JPH08198664A - アルミナ基焼結体およびその製造方法 - Google Patents

アルミナ基焼結体およびその製造方法

Info

Publication number
JPH08198664A
JPH08198664A JP7023502A JP2350295A JPH08198664A JP H08198664 A JPH08198664 A JP H08198664A JP 7023502 A JP7023502 A JP 7023502A JP 2350295 A JP2350295 A JP 2350295A JP H08198664 A JPH08198664 A JP H08198664A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina
sintered body
aluminum nitride
powder
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7023502A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiki Fukui
俊己 福井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurosaki Refractories Co Ltd
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurosaki Refractories Co Ltd filed Critical Kurosaki Refractories Co Ltd
Priority to JP7023502A priority Critical patent/JPH08198664A/ja
Publication of JPH08198664A publication Critical patent/JPH08198664A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温での使用が可能な熱衝撃抵抗性に優れ且
つ安価な非シリカ系セラミックス材料の提供。 【構成】 アルミナ基焼結体においてその焼結体中に窒
化アルミニウム及び/又は酸窒化アルミニウム凝集状態
で分散させる。アルミナと窒化アルミニウムあるいは酸
窒化アルミニウム相が個別に存在する。この両結晶相の
熱膨張率が異なるために急熱又は急冷されると、両者の
凝集粒境界にミスマッチが生じ発生した熱応力が緩和さ
れ、また、焼結体内部に発生した亀裂は、凝集粒境界部
でその進展が阻止されることによって、窒化アルミニウ
ムに比べより安価で、且つアルミナや窒化アルミニウム
と比べ優れた熱衝撃抵抗性を有するシリカ成分を含まな
いアルミナ基焼結体の提供が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱衝撃抵抗性に優れた
アルミナを基体とする焼結体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム化合物からなる焼結体の
中、アルミナ焼結体は、優れた耐熱性と機械特性、大き
な熱伝導率、低い誘電率、高い絶縁性など多くの優れた
特性を有することと安価であると言う利点により、機械
的構造部材やIC基板などの電子材料部品として広く用
いられている。
【0003】また、窒化アルミニウムは、アルミナが有
する優れた機械的特性に加え、鉄に匹敵するアルミナの
約5〜10倍の熱伝導率を有しており、発熱対策材料と
してIC基板への応用が急速に進んでいる。
【0004】さらに、アルミナや窒化アルミニウムに代
表されるアルミニウム化合物系のセラミックス材料は、
耐熱性、溶融金属に対する濡れ性の悪さ、熱伝導率の良
さから溶融金属容器用内張、坩堝、加熱炉、誘導加熱
炉、高温摺動部材などの高温部材としての応用が期待さ
れている。
【0005】ところが、前記のアルミナ基セラミックス
を高温部材として使用する場合には、熱衝撃を回避する
ための繁雑な予備加熱を必要とし、また、窒化アルミニ
ウムはアルミナに比べると熱衝撃抵抗性が良好である
が、求められている要求を満足するものではない。加え
て、その原料コストがアルミナの10倍以上と高いこと
も経済的観点から考えると大きな欠点である。このよう
な状況において、より安価な熱衝撃抵抗性に優れたセラ
