【発明の詳細な説明】
セラミック材料の製造方法
技術分野
本発明はSiAlON類の製造方法に関するものであり、具体的には、β’SiAlON、
α’SiAlONおよびそれらとの複合体の製造に関するものである。
背景技術
SiAlON、すなわちオキシ窒化アルミニウム珪素という用語は珪素、アルミニウ
ム、酸素および窒素の元素から成る化合物または相の一族を包含する。各相はそ
の特別な構造が安定である組成範囲により説明される。β′-相SiAlON(β’SiA
lON)は組成範囲:Si6-zAlzOzN8-z(z=0から4.2まで)において安定である。こ
れには末端のz=0の窒化珪素(βSi3N4)も含まれる。β′SiAlONは窒化珪素(
βSi3N4)と同じ構造を有し、等量のアルミニウムと酸素をそれぞれ珪素と窒素
の代わりに置換することにより窒化珪素構造に形成する固溶液と見なされる。こ
の構造に置換できるアルミニウムと酸素の量は温度と共に増加する。温度が1750
℃では、zは0から4.2までの範囲にすることができる。一般的な用語では、β’
SiAlON組成物は低z組成物および高z組成物と呼ばれ、低zの値は<3であり、
高zの値は≧3である。このzの値は基本的
には組成物のアルミニウム含有量を指す。
α’- 相SiAlON(α’SiAlON)は、例えばY、Li、Caなどの金属カチオン(M
)により安定化されるαSi3N4由来の構造を有する。一般式は下記の通りである
:
Mm/vSi12-(m+n)Alm+nOnN16-n
(mとnは(m+n)(Si-N)結合がm(Al-N)とn(Al-O)結合により置換されることを示
し、vは金属カチオンMの価数を示す)。
α’SiAlON組成物の限度は安定化カチオンの大きさと性質により制限され変動
する。例えば、イットリウムの溶解度の限度は1つの組成範囲についてm/vを0.3
3から0.67まで変動させることが判明した。限定された範囲の金属カチオンがα
’SiAlONの構造を安定化させる。このようなものとしてはLi,Ca,Mg,Y,およびか
なりの希土類金属が挙げられるが、LaまたはCeは含まれない。SiAlON類は、有用
な諸特性、例えば、高い強度と硬度、低い密度、耐磨耗性および耐腐食性などを
示し、これらの諸特性を高温でも保持できる進歩した高級なセラミック材料であ
る。α’SiAlONは密度が高い場合は非常に硬い材料であるが脆い。β’SiAlONは
硬度が劣るが、強靭である。この2つの複合体は優れた妥協点を示し、優れた機
械強度と耐磨耗性を生み出す。SiAlON類は耐火物および様々な工学的用途、例え
ば、切断ツール、スプレイ用ノズル、ポンプ用シール
などに使用される。一定のSiAlONの正確な特性は化学的組成および二次加工変数
の例えば純度、粒径、形状などや、二次加工方法により左右される。β’SiAlON
は溶融金属による攻撃に対し優れた耐性を有する窒化珪素と類似の諸特性を有す
る。窒化珪素は一般に耐火材料として使用される。
当該技術の状態を示す書類としては下記のものが挙げられる:
Ivan B Cutlerに付与された米国特許第3,960,581号は、例えば粘土などの容易
に入手できる原料と炭素とからSiAlON類を製造する方法を開示している。しかし
、その製法において珪素金属を使用することについては何の教示も認識も示され
ていない。珪素金属を使用することによりzの値の低いSiAlON組成物を合成でき
る。さらに、本発明の製法において炭素を使用することが好ましいが、必須では
ない。本発明の製法によりα’SiAlON組成物を調製できるのはやはりzの値の低
いβ’SiAlON組成物であり、これについては下記にさらに説明する。
Akad Wissenschaft DDR,発明者Schikore Hに付与されたDD 263749は、(A)7
5-95重量%の粘土と5-25重量%の炭素と0-50重量%のアルミニウム化合物、または(
B)50-80重量%の粘土と20-50重量%の炭化珪素と0-50重量%のアルミニウム化合物
類を含有する装入材料からSiAlONを主成分とする材料の製造について
説明している。珪素金属の使用については全く開示されていないし、炭素または
炭化珪素の使用は必要である。
発明者Paris R.A.のUSP 4360506は、珪素アルミニウム材料(粘土)、炭素お
よび木質材料の微細な粒子(例えば、おがくず)から成るペーストからβ’SiAl
ON類を調製することについて開示している。この炭素と木質材料は必須であり、
珪素金属については全く言及されていない。
発明者FishlerらのUSP 4871698は、耐火物の製造において珪素金属を使用して
いる。他の構成成分としては、炭素、β′-SiAlON、粘土、シリカおよび炭化珪
素が特に挙げられる。
その他、α′SiAlON類およびβ′SiAlON類を製造する普通の方法としては以下
のものが挙げられる:
(i) 反応焼結:Si3N4、SiO2,Al2O3,AlN,AlN- ポリティポイド類の内の2種
類以上の混合物を1600℃以上の温度で窒素の雰囲気下で、通常は例えばY2O3また
はCeOなどの希土類焼結助剤の存在下で反応焼結させる。この方法は原料費が高
くまた高い温度を必要とするが、生成物の組成と純度の制御に優れている。
(ii) 炭素熱還元:アルミノ珪酸塩鉱物類を炭素と混合し、流動性窒素雰囲気下
で1350℃以上で焼成する。この方法は、炭素がアルミノ珪酸塩を還元して窒素化
させる作用をするので炭素熱還元と記載されている。この方法は反応焼成より原
料費が安く焼成温度が低いが、アルミノ珪酸塩の不純物が生成物の特性を低下さ
せる可能性がある。この方法は終了する前に特定の温度で反応を中止するので制
御するのがさらに困難である。
(iii) 燃焼合成:珪素金属の粉末を含有する混合物は窒素の雰囲気下で点火さ
れる。珪素の強度の発熱性窒化により放出されるエネルギーは反応混合物中に反
応方向を伝播する。この方法は極めて速いが、エネルギー効率は制御が難しい。
方法(ii)と(iii)は両方ともβ′SiAlON粉末を産出し、これは次に成形され焼
成されてセラミック体を得る。方法(i)はαおよびβ’のSiAlONを調製するため
に最も一般的に使用される方法である。上記の周知の方法から明らかなように、
生成物の組成と純度をよく制御するために、高価な原料および/または厳しい反
応条件が要求される。
本発明の目的はα’SiAlON類およびβ’SiAlON類の改良された製造方法を提供
することである。
発明の要約
本発明の第一態様は珪素金属と粘土の出発混合物からα’SiAlONまたはβ’Si
AlONを製造する方法から成り、この製造方法は混合物成分を流動する窒素雰囲気
下または窒素含有雰囲気下で珪素と窒素が粘土と反応
するのに十分な温度まで加熱し、β’SiAlONまたはα’SiAlONを形成し、粘土は
アルミニウム源と珪素源として反応に関与することから成る。
本発明の第二態様は珪素金属と粘土と窒素の出発混合物からα’SiAlONまたは
β’SiAlONを製造する方法から成り、この製造方法は粘土から水素を除き、水素
を除かれた粘土を珪素金属と混合し、この混合物を流動する窒素雰囲気下または
窒素含有雰囲気下で反応するのに十分な温度まで加熱し、α’SiAlONまたはβ’
SiAlONを形成し、粘土はアルミニウム源と珪素源として反応に関与することから
成る。
好ましくは、出発混合物中の粘土含有量は11-85重量%の範囲内であり、さらに
好ましくは11-80重量%の範囲内であり、さらに好ましくは20-70重量%の範囲内で
ある。
好ましくは、本発明の方法により形成されたβ′SiAlONは下記の組成物範囲内
である:
Si6-zAlzOzN8-z
(式中zは0.1-3.0の範囲内である)。
好ましくは、zは0.5から2.5までの範囲内であり、さらに好ましくは、0.5か
ら1.5までの範囲内である。
好ましくは、本発明の方法により形成されたα′SiAlONは一般式:
Mm/vSi(m+n)Al(m+n)OnN16-n
(Mは価数vを有する金属カチオンであり、mとnはα
-Si3N4構造において(m+n)(Si-N)結合がm(Al-N)結合とn(Al-O)結合により置換さ
