記巻取ビーム8の回転トルクが
ロードセル25により検出され、その検出出力が後述する
制御に用いられる。さらに、巻取ビーム8の回転がベル
トとプーリを介してエンコーダ28に伝達され、そのエン
コーダ28により、巻取ビーム8の回転数が検出され、そ
の検出出力が後述する制御に用いられる。前記サーボモ
ータドライバ22により、前記サーボモータを駆動するた
めのサーボ駆動手段が構成されている。前記巻取駆動手
段7と巻取ビーム8とにより、巻取力が変更可能な巻取
駆動手段を含み、該巻取駆動手段の駆動力を利用して前
記連続体を巻取るための巻取手段が構成されている。前
記ロードセル24により、前記巻取駆動手段による巻取力
を検出するための巻取力検出手段が構成されている。
第5図は、本発明の連続体巻取装置に用いられる制御回
路を示すブロック図である。
制御回路は、制御中枢としての送出側CPU30と巻取側CPU
33とを含む。送出側CPU30と巻取側CPU33とは、たとえば
数チップのLSIで構成されており、制御動作を所定の手
順で実行する機能を有する。送出側CPU30と巻取側CPU33
とは、それぞれ、動作プログラムを格納するROM32,35
と、必要なデータの書込み読出しができるるRAM31,34が
接続されている。さらに、送出側CPU30と巻取側CPU33と
の間で、信号のやり取りを行なうための通信I/O部3
6,37が設けられている。送出側CPU30から巻取側CPU33に
は、たとえば、巻取ロールの初期半径Rと巻取ロール
の巻取終了時の半径R、巻取初期張力F、巻取終了
時の張力F、巻取設定スピード、現在スピード等が送
信される。一方、巻取側CPU33から送出側CPU30には、巻
取側の目標張力すなわち張力目標値が送信される。な
お、図示はしていないが、制御回路には、電源投入時に
CPU30,33にリセットパルスを与えるパワーオンリセット
回路と、CPU30,33にクロック信号を与えるクロック発生
回路と、クロック発生回路からのクロック信号を分周し
て割込パルスを定期的にCPU30,33に与えるパルス分周回
路と、CPU30,33からのアドレスデータをデコードするア
ドレスデコード回路とが設けられている。なお、本実施
例では、前記ROM32,35は、その内容の書き換え、すなわ
ち必要が生じた場合にはその中に格納されたCPU30,33の
ためのプログラムを変更することができるように、プロ
グラマブルROMが用いられている。そして、送出側CPU30
はROM32内に格納されたプログラムに従って、かつ、以
下に述べる各制御信号の入力に応答して、各種機器に制
御信号を与え、巻取側CPU33は、ROM35内に格納されたプ
ログラムに従って、かつ、以下に述べる各制御信号の入
力に応答して、各種機器に対し制御信号を与える。
操作者が操作スイッチ群38を操作すれば、その操作信号
がシーケンサ39を介して指令タイミング入出力回路40に
与えられて送出側CPU30に入力され、また、指令タイミ
ング入出力キー入力回路52を介して巻取側CPU33に与え
られる。送出側CPU30は、表示用信号を表示I/O部41
を介して、運転画面(CRT)42a,設定画面42b,銘柄画面4
2c,パラメータ画面42dのそれぞれに与える。操縦者がテ
ンキー43を操作すれば、テンキー43からのキー操作信号
がキー入力I/O部44を介して送出側CPU30に与えられ
る。手動ボリュームスイッチ60からの操作信号は、自/
手動,正/逆転,送り/ブレーキ切換回路46に与えら、
自動と手動の切換え、正逆転の切換え、送りとブレーキ
との切換えが行なわれる。そして手動状態に切換えれ
ば、手動ボリュームスイッチ60の操作に従って回転速度
信号と回転トルク信号とがサーボモータドライバ10,16
に与えられ、それら両信号に基づいてサーボモータドラ
イバ10からサーボモータ駆動用信号がサーボモータ11,1
7に与えられる。一方、自/手動,正/逆転,送り/ブ
レーキ切換回路46が自動状態に切換られている場合に
は、送出側CPU30からの速度,トルク指令信号が、自動
速度,トルク指令回路45と自/手動,正/逆転,送り/
ブレーキ切換回路46とを介してサーボモータドライバ1
0,16に与えられ、サーボモータ11,17の回転速度と回転
トルクとが自動的に制御される。サーボモータ11,17に
はパルスジェネレータからなるエンコーダ14,20がそれ
ぞれ連動連結されており、サーボモータ11,17の回転数
に応じたパルスが、正逆転パルス判別,パルス数カウン
ト回路48に与えられ、正逆転パルス判別信号とパルス数
カウント信号とが送出側CPU30に与えられる。さらに、
前記サーボモータ11,17にはロードセル13,19がそれぞれ
連動連結されており、サーボモータ11,17の回転トルク
に応じた信号がそれぞれのロードセル13,19からロード
セルアンプ49を介してトルク→電圧換算電圧入力回路50
に与えられ、トルクに応じた電圧値が送出側CPU30に与
えられる。なお、前記サーボモータ11とエンコーダ14と
ロードセル13とは複数(本実施例では6個)設けられて
おり、前記サーボモータ17とエンコーダ20とロートドセ
ル19とは1個ずつ設けられており、それぞれが連動連結
されている。また、サーボモータドライバ10,16,自動速
度,トルク指令回路45もそれぞれのサーボモータ11,17
に対応してサーボモータ11,17の個数だけ設けられてい
る。さらに、ロードセルアンプ49もロードセル13,19の
それぞれに対応してロードセル13,19の個数だけ設けら
れている。
次に、操作者がテンキー51を操作すれば、キー操作信号
が指令タイミング入出力キー入力回路52を介して巻取側
CPU33に与えられる。巻取側CPU33からは、表示用信号
が、表示I/O54を介して、運転画面(CRT)53a,設定画
面53b,パラメータ画面53cのそれぞれに与えられる。操
作者が手動ボリュームスイッチ55を操作すれば、その操
作信号が、自/手動,正/逆転,高/低速,送り/ブレ
ーキ切換回路56に当られ、その入力された操作信号に応
じて、切換回路56が、自動と手動,正転と逆転,高速と
低速,送りとブレーキのそれぞれの状態に切換えられ
る。そして切換回路56が手動状態に切換わっている場合
には、手動ボリュームスイッチ55の操作に応じて、手動
操作で設定された、回転トルク指令信号と回転速度指令
信号とがサーボモータドライバ22に与えられ、それら両
信号に基づいてサーボモータドライバ22からサーボモー
タ駆動用制御信号がサーボモータ23に与えられる。一
方、前記切換回路56が、自動状態に切換えられている場
合には、巻取側CPU33からの速度,トルク指令信号が、
自動速度,トルク指令回路57,切換回路56を介してサー
ボモータドライバ22に与えられ、サーボモータ23の回転
速度と回転トルクとが自動的に制御される。そのサーボ
モータ23には、パルスジェネレータからなるエンコーダ
28が連動連結されており、そのサーボモータ23の回転数
に応じたパルス信号がエンコーダ28から回路59を介して
巻取側CPU33に与えられる。パルスモータ等からなるパ
イロットモータ26は、ベルト式無段変速装置(PIV)24
(第4図参照)を変速制御するためのものであり、その
パイロットモータ26を駆動制御するための制御信号が、
巻取側CPU33から回路59を介してパイロットモータ26に
与えられる。そのパイロットモータ26に対しアブソリュ
ートモータ27が連動連結されており、そのパイロットモ
ータ26の回転角度に応じてパルス信号が、アブソリュー
トモータ27から回路59を介して巻取側CPU33に与えられ
る。
第6図ないし第22図は、前記ROM32に組込まれたプログ
ラムを示すフローチャートであり、第23図ないし第33図
は、前記ROM35に組込まれたプログラムを示すフローチ
ャートである。
次に、第6図ないし第31図に基づいて、連続体巻取装置
の動作を説明する。まず、ステップS1においてワークエ
リア,I/Oポートがイニシャライズされ、次にステップ
S2に進み、巻取りに伴って移動する連続体の移動速度す
なわちライン速度の設定値が巻取側CPU33側に送信され
る。次にステップS3に進み、巻取側の張力Fと巻取ロー
ルの巻径Rの値とが巻取側CPU33側に送信される。な
お、巻取側の張力Fは、巻取りが開始された開始時の初
期張力Fと巻取りが終了するその瞬間の終了張力F
とからなり、巻取ロールの巻径Rは、巻取りが開始され
る以前の巻取ロールのみの半径Rと巻取りが終了する
その瞬間の巻径Rとからなる。次にステップS4に進
み、設定フラグ,スタートフラグがONされ、ステップS5
に進み、前記運転画面(CRT)42a(第5図参照)による
表示が行なわれる。この表示内容は、前記F,F,
R,R,連続体の現在張力,巻取ロールの現在トル
ク,測長(巻取られた連続体の長さ),ライン速度等の
値である。これら表示される値は、巻取側と送出側の両
方のものである。次にステップS6に進み、巻取側の連続
体の現在張力の値Fを受信する。この現在張力の値F
は、第32図に示すように、巻取ロール8の巻取径がRの
ときの巻取側連続体部分の張力の値Fである。巻取側ロ
ール8の巻径Rと巻取側連続体部分の張力Fとは、
第34図に示すように、負の一次関数で示される。つま
り、巻取ロール8の初期半径設定値Rおよび初期張力
設定値Fで定められる点と、終了半径設定値Rおよ
び終了張力設定値Fで定められる点との2点を通る負
の一次関数となる。この負の一次関数は、 で表わされる。このように、巻取側連続体部分の張力F
は、巻取ロール8の巻径Rの増加に伴って変化する
