JP2855564B2 - スライドシール機構 - Google Patents
スライドシール機構Info
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- JP2855564B2 JP2855564B2 JP6259070A JP25907094A JP2855564B2 JP 2855564 B2 JP2855564 B2 JP 2855564B2 JP 6259070 A JP6259070 A JP 6259070A JP 25907094 A JP25907094 A JP 25907094A JP 2855564 B2 JP2855564 B2 JP 2855564B2
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- JP
- Japan
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- ring
- shaped
- sealing
- rigid
- fixed
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- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
- Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスライドシール機構に係
り、相互にスライドするようにされた部材間のシール機
構、例えばトンネルなどの施工に用いられるシールド掘
進機におけるテールプレートとトンネル内固定セグメン
トとの間の間隙を止水シールするような相互にスライド
する部材間のシール機構として的確なシール状態を形成
せしめると共に一方または双方の部材におけるスライド
作用を確保せしめようとするものである。
り、相互にスライドするようにされた部材間のシール機
構、例えばトンネルなどの施工に用いられるシールド掘
進機におけるテールプレートとトンネル内固定セグメン
トとの間の間隙を止水シールするような相互にスライド
する部材間のシール機構として的確なシール状態を形成
せしめると共に一方または双方の部材におけるスライド
作用を確保せしめようとするものである。
【0002】
【従来の技術】シールド掘進機においてはそのテールプ
レートと内側に位置せしめられるセグメントとの間をシ
ールするために、テールプレートに弾性シール材の一端
側を定着し、該弾性シール材の他端側をセグメントに圧
着するテールシールと共に流体圧によって径方向内側に
押しつけられるシールリングを設けることが行われてお
り、このシールリングはテールシールの破損時などにお
いて流体圧で内側に膨出するようにされた緊急用のもの
である。
レートと内側に位置せしめられるセグメントとの間をシ
ールするために、テールプレートに弾性シール材の一端
側を定着し、該弾性シール材の他端側をセグメントに圧
着するテールシールと共に流体圧によって径方向内側に
押しつけられるシールリングを設けることが行われてお
り、このシールリングはテールシールの破損時などにお
いて流体圧で内側に膨出するようにされた緊急用のもの
である。
【0003】即ち、このような弾性シール材によるシー
ル機構としては実公平6−30958号があり、このも
のはテールプレートに取付けられ、流体によって径方向
内側に膨らむ円環状可撓性部材と、この可撓性部材の膨
出部よりも切羽側の前方において、かつ、その前端部に
おいて起倒自在に取付けられ、上記可撓性部材が内側へ
膨らむことによりトンネルを構成するセグメントの外周
に後端部が押し付けられる環状のシールリングとを備
え、上記可撓性部材とシールリングとが別体に形成され
たものである。
ル機構としては実公平6−30958号があり、このも
のはテールプレートに取付けられ、流体によって径方向
内側に膨らむ円環状可撓性部材と、この可撓性部材の膨
出部よりも切羽側の前方において、かつ、その前端部に
おいて起倒自在に取付けられ、上記可撓性部材が内側へ
膨らむことによりトンネルを構成するセグメントの外周
に後端部が押し付けられる環状のシールリングとを備
え、上記可撓性部材とシールリングとが別体に形成され
たものである。
【0004】即ち、このものによるときはテールシール
破損時などの緊急の止水シールが必要な場合、小さい流
