JP3145519B2 - 窒化アルミニウム質焼結体 - Google Patents

窒化アルミニウム質焼結体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウムを主
成分とする焼結体に関するもので、詳細には高熱伝導性
を有するとともに表面にシミなどがない均質でしかも、
安価に製造することのできる窒化アルミニウム質焼結体
に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、窒化アルミニウム質焼結体は、
窒化珪素や炭化珪素と並び、高強度の非酸化物セラミッ
クスの1種として、構造用材料などへの応用が進められ
たが、窒化アルミニウムは上記特性に加え、高熱伝導性
を有することから放熱性材料としての応用も進められて
おり、例えば、半導体素子を搭載する基板や多層配線基
板、ヒートシンク材料などへ応用されている。
【0003】かかる窒化アルミニウム質焼結体は、一般
に焼結性を促進させるためにYなどの周期律表第3a族
元素や、Caなどのアルカリ土類元素の酸化物を添加
し、非酸化性雰囲気中で焼成することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】これまでの窒化アル
ミニウム質焼結体によれば、焼結助剤として添加される
周期律表第3a族元素酸化物などは通常、高純度の単一
元素酸化物からなるが、このような単一元素酸化物成分
からなる場合、焼成時の昇温過程において液相化が急激
に生じる傾向にある。このように液相化が急激に進行す
ると液相が凝集しし易くなるために粒界には例えば、R
4 Al2 9 (RE:希土類元素)の式で表されるよ
うなYAM相が生成される。
【0005】本出願人は、先に焼結体の粒界の結晶相と
焼結体表面のシミの発生との関係について研究したとこ
ろ、YAM相が生成するとシミの発生がより顕著になる
問題があることを知見しているが、上記の単一元素酸化
物系ではシミの発生を抑制するYAGやYAPなどの結
晶相の生成する最適温度領域が狭くなり、YAMの生成
を抑制できないのが現状であった。
【0006】また、周期律表第3a族元素酸化物は希土
類元素酸化物などに代表されるように非常に高価な材料
であり、このような高価な材料の添加により窒化アルミ
ニウム焼結体の製造コストを高め、かかる焼結体の普及
を阻害するなどの問題があった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】そこで、本発明者は、
粒界にYAGまたはYAPの生成を促進させるとともに
焼結体のコストを低減することのできる組成系について
検討を加えた結果、窒化アルミニウムに添加する周期律
表第3a族元素酸化物として、特定の複数の金属元素を
主体とする複合共融酸化物を用いることにより、上記問
題を解決できることを知見し、本発明に到った。
【0008】即ち、本発明の窒化アルミニウム焼結体
は、窒化アルミニウムを主成分として、Erを最も多く
含み、さらにEr以外の2種以上の周期律表第3a族元
素を含む複合共融酸化物を0.1乃至20重量%の割合
で含有する焼結体であって、窒化アルミニウム結晶相の
粒界にYAG相またはYAP相を主体とする結晶相を含
み、実質的にYAM相が存在しないことを特徴とするも
ので、特に、複合共融酸化物としては、Erを最も多く
含み、またYbを含み、さらにY、Dy、Ho、Tm、
Luから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とす
るものである。
【0009】以下、本発明を詳述する。本発明によれ
ば、窒化アルミニウムに添加される焼結助剤として、E
rを最も多く含み、さらにEr以外の2種以上の周期律
表第3a族元素を含む複合共融酸化物を用いることが大
きな特徴である。この複合共融酸化物は、具体的には、
Erを最も多く含み、またYbを含み、さらにY、D
y、Ho、Tm、Luから選ばれる少なくとも1種を含
むことが望ましい。この複合共融酸化物は、焼結体全量
に対して0.1乃至20重量%、特に2乃至15重量%
の割合で含有される。
【0010】また、窒化アルミニウム焼結体は窒化アル
ミニウム結晶相とその結晶相の粒界により形成される
が、本発明によれば、粒界に周期律表第3a族元素とア
ルミニウムのガーネット型結晶または周期律表第3a族
元素とアルミニウムのペロブスカイト型結晶相が主とし
て形成され、実質的にメリライト(YAM)相を含まな
いことを特徴とするものである。これによりシミのない
助剤成分が均一に分散された焼結体を得ることができ
る。なお、実質的に存在しないとは、X線回折測定にお
いて検出されないことを意味する。
【0011】さらに、本発明の窒化アルミニウム焼結体
は、窒化アルミニウムの結晶粒径は平均で4乃至10μ
mの範囲であることが高熱伝導化の点で望ましく、さら
に焼結体中に含有される総酸素量も熱伝導率を高める上
で2.5重量%以下であることが望ましい。
【0012】本発明の窒化アルミニウム焼結体を製造す
る方法としては、まず、窒化アルミニウム原料粉末に、
少なくとも3種以上の希土類元素を含む複合共融酸化物
粉末を0.1乃至20重量%の割合で添加するが、窒化
アルミニウム粉末として平均粒径が0.5乃至5μm、
不純物酸素量が0.5乃至2重量%、金属不純物量が
0.1重量%以下のもの好適に使用される。
【0013】また、複合共融酸化物粉末は、Er、Yb
を含み、さらにY、Dy、Ho、Tm、Luから選ばれ
る少なくとも1種を含むものであり、かかる複合共融酸
化物粉末は、高純度のY2 3 などの単一希土類酸化物
粉末を精製する前の中間体として安価に入手することが
できる。具体的な組成としては、Er2 3 を35乃至
50重量%、Yb2 3 を20乃至40重量%の割合で
それぞれ含み、残部がHo2 3 、Tm2 3 、Dy2