のであり、換言すれば、巻取りの進行に伴う時間の経過
に伴って変化する。この巻取側連続体部分の張力を表わ
す負の一次関数により、前記可変型力付与手段よる力の
付与箇所と前記巻取手段との間の巻取側連続体部分の張
力を所望の張力に制御するための目標となる目標張力を
定める張力パターンが構成されている。そして、巻取ロ
ール8の現在の巻径Rに対応する巻取側連続体部分の張
力Fが、目標張力すなわち張力の目標値である。次にス
テップS7に進み、自動制御が行なわれ、ステップS8に進
み、巻取りに伴う連続体の移動速度すなわちライン速度
(現在値)の巻取側CPU33側への送信が行なわれる。
次に第7図のステップS9に進み、キー入力があか否かの
判断が行なわれ、キー入力がないと判断された場合には
前記ステップS5に進むが、テンキー43(第5図参照)が
操作された場合にはキー入力ありと判断されてステップ
S10に進む。このテンキー43(第5図参照)には、変更
キー,クリアキー,設定画面キー,銘柄キー,運転画面
キー等の各種のキーが設けられている。次にステップS1
0により、操作されたキーが変更キーか否かの判断がな
され、変更キーでないと判断された場合にはステップS1
5に進み、操作されたキーがクリアキーであるか否かの
判断がなされ、クリアキーでないと判断された場合には
第8図に示すステップS20に進み、操作されたキーが設
定画面キーであるか否かの判断がなされ、設定画面キー
でないと判断された場合にはステップS26に進み、機械
が起動中であるか否かの判断がなされ、起動中でないと
判断された場合には、ステップS27に進み操作されたキ
ーが銘柄キーであるか否かの判断がなされ、銘柄キーで
ないと判断された場合には前記ステップS5に進む。また
前記ステップS26により、機械が起動中であると判断さ
れた場合には前記ステップS27の判断を行なうことなく
直接前記ステップS5に進む。
次に、前記ステップS10により、操作されたキーが変更
キーであると判断された場合にはステップS11に進み、
機械が起動中であるか否かの判断がなされ、起動中であ
る場合には前記ステップS5に進むが、起動中でないと判
断された場合にはステップS12に進み、それぞれの送出
ロール2(第2A図,第2B図参照)(CH1〜6)の巻取開
始時における初期半径の設定を行ない、ステップS13に
進み、終了キーが操作されたか否かの判断がなされ、終
了キーが操作されるまで前記ステップS12による処理が
続行される。次に終了キーが操作されれば、前記ステッ
プS13によりYESの判断がなされてステップS14に進み、
初期半径の変更,フラグON,変更処理がなされて前記ス
テップS5に進む。
次に、前記ステップS9により操作されたキーがクリアキ
ーである場合には、前記ステップS15によりYESの判断が
なされてステップS16に進み、機械が起動中であるか否
かの判断がなされ、起動中でない場合にはステップS17
に進み、測長のリセットがなされてステップS5に進む。
また機械が起動中である場合には前記ステップS16よりY
ESの判断がなされて前記ステップS17による処理を行な
うことなく直接前記ステップS5に進む。なお、前記ステ
ップS17による測長のリセットとは、巻取ロール8(第
1図参照)によって巻取る連続体の長さを予め設定する
処理である。
次に、前記ステップS9により操作されたキーが、設定画
面キーの場合には、第8図のステップS20によりYESの判
断がなされてステップS21に進み、設定画面42b(第5図
参照)により設定画面表示が行なわれ、前記各種の設定
値が表示される。次にステップS22に進み、画面切換キ
ーが操作されたか否かの判断がなされ、画面切換キーが
操作されていない場合にはステップS23に進み、変更キ
ーが操作されたか否かの判断がなされ、変更キーが操作
されていないと判断された場合には再び前記ステップS2
2に戻るループが形成されている。このループの巡回途
中で、画面切換キーが操作された場合にはステップS22
によりYESの判断がなされてステップS5に進む。また、
このループの巡回途中で、変更キーが操作された場合に
はステップS23によりYESの判断がなされてステップS24
に進み設定値の変更が行なわれる。この設定値とは、具
体的には、送出ロール2(第1図参照)の各々につき、
前記初期張力設定値F,終了張力設定値F,初期半
径設定値R,終了半径設定値Rを個別に設定変更す
るものである。次にステップS25に進み、終了キーが操
作されたか否かの判断がなされ、終了キーが操作される
まで前記ステップS24の処理が続行される。そして終了
キーが操作されれば、ステップS25によりYESの判断がな
されて前記ステップS22に戻る。この終了キーの操作に
基づいて、前記ステップS24による設定値に実際に切換
わる。
次に、機械が起動中でない場合において、前記ステップ
S9により操作されたキーが銘柄キーである場合には、ス
テップS27によりYESの判断がなされてステップS28に進
み、画面登録画面42c(第5図参照)による銘柄登録画
面表示が行なわれ、ステップS29に進み、画面切換キー
が操作されたか否かの判断がなされ、未だに画面切換キ
ーが操作されていないと判断された場合にはステップS3
0に進み、銘柄を変更するための変更キーが操作された
か否かの判断がなされて未だに変更キーが操作されてい
ないと判断された場合には再び前記ステップS29に戻る
ループが形成されている。このループの巡回途中で、画
面切換キーが操作されれば、ステップS29によりYESの判
断がなされてステップS33に進み、「ドット」キーが操
作されたか否かの判断がなされ、未だに「ドット」キー
が操作されていないと判断された場合には前記ステップ
S5に戻る。一方、前記ループの巡回途中で、変更キーが
操作されば、ステップS30によりYESの判断がなされてス
テップS31に進み、その変更された銘柄に従って銘柄別
の半径・張力の設定が行なわれる。このステップS31に
より、銘柄すなわち巻取らんとする連続体の種類(たと
えばエステル,ナイロン,レーヨン,アクリル,綿等の
糸)別に、送出ロール2(第1図参照)の初期半径や送
出側連続体部分の張力が設定される。次にステップS32
に進み、終了キーが操作されたか否かの判断がなされ、
終了キーが操作されるまで前記ステップS31による処理
が続行される。そして終了キーが操作されれば、ステッ
プS32によりYESの判断がなされてステップS29に進む。
この終了キーの操作により、前記ステップS31による銘
柄別の半径・張力の設定値に実際に切換わる。
次に、前記ステップS33によりYESの判断がなされた場合
にはステップS34に進み、パラメータ画面42d(第5図参
照)による補助設定画面の表示が行なわれ、後述する各
種のパラメータに関する情報が表示される。次にステッ
プS35に進み、画面切換キーが操作されたか否かの判断
がなされ、未だに画面切換キーが操作されていないと判
断された場合にはステップS36に進み、パラメータを変
更するための変更キーが操作されたか否かの判断がなさ
れ、未だに変更キーが操作されていないと判断された場
合には再び前記ステップS35に戻るループが形成されて
いる。このループの巡回途中で、画面切換キーが操作さ
れれば、前記ステップS35によりYESの判断がなされてス
テップS5に進む。また、前記ループの巡回途中で、変更
キーが操作されれば、前記ステップS36によりYESの判断
がなされてステップS37に進む。ステップS37では、後述
する各種パラメータの変更がなされる。このパラメータ
とは、たとえば、後述するステップS105によるα1や、
後述するステップS110によるαさらには、後述するステ
ップS115,ステップS116,ステップS117によるKP,KI,KD等
である。そしてステップS38に進み、終了キーが操作さ
れたか否かの判断がなされ、終了キーが操作されるまで
前記ステップS37による処理が続行される。そして終了
キーが操作されたと判断された場合には前記ステップS3
5に進む。この終了キーの操作により、ステップS37によ
り変更されたパラメータに実際に切換わる。
次に、第9図に示す定時割込プログラムを説明する。こ
の定時割込プログラムは、50ms毎に1回処理が実行され
る。まずステップS40により、シーケンサ39(第5図参
照)からの起動,停止,非常停止信号のチェックがなさ
れ、ステップS41に進み、テンションカット部分エンコ
ーダ20(第3A図,第3B図参照)のパルスをカウントし、
ステップS42に進み、送出ビーム2(第1図参照)の1
〜6のエンコーダ14(第2A図,第2B図参照)のパルスを
カウントし、次にステップS43に進み、50ms毎の測長す
なわち連続体が巻取られた巻取長さの計算が行なわれて
割込プログラムが終了する。
次に、前記ステップS7によって定義された自動制御のプ
ログラムを、第10図に基づいて説明する。まずステップ
S44により、巻取ロール8(第1図参照)が満巻となり
その巻取ロール8による巻取りが終了したか否かの判断
がなされる。つまり、第1図に示すように、巻取ロール
8は、6本の送出ロール2からの連続体をまとめて巻取
るために、すぐに満巻となり、送出ロール2が空になる
までにたとえば6回ほど巻取ロール8の取替えを行なう
必要がある。ステップS44では、この巻取ロール8が満
巻となりその巻取ロール8による巻取りが終了したか否
かの判断がなされる。未だに巻取りが終了していないと
判断された場合にはステップS47に進むが、巻取りが終