体圧を加えるのみで、シールリングを迅速に所定の止水
シール姿勢に移行させることができるとともに、セルフ
シール機能を発揮させて、極めて高い止水シール効果が
得られる特徴があり、その実施態様として短冊状の金属
製芯金と可撓性シール部材との複合構造とすることによ
りシールリングを薄くしながら剛性を高めて高圧条件で
の使用を可能とすることも示されている。
破損時などの緊急の止水シールが必要な場合、小さい流
体圧を加えるのみで、シールリングを迅速に所定の止水
シール姿勢に移行させることができるとともに、セルフ
シール機能を発揮させて、極めて高い止水シール効果が
得られる特徴があり、その実施態様として短冊状の金属
製芯金と可撓性シール部材との複合構造とすることによ
りシールリングを薄くしながら剛性を高めて高圧条件で
の使用を可能とすることも示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したような従来の
ものは、特に短冊状の芯金を可撓性シール部材に配設し
た複合構造とすることにより上述したように薄いシール
リングで高圧条件での使用を可能ならしめるが、テール
プレートに対する取付状態が安定せず、殊に大径化した
テールプレートとセグメントの空間部や大きな偏心状態
での止水を達成し難く、更にはその止水条件下で摺動す
るような場合においては短冊状芯金の基端とテールプレ
ートとの間の可撓性シール部材連結部に伸長変形が集中
して該部分を損傷せしめることとなり有効安定なシール
関係を確保し難いと共に耐用性が著しく乏しい不利があ
る。
ものは、特に短冊状の芯金を可撓性シール部材に配設し
た複合構造とすることにより上述したように薄いシール
リングで高圧条件での使用を可能ならしめるが、テール
プレートに対する取付状態が安定せず、殊に大径化した
テールプレートとセグメントの空間部や大きな偏心状態
での止水を達成し難く、更にはその止水条件下で摺動す
るような場合においては短冊状芯金の基端とテールプレ
ートとの間の可撓性シール部材連結部に伸長変形が集中
して該部分を損傷せしめることとなり有効安定なシール
関係を確保し難いと共に耐用性が著しく乏しい不利があ
る。
【0006】また上記した従来のものではシールリング
の一端側がテールプレートに固定されて上述したような
起倒シール作動するものであるからこのテールプレート
に対する取付側においてゴム質のようなシール材が部分
的に破損、変質する可能性が高く、成程スライド作用し
ない使用条件であっても該部分に充分な耐用性を得難
い。従ってまた上記のようにシールリングを薄くできる
と考えられるとしても該部分における破損、変質のため
に薄肉化に制限があって充分な薄肉化を得ることができ
ず、このように薄肉化が充分に図れないことから該シー
ルリングの作動においても的確性を確保し難いなどの不
利がある。
の一端側がテールプレートに固定されて上述したような
起倒シール作動するものであるからこのテールプレート
に対する取付側においてゴム質のようなシール材が部分
的に破損、変質する可能性が高く、成程スライド作用し
ない使用条件であっても該部分に充分な耐用性を得難
い。従ってまた上記のようにシールリングを薄くできる
と考えられるとしても該部分における破損、変質のため
に薄肉化に制限があって充分な薄肉化を得ることができ
ず、このように薄肉化が充分に図れないことから該シー
ルリングの作動においても的確性を確保し難いなどの不
利がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記したような
従来技術における課題を解決し、相互に摺動する条件下
で充分な耐用性を得しめることについて更に検討を重ね
た結果、上記したようなシールリングのテールプレート
に対する固定部ないし金属質芯金との間の連結部におい
て更に改善をなすことによりそれらの部分において薄肉
化を確保しながら適切な強度を確保し、円滑なシールリ
ング作動を得しめることに成功したものであって、以下
の如くである。
従来技術における課題を解決し、相互に摺動する条件下
で充分な耐用性を得しめることについて更に検討を重ね
た結果、上記したようなシールリングのテールプレート
に対する固定部ないし金属質芯金との間の連結部におい
て更に改善をなすことによりそれらの部分において薄肉
化を確保しながら適切な強度を確保し、円滑なシールリ
ング作動を得しめることに成功したものであって、以下