ミックス材料の開発が強く望まれている。
【0006】この意味から、熱衝撃抵抗性に優れたセラ
ミックス材料としては窒化珪素やサイアロン、炭化珪
素、コーディエライトなどの酸化されシリカを生成する
成分を含む材料からなるシリカ系材料が知られており、
非シリカ系材料では、チタン酸アルミニウムやその固溶
体が、熱膨張率が小さく熱衝撃抵抗性に優れていること
も公知である。さらには、特開平4−132656号公
報、特開平6−24838号公報は、制御された微細な
亀裂を含むアルミナ−クロミア−ジルコニア複合体が熱
衝撃抵抗性に優れていることを開示している。
【0007】ところが、この熱衝撃抵抗性に優れた窒化
珪素やサイアロン、炭化珪素、コーディエライトなどの
シリカ系材料は、優れた機械特性と熱衝撃抵抗性を有す
るが、他の化学成分との反応により容易に低融点ガラス
を形成するシリカ成分を多く含むためその使用範囲が限
定されることになる。また、前記のチタン酸アルミニウ
ム系材料は、高い異方性結晶より構成され、また、多く
のマイクロクラックを焼結体内部に含む組織的特徴によ
り低熱膨張率が達成され、結果として熱衝撃抵抗性が向
上する。しかし、焼結体の高密度化が困難であり、更に
内部に多くの亀裂を含むため、その曲げ強度は数十MP
a以下と低く構造材料としての用途が大きく制限され
る。また、チタン酸アルミニウム結晶は、800〜13
00℃の温度域で高膨張率であるルチルとアルミナに分
解するため、熱衝撃抵抗性を維持することができない。
このチタン酸アルミニウム焼結体に各種酸化物の添加物
によってチタン酸アルミニウムの分解を抑制することが
可能であることが特公平6−62336号公報、特開平
2−258670号公報、特開平2−311361号公
報等に開示されているが、機械強度の大幅な改善は認め
られず、その使用条件が大きく限定され殆ど実用化に到
っていないのが現状である。
【0008】さらに、前記のアルミナ−クロミア−ジル
コニア複合体では、焼結体内部に分散された3〜20μ
m程度の微細亀裂により新たに生成する亀裂の破壊エネ
ルギーを吸収分散しその進展を阻止することにより熱衝
撃抵抗性が得られるものであるが、長時間の使用や繰り
返し熱履歴により焼結体内部に存在するジルコニア粒子
は熱変態による微細化し、また、亀裂の進行は緩やかな
がら進行する。従って、初期に導入された微細組織を維
持することができず焼結体の破壊が進行する。とくに、
肉厚の小さな焼結体、例えばチューブや平板では、その
影響は顕著であり長時間又は繰り返し加熱される箇所で
の使用には適用不可能である。また、環境保全の立場か
ら考えるとクロミアの使用はより規制される方向に進む
と考えられ好ましくない。このように、実用可能な非シ
リカ系の耐熱衝撃材料は殆ど開発されていないのが現状
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は機械的強度に
おいて優れ、且つ安価なアルミナ系焼結体における熱衝
撃抵抗性の大幅な改善をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミナ焼結
体にその焼結体中に窒化アルミニウムをるいは酸窒化ア
ルミニウムを凝集状態で分散することによって熱衝撃抵
抗性は優れたものとなるという知見の下で完成した。
【0011】ここで、本発明の焼結体における凝集組織
(状態)とは、焼結体中で特定の結晶相が集まった状態
をいい、また、凝集粉末とは人為的操作なしに、微細な
一次粒子が集合し、2次粒子となっている粉末(原料そ
のものの状態)をいい、また、造粒粉末とは人為的操作
により、微粉末を特定の形状大きさに集合させた粉末を
いう。
【0012】熱衝撃抵抗性を向上させるためには、窒化
アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウムの存在状態を
規定することが重要である。窒化アルミニウムあるいは
酸窒化アルミニウムは、アルミナマトリックス中に異相
の集合体、すなわち凝集状態で分散して存在する必要が
ある。
【0013】すなわち、本発明において、最も重要な特
徴は、アルミナと窒化アルミニウムを完全に反応させ酸
窒化アルミニウムとするのではなく、結晶相としてのア
ルミナと窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウム
が個別に存在する複合材料とする点である。