れることを示す)
により表される特徴を有する組成を有する。
好ましくは、α’SiAlONはzの範囲が0.1から2.0までの範囲であり、さらに好
ましくは0.5から1.5までの範囲であるβ’SiAlONから形成される。
好ましくは、出発混合物はさらに炭素と炭化珪素から選ばれた添加物を含有す
る。
好ましくは、出発混合物はさらにイットリア(yttria)、カルシア(calcia)、
マグネシアおよび/またはリチア(lithia)から選ばれた焼成助剤を含有する。
好ましくは、粘土は遊離のシリカ成分を含有する。
好ましくは、雰囲気は実質的に純粋な窒素、水素/窒素混合物、またはアンモ
ニアである。
好ましくは、混合物の成分は微粉末状である。
好ましくは、出発混合物は約11重量%から約80重量%の粘土、約9重量%から約89
重量%までの珪素金属および0重量%から約20重量%までの炭素を含有する。
好ましくは、流動性N2雰囲気は約0.5%以下の酸素と約0.5%以下の水蒸気から成
る。
好ましくは、この混合物を約1100℃から約1900℃まで、さらに好ましくは、約
1350℃から約1900℃まで、さらに好ましくは約1400℃から約1750℃まで、最も好
ましくは1450℃の温度に加熱する。
好ましくは、これらの成分を毎分実質的に約1℃か
ら約20℃までの速度で加熱し、さらに好ましくは毎分1℃から10℃までの速度、
さらに好ましくは毎分約1℃から約5℃までの速度、さらに好ましくは毎分約1.5
℃から約2.5℃までの速度、最も好ましくは毎分約2℃で加熱する。
好ましくは、これらの成分を約12時間以下、最も好ましくは約8時間以下要求
される温度に保持する。
好ましくは、粘土は水和粘土鉱物であり、さらに好ましくはカオリン粘土であ
る。
好ましくは、粘土はシリコン金属と混合する前に水素を除去される。
好ましくは、セラミック材料は成分の混合物中に含まれる。
好ましくは、混合物中に含まれるセラミック材料は炭化珪素(SiC)、アルミナ
(Al2O3)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化珪素(Si3N4)、SiAlON、ジルコニア(
ZrO2)またはシリカ(SiO2)から選ばれる。
好ましくは、混合物に含まれるセラミック材料はα’SiAlONまたはβ’SiAlON
を形成するために反応する他の混合物成分より粒が粗いことである。
好ましくは、混合物中に含まれるセラミック材料は混合物の約75重量%を占め
、さらに好ましくは約40重量%から約70重量%までの範囲を占める。
さらに限定して言うと、本発明の第三態様は、実質的に50重量%から70重量%ま
でのシリコン金属、20重
量%から40重量%の粘土、および5重量%から10重量%までの炭素から成る微粉末
成分混合物からβ’SiAlONまたはα’SiAlONを製造する方法であり、粘土は反応
においてアルミニウムと珪素の源として作用しており、本発明の方法は下記の工
程から成る:
(a) これらの成分を約0.5%以下の酸素と約0.5%以下の水蒸気から成る流動性N2
の雰囲気下で毎分約1.5℃から約10℃までの速度で約1350℃から1900℃までの温
度に加熱する工程;
(b) 約1350℃から約1900℃までの温度を約8時間まで維持する工程;および
(c) 形成された生成物を回収する工程。
さらに限定して言うと、本発明の第四態様は、約75重量%以下のセラミック材
料と約25重量%以下のβ′またはα′SiAlON形成混合物から成る微粉末成分混合
物からβ’SiAlONまたはα’SiAlONを含有する複合体セラミックを製造する方法
であり、β’SiAlONまたはα’SiAlON形成混合物は実質的に50重量%から70重量%
までのシリコン金属、20重量%から40重量%の粘土、および5重量%から10重量%
までの炭素から成り、粘土は反応においてアルミニウムと珪素の源として作用し
ており、本発明の方法は下記の工程から成る:
(a) これらの成分を約0.5%以下の酸素と約0.5%以下の水蒸気から成る流動性N2
の雰囲気下で毎分約1.5℃から約10℃までの速度で実質的に1350℃から1900℃
までの温度に加熱する工程;
(b) 約1350℃から約1900℃までの温度を約8時間まで維持する工程;および
(c) 形成された生成物を回収する工程。
好ましくは、混合物に含まれるセラミック材料はβ′またはα′SiAlONを形成
するために反応する他の混合物成分より粒が粗いことである。
好ましくは、混合物に含まれるセラミック材料は混合物の約70重量%以下を占
め、さらに好ましくは混合物の約40重量%から約70重量%までの範囲を占める。
さらに限定して言うと、本発明の第五態様は実質的に11重量%から85重量%まで
の粘土、9重量%から89重量%の珪素金属、および0重量%から20重量%までの炭素
から成る微粉末成分混合物から下記の範囲の組成:
Si6-zAlzOzN8-z
(式中zは0.1から3.0までの値である)
を有するβ’SiAlONを製造する方法であり、本発明方法は下記の工程から成る:
(a) これらの成分を約0.5%以下の酸素と約0.5%以下の水蒸気から成る流動性窒
素または窒素含有雰囲気下で毎分実質的に1℃から20℃までの速度で、実質的に1
100℃から1750℃までの温度に加熱する工程;
(b) 約1100℃から約1750℃までの温度を約12時間まで維持する工程;および
(c) 生成物を回収する工程。
好ましくは、粘土の含有量は11-80重量%である。
好ましくは、形成されたβ′SiAlONのzの値は0.1から2.0までの範囲内であり
、さらに好ましくは0.5-1.5の範囲であり、反応は一般式:
Mm/vSi(m+n)Al(m+n)OnN16-n
(Mは価数vを有する金属カチオンであり、mとnはα-Si3N4構造において(m+n)(
Si-N)結合がm(Al-N)結合とn(Al-O)結合により置換されることを示す)
により表される組成を有するα′SiAlONを形成するのに充分な時間継続される。
図面
添付の図面は本発明の方法により形成されたα′およびβ’SiAlON生成物のX
線回折図形を示す。
図1は実施例5の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準β′SiAl
ONと窒化珪素の図形との比較を示す。
図2は様々な温度におけるY2O3添加に対するβ′SiAlON比のグラフを示す。
図3は実施例12により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形との比
較を示す。
図4は実施例13の方法により形成された生成物のX線回折図形と標準XRD図形
との比較を示す。
図5は実施例14の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
図6は実施例15の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
図7は実施例16の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
図8は実施例17の方法により形成されたジルコニアを添加しない生成物のX線
回折図形と基準XRD図形との比較を示す。
図9は実施例17により形成されたジルコニアを添加した生成物のX線回折図形
と基準XRD図形との比較を示す。
図10は実施例18の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
図11は実施例19の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
図12は実施例20の方法により形成された生成物のX線回折図形と基準XRD図形
との比較を示す。
基準α′SiAlONとβ′SiAlONのX線回折図形はアメリカ合衆国の回折データの
インターナショナル・センターにより提供され、生成物のX線回折図形はフィッ
リップスAPD1700ソフトウエアーにより制御されるフィッリップス1700シリーズ
回折計量器から得られた。