の如くである。
【0008】(1) 内側部材と外側部材との間に介装
されそれら内側部材または外側部材の何れか一方または
双方が摺動するようにされた部分のシール機構であっ
て、前記内側部材または外側部材の何れか一方に取付け
られ加圧流体によって膨出するリング状可撓性部材と該
可撓性部材の膨出作用により傾動作用して他方の部材に
対し接合するリング状シール部材より成り、該リング状
シール部材が基端側を上記リング状可撓性部体と重合し
て前記した一方の部材に定着された伸縮性シールリング
と該シールリングの周方向に配設された複数個のバック
部材より成り、それらバック部材が可曲部を介して前記
一方の部材に固定されたことを特徴とするスライドシー
ル機構。
されそれら内側部材または外側部材の何れか一方または
双方が摺動するようにされた部分のシール機構であっ
て、前記内側部材または外側部材の何れか一方に取付け
られ加圧流体によって膨出するリング状可撓性部材と該
可撓性部材の膨出作用により傾動作用して他方の部材に
対し接合するリング状シール部材より成り、該リング状
シール部材が基端側を上記リング状可撓性部体と重合し
て前記した一方の部材に定着された伸縮性シールリング
と該シールリングの周方向に配設された複数個のバック
部材より成り、それらバック部材が可曲部を介して前記
一方の部材に固定されたことを特徴とするスライドシー
ル機構。
【0009】(2) バック部材が弾性板状体と該弾性
板状体に連結された剛性部体より成り、前記弾性板状体
において他方の部材に定着すると共に剛性部体との間の
可曲部を形成したことを特徴とする前記(1)項に記載
のスライドシール機構。
板状体に連結された剛性部体より成り、前記弾性板状体
において他方の部材に定着すると共に剛性部体との間の
可曲部を形成したことを特徴とする前記(1)項に記載
のスライドシール機構。
【0010】(3) バック部材が固定部材と剛性バッ
ク材より成り、固定部材が他方の部材に固定され、該固
定部材に対し剛性バック材の基端部を枢着して可曲部を
形成したことを特徴とする前記(1)項に記載のスライ
ドシール機構。
ク材より成り、固定部材が他方の部材に固定され、該固
定部材に対し剛性バック材の基端部を枢着して可曲部を
形成したことを特徴とする前記(1)項に記載のスライ
ドシール機構。
【0011】
【作用】内側部材と外側部材との間に介装されそれら内
側部材または外側部材の何れか一方または双方が摺動す
るようにされた部分のシール機構であって、前記内側部
材または外側部材の何れか一方に取付けられ加圧流体に
よって膨出するリング状可撓性部材と該可撓性部材の膨
出作用により傾動作用して他方の部材に対し接合するリ
ング状シール部材より成り、該リング状シール部材が基
端側を上記リング状可撓性部体と重合して前記した一方
の部材に定着された伸縮性シールリングと該シールリン
グの周方向に配設された複数個のバック部材より成り、
それらバック部材が可曲部を介して前記一方の部材に固
定されたことによりバック部材がリング状シール部材と
共に一方の部材に固定されて安定な取付状態を形成し、
またこの一方の部材に対する取付部分を補強すると共に
可曲部において適宜に可曲して他方の部材に対するシー
ル作用を円滑化し、大径化しあるいは偏心した条件下に
おいても円滑で適切なシール関係を形成すると共に他方
の部材に対する接合端においてスライド作用を可能と
し、このスライド作用によっても一方の部材に対する取
付部分に大きな変形や破損を生ずることがない。
側部材または外側部材の何れか一方または双方が摺動す
るようにされた部分のシール機構であって、前記内側部
材または外側部材の何れか一方に取付けられ加圧流体に
よって膨出するリング状可撓性部材と該可撓性部材の膨
出作用により傾動作用して他方の部材に対し接合するリ
ング状シール部材より成り、該リング状シール部材が基
端側を上記リング状可撓性部体と重合して前記した一方
の部材に定着された伸縮性シールリングと該シールリン
グの周方向に配設された複数個のバック部材より成り、
それらバック部材が可曲部を介して前記一方の部材に固
定されたことによりバック部材がリング状シール部材と
共に一方の部材に固定されて安定な取付状態を形成し、
またこの一方の部材に対する取付部分を補強すると共に
可曲部において適宜に可曲して他方の部材に対するシー
ル作用を円滑化し、大径化しあるいは偏心した条件下に
