JP2844908B2 - 複合焼結体及びその製造方法 - Google Patents

複合焼結体及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ムライトとジルコニア又は、ムライト、ア
ルミナ及びジルコニアからなる高温構造材料として有用
な複合焼結体及びその製造方法に関するものである。
[従来の技術] 従来からジルコンとアルミナを高温で反応させるとム
ライトとジルコニアの結晶相が生成することが知られて
いる。そこで、この反応を利用してムライト中にジルコ
ニアを分散させ高強度の複合焼結体を開発する試みが提
案されている。
即ち(1)アルミナ粉末とジルコン粉末を混合したも
のを1400℃以上の温度下において反応させムライト−ジ
ルコニア複合焼結体を合成する方法(N.Claussen,J.Jah
n,J.Am.Ceram.Soc.,63,228−29(1980)、S.Prochazak
a,N.Claussen,J.Am.Ceram.Soc.,C125−C127(198
3))。
(2)アルミナ粉末およびジルコン粉末に、更にマグネ
シアなどの酸化物を1〜10wt%添加することによりジル
コンの分解を促進させ、ムライト−ジルコニア複合相の
合成を促進させると同時に焼結を行う方法(F.Cambire,
et.al.,J.Br.Trans.83,196−200(1984)) などである。
しかし、上記(1)の方法により得られた焼結体は、
この方法で使用しているジルコン粉末の粒子径が大きく
かつ純度が低いものであるためか、得られた焼結体は、
組織が充分均一でなく、機械的強度が低く、更に、ジル
コンの分解に必要な不純物をジルコン粉末中に含んでい
るので、焼結と同時にムライト−ジルコニア複合相は容
易に生成するが、この不純物が焼結粒子の粒界において
低融点のガラス相を形成するために、焼結体の高温にお
ける機械的強度を著しく低下させるという欠点があっ
た。
又、(2)の方法では、酸化物を添加することによ
り、ジルコンの分解を促進させて焼結の駆動力を向上さ
せ、得られる焼結体密度を高め、常温における機械的強
度を向上させる方法であるが、この酸化物がやはり焼結
粒子の粒界において低融点のガラス相を形成するため
に、焼結体の高温における機械的強度を著しく低下さ
せ、ムライト本来の高温における特性を著しく低下させ
るものとなっていた。
[発明が解決しようとする課題] そこで、本発明者らは、上記問題点を解決し、高温構
造材料として適した、破壊靭性値の高いムライト−ジル
コニア複合焼結体及びムライト−ジルコニア−アルミナ
結合焼結体を得るため鋭意研究を続けた結果、焼結体の
構成成分がある範囲の量的関係を持ち不純物の量が少な
い複合焼結体は高温構造材料として満足するものであ
り、このものは高純度のジルコン微粉末とアルミナ粉末
とを出発原料とし、組成、組織及び焼結条件をある範囲
に特定することにより得られ、上記した問題点を解決で
きることを見出した。
本発明は、上記問題の解決、即ち高密度、高強度、高
靭性でかつ高温での特性低下が少なく、微細構造を有す
るムライト−ジルコニア複合焼結体又はムライト−ジル
コニア−アルミナ複合焼結体を提供すること、及び高純
度のジルコン微粉末とアルミナ粉末を用いてこれら焼結
体を製造する方法を提供することを目的とするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 本発明の複合焼結体は、焼結体の焼結相がムライトジ
ルコニアの2相又は、ムライト、アルミナ及びジルコニ
アの3相からなり、かつこの焼結体の組成がジルコニア
/シリカモル比で49/51〜55/45、シルカ/アルミナモル
比で45/55〜8/92の範囲にあり、かつ該焼結体中の金属
不純物量が0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下で
あることを特徴とするものであり、又、この焼結体は、
例えば平均粒子径2μm以下、シリコンとジルコニウム
以外の金属不純物の含有量が0.1重量%以下のアルミナ
粉末と平均粒子径0.5μm以下、ジルコニア/シリカモ
ル比が49/51〜55/45、ジルコニウム、アルミニウムおよ
