JP2517518B2 - 連続体移動装置 - Google Patents

連続体移動装置

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JP2517518B2
JP2517518B2 JP4340438A JP34043892A JP2517518B2 JP 2517518 B2 JP2517518 B2 JP 2517518B2 JP 4340438 A JP4340438 A JP 4340438A JP 34043892 A JP34043892 A JP 34043892A JP 2517518 B2 JP2517518 B2 JP 2517518B2
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speed
roll
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yarn
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敬明 倉橋
新雄 垣中
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YUNICHIKA SETSUBI GIJUTSU KK
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YUNICHIKA SETSUBI GIJUTSU KK
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば、荒巻工程を
経た糸に対しその糸を搬送しながら糊付処理を行なう
合や、フィルムに対し薬液の塗布や延伸や張り合わせや
印刷後の巻取り等の加工を施しながら搬送を行なう場合
や、クロスに対し柔軟剤を付与して乾燥させながら搬送
する場合や、紙すき後乾燥させながらその紙を搬送する
場合や、或いは、鉄板を延伸させながら搬送する場合の
ように、連続体を搬送する場合に用いられる連続体移動
装置に関し、詳しくは、連続体をその長手方向に沿って
所定の張力付与状態で移動させる連続体移動装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の連続体移動装置において、従来
から一般的に知られているものに、たとえば、レーヨ
ン,ナイロン,エステル,ウール等の糸が荒巻工程終了
後に搬送されながら糊付処理およびその後の乾燥処理を
行なうサイザがあった。
【0003】糸に糊付を行なうサイザにおいて、従来か
ら一般的に知られているものに、たとえば図45に示す
ものがあった。この従来のサイザは、巻出ロール1に巻
かれているレーヨン等の糸を、遊転ロール3〜21やテ
ンションカットロール(1)6,テンションカットロー
ル(2)19に掛け渡し、ロールを回転駆動させること
により糸2を所定の搬送ライン(移動ライン)に沿って
搬送(移動)させ、最終的に巻取りロール22に巻取る
ように構成されている。そして、糸の搬送ラインに沿っ
て、糊貯留槽99が設けられており、搬送されてきた糸
をロール10によって糊貯留槽99に貯留されている糊
に一旦浸漬し、その後エアシリンダ56によってロール
11に圧接されている絞りロール12によって搬送糸2
を絞り余分な糊を除去し、その後、乾燥装置59の乾燥
室62を通過させて付着した糊を乾燥させるように構成
されている。この乾燥室62には、ブロア61が設けら
れており、このブロア61から吹き出される熱風が乾燥
室62を循環するように構成されている。乾燥室62を
出てきた搬送糸2は、シリンダドライヤ14,15,1
6によってさらに乾燥される。このシリンダドライヤ1
4,15,16は、内部に蒸気が吹き込まれるようにな
っており、その蒸気の熱によって糸を乾燥させながら回
転することにより糸を搬送するように構成されている。
糊付および乾燥が終了した糸は、巻取ロール22に巻き
取られる。糸2を搬送させるための駆動源として、1台
のモータ200が設けられており、この1台のモータ2
00からの駆動力は、PIV(無段変速装置)201に
よって変速されながら、シャフト203によってPIV
204に入力され、そのPIV204によってさらに変
速された後に分岐されて回転軸216,208を介して
それぞれテンションカットロール(1)6および絞りロ
ール11に伝達される。このPIV204と回転軸20
6との間にはギアによって回転速度を変更可能なギアボ
ックス205が設けられており、PIV204と回転軸
208との間にも同様にギアボックス207が設けられ
ている。
【0004】PIV201からの駆動力はさらに分岐さ
れて回転軸210に伝達されてシリンダドライヤ14,
15,16を回転駆動させると共に、動力伝達機構22
0を介して回転軸221にも伝達されて巻取ロール22
を回転駆動させる。なお、図中211,212はギアの
切換によって回転速度を変更するためのギアボックスで
ある。
【0005】また、図中43,69,71は筬であり、
櫛のような形状を有し搬送糸2(約1000本前後)を
梳いて搬送糸2がもつれないようにするためのものであ
る。
【0006】このような構造を有するサイザにおいて、
作業を開始する際には、まず巻出ロール1から巻き出し
た糸2を各種ロールに掛け渡しながら巻取ロール22に
まで掛け渡し、その状態でクラッチ202を入れてモー
タ202の駆動力によりテンションカットロール(1)
6,ロール11,シリンダドライヤ14,15,16,
テンションカットロール(2)19,巻取ロール22を
回転させて糸を搬送させるのである。その際に、搬送途
中部分の糸に弛みが生じないようにするために、搬送上
手側から搬送下手側に行くに従ってロールの回転速度が
少しずつ速くなるようにPIV201,204やギアボ
ックス205,207,211,213を調節する。こ
のように、各セクションにおいてロールの回転比を少し
ずつ変えて糸2を張った状態で搬送しながら糊付,乾燥
処理を行なうのであり、その結果、各セクションのロー
ルの回転比の相違によって各セクションにおいて搬送糸
2が少しずつ引き伸ばされる。この各セクションにおけ
る搬送糸2の引き伸し率を通常ドロー比と呼ぶ。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このドロー比が大き過
ぎた場合には糸が引き伸ばされ過ぎて後の染色工程にお
いて染めむらが生じたり、完成された布に縞模様が生じ
たりする不都合が生じる。ドロー比がさらに大き過ぎた
場合には、最悪の場合、サイジング工程において搬送糸
2が切れてしまう場合が生ずる。
【0008】一方、このようなドロー比が大き過ぎる場
合の欠点を防止するべく、PIV201,204やギア
ボックス205,207,211,213を調整してド
ロー比を小さ目に設定した場合には、特に糸の搬送開始
時において搬送糸2がなかなか張った状態にはならず、
搬送糸2のうちの弛んだ2,3本程度の糸が隣の糸に絡
み合って筬等を通過する状態となり、やはり糸切れが発
生してしまう、という不都合が生ずる。
【0009】以上のように、従来のサイザ等に用いられ
る連続体移動装置においては、前述した糸等の連続体の
切断防止等のためにドロー比をある一定の上限値以下に
抑える必要がある反面、連続体の弛み防止のためにドロ
ー比をある下限値以上に保つ必要がある。一方、ドロー
比が一定に保たれた状態であっても連続体の搬送速度
(ライン速度)が速くなればなるほど各セクションにお
ける張力が増加する傾向にある。その結果、ドロー比を
前述したある一定の下限値に設定したとしても、ライン
速度を上げた場合には各セクションにおける張力が大き
くなり過ぎ、前述した連続体が引き伸ばされ過ぎる不都
合や連続体の切断が生ずる不都合が顕著に現れることに
なる。従来の連続体移動装置においては、このような欠
点を防止するべくライン速度を低く抑えて運転せざるを
得ないという不都合があった。
【0010】そこで、テンションカットロール(1)
6,テンションカットロール(2)19,巻取ロール2
2,シリンダドライヤ14,15,16,ロール11等
の、連続体の移動ライン上に複数配設された連続体移動
手段にそれぞれ回転駆動源(駆動手段)を設け、或る連
続体移動手段と他の連続体移動手段との間の連続体部分
の張力を検出して、その張力検出信号をフィードバック
して連続体部分の張力のフィードバック制御を行なうこ
とにより、前述した欠点を解消するものとして、特開昭
58−135050号公報に記載のものがあった。この
従来のものは、或るロールと他のロールとの間の制御対
象となる移動連続体部分の張力をフィードバックし、そ
のフィードバック信号を予め定められた目標張力と比較
し、制御偏差を小さくするための制御動作信号として回
転速度用制御動作信号を前記ロールの回転駆動源に出力
し、その回転速度用制御動作信号に従ってその回転駆動
源が速度制御されるように構成されていた。そして、た
とえば前記移動連続体部分の張力が小さすぎた場合には
前記両ロールの回転速度差を増大するように前記回転駆
動源の速度をフィードバック制御し、前記移動連続体部
分の張力が大きすぎた場合には前記両ロールの回転速度
差を縮小するように回転駆動源の速度をフィードバック
制御していた。一方、このように、回転速度のフィード
バック制御のみで連続体部分の張力制御を行なわんとす
る場合には、フィードバック制御に伴う回転速度指令信
号どおりの回転速度で前記回転駆動源が回転する必要が
あるために、前記回転駆動源は、安全率を見込んで前記
移動連続体部分の張力を余裕を持って上回るかなり大き
めの回転トルク(一般的には定格トルク)が発揮できる
ように制御されていた。このように構成された従来のも
のにおいて、前記複数のロールのうちの或る第1のロー
ルと他の第2のロールとの間の移動連続体部分の張力を
フィードバック制御するにおいて、たとえば前記第1の
ロールの回転速度が一定に制御されている状態で前記移
動連続体部分の張力が低下したために前記第2のロール
の回転駆動源にフィードバック制御が働いて前記第2の
ロールの回転速度を速める制御が行なわれた場合には、
前記移動連続体部分に前記第2のロールの回転駆動源の
前述したかなり大きめの回転トルク(一般的には定格ト
ルク)が加わることとなり、前記移動連続体部分の張力
が一気に急上昇してしまいフィードバック制御によるハ
ンチングが非常に大きなものとなってしまう欠点が生じ
る。この原因は、フィードバック制御の結果前記第2の
ロールの回転速度が急に上昇したとしても、前記第1の
ロールはその慣性力(慣性抵抗)により急には回転速度
が速くならず、その慣性抵抗の作用により大きなブレー
キ力として第1のロールが働く状態となるためである。
その結果、第2のロールの回転駆動源の前述したかなり
大きめの回転トルク(一般的には定格トルク)がそのま
ま移動連続体部分に加わる状態となってしまい、これが
原因で大きなハンチングが起こってしまうのである。こ
のような欠点は、移動連続体部分の張力をフィードバッ
ク制御するにおいて、ロール(移動手段)の回転駆動源
を連続体の目標張力に比べて大きめの回転トルク(一般
的には定格トルク)に制御している限りつきまとう問題
である。そこで、前記ロール(移動手段)の回転駆動源
(駆動手段)を連続体移動部分の目標張力の近辺でフィ
ードバック制御し、余分に大きめの回転トルクが生じな
いようにして必要最小限の極限的回転トルク制御を行な
うようにすることが考えられる。このように構成すれ
