JP2841298B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JP2841298B2
JP2841298B2 JP62228791A JP22879187A JP2841298B2 JP 2841298 B2 JP2841298 B2 JP 2841298B2 JP 62228791 A JP62228791 A JP 62228791A JP 22879187 A JP22879187 A JP 22879187A JP 2841298 B2 JP2841298 B2 JP 2841298B2
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【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】 本発明は、磁気テープ等の磁気記録媒体に関し、さら
に詳細には非磁性支持体上に形成される磁性層に含まれ
る結合剤の改良に関するものである。 【従来の技術】 一般に磁気記録媒体は、ポリエステルフィルム等の非
磁性支持体上に強磁性粉末や結合剤、分散剤、潤滑剤等
を有機溶剤に分散混練してなる磁性塗料を塗布したり、
強磁性金属を真空蒸着等の手段により直接被着する等の
方法によりその磁性層が形成されている。 上記磁性層中に含まれる結合剤としては、耐摩耗性に
優れるポリウレタン樹脂が多用されている。さらにこの
ポリウレタン樹脂の軟化点を上昇させて耐熱性を向上さ
せるため、ポリウレタン樹脂の合成時にウレタン基濃度
を増加させることも行われている。 【発明が解決しようとする課題】 ところで、高分子材料の軟化はからみ合った分子鎖が
ほぐれて流動性を帯びることから生ずるが、このからみ
合いの緩和時間はその分子量によって非常に急激に変化
するので、分子量が大きくなるほど一般にその高分子材
料は高い軟化点を示すようになる。一方、ミクロブラウ
ン運動は分子鎖全体が動く性質のものではないので、そ
の緩和時間は分子量に大きくは依存せず、したがってTg
もあまり変化しない。しかし、このTg付近では高分子材
料の物性が非常に大きく変化し、Tgを越えると液体性を
帯びるようになるため、高分子の熱安定性を論じるため
には軟化点のみならずTgを考慮することも必要である。
したがって、従来のように軟化点のみを上昇させる工夫
をしても、Tgがほとんど変化していなければ熱安定性の
改善効果は充分とは言えない。 Tgの低い結合剤を磁気記録媒体に使用すると、摩擦係
数が大きくなる、粘着性が増大する、あるいはTg付近よ
り急激に物性が変化して高温域における耐久性が劣化す
る等の欠点が生ずる。 これを避けるために、逆にTgの高い高分子材料を結合
剤として使用すると、塗膜が脆くなって脱落したり、多
数回走行後の摩擦係数が増大し、かえって耐久性が低下
するという問題がある。 そこで、上述のようなTgの高い結合剤の耐久性を向上
させるために、従来広く用いられているトリレンジイソ
シアナート系の硬化剤を添加することが考えられる。し
かし、これらの硬化剤は磁気記録媒体の特性に影響を及
ぼさない温度域(60℃付近あるいはそれ以下)では十分
に架橋反応を起こさないので、上述の問題点はほとんど
解決されていないのが実情である。 そこで本発明は、Tgの高い結合剤を使用しても充分に
架橋された塗膜が形成され、しかも耐久性,走行性等に
優れる磁気記録媒体の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 本発明は、上述の目的を達成するために提案されたも
のである。すなわち、本発明にかかる磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とする磁
性層を有する磁気記録媒体であって、上記結合剤全体の
ガラス転移点Tgが60℃以上であり、かつヘキサメチレン
ジイソシアナート系硬化剤により硬化(架橋)されてい
ることを特徴とするものである。 ここで、ガラス転移点Tgが60℃以上である結合剤は、
単一の高分子材料であっても、また複数の高分子材料の
混合物であっても良い。 本発明にかかる磁気記録媒体においては、磁性層に含
まれる結合剤全体のTgが60℃以上であり、かつヘキサメ
チレンジイソシアナート系の硬化剤により架橋されてい