【0014】窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニ
ウムの凝集径は、アルミナと反応せずにX線回折法によ
り結晶相として個別に特定可能であればその効果は認め
られるが、より好ましくは、その凝集径が10μm以上
を条件とする。
【0015】窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニ
ウムの含有量は、その量に関係なく熱衝撃抵抗性の向上
に効果が認められる。経済的な効果を加味した場合、効
率的な結果を得るためには窒化アルミニウム換算で5重
量%以上50重量%以下であることがより好ましい。以
下、窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウムの含
有量は窒化アルミニウム換算の量とする。
【0016】窒化アルミニウムが50重量%よりも多く
なると、熱衝撃抵抗性向上に対して寄与があるもののコ
スト的な利点が少なくなる。窒化アルミニウムが5重量
%よりも少なくなるとその添加による熱衝撃抵抗性向上
の効果が小さくなる。
【0017】なお、窒化アルミニウムと酸窒化アルミニ
ウムの粉末物質を併用する場合、アルミナと窒化アルミ
ニウムの固溶体である酸窒化アルミニウムは、窒化アル
ミニウム量が38〜28モル%(13.5〜19.8重
量%)の下で形成される。つまり、窒化アルミニウム量
がこれより多い領域ではアルミナ基焼結体とはならな
い。したがって、アルミニウムの添加量を50重量%と
するためには、酸窒化アルミニウムの添加量は、窒化ア
ルミニウム換算量が10重量%以下の範囲の焼結体作製
に限定される。
【0018】本発明の焼結体は、アルミナの造粒粉体又
は粉末と、窒化アルミニウムおよび/または酸窒化アル
ミニウムの造粒粉体または粉末を混合し成形した後、焼
成することによって製造されるが、その製造に際して用
いられるアルミナ粉末の粒径は、その焼結性が焼結助剤
などの添加物の有無又はその種類により大きく変化する
のでとくに限定されないが、好ましくは焼結助剤を用い
る場合は平均粒径10μm以下、焼結助剤を用いない場
合の平均粒径は5μm以下、より好ましくは1μm以下
である。アルミナ造粒粉体の平均粒径は10μm以上の
ものを用いる。
【0019】窒化アルミニウム粉末、酸窒化アルミニウ
ム粉末の平均粒径は、とくに限定しないが、好ましくは
10μm以下のものを用いる。窒化アルミニウム造粒粉
体、酸窒化アルミニウム造粒粉体の平均粒径は10μm
以上のものを用いる。
【0020】そして、粉末、造粒粉体は次の組合せによ
る工程を経て製造される。 アルミナ粉末と、窒化アルミニウム粉末または酸窒化
アルミニウム粉末、あるいはその両方を混合し成形す
る。 アルミナ粉末と、窒化アルミニウム造粒粉体または酸
窒化アルミニウム粉末、あるいはその両方を混合し成形
する。 アルミナ粉末と、窒化アルミニウム造粒粉体または酸
窒化アルミニウム造粒粉体、あるいはその両方を混合し
成形する。 アルミナ造粒粉体と、窒化アルミニウム粉末または酸
窒化アルミニウム造粒粉体、あるいはその両方を混合し
成形する。 アルミナ造粒粉体と、窒化アルミニウム粉末または酸
窒化アルミニウム粉末あるいはその両方を混合し成形す
る。 アルミナ造粒粉体と、窒化アルミニウム造粒粉体また
は酸窒化アルミニウム粉末あるいはその両方を混合し成
形する。 アルミナ造粒粉体と、窒化アルミニウム造粒粉体また
は酸窒化アルミニウム造粒粉体あるいはその両方を混合
し成形する。
【0021】一般にアルミナや窒化アルミニウムに用い
られているマグネシア、シリカ、イットリア、カルシア
などの焼結助材を用いてもよい。焼結助剤の使用は、出
発原料の粒径などにより選定される。当然のことなが
ら、焼結性に優れた微細粉末を出発原料として用いる場
合は焼結助剤を用いる必要はない。
【0022】ここで、造粒粉体の製造方法は特に限定さ
れないが、スラリーの噴霧乾燥による方法が効率よく粒
径の揃った造粒粉体を得るために有効である。造粒は噴
霧乾燥法に準じる方法でも良く、例えば、へンシェルミ
キサー、スパルタンリューザーなどで得られた粉体を分
級することでも得られる。また、成形体を再粉砕し、得
られる粗角(大粗粒)を用いることが可能である。造粒
粉体の粒径は得ようとする焼結体中の窒化アルミニウム
あるいは酸窒化アルミニウムの凝集径により決定される