ば、フィードバック制御の結果、回転駆動源(駆動手
段)の回転トルクのすべてが移動連続体部分に加わった
としても、その回転トルクは、元々移動連続体部分の目
標張力の近辺の大きさのものであるために、移動連続体
部分の張力が目標張力を大きく上回って急上昇すること
が防止できる。しかし、このように構成した場合には、
回転駆動源の回転トルク制御が安全率を見込んだ余裕を
持った大きめの回転トルクで制御されるのではなく、余
裕のない必要最小限の極限的回転トルク制御となるため
に、移動連続体部分の張力が減少する等の制御偏差が生
じた場合に、その制御偏差の発生原因が、前記回転駆動
源の回転速度が遅すぎたり速すぎたりする回転速度が原
因となっている場合ばかりでなく、その回転駆動源の回
転トルクが少し大きすぎたり少し小さすぎたりする回転
トルクが原因となっている場合も考えられる。制御偏差
が生じている原因が回転トルクにあるにも拘らず、回転
速度を制御する信号を回転駆動源(駆動手段)にいくら
与えたところで制御偏差を良好に小さくすることができ
にくく、逆に、制御偏差の生じている原因が回転速度に
あったにも拘らず、回転トルクを制御するための信号を
回転駆動源(駆動手段)にいくら与えたところで制御偏
差を良好に小さくすることができにくいのである。その
結果、制御偏差の発生原因如何では、いくらフィードバ
ック制御を行なったとしても制御偏差が減少しないとい
う新たな不都合が生じてくるのである。
【0011】本発明は、係る実情に鑑み考え出されたも
のであり、その目的は、連続体に張力をかけた状態で移
動させる際に、フィードバック制御を利用して連続体の
張力を所望の大きさに制御するとともに、フィードバッ
ク制御を行なった際のハンチングの悪影響を極力抑える
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、連続体をその長手方向に沿って所定の張力付与状態
で移動させる連続体移動装置であって、前記連続体の移
動ライン上に複数配設されて連続体を移動させる手段で
あって、回転トルクと回転速度とをそれぞれ独立に制御
可能な駆動手段の駆動力を利用して移動ライン上の連続
体部分に張力を付与しながら連続体を移動させる張力付
与移動手段と、前記移動する連続体の張力を所望の大き
さに維持するのに必要なだけの回転トルクの近辺で前記
駆動手段をフィードバック制御する手段であって、前記
移動ライン上の連続体部分の実際の張力と予め定められ
た目標張力との差である制御偏差を小さくするための制
御動作信号を前記駆動手段に出力して該駆動手段をフィ
ードバック制御するフィードバック制御手段と、該フィ
ードバック制御手段による制御対象となる前記弾続体部
分の実際の張力を検出する張力検出手段とを含み、前記
フィードバック制御手段は、前記張力検出手段による張
力検出信号をフィードバックし、該フィードバック信号
を前記目標張力と比較して、前記制御動作信号としての
回転速度用制御動作信号と回転トルク用制御動作信号と
を前記駆動手段1個当りに対し出力可能に構成され、該
フィードバック制御手段は、前記制御偏差の発生に伴う
フィードバック制御の開始時点から前記制御偏差の減衰
に伴う前記フィードバック制御の終了時点までの1単位
制御実行期間内に、前記回転速度用制御動作信号出力状
態と前記回転トルク用制御動作信号出力状態とを自動的
に併存させることが可能であり、前記駆動手段が、前記
出力された回転速度用制御動作信号に従って回転速度が
フィードバック制御され、かつ、前記出力された回転ト
ルク用制御動作信号に従って回転トルクがフィードバッ
ク制御されることを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載の発明の構成に加えて、前記フィードバック制御手段
は、まず前記回転速度用制御動作信号を前記駆動手段に
出力し、次に、必要に応じて、前記回転トルク用制御動
作信号を前記駆動手段に出力することを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1に記載の本発明によれば、回転トルク
と回転速度とをそれぞれ独立に制御可能な駆動手段によ
り駆動される張力付与移動手段が連続体の移動ライン上
に複数配設され、その駆動手段の駆動力を利用して前記
移動ライン上の連続体部分に張力を付与しながらその連
続体が移動される。そして、移動する連続体の張力を所
望の大きさに維持するのに必要なだけの回転トルクの近
辺で前記駆動手段をフィードバック制御するフィードバ
ック制御手段の働きにより、前記移動ライン上の連続体
部分の実際の張力と予め定められた目標張力との差であ
る制御偏差を小さくするための制御動作信号が前記駆動
手段に出力されてその駆動手段がフィードバック制御さ
れる。そのフィードバック制御に際しては、制御対象と
なっている連続体部分の実際の張力が検出されその検出
信号をフィードバックし、そのフィードバック信号を前
記目標張力と比較して、前記制御動作信号としての回転
速度用制御動作信号と回転トルク用制御動作信号とが前
記駆動手段1個当りに対し出力できるように構成されて
いる。
【0015】つまり、制御動作信号として回転速度を制
御するための信号と回転トルクを制御するための信号と
を駆動手段に与える二元制御が可能であるために、制御
偏差が回転トルクまたは回転速度のいずれの原因であっ
たとしてもその制御偏差を良好に小さくする制御が行な
われる。
【0016】請求項2に記載の本発明によれば、請求項
1に記載の発明の作用に加えて、フィードバック制御を
行なう際に、まず回転速度用制御動作信号が駆動手段に
与えられ、次に、必要に応じて、回転トルク用制御動作
信号が駆動手段に与えられる。
【0017】その結果、フィードバック制御によりまず
制御偏差が回転速度が原因となっているか否か探ること
ができ、回転速度が原因の場合にはこれにより良好にフ
ィードバック制御が行なわれ、逆に回転トルクが原因の
場合には、回転速度のフィードバック制御では制御不能
であるために、次に回転トルク制御用信号による回転ト
ルクのフィードバック制御が行なわれ、良好なフィード
バック制御が行なわれる状態となる。
【0018】
【発明の実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。
【0019】図1は、本発明に係る連続移動体装置が用
いられたサイザの一例を示す全体概略構成図である。
【0020】荒巻工程においてケークやパン等から連続
体の一例の1000本前後の糸を巻き取った巻出ロール
1がサイザーにセットされ、その巻出ロール1に巻かれ
ている1000本前後の糸2を所定の搬送ラインに沿っ
て搬送しながら糊付処理およびその後の乾燥処理を施
し、最終的に糸2を巻取ロール22に巻取るように構成
されている。糸が搬送される搬送ライン(移動ライン)
には、遊転ロール3〜8,13,17〜21やテンショ
ンカットロール(1)6や押えロール9やキスロール1
0,11や絞りロール12やシリンダドライヤ14,1
5,16が配設されている。これら各種ロールやシリン
ダドライヤに糸2を掛渡した状態で、テンションカット
ロール(1)6,キスロール10,絞りロール11,シ
リンダドライヤ14,15,16,テンションカットロ
ール(2)19,巻取ロール22をそれぞれのサーボモ
ータ24〜30により回転駆動させて糸2が搬送される
ように構成されている。なお、サーボモータ28は、そ
の駆動力がシリンダドライヤ14,15,16に分岐さ
れて伝達され、それぞれシリンダドライヤ14,15,
16を同じ回転速度で回転する。なお、図中、31〜3
7は、サーボモータの回転速度を減速するための減速機
である。また41はクラッチである。これらのサーボモ
ータ24〜30により、前記移動ライン上に配設され、
回転トルクと回転速度とをそれぞれ独立に制御可能な駆
動手段が構成されている。これらのサーボモータ24〜
30は、それぞれにサーボ盤87に接続されており、サ
ーボ盤87から与えられる回転速度制御用信号と回転ト
ルク制御用信号とに基づいて回転トルクと回転速度とが
制御される。テンションカットロール(1)6,キスロ
ール10,絞りロール11,シリンダドライヤ14,1
5,16,テンションカットロール(2)19,巻取ロ
ール22により、前記駆動手段の駆動力を利用して移動
ライン上の連続体部分に張力を付与する張力付与手段が
構成されている。
【0021】巻出ロール1,テンションカットロール
(1)6,テンションカットロール(2)19,巻取ロ
ール22のそれぞれ回転軸には、パルスジェネレータ3
8〜41が設けられており、各ロールの回転速度に比例
する周波数からなるパルス信号がそれぞれらのパルスジ
ェネレータ38〜41から発せられ、そのパルス信号が
回転速度,糸張力制御盤89に入力される。また、遊転
ロール4,7,13,17,20には、それぞれロード
セル47,49,70,72,80が備えられており、
糸2の張力に起因した各遊転ロール4,7,13,1
7,20の上下方向の力が各ロードセル47,49,7
0,72,80に伝達されるように構成されている。各
ロードセル47,49,70,72,80に伝達された
糸2の張力を特定可能な信号が各ロードセルから回転速
度,糸張力制御盤89に入力されるように構成されてい
る。この回転速度,糸張力制御盤89に入力された糸2
の搬送速度を特定可能なパルス信号と糸2の張力を特定
可能な信号とに基づいて、糸2の搬送速度および張力を
所望の値に制御するための信号が回転速度,糸張力制御
盤89からサーボ盤87に入力され、サーボ盤87から
各サーボモータ24〜30に回転速度制御用信号と回転
トルク制御用信号とが出力される。
【0022】図中51は糊貯留タンクであり、この糊貯
留タンク51には貯留している糊の液面のレベルを測定
するレベル計53が設けられている。このレベル計53
によって測定された糊の液面が所定レベル以下となった
場合には、電磁弁54が自動的に制御されて弁を開き糊
貯留タンク51に自動的に糊が供給され、所定レベルに
達した段階で電磁弁54がOFFに制御されて糊の供給
が停止されるように構成されている。この糊貯留タンク
51に貯留されている糊がポンプ55により汲上げられ
て糊貯留層99に供給されるとともに、糊貯留部55´
に供給される。糊貯留層99には、糊付用ロールである
キスロール10が一部その糊液面に浸漬された状態で配
設されており、このキスロール10がサーボモータ26
により回転されることにより、キスロール10の外周面
に糊が付着し、その付着した糊を搬送糸2に付着させる
ことにより糊付作業が行なわれる。このキスロール10
の外周面の回転速度は、搬送糸2の搬送速度と一致する
ように制御される。このキスロール10の搬送下手側に
は、ゴム製の絞りロール12,11が設けられており、
搬送糸2がこの1対の絞りロール12,11によって挟
まれた状態で絞りロール11がサーボモータ27により
回転されることにより、糊付された搬送糸2が絞られな
がら搬送される。この絞りロール12はエアーシリンダ
56とロードセル57とが備えられており、エアーシリ
ンダ56によって絞りロール12が絞りロール11側に
押圧されるとともに、その押圧力がロールセル57によ
って検出されてその検出信号が回転速度,糸張力制御盤
89に与えられる。回転速度,糸張力制御盤89は、そ
の与えられた信号に基づいて最適な絞り押圧力になるよ
うにエアーシリンダ56を制御して、絞りロール12,
11の間を通過する搬送糸2に付着した余分な糊が良好
に除去されるように構成されている。なお、このエアー