3 、Lu2 3 、Y2 3 などから構成される。
【0014】その他、焼結助剤としてはCaなどのアル
カリ土類元素の酸化物などを0.001乃至10重量%
の割合で添加することもできる。
【0015】上記各原料粉末を上記割合で秤量し、さら
に成形性を高めるために有機バインダーを適量添加し、
ボールミルなどにより十分に混合する。そして、この混
合物を所望の成形手段、例えば、金型プレス,冷間静水
圧プレス,押出し成形等により任意の形状に成形する。
【0016】その後、その成形体を1600乃至195
0℃の窒素などの非酸化性雰囲気中で焼成するが、かか
る焼成においては最終的にYAGまたはYAP相を粒界
に形成することが必要である。
【0017】かかる結晶相を形成させるためには、例え
ば、系中の全酸素量の周期律表第3a族元素の総量に対
する重量比(O/RE)が0.287乃至0.4の範囲
になるように制御することがよい。即ち、上記重量比が
0.287より小さいとYAM相の析出が多くなり、シ
ミの発生を促すためである。
【0018】
【作用】通常、窒化アルミニウムに対して焼結性を改善
するために添加される助剤として用いられるY2 3
どの周期律表第3a族元素酸化物は、高純度単一元素酸
化物から構成される場合、その液相生成温度は固有の値
を有する。そのため、単一の助剤成分を用いた場合には
焼成時の昇温過程でその成分の液相生成温度に到達する
と急激に液相が生成し、液相成分が凝集し易くなり、シ
ミなどを発生させてしまう。
【0019】これに対して、本発明に基づき、例えば、
Er、Ybを含み、さらにY、Dy、Ho、Tm、Lu
などからなるような少なくとも3種以上の周期律表第3
a族元素を含む複合共融酸化物を用いると、液相生成温
度が異なる複数の成分が存在するために、液相の生成が
昇温過程において徐々に生じるために、液相成分の均一
化が促進され、焼結体の表面におけるシミなどの発生が
防止される。
【0020】また、粒界の結晶相成分としてYAM相よ
りもYAG相またはYAP相を形成させるとさらにシミ
の発生が抑制される。
【0021】さらに、本発明における複合共融酸化物
は、例えば高純度のY2 3 などの単一希土類酸化物粉
末を精製する前の中間体として入手することができるこ
とから、単一成分の高純度品に比較して非常に安価に入
手することができ、これにより焼結体の製造コストを低
減することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を次の例で説明する。 実施例 原料粉末として、平均粒径1.5μm、BET比表面積
2.7m2 /g、酸素量1.1重量%の窒化アルミニウ
ム原料Aと、平均粒径4.5μm、BET比表面積2.
2m2 /g、酸素量1.3重量%の窒化アルミニウム原
料Bの2種を準備した。また、助剤として表1に示す組
成からなる複合共融酸化物粉末を準備した。次に、上記
原料を用いて表2に示す割合で秤量混合し、かかる混合
物をポリポット中にて10時間ボールミル混合した。そ
の後、その混合物を80℃で10時間乾燥し、これにパ
ラフィンワックスを5重量%添加し、80メッシュの篩
いを通した。その粉末を1ton/cm2 の圧力で厚み
4mm、直径12mmの円板形状に成形した。これを5
50℃で脱バインダー処理した後、表2に示す条件で焼
成した。
【0023】得られた焼結体に対して、アルキメデス法
に基づき相対密度を測定し、またレーザーフラッシュ法
により厚み2mmの試料として熱伝導率を測定した。さ
らに、X線回折測定によりAlN以外の結晶相の同定、
焼結体の双眼顕微鏡および目視により焼結体表面のシミ
の発生を有無を調べた。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】表2によれば、本発明に基づき、複合共融
酸化物を用いた試料は、従来の単一元素酸化物粉末を用
いた試料No.5およびNo.10に比較してYAMの生成
を抑制しシミの発生を回避することができるが、酸素量
などとの関係から複合共融酸化物を用いてもYAMが生
成された試料No.4では、焼結体にシミの発生が認めら
れた。
【0027】なお、本発明の試料のその他の特性とし
て、熱膨張係数(40〜400℃)4.8〜4.9×1
-6/℃、体積固有抵抗1013Ω−cm以上、誘電率
8.5〜8.7、抗折強度(JISR1601規格によ
る3点曲げ強度)35kg/mm2 以上が達成された。
【0028】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
窒化アルミニウムに対する助剤成分として、複数の金属
元素を含む周期律表第3a族元素の複合共融酸化物を用
いるとともに特定の結晶相を析出させることにより、焼
結体の表面におけるシミの発生がなく、高熱伝導性を有
する焼結体を得ることができる。さらに、助剤成分を安
価に入手することができるために、焼結体のコストを低
減することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】窒化アルミニウムを主成分として、Erを
    最も多く含み、さらにEr以外の2種以上の周期律表第
    3a族元素を含む複合共融酸化物を0.1乃至20重量
    %の割合で含有する焼結体であって、窒化アルミニウム
    結晶相の粒界にYAG相またはYAP相を主体とする結
    晶相を含み、実質的にYAM相が存在しないことを特徴
    とする窒化アルミニウム質焼結体。
  2. 【請求項2】前記複合共融酸化物は、Erを最も多く含
    み、またYbを含み、さらにY、Dy、Ho、Tm、L
    uから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1記載の窒
    化アルミニウム質焼結体。
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