了したと判断された場合にはステップS45に進み、銘
柄,巻取ロールの半径,巻取連続体部の張力の設定値が
変更されたか否かの判断がなされ、変更されていない場
合にはステップS47に進むが、変更されたと判断された
場合にはステップS46に進み、データをその変更された
値に設定変更してステップS47に進む。ステップS47で
は、自動運転の起動中か否かの判断がなされて自動運転
の起動中でないと判断された場合には前記ステップS8進
む。また自動運転の起動中であると判断された場合には
ステップS48に進み、ラインスピードを計算し、ステッ
プS49により送出ビームの現在の半径を計算し、ステッ
プS50により測長の計算を行ない、ステップS51により速
度電圧の計算を行ない、ステップS52により、前記計算
した速度電圧を出力し、ステップS55により、送出側の
合計張力の計算を行ない、ステップS56によりテンショ
ンカット部のトルクの計算を行ない、ステップS57によ
り、テンションカット部のフィードバックトルクの計算
を行ない、ステップS58において、テンションカット部
のフィードバック張力の計算を行ない、ステップS59に
よりテンションカット部のトルク電圧の計算を行ない、
ステップS60によりテンションカット部のトルク電圧を
出力し、ステップS61により送出ロール1〜6のフィー
ドバックトルクの計算を行ない、ステップS65により、
送出ロール1〜6のフィードバック張力の計算を行な
い、ステップS66により送出ロール1〜6のトルク電圧
の計算を行なって出力し、ステップS67により送出ロー
ル1〜6の速度電圧を出力してステップS68に進む。
ステップS68では、停止条件が成立したか否かの判断が
なされ、停止条件が成立していない場合には前記ステッ
プS8に戻る。また停止条件が成立したと判断された場合
にはステップS69に進み、停止タイマT2(パラメータ)
がタイムアップしたか否かの判断がなされ、未だにタイ
ムアップしていないと判断された場合にはステップS74
に進み、停止タイミング中の演算を行なって前記ステッ
プS8に戻る。またステップS69により、タイムアップし
たと判断された場合にはステップS70に進み、ラインス
ピードの計算を行ない、ステップS71に進み、ラインス
ピードが「0」か否かの判断がなされる。そしてライン
スピードが「0」でないと判断された場合にはステップ
S74に進むが、「0」であると判断された場合にはステ
ップS72に進み、テンションカット部の速度電圧「0」
Vの出力を行ない、ステップS73に進む。ステップS73で
は、送出ロール1〜6の停止時速度電圧SB(パラメー
タ)を出力する。この出力された停止時速度電圧SBによ
り、送出ロール1〜6のサーボモータ11(第2A図参照)
が連続体の弛みを吸収する方向に回転し、停止した後の
連続体の弛みが吸収される。なお、前記ステップS72に
より、前記テンションカットロール4が停止状態に維持
されるため、満巻となった巻取ロールの取換えに際しそ
の巻取ロールとテンションカットロールとの間の連続体
が切断されたとしても、前記送出ロールが逆転すること
がない。次にステップS74に進み、停止タイミング中の
演算を行なって前記ステップS8に戻る。
次に、前記ステップS48により定義されたラインスピー
ド計算のプログラムを第11図に基づいて説明する。まず
ステップS75によりストップタイミングであるか否かの
判断がなされ、巻取ロール8により巻取りが終了しスト
ップタイミングであると判断された場合にはステップS7
8に進み、ラインスピードを0にしてステップS77に進
む。またストップタイミングでないと判断された場合に
はステップS76に進み、エンコーダ14(第2A図,第2B図
参照)からのパルスに基づいてラインスピードを計算
し、ステップS77に進み、表示用メモリに書込んでサブ
ルーチンプログラムが終了する。
次にステップS49で定義された送出ビーム半径計算のサ
ブルーチンプログラムを第12図に基づいて説明する。ま
ずステップS79により、エンコーダPLG(第2A図,第2B図
参照)からのパルス数をカウントして0.1s単位で取込
み、ステップS80により、現在スピードの受信値を取込
み、ステップS81により、送出ロール2の現在の巻取半
径を演算してサブルーチンプログラムが終了する。つま
り、前記ステップS79により、送出ロール2の回転数N
が検出でき、ステップS80により現在の連続体の移動速
度Vが検出でき、ステップS81により、巻取半径R=V
/(2πN)の計算を行なって巻取半径を演算する。
次に、前記ステップS50により定義された測長計算のサ
ブルーチンプログラムを第13図に基づいて説明する。ま
ずステップS82により、測長≧設定値であるか否かの判
断がなされ、前記ステップS43の計算結果を累積して求
めた現在測長が前記ステップS17でリセットされた測長
以上になったか否かの判断が行なわれ、以上になったと
判断された場合にはステップS83に進み、停止指令信号
をシーケンサ39と巻取側CPU33(第5図参照)に出力す
る。そしてステップS84に進み、表示用メモリに書込む
処理がなされる。また前記ステップS82により、NOの判
断がなされた場合には前記ステップS83による処理を行
なうことなく直接ステップS84に進み、表示用メモリに
書込処理がなされてサブルーチンプログラムが終了す
る。
次に、前記ステップS51により定義された速度電圧計算
のサブルーチンプログラムを第14図に基づいて説明す
る。まずステップS85により、テンションカットがブレ
ーキとなっているか否かの判断がなされる。前記ステッ
プS68で説明した停止条件が成立している場合には、前
記ステップS72で説明したようにテンションカットロー
ルがブレーキの機能を果たすのであり、そのテンション
カットロールがブレーキの機能を果たしているか否かが
ステップS85により判断され、YESと判断された場合にス
テップS88に進み、速度電圧を「0」VにしてステップS
87に進む。またテンションカットロールがブレーキの状
態になっていないと判断された場合にはステップS86に
進み、現在のラインスピード相当電圧を計算する。この
ラインスピード相当電圧は、現在のラインスピードより
も少し遅れたスピードがよい。サーボモータ11(第2A図
参照)が安定するためである。次にステップS87に進
み、表示用メモリに書込む処理がなされてサブルーチン
プログラムが終了する。
次に、前記ステップS52により定義された速度電圧出力
のサブルーチンプログラムを第15図に基づいて説明す
る。まずステップS90により、前記ステップS86およびス
テップS88による計算電圧を2進数に変換し、ステップS
91に進み、D/Aコンバータによりアナログ信号に変換
して自動速度/トルク指令回路45(第5図参照)に出力
する。
次に前記ステップS55により定義された送出側合計張力
計算のサブルーチンプログラムを第16図に基づいて説明
する。まずステップS96により、使用ビームの本数すな
わち送出ロール2(第1図参照)が何本使用されている
かを検出し、その使用ビームのみの張力を加算する処理
がなされる。たとえば、送出側連続体部分の張力をそれ
ぞれTとし使用ビームの本数が4であったとすると、4
×Tの値となる。次にステップS98に進み、巻取側連続
体部分の張力≧送出側連続体部分の張力の判断を行な
い、巻取側連続体部分の張力が送出側連続体部分の張力
以上であると判断された場合にはステップS99に進み、
テンションカット部をブレーキにセットしてテンション
カットロール4(第1図参照)に所定の大きさの制動力
を作用させる状態とする。またステップS98により、巻
取側連続体部分の張力よりも送出側連続体部分の張力が
小さい値であると判断された場合にはステップS102に進
み、テンションカット部を送出状態にセットし、テンシ
ョンカットロール4を第1図に示す矢印方向に回転駆動
させる状態にする。次にステップS100に進み、テンショ
ンカット部の張力計算を行なう。このテンションカット
部の張力計算は、送出ロール2とテンションカットロー
ル4との間の送出側連続体部分の張力Fからテンショ
ンカットロール4と巻取ロール8との間の巻取側連続体
部分の張力Fを減算する計算である。次にステップS1
01に進み、テンションカットロールによって連続体に付
与される付与力を表示メモリに書込み、サブルーチンプ
ログラムが終了する。
次に、前記ステップS56およびステップS66によって定義
されたテンションカット部および送出ロール1〜6のト
ルク計算のサブルーチンプログラムを第17図に基づいて
説明する。ステップS105により、ロール半径×送出側連
続体部分の張力×α1の演算を行ないサブルーチンプロ
グラムが終了する。このロール半径は、テンションカッ
ト部においてはテンションカットロール4の半径であ
り、一定値となるが、送出ロールの場合には、巻取りに
伴って徐々に減少していくロール半径となり、前記第12
図に示したサブルーチンプログラムにおけるステップS8
1で演算されたロール半径となる。また、前記「α1」
は、パラメータでありメカロス等を考慮してその値が予
め定められている。このステップS105による演算結果に
より、テンションカットロール4(第3A図およひ第3B図
参照)の回転軸および送出ロール2(第2A図および第2B
図参照)の回転軸のトルクが算出される。また、ステッ
プS105による送出ロールのトルク計算値により、前記送
出側連続体部分の前記目標張力に従って、前記移動負荷
を所望の大きさに制御するための目標となる移動負荷目
標値が構成されている。