シリンダ56は0〜300Kgの範囲で絞り押圧力が制
御できるように構成されている。絞りロール12の外周
部分には、前記糊貯留部55´から少しずつ糊が供給さ
れるように構成されており、絞りロール12の外周面が
乾かないように構成されている。
【0023】糊付作業が終了した搬送糸2は、その搬送
下手側にある乾燥手段の一例の乾燥装置59の乾燥室6
2,63内に搬送される。乾燥装置59は、第1の乾燥
室62と第2の乾燥室63とが備えられており、第1の
乾燥室62は、ブロワ60の熱風がスリット状吹出口3
00aから吹出されて循環するように構成されている。
一方、第2の乾燥室63は、ブロワ61の熱風がスリッ
ト状吹出し口300bから吹出されて循環するように構
成されている。このスリット状吹出し口300a,30
0bは、第1,第2の乾燥室62,63を追加する搬送
糸2に向かって熱風を吹出すように構成されている。第
1の乾燥室および第2の乾燥室には、温度調整装置6
4,66がそれぞれ設けられており、それぞれの温度調
整装置64,66からの測定温度信号が温度調整盤85
に入力され、その入力された信号に基づいてブロワ6
0,61が制御されて各乾燥室62,63の温度が所望
の値になるように制御される。なお、この第1の乾燥室
62の温度は比較的低い値になるように制御され、第2
の乾燥室63の温度は比較的高い値になるように制御さ
れる。このように制御することにより、まず第1の乾燥
室62に搬送されてきた搬送糸2を低い温度で乾燥して
乾燥糸2の外表面だけが乾燥されるのではなく搬送糸2
の内部まで均一に乾燥させ、次に第2の乾燥室63に搬
送されてきた搬送糸2を高い温度によってさらに乾燥さ
せることができる。なお、糊貯留層99にも温度調整装
置50が設けられており、糊貯留層99内に貯留されて
いる糊の温度が所望の温度になるように制御される。図
中65は排気ブロアであり、乾燥室62,63内の熱風
を野外に排気するためのものである。
【0024】乾燥装置59によって乾燥された搬送糸2
は、さらにその下手側に設けられているシリンダドライ
ヤ14,15,16により乾燥される。このシリンダド
ライヤ14,15,16は、内部に蒸気が供給されるよ
うに構成されており、そのシリンダドライヤ14,1
5,16の外周面の熱が蒸気によって90℃前後になる
ように構成されている。このシリンダドライヤ14,1
5,16がサーボモータ28により回転することにより
搬送糸2がそれぞれシリンダドライヤ14〜16の外周
面に接触した状態で搬送され、搬送されながら乾燥され
る。テンションカットロール(1)6およびテンション
カットロール(2)19は、それぞれに遊転ロール5,
18で搬送糸2を挟んだ状態となるように構成されてお
り、このテンションカットロール(1)6,(2)19
がサーボモータ25,29により回転制御されることに
より、それぞれのテンションカットロール6,19の搬
送上手側と搬送下手側とで糸張力が互いに伝達されてし
まうことを防止でき、テンションのカットが可能とな
る。また、シリンダドライヤ16とテンションカットロ
ール(2)19との間で糸の張力が存在することを前提
として、シリンダドライヤ14〜16をサーボモータ2
8により回転制御することにより、シリンダドライヤ1
4〜16の搬送上手側と搬送下手側とで糸張力が互いに
伝達されるのを防止しテンションカットを行なうことが
できるように構成されている。搬送糸2がたとえばレー
ヨンの場合には、テンションカットロール(1)6から
シリンダドライヤ14〜16までの搬送糸2の引伸ばし
比率(ドロー比)が6%前後になるように、サーボモー
タ27とサーボモータ28との回転速度比を制御するの
が一般的であり、そのように制御した場合には、搬送糸
2が絞りロール11,12とシリンダドライヤ14〜1
6との間で引伸ばされる引伸し搬送状態となり、その引
伸ばし率(ドロー比)が、テンションカットロール
(1)6とシリンダドライヤ14〜16との間で6%前
後となるように制御される。なお、このような場合にお
いても、巻出ロール1とテンションカットロール(1)
6との間,テンションカットロール(1)6と絞りロー
ル11,12との間,シリンダドライヤ16とテンショ
ンカットロール(2)19との間,テンションカットロ
ール(2)19と巻取ロール22との間の各セクション
における糸の張力が所望の張力になるように各サーボモ
ータを制御するのが望ましい。つまり、設定されたドロ
ー比に従った引伸ばし搬送状態は、糊付処理以後であっ
てかつ乾燥処理完了以前の搬送糸部分について行なうの
が望ましく、それ以外のセクションの搬送糸部分につい
ては、糸張力が所望の張力になる状態で搬送する所望張
力搬送状態に制御するのが望ましい。なお、本実施例の
サイザーは、すべてのセクションの糸を引伸し搬送状
態、または所望張力搬送状態にすることもでき、また、
1つまたは2つ以上のセクションを自由に選んでそのセ
クションを引伸し搬送状態にしたり所望張力搬送状態に
したりすることができる。
【0025】巻取ロール22によって巻き取られた搬送
糸2の巻取外周面には、接圧ロール23が油圧シリンダ
83の油圧力により押圧されるように構成されている。
この押圧力がロードセル82によって検出され、その検
出信号が回転速度,糸張力制御盤89に入力され、所望
の押圧力になるように油圧シリンダ83が制御される。
【0026】巻取ロール1の搬送下手側には筬スタンド
42が配設されており、この筬スタンド42に筬43が
設けられている。筬43は、櫛状の形状を有し、搬送糸
2をといて搬送糸2が縺れるのを防止する。、その筬4
3の搬送下手側にも筬44が設けられており、この筬4
4は、モータ45により上下方向に往復運動するように
構成されている。筬44を上下方向に往復運動させるこ
とにより、筬44の搬送糸2に対する摺接箇所が上下方
向に分散されるため、搬送糸2の摺接に伴う筬44の偏
磨耗うを防止することができる。図中9は、テフロンコ
ーティングされた押えロールであり、搬送糸2を下方向
に押えてキスロール10の外周面に搬送糸2が圧接する
状態にし、搬送糸2に糊が付着しやすいように構成して
いる。図中58はモータであり、3本のロッドを回転さ
せるためのものであり、この3本のロッドにより図示す
るように搬送糸2が4つのグループに分岐されて搬送糸
2同志の間隔が広げられ、搬送糸2同志の間隔が広げら
れた状態で乾燥室62,63を搬送糸が通過することに
より乾燥しやすい状態となる。図中69,71,74,
75は筬である。76は搬送糸2に発生した静電気を除
去するための除電装置であり、77は搬送糸2の糸切れ
を検知するための糸切検知器であり、78はテープ張装
置である。このテープ張装置78は、サイザーの運転開
始前の段階における糸2を各種ロールに掛け渡すために
必要なものであり、作業者が各種ロールに糸2を掛け渡
してテープ張装置78のところまで糸を引出した状態で
その引出糸先端部分をテープ張装置78によりテープ張
りを行ない、1000本前後の糸の引出先端部分がテー
プで一体になった状態でそのテープをテンションカット
ロール(2)19に掛け渡して巻取ロール22に巻き付
かせるのである。なお、前記糸切検知器77により糸切
れが検知された場合にはその検出信号に基づいてサーボ
盤87から各サーボモータに停止指令信号が与えられ、
サイザーによる糸2の搬送が停止される。
【0027】回転速度,糸張力制御盤89にはモニタ9
0が接続されており、前記糸切れ等の異常状態発生時に
糸2の搬送が停止された場合に、その糸2の搬送が停止
された異常の原因がこのモニタ90により表示されるよ
うに構成されている。その発生した異常箇所もこのモニ
タ90により画像表示されるように構成されている。
【0028】前記キスロール10,サーボモータ26,
27,絞りロール11,12により、搬送ラインの途中
に配設され搬送糸に対し糊付を行なう糊付手段が構成さ
れている。
【0029】なお、本実施例のサイザーは、糸搬送用の
駆動源としてサーボモータを用いているために、糸の搬
送速度(ライン速度)を0.1Yard/min程度の
低速に制御することもできる。
【0030】図2は、サイザーを制御するための制御回
路を示すブロック図である。サイザーは、コンピュータ
により制御され、そのコンピュータは、メインCPU
(中央処理装置)100とサブCPU101とを含む。
メインCPU100にはパラレル通信I/O102が接
続されている。サブCPU101には、パラレル通信I
/O103が接続されている。メインCPU100とサ
ブCPU101とは、それぞれパラレル通信I/O10
2,103を介してデータの送受信が行なわれる。送受
信されるデータの内容は、たとえば、操作者が設定した
各種設定値,各種パラメータ,糸の搬送速度(ライン速
度),巻出ロールや巻取ロールの現在の半径,糸の現在
張力,各種ロールの現在速度電圧やトルク電圧等であ
る。メインCPU100やサブCPU101には、ラン
ダムアクセスメモリ(RAM)や制御プログラムを記憶
しているリードオンリーメモリ(ROM)等が接続され
ている。
【0031】メインCPU100から表示I/O104
を介して、運転画面CRTや設定画面CRTやパラメー
タ画面CRT112にそれぞれ画像表示用データが出力
される。操作者がキーボード113を操作すれば、その
操作信号がキー入力I/O,指令入出力I/O105を
介してメインCPU100に与えられる。このキーボー
ド113は、テンキーと各種ファンクションキーとが備
えられている。各種ファンクションキーは、少なくと
も、搬送糸2の引伸ばし比率であるドロー比を入力する
ためのキー,搬送糸2の目標張力を入力するためのキ
ー,搬送ライン上における各セクションを特定するため
のキーを含む。搬送ライン上の各セクションとは、具体
的に述べると、図1を参照して、巻出ロール1からテン
ションカット(1)6までの間,テンションカットロー
ル(1)6から絞りロール11,12までの間,絞りロ
ール11,12からシリンダドライヤ14,15,16
までの間,シリンダドライヤ14,15,16からテン
ションカットロール(2)19までの間,テンションカ
ットロール(2)19から巻取ロール22までの間であ
る。また、入力可能なドロー比は、0〜100%までの
範囲で入力でき、かつ、1/1000%の精度で入力可
能である。このドロー比の入力は、テンションカットロ
ール(1)6の位置を基準にして行なわれる。搬送ライ
ン上のあるセクションの搬送糸を引伸ばし搬送状態に制
御したい場合には、このキーボード113を操作して、
まず引伸ばし搬送状態に制御したいセクションを入力す
る。次に、ドロー比(引伸ばし比率)をたとえば6%な
ら6%と入力し、さらに、そのセクションの糸の目標張
力を実際の糸張力からかけ離れた大きな張力に設定す
る。この設定状態を第1モードという。このように、キ
ーボード113を操作してセクションを指定して第1モ
ードに入力設定すれば、その指定されたセクションの糸
がドロー比制御すなわち引伸ばし搬送状態に制御され
る。なお、すべてのセクションを指定して第1モードに
入力設定すれば、巻出ロール1から巻取ロール22まで
のすべてのセクションの糸が引伸ばし搬送状態に制御さ
れる。しかし、引伸ばし搬送状態に制御するのは、前述
したように、絞りロール11,12からシリンダドライ
ヤ14〜16までの間に限定するのが望ましい。一方、
あるセクションを所望張力搬送状態に制御したい場合に
は、まずそのセクションをキーボード113から入力設