発明の詳細な説明
本発明の方法は珪素金属、粘土(シリカを含有してもよい)の微粉末からβ′
SiAlONまたはα′SiAlONを調製するための新規な方法およびいくつかの組成物を
製造するために炭素、炭化珪素、イットリア、カルシア、マグネシアまたはリチ
アの微粉末を加えてそれからβ′SiAlONまたはα′SiAlONを調製するための新規
な方法である。粘土は使用する前に水素を除去されてもよいが、その自然な可塑
性の形状を保持することにより混合物を焼成する前に所望の形にさらに容易に形
成できる。SiAlON製造のためにアルミニウムと珪素の源として粘土材料を使用す
ることにより役に立つ粘土の可鍛性を任意に利用できる。従って、形成された生
成物は特定の用途に合わせて形作ることができるので、非常に経済的に製造でき
る。
本発明の方法により形成されたβ′SiAlONは0.1から3.0までの低いzの値を有
することができる。低いzの値はSiAlONにおけるアルミニウムの低い含有量に等
しい。
α′SiAlONを形成する場合に、0.1から2.0までの範囲のz値を有するβ′SiAl
ONがまず形成され、反応を継続させてα′SiAlONを形成することが好ましい。こ
のような場合、zの値は0.5から1.5までの範囲がさらに好ましく、0.5から1.0ま
でが特に好ましい。
原料は当該技術でよく知られている例えばボールミルなどの標準的な方法によ
り配合してよい。これらの原料は、当該技術で知られているように、配合され;
圧縮、スリップ鋳込または押し出し成形などの伝統的な方法および平衡圧縮およ
び射出成形などのさらに進
んだ方法により成形され、次に、流動性窒素雰囲気下で適当な速度で1400℃より
高い温度に加熱され、この温度に約12時間以内保持されるが、一般的には6-8時
間の範囲で充分であると思われる。当該技術で周知のように、保持時間を長くし
てもよい。窒素の流速はできるだけ低くすべきであるが、炉の内部の雰囲気を好
ましくは0.5%以下の酸素と約0.5%以下の水蒸気を含むよう維持すれば十分である
。雰囲気の酸素と水蒸気の含有量は珪素に化学的作用を及ぼすことによりその工
程に影響を与えることができるように最小限に維持されるべきである。反応の行
われている間、炉の雰囲気由来の窒素は窒化反応により生成物の中に取り込まれ
密度を増加させる。生成物は主としてα′またはβ′SiAlONであるが、O′-SiAl
ON、ムライトおよび他のSiAlON相、例えばX-相SiAlONも形成されてもよい。
炭素および炭化珪素は使用するなら還元剤として作用する。珪素金属も還元剤
として作用する。イットリア、カルシア、マグネシアおよび他の酸化物添加剤も
使用すればα′SiAlONの構造を安定化させ、焼成も促進する。原料の混合物にこ
れらの酸化物を添加すると、反応を促進し、反応時間を短縮し、反応温度を低下
させ、SiAlONの収率を増加させる。
加熱工程の間に発生する反応もあるので、12時間以内に保持する工程は任意で
あるが、生成物の大部分は珪素が融解し始める(約1414℃)ので、1400℃から14
50℃までの範囲の温度で形成される。炉を1450℃より高い温度に維持することも
任意であるが、反応を強制的に完了させるために、または反応体を焼成してさら
に優れた密度を得るために行われる。毎分1℃から毎分5℃までの範囲の加熱速度
は適当であると考えられるが、実施例で明らかなように、毎分約20℃までの加熱
速度も使用される。好ましい温度範囲は1350℃から1750℃までであるが、さらに
高温にすると特殊なさらに高価な窯が必要となる。珪素の不純物が混ざっている
と、融点が低下する。このような場合は、反応は低温で進行する。約1100℃ほど
の低温はβ′SiAlONの調製が可能であると考えられる。このような不純物として
は、Fe、Ca、Mgなどが挙げられるが、当該技術で周知のように他のものも挙げら
れる。例えば、Feの場合、特に約1190℃でFeとSiとの間で共融を引き起こす。必
要な温度は好ましくは追加工程により達成される。例えば、混合物を約80℃から
130℃までの範囲の温度に加熱し(好ましくは約110℃)、約3時間以内保持して
混合物を乾燥する。次に温度を約500℃から800℃までの範囲の温度(好ましくは
約600℃)に上昇させ、その温度に約3時間以内の間保持して粘土脱水酸化物とし
て形成されたH2Oを除去する。次に温度をさらに約950℃から1300℃までの範囲の
温度(好ましくは約1250℃)に上昇させ、方解石の分解につれて発生するCO2を
除去する。反応を最適化するために必要なら、
さらに追加の工程を使用する。保持時間は好ましくは1-3時間である。追加工程
は本方法にとって必須ではなく、所望により変えられる。引用された範囲内の数
字または数字の範囲は当該技術で周知のように使用できる。
当該技術に精通した者になら容易に理解するように、使用された炉または窯の
種類は必要な温度に制御された内部雰囲気を維持することができなければならな
い。この事が可能ならどんなタイプの炉または窯でも使用してよい。
混合する前に粘土の脱ヒドロキシル化は、α′SiAlONおよびβ′SiAlONを純粋
な形で製造するのに有利であることが判明した。例えば、500-800℃で、粘土は
この脱ヒドロキシル化を引き起こし、当該技術で周知のように反応性雰囲気中間
体を形成する。この脱ヒドロキシル化はまた工程が単一焼成において実施される
場合にも発生するので、材料の単一工程処理が可能である。形成された無定形中
間体の例としては、カオリン粘土から得られるメター カオリンが挙げられる。無
定形の中間体の形成は珪素と窒素と反応させ、オキシ窒化アルミニウム珪素(Si
AlON類)を適当な条件下で形成する。無定形中間体はかなり低い温度で形成され
、このような温度で反応性を示すので、SiAlONを形成する工程でかなり低い温度
を容易に使用できる。
ニュージーランド・チャイナ・クレイズ社製の高級
なハロイサイトからβ′SiAlON(z=0.5)を製造する反応の例が方程式(1)に示
されている。各原料の量は当該技術で周知のように所望のβ′SiAlONに関するSi
:Al:O:N:Cの正しい割合を提供するために釣り合いがとれなければならな
い。
原料の正しい釣り合いがとれると、得られたセラミックのβ′SiAlONの製造が
最大となる。この材料の釣り合いは当該技術に精通した者により容易に計算可能
であり、反応で使用した粘土の種類により大きく左右される。
本発明の方法は、zの値の低いSiAlON組成物(z<3)を製造でき、所望の特性を
有し、伝統的な方法よりはるかに簡単であることが判明した。zの値の高い組成
物(z≧3)も本発明の方法により製造されるが、出発混合物にアルミニウムを含
んでいる。
インダストリアル・リサーチ・リミテッドらのPCT出願(PCT/NZ95/00050)は
粘土と珪素の混合物からO′-SiAlONを合成することについて開示しているが、そ
の系から気体を全く失わないことを確認している。本発明の方法で炭素を使用す
ることにより炭素熱還元を
発生させ、さらにSiAlON生成物の窒素含有量を増加させてβ′SiAlONを形成する
。本方法で炭素を使用することは非常に好ましいが、本発明の実施例から明らか
なように必須ではない。
本発明の方法は80%以上のβ′SiAlONを含有する生成物を製造することができ
る。炭素の使用割合は重量当たり0%ほどである。このような場合に、粘土と珪素
金属の割合はそれぞれ約30重量%と70重量%である。出発成分の好ましい割合の構
成はしかしながら約11%から約85%までの範囲内(さらに好ましくは80%)の粘土、
約15%から約89%までの範囲内の珪素金属および0%から約20%までの範囲の炭素の
数値または数値範囲から成る。
当該技術に精通した者ならはっきり理解できるように、様々な粘土を工程中で
使用してよい。好ましい粘土は水和粘土鉱物であり、中でもカオリン粘土が好ま
しい。他の種類の粘土も使用してもよいが、ほとんどは様々な不純物、例えば、
K,Na,Ca,Mg,Feなどを含有している。これらの不純物は本方法により形成さ
れるSiAlON生成物の純度に影響を与える。
