JP2835963B2 - 車両のアンチロック制御装置 - Google Patents

車両のアンチロック制御装置

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JP2835963B2
JP2835963B2 JP14205389A JP14205389A JP2835963B2 JP 2835963 B2 JP2835963 B2 JP 2835963B2 JP 14205389 A JP14205389 A JP 14205389A JP 14205389 A JP14205389 A JP 14205389A JP 2835963 B2 JP2835963 B2 JP 2835963B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車両の制動時における車輪のロックを防止
するためのアンチロック制御方法に係わり、特に悪路に
おける制動特性を改良したアンチロック制御装置に関す
る。
(従来技術) 一般に車両のアンチロック制御装置は、制動時におけ
る車両の操舵性、走行安定性の確保および制動距離の短
縮を目的として、車輪速度センサで検出された車輪速度
をあらわす電気信号にもとづいてブレーキ液圧の制御モ
ードを決定して、常開型電磁弁よりなるホールドバルブ
および常閉型電磁弁よりなるディケイバルブを開閉し、
これによりブレーキ液圧を加圧、保持または減圧するよ
うにマイクロコンピュータを含むコントロールユニット
で制御している。
第8図はこのようなアンチロック制御における車輪速
度Vw、車輪加速度・減速度dVw/dtおよびブレーキ液圧Pw
の変化と、ホールドバルブおよびディケイバルブを開閉
するためのホールド信号HSおよびディケイ信号DSを示す
制御状態図である。
車両の走行中においてブレーキが操作されていない状
態では、ブレーキ液圧Pwは加圧されておらず、かつホー
ルド信号HSおよびディケイ信号DSがともにOFFであるか
ら、ホールドバルブは開、ディケイバルブは閉の状態に
あるが、ブレーキ操作に伴ってブレーキ液圧Pwは時点t0
から加圧されて急上昇し(通常モード)、これにより車
輪速度Vwは減少して行く。車輪の減速度(負の加速度)
dVw/dtが時点t1において所定の閾値、例えば−1.1Gに達
すると、この時点t1からアンチロック制御が開始され
る。一方、時点t1において車輪速度Vwに対して一定の速
度ΔVだけ低い速度(Vw−ΔV)から−1.1Gの減速勾配
θをもって直線的に減少して行く擬似車輪速度Vfが設定
される。そして車輪の減速度dVw/dtが所定の最大減速度
をあらわす閾値−Gmaxに達した時点t2においてホールド
信号HSをONにしてホールドバルブを閉じ、ブレーキ液圧
Pwを保持する。
このブレーキ液圧Pwの保持により車輪速度Vwはさらに
減少して、時点t3において車輪速度Vwと擬似車輪速度Vf
とが等しくなるが、この時点t3においてディケイ信号DS
をONにしてディケイバルブを開き、ブレーキ液圧Pwの減
圧を開始する。この減圧により、車輪速度は時点t4にお
けるローピークを境にして加速に転じるが、このローピ
ーク時点t4において、ディケイ信号DSをOFFとし、ディ
ケイバルブを閉じてブレーキ液圧Pwの減圧を終了してブ
レーキ液圧Pwを保持する。時点t7で車輪速度Vwがハイピ
ークに達するが、この時点t7から再びブレーキ液圧Pwの
加圧を開始する。ここでの加圧は、ホールド信号HSを比
較的小刻みにON・OFFすることにより、ブレーキ液圧Pw
の加圧と保持とを交互に反復し、これによりブレーキ液
圧Pwを緩慢に上昇させて車輪速度Vwを減少させ、時点t8
(t3対応)から再び減圧モードを発生させる。なお、減
圧開始時点t3における車輪速度Vaとローピーク速度Vlと
の速度差Yの15%に相当する量だけローピーク速度Vlか
ら増加した速度Vb(=Vl+0.15Y)にまで回復した時点t
5と、上記速度差Yの80%に相当する量だけローピーク
速度Vlから増加した速度Vc(=Vl+0.8Y)にまで回復し
た時点t6とが検出され、時点t7から開始される最初の加
圧の期間Txは、上記時点t5とt6との間の期間ΔTにおけ
る平均加速度(Vc−Vb)/ΔTの算出にもとづく路面摩
擦係数μの判定によって決定され、その後の保持期間ま