定し、制御したい張力を目標張力として設定入力する。
次に、そのセクションにおけるドロー比を入力するとと
もにそのドロー比の上限と下限とを入力する。たとえ
ば、ドロー比を6%に入力設定するとともに、6%+3
%を上限に入力設定し、6%−3%を下限に入力設定す
る。このような入力設定を第2モードという。セクショ
ンが指定されて第2モードに選択設定された場合には、
その指定されたセクションが所望張力搬送状態に制御さ
れる。なお、すべてのセクションを指定して第2モード
に選択設定すれば、すべての搬送糸すなわち巻出ロール
1から巻取ロール22までの搬送糸が所望張力搬送状態
に制御される。目標張力を所望の低張力に設定して搬送
糸2を所望張力搬送状態に制御した場合には、すべての
セクションの糸をドロー比制御で行なう従来機の場合に
比べて糸切れが1/20〜1/100程度に激減する。
さらに、ドロー比制御の場合と異なり糸の搬送速度(ラ
イン速度)を上昇させたとしても糸張力が異常に上昇す
ることがないために高速運転ができサイジング工程の効
率化を図ることができる。さらに、シリンダドライヤ1
6とテンションカットロール(2)19との間が低張力
で所望張力搬送状態に制御することができるために、こ
のセクションの搬送糸2を無理に引伸ばすことがなくな
り、糊の抱合力が従来機の2倍にすることが可能とな
る。なお、従来機の場合には、このセクションの搬送糸
2には40Kgから50Kg程度の張力が発生するが、
このセクションの糸を所望張力搬送状態に制御すれば、
発生する張力を5〜15Kg程度に抑えることが可能と
なる。このように、糸に対する糊の抱合力が向上するた
めに、800r.p.m程度の高速織機で織ったとして
も経糸に何ら毛羽が発生しない。なお、従来機の場合に
は、75デニールのレーヨンの場合には、通常300〜
400r.p.m程度の織機でしか織ることができなか
った。また、ドロー比制御のように搬送糸の状態にかか
わりなく一律に糸を引き延ばしながら搬送するのではな
いために、層別,季節,温度,湿度等の影響によって既
に伸びている糸を搬送する場合にも糸切れが激減する。
このキーボード113により、搬送糸の搬送形態を第1
モードまたは第2モードに選択設定することが可能な搬
送形態選択設定手段が構成されている。
【0032】次に、各パルスジェネレータ38〜41か
らのパルス信号が正逆転、パルス判別,パルス数カウン
ト106に入力され、パルス数がカウントされてそのカ
ウント値がメインCPU100に入力される。また、メ
インCPU100とシーケンサ114とがシリアル通信
ポート107を介してシリアル通信できるように構成さ
れている。このシーケンサ114には通常パーソナルコ
ンピュータが接続される。なお、メインCPU100に
は前記糸切れ検知器77が接続されているがその図示を
省略する。
【0033】一方、サブCPU101には、ボリューム
電圧入力回路108を介して自動運転速度ボリューム1
15の操作による自動運転時のライン速度が入力され
る。さらに、操作者が手動ボリューム群116を操作す
れば、各サーボモータの回転速度や回転トルクの設定値
がボリューム電圧入力回路108を介してサブCPU1
01に入力される。ロードセル47,49,70,72
からの信号がロードセルアンプ117を介してフィード
バック張力/電圧換算入力回路109に与えられ、電圧
に換算された状態でサブCPU101に入力される。つ
まり、ロードセル47,49,70,72からの信号
は、そのロードセルに対応した各セクションにおける糸
の現時点での実際の張力を特定する信号であり、その現
時点での実際の張力をフィードバック信号としてサブC
PU101に入力するのであるが、その際に、フィード
バック張力/電圧換算入力回路109により電圧の値に
換算してサブCPU101に入力するのである。前記ロ
ードセル47,49,70,72により、後述するフィ
ードバック制御手段による制御対象となる連続体部分の
実際の張力を検出する張力検出手段が構成されている。
サブCPU101からは、自動・手動、速度・トルク指
令出力回路110に回転速度制御用信号と回転トルク制
御信号とが与えられ、この自動・手動、速度・トルク指
令出力回路110から、回転速度制御信号が正/逆転速
度指令電圧回路111に与えられるとともに回転トルク
制御用信号がサーボモータドライバ118に与えられ
る。一方、正/逆転速度指令電圧回路111からは、回
転速度制御用信号がサーボモータドライバ118に与え
られ、サーボモータドライバ118は、与えられた回転
トルク制御用信号と回転速度制御用信号とに基づいて、
各サーボモータ24〜30に回転駆動電圧を与える。
【0034】図3ないし図12は、メインCPUのRO
Mに組込まれているプログラムを示すフローチャートで
ある。図13ないし図43は、サブCPUのROMに組
込まれているプログラムを示すフローチャートである。
【0035】ステップS(以下単にSという)1によ
り、最高速度計算が行なわれ、次にS2により、巻出ロ
ール1とテンションカットロール(1)6との間の糸の
ライン速度である巻出ライン速度の計算が行なわれる。
次にS3に進み、テンションカットロール(2)19と
巻取ロール22との間の糸のライン速度である巻取ライ
ン速度の計算が行なわれる。S4により、巻取ロール2
2の巻取半径の計算が行なわれる。この巻取ロール22
は糸の巻取に伴って徐々に巻取半径が増加するのであ
り、その増加する巻取半径を計算するのである。次にS
5に進み、糸の巻出に伴って徐々に巻出半径が減少する
巻出ロール1の巻出半径の計算が行なわれる。S6によ
り、巻取ロール22によって巻取った糸の長さである巻
取測長の計算が行なわれる。S7により、巻出ロール1
から巻出した糸の長さである巻出測長の計算が行なわれ
る。S8により、目標張力の計算が行なわれ、S9によ
り、各トルクモータの目標トルクの計算が行なわれ、S
10により、現在の各トルクモータのトルクの計算が行
なわれてメインルーチンの処理が行なわれる。このS1
ないしS10の処理は、たとえばコンピュータに設けら
れている定期リセット回路からのリセット信号に基づい
て2msec毎に1回ずつ実行される。
【0036】図4は、メインルーチンのS1に示した最
高速度の計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。このサブルーチンプロ
グラムのフローチャートにおいて、最高速度1,最高速
度2,最高速度3,最高速度4は、糸のライン速度を微
小時間ずつずらせて4回測定したときの測定値であり、
最高速度を、その4回の測定値のうち一番速度の遅い測
定値にセットする。
【0037】図5は、メインルーチンのS4で示した巻
取半径の計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラ
ムのフローチャートである。S25により低速または高
速運転中であるか否かの判断が行なわれる。サイザーが
自動運転されている場合には、低速運転と高速運転との
2種類の運転があり、操作者の操作によって低速運転ま
たは高速運転のいずれかが選択されて入力設定される。
ところが、良好に入力設定されなかった場合やコンピュ
ータの何らかの異常等でS25により低速または高速運
転中でないと判断される場合があり、その場合にはこの
サブルーチンプログラムがリターンされる。一方、低速
または高速運転中であると判断された場合にはS26に
進み、巻取ライン速度が2m/min以上であるか否か
の判断が行なわれる。起動時において巻取ライン速度が
まだ2m/min未満であった場合には、ライン速度が
遅すぎて正確な巻取半径の計算ができないためにS26
によりNOの判断がなされてサブルーチンプログラムが
リターンされる。巻取ライン速度が2m/min以上に
なった段階でS27に進み、巻取半径の計算が行なわれ
てサブルーチンプログラムがリターンされる。
【0038】次に、図6では、メインルーチンのS5で
示した巻出半径計算の具体的内容を示すサブルーチンプ
ログラムが示されている。このサブルーチンプログラム
においても、前述と同様にS30により低速または高速
運転中であるか否かの判断が行なわれる。そして低速ま
たは高速運転中であると判断された場合にはS31に進
み、ライン速度が2m/min以上になったか否かの判
断が行なわれ、前述と同様に、巻出ライン速度が2m/
min以上になった段階でS32による巻出半径の計算
が行なわれてサブルーチンプログラムがリターンされ
る。
【0039】図7は、図30に示すメインルーチンのS
3に示された巻取ライン速度計算の具体的内容のプログ
ラムを示すフローチャートである。巻取ライン速度と
は、図1に示した巻取ロール22によって巻取られる糸
2のライン速度である。S35には、前回の巻取ライン
速度を現在の巻取ライン速度に更新する処理が行なわれ
る。次にS36により、テンションカットロール(2)
の速度の計算が行なわれる。次にS37により、テンシ
ョンカットロール(2)の速度に基づいて巻取ライン速
度の計算が行なわれ、その計算値を新たな巻取ライン速
度にセットする処理が行なわれる。
【0040】図8は、図3に示したメインルーチンのS
7に示された巻出測長計算の具体的内容であるサブルー
チンプログラムを示すフローチャートある。このサブル
ーチンプログラムが前回実行された時点における巻出測
長に対し、今回実行されるまでの間すなわち2msec
の間に巻出された測長の計算値を加算し、その加算され
た値を新たな巻出測長に更新する処理がS40により行
なわれる。次にS41により、前回までの巻出累計測長
に対し今回このサブルーチンが実行されるまでの間すな
わち2msecの間巻出された測長の計算値を加算し、
その加算された値を新たな巻出累計測長に更新する処理
が行なわれる。次にS42により、巻出累計測長と巻出
終了測長(操作者によって入力設定された測長)との大
小関係を比較し、巻出累計測長の方が大きい場合にはS
43に進み、巻出終了測長の方が大きい場合にはS45
に進む。S43の処理が行なわれる場合は、巻出累計測
長が巻出終了測長よりも大きくなった場合であり、巻出
ロール1に巻取られている糸のすべてが巻出された場合
であり、その場合には、S43には、空巻停止要求信号
をONにする。つまり、巻出ロール1の糸がすべて巻出
されて巻出ロール1が空巻になった場合には、次の新た
な巻出ロールに取換える必要があり、そのために、S4
3により、空巻停止要求信号をONにするのである。次
にS40により、所定の時間がタイムアップしたか否か
の判断が行なわれ、タイムアップするまで待機し、タイ
ムアップすればS45により、空巻停止要求信号をOF
Fにしてサブルーチンプログラムがリターンする。
【0041】図9は、図3に示すメインルーチンS6の
巻取測長計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラ
ムである。S46により前回までの巻取測長に対し今回
このサブルーチンプログラムが実行されるまでの間すな
わち2msecの間に巻取られた巻出測長の計算値を加
算し、その加算値を新たな巻取測長に更新する処理が行
なわれる。
【0042】図10は、図3のメインルーチンのS8に
示された目標張力計算の具体的内容を示すサブルーチン
プログラムである。この目標張力とは、巻取ロール22
によって巻取られる糸部分の目標張力のことである。S
50により、テーパテンションおよび目標張力の計算が
行なわれる。巻取ロール20には、糸わ巻取ることによ
って徐々に巻取半径が増加するのであり、その結果、巻