次に、前記ステップS57およびステップS61により定義さ
れた、テンションカット部と送出ロール1〜6とのフィ
ードバットルク計算のサブルーチンプログラムを、第18
図に基づいて説明する。まずステップS106により、ロー
ドセルアンプ49(第5図参照)からの回転トルクに応じ
た電圧を読取り、ステップS107に進み、その読取った電
圧をトルク値に変換する計算を行ない、ステップS108に
進み、表示用メモリに書込み、サブルーチンプログラム
が終了する。
次に、前記ステップS58およびステップS65により定義さ
れたテンションカット部と送出ロール1〜6とのフィー
ドバック張力計算のサブルーチンプログラムを、第19図
に基づいて説明する。まずステップS110により、トルク
÷ロール半径×αの計算を行なう。このロール半径は、
前述したように、テンションカットロールの場合には一
定値となるが、送出ロールの場合には前記ステップS81
により算出した半径となる。また前記トルクは、前記ス
テップS107によって算出された値である。またαは、メ
カロス等を考慮して定められたパラメータである。この
ステップS110により、送出側連続体部分の現在の実際の
張力が算出される。次にステップS111に進み、現在張力
表示用メモリに前記フィードバック張力の計算結果を書
込み、サブルーチンプログラムが終了する。
次に、前記ステップS59およびステップS66により定義さ
れた、テンションカット部と送出ロールとのトルク電圧
計算のサブルーチンプログラムを、第20図に基づいて説
明する。まずステップS115により、(計算トルク−フィ
ードバックトルク)×KPを計算しその計算結果をTPとす
る処理がなされる。この「計算トルク」は、前記ステッ
プS105によって算出された値であり、「フィードバック
トルク」は、前記ステップS107によって計算された値で
ある。また、KPはメカロス等を考慮して定められたパラ
メータである。次にステップS116に進み、トルク差すな
わち計算トルク−フィードバックトルクの値をn−1ま
で累積した値と前記トルク差をnまで累積した値との和
を求め、その和にKIを掛けた値をTIとする処理がなされ
る。ここに「n」は、運転開始時から現在までにステッ
プS116が実行された回数であり、ステップS116が実行さ
れる毎に「1」ずつインクリメントされる。またKIはメ
カロス等を考慮して定められたパラメータである。次に
ステップS117に進み、前記トルク差のn−1までの累積
値から前記トルク差のnまでの累積値を減算した減算値
に対しKDを掛けた値をTDとする処理がなされる。ここに
KDはメカロス等を考慮して定められたパラメータであ
る。次にステップS118に進み、前記TD+TI+TDの計算を
行ない、ステップS119に進み、前記ステップS118によっ
て算出されたトルク値を電圧に変換する計算が行なわ
れ、ステップS120に進み、その変換した計算結果を表示
用メモリに書込み、サブルーチンプログラムが終了す
る。前記ステップS115ないしステップS119により、テン
ションカットロールと送出ロールとの回転トルクのフィ
ードバック制御のための演算を行なっているのであり、
前記ステップS115により比例補正がなされ、前記ステッ
プS116により積分補正がなされ、前記ステップS117によ
り微分補正がなされる。
次に、前記ステップS60およびステップS66によって定義
された、テンションカット部と送出ロール1〜6とのト
ルク電圧出力のサブルーチンプログラムを、第21図に基
づいて説明する。まずステップS125により、前記ステッ
プS119によって算出されたトルク電圧値を2進数に変換
し、ステップS126に進み、D/Aコンバータによりアナ
ログ信号に変換して自動速度,トルク指令回路45(第5
図参照)に出力し、サブルーチンプログラムが終了す
る。このステップS126から出力される信号により、前記
移動負荷検出手段からの検出出力をフィードバック信号
として前記移動負荷目標値と比較し、実際の移動負荷を
前記移動負荷目標値に近づけるための制御動作信号、お
よび、前記付与力検出手段からの検出出力をフィードバ
ック信号として前記付与力目標値と比較し、実際の付与
力を前記付与力目標値に近づけるための制御動作信号が
構成されている。なおこれら制御動作信号は、前記可変
型力付与手段と前記巻取手段との間の連続体部分の張力
を所定の大きさに制御するための張力制御信号を構成し
ている。
次に、前記ステップS74により定義された停止タイミン
グ中演算のサブルーチンプログラムを、第22図に基づい
て説明する。ステップS130により、テンションカット部
のトルク指令電圧と送出ロール1〜6のトルク指令電圧
が自動速度,トルク指令回路45(第5図参照)に出力さ
れてサブルーチンプログラムが終了する。
次に、巻取側CPU33に接続されたROM35(第5図参照)に
組込まれているプログラムを説明する。第23図のステッ
プS140により、メモリおよびポートがイニシャライズさ
れ、ステップS141に進み、巻取りが終了したか否かの判
断がなされる。この巻取りが終了したか否かの判断は、
前述したように、巻取ロール8(第1図参照)が満巻と
なりその巻取ロール8による巻取りが終了したか否かの
判断であり、終了したと判断されればステップS142に進
みデータを初期値に設定変更してステップS143に進む
が、巻取りが未だに終了していないと判断された場合に
は巻取中であるため、ステップS142の処理を行なうこと
なく直接ステップS143に進む。ステップS143では、自動
運転起動中か否かの判断がなされ、自動運転が起動中で
なければ前記ステップS141に戻るが、自動運転が起動中
であればステップS144に進み、自動制御を行ないステッ
プS145に進み、運転が停止したか否かの判断がなされ、
運転が停止するまで前記ステップS144の自動制御が続行
される。そして運転が停止したと判断されれば前記ステ
ップS141に戻る。
次に、定時割込みプログラムを第24図に基づいて説明す
る。この定時割込みプログラムは、1ms毎に1回処理が
実行される。まずステップS150により、シーケンサ39
(第5図参照)からの起動,停止,非常停止の信号がチ
ェックされ、ステップS151に進み、テンキー入力のチェ
ックがなされ、ステップS152に進み、巻取中スイッチの
チェックがなされる。この巻取中スイッチは、巻取りが
完了したか否かを入力するためのスイッチである。次に
ステップS153に進み、エンコーダ28(第4図参照)から
のパルスがカウントされ、ステップS154に進み、エラー
の発生状況がチェックされ、ステップS155に進み、アブ
ソリュートエンコーダ27(第4図参照)からのデータが
読取られ、ステップS156に進み、ベルト式無段変速装置
(PIV)24(第4図参照)の変速位置が適正であるか否
かの判断が行なわれ、適正であると判断された場合には
ステップS157に進み、パイロットモータ26(第4図参
照)をストップさせ、ステップS158に進み、送出側CPU3
0(第5図参照)に巻取側連続体部分の現在の巻取張力
を送信する。また、前記ステップS156により、ベルト式
無段変速装置(PIV)の位置が適正でないと判断された
場合には直接前記ステップS158に進み、現在巻取張力の
送信を行なってサブルーチンプログラムが終了する。な
お、前記ステップS156による判断は、後述するステップ
S212により選択されたベッド式無段変速装置(PIV)の
位置に基づいて現在位置が適正であるか否かの判断が行
なわれるのである。またステップS158により送信された
現在巻取張力は、前記ステップS100による計算データに
用いられる。
次に、通信割込みプログラムを第25図に基づいて説明す
る。この通信割込みプログラムは、送出側CPU30(第5
図参照)から通信I/O部36,37を介して送信されてく
るごとに行なわれる。まずステップS160により、ライン
速度の設定スピードを受信すればその受信値を記憶す
る。ステップS160により、ライン速度の現在スピードを
受信すればその受信値を記憶する。ステップS162によ
り、巻取ロール8(第1図参照)の初期半径設定値R1を
受信すればその受信値を記憶する。次にステップS163で
は、巻取ロール8(第1図参照)の終了半径設定値R2を
受信すればその受信値を記憶する。ステップS164によ
り、巻取側連続体部分の初期張力設定値Fを受信すれ
ばその受信値を記憶する。ステップS165により、巻取側
連続体部分の終了張力設定値Fを受信すればその受信
値を記憶する。
前記ステップS27,ステップS31で説明したように、銘柄
を設定登録すれば自動的にその銘柄に適正なロール半径
や張力が割出されて設定されるのであるが、それに換え
て、第26図に示すように、銘柄を設定する代わりにキー
入力により手動で各種データの設定変更を行なうように
してもよい。次に、第26図に基づいて、各種データの設
定変更の別実施例を説明する。まずステップS170によ
り、パラメータ画面キーが操作されたか否かの判断がな
され、操作されていなければステップS171に進み、設定
画面キーが操作されたか否かの判断がなされ、操作され
ていなければステップS172に進み、運転画面42a(第5
図参照)による運転画面表示が行なわれて前記ステップ
S170に戻るループが形成されている。このループの巡回
途中で、パラメータ画面キーが操作されれば、前記ステ
ップS170によりYESの判断がなされてステップS179に進
み、パラメータ図面42d(第4図参照)による各種パラ