既に述べたように、焼成中の粘土の脱ヒドロキシル化により発生する炉の内部
の水蒸気は特に珪素の反応を妨げる可能性がある。これは珪素とシリカと混合す
る前に粘土の脱ヒドロキシル化を行うことにより最小限に抑えることができる。
これは当該技術で知られて
いるように予め焼成するなどの方法により達成してもよい。例えば、Y2O3などの
焼結助剤も添加して密度を改善することができる(実施例6参照)。さらに、実
施例5において明らかなように、Y2O3は原料に添加して反応を促進することがで
きる。
焼成に先立って粘土から水分を除去するとSiAlON生成物の製造を増大するが、
この工程は本発明にとって必須ではない。脱ヒドロキシル化は生成物の純度を増
すが、例えばスリップ射出成形および押し出し成形に関して粘土の利点はもはや
得られない。
本発明の方法は複合セラミックスを製造するのにも使用できるが、その場合に
β′SiAlONは例えば炭化珪素(SiC)(実施例5参照)、アルミナ(Al2O3)、窒化
珪素(Si3N4)、SiAlON、ジルコニア(ZrO2)またはシリカ(SiO2)などの他のセラミ
ック材料の粒子を接合するために使用される。これらの接合された材料は反応化
学にはほとんどまたは全く関与しない。これらは原料より粒が粗く、反応して接
合相を形成するものが好ましく、出発混合物の1%から70%を占めるのが好まし
く、従って、焼成されたセラミックの1%から70%を占めるのが好ましい。この
追加のセラミック材料は出発混合物中の他の成分(すなわち、粘土、シリカおよ
び珪素)により形成されたβ′SiAlONのマトリックスにより接合される。従って
、これらの他の成分は全出発物質の30%から99%を構成するが、好ま
しい割合の量は既に相互に関して考察した。
粘土は出発混合物の有意な割合を占めるので、単純で費用のかからない成形方
法が使用できる。スリップ射出成形、押し出し成形などがこのような方法の例で
ある。当該技術で周知のように、さらに進んだ成型方法で例えば均衡圧縮、射出
成形なども使用してよい。結局、本発明の方法により製造できるセラミック成分
の形状および寸法は極めて融通性がきく。
β′SiAlONを形成する反応は一般的に一定量の収縮を伴うが、もしβ′SiAlON
が別のセラミック材料を接合し複合セラミックを形成するために使用されるなら
、既に述べたように、この収縮は取るに足らないものとなり、最終的な寸法の形
が形成される。その成型方法により形成された形は所望によりどんな形でもよい
。
本発明の方法はβ′SiAlONを含有するセラミック体またはセラミック粉末を製
造することができる単一焼成工程である。セラミック粉末を製造するための反応
は得られたセラミックの密度を高めることに重きを置かないで進行する。例えば
、出発物質はペレット状に形成され、反応させてβ′SiAlONのセラミックペレッ
トを形成し、次に、これを粉砕して粉末状にする。次に、これを他の工程で使用
するためのβ′SiAlON粉末の供給原料として使用してもよい。例えば、この粉末
は焼結助剤のY2O3,Mgoなどと共に成形され焼成されて、十分に密度の高いセラ
ミック体を形成する。
実施例
下記の実施例は本発明の好ましい形を示すものであり、発明を限定するための
ものではない。
実施例1
粘土、珪素および炭素を窒素と反応させてβ′SiAlONの合成
z=0.5のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物の重量を下記の方程
式により計量した。
β′SiAlONz=0.5、NZCCハロイサイト粘土、珪素、および炭素から形成。
重量%粘土=31.53%
重量%Si=60.79%
重量%C=7.68%(+10%=8.45%)
重量増加=24.06%
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
混合物:6.31gのニュージランド・チャイナクレー・プレミアムグレードのハロ
イサイト粘土;
12.16gのパーマスカンドの4D珪素;
1.69gのデグッサ・ランプブラック101。
20gの混合物は約400gの直径10mmのSi3N 4ボールと70gのヘキサンと共に1リ
ットルの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶において17時間にわたり約150rpmでボール
ミルにより混合された。ヘキサン溶剤は回転蒸発により除去された。乾燥した粉
末は水で可塑化され、3mmの円形のオリフィスを通って押し出し成形され、円筒
状のロッドを生成し、これを110℃で乾燥してから長さ10-20mmの短縮形(または
ペレット)に切断した。
2つのペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのる
つぼの中の水平な管状炉において毎分10℃で1350℃まで焼成され、同じ温度に4
時間保持され、次に毎分10℃で1450℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持
された。
ペレットは焼成中に質量が14%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)に
より分析したところ、主としてβ′SiAlONが少量のO′-SiAlONと痕跡量の炭化珪
素と共に存在することが明らかにされた。
実施例2
一定範囲のアルミニウム含有量でβ′SiAlONの合成
実施例1で説明したように、z=0.25,0.5,0.7,1,2のβ′SiAlONを形成す
るための化学量論的混合物を計算し、重量を量り、配合し、押し出し成形し、焼
成した。その生成物をX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてβ′S
iAlONが少量のO′-SiAlONと痕跡量の炭化珪素と共に存在することが明らかにさ
れた。β′SiAlON含有量はzの値と共に増加したが、″z=1″および″z=2″の場
合の試料は完全にβ′SiAlONから構成されていた。
含まれている結晶相はX線回折により測定された。SiAlONのアルミニウム含有
量(一般式Si6-zAlzOzN8-zにおけるzの値により表される)はEkstrom(J Mat S
ci.,24 1989 1853)により開発された急速方法を使うX線回折により測定され
、インダストリアル・リサーチ・リミテッドで採用された。この方法はSiAlONの
1個の回折ピークからzの値を計算する。
実施例3
炭化珪素を還元剤として使用
z=0.5のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下記の方程式に従っ
て重量計量した:
β′SiAlONz=0.5、NZCCハロイサイト粘土、珪素、および炭化珪素から形成。
Al2O32.4SiO2.2.2H2O+13.8Si+15N2+5.8SiC →
4Si5.5Al0.5O0.5N7.5+5.8CO+2.2H2O ↑
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
2gの混合物をめのう乳鉢で手で混合した。乾燥粉末を流動性窒素雰囲気下(毎
分約100ml)の小さなアルミナのるつぼの中の水平な管状炉において、毎分10℃
で1350℃まで焼成され、同じ温度に4時間保持され、
次に毎分10℃で1450℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持された。
試料は焼成中に質量が増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)により分
析したところ、主としてβ′SiAlONが少量のO′-SiAlONと共に存在することが明
らかにされた。
実施例4
合成を促進するためにイットリアを使用
実施例1に示された処方に従って、約0.8%のイットリアを加えて、z=0.5の場
合のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物の重量を計量した(理論的最