る。この硬化剤は、従来硬化剤として多用されているト
リレンジイソシアナート系硬化剤よりも低温で効率の良
い架橋反応を起こすことができる。したがって磁性層の
磁気特性等を損なうことなく耐久性,走行性等に優れる
磁気記録媒体の提供が可能となる。 【発明の実施の形態】 本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に強磁性粉
末と結合剤とを主体とする磁性層を有するものであり、
上記結合剤全体のガラス転移点7Tgが60℃以上とされ、
かつ上記結合剤がヘキサメチレンジイソシアナート系硬
化剤により硬化されている。 【実施例】 本発明の効果を確認するべく、磁気記録媒体サンプル
としてサンプルテープを作成し、その耐久性を調査し
た。 すなわち、まず、表1に示す組成にしたがって結合剤
A〜結合剤Dを調製した。この表1中、MDIとはジフェ
ニルメタンジイソシアナートの略号を表す。なお比較の
ために、全体のTgが60℃よりも低い結合剤aないし結合
剤cも併せて調製した。なおガラス転移点(Tg)は、ト
ーショナルブレードアナライザー(理学電気社製)を使
用して測定した。 次に、全体のTgが60℃以上の結合剤とヘキサメチレン
ジイソシアナート系硬化剤とを含有する磁性層を有する
磁気記録媒体を作成した。 そのために、まず、上述の結合剤A〜結合剤Dのいず
れかを使用し、以下の組成にしたがって磁性塗料組成物
を調製した。 磁性塗料組成物組成 Co被着γ−Fe2O3 100重量部 結合剤(A〜D) 24重量部 カーボンブラック(帯電防止剤) 2重量部 Cr2O3(研磨剤) 2重量部 ステアリン酸(分散剤) 1重量部 ステアリン酸ブチル(防錆剤) 1重量部 メチルエチルケトン 100重量部 メチルイソブチルケトン 60重量部 トルエン 60重量部 次に、上記組成物をボールミルにて24時間混合し、所
定のヘキサメチレンジイソシアナート系硬化剤を4〜12
重量部の範囲で所定量添加してさらに15分間混合して各
種磁性塗料を得た。そして、これを14μm厚のポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に乾燥後の膜厚が6μm
となるように塗布した。次いで、磁場配向処理を行った
後、乾燥して巻取った。さらにスーパーカレンダー処理
を行った後、1/2インチ幅に裁断して各種サンプルテー
プを作成した。 なお、上記ヘキサメチレンジイソシアナート系硬化剤
としては、日本ポリウレタン工業(株)社製のコロネー
トHL(トリメチロールプロパンのヘキサメチレンジイソ
シアナート付加物であり、以下、HLと称する。)および
コロネートEH(イソシアヌル酸エステル型ヘキサメチレ
ンジイソシアナート三量体であり、以下、EHと称する)
を使用した。 上述の各サンプルテープの磁性層における結合剤(A
〜D)と硬化剤(HLまたはEH)の組合わせおよび使用量
は表2に示す通りであり、このようなサンプルテープを
実施例1〜9と称することとする。 上述の実施例1〜実施例9の各サンプルテープについ
て、摩擦係数およびスチル特性を測定した。摩擦係数は
温度25℃,相対湿度70%の条件下と温度40℃,相対湿度
70%の条件下において、テープ速度5mm/秒,荷重20gに
て各サンプルテープの磁性層表面と1Sステンレスドラム
との間に生ずる摩擦をそれぞれ測定して求めた。またス
チル特性は、温度25℃と40℃の条件下において各サンプ
ルテープに4.2MHzの映像信号を記録し、再生出力が50%
に減衰するまでの時間(分)とした。これらの結果も表
2に併せて示す。 表2の結果をみると、同一の結合剤に対して同一の濃
度で硬化剤を添加した場合、HLあるいはEHのどちらの硬
化剤によってもほぼ同様に良好な結果が得られることが
わかる。また、実施例3ないし実施例5のように結合剤
と硬化剤の組合わせが決まっている場合、4〜12重量部
の範囲で硬化剤の濃度を増加させてもほぼ特性は近似し
ているので、この程度が実用的な濃度範囲と考えられ
る。 さらに、各サンプルテープの25℃における特性と40℃
における特性を比較すると、40℃において摩擦係数の値
がやや上昇し、スチル特性がやや劣化するものの、いず
れのサンプルテープも極めて安定した耐久性を有してい
ることがわかる。 次に、比較のために、磁性層における結合剤あるいは