メータの表示が行なわれ、ステップS180に進み、変更キ
ーが操作されたか否かの判断がなされ、変更キーが操作
されるまで前記ステップS179によるパラメータの表示が
続行される。そして変更キーが操作されればステップS1
81に進み、その操作に応じてパラメータデータの書き換
えが行なわれ、ステップS182に進み、終了キーが操作さ
れたか否かの判断がなされ、終了キーが操作されるまで
前記ステップS181による処理が続行される。そして終了
キーが操作されれば、その段階で前記ステップS181によ
り書き換えられたデータに実際に設定変更され、ステッ
プS183に進む。ステップS183では、設定画面キーが操作
されたか否かの判断がなされ、設定画面キーが操作され
たと判断されればステップS173に進むが、設定画面キー
が操作されていないと判断された場合にはステップS184
に進み、運転画面キーが操作されたか否かの判断がなさ
れ、運転画面キーが操作されていないと判断された場合
には前記ステップS179に進むが、運転画面キーが操作さ
れたと判断された場合には前記ステップS172に進む。
次に、前記ステップS171により、設定画面キーが操作さ
れたと判断された場合、および、前記ステップS183によ
り、設定画面キーが操作されたと判断された場合に、ス
テップS173に進み、設定画面42b(第5図参照)により
各種の設定値が表示される。次にステップS174に進み、
変更キーが操作されたか否かの判断がなされ、変更キー
が操作されるまで前記ステップS173による設定値の表示
が継続される。そして設定キーが操作されればステップ
S175に進み、キー操作に基づいて設定された設定データ
に書き換える処理がなされてステップS176に進み、終了
キーが操作されたか否かの判断がなされ、終了キーが操
作されるまで前記ステップS175による処理が続行され
る。そして終了キーが操作されれば、ステップS175によ
り書き換えられた設定データの値に実際に設定変更し、
ステップS177に進み、運転画面キーが操作されたか否か
の判断がなされる。そして運転画面キーが操作されたと
判断された場合には前記ステップS172に進むが、運転画
面キーが操作されていないと判断された場合にはステッ
プS178に進み、パラメータ画面キーが操作されたか否か
の判断がなされ、パラメータ画面キーが操作されていな
いと判断された場合にステップS173に戻るが、パラメー
タ画面キーが操作されたと判断された場合には前記ステ
ップS179に進む。
次に、前記ステップS144により定義された自動制御のプ
ログラムを、第27図に基づいて説明する。まずステップ
S190により、巻取ビームの半径の計算が行なわれ、ステ
ップS191に進み、巻取張力の計算が行なわれ、ステップ
S192に進み、巻取トルクの計算が行なわれ、ステップS1
93に進み、ベルト式無段変速装置(PIV)の変速比(以
下便宜上ギア比という)の選択が行なわれ、ステップS1
94に進み、速度指令電圧の計算が行なわれ、ステップS1
95に進み、トルク指令電圧の計算が行なわれ、ステップ
S196に進み、前記ステップS194により計算された速度指
令電圧を出力し、ステップS197に進み、前記ステップS1
95により計算されたトルク指令電圧を出力し、ステップ
S198に進み、停止指令がなされたか否かの判断が行なわ
れ、停止指令がなされていない場合には前記ステップS1
90に再び戻るが、停止指令がなされた場合にはこのサブ
ルーチンプログラムが終了する。
次に前記ステップS190により定義された巻取ビームの半
径計算のサブルーチンプログラムを第28図に基づいて説
明する。まずステップS200により、パルスジェネレータ
からなるエンコーダ28(第4図参照)からのパルス数の
カウント値を、0.1s単位で取込み、ステップS201に進
み、前記ステップS160の記憶に基づいて、ライン速度の
現在スピード受信値を取込み、ステップS202に進み、巻
取半径の演算を行なってサブルーチンプログラムが終了
する。つまり、前記ステップS200により、巻取ビーム8
(第4図参照)の回転数Nが検出され、ステップS201に
より、連続体の巻取移動速度Vが検出され、ステップS2
02により、V/2πNの計算を行なって巻取半径を算出
する。
次に、前記ステップS191により定義された巻取張力計算
のサブルーチンプログラムを第29図に基づいて説明す
る。まずステップS205により、テーパテンション設定直
線より定数を取込む。この「テーパテンション設定直
線」は、第34図に示した、 により表された直線である。次にステップS206に進み、
前記ステップS202により算出した巻取ビームの現在径に
対する張力すなわち目標張力F(第34図参照)が計算さ
れる。次にステップS207に進み、前記ステップS206によ
り算出した目標張力Fを送出側CPU30に送信し、サブル
ーチンプログラムが終了する。
次に、前記ステップS192により定義された巻取トルク計
算のサブルーチンプログラムを第30図に基づいて説明す
る。ステップS208により、半径×張力×αの計算がなさ
れる。ここに、「半径」は前記ステップS202により演算
された巻取ビームの半径であり、「張力」は、前記ステ
ップS206により算出された目標張力Fであり、αはメカ
ロス等を考慮して定められたパラメータである。このス
テップS208により算出されたトルク値により、前記送出
側連続体部分と前記巻取側連続体部分とのそれぞれの目
標張力に従って、前記巻取力を所望の大きさに制御する
ための目標となる巻取力目標値が達成されている。
次に、前記ステップS193により定義されたベルト式無段
変速装置(PIV)のギャ比選択のサブルーチンプログラ
ムを第31図に基づいて説明する。まずステップS210によ
り、運転中であるか否かの判断がなされ、運転中でない
と判断されればステップS215に進み、パイロットモータ
26(第4図参照)を停止状態で維持させ、サブルーチン
プログラムが終了する。一方、ステップS210により運転
中であると判断された場合にはステップS211に進み、巻
取側のサーボモータ23(第4図参照)への速度指令電圧
が適正であるか否かの判断がなされる。このステップS2
11において、速度指令電圧が「0」となっていればNOの
判断がなされて前記ステップS215に進むが、「0」でな
い場合にはYESの判断がなされてステップS212に進む。
ステップS212では、トルク−ギヤ比対応表により、ベル
ト式無段変速装置(PIV)の変速位置が選択され、ステ
ップS213に進み、前記ステップS212により選択された変
速位置に基づいて現在のギヤ比が適正であるか否かの判
断がなされ、適正であると判断された場合にはそのまま
サブルーチンプログラムが終了する。また、適正でない
と判断された場合にはステップS214に進み、パイロット
モータ26(第4図参照)を作動させて回転し、ベルト式
無段変速装置(PIV)24(第4図参照)を適正な変速位
置に変更する制御がなされて、サブルーチンプログラム
が終了する。
このように、サーボモータ23の回転をベルト式無段変速
装置(PIV)24により適正に変則させるため(第4図参
照)、巻取ビーム8を回転させるための適正なトルクを
ベルト式無段変速装置(PIV)24の減速比の変更制御に
よって得ることができ、このベルト式無段変速装置(PI
V)24によりトルク増幅が可能となり、その結果、小さ
なサーボモータ23によ幅広い張力範囲に対処することが
できる利点がある。なお、前記ベルト式無段変速装置
(PIV)24は、他に、リングコーンや切換クラッチ等の
連続可変減速器であってもよい。
次に、前記ステップS195により定義されたトルク指令電
圧計算のサブルールチンプログラムを第32図に基づいて
説明する。ステップS217により、ベルト式無断変速装置
(PIV)のギヤ比対トルク指令電圧の対応表により対応
するトルク指令電圧を割出して取込み、サブルーチンプ
ログラムが終了する。このベルト式無段変速装置(PI
V)ギヤ比対トルク指令電圧対応表は、前記ステップS21
2により割出したギヤ比からそれに対応するトルク指令
電圧が割出せるように作成された表である。
次に、前記ステップS194により定義された速度指令電圧
計算のサブルーチンプログラムを第33図に基づいて説明
する。まずステップS220により、停止指令がなされたか
否かの判断が行なわれ、停止指令がなされたと判断され
れば後述するステップS233に進む。一方、停止指令がな
されていないと判断された場合にはステップS221に進
み、サンプリングタイムt1が経過したか否かの判断が行
なわれる。このサンプリングタイムt1は予め定められた
パラメータである。次にステップS222に進み、起動時の
ベルト式無段変速装置(PIV)の選択が終了したか否か
の判断がなされ、未だに終了していないと判断された場
合にはステップS228に進む。巻取ビーム8(第1図参
照)が満巻となりその巻取ビームを新しい巻取ビームに
取替えて再度起動させた場合には、その巻取ビームの半
径および巻取側連続体部分の目標張力が変わるため、そ
れに応じてベルト式無段変速装置(PIV)24(第4図参
照)の選択位置を切換変更する必要があり、その起動時
の選択位置の切換変更が終了したか否かがこのステップ
S222により判断される。そして選択が終了していないと
判断された場合にはステップS228に進み、指令電圧0.3V
の設定が行なわれて前記ステップS220に再び戻る。そし
て、起動時の選択位置の切換変更を行なっている最中に
おいては、前記ステップS228により、速度指令電圧が0.