おいても円滑で適切なシール関係を形成すると共に他方
の部材に対する接合端においてスライド作用を可能と
し、このスライド作用によっても一方の部材に対する取
付部分に大きな変形や破損を生ずることがない。
【0012】バック部材が弾性板状体と該弾性板状体に
連結された剛性部体より成り、前記弾性板状体において
テールプレートに定着すると共に剛性部体との間の可曲
部を形成したことにより単一の弾性板状体でテールプレ
ートに対する安定な取付けと、剛性部体との間の可曲作
用とを共に達成せしめ、他方の部材に対する接合端のス
ライドシール作用によって該可曲部分や取付部分の破損
を防止する。
連結された剛性部体より成り、前記弾性板状体において
テールプレートに定着すると共に剛性部体との間の可曲
部を形成したことにより単一の弾性板状体でテールプレ
ートに対する安定な取付けと、剛性部体との間の可曲作
用とを共に達成せしめ、他方の部材に対する接合端のス
ライドシール作用によって該可曲部分や取付部分の破損
を防止する。
【0013】バック部材が固定部材と剛性バック材より
成り、固定部材がテールプレートに固定され、該固定部
材に対し剛性バック材の基端部を枢着して可曲部を形成
したことにより、剛性部材による的確なテールプレート
への取付けとリング状シール部材に対する補強とを有効
に図り、しかも枢着構造による可曲部によって的確な可
曲傾動作用を達成せしめ、他方の部材に対する摺動を許
容したシールを図り、そのスライド方向が反転しても好
ましいシール作用を確保し、該可曲部ないし取付部分の
破損を防止する。
成り、固定部材がテールプレートに固定され、該固定部
材に対し剛性バック材の基端部を枢着して可曲部を形成
したことにより、剛性部材による的確なテールプレート
への取付けとリング状シール部材に対する補強とを有効
に図り、しかも枢着構造による可曲部によって的確な可
曲傾動作用を達成せしめ、他方の部材に対する摺動を許
容したシールを図り、そのスライド方向が反転しても好
ましいシール作用を確保し、該可曲部ないし取付部分の
破損を防止する。
【0014】
【実施例】上記したような本発明によるものの具体的な
実施態様を添付図面に示すものについて説明すると、図
1に示すように内側部材10と外側部材9の何れか一方
であるテールプレート9に対してリング状可撓部材1が
その両端部において取付けられ、該可撓部材1の中間部
には流体吐出口19が形成されていて他方の部材である
セグメント10との間においてシールを必要とする条件
下において流体が吐出されることによりリング状可撓部
材1の中間部が図示仮想線のように膨出され、リング状
シール部材2を実線状態から仮想線状態に傾動起立せし
めて他方の部材である内装セグメント10との間をシー
ルすることは前記した実公平6−30958号に示され
ているところと同様である。
実施態様を添付図面に示すものについて説明すると、図
1に示すように内側部材10と外側部材9の何れか一方
であるテールプレート9に対してリング状可撓部材1が
その両端部において取付けられ、該可撓部材1の中間部
には流体吐出口19が形成されていて他方の部材である
セグメント10との間においてシールを必要とする条件
下において流体が吐出されることによりリング状可撓部
材1の中間部が図示仮想線のように膨出され、リング状
シール部材2を実線状態から仮想線状態に傾動起立せし
めて他方の部材である内装セグメント10との間をシー
ルすることは前記した実公平6−30958号に示され
ているところと同様である。
【0015】然して本発明では前記したリング状シール
部材2がその基端部を押え部体6によってリング状可撓
部材1の一端側と共に固定子8によって一方の部材9に
取付けているが、このようなリング状シール部材2の取
付基端側には弾性板状体4が埋込まれており、該弾性板
状体4の先端部にはリング状シール部材2に添設埋装さ
れた剛性部体3が連結子5によって連結されている。
部材2がその基端部を押え部体6によってリング状可撓
部材1の一端側と共に固定子8によって一方の部材9に
取付けているが、このようなリング状シール部材2の取
付基端側には弾性板状体4が埋込まれており、該弾性板
状体4の先端部にはリング状シール部材2に添設埋装さ
れた剛性部体3が連結子5によって連結されている。
【0016】リング状可撓部材1の他端側はもう1つの
押え部体7により固定子8で同じく一方の部材9に定着