終SiAlON質量の%として計算した)。
混合物:6.31gのニュージーランド・チャイナクレー・プレミアムグレードのハ
ロイサイト粘土;
12.16gのパーマスカンドの4D珪素;
1.69gのデグッサ・ランプブラック101 ;
0.2gのシグマ・酸化イットリウム(Y2O3)
は、実施例1に説明されているように、混合され、ペレット状に成形され、焼成
された。
約0.8%のイットリア(理論的最終SiAlON質量の%として計算)を使用したペレ
ットは焼成中に質量が13.2%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)により
分析したところ、β′SiAlONだけ存在することが明らかにされた。
実施例5
合成を促進するためにイットリアを使用
実施例1に記載の混合物をイットリアの含有量(理論的最終SiAlON質量の%と
して計算)0.5%、0.8%、2.4%、3%、5%を使用して20gのバッチを調製した。これ
らを実施例1に記載されているように管状の炉で8時間にわたり、3種類の温度
1350℃、1400℃,1450℃で焼成した。図1に示されるように、その生成物をX線
粉末回折(XRD)により分析したところ、図1に示されるように、主としてβ′SiA
lONが1450℃で存在し、さらに低い温度でO′SiAlONとβ′SiAlONの混合物が存在
することが明らかにされた。イットリアの最適含有量は0.5-2.4%であることが図
2に示されている。
実施例6
合成と助剤焼結を促進するためにイットリアを使用
実施例4に記載の混合物を黒鉛加熱成分を使用する真空焼結炉に備えた垂直の黒
鉛管で焼成した。同じ加熱計画を直径50mmの管で窒素流で使用した。
得られたSiAlONペレットは高密度ポリエチレン(HDPE)瓶とSi3N4粉砕媒体を使
ってエタノール中で16時間にわたりボールミルで粉砕した。
オレイン酸が潤滑圧縮助剤および結合剤として選ばれたが、これは450℃で窒
素中で加熱することにより成形後に試験片から完全に除去できた。オレイン酸は
全乾燥粉末に対して5重量%をボールミルに加え、さ
らに15分間混合物を再び粉砕した。
得られたスラリーを10μmの布で濾過して塊を除去し、実験室磁気撹拌機を使
用してフィルターの布の上部にプラスチックを被覆した磁石を回転させた(付録
の図形の頁参照)。これは磁気粒子を集め、塊を破壊するのに役立ち、塊を除去
された材料は布を通過することができる。
エタノールを含有するスラリーは10μmのフィルターで濾過した後で回転性蒸
発装置でほとんど乾燥される。これは乾燥中の相分離を最小限に抑え、乾燥中の
空気媒介の汚染を防ぐことを意図している。
湿気のある粉末は500μmのふるいを通過させて粒状化してから直径30mmの円盤
状に成形する。これらの円盤は35MPa以下で一軸圧縮され、1組の試料は7MPaで
一軸圧縮され、次に400MPaで低温均衡プレスで圧縮される。
試験試料はN2の雰囲気下で毎分0.5℃で450℃まで加熱され、オレイン酸を除去
し、次に熱工学黒鉛耐性炉において少量のシリカを添加したSiAlON粉末床に埋め
てN2の雰囲気下で毎分20℃で1550℃-1800℃まで焼成し、1時間にわたり上限温
度に維持し、自然に冷却させた。
円盤は、保護用窒素雰囲気下の熱工学黒鉛耐性炉において、1600℃で1時間に
わたり少量のシリカを添加したSiAlON粉末床に埋めて加熱した後、表面部分を除
いては、完全にβ′SiAlON(XRDによる)から構成された。
焼成された試料は磨かれた平行な平面で厚さが1.5mmの円盤であり、リング方
法でボールを使用する二軸強度測定に適する[4]。直径20mm未満の円盤がスチー
ル製ボールの直径17mmのリング上に支えられ、インストロン試験機を使って中央
のボールにより負荷を加えられて破損された。計算上の強度は材料のポアソン比
と共に変動する。弾力性は材料の測定された音響速度から計算された。
窒素下で1700℃で1時間加熱された後、円盤は理論値の0.1%の見かけの気孔率
と93%のかさ密度を示した。ヤング係数は295GPaであり、ポアソン比は0.25であ
ることが判明した。これらの数字は粘土と炭素だけから作られたz=2.7のSiAlON
について得られたものに匹敵する。気孔率を増すと、ヤング係数は一定のままだ
ったが、強度は見かけの気孔率0.37%で583MPaに増加した。
実施例7
珪素熱還元 − 珪素金属を還元剤として使用
z=0.5のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物は下記の方程式による
重量計量した:
β′SiAlONz=0.5、NZCCハロイサイト粘土および珪素から形成。
Al2O32.4SiO2.2.2H2O+25.4Si+15N2→ 4Si5.5
Al0.5O0.5N7.5+5.8SiO+2.2H2O ↑
重量%粘土=28.6%
重量%Si= 71.4%
重量増加= 12.5%
混合物:0.572gのニュージランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレードのハ
ロイサイト粘土;
1.428gのパーマスカンドの4D珪素
2gの混合物をめのう乳鉢で手で混合した。0.4gの円盤(直径10mm)を一軸圧縮
により8MPa圧力で粉末混合物から形成し、流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)
の小さなアルミナのるつぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において、毎分
10℃で1350℃まで焼成され、同じ温度に4時間保持され、次に毎分10℃で1450℃
まで加熱され、その同じ温度に8時間保持された。
試料は焼成中に質量が23.6%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)によ
り分析したところ、主としてβ′SiAlON(z=0.2)が少量の窒化珪素と共に存在す
ることが明らかにされた。
実施例8
イットリア添加した珪素熱還元
z=0.5の場合のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物の重量を実施例
7の方程式により計量し、3重量%の酸化イットリウムを加えた。試料の円盤は
この混合物から形成され、実施例7と同様に焼成された。
試料は焼成中に質量が17%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)により
分析したところ、β′SiAlON(z=0.42)だけが存在することが明らかにされた。
実施例9
β′SiAlONを結合する反応
実施例5の混合物を3%の含有量(理論的最終SiAlON質量の%として計算)のイ
ットリウムと共に2gのバッチで調製した。2gの混合物をめのう乳鉢で手で混合し
た。粉末の混合物から一軸圧縮により8MPa圧力で0.4gの円盤(直径10mm)を形成
し、流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつぼの中の水平
な管状炉(直径40mmの管)において、毎分10℃で1100℃まで焼成され、次に毎分
1℃で1450℃まで加熱され、その同じ温度に12時間保持され、次に自然に冷却さ
れた。
試料は焼成中に質量が16.7%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)によ
り分析したところ、β′SiAlON(z=0.2)が存在することが明らかにされた。
焼成されたペレットのかさ密度および開口気孔率は水に浸して測定された:
かさ密度=1.6g/cm3
見かけの気孔率=46.2%
実施例10
炭化珪素をβ′SiAlONで接合する反応
混合物: 60%のナバッロ36グリットの炭化珪素(SiC)
40%の実施例9の混合物
2gの混合物をめのう乳鉢で手で混合した。0.4gの円盤(直径10mm)を粉末混合
物から形成し、実施例9と同様に焼成した。