びシリコン以外の金属不純物が0.1重量%以下のジルコ
ン粉末とをジルコン/アルミナモル比45/55〜8/92の割
合で混合したものを原料粉末として用いて成型したもの
を、1500℃以上の温度で焼成することにより得ることを
特徴とするものである。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の複合焼結体は、ムライトとジルコニアの2
相、又はムライト、アルミナ及びジルコニアの3相から
なる。このような焼結体は、下記式に示した反応によっ
てジルコンとアルミナから生成することが知られてい
る。
2ZrSiO4+(3+X)Al2O3→ 3Al2O3・2SiO2+2ZrO2+XAl2O3 この反応式においてX=0の時ジルコンとアルミナが
化学量論的に反応し、結晶相がムライトとジルコニアと
からなる複合焼結体が得られる。一方、アルミナの量が
増加し、Xの値が大きくなると、複合焼結体中には過剰
のアルミナが残留しその結晶相は、ムライト、ジルコニ
アおよびアルミナの3相からなるものとなる。この反応
式におけるXの値の増加に対応した複合焼結体の組成変
化を、図1に示した状態図の三角形上の直線a、bで示
した。又、その時の複合焼結体中の結晶相の存在比は、
同図の点XYZで示された三角形の頂点にあるムライト、
ジルコニアおよびアルミナを結晶相とした状態図で示さ
れる。
ここで、本発明の複合焼結体の組成は、ジルコンの組
成が(ジルコニア/シリカモル比)49/51〜55/45のよう
に組成に幅を持たせる事が可能であるため、ジルコンが
化学量論組成である場合の直線a、bを含んだ点CDEFで
囲まれた領域の線上及びその内部にある。
この図1に示した点CDEFで囲まれた領域以外の領域
(I)では、ジルコンが化学量論比よりも過剰のSiO2
含有したジルコンを原料として使用した場合、アルミナ
の含有量はこのSiO2とムライトを形成するために必要な
量もしくは過剰に存在する領域である。この領域(I)
では、状態図から理解できるように、結晶相はムライ
ト、アルミナおよびジルコニアからなるが、ジルコンと
アルミナの反応により生成するムライト以外にジルコン
に含まれた過剰のSiO2は、アルミナと完全に反応して全
てムライト化することは困難である。この場合複合焼結
体中にはSiO2相が残存し複合焼結体の高温強度およびク
リープ特性が低下する。
又、領域(II)は、ジルコニアを化学量論比よりも過
剰に含有するジルコンを使用し、かつSiO2と反応するに
充分なアルミナが存在する領域である。この領域では、
この過剰のジルコニアが複合焼結体の高温での強度およ
びクリープ特性を低下させる。
領域(III)と(IV)は、ジルコンから発生するSiO2
とムライトを生成するためにはアルミナが不足している
領域であり、このSiO2が焼結体の強度の低下、高温強度
およびクリープ特性を低下させる。また、領域(IV)で
は更に過剰の単斜晶ジルコニアが存在するために焼結体
にクラックが生成し崩壊する場合もある。
一方、本発明の方法で用いる原料及び組成の範囲内で
は、アルミナと反応するSiO2は、その大部分がジルコン
の分解によるものであり、SiO2はその大部分がアルミナ
と反応しムライトとなる。たとえば未反応のSiO2が存在
した場合でも、初めから存在するSiO2とアルミナが反応
する場合に比較して焼結体の結晶粒子間に存在する割合
が少なく、高温での強度およびクリープ特性の低下が生
じにくい。更に、本発明の領域内でアルミナの割合が増
加すると複合焼結体中に残る過剰のアルミナ相の量は増
加する。しかし、このアルミナ相は、生成したムライト
相と微細にかつ複雑に複合しているため、ムライトとア
ルミナを混合した複合焼結体に比較してこの残留したア
ルミナが高温強度およびクリープ特性の低下の原因には
なりにくい。
また、本発明の方法では、金属不純物の含有量を限定
した原料粉末を使用することにより、高温特性の優れた
複合焼結体を得る事が特徴である。
また、原料粉末の粉末粒度を制御することにより複合
焼結体の密度は理論密度の95%以上のものが得られた。
優れた機械的特性を持つ構造材料を得るためには焼結体