されていることは図示の通りで、押え部体7の基端コー
ナ部はリング状可撓部材1の係突部1aと係合して的確
に止着されることは図示の通りであるが、押え部体7と
前記押え部体6の内側部には夫々傾斜面7a,6aが形
成されていてリング状可撓部体1の図示仮想線で示すよ
うな膨出作用を円滑に行わしめ、斯うしたリング状可撓
部体1の膨出作用でシール部材2および剛性部体3を図
1の仮想線で示す如く傾斜せしめ、シール部材2の先端
部2aによって他方の部材10に接合シールさせる。
押え部体7により固定子8で同じく一方の部材9に定着
されていることは図示の通りで、押え部体7の基端コー
ナ部はリング状可撓部材1の係突部1aと係合して的確
に止着されることは図示の通りであるが、押え部体7と
前記押え部体6の内側部には夫々傾斜面7a,6aが形
成されていてリング状可撓部体1の図示仮想線で示すよ
うな膨出作用を円滑に行わしめ、斯うしたリング状可撓
部体1の膨出作用でシール部材2および剛性部体3を図
1の仮想線で示す如く傾斜せしめ、シール部材2の先端
部2aによって他方の部材10に接合シールさせる。
【0017】図示のものにおいて、一方の部材9は半径
方向外側に位置し、また他方の部材10は半径方向の内
側に位置する場合を示してあるが、このような両部材
9,10の半径方向における配置関係は逆であってもよ
く、部材9が半径方向内側に位置し、部材10が半径方
向外側に位置した場合であってもよいことは明らかであ
る。またこの図示のものでは部材10が固定部材であ
り、部材9が軸方向に移動し、部材10に対してスライ
ドする関係のものであるが、このような相対的なスライ
ド関係も場合によっては反対でもよい。スライド方向は
部材9が図示上方にスライドするように成っているが、
部材10が図示下方にスライドするものでもよいし、弾
性板状体4による取付関係を押え部体7側とすることに
より、そうしたスライド方向の関係を反対としてよい。
勿論両部材9,10が共にスライドしそのスライド量に
差があり、あるいは反対方向にスライドし、両部材9,
10の間に前記のような相対的スライドが得られる場合
でもよい。
方向外側に位置し、また他方の部材10は半径方向の内
側に位置する場合を示してあるが、このような両部材
9,10の半径方向における配置関係は逆であってもよ
く、部材9が半径方向内側に位置し、部材10が半径方
向外側に位置した場合であってもよいことは明らかであ
る。またこの図示のものでは部材10が固定部材であ
り、部材9が軸方向に移動し、部材10に対してスライ
ドする関係のものであるが、このような相対的なスライ
ド関係も場合によっては反対でもよい。スライド方向は
部材9が図示上方にスライドするように成っているが、
部材10が図示下方にスライドするものでもよいし、弾
性板状体4による取付関係を押え部体7側とすることに
より、そうしたスライド方向の関係を反対としてよい。
勿論両部材9,10が共にスライドしそのスライド量に
差があり、あるいは反対方向にスライドし、両部材9,
10の間に前記のような相対的スライドが得られる場合
でもよい。
【0018】前記した弾性板状体4と剛性部体3とは平
面的に図2または図3に示すように配置される。即ち剛
性部体3および弾性板状体4は夫々短冊状に適当な間隔
を採って配設されたもので、一方の部材9の円形内面に
そって屈曲設定されるリング状シール部材2の弯曲を適
切に許容してリング状可撓部材1内面に設定されてい
る。
面的に図2または図3に示すように配置される。即ち剛
性部体3および弾性板状体4は夫々短冊状に適当な間隔
を採って配設されたもので、一方の部材9の円形内面に
そって屈曲設定されるリング状シール部材2の弯曲を適
切に許容してリング状可撓部材1内面に設定されてい
る。
【0019】図4および図5には本発明によるもう1つ
の構成が示されている。即ちリング状可撓部材1、流体
吐出口19、リング状シール部材2や押え部体6,7の
関係は前記した図1のものと同様であり、リング状シー
ル部材2における剛性部体3についても図1〜図3のも
のと同様であるが弾性板状体4に変えて剛性固定部材1
4を採用し、該部材14に対し剛性部体3を枢着部15
で連結したものである。
の構成が示されている。即ちリング状可撓部材1、流体
吐出口19、リング状シール部材2や押え部体6,7の
関係は前記した図1のものと同様であり、リング状シー
ル部材2における剛性部体3についても図1〜図3のも