試料は焼成中に質量が12.9%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)によ
り分析したところ、主としてSiCとβ′SiAlONが存在することが明らかにされた
。焼成されたペレットのかさ密度および開口気孔率は水に浸して測定された:
かさ密度=2.1g/cm3
見かけの気孔率=31.1%
実施例11
α′SiAlONの1工程の合成
混合物:1.063gのニュージランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレードの
ハロイサイト粘土;0.655gのパーマスカンドの4D珪素;0.348gのデグッサ・ラ
ンプブラック101 ;0.19gのシグマ・酸化イットリウム(Y2O3)
この粉末混合物を熱工学黒鉛耐性炉に埋めてN2の雰囲気下で毎分20℃で1600
℃まで小さなアルミナのるつぼの中で焼成し、1時間にわたり上限温度に維持し
、
自然に冷却させた。
その生成物をX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてα′SiAlON
とβ′SiAlONおよびメリライト(ICDD JCPDS 28-1457)が存在することが明らか
にされた。
実施例12
方解石、粘土、珪素、炭素を窒素と反応させてCa α′SiAlONの合成
m=1.5、n=0.75であるCa α′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下
記の方程式に従って重量計量した:
Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5を形成するための珪素熱/炭素熱還元および窒化
0.75CaCO3+1.125Al2O32.4SiO2.2.2H2O+7.05Si
+8.78C → Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5+8.78
CO+0.75CO2+2.475H2O
重量%方解石=6.86%
重量%粘土=29.36%
重量%Si= 38.70%
重量C= 25.08%(+10%=27.59%)
重量損失=15.7%
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
混合物:2.54gのBDHケミカル・リミテッドの分析用
試薬方解石;
10.89gのニュージーランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレードの
ハロイサイト粘土;
6.71gのパーマスカンドの4D珪素;
3.925gのデグッサ・ランプブラック101。
この混合物は約400gの直径10mmのSi3N4ボールと70gのヘキサンと共に1リッ
トルの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶において17時間にわたり約150rpmでボールミ
ルにより混合された。ヘキサン溶剤は回転蒸発により除去された。乾燥した粉末
は直径3mmのスチールの円盤で8MPaに一軸圧縮され、約0.3gの重量のペレットを
成形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で600℃まで焼成され、
同じ温度に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に
2時間保持され、次に毎分5℃で1550℃まで加熱され、その同じ温度に7時間保持
され、次に炉の自然の冷却速度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され
、その後、室温まで冷却されてから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が22.5%増加したが、その生成物を図4に示されるよ
うにX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてCaα′SiAlONが少量の
β′-SiAlONと共に存在することが図3添付のXRD図形
に示されるように明らかにされた。
実施例13
方解石、粘土、珪素を窒素と反応させてCa α′SiAlONの合成
m=1.5、n=0.75であるCa α′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下
記の方程式に従って重量計量した:
Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5を形成するための珪素熱還元および窒化
0.75CaCO3+1.125Al2O32.4SiO2.2.2H2O+7.05Si
+8.78Si (R) → Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1. 5
+8.78SiCO+0.75CO2+2.475H2O
SiO蒸気を形成すると予想される珪素は別にSi(R)として表されている。
重量%方解石=8.93%
重量%粘土=38.21%
重量%Si=23.55%
重量%Si(R)=29.31%
合計%Si=52.86%
重量損失=29.8%
混合物:2.54gのBDHケミカル・リミテッドの分析用試薬方解石;
10.89gのニュージーランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレード
のハロイサイト粘土;
15.065gのパーマスカンドの4D珪素。
この混合物は約400gの直径10mmのSi3N4ボールと70gのヘキサンと共に1リット
ルの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶において17時間にわたり約150rpmでボールミル
により混合された。ヘキサン溶剤は回転蒸発により除去された。乾燥した粉末は
直径3mmのスチールの円盤で8MPaに一軸圧縮され、約0.3gの重量のペレットを成
形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成されそ
の同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温度
に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間保
持され、次に毎分1℃で1250℃まで加熱され、その同じ温度に4時間保持され、次
に毎分1℃で1400℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に毎分5℃
で1650℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に炉の自然の冷却速
度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され、その後、室温まで冷却され
てから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が33.8%増加したが、その生成物を図4に示されるよ
うにX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてCaα′SiAlONが少量の
β′-SiAlONと共に存在することが明らかにされた。
実施例14
方解石、粘土、珪素および炭化珪素を窒素と反応させてCa α′SiAlONの合成
m=1.5、n=0.75であるCa α′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下
記の方程式に従って重量計量した:
Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5を形成するための珪素熱/炭素熱還元および窒化
0.75CaCO3+1.125Al2O32.4SiO2.2.2H2O+7.05Si
+4.39SiC → Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5+4.