の高密度化の重要な要素である。本発明の組成領域内で
は、複合焼結体密度が3.65以上であるのが好ましい。
本発明のムライト−ジルコニア複合焼結体の製造方法
は、ジルコン粉末とアルミナ粉末とジルコン/アルミナ
のモル比が45/55〜8/92となるように混合する。このモ
ル比以外の組成では、図1に示した点CDEFの領域の焼結
体を得ることは困難となる。
又、本発明の方法の出発原料であるジルコン粉末の平
均粒子径は0.5μm以下、アルミナの平均粒子は2μm
以下のものを用いるが、これらの粉末の粒子径がこの範
囲を越えると、得られる焼結体の緻密化が困難となり、
理論密度の95%以上もしくは3.65g/cm3以上の密度の焼
結体を得るのが難しくなる。更に、アルミナとジルコン
の反応が不充分な部分が存在し易すくなるため、ジルコ
ンが分解して生じた未反応のSiO2とジルコニアの凝集体
が焼結体中に残存し、焼結体の高温強度及びクリープ特
性を低下させる。この未反応のSiO2とジルコニアの凝集
体の大きさは、通常20μm以下である事が好ましく、こ
の大きさが20μmを越えると、焼結体の室温及び高温強
度が低下する。このような凝集体は、粒度の大きい粒子
を含んだ天然のジルコンなどの原料を使用した場合に発
生しやすい。
ジルコン粉末中のジルコニア/シリカモル比は、図1
の領域CDEFに示した組成範囲を満たすためには、49/51
〜55/45でなければならい。
この組成範囲のジルコンの結晶相は、X線回折法によ
り求めると、ジルコニア/シリカモル比49/51のジルコ
ンはジルコンのみである。また、55/45では、約80体積
%のジルコン相と約20体積%のジルコニア相の複合体を
形成している。
このジルコンの組成においてシリカの含有量がこの範
囲を下回ると図1の領域(I)と(II)の範囲になり、
過剰なシリカが反応焼結後も焼結体中にとりのこされて
製品の高温における機械的特性を低下させる。また、こ
の範囲を上回ると図1の領域(II)(IV)の範囲にな
り、過剰のジルコニアは反応焼結で生じたジルコニアと
異なり、主にムライト及びアルミナの結晶粒子間に存在
し、焼結体の高温での強度低下及びクリープ特性の低下
の要因となるので好ましくない。さらにジルコン粉末中
のジルコニウム、シリコンおよびアルミニウム以外の金
属不純物は0.1重量%以下、またアルミナ粉末中のジル
コニウムとシリコンを除く不純物含有量は0.1重量%以
下でなければならず、このような条件の原料を用いるこ
とにより本発明で限定した不純物量の焼結体が得られ
る。上記した原料の不純物量がこれらの値を越えると残
存するシリカと低融点のガラス相を形成し、焼結体の高
温における強度及びクリープ特性を著しく低下させる。
本発明の方法では、以上のようにして選定されたジル
コン粉末及びアルミナ粉末を、通常、両方の粉末と反応
しない水またはエタノールなどの溶媒をもちいて、ボー
ルミルや振動ミルなどの混合粉砕機を用いて混合したの
ち、脱液処理を施して出発粉末とする。
ここで使用するアルミナ源は、必ずしもアルミナ粉末
である必要はなく、コロイド状のアルミナを含有したア
ルミナゾル溶液を使用することも可能である。上記した
脱液は、通常微細な粉末が大量の液に分散したものを扱
うことから、スプレードライ−や常圧または減圧下の蒸
発乾固による方法が一般的である。
以上のようにして配合された混合粉末を通常プレス成
型、鋳込成型、射出成型等により成型したのち、1500℃
以上の温度において焼成することによりジルコンとアル
ミナと反応させ焼結体を得る。又、対理論密度が95%以
上、又は密度3.65g/cm3以上の焼結体を得るためには155
0℃以上で焼成することが好ましい。このようにして得
られた複合焼結体は図1の点XYZで示された状態図に対
応してムライト相とジルコニア相又は、ムライト相、ジ
ルコニア相及びアルミナ相、更に極めてわずかなシリカ
相を有する場合も含んだ結晶相の複合焼結体として得ら
れる。このようにして得られた複合焼結体の各結晶相の
粒子径は、通常、ジルコニアが2μm以下であることが
好ましく、ムライト及びアルミナは夫々5μm程度以下
であれば問題はない。しかし、粒子径が必要以上に増加
した場合は焼結体の密度での機械的特性の低下が起こり