取ロールに付与されるトルクが一定とした場合には、糸
の巻取りに伴って糸に付与される張力は減少するのであ
り、糸の巻取量と糸の張力とはちょうど負の一次関数の
関係になる。その負の一次関数をテーパテンションと呼
ぶのである。次にS51に進み、計算された目標張力と
テーパテンションの設定値であるF1との大小関係が比
較される。F1は、テーパテンションにおける最小の張
力を意味する。巻取目標張力がF1よりも小さい場合に
はS52に進み、目標張力をF1にセットする処理が行
なわれてサブルーチンプログラムがリターンするが、目
標張力がF1よりも大きい場合にはそのままサブルーチ
ンプログラムがリターンされて、目標張力が計算値の値
にセットされた状態となる。
【0043】図11は、図3のメインプログラムのS9
に示された目標トルク計算の具体的内容を示すサブルー
チンプログラムであり、S53により、各ロールの目標
トルクが計算される。
【0044】図12は、図3に示されたメインルーチン
のS10に示された現在トルク計算の具体的内容を示す
サブルーチンプログラムであり、S54により、各ロー
ルの現在トルクが計算される。
【0045】図13は、サブCPUのメインルーチンを
示すフローチャートである。S60では、巻取ロール以
外のロールのサーボモータのトルク指令電圧が計算さ
れ、S61では、巻取ロールのサーボモータの巻取トル
ク指令電圧が計算される。巻取ロールの場合には、糸の
巻取に伴って巻取半径が増大するために、前述したテー
パテンションを考慮しながら巻取トルクを計算しなけれ
ばならないために、S60とは別個にS61により計算
するようにしたのである。次にS62により、S60と
S61とにより計算されたトルク指令電圧を出力する処
理が行なわれる。次に、サイザーの糸搬送を停止させた
場合には、S63により、各ロール速度指令電圧を
「0」にする処理が行なわれ、S64により、キスロー
ル速度指令電圧を微弱電圧にする処理が行なわれる。こ
のS64により、サイザーの糸の搬送が停止された後に
おいても、キスロール10を駆動するためのサーボモー
タ26に微弱電圧が供給され続けることになり、糸の搬
送が停止した後においてもキスロール10が微速回転す
ることになり、キスロール10の外周面に付着した糊が
乾かないように構成されている。このS64により、搬
送糸の搬送を停止させているときに、駆動源を制御して
糊付用ロール(キスロール10)を微速回転させるため
の回転制御手段が構成されている。次にS65に進み、
各ロールとキスロールとを駆動させるサーボモータの速
度指令電圧が出力される。S66により、サイザーを自
動運転させるための自動運転の処理が行なわれ、次にS
67により、サイザーを手動運転させるための手動運転
処理のプログラムが実行される。
【0046】図14は、図13のメインルーチンのS6
6に示された自動運転の具体的内容のサプルーチンを示
すフローチャートである。S70により、搬送糸の搬送
速度に関する目標速度の計算が行なわれ、S71によ
り、サイザーの起動時すなわち糸の搬送開始時の速度指
令電圧の計算が行なわれ、S72により、糸の搬送停止
時の停止速度指令電圧が計算され、S73により、起動
時以降停止時以前における通常運転時の糸の搬送速度す
なわちライン速度の指令電圧の計算が行なわれ、S74
により、各セクションにおける糸の現在張力の計算が行
なわれ、S75により、各サーボモータの現在トルク計
算が行なわれ、S76により、ドロー比制御が行なわ
れ、S77により、巻取速度指令電圧の計算が行なわ
れ、S78により、各サーボモータの目標トルクの計算
が行なわれ、S79により、各サーボモータの目標トル
ク指令電圧の計算が行なわれ、S80により、巻取ロー
ル22のサーボモータ30の巻取トルク指令電圧の計算
が行なわれ、S81により、接圧ロール23により接圧
指令電圧の計算が行なわれ、S82により、ライン速度
の指令電圧の出力が行なわれる。
【0047】さらに、図17のS83により、低速運転
の起動であるか否かの判断が行なわれ、低速運転起動で
ない場合にはS84により、高速運転の起動であるか否
かの判断が行なわれ、高速運転起動でない場合にはS8
5に進み、停止指令中であるか否かの判断が行なわれ、
停止指令中でない場合にはサブルーチンプログラムがリ
ターンする。
【0048】自動運転には低速運転と高速運転とがあ
り、操作者が低速運転に入力設定している場合にはS8
3によりYESの判断がなされてS90に進み、高速か
ら低速に切換えられたか否かの判断が行なわれ、切換え
られていない場合にはS101に進み、S79により計
算された目標トルク指令電圧が出力されてS72に戻
る。一方、操作者が高速から低速に切換えた場合には、
S90によりYESの判断がなされてS91に進み、停
止前ライン速度を現在ライン速度に更新する処理が行な
われる。次にS92に進み、停止トルク指令電圧を出力
し、S93により基準ロール速度指令電圧と低速速度指
令電圧との大小関係を比較する。低速運転の場合のライ
ン速度はコンピュータに固定記憶されており、その低速
速度になるようなテンションカットロール(1)すなわ
ち基準ロールのサーボモータ25の速度指令電圧が低速
速度指令電圧よりも大きかった場合にはS70に戻る
が、基準ロール速度指令電圧が低速速度指令電圧以下で
あった場合にはS94に進み、速度変更終了フラグがセ
ットされているか否かの判断が行なわれ、セットされて
いない場合にはS95により速度変更終了フラグをセッ
トする処理が行なわれる。つまり、高速から低速に切換
えられた場合には、基準ロールの回転速度が一様に低下
するのであり、その基準ロールの速度指令電圧が低速速
度指令電圧以下になれば、高速から低速への移行処理が
終了したことになり、その結果S95により速度変更終
了フラグがセットされるのである。次にS96により、
速度変更終了時の巻出ロール1のサーボモータ24のト
ルク指令電圧である巻出トルク指令電圧が記憶され、S
97により、現在巻出トルク指令電圧の計算が行なわ
れ、その計算結果のトルク指令電圧が出力されてS70
に戻る。一方、既に速度変更終了フラグがセットされて
いる場合にはS94によりYESの判断がなされてS9
8に進み、現在巻出トルク指令電圧が計算され、S99
により、現在巻出トルク指令電圧とS96により記憶さ
れている速度変更終了時の巻出トルク指令電圧との大小
関係を比較し、現在巻出トルク指令電圧の方が大きい場
合にはS101に進むが、現在の巻出トルク指令電圧が
速度変更終了時の巻出トルク指令電圧以下であった場合
にはS100に進み、高速から低速への切換え速度変更
終了フラグをクリアしてS101に進む。
【0049】図18は、図13のメインルーチンのS6
7に示された手動運転の具体的内容を示すサブルーチン
プログラムである。S105により、操作者が操作した
手動速度調節のボリューム電圧の読取が行なわれ、S1
06により、その読取ったボリューム電圧に対応する速
度指令電圧の出力が行なわれ、S107により、操作者
が操作した手動トルク調節のボリューム電圧の読取りが
行なわれ、108により、その読取ったボリューム電圧
に対応するトルク指令電圧の出力が行なわれ、S109
により、手動起動が完了したか否かの判断が行なわれ、
完了していない場合にはそのままサブルーチンがリター
ンするが完了している場合にはS105に戻る。
【0050】図19は、図14の自動運転のサブルーチ
ンプログラムのS70に示した目標速度計算の具体的内
容を示すサブルーチンプログラムである。まずS110
により、低速運転起動か否かの判断が行なわれる。操作
者が低速運転状態に入力設定しておれば、S114に進
み、目標速度を低速ライン速度に更新する処理が行なわ
れてサブルーチンプログラムがリターンする。この低速
ライン速度は、コンピュータ内に固定記憶された低速時
の糸の搬送速度である。一方、操作者が高速運転状態に
入力設定しておれば、S111によりYESの判断がな
されてS112に進み、操作者が操作した速度設定のボ
リューム電圧の読取りが行なわれ、S113に進み、そ
の読取った電圧に対応する目標速度の計算が行なわれて
サブルーチンプログラムがリターンする。一方、低速運
転起動でもなくかつ高速運転起動でもない場合にはS1
15に進み、目標速度を「0」にする処理が行なわれて
サブルーチンがリターンする。この低速運転起動でもな
くかつ高速運転起動でもない場合とは、たとえばコンピ
ュータの誤動作等が考えられる。
【0051】図20は、図15のS78に示された目標
トルク計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラム
であり、S116により、各種ロールの目標トルクの計
算が行なわれる。
【0052】図21は、図15に示したS74の現在張
力計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラムであ
る。このサブルーチンプログラムにおいて、各張力平均
カウントを利用してロードセル47,49,70,7
2,80からの各糸張力フィードバック信号を複数回読
取り、その複数回読取った各糸張力に基づいてS124
により平均を算出してその平均値を各現在張力にするの
である。
【0053】図22は、図15のS75に示した現在ト
ルク計算の具体的内容を示すサブルーチンプログラムで
あり、S125により各種ロールの現在のトルク計算が
行なわれる。
【0054】図23は、図14のS71に示した起動速
度指令電圧計算の具体的内容を示すサブルーチンプログ
ラムである。S126には、手動起動か自動起動かの判
断が行なわれ、手動起動でもなく自動起動でもない場合
にはそのままサブルーチンプログラムがリターンする
が、いずれかの場合にはS127に進み、目標速度に到
達したか否かの判断が行なわれ、糸の搬送速度(ライン
速度)が既に目標速度に到達している場合にはこの起動
時の速度指令電圧の計算をそれ以上行なう必要がないた
めにそのままサブルーチンプログラムがリターンする。
一方、目標速度に到達していない場合、すなわち起動時
の制御がまだ完了していない場合にはS128に進み、
立上がり速度の制御周期を計算する処理が行なわれる。
この立上がり速度制御周期は、起動時に糸の搬送速度を
所定の周期に従って徐々に立上げてスピードアップして
最終的に通常運転時のライン速度までもっていくための
ものである。S129により、目標速度指令電圧の計算
が行なわれる。この目標速度とは、前述した立上がり速
度制御周期に従って徐々に速い目標速度に設定されるも
のであり、前記立上速度制御周期に従って階段状に増加
する目標速度である。次にS130に進み、ライン速度
と目標速度との大小関係を比較し、ライン速度がS12
9により計算された目標速度にまだ達していない場合に
はS131に進み、目標速度とライン速度との差が無視
できる程度の定数未満であるか否かの判断が行なわれ、
無視できる程度の定数以上であった場合にはS135に
進み、基準ロール(テンションカットロール)のサーボ
モータ25の速度指令電圧の計算が行なわれる。このS
135では、前記S129により計算された目標速度に
実際のライン速度を近づけるような速度指令電圧が計算
される。次にS136により、その計算された速度指令
電圧と目標速度指令電圧との大小関係を比較し、速度指
令電圧が目標速度指令電圧以上であった場合にS137
に進み速度指令電圧を目標速度指令電圧にセットしてS
138に進む。一方、速度指令電圧が目標速度指令電圧