ものであり特に限定されない。得られた窒化アルミニウ
ムあるいは酸窒化アルミニウムの造粒粉体は、V型ミキ
サー、オムニミキサー、クロスロータリーミキサーなど
を用い均一混合される。得られた混合粉体は所望の形に
成形する。
【0023】得られた成形体は、窒素又は不活性雰囲気
中あるいはコークスなどの炭素中にうめこみ焼成され
る。焼成温度は組成、密度により随時決定されるもので
あり特に特定されない。アルミナ成分の焼結により焼結
体の強度を向上させるためには1400℃以上の温度で
焼成することが好ましい。更には、窒化アルミニウム成
分をより強固に焼結させるためには、1700℃以上の
温度で焼成することがより好ましい。
【0024】また、本発明はSiO2 もしくは、その化
合物を添加しないが、使用原料の不純物として残るもの
は仕方がなく、可能な限りSiO2 の少ないものを使用
する。
【0025】
【作用】熱衝撃抵抗性が向上する理由は明確ではないが
以下のように推定される。本発明の焼結体中には、アル
ミナと窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウム相
が個別に存在する。この両結晶相の熱膨張率が異なるた
めに急熱又は急冷されると、両者の凝集粒境界にミスマ
ッチが生じ発生した熱応力が緩和され、また、焼結体内
部に発生した亀裂は、凝集粒境界部でその進展が阻止さ
れることによるものと考えられる。
【0026】
【実施例】
実施例1〜4、6〜9 平均粒径0.6μmのアルミナ粉末にポリビニルアルコ
ール(PVA)樹脂を外掛3重量%と、分散剤を外掛
0.5重量%とを添加し、外掛40重量%の精製水に加
えて樹脂性ポットミルで混合、撹拌を行った。焼結助剤
としてマグネシア換算で外掛0.3重量%の硝酸マグネ
シウムを加えた。得られたアルミナスラリーを噴霧乾燥
法により乾燥して平均粒径60μmのアルミナの造粒粉
体を得た。また、平均粒径2μmの窒化アルミニウム
と、焼結助剤としての平均粒径0.8μmのイットリア
を3外掛重量%と、PVA樹脂を外掛3重量%添加して
エタノールに加え樹脂性ポットミルで混合し撹拌し、得
られた窒化アルミニウムスラリーを噴霧乾燥法により乾
燥し造粒粉体を得た。スラリー濃度と噴霧乾燥条件を変
えることで造粒粉体の粒径を変化させた。上記アルミナ
の造粒粉体と窒化アルミニウムの造粒粉体のそれぞれを
表1に示す割合でV型ミキサーを用い混合した後、50
×50mmの金型を用いl00kg/cm2 の成形圧で
1軸成形し、さらに1.4t/cm2 でCIP処理を行
い約10mm厚みの成形体を得た。脱脂後、窒素気流中
で5時間焼成し実施例1〜4、6〜9の焼結体を得た。
焼結体の密度及び結晶相(粉末X線回折法)を決定し
た。焼結体を研磨後、微細組織の観察及びビッカース硬
度測定を行った。焼結体より3×4×40mmのテスト
ピースを切出し3点曲げ強度、弾性率及び熱衝撃抵抗性
の評価を行った。熱衝撃抵抗性は、一般的に行われてい
るテストピースを所定の温度に加熱した後、水中に投下
して急冷し、その後のテストピースの曲げ強度を測定す
る方法により評価した。この場合の温度差をΔTとし、
強度低下に必要な温度が大きな値であるほど熱衝撃抵抗
性は大きい。強度低下が顕著に認められ始める温度差を
ΔTとして示した。
【0027】実施例5 窒化アルミニウム粉末を30重量%とアルミナ粉末を7
0重量%にイットリアを外掛3重量%とPVA樹脂を外
掛3重量%添加し、外掛50重量%のエタノールに加え
作製した混合スラリーを用いて得られた混合造粒粉体を
同様に成形体を作製した後、窒素気流中で1600℃で
10時間焼成し実施例5に示す焼結体を得た。そして、
実施例1〜4、6〜9の場合と同様にして、特性を調べ
た。その結果を表1と表2に示す。
【0028】実施例10 実施例1で得られたアルミナ造粒粉体(平均粒径60μ
m)の70重量%と窒化アルミニウム粉(平均粒径2μ
m、自然凝集あり)の30重量%をV型ミキサーを用い
混合した後、50×50mmの金型を用い100kg/
cm2 の成形圧で1軸成形し、さらに1.4t/cm2
でCIP処理を行ない約10mm厚みの成形体を得た。
脱脂後、窒素気流中で1750℃で5時間焼成し焼結体
を得た。
【0029】実施例11 アルミナ粉(平均粒径0.6μm、自然凝集あり)の7
0重量%と実施例1で得られた平均粒径50μmの窒化
アルミニウム造粒粉体の30重量%をV型ミキサーを用