やすい。ここで焼成温度が1900℃を上回ると、ムライト
相の分解が生じて高温における機械的性質の低い焼結体
となる。焼成時間は、通常15分以上で雰囲気は酸化雰囲
気が好ましが不活性雰囲気でも良い。
この複合焼結体中のジルコニア相の結晶相は、安定化
剤が含まれていないため、単斜晶と正方晶の2相が混在
したものとなる。このときのジルコニア相中の単斜晶の
割合は通常20%から85%の範囲にある。
[作用] 本発明の焼結体は、ムライトとアルミナの複合したマ
トリックス中にジルコニアが分散したものである。本発
明では、このマトリックス中のムライトとアルミナの比
率を特定の範囲内に制御することにより、マトリックス
の機械的特性を向上させたものである。この最大特性
は、ムライトとアルミナの体積分率がほぼ等しい付近で
得られる。さらに、このマトリックスに単斜晶を含んだ
ジルコニア粒子を分散させることにより、耐熱衝撃性が
向上したものとなる。又、未反応のSiO2はジルコニア粒
子の付近に存在しているために、高温での特性低下に悪
影響を与える割合が少ない。
又、本発明の重要な要件である。ジルコニウム、ジリ
コン、アルミニウム以外の金属の含有量を限定すること
により、未反応のSiO2の耐熱性が向上し、焼結体の高温
特性の低下を防ぐことができる。又、遊離のSiO2をほと
んど含まない微粒子のジルコン粉末を使用したことによ
り、その反応性、緻密化が向上し機械的特性が向上した
焼結体となる。
本発明の焼結体は以下に示した応用が可能である。例
えば、炉芯管、焼成用棚板、機械特性測定用高温治具、
耐熱炉材、等の耐熱部材。粉砕用ボール、粉砕用ポッ
ト、成形用プレス型などの耐摩耗部材及び褶動部材など
である。
[発明の効果] 本発明の複合焼結体は、高温において高強度であり、
かつ高靭性を有するムライト−ジルコニア複合焼結体で
ある。
焼結体マトリックスの焼結相がムライト単一相の複合
焼結体では1500℃まで強度の低下を防ぐことでき、又、
マトリックスの焼結相がムライトとアルミナの体積分率
がほぼ等しい焼結体では室温強度が約70kg/mm2のものを
得た。そして、この特性は1300℃までほぼ維持してお
り、高純度のアルミナ焼結体の約2倍の強度を有する。
更に、本焼結体の優れている点は、機械特性の向上とそ
の硬度の向上が同時に実現出来た点である。
又、この複合焼結体中のジルコニアの結晶相は、単斜
晶率が最大80%程度で、通常このように単斜晶率が大き
い場合、その含有量が大きくなると焼結体にクラックが
発生し破壊され易くなるが、本発明の焼結体ではクラッ
クの発生がない。
[実施例] 以下に具体的な実施例を用いて本発明を説明する。
実施例1〜20 高純度ジルコン微粉末(東ソー株式会社製)とアルミ
ナ粉末(大明化学社製タイミクロン、純度99.99wt%、
平均粒子径0.23μm)をエタノール中でボールミルを用
いて24時間混合した後、エバポレーターを用いて乾燥し
出発粉末を得た。
ジルコンとアルミナの配合は化学量論組成のジルコン
として秤量した。
この粉末を500kg/cm2の圧力のもとで金型成型した
後、2ton/cm2の圧力のもとにラバープレスして成形体を
得た。成形体は引き続き1490℃〜1700℃の温度において
1時間焼結を行った。焼結体の結晶相は、全てムライト
とジルコニアもしくはムライト、ジルコニア及びアルミ
ナより成っていた。
焼結体の評価は次のようにして行った。
機械的強度:三点曲げ試験(JIS R 1601) 破壊靭性値:支点間距離が16mmのSEPB法(JIS R 1607) 硬度 :マイクロビッカース硬度計(加重500g) 焼結体中の単斜晶ジルコニアの含有量は粉末X線回折
試験による、2θ=28〜32゜における正方晶ジルコニア
の(111),単斜晶ジルコニアの(111)、(11−1)の
3本のピークの面積比より次式により算出した。
I={Im(11−1)+Im(111)}/{It(111)+Im(11−1)+Im(111)} (IはX線強度を表し、( )内の数字は面指数、tは
正方晶、mは単斜晶を表す。) ジルコン含有率は、X線回折試験による、2θ=25〜
32゜におけるジルコンの(200)、単斜晶ジルコニアの
(111)および(11−1)ならびに正方晶ジルコニアの