未満であった場合には、そのままサブルーチンがリター
ンされるため、S135によって計算された速度指令電
圧が基準ロールのサーボモータ25に与えられることに
なる。
【0055】一方、ライン速度が目標速度以上である場
合には既にS129によって算出された目標速度にライ
ン速度が達しているために、S138に進み、目標速度
到達フラグがセットされてサブルーチンがリターンす
る。目標速度到達フラグがセットされれば、次回のこの
サブルーチントルクの実行に際し、新たな立上がり速度
制御周期が割り振られてS129により新たな目標速度
指令電圧が計算され、S130以下のステップにより新
たに計算された目標速度に実際のライン速度が到達する
ような制御が行なわれる。この実際のライン速度を新た
な目標速度に到達させるための制御が所定回数繰り返さ
れて通常運転時のライン速度に到達した段階で起動時の
ライン速度の制御が完了する。
【0056】図26は、図14のS72に示した停止速
度指令電圧計算の具体的内容を示すサブルーチンプログ
ラムである。S139により、停止指令中であるか否か
の判断が行なわれる。図1に示した糸切れ検知器から糸
切れ検知信号がコンピュータに入力された場合や図2に
示したキーボード113によって糸の搬送の停止操作が
行なわれた場合に、S139によりYESの判断が行な
われてS140に進む。前述した糸切れ検知器77とS
139またはキーボード113の停止指令スイッチとS
139とにより、搬送糸の搬送を停止指令するための停
止指令手段が構成されている。次にS140により、搬
送ライン上に配設された搬送用の各種ロールやシリンダ
ドライヤ等の糸搬送系の慣性力が計算され、停止制御中
の糸の搬送速度に関する目標速度が計算され、さらにそ
の計算された目標速度に相当する目標速度指令電圧の計
算が行なわれる。この目標速度は、前述した起動速度指
令電圧計算のサブルーチンプログラムで説明したのと同
様に、時間の関数となっており、階段状に速度が低下す
るものである。この目標速度は、慣性力の計算に基づい
て搬送系が無理なくかつ速やかに減速されるように算出
される。このS140により、糸搬送時における搬送手
段の慣性力を算出する慣性力算出手段が構成されてい
る。また、このS140により、前記搬送手段を時間の
経過とともに減速させるための減速プロセスを算出する
ための手段であって、前記慣性力算出手段により算出さ
れた慣性力に基づいて前記搬送手段を無理なくかつ迅速
に減速させるための減速プロセスを算出する原則プロセ
ス算出手段が兼用構成されている。次にS141に進
み、テンションカット1(基準ロール1)のサーボモー
タ25の速度指令電圧を計算する処理が行なわれる。そ
して、S142により、その計算された速度指令電圧と
S140により計算された目標速度指令電圧との大小関
係を比較し、速度指令電圧が目標速度指令電圧以下であ
った場合にはS143により、基準ロールの速度指令電
圧を目標速度指令電圧に更新する処理が行なわれる。一
方、S142により、速度指令電圧が目標速度指令電圧
を上回った場合には実際のライン速度がS140により
算出された目標速度に達したために、そのままサブルー
チンプログラムがリターンされ、次回のサブルーチンプ
ログラムの実行に際し、S140により新たな目標速度
と目標速度指令電圧とが計算され、その新たな目標速度
に実際のライン速度を近づけるための制御が行なわれ、
この制御を繰り返し行なってライン速度が0になるまで
停止制御が続けられる。S139〜S143により、前
記停止指令手段の停止指令に基づいて前記搬送手段を停
止制御する停止制御手段が構成されている。この停止速
度指令電圧計算のサブルーチンプログラムに従って糸搬
送系が無理なくかつ迅速に停止制御されるのであり、そ
の結果、200ヤード/minの搬送速度で運転してい
るサイザを3.8秒で停止させることが可能となった。
なお、従来機においては、8〜10秒程度必要であっ
た。
【0057】図27は、図15のS73に示した速度指
令電圧計算の具体的な内容を示すサブルーチンプログラ
ムである。このサブルーチンプログラムは、通常運転時
のライン速度を計算するためのものであり、まずS14
5により、低速起動が完了したかまたは高速起動が完了
したか否かの判断が行なわれ、完了していなければ通常
運転時のライン速度制御に移行できないためにそのまま
サブルーチンプログラムがリターンする。低速起動が完
了した後または高速起動が完了した後にS146に進
み、操作者が予め設定している通常運転時のライン速度
に関する目標速度に相当する目標速度指令電圧の計算が
行なわれ、S147に進み、目標速度の変更があったか
否かの判断が行なわれる。目標速度の変更がない場合に
はそのままサブルーチンがリターンするが、操作者が目
標速度を設定変更した場合には、S148に進み、新し
い目標速度と旧目標速度との大小関係を比較し、新しい
目標速度の方が速い速度であった場合にはS149に進
み、基準ロールの速度指令電圧に対し速度の変更分を加
算して、その加算された新たな値を基準ロールの速度指
令電圧に更新する処理が行なわれる。次にS150に進
み、速度指令電圧と目標速度指令電圧との大小関係を比
較し、速度指令電圧が目標速度指令電圧を下回っている
場合には目標速度の変更に伴う実際のライン速度の追従
がまだ完全に完了していないために、そのままサブルー
チンがリターンして新しい目標速度への追従の制御が続
行される。一方、速度指令電圧が目標速度指令電圧以上
になった場合には新しい目標速度の追従制御が完了した
場合であり、S151により、目標速度の到達フラグが
セットされてS152により、新しい目標速度の記憶が
行なわれる。一方、S148には、新しい目標速度が旧
目標速度以下であった場合にはS155に進み、高速か
ら低速への切換えが行なわれたか否かの判断が行なわれ
る。自動運転においては、前述したように高速運転と低
速運転とがあり、高速運転から低速運転にモード切換え
が行なわれた場合には図26のS141に進み、ライン
速度を目標速度に近づけるための制御が行なわれる。こ
の場合の目標速度はコンピュータに固定記憶されている
値である。一方、モードが高速運転のままで速度だけ低
い速度に設定変更された場合にはS156に進み、基準
ロールの速度指令電圧からその変更分の速度を減算して
その減算値を新たな基準ロールの速度指令電圧に更新す
る処理が行なわれる。次にS157に進み、速度指令電
圧と目標速度指令電圧との大小関係を比較し、速度指令
電圧が目標速度指令電圧を上回っている場合には速度変
更に伴う実際のライン速度の制御が完全にまだ追従して
いない段階であるためにサブルーチンがリターンして速
度変更に伴う実際のライン速度の追従制御が続行され
る。一方、速度変更にもとなう実際のライン速度の追従
制御が完了した場合にはS158に進み、新しい目標速
度の記憶が行なわれる。
【0058】図30は、図15のS76で示されたドロ
ー比制御の具体的内容を示すサブルーチンプログラムで
ある。S160により、巻出速度係数の計算が行なわれ
る。この巻出速度とは巻出ロール1によって巻出される
糸の速度のことであり、巻出ロールの巻取半径が糸の巻
出しに伴って減少するのであり、その時間に伴って変化
する巻出ロールの巻出半径を考慮して巻出速度係数を算
出し、この係数を利用して糸の巻出速度を算出するので
ある。S161により、計算された巻出速度係数を利用
して基準ロールのサーボモータ25に与えられる速度指
令電圧を基準にした巻出速度指令電圧V(1)が計算さ
れる。次にS162に進み、巻出ロール1の現在ドロー
比D(1)が計算される。S163により、巻出ロール
1とテンションカットロール(1)との間の張力である
巻出現在張力T(1)が計算されるとともに巻出目標張
力TM(1)が計算される。S164により、基準ロー
ル(テンションカットロール(1))の速度指令電圧を
基準にしたコータ速度指令電圧V(2)の計算が行なわ
れる。このコータ速度指令電圧V(2)は、図1に示し
た絞りロール11のサーボモータ27に対する速度指令
電圧のことである。S165により、コータの現在ドロ
ー比D(2)が計算される。このコータの現在ドロー比
とは、基準ロール6と絞りロール11との間の搬送糸部
分のドロー比のことである。S166により、コータ現
在張力T(2)とコータ目標張力TM(2)との計算が
行なわれる。S167により、キスロール10のサーボ
モータ26に対し与えられる速度指令電圧の計算が行な
われる。S168には、基準ロール速度指令電圧を基準
にしたシリンダドライヤのサーボモータ28に与えられ
る速度指令電圧V(3)の計算が行なわれる。S169
により、シリンダ現在ドロー比D(3)の計算が行なわ
れる。このシリンダ現在ドロー比とは、基準ロール6と
シリンダドライヤ14〜16との間での糸のドロー比の
ことである。S170により、シリンダ現在張力T
(3)とシリンダ目標張力TM(3)の計算が行なわ
れ、S117において基準ロール速度指令電圧を基準に
したテンションカット2のサーボモータ29に与えられ
る速度指令電圧V(4)の計算が行なわれる。次にS1
72により、テンションカット2現在ドロー比D(4)
の計算が行なわれる。このテンションカット2現在ドロ
ー比とは、基準ロール6とテンションカットロール
(2)18との間の搬送糸部分のドロー比のことであ
る。S173により、テンションカット2現在張力T
(4),テンションカット2目標張力TM(4)の計算
が行なわれる。
【0059】次に、図31のS174ないし176の処
理に移行し、このドロー比制御のサブルーチンプログラ
ムが実行されるためにIを「1」から1つずつ加算する
処理が行なわれ、「5」に達した段階で再度「1」から
加算する処理が繰り返し実行される。次にS177によ
り、各セクションの現在ドロー比D(I)が設定ドロー
比の上限を超えているか否かの判断が行なわれる。この
設定ドロー比は前述したように図2に示したキーボード
113から操作者の操作に基づいて入力設定された値で
あり、前述したように、操作者が搬送糸の搬送形態を第
1モードに選択設定した場合には設定ドロー比のみが入
力設定されるのであって、上限と下限は入力設定されず
上限と下限の幅が全くない状態に入力設定されることに
なる。その第1モードに選択設定されている場合におい
て、設定ドロー比よりも各セクションにおける現在ドロ
ー比D(I)の方が大きい場合にはS178に進み、設
定とドロー比よりも各セクションにおける現在ドロー比
D(I)の方が小さい場合にはS180に進むことにな
る。そして、S178により各セクションにおける現在
ドロー比D(I)を設定ドロー比の上限にするための速
度指令電圧V(I)の計算が行なわれ、S180によ
り、各セクションにおける現在ドロー比D(I)を設定
ドロー比の下限にするための速度指令電圧V(I)の計
算が行なわれる。第1モードに選択設定されている場合
には、前述したように、ドロー比の上限と下限の幅が全
くない状態であるため、S178の設定ドロー比の上限
とS180の設定ドロー比の下限とは同じ値を示してい
る。なお、Iはこのサブルーチンプログラムが実行され
るたびに1〜4の値を循環するために、S177ないし
S185に示されている(I)もまた(1)から(4)
の範囲で循環するのであり、この(1)〜(4)がそれ
ぞれS161〜S166,S168〜S173に対応し
ているのである。このように、搬送糸の搬送形態が第1
モードに選択設定されている場合には、設定されたドロ
ー比になるように各サーボモータに与えられる速度指令