い混合した後、50×50mmの金型を用い100kg
/cm2 の成形圧で1軸成形し、さらに1.4t/cm
2 でCIP処理を行ない約10mm厚みの成形体を得
た。脱脂後、窒素気流中で1750℃で5時間焼成し焼
結体を得た。
【0030】実施例12 アルミナ粉(平均粒径0.6μm、自然凝集あり)の7
0重量%と窒化アルミニウム粉(平均粒径2μm、自然
凝集あり)の30重量%をV型ミキサーを用い混合した
後、50×50mmの金型を用い100kg/cm2
形成圧で1軸成形し、さらに1.4t/cm2 でCIP
処理を行ない約10mm厚みの成形体を得た。脱脂後、
窒素気流中で1750℃で5時間焼成し焼結体を得た。
【0031】実施例13 アルミナ粉末(平均粒径0.6μm)と窒化アルミニウ
ム(平均粒径2μm)を湿式混合した後、1700℃で
熱処理により得られた酸窒化アルミニウムを解砕し平均
粒径5μmの粉末を得た。更に、イットリア(平均粒径
0.8μm)を外掛3重量%とPVA樹脂を外掛3重量
%添加し、エタノールに加え樹脂性ポットミルで混合、
攪拌を行った。得られた酸窒化アルミニウムスラリーを
噴霧乾燥法により乾燥し、平均粒径60μm造粒粉体を
得た。
【0032】実施例1で得られたアルミナ造粒粉体(平
均粒径60μm)の44.5重量%と上記酸窒化アルミ
ニウム造粒粉体の55.5重量%をV型ミキサーを用い
混合した後、50×50mmの金型を用い100kg/
cm2 の成形圧で1軸成形し、さらに1.4t/cm2
でCIP処理を行ない約10mm厚みの成形体を得た。
脱脂後、窒素気流中で1800℃で5時間焼成し焼結体
を得た。
【0033】実施例14 実施例1で得られたアルミナ造粒粉体(平均粒径60μ
m)の67.3重量%、窒化アルミニウム造粒粉体(平
均粒径50μm)の5重量%と実施例13で得られた酸
窒化アルミニウム造粒粉体(平均粒径60μm)をV型
ミキサーを用い混合した後、50×50mmの金型を用
い100kg/cm2 の成形圧で1軸成形し、さらに
1.4t/cm2 でCIP処理を行ない約10mm厚み
の成形体を得た。脱脂後、窒素気流中で1750℃で5
時間焼成し焼結体を得た。
【0034】比較例として、以下の比較例1〜3とし
て、表1と表2に示す焼結体を得た。その調整方法は以
下のとおりである。
【0035】比較例1 表1の比較例1は実施例5と同様な方法によって得られ
た成形体を窒素気流中で1800℃で5時間焼成し得
た。
【0036】比較例2 それぞれ比較例2として示す市販のアルミナと、比較例
3として示す窒化アルミニウム焼結体を比較例とした。
【0037】何れの比較例の場合も、上記実施例と同様
の方法で評価を行った。
【0038】〔評価〕実施例l〜14は、α−アルミナ
と窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニウム、特に
1〜9及び11、13、14は焼結助剤として用いたイ
ットリアとアルミナの反応で得られた微量のイットリウ
ムアルミニウムガーネット(YAG)から構成されてい
る。
【0039】図1は、本発明の実施例である実施例3の
その光学顕微鏡写真を示す。同図において、白色部は窒
化アルミニウムまたは酸窒化アルミニウム相あるいはそ
の両方を、灰色部はアルミナ相を示す。同図から明らか
なとおり、アルミナマトリックス中に窒化アルミニウム
または酸窒化アルミニウム相あるいはその両方が100
μm程度に凝集し分散している。このように、本発明に
よれば両結晶相が明確に分離した組織となる。
【0040】また、表1と表2の特性評価に見られると
おり、窒化アルミニウムの添加量を5重量%添加した実
施例1の場合は、比較例2のアルミナや比較例1の酸窒
化アルミニウムと比べ熱衝撃抵抗性が大幅に向上してお
り、比較例17の窒化アルミニウムと同程度となってい
る。
【0041】また、同じく窒化アルミニウムを10重量
%以上添加した実施例2〜4、6〜14の場合には、窒
化アルミニウムより優れた熱衝撃抵抗性を示している。
【0042】窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミニ
ウムの凝集径を変化させることにより耐熱衝撃性が変化
することが、実施例3と5〜7によって明らかである。
同じく本発明の実施例を示す凝集粒径が10μm以下の
実施例5の場合には熱衝撃抵抗性が若干低下するが、窒
化アルミニウムと同等以上の熱衝撃抵抗性を有してい
る。