39SiO+4.39CO+2.475H2O+0.75CO2
炭化珪素は還元剤として添加された。
重量%方解石=9.86%
重量%粘土=42.21%
重量%Si=21.76%
重量%SiC =21.76%(+10%=23.93%)
重量損失=22.4%
混合物:0.13gのBDHケミカル・リミテッドの分析用試薬方解石;
0.545gのニュージーランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレード
のハロイサイト粘土;
0.309gのナバッロ#1000 C5炭化珪素;
0.336gのパーマスカンドの4D珪素。
この混合物はめのう乳鉢で手で乾燥粉砕することにより混合された。得られた
乾燥粉末を直径13mmのスチール円盤において8MPaに一軸圧縮して重量0.3gのペレ
ットを成形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成されそ
の同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温度
に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間保
持され、次に毎分1℃で1250℃まで加熱され、その同じ温度に4時間保持され、次
に毎分1℃で1400℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に毎分5℃
で1650℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に炉の自然の冷却速
度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され、その後、室温まで冷却され
てから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が36.7%増加したが、その生成物を図5に示されるよ
うにX線粉末回折(XRD)により分析したところ、Caα′SiAlONが存在することが
明らかにされた。
実施例15
リシア輝石(LiAlSi2O6)、粘土、珪素および炭素を窒素と反応させることによ
りLiα′SiAlONとβ′SiAlONとの複合体の合成
m=1.5、n=0.75であるLiα′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下記
の方程式に従って重量計量した:
Li0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5を形成するための珪素熱/炭素熱還元および窒化
1.5LiAlSi2O6+0.375Al2O32.4SiO2.2.2H2O+
5.85Si+11.18SiC → Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1. 5
+11.18CO+0.825H2O
重量%リシア輝石=41.47%
重量%粘土=15.91%
重量%Si=24.41%
重量%C =18.32%(+10%=20.16%)
重量損失=15.4%
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
混合物:0.49gのリシア輝石;
0.188gのニュージーランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレード
のハロイサイト粘土;
0.288gのパーマスカンドの4D珪素;
0.238gのデグッサ・ランプブラック101。
この混合物はめのう乳鉢で手で乾燥粉砕することにより混合された。得られた
乾燥粉末を直径13mmのスチール円盤において8MPaに一軸圧縮して重量0.3gのペレ
ットを成形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成され、
その同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温
度に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間
保持され、次に毎分1℃で1250℃まで加熱され、その同じ温度に4時間保持され、
次に毎分1℃で1400℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に毎分5
℃で1650℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持され、次に炉の自然の冷却
速度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され、その後、室温まで冷却さ
れるにまかせてから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が32.9%増加したが、その生成物を図6に示されるよ
うにX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてβ′SiAlONが少量のLi
α′SiAlONと共に存在することが明らかにされた。結果は効果的にLiα′SiAlON
とβ′SiAlONとの複合体であった。
実施例16
イットリウム、粘土、珪素、炭素を窒素と反応させてYα′SiAlONとβ′SiAlON
との複合体の合成
m=1.5、n=0.75であるYα′SiAlONを形成するための化学量論的混合物を下記の
方程式に従って重量計量した:
Ca0.75Si9.75Al2.25O0.75N1.5を形成するための珪素熱/炭素熱還元および窒化
0.25Y2CO3+1.125Al2O32.4SiO2.2.2H2O+7.05
Si+8.78C → Y0.5Si9.75Al2.25O0.75N1.5+8.
78CO+2.475H2O
重量%イットリウム=5.25%
重量%粘土=29.86%
重量%Si= 39.37%
重量C= 25.51%(+10%=28.06%)
重量損失=43.8%
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
混合物:1.87gのHCスターク・ファイングレード・ロット1/94酸化イットリウム
;
10.63gのニュージーランド・チャイナクレイズ・プレミアムグレードの
ハロイサイト粘土;
14.015gのパーマスカンドの4D珪素;
9.981gのデグッサ・ランプブラック101。
この混合物は約400gの直径10mmのSi3N4ボールと70gのヘキサンと共に1リット
ルの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶において17時間にわたり約150rpmでボールミル
により混合された。ヘキサン溶剤は回転蒸発により除去された。乾燥した粉末は
直径3mmのスチールの円盤で8MPaに一軸圧縮され、約0.3gの重量のペレットを成
形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径
40mmの管)において毎分5℃で600℃まで焼成され、同じ温度に1時間保持され、
次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃
で1450℃まで加熱され、その同じ温度に7時間保持され、次に炉の自然の冷却速
度で室温まで冷却されてから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が16.6%増加したが、その生成物を図7に示されるよ
うにX線粉末回折(XRD)により分析したところ、主としてYα′SiAlONがほぼ等量
のβ′-SiAlONと共に存在することが明らかにされた。
実施例17
α′SiAlONの合成に及ぼす少量の添加剤の効果
少量(2容量%)の金属酸化物を添加すると反応を促進する。2容量%のジルコニ
ウム、イットリウム、酸化第一銅および赤鉄鋼のそれぞれを別個に添加したとこ
ろ、実施例12と13に記載の混合物からα′SiAlONを形成するのを促進した。
実施例12に記載の混合物20gから取られた細分試料に2容量%に等しいジルコ
ニウムを添加した。
混合物:0.010gのトーソーTZ-0ジルコニアZrO2
0.337gの混合物A21 (方解石+粘土+珪素+炭素)実施例12からのもの