3Vに設定されて低速で巻取りが行なわれる。次に、前記
ステップS222により、起動時のベルト式無段変速装置
(PIV)の選択が終了したと判断されればステップS223
に進み、運転中のベルト式無段変速装置(PIV)のギヤ
比か変更中であるか否かの判断がなされ、変更中である
と判断された場合には前記ステップS220に再び戻るが、
変更中でないと判断された場合にはステップS224に進
み、ラインスピードにおいて、現在スピードから目標ス
ピードを減算した差が計算され、ステップS225により、
前記差の絶対値が0.3m/min以下であるか否かの判断が
なされる。そして、0.3m/min以下であると判断された
場合には前記ステップS220に再び戻るが、0.3m/min以
下ではないと判断された場合にはステップS226に進み、
前記ステップS224により求めた差の絶対値が3m/min未
満であるか否かの判断がなされる。そして3m/min未満
であると判断された場合にはステップS227に進み、速度
指令電圧を、0.01V補正して前記ステップS220に戻る。
一方、前記ステップS226により、差の絶対値が3m/min
以上である場合にはステップS226によりNOの判断がなさ
れてステップS229に進む。つまり、現在スピード−目標
スピードの値Qが、0.3<|Q|<3の場合に、ステップS2
27による0.01Vの補正が行なわれてライン速度の微調整
が行なわれる。一方、|Q|≧3の場合すなわち現在スピ
ードと目標スピードとの差が比較的大きい場合には、ス
テップS229に進み、以下の大まかな調整が行なわれる。
まずステップS229により、現在スピードが目標スピード
に到達したか否かの判断が行なわれる。つまり、現在ス
ピードを目標スピードに近づけるたの制御が行なった場
合に、現在スピードが目標スピードに近づいて一旦目標
スピードに一致しその後その目標スピードを横切って通
過するのが一般的であり、現在スピードが一旦目標スピ
ードを通過したか否かの判断がこのステップS229により
行なわれる。そして、現在スピードが未だに目標スピー
ドを通過していない場合にはステップS229によりNOの判
断がなされてステップS231に進み、現在スピード<目標
スピードの判断が行なわれ、現在スピードが目標スピー
ドよりも遅い場合にはステップS232に進み目標スピード
÷Saの値を算出し、速度指令電圧をその算出値に補正し
て前記ステップS220に戻る。一方、現在スピードが目標
スピード以上である場合には、ステップS231によりNOの
判断がなされてステップS233に進み、減速開始時のスピ
ード÷Sbの値を算出し、速度指令電圧をその値に補正し
て前記ステップS220に戻る。なお、前記Sa,Sbはそれぞ
れ予め定められたパラメータである。また、ステップS2
33の「減速開始時スピード」は、ステップS233による速
度指令電圧の補正が行なわれた結果の現在スピードの減
速制御の減速開始時におけるスピードである。つまり、
このステップS232およびステップS233は、前記ステップ
S227による0.01Vの微調整の補正では制御が遅すぎるた
め、速度指令電圧を大幅に補正して早く目標スピードに
近づけるために行なわれる。なお、このパラメータSa,S
bは、値が小さすぎるとフィードバック制御に対しての
ハンチングが生じるため、適当な大きさに定められてい
る。また、前記ステップS225によりYESの判断がなされ
たときには現状維持の速度指令信号が、また前記ステッ
プS227,S232,S233による補正が行なわれればその補正さ
れた速度指令信号が、前記ステップS196に従って前記サ
ーボモータドライバ22(第4図参照)に導出される。つ
まり、前記ステップS196に従って導出される速度指令信
号により、前記巻取手段による巻取速度を所定の速度に
するための速度制御信号が構成されている。
次に、前記ステップS229により、目標スピード到達後で
あると判断された場合にはステップS230に進み、手動で
目標スピードの変更があったか否かの判断がなされ、目
標スピードの変更がないと判断された場合にはステップ
S227に進み、0.01Vの微調整の補正に移行する。つま
り、現在スピードが一旦目標スピードを横切った後は、
ステップS227により、速度指令電圧の微調整の制御に移
行するのである。一方、ステップS230により、目標スピ
ードが手動により変更されたと判断された場合にはステ
ップS231に進み、速度指令電圧を大幅に変更して迅速な
制御が行なわれるのである。
以上説明したフローチャートに従って送出側CPU30と巻
取側CPU33とが演算制御を行なうのであり、この送出側C
PUと巻取側CPU33とにより、前記可変型力付与手段によ
る力の付与箇所と前記移動負荷作用手段との間の送出側
連続体部分と、前記力の付与箇所と前記巻取手段との間
の巻取側連続体部分との張力を、それぞれに所望の張力
に制御するための目標となる目標張力を定める張力パタ
ーンがそれぞれ設定され、前記送出側連続体部分の張力
パターンに従って前記移動負荷作用手段を制御して移動
負荷の大きさを調整し、前記巻取側連続体部分の張力パ
ターンに従って前記巻取手段を制御して巻取力を調整
し、さらに、前記巻取側連続体部分の張力パターンに従
った巻取側目標張力と前記送出側連続体部分の張力パタ
ーンに従った送出側目標張力との差に従って、前記可変
型力付与手段を制御して前記連続体に加える力の大きさ
を調整し、前記巻取側連続体部分の張力と前記送出側連
続体部分の張力とを、それぞれ前記張力パターンに従っ
て独立に制御するための演算制御手段が構成されてい
る。また、この演算制御手段は、前記可変型力付与手段
による力の付与箇所と前記移動負荷作用手段との間の送
出側連続体部分と、前記力の付与箇所と前記巻取手段と
の間の巻取側連続体部分との張力を、それぞれに所望の
張力に制御するための目標となる目標張力がそれぞれ設
定され、前記送出側連続体部分の前記目標張力に従っ
て、前記移動負荷を所望の大きさに制御するための目標
となる移動負荷目標値を算出し、前記巻取側連続体部分
の目標張力と前記送出側連続体部分の目標張力との差に
従って、前記可変型力付与手段によって付与される力を
所望の大きさに制御するための目標となる付与力目標値
を算出し、前記移動負荷検出手段からの検出出力をフィ
ードバック信号として前記移動負荷目標値と比較し、実
際の移動負荷を前記移動負荷目標値に近づけるための制
御動作信号を前記移動負荷作用手段に与え、前記付与力
検出手段からの検出出力をフィードバック信号として前
記付与力目標値とを比較し、実際の付与力を前記付与力
目標値に近づけるための制御動作信号を前記可変型力付
与手段に与える機能もある。このようなフィードバック
制御機能を備えているために、巻取張力が正確に制御で
き、その結果、巻取長さのばらつきを防止でき、巻取ビ
ームを織機に仕掛けて製織を行なった際の経糸の余りを
極力少なくし得る。
前記エンコーダ14により、前記演算制御手段によって制
御されるサーボモータ11等からなる制御対象の実際の回
転速度等の制御量を検出するための検出手段が構成され
ている。そして、前記ステップS220〜ステップS233によ
り、前記検出手段から入力された制御対象の制御量をフ
ィードバック信号として、前記制御量を所望の値に制御
するための目標値と比較し、実際の制御量を前記目標値
に近づけるための制御動作信号を前記制御対象に出力す
るフィードバック制御手段が構成されている。このフィ
ードバック制御手段は、前記検出手段から入力された実
際の制御量と前記目標値との差である制御偏差が所定の
値(ステップS226の3m/min)以上のときには、比較的
大幅に前記制御量を修正するための制御動作信号を出力
し、前記制御偏差が所定の値(ステップS226の3m/mi
n)以下のときには、比較的小幅に前記制御量を修正す
るための制御動作信号を出力する機能を有している。
第35図は、本発明に係る連続体巻取装置の別実施例を示
し、フィルム巻取装置の概略構成図である。第35図にお
いて、前記第2A図,第3A図および第4図に用いられてい
る符号と同一の参照符号は、同一の機能を有する同一の
部品を示すため、ここでは詳細な説明を省略する。
送出ロール2の外周には、連続体の一例のプラスチック
フィルム88が巻かれている。巻取ロール8は、巻取駆動
手段7によって駆動回転され、その巻取ロール8の回転
により、前記送出ロール2に巻かれているプラスチック
フィルム88を引出して巻取る。この巻取ロール8と前記