【0043】図2は、それぞれのサンプルの熱衝撃試験
後の強度の変化を示す。同図に示すように、本発明によ
るアルミナ基焼結体において、比較例2と3に示されて
いるとおり、セラミックス材料で見られる熱衝撃による
急激な強度低下が見られないことである。同図に示すよ
うに、窒化アルミニウムの含有量により若干違いはある
が、熱衝撃温度差の上昇により緩やかに強度低下が進行
する。また、熱衝撃試験により低下した強度は、アルミ
ナや窒化アルミニウムのそれに比べより大きなΔTにお
いて高い値を維持していることがわかる。
【0044】なお、造粒操作を行わない自然凝集した粉
末を用いると焼結体内部の欠陥が増加する傾向にある。
結果として、曲げ強度と硬度がやや低下する。しかし、
耐熱衝撃性には大きな影響を与えない。
【0045】本発明の粉末、造粒粉末も組合せについて
は、前述の通りであるが、実施例に挙げてないものは、
次の通りである。前記組合せ、、、の酸窒化ア
ルミニウム粉末の取扱いは、実施例の窒化アルミニウム
粉末と同様の条件で他物質の粉末、造粒粉体と組合せ使
用できる。また、前記組合せ、について実施例を挙
げてないが、他の組合せで使用した、アルミナの粉末や
造粒粉体、窒化アルミニウムの粉末や造粒粉体、酸窒化
アルミニウムの粉末や造粒粉末等と同条件で前記組合せ
、に使用できる。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【発明の効果】本発明によって以下の効果を奏する。 (1)アルミナ焼結体そのものの機械的性質に優れ、し
かも安価であるという特性に加え熱衝撃抵抗性の優れた
アルミナ基焼結体が得られる。 (2)窒化アルミニウムに比べより安価で、アルミナや
窒化アルミニウムと比べ優れた熱衝撃抵抗性を有するシ
リカ成分を含まないアルミナ基焼結体の製造が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるアルミナ基焼結体の光学顕微鏡
による代表的な金属組織写真とその説明図である。
【図2】 本発明によるアルミナ基焼結体の熱衝撃抵抗
性を示す。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−アルミナからなる基体中に窒化アル
    ミニウムあるいは酸窒化アルミニウムが凝集して分散し
    ていること特徴とするアルミナ基焼結体。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムあるいは酸窒化アルミ
    ニウムの凝集径が、10μm以上であることを特徴とす
    る請求項1記載のアルミナ基焼結体。
  3. 【請求項3】 アルミナの造粒粉体又は粉末と、窒化ア
    ルミニウムおよび/または酸窒化アルミニウムの造粒粉
    体または粉末を混合し成形した後、焼成することを特徴
    とするアルミナ基焼結体の製造方法。
JP7023502A 1995-01-17 1995-01-17 アルミナ基焼結体およびその製造方法 Pending JPH08198664A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7023502A JPH08198664A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 アルミナ基焼結体およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7023502A JPH08198664A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 アルミナ基焼結体およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08198664A true JPH08198664A (ja) 1996-08-06

Family

ID=12112257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7023502A Pending JPH08198664A (ja) 1995-01-17 1995-01-17 アルミナ基焼結体およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08198664A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100422108C (zh) * 2006-12-25 2008-10-01 西南科技大学 纳米-纳米型Al2O3基复相陶瓷的制备方法