のと同様であるが弾性板状体4に変えて剛性固定部材1
4を採用し、該部材14に対し剛性部体3を枢着部15
で連結したものである。
【0020】なお上記のような固定部材14と剛性部体
3が短冊状に配設される関係は図5に示す如くであっ
て、図1〜図3のものと同様であり、セグメント10に
対するリング状シール部材2の接合シール関係なども図
4に示すように図1〜図3のものと同様である。
3が短冊状に配設される関係は図5に示す如くであっ
て、図1〜図3のものと同様であり、セグメント10に
対するリング状シール部材2の接合シール関係なども図
4に示すように図1〜図3のものと同様である。
【0021】この図4および図5に示したものの作用関
係は前記図1〜図3のものと同様に得られることは明ら
かであるが、剛性部体3が剛性固定部材14と枢着部1
5で取付けられ、剛性可曲構造を形成しているものであ
ることからして両部材9,10間におけるスライド方向
が何れであっても枢着部15や剛性固定部材14に対し
殊更に影響を来し、それらの部材14,15に変形や損
傷を来す可能性は少ない。即ち両部材9,10の何れか
一方または双方が何れの方向にスライド作用しても適切
なシール関係を形成、維持することができる。
係は前記図1〜図3のものと同様に得られることは明ら
かであるが、剛性部体3が剛性固定部材14と枢着部1
5で取付けられ、剛性可曲構造を形成しているものであ
ることからして両部材9,10間におけるスライド方向
が何れであっても枢着部15や剛性固定部材14に対し
殊更に影響を来し、それらの部材14,15に変形や損
傷を来す可能性は少ない。即ち両部材9,10の何れか
一方または双方が何れの方向にスライド作用しても適切
なシール関係を形成、維持することができる。
【0022】本発明によるもののシール状態については
図1および図4に仮想線で示す如くであるが、図7
(b)のような同心状態から図6や図7の(a)に示し
たようにテールプレート9とセグメント10とが偏心状
態となったような状態においても剛性部体3の傾斜角が
異る程度でリング状シール部材2の先端部2aによって
有効なシール状態を形成し、また適宜にスライドせしめ
て好ましいシール関係を確保する。弾性板状体4または
ヒンジ部はそうしたスライド条件においても安定な連結
関係を維持することができる。
図1および図4に仮想線で示す如くであるが、図7
(b)のような同心状態から図6や図7の(a)に示し
たようにテールプレート9とセグメント10とが偏心状
態となったような状態においても剛性部体3の傾斜角が
異る程度でリング状シール部材2の先端部2aによって
有効なシール状態を形成し、また適宜にスライドせしめ
て好ましいシール関係を確保する。弾性板状体4または
ヒンジ部はそうしたスライド条件においても安定な連結
関係を維持することができる。
【0023】また本発明によるものは図7に示すような
真円状の部材9,10間におけるシールのみならず、一
方または双方が楕円状ないし長円状の場合、あるいは図
8に示すように部材9,10の何れか一方または双方が
直線部分を有する方形状の場合においても有効に即応す
ることができる。剛性部体3の具体的形状などについて
も適宜に変更したものを採用することができ、夫々の場
合に好ましいシール関係を形成することができる。
真円状の部材9,10間におけるシールのみならず、一
方または双方が楕円状ないし長円状の場合、あるいは図
8に示すように部材9,10の何れか一方または双方が
直線部分を有する方形状の場合においても有効に即応す
ることができる。剛性部体3の具体的形状などについて
も適宜に変更したものを採用することができ、夫々の場
合に好ましいシール関係を形成することができる。
【0025】前記した図6までのものにおいてはリング
状可撓部材1、シール部材2および剛性部体3が外側に
位置した一方の部材9に取付けられ、他方の部材10は
内側に包囲して位置せしめられているが、本発明によう
ものはこの内的関係を逆にしてよいことは勿論である。
ずなわち図8にはこのような可撓部材1、シール部材
2、剛性部体3を取付ける一方の部材9を図6のものと
は反対に内側とし、シール部材17の接摺される他方の
部材10を外側とした場合が示されているが、このよう
にしてもその作用関係は上記したところと同様に得られ
ることは明らかである。
状可撓部材1、シール部材2および剛性部体3が外側に
位置した一方の部材9に取付けられ、他方の部材10は