送出ロール2のと間の所定位置には、テンションカット
ロール61と遊転ロール62とが設けられており、この両ロ
ール61,62によりプラスチックフィルム88が挟持され、
前記巻取ロール8の巻取力に伴うプラスチックフィルム
88の矢印方向への移動に伴って、テンションカットロー
ル61と遊転ロール62とが図示矢印方向に回転する。この
テンションカットロールの下半分は、コーティング液貯
留容器67に貯留されているコーティング液66に浸漬され
ている。そしてこのテンションカットロール61が図示矢
印方向に回転することにより、プラスチックフィルム88
の片面にコーティング液66がまんべんなく塗布される。
図中、63は絞りロールであり、前記テンションカットロ
ール61で塗布されたコーティング液を絞り、余分なコー
ティング液を除去するためのものである。コーティング
液が塗布されて絞りロール63で余分なコーティング液が
除去されたプラスチックフィルム88部分は、ドライヤゾ
ーン65内に入り、塗布されたコーティング液が乾燥さ
れ、最終的に前記巻取ロール8により巻取られる。前記
送出ロール2の回転軸は制動機構1に連動連結されてお
り、送出ロール2の回転に対し所定の制動力が付与され
る。この制動機構1は前記第2A図で説明したものと同じ
であり、簡単に説明すると、移動負荷検出手段の一例の
ロードセル13,減速器12,移動負荷作用手段の一例のサー
ボモータ11,サーボモータドライバ10ならびにエンコー
ダ14を含む。このエンコーダ14と前記ロードセル13とか
らの検出信号が送出側CPU30に入力され、前述したフロ
ーチャートに基づいた説明と同様に、サーボモータ11の
回転速度制御信号と回転トルク制御信号とがサーボモー
タドライバ10に与えられる。そしてサーボモータドライ
バ10からサーボモータ制御用信号がサーボモータ11に与
えられ、サーボモータ11が、前記送出ロール2の図示矢
印方向の回転に対しブレーキとして作用するように働
く。
前記巻取駆動手段7は、前記第4図で説明したものとほ
ぼ同様であり、簡単に説明する。サーボモータドライバ
22からの制御信号に従って駆動するサーボモータ23の回
転駆動力は、減速器64により減速され、巻取力検出手段
の一例のロードセル25を介して巻取ロール8の回転軸に
伝達され、巻取ロール8が図示矢印方向に回転駆動され
る。また前記減速器64からの回転がパルスジェネレータ
からなるエンコーダ28に伝達され、このエンコーダ28に
より前記巻取ロール8の回転数に関する信号が検出され
る。前記ロードセル25により巻取ロール8の回転トルク
が検出されてその検出信号が巻取側CPU33に入力される
とともに、前記エンコーダ28からの検出信号も巻取側CP
U33に入力される。また、後述する付与力制御装置3に
設けられているエンコーダ20およびロードセル19からの
信号が巻取側CPU33に入力される。また巻取側CPU33と送
出側CPU30との間で信号のやり取りが行なわれる。そし
て巻取側CPU33から、サーボモータの回転トルクと回転
速度とを制御するための制御信号が出力され、その出力
信号がサーボモータドライバ22に与えられてそのサーボ
モータドライバ22からサーボモータ制御用信号がサーボ
モータ23に与えられる。この巻取駆動手段7と巻取ロー
ル8とにより、巻取力か変更可能な巻取駆動手段を含
み、該巻取駆動手段の駆動力を利用して前記連続体を巻
取るための巻取手段が構成されている。
前記テンションカットロール61の回転軸は付与力制御装
置3に連動連結されている。この付与力制御装置3は前
記第3A図で説明したものとほぼ同様であり、簡単に説明
する。サーボモータドライバ16からの制御信号を受けて
サーボモータ17が回転駆動し、その駆動力が付与力検出
手段の一例のロードセル19を介して前記テンションカッ
トロール61に伝達される。そしてこのサーボモータ17
は、前記第3A図で説明したように、テンションカットロ
ール61の図示矢印方向の回転に対し、ブレーキとして作
用したり逆に図示矢印方向へ回転駆動させる駆動源とし
て作用したりする。前記ロードセル19によりテンション
カットロール61の回転軸のトルクに関する信号が検出さ
れ、その検出信号が前記巻取側CPU33に入力される。ま
た、前記テンションカットロール61の回転数がエンコー
ダ20により検出され、その検出出力が前記巻取側CPU33
に入力される。そして、巻取側CPU33からは、前述した
プログラムの説明と同様に、サーボモータ17の回転トル
クと回転速度とを制御するための制御信号が出力されて
サーボモータドライバ16に与えられ、サーボモータドラ
イバ16からサーボモータ制御用の信号がサーボモータ17
に与えられる。このように構成された付与力制御装置3
により、テンションカットロール61の回転が制御され、
プラスチックフィルム88に所定の力が付与される。さら
に、前記エンコーダ20からのパルス信号と前記エンコー
ダ28からのパルス信号との両信号が巻取側CPU33に入力
され、前記巻取ロール8による巻取速度と同期して前記
テンションカットロール61が回転するように、サーボモ
ータ17の回転速度制御信号が巻取側CPU33から出力され
る。このように、巻取ロール8による巻取速度とテンシ
ョンカットロール61の回転速度とを同期させる理由は、
プラスチックフィルム88とそれに接触しているテンショ
ンカットロール61の外周面との間で滑りが生じた場合に
は、プラスチックフィルム88に塗布されたコーティング
液にむらが生じ、均一なコーティングができなくなる不
都合が生ずるためである。つまり、コーティングむらを
防止すべくプラスチックフィルム88の図示矢印方向への
移動に同期させてテンションカットロール61を回転させ
る必要があるためである。
[発明の効果] 本発明は前記構成を有するため以下の効果を奏する。
請求項1に記載の本発明は、巻取側と巻出側とにおい
て、一方の側での張力制御の影響が他方の側に及ぶこと
が防止でき、それぞれの側で要求される状況に適した最
良の張力制御を可能にする連続体巻取装置を提供し得る
に至った。しかも、可変型力付与手段が、巻取側目標張
力と巻出側目標張力とがどのような大きさであっても一
律に駆動制御されるのではなく、巻取側目標張力と巻出
側目標張力との差に従って駆動制御されるため、巻取側
目標張力と巻出側目標張力との差が大きく大きなパワー
を要する場合にはそれなりに大きなパワーが発揮できる
ように駆動制御され、巻取側目標張力と巻出側目標張力
との差が少なくそれほど大きなパワーを要しない場合に
はそれなりに小さなパワーで駆動制御され、常に大きな
パワーを発揮し得るように駆動制御される場合の消費パ
ワーの浪費が極力防止できる。
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の効
果に加えて、巻取ロールに巻取られる連続体の張力制御
を、その巻取ロールの巻径の増加に伴って最良の状態に
制御できる効果を奏する。
請求項3に記載の発明は、巻取側と巻出側とにおいて、
一方の側での張力制御の影響が他方の側に及ぶことが防
止でき、それぞれの側で要求される状況に適した最良の
張力制御が可能となり、しかも制御系に外乱が生じても
その外乱による悪影響を極力抑え、張力制御を安定させ
て極力良好に行なうことができる連続体巻取装置を提供
し得る。さらに、可変型力付与手段が、巻取側連続体部
分の目標張力と巻出側連続体部分の目標張力との大きさ
如何にかかわらず一律に駆動制御されるのではなく、巻
取側連続体部分の目標張力と巻出側連続体部分の目標張
力との差に従って算出された付与力目標値に基づいてフ
ィードバック制御されるのであり、その結果、巻取側連
続体部分の目標張力と巻出側連続体部分の目標張力との
差が大きい場合にはそれなりに可変型力付与手段が大き
なパワーが発揮できるようにフィードバック制御され、
巻取側連続体部分の目標張力と巻取側連続体部分の目標
張力との差が小さい場合にはそれなりに小さなパワーが
発揮できる程度に可変型力付与手段が駆動制御されるの
であり、常に大きなパワーを発揮できるように可変型力
付与手段が駆動制御されることに伴なう消費パワーの浪
費が極力防止できる。
請求項4に記載の本発明は、前記請求項1に記載の発明
の効果に加えて、連続体の巻取速度と張力とを制御する
演算制御手段によって制御される制御対象がフィードバ
ック制御され、そのフィードバック制御に際して、制御
対象の実際の制御量と目標値との差である制御偏差が所