この混合物はめのう乳鉢で手で乾燥粉砕することにより混合された。得られた
乾燥粉末を直径13mmのスチール円盤において8MPaに一軸圧縮して重量約0.3gのペ
レットを成形した。
このペレット(21A13)は混合物A21(2113)(実施例12からの方解石+粘土+珪素
+炭素)と共に流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつぼの
中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成され、その
同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温度に
1時間保持され、次に毎分5℃で1400℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持
され、次に炉の自然の冷却速度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され
、その後、室温まで冷却されてから試料を回収した。
ジルコニウムを添加したペレット21A13は焼成中に質量が24.0%減少し、ジルコ
ニウムを添加しなかったペレット2113は焼成中質量が24.8%減少した。その生成
物をX線粉末回折(XRD)により分析したところ、両方の試料中にCaα′SiAlONと
β′SiAlONが存在したが、ジルコニウムを添加したペレット21A13のCaα′SiAlO
N含有量のほぼ2倍であることが明らかにされた。
図8はジルコニウムを添加しない場合のXRDの図形を示す。
図9はジルコニウムを添加した場合のXRDの図形を示す。
実施例18
α′SiAlONの合成に及ぼす大量のセラミック添加剤の
効果
実施例12に記載の混合物20gから取られた細分試料に50容量%に等しい窒化ア
ルミニウムを添加した。
混合物:0.149gの窒化アルミニウムHCスターク
0.198gの実施例12の混合物A21 (方解石+粘土+珪素+炭素)
この混合物はめのう乳鉢で手で乾燥粉砕することにより混合された。得られた
乾燥粉末を直径13mmのスチール円盤において8MPaに一軸圧縮して重量約0.3gのペ
レットを成形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成され、
その同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温
度に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間
保持され、次に毎分5℃で1100℃まで加熱され、次に毎分1℃で1450℃まで加熱さ
れ、その同じ温度に8時間保持され、次に炉の自然の冷却速度が毎分10℃より遅
くなるまで毎分10℃で冷却され、その後、室温まで冷却されるにまかせてから試
料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が3.9%減少し、その生成物をX線粉末回折(XRD)によ
り分析したところ、図10に示されるように、等量のCaα′SiAlONとAlNが存在す
ることが明らかにされた。
実施例19
α′SiAlONの合成に及ぼす大量の粗粒状セラミック添加剤の効果
炭化珪素がここで使用する粗粒状セラミック添加剤であり、これは反応接合複
合体生成物の製造の可能性を実証する。
実施例12に記載の混合物20gから取られた細分試料に50容量%に等しい窒化珪
素を添加した。
混合物:0.148gのナバッロ80メッシュC5炭化珪素
0.199gの実施例12の混合物A21 (方解石+粘土+珪素+炭素)
この混合物はめのう乳鉢で手で乾燥粉砕することにより混合された。得られた
乾燥粉末を直径13mmのスチール円盤において8MPaに一軸圧縮して重量約0.3gのペ
レットを成形した。
このペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのるつ
ぼの中の水平な管状炉(直径40mmの管)において毎分5℃で110℃まで焼成されそ
の同じ温度に2時間保持され、次に毎分5℃で600℃まで焼成され、その同じ温度
に1時間保持され、次に毎分5℃で800℃まで加熱され、その同じ温度に2時間保
持され、次に毎分5℃で1100℃まで加熱され、次に毎分1℃で1250℃まで加熱され
、その同じ温度に4時間保持され、次に毎分1℃で1450℃まで加熱され、その同じ
温度に8時間保持され、次に炉の自然の冷却
速度が毎分10℃より遅くなるまで毎分10℃で冷却され、その後、室温まで冷却す
るにまかせてから試料を回収した。
ペレットは焼成中に質量が12.3%減少し、その生成物をX線粉末回折(XRD)によ
り分析したところ、図11に示されるように、等量のCaα′SiAlONと炭化珪素が少
量のβ′SiAlONと共に存在することが明らかにされた。
実施例20
粘土、珪素および炭素を窒素と反応させてβ′SiAlONとO′SiAlONの合成
z=0.5のβ′SiAlONを形成するための化学量論的混合物の重量を下記の方程
式により計量した。
β′SiAlONz=0.5、NZCCハロイサイト粘土、珪素、および炭素から形成。
Al2O32.4SiO2.2.2H2O+19.6Si+15N2+5.8C →4S
i5.5Al0.5O0.5N7.5+5.8CO+2.2H2O↑重量%
粘土=31.53%
重量%Si=60.79%
重量%C=7.68%(+10%=8.45%)
重量増加=24.06%
追加の炭素(必要量の10%)は少量の飛沫同伴され物理的に結合された空気と水
を保護するために加えられた。
混合物:6.31gのニュージーランド・チャイナクレイ
ズ・プレミアムグレードのハロイサイト粘土;
12.16gのパーマスカンドの4D珪素;
1.69gのデグッサ・ランプブラック101。
20gの混合物は約400gの直径10mmのSi3N4ボールと70gのヘキサンと共に1リッ
トルの高密度ポリエチレン(HDPE)瓶において17時間にわたり約150rpmでボールミ
ルにより混合された。ヘキサン溶剤は回転蒸発により除去された。乾燥した粉末
は水で可塑化され、3mmの円形のオリフィスを通って押し出し成形され、円筒状
のロッドを生成し、これを110℃で乾燥してから長さ10-20mmの短縮形(またはペ
レット)に切断した。
2つのペレットは流動性窒素雰囲気下(毎分約100ml)の小さなアルミナのる
つぼの中の水平な管状炉において毎分10℃で1350℃まで焼成され、同じ温度に4
時間保持され、次に毎分10℃で1450℃まで加熱され、その同じ温度に8時間保持
された。
ペレットは焼成中に質量が22.3%増加したが、その生成物をX線粉末回折(XRD)
により分析したところ、図12に示されるように、ほぼ等量のβ′SiAlONとO′-Si
AlONと痕跡量の炭化珪素が存在することが明らかにされた。
実施例21
β′SiAlONと他のSiAlON化合物との合成
発明のパラメータが与えられると、下記の組成を使用して合成することにより
、β′SiAlONと他のSiAlON
化合物との複合体が本発明方法により形成される。
混合物1
粘土 72.84%
珪素 11.90%
炭素 15.26%
この混合物はここに記載の方法により反応させると、約87%のβ′SiAlONと約1
3%のX相SiAlONを形成する。
混合物2
粘土 55.33%
珪素 39.30%
炭素 5.17%
この混合物はここに記載の方法により反応させると、約47%のβ′SiAlON、約4
7%のO′SiAlON、および6%のX相SiAlONを形成する。
以上は本発明の好ましい形態を説明しており、本発明の範囲は説明した特定の
形態に限定されるものではない。当該技術に精通した者にとって自明であるよう
に、添付の請求の範囲に限定されているとおり、本発明の精神または範囲を逸脱
することなく記載されている本発明の形態に対して変更修正が行われてもよい。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
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Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
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