電圧V(I)が制御されるのであり、その結果、選択設
定されたセクションの搬送糸が設定されたドロー比にな
るように引伸し搬送される。
【0060】一方、操作者が搬送糸の搬送形態を第2モ
ードに選択設定している場合には、ドロー比の上限と下
限も入力設定されているために、現在ドロー比D(I)
がその設定ドロー比の上限と下限の間の値となっている
場合にはS181に進み、S181とS183とによ
り、各セクションにおける現在張力D(I)がその対応
するセクションにおける目標張力TM(I)に対し許容
範囲α以上にずれているか否かの判断が行なわれる。す
なわち、各セクションにおける制御偏差が許容範囲α以
上になっているか否かの判断が行なわれる。そして、現
在張力T(I)が目標張力TM(I)+α以上であった
場合には速度指令電圧V(I)を減少させる制御を行な
ってその該当するセクションの糸の張力を減少させる制
御が行なわれ、逆に、現在張力T(I)が目標張力TM
(I)−αを下回っている場合には、その該当するセク
ションにおける速度指令電圧V(I)を増加させる制御
が行なわれ、その該当するセクションの糸の張力を増大
させる制御が行なわれる。一方、現在張力T(I)と目
標張力TM(I)との差が許容範囲α以内であった場合
にはS184に進み、速度指令電圧V(I)を一定に保
つ制御が行なわれる。
【0061】このように、操作者が搬送糸の搬送形態を
第1モードに選択設定した場合にはS178またはS1
80により糸が引伸し搬送状態に制御されるのである一
方、操作者が第2モードに選択設定した場合には、S1
81ないしS185により、糸が所望の張力になるよう
に制御されるという所望張力搬送状態に制御されるので
ある。このドロー比制御のサブルーチンプログラムとサ
ーボモータ27,28,絞りロール11,シリンダドラ
イヤ14〜16とにより、糊付処理以後であってかつ乾
燥処理完了以前における搬送ライン上の搬送糸部分を所
望の引伸し比率に従って引伸しながら搬送することが可
能な引伸し搬送手段が構成されている。このドロー比制
御のサブルーチンプログラムとシリンダドライヤ14〜
16,サーボモータ28,29,遊転ロール18,テン
ションカットロール(2)19とにより、引伸し搬送手
段による引伸し作用に起因して発生する張力が前記乾燥
処理完了以後の搬送糸部分に伝わることを防止して、該
乾燥処理完了以後の搬送糸部分の張力を、該搬送糸部分
が伸びない範囲の所望の張力に制御することが可能な張
力制御手段が構成されている。さらに、ドロー比制御の
サブルーチンプログラムにより、前記搬送形態選択設定
手段により前記第1モードが選択設定されたことに基づ
いて、前記搬送手段を制御して前記搬送糸の全部または
一部を所望の引伸し比率に従って引伸しながら搬送する
引伸し搬送状態に制御し、前記搬送形態選択手段により
前記第2モードが選択設定されたことに基づいて、前記
搬送手段を制御している前記搬送糸の全部または一部を
所望の糸張力を維持した状態で搬送する所望張力搬送状
態に制御する搬送状態制御手段が構成されている。
【0062】図32は、図15のS77に示された巻取
速度指令電圧計算の具体的内容を示すサブルーチンプロ
グラムであり、S190により、基準ロールの速度指令
電圧を基準とした巻取速度指令電圧すなわち巻取ロール
22のサーボモータ30に与えられる巻取速度指令電圧
が計算される。
【0063】図33は、図15のS79に示された目標
トルク指令電圧計算の具体的内容を示すサブルーチンプ
ログラムであり、巻取ロール22とテンションカットロ
ール以外のものを駆動するサーボモータに対するトルク
指令電圧を計算するものである。またS191によりテ
ンションカット1のトルク指令電圧を定格電圧にし、S
192により、キスロールのトルク指令電圧を定格電圧
にしてS93により、巻出目標張力と現在張力との差の
絶対値が張力制御範囲であるか否かの判断が行なわれ、
以上であると判断された場合にはS194により計算バ
ッファ処理を行なった後にS195により巻出トルク指
令電圧の計算を行なう。次にS196により、高速運転
から低速運転への切換中であるか否かの判断が行なわ
れ、切換中である場合にはS197により巻出出力指令
電圧の計算が行なわれてS200に進むが、切換中でな
い場合にはそのままS200に進む。S200では、各
ロールの張力が設定範囲にあるか否かの判断が行なわれ
る。この設定範囲とは、各ロールを駆動するためのサー
ボモータにおける最低設定電圧から定格電圧までの範囲
を言う。この設定範囲にある場合にはS201に進み、
各ロールのp,i,d制御計算が行なわれて、その計算
値を各ロール計算バッファに入れる処理が行なわれる。
このp,i,d制御とは、フィードバック制御を行なう
際によく行なわれている比例,微分,積分制御のことで
ある。次にS202により、各ロールトルク指令電圧が
計算される。次にS203に進み、各ロールトルク指令
電圧が定格電圧以上であるか否かの判断が行なわれ、以
上である場合には各ロールトルク指令電圧を定格電圧に
セットする。S205により、各ロールトルク指令電圧
が各ロールトルク最低設定電圧以下であるか否かの判断
が行なわれ、以下の場合にはS206により、各ロール
トルク指令電圧を最低設定電圧にする処理が行なわれ
る。一方、各ロール指令電圧が定格電圧以下でかつ各ロ
ールトルク最低設定電圧以上である場合にはS207に
より、各ロールトルク指令電圧をS202による計算結
果の電圧にする処理が行なわれる。糸の搬送形態が第2
モードに選択設定されている場合に、糸張力のフィード
バック制御としては、先ずS181〜S185により回
転速度制御用信号がサーボモータに与えられ、それでも
なお制御偏差が大きい場合にはS191〜S207によ
り回転トルク制御用信号がサーボモータに与えられるこ
とになる。これにより、ハンチングの少ない良好なフィ
ードバック制御が可能となる。S181ないしS18
5、S191〜S207により、前記移動ライン上の連
続体部分の実際の張力と予め定められた目標張力との差
である制御偏差を小さくするための制御動作信号を前記
駆動手段に出力して該駆動手段をフィードバック制御す
フィードバック制御手段が構成されている。
【0064】この本発明に係るフィードバック制御の用
途は、サイザーに限らず、例えば次のようなものがあ
る。すなわち、フィルムに対し薬液の塗布や延伸や張り
合わせや印刷後の巻取り等の加工を施しながら搬送を行
なう場合、クロスに対し柔軟剤を付与して乾燥させなが
ら搬送する場合、紙すき後乾燥させながらその紙を搬送
する場合、鉄板を延伸させながら搬送する場合のよう
に、連続体を搬送する場合に前述したフィードバック制
御を広く用いることができる。
【0065】図37は、図16のS80に示した巻取ト
ルク指令電圧計算の具体的内容を示すサブルーチンプロ
グラムである。まずS210によりテーパテンションの
設定が行なわれる。巻取ロール22は、糸の巻取に伴っ
てその巻取半径が増大するのであり、巻始めから巻終り
まで仮に巻取ロール22の回転トルクを一定にした場合
には巻取ロール22に巻取られる糸の張力は負の一次関
数を描いて減少することになる。これをテーパテンショ
ンと呼ぶのであり、S210ではこのテーパテンション
の設定が行なわれる。次にS211に進み、巻取半径の
計算が行なわれ、S212により、テーパテンションの
計算が行なわれ、S213により、巻取トルク指令電圧
の計算が行なわれてS214により、巻取現在張力の計
算が行なわれる。
【0066】次に、図38のS215に進み、巻取現在
張力と目標張力との大小関係を比較し、巻取現在張力が
目標張力未満であった場合にはS216に進み、目標張
力と現在張力との差が巻取張力制御範囲を超えているか
否かの判断が行なわれ、超えていない場合にはそのまま
サブルーチンプロがリターンして巻取張力の修正制御は
行なわない。一方、巻取張力制御範囲を超えている場合
にはS217に進み、巻取トルク指令電圧に対し巻取張
力制御ステップを加算した値を新たな巻取トルク指令電
圧に更新する処理が行なわれる。一方、巻取現在張力が
目標張力以上であった場合にはS220に進み、現在張
力と目標張力との差が巻取張力制御範囲を超えているか
否かの判断が行なわれ、超えていない場合にはそのまま
サブルーチンプログラムがリターンして巻取張力の修正
制御は行なわれない。一方、巻取張力制御範囲を超えて
いる場合にはS221に進み、巻取トルク指令電圧から
巻取張力制御ステップを減算した値を新たな巻取トルク
指令電圧に更新する。
【0067】次に、S218に進み、巻取トルク指令電
圧が定格電圧より大きいか否かの判断が行なわれ、大き
い場合には巻取トルク指令電圧を最大の電圧にセットす
る処理が行なわれるが、大きくない場合にはそのままS
222に進み、巻取トルク指令電圧が巻取トルク最低設
定電圧以下であるか否かの判断が行なわれ、以下である
場合にはS223により巻取トルク指令電圧を巻取トル
ク最低設定電圧に更新する処理が行なわれる。
【0068】図40は、図13のS62に示したトルク
指令電圧出力の具体的内容を示すサブルーチンである。
S230により各ロールトルク指令電圧を2進変換し、
S231により、その変換された値をアナログに変換し
て各ロールを駆動するサーボモータに出力する。
【0069】図41は、図17のS89に示した停止ト
ルク指令電圧の具体的内容を示すサブルーチンプログラ
ムである。S232により、巻出ロール1の停止トルク
の計算とその計算値に対応する巻出停止トルク指令電圧
が計算される。次にS233により、各ロール停止トル
ク指令電圧を2進変換し、S234により、その変換地
をアナログに変換して各ロールを駆動させるサーボモー
タに停止トルク指令電圧を出力する。
【0070】図42は、図15のS73に示した速度指
令電圧の具体的内容を示すサブルーチンプログラムであ
る。S235には、巻出ロール1の巻出速度指令電圧を
計算し、その計算値を2進変換してさらにアナログに変
換して巻出ロール駆動用のサーボモータ24に出力す
る。次にS236により、テンションカットロール
(1)6の速度指令電圧を計算してその計算値を2進変
換しさらにアナログに変換してサーボモータ25に出力
する。次にS237により、キスロール速度指令電圧を
計算し、その計算値を2進変換してさらにアナログ変換
してサーボモータ26に出力する。S238には、コー
タ速度指令電圧を計算してその計算値を2進変換してさ
らにアナログ変換してサーボモータ27に出力する。S
239により、シリンダ速度指令電圧を計算してその計
算値を2進変換してさらにアナログ変換してサーボモー
タ28に出力する。
【0071】次に図43のS240に進み、テンション
カットロール(2)の速度指令電圧を計算し、その計算
値を2進変換してさらにアナログ変換してサーボモータ
29に出力する。次にS241により、巻取速度指令電
圧を計算してその計算値を2進変換してさらにアナログ
変換してサーボモータ32に出力する。
【0072】図3ないし図43に示したプログラムが記
憶された図2に示す制御回路により、糸を搬送する複数
の搬送ロールに対応させて設けられた駆動源を制御する
手段であって、そのそれぞれの駆動源を同期をとりなが
ら所望のタイミングで起動させて糸を搬送制御し、該搬
送糸の全部または一部の張力が所望の大きさになるよう
に前記それぞれの駆動源を制御し、前記それぞれの駆動
源を同期をとりながら所望のタイミングで停止させて糸
の搬送を停止制御することが可能な制御手段が構成され
ている。