定の値以上のときには比較的大幅に制御量が修正されて
迅速な制御が行なわれ、制御対象の制御量を早期に目標
値に近づけることができるばかりでなく、前記制御偏差
が所定の値以下のときには比較的小幅に制御量が修正さ
れて制御対象の制御量がゆっくりと慎重に目標値に近づ
くように制御されるために、制御量が目標値を通り過ぎ
て再びフィードバックされて目標値に近づいて再度目標
値を通り過ぎるというハンチング現象を極力抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る連続体巻取装置の一例を示す全
体概略構成図である。 第2A図および第2B図は、送出ロールに所定の制動力を付
与するための制動機構を示し、第2A図はその一実施例を
示す概略構成図であり、第2B図は制動機構の別実施例を
示す概略構成図である。 第3A図および第3B図は、テンションカットロールを通し
て連続体に所定の力を付与するための付与力制御装置を
示し、第3A図はその一実施例の概略構成図であり、第3B
図はその付与力制御装置の別実施例を示す概略構成図で
ある。 第4図は、巻取駆動手段を示す概略構成図である。 第5図は、本発明に使用される制御回路を示すブロック
図である。 第6図ないし第22図は、送出側CPUに接続されているROM
に組込まれたプログラムを示すフローチャートである。 第23図ないし第33図は、巻取側CPUに接続されているROM
に組込まれたプログラムを示すフローチャートである。 第34図は、巻取手段の巻取力を制御するための張力パタ
ーンを示すグラフを表わした図である。 第35図は、本発明の別実施例を示し、フィルム巻取装置
の概略構成図である。 第36図は、従来の連続体巻取装置を示す概略構成図であ
る。 第37図は、前記第36図に示した従来の連続体巻取装置で
巻取った連続体の巻取状態を示す図である。 図面中、7は巻取駆動手段、9は連続体の一例の糸、88
は連続体の一例のプラスチックフィルム、8は巻取ロー
ル、25は巻取力検出手段の一例のロードセル、11は移動
負荷作用手段の一例のサーボモータ、15は移動負荷作用
手段の一例のエアブレーキ、13は移動負荷検出手段の一
例のロードセル、3は付与力制御装置、4はテンション
カットロール、30は送出側CPU、33は巻取側CPU、22はサ
ーボ駆動手段の一例のサーボモータドライバ、23はサー
ボモータ、24はベルト式無段変速装置(PIV)、26はパ
イロットモータ、27はアブソリュートエンコーダ、1は
制動機構、66はコーティング液、61はテンションカット
ロール、65はドライヤゾーン、43,51はテンキーであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】巻取対象である連続体を巻取る連続体巻取
    装置であって、 巻取力が変更可能な巻取駆動手段を含み、該巻取駆動手
    段の駆動力を利用して前記連続体を巻取るための巻取手
    段と、 該巻取手段による巻取力に伴なう前記連続体の引出し移
    動に対し所定の大きさの移動負荷を作用させるための移
    動負荷作用手段と、 該移動負荷作用手段から前記巻取手段へ移動する前記連
    続体部分に対し、該連続体の移動前後方向に沿った方向
    に力を付与することが可能で、かつ、その付与する力の
    大きさを変更し得る可変型力付与手段と、 該可変型力付与手段による力の付与箇所と前記移動負荷
    作用手段との間の送出側連続体部分と、前記力の付与箇
    所と前記巻取手段との間の巻取側連続体部分との張力
    を、それぞれに所望の張力に制御するための目標となる
    目標張力を定める張力パターンがそれぞれ設定され、前
    記送出側連続体部分の張力パターンに従って前記移動負
    荷作用手段を制御して移動負荷の大きさを調整し、前記
    巻取側連続体部分の張力パターンに従って前記巻取手段
    を制御して巻取力を調整し、さらに、前記巻取側連続体
    部分の張力パターンに従った巻取側目標張力と前記送出
    側連続体部分の張力パターンに従った送出側目標張力と
    の差に従って、前記可変型力付与手段を制御して前記連
    続体に加える力の大きさを調整し、前記巻取側連続体部
    分の張力と前記送出側連続体部分の張力とを、それぞれ
    の前記張力パターンに従って独立に制御するための演算
    制御手段とを含む、連続体巻取装置。
  2. 【請求項2】前記巻取手段は、前記巻取駆動手段によっ
    て回転駆動されて前記連続体を巻取る巻取ロールを含
    み、 前記巻取側連続体部分の張力パターンは、前記連続体の
    巻取りに伴なう前記巻取ロールの巻径の増加に対し一定
    の割合で前記目標張力が減少する負の一次関数に設定さ
    れている、請求項1に記載の連続体巻取装置。
  3. 【請求項3】巻取対象である連続体を巻取る連続体巻取
    装置であって、 巻取力が変更可能な巻取駆動手段を含み、該巻取駆動手
    段の駆動力を利用して前記連続体を巻取るための巻取手
    段と、 前記巻取駆動手段による駆動力を検出するための巻取力
    検出手段と、 前記巻取手段による巻取力に伴なう前記連続体の引出移
    動に対し所定の大きさの移動負荷を作用させるための移
    動負荷作用手段と、 該移動負荷作用手段により作用された移動負荷の大きさ
    を検出するための移動負荷検出手段と、 前記移動負荷作用手段から前記巻取手段に移動する前記
    連続体部分に対し、連続体の移動前後方向に沿った方向
    に力を付与することが可能で、かつ、その付与する力の
    大きさを変更し得る可変型力付与手段と、 該可変型力付与手段により付与された力を検出するため
    の付与力検出手段と、 前記可変型力付与手段による力の付与箇所と前記移動負
    荷作用手段との間の送出側連続体部分と、前記力の付与
    箇所と前記巻取手段との間の巻取側連続体部分との張力
    を、それぞれに所望の張力に制御するための目標となる
    目標張力がそれぞれ設定され、前記送出側連続体部分の
    前記目標張力に従って、前記移動負荷を所望の大きさに
    制御するための目標となる移動負荷目標値を算出し、前
    記巻取側連続体部分の目標張力と前記送出側連続体部分
    の目標張力との差に従って、前記可変型力付与手段によ
    って付与される力を所望の大きさに制御するための目標
    となる付与力目標値を算出し、前記移動負荷検出手段か
    らの検出出力をフィードバック信号として前記移動負荷
    目標値と比較し、実際の移動負荷を前記移動負荷目標値
    に近づけるための制御動作信号を前記移動負荷作用手段
    に与え、前記巻取側連続体部分の張力パターンに従って
    前記巻取手段を制御して巻取力を調整し、前記付与力検
    出手段からの検出出力をフィードバック信号として前記
    付与力目標値と比較し、実際の付与力を前記付与力目標
    値に近づけるための制御動作信号を前記可変型力付与手
    段に与えるための演算制御手段とを含む、連続体巻取装
    置。
  4. 【請求項4】前記演算制御手段は、 連続体の巻取移動速度を制御する速度制御手段を含むと
    ともに、 演算制御手段によって制御される制御対象の実際の制御
    量を検出するための検出手段からの検出信号が入力さ
    れ、該入力信号をフィードバック信号として、前記制御
    量を所望の値に制御するための目標値と比較し、実際の
    制御量を前記目標値に近づけるための制御動作信号を前
    記制御対象に出力するフィードバック制御手段を含み、 該フィードバック制御手段は、前記検出手段から入力さ
    れた実際の制御量と前記目標値との差である制御偏差が
    所定の値以上のときには、比較的大幅に前記制御量を修
    正するための制御動作信号を出力し、前記制御偏差が所
    定の値以下のときには、比較的小幅に前記制御量を制御
    するための制御動作信号を出力することを特徴とする、
    請求項1記載の連続体巻取装置。
JP1075743A 1989-03-27 1989-03-27 連続体巻取装置 Expired - Lifetime JPH0665580B2 (ja)

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