JP2015058710A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd 熱に晒される構成部材の表面に適用するための耐熱性を有する手段の製造方法
JP2015151307A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 株式会社アテクト アルミナ焼結体及びその製造方法
CN111362673A (zh) * 2020-04-28 2020-07-03 新化县众一陶瓷有限公司 一种铁灰色氧化铝耐磨陶瓷的制备方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100422108C (zh) * 2006-12-25 2008-10-01 西南科技大学 纳米-纳米型Al2O3基复相陶瓷的制备方法
JP2015058710A (ja) * 2013-09-20 2015-03-30 アルストム テクノロジー リミテッドALSTOM Technology Ltd 熱に晒される構成部材の表面に適用するための耐熱性を有する手段の製造方法
JP2015151307A (ja) * 2014-02-14 2015-08-24 株式会社アテクト アルミナ焼結体及びその製造方法
CN111362673A (zh) * 2020-04-28 2020-07-03 新化县众一陶瓷有限公司 一种铁灰色氧化铝耐磨陶瓷的制备方法
CN111362673B (zh) * 2020-04-28 2023-10-10 新化县众一陶瓷有限公司 一种铁灰色氧化铝耐磨陶瓷的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100956690B1 (ko) 티탄산 알루미늄 소결체의 제조 방법
JP3600933B2 (ja) チタン酸アルミニウム系焼結体の製造方法
JPH07277814A (ja) アルミナ基セラミックス焼結体
JPH0558722A (ja) アルミニウムチタネートセラミツクス及びその製造方法
JPH10194824A (ja) ジルコニア含有アルミナ焼結体
JPH08198664A (ja) アルミナ基焼結体およびその製造方法
JPH06219840A (ja) 窒化珪素焼結体及びその製造方法
JP4043425B2 (ja) ジルコニア製熱処理用部材
Huang et al. Preparation of an aluminium titanate-25 vol% mullite composite by sintering of gel-coated powders
JP3145519B2 (ja) 窒化アルミニウム質焼結体
SE459494B (sv) Saett vid framstaellning av keramiska kompositer innehaallande kiseloxynitrid och zirkoniumoxid
JPH05279129A (ja) 低熱伝導セラミックス及びその製造方法
JPH06263544A (ja) サイアロン質複合焼結体及びその製造方法
JPS647030B2 (ja)
JP2844908B2 (ja) 複合焼結体及びその製造方法
JPS62275067A (ja) 窒化珪素焼結体の製造法
JPH06100358A (ja) ムライト質焼結体の製造方法
RU2054400C1 (ru) Способ получения керамики из титаната алюминия tonalox - tcs
JPS63277570A (ja) 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体の製造方法
JPH01246178A (ja) 溶鋼用耐火物の製造方法
JPH08188461A (ja) アルミナ基焼結体
JPH06247771A (ja) 窒化ほう素複合材料およびその製造方法
JPS6291463A (ja) Al↓2O↓3及びZrO↓2から成形体を製造する方法
JPH02233560A (ja) 高強度サイアロン基焼結体
JP3211908B2 (ja) 窒化珪素質焼結体及びその製造方法