内側に包囲して位置せしめられているが、本発明によう
ものはこの内的関係を逆にしてよいことは勿論である。
ずなわち図8にはこのような可撓部材1、シール部材
2、剛性部体3を取付ける一方の部材9を図6のものと
は反対に内側とし、シール部材17の接摺される他方の
部材10を外側とした場合が示されているが、このよう
にしてもその作用関係は上記したところと同様に得られ
ることは明らかである。
【0026】更に上記したところは断面が円形とされた
場合であるが、本発明によるものは場合によっては断面
が方形状態のものであっても角部に適当な円弧を採用し
て同様に実施できる。即ち図9はこのような場合を示す
もので、矩形状の両部材9、10の場合であってもコー
ナ部に円弧部9a、10aを用いることにより一連のリ
ング状シール部材2、可撓部材1によって同様に適用し
得るし、それらの中間的形態の場合も同様に適宜採用実
施することができる。
場合であるが、本発明によるものは場合によっては断面
が方形状態のものであっても角部に適当な円弧を採用し
て同様に実施できる。即ち図9はこのような場合を示す
もので、矩形状の両部材9、10の場合であってもコー
ナ部に円弧部9a、10aを用いることにより一連のリ
ング状シール部材2、可撓部材1によって同様に適用し
得るし、それらの中間的形態の場合も同様に適宜採用実
施することができる。
【0027】図1や図4に仮想線で示したようなシール
状態で図示の左方から外圧Pが剛性部体3およびリング
状シール部材2に作用しても先端部2aは強くセグメン
ト10に圧接されて外圧利用の自動シール関係を形成す
ることができる。
状態で図示の左方から外圧Pが剛性部体3およびリング
状シール部材2に作用しても先端部2aは強くセグメン
ト10に圧接されて外圧利用の自動シール関係を形成す
ることができる。
【発明の効果】以上説明したような本発明によるときは
リング状可撓部材内の限られた領域に流体圧を作用させ
るだけでリング状シール部材を迅速に作動せしめて適切
なシール状態を形成せしめるのみならずシールすべき両
部材間において相対的にスライドを可能ならしめ得るも
のであり、即ち該リング状シール部材における剛性部体
との連結ないしテールプレートに対する取付部に適切な
強度を得しめ、充分な耐用性を確保すると共に好ましい
シール部材の薄層化を図って、迅速且つ的確な作動を得
しめるなどの効果を有しており、工業的にその効果の大
きい発明である。
リング状可撓部材内の限られた領域に流体圧を作用させ
るだけでリング状シール部材を迅速に作動せしめて適切
なシール状態を形成せしめるのみならずシールすべき両
部材間において相対的にスライドを可能ならしめ得るも
のであり、即ち該リング状シール部材における剛性部体
との連結ないしテールプレートに対する取付部に適切な
強度を得しめ、充分な耐用性を確保すると共に好ましい
シール部材の薄層化を図って、迅速且つ的確な作動を得
しめるなどの効果を有しており、工業的にその効果の大
きい発明である。
【図1】本発明による1つの構成についてのシール作動
関係を示した断面図である。
関係を示した断面図である。
【図2】図1に示したもののリング状シール部材の1例
についての部分的な平面図である。
についての部分的な平面図である。
【図3】もう1つのリング状シール部材についての部分
的な平面図である。
的な平面図である。
【図4】本発明によるもう1つの構成についてのシール
作動関係を示した断面図である。
作動関係を示した断面図である。
【図5】図4に示したもののリング状シール部材につい
ての部分的な平面図である。
ての部分的な平面図である。
【図6】掘削機テールプレートとセグメントとの機器軸
方向と平行な断面的説明図である。
方向と平行な断面的説明図である。
【図7】その偏心関係を示した機器軸方向と直角な断面
的説明図である。
的説明図である。
【図8】可撓部材やシール部材を内側部材に取付けるよ
うにした場合の断面的説明図である。
うにした場合の断面的説明図である。
【図9】シールすべき両部材についての直線部を採用し
た変形例を示す説明図である。
た変形例を示す説明図である。
1 リング状可撓部材 1a その係突部 2 リング状シール部材 2a その先端部 3 剛性部体 4 弾性板状体 5 連結子 6 押え部体 6a その傾斜面 7 押え部体 7a その傾斜面 8 固定子 9 一方の部材 9a その円弧部 10 他方の部材 10a その円弧部 14 剛性固定部材 15 枢着部 19 流体吐出口