(111)、ムライトの(210)及び(120)の6本のピー
クの面積比より次式により算出した。
I=IZ(200)/{(IZ(200)+It(111)+ Im(11−1)+Im(111)+IM(210)+IM(120)} (IはX線強度を表し、( )内の数字は面指数、tは
正方晶、mは単斜晶、Mはムライトを表す) 実施例1〜20で得られた焼結体の製造条件及びその特
性は表1、2に示した。
実施例2と4の複合焼結体の焼結相は、ムライトとジ
ルコニアの2相からなり、それぞれのジルコニアの平均
粒子径は1μm、0.6μmであった。また、実施例10の
結晶相は、ムライト、ジルコニアとアルミナの3相から
なり、ジルコニアの平均粒子径は0.5μmであった。ま
た、複合焼結体中に存在する結晶相の種類は図1の状態
図の予測と一致した(点XYZからなる3成分系状態
図)。
比較例1〜9 比較例1に複合焼結体の密度が不足した例を示す。比
較例2〜5はジルコニア/シリカ比及びジルコン/アル
ミナ配合比が本発明の範囲外とした例を示す。比較例6
〜9は天然のジルコンサンドを使用した例、比較例4は
ジルコニア粒子の平均粒子径が2.6μmのものを用いた
例である。
これらの例の試料の作製方法及び評価方法は実施例と
同様にした。結果を表2に示した。
これら試験の結果、比較例1からは、複合焼結体の密
度が不足すると焼結体の室温強度が低下することが、比
較例2〜5からは、本発明の範囲外の原料組成のものを
用いた場合、室温及び高温強度が低下することが分かっ
た。比較例6〜9からは金属不純物の含有量の多い原料
を用いると高温強度の低下が大であることが分かった。
特にこの事実は、室温で1300℃及び室温と1500℃の強度
比を見れば、1300℃においてすでに強度低下が大きくな
り、1500℃ではこの低下がさらに顕著であることを示
す。
実施例21〜23、比較例10 高純度ジルコン微粉末(東ソー株式会社製)としてジ
ルコニア/シリカモル比が50/50、平均粒子径0.2μmの
ジルコン粉末と平均粒子径の異なったアルミナ粉末を原
料として、1650℃、1時間焼結を行い複合焼結体を作製
しその特性を評価した。製造条件、焼結体の特性は表2
に示した。その他の条件は、実施例1と同様に行った。
又、比較例10として不純物量に多いアルミナを使用した
場合を併せて表3に記載した。アルミナ原料の不純物含
有量が多い場合にも高温強度の低下が顕著であることが
分かる。
【図面の簡単な説明】
図1は、ジルコニア、アルミナ及びシリカを3成分とす
る焼結体の組成の状態図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 - 35/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼結体の結晶相がムライトとジルコニアの
    2相又はムライト、アルミナ及びジルコニアの3相から
    なり、その焼結体の組成が図1に示した状態図のジルコ
    ニア/シリカモル比が49/51の直線(a)とジルコニア
    /シリカモル比が55/45の直線(b)さらにシリカ/ア
    ルミナのモル比が45/55の直線(c)とシリカ/アルミ
    ナのモル比が8/92の直線(d)に囲まれた範囲にあり、
    かつこの焼結体中のジルコニウム、アルミニウムおよび
    シリコン以外の金属の含有量が0.2重量%以下であるこ
    とを特徴とする複合焼結体。
  2. 【請求項2】平均粒子径が2μm以下で、ジルコニウ
    ム、シリコン以外の金属が0.1重量%以下であるアルミ
    ナ粉末と、平均粒子径が0.5μm以下で、ジルコニア/
    シリカモル比が49/51〜55/45、ジルコニウム、アルミニ
    ウムおよびシリコン以外の金属が0.1重量%以下である
    ジルコン粉末とを、ジルコン/アルミナモル比が45/55
    〜8/92となる割合で混合し、成形したものを1500℃以上
    の温度で焼成することを特徴とする複合焼結体の製造方
    法。
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