硬化剤のいずれか、または双方が本発明において限定す
る材料ではない磁気記録媒体を製造した。すなわち、全
体のTgが60℃以上の結合剤を本発明において限定する硬
化剤ではないトリレンジイソシアナート系硬化剤と組合
わせて磁性層を形成したサンプルテープ(比較例1〜比
較例6)、本発明において限定する結合剤ではない全体
のTgが60℃未満の結合剤a〜結合剤cとヘキサメチレン
ジイソシアナート系硬化剤を組合わせて磁性層を形成し
たサンプルテープ(比較例8,10,12)、および全体のTg
が60℃未満の結合剤a〜結合剤cとトリレンジイソシア
ナート系硬化剤を組合わせて磁性層を形成したサンプル
テープ(比較例7,9,11)を製造した。 具体的には、まず、上述の結合剤A〜結合剤Dおよび
結合剤a〜結合剤cのいずれかを使用し、実施例1〜実
施例9の製造に使用した磁性塗料組成物と同様にして各
磁性塗料組成物を調製した。 次に、各磁性塗料組成物を使用し、実施例1〜実施例
9と同様にして各種サンプルテープを作成した。このと
き、硬化剤としては上述のHL,EHの他、従来広く使用さ
れているトリレンジイソシアネート系硬化剤である日本
ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(トリメチロ
ールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物であ
り、以下、Lと称する。)も使用した。 上述の各サンプルテープの磁性層における結合剤(A
〜Dおよびa〜c)と硬化剤(HL,EH,L)の組合わせお
よび使用量は表3に示す通りであり、このようなサンプ
ルテープを比較例1〜12と称することとする。 続いて、これら比較例1〜比較例12の各サンプルテー
プについて、実施例1〜実施例9の場合と同様に摩擦係
数およびスチル特性を測定した。これらの結果も表3に
併せて示す。 表3の結果から、Tgが60℃以上の結合剤と従来多用さ
れているトリレンジイソシアネート系硬化剤を併用した
場合(比較例1〜比較例6)には、摩擦係数は比較的小
さくすることができるがスチル特性は著しく劣化するこ
とがわかる。特に40℃におけるスチル特性は25℃の場合
の半分以下に低下しており、これらのサンプルテープが
耐熱性に劣っていることを示している。 なお、全体のTgが60℃未満の結合剤とヘキサメチレン
ジイソシアナート系硬化剤を併用した場合(比較例8,1
0,12)には、比較例1〜比較例6の場合よりもスチル特
性はやや改善されるものの、摩擦係数が大きくなる。 また、全体のTgが60℃未満の結合剤と従来多用されて
いるトリレンジイソシアネート系硬化剤を併用した場合
(比較例7,9,11)にも、比較例1〜比較例6の場合より
もスチル特性はやや改善されるものの、摩擦係数は大き
い。さらにこれらの結果を比較例8,10,12の同一の結合
剤を使用した場合と個々に比較すると、結合剤の種類に
関係なく、トリレンジイソシアナート系硬化剤を利用し
た場合の方が概して特性が向上する傾向がみられる。こ
のことは、ヘキサメチレンジイソシアナートは全体のTg
が60℃以上の結合剤と組合わせて使用された時に初めて
所望の効果を現すことを示唆している。 【発明の効果】 以上の説明からも明らかなように、本発明において
は、磁気記録媒体の磁性層に含まれる結合剤として全体
のガラス転移点Tgが60℃以上でありかつヘキサメチレン
ジイソシアナート系硬化剤により硬化されている結合剤
が使用されている。これにより、得られる磁気記録媒体
の耐久性,走行性が改善される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−13223(JP,A) 特開 昭62−248127(JP,A) 特開 平2−218014(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非磁性支持体上に強磁性粉末と結合剤とを主体とす
    る磁性層を有する磁気記録媒体において、 上記結合剤全体のガラス転移点Tgが60℃以上であり、か
    つヘキサメチレンジイソシアナート系硬化剤により硬化
    されていることを特徴とする磁気記録媒体。
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