フロントページの続き (72)発明者 上田 奏一朗 兵庫件神戸市長田区若松町9丁目1番30 号 六菱ゴム株式会社内 (72)発明者 大前 仁美 兵庫件神戸市長田区若松町9丁目1番30 号 六菱ゴム株式会社内 (56)参考文献 実開 平6−30958(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E21D 11/00 E21D 9/06 301
Claims (3)
- 【請求項1】 内側部材と外側部材との間に介装されそ
れら内側部材または外側部材の何れか一方または双方が
摺動するようにされた部分のシール機構であって、前記
内側部材または外側部材の何れか一方に取付けられ加圧
流体によって膨出するリング状可撓性部材と該可撓性部
材の膨出作用により傾動作用して他方の部材に対し接合
するリング状シール部材より成り、該リング状シール部
材が基端側を上記リング状可撓性部体と重合して前記し
た一方の部材に定着された伸縮性シールリングと該シー
ルリングの周方向に配設された複数個のバック部材より
成り、それらバック部材が可曲部を介して前記一方の部
材に固定されたことを特徴とするスライドシール機構。 - 【請求項2】 バック部材が弾性板状体と該弾性板状体
に連結された剛性部体より成り、前記弾性板状体におい
て他方の部材に定着すると共に剛性部体との間の可曲部
を形成したことを特徴とする請求項1に記載のスライド
シール機構。 - 【請求項3】 バック部材が固定部材と剛性バック材よ
り成り、固定部材が他方の部材に固定され、該固定部材
に対し剛性バック材の基端部を枢着して可曲部を形成し
たことを特徴とする請求項1に記載のスライドシール機
構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6259070A JP2855564B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | スライドシール機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6259070A JP2855564B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | スライドシール機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0893390A JPH0893390A (ja) | 1996-04-09 |
JP2855564B2 true JP2855564B2 (ja) | 1999-02-10 |
Family
ID=17328911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6259070A Expired - Fee Related JP2855564B2 (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | スライドシール機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2855564B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE502004002277D1 (de) * | 2003-10-15 | 2007-01-25 | Hentschel Volker | Schildschwanzdichtung |
JP5156404B2 (ja) * | 2008-01-11 | 2013-03-06 | 進和技術株式会社 | 掘削機 |
CN107387112B (zh) * | 2017-08-22 | 2019-02-19 | 中冶集团武汉勘察研究院有限公司 | 城市交通涵洞或隧道出入口防水淹遮蔽装置及方法 |
-
1994
- 1994-09-29 JP JP6259070A patent/JP2855564B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0893390A (ja) | 1996-04-09 |
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