【0073】図44は、本発明に係るサイザーの他の実
施例を説明するための概略説明図である。この図44
は、図1に示した巻出ロール1と遊転ロール3との間の
搬送糸部分を示したものであり、その搬送糸の1本がロ
ット882により搬送途中で分離された状態にし、その
分離された1本の搬送糸を糸の太さを検出するための検
出手段の一例のイメージセンサ(たとえばCCD)によ
って検出し、その検出信号が図2に示したメインCPU
100に入力されるようにする。そして、CPUにおい
て、サイジング加工処理後の糸の太さがほぼ一定に揃う
ように入力された糸の太さ信号に基づいて最適なドロー
比を割出し、その割出されたドロー比を設定ドロー比と
して図31のS177ないしS180に示したドロー比
制御に用いる。このように構成すれば、層別等に関連し
て巻出ロール1に巻かれている糸の太さにばらつきがあ
っとしても、サイジング加工処理後の糸をほぼ一定の太
さに揃えることができ、満巻となった巻取ロール22の
順番にビーミング工程に移行することが可能となる。
【0074】一方、糸の太さを検出する代わりに、操作
者の手動操作によってキーボード113等から巻出ロー
ル1に巻かれている糸の太さを特定可能なデータ(たと
えば、内々層、内層、中層、外層等の層別を表わすデー
タや糸の太さデータそのもの)を入力するようにし、そ
の入力されたデータに基づいて最適なドロー比を割出す
ように構成してもよい。
【0075】本実施例においてはビームトゥビームのサ
イザーを例示して説明したが、本発明はこれに限らず、
たとえばワーピングサイザー等のものも含まれる。
【0076】
【発明の効果】請求項1に記載の本発明は、移動ライン
上の連続体部分に張力を付与しながらその連続体を移動
させる張力付与移動手段を駆動する前記駆動手段が、移
動する連続体の張力を所望の大きさに維持するのに必要
なだけの回転トルクの近辺でフィードバック制御される
ために、制御偏差が生じてフィードバック制御が行なわ
れたとしても前記駆動手段の必要最小限の大きさの回転
トルクしか前記移動連続体部分に加わらないために、移
動連続体部分の張力がその目標張力を大幅に越えて急上
昇してしまう不都合がなく、大きなハンチングが生ずる
不都合が極力防止できる。また、前記駆動手段の回転ト
ルクが前記目標張力の近辺で制御されるという必要最小
限の極限的トルク制御を行なっている関係上、制御偏差
の発生原因が、駆動手段の回転速度にある場合ばかりで
なく、駆動手段の回転トルクにある場合も考えられる
が、制御動作信号としての回転速度制御動作信号と回転
トルク制御動作信号とが前記駆動手段に付与可能であり
二元制御が行なわれるために、制御偏差が回転トルクま
たは回転速度のいずれの原因であったとしてもその制御
偏差を良好に小さくする制御が行なわれる。その結果、
大きなハンチングによる悪影響を極力抑えることができ
る。なお、本発明でいう二元制御とは、前記制御偏差の
発生に伴なうフィードバック制御の開始時点から前記制
御偏差の減衰に伴なう前記フィードバック制御の終了時
点までの1単位制御実行期間内に、前記回転速度用制御
動作信号出力状態と前記回転トルク用制御動作信号出力
状態とを自動的に併存させることが可能な制御のことで
ある。
【0077】請求項2に記載の本発明は、まず回転速度
のフィードバック制御により制御偏差の原因が回転速度
であるか回転トルクであるか探ることができ、そして回
転トルクが原因の場合には、次に回転トルクのフィード
バック制御が行なわれることになり、ハンチングが少な
く速やかに目標値に近づけることのできる制御が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイザーの一例を示す全体構成図
である。
【図2】サイザーを制御するための制御回路を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示した制御回路のメインCPUの動作を
説明するためのメインルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図4】最高速度計算のサブルーチンプログラムを示す
フローチャートである。
【図5】巻取半径計算のサブルーチンプログラムを示す
フローチャートである。
【図6】巻出半径計算のサブルーチンプログラムを示す
フローチャートである。
【図7】巻取ライン速度計算のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図8】巻出測長計算のサブルーチンプログラムを示す
フローチャートである。
【図9】巻取測長計算のサブルーチンプログラムを示す
フローチャートである。
【図10】目標張力計算のサブルーチンプログラムを示
すフローチャートである。
【図11】目標トルク計算のサブルーチンプログラムを
示すフローチャートである。
【図12】現在トルク計算のサブルーチンプログラムを
示すフローチャートである。
【図13】図2に示した制御回路のサブCPUの動作を
説明するためのメインルーチンを示すフローチャートで
ある。
【図14】自動運転のサブルーチンプログラムのフロー
チャートである。
【図15】自動運転のサブルーチンプログラムのフロー
チャートである。
【図16】自動運転のサブルーチンプログラムのフロー
チャートである。
【図17】自動運転のサブルーチンプログラムのフロー
チャートである。
【図18】手動運転のサブルーチンプログラムを示すフ
ローチャートである。
【図19】目標速度計算のサブルーチンプログラムを示
すフローチャートである。
【図20】目標トルク計算のサブルーチンプログラムを
示すフローチャートである。
【図21】現在張力計算のサブルーチンプログラムを示
すフローチャートである。
【図22】現在トルク計算のサブルーチンプログラムを
示すフローチャートである。
【図23】起動速度指令電圧計算のサブルーチンプログ
ラムを示すフローチャートである。
【図24】起動速度指令電圧計算のサブルーチンプログ
ラムを示すフローチャートである。
【図25】起動速度指令電圧計算のサブルーチンプログ
ラムを示すフローチャートである。
【図26】停止速度指令電圧計算のサブルーチンプログ
ラムを示すフローチャートである。
【図27】速度指令電圧計算のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図28】速度指令電圧計算のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図29】速度指令電圧計算のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図30】ドロー比制御のサブルーチンプログラムを示
すフローチャートである。
【図31】ドロー比制御のサブルーチンプログラムを示
すフローチャートである。
【図32】巻取速度指令電圧計算のサブルーチンプログ
ラムを示すフローチャートである。
【図33】トルク指令電圧計算のサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。
【図34】トルク指令電圧計算のサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。
【図35】トルク指令電圧計算のサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。
【図36】トルク指令電圧計算のサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。
【図37】巻取トルク指令電圧計算のサブルーチンプロ
グラムを示すフローチャートである。
【図38】巻取トルク指令電圧計算のサブルーチンプロ
グラムを示すフローチャートである。
【図39】巻取トルク指令電圧計算のサブルーチンプロ
グラムを示すフローチャートである。
【図40】トルク指令電圧出力のサブルーチンプログラ
ムを示すフローチャートである。
【図41】停止トルク指令電圧出力のサブルーチンプロ
グラムを示すフローチャートある。
【図42】速度指令電圧出力のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図43】速度指令電圧出力のサブルーチンプログラム
を示すフローチャートである。
【図44】本発明に係るサイザーの他の実施例を示す概
略説明図である。
【図45】従来のサイザーを説明するための概略構成図
である。
【符号の説明】
1 巻取ロール 2 糸 6 テンションカットロール(1) 14,15,16 シリンダドライヤ 19 テンションカットロール(2) 22 巻取ロール 59 乾燥装置 62 第1の乾燥室 63 第2の乾燥室 24〜30 サーボモータ 10 キスロール 11,12 絞りロール 99 糊貯留槽 60,61 ブロア 100 メインCPU 101 サブCPU 113 キーボード 77 糸切れ検知器 191 イメージセンサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続体をその長手方向に沿って所定の張
    力付与状態で移動させる連続体移動装置であって、 前記連続体の移動ライン上に複数配設されて連続体を移
    動させる手段であって、回転トルクと回転速度とをそれ
    ぞれ独立に制御可能な駆動手段の駆動力を利用して移動
    ライン上の連続体部分に張力を付与しながら連続体を移
    動させる張力付与移動手段と、 前記移動する連続体の張力を所望の大きさに維持するの
    に必要なだけの回転トルクの近辺で前記駆動手段をフィ
    ードバック制御する手段であって、前記移動ライン上の
    連続体部分の実際の張力と予め定められた目標張力との
    差である制御偏差を小さくするための制御動作信号を前
    記駆動手段に出力して該駆動手段をフィードバック制御
    するフィードバック制御手段と、 該フィードバック制御手段による制御対象となる前記連
    続体部分の実際の張力を検出する張力検出手段とを含
    み、 前記フィードバック制御手段は、 前記張力検出手段による張力検出信号をフィードバック
    し、該フィードバック信号を前記目標張力と比較して、
    前記制御動作信号としての回転速度用制御動作信号と回
    転トルク用制御動作信号とを前記駆動手段1個当りに対
    し出力可能に構成され、 該フィードバック制御手段は、前記制御偏差の発生に伴
    うフィードバック制御の開始時点から前記制御偏差の減
    衰に伴う前記フィードバック制御の終了時点までの1単
    位制御実行期間内に、前記回転速度用制御動作信号出力
    状態と前記回転トルク用制御動作信号出力状態とを自動
    的に併存させることが可能であり、前記駆動手段が、前
    記出力された回転速度用制御動作信号に従って回転速度
    がフィードバック制御され、かつ、前記出力された回転
    トルク用制御動作信号に従って回転トルクがフィードバ
    ック制御されることを特徴とする、連続体移動装置。
  2. 【請求項2】 前記フィードバック制御手段は、 まず前記回転速度用制御動作信号を前記駆動手段に出力
    し、次に、必要に応じて、前記回転トルク用制御動作信
    号を前記駆動手段に出力することを特徴とする、請求項
    1記載の連続体移動装置。
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