たは加圧期間は、これら保持または加圧の直前において
検出された車輪減速度dVw/dtにもとづいて決定される。
以上のようなブレーキ液圧Pwの加圧、保持および減圧の
組合せによって、車輪をロックさせることなく車輪速度
Vwを制御して車体速度を減少させることができる。
ところで、上述のようなアンチロック制御装置を備え
ている車両が凹凸の多い悪路を走行する場合、車輪は頻
繁に空中に浮いた状態になるため、そのときにブレーキ
が作動されていると、空中にある車輪は急激に減速し、
また急激に減速した車輪が接地すると再び回転を開始す
ることになるため、車輪速度の変化は通常の道路におけ
る場合とは異なる様相を示すものである。すなわち、悪
路走行時には、通常の場合よりも制御サイクルが早くな
るとともに車輪速度Vwの速度変化の振幅も大きくなる。
従って、従来のアンチロック制御においては、前述の
ような悪路走行時にブレーキをかけてアンチロック制御
が開始された場合、悪路に基因する車輪速度変化をアン
チロック制御により制御された車輪速度と誤認して制御
性の悪化を招くのみでなく、車輪の速度変化により、頻
繁に減圧が開始されるため、ブレーキ液圧が上昇せず制
動距離が伸びてしまうという問題があった。そこで従
来、例えば特開昭63−232059号公報に開示されているよ
うに、悪路判定の判定基準として車高の上下変化をも加
味したアンチスキッド制御方法が提案されているが、上
述した問題点の根本的解決とはならなかった。
(発明の目的) 本発明は、的確な悪路判定を行なうことにより、前述
のような悪路での制動時におけるブレーキ液圧の早期減
圧開始を防止し、制動力を確保することができるアンチ
ロック制動装置を提供することを目的とする。
(発明の構成) 上記目的を達成するために、本発明では、車輪速度の
周期的変動を検出する手段と、車両のばね下部の周期的
上下振動を検出する手段とを備え、アンチロック制動時
において上記車輪速度の変動状態と上記ばね下部の上下
振動状態とを比較して、両者が同期したと判定された場
合、これに応答してブレーキ液圧の減圧を制限するよう
にしている。
(実 施 例) 以下、本発明の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例の実施に使用する3系統
アンチロック制御装置の構成ブロック図である。図にお
いては、1は左前輪速度センサ、2は右前輪速度セン
サ、3は左後輪速度センサ、4は右後輪速度センサであ
る。これら車輪速度センサ1〜4の出力は演算回路5〜
8に送られて演算され、各車輪速度Vw1〜Vw4をあらわす
信号が得られる。これら4つの車輪速度のうち左前輪速
度Vw1および右前輪速度Vw2をあらわす信号は第1および
第2系統速度Vs1、Vs2をそれぞれあらわす信号として制
御ロジック回路9、10に送られる。また左後輪速度Vw3
および右後輪速度Vw4のうちの低速側の車輪速度がロー
セレクト回路11で選択され、これが第3系統速度Vs3を
あらわす信号として制御ロジック回路12に送られる。
また、各車輪速度Vw1〜Vw4をあらわす信号は擬似車体
速度演算回路13に送られ、ここで4つの車輪速度Vw1〜V
w4のうちの最速の車輪速度が選択され(ハイセレク
ト)、さらにこの最速車輪速度の追従限界を±1Gに限定
した速度が擬似車体速度Vvとして算出される。このよう
にして得られた擬似車体速度Vvをあらわす信号は、各制
御ロジック回路9、10、12に送られる。またこの信号
は、擬似車体速度Vvの減速勾配を判定する擬似車体速度
減速勾配判定回路14に送られ、この減速勾配をあらわす
信号は、各制御ロジック回路9、10、12に送られる。
一方、悪路成立条件の成否を判定する悪路判定部15、
16、17、18が設けられている。また、左前輪、右前輪、
左後輪、右後輪の各ばね下部にはそれぞれ上下Gセンサ
31〜34が設けられており、これらGセンサ31〜34は各ば
ね下部の上下振動の加速度・減速度を検出して、悪路判
定部15〜18にそれぞれ出力する。悪路判定部15〜18は、
上記車輪速度演算回路5〜8からの信号と、上記Gセン
サ31〜34からの信号とをそれぞれ受けて悪路成立条件の
成否を判定し、悪路判定が成立したときは、それをあら
わす信号を制御ロジック回路9、10、12に出力する。
制御ロジック回路9、10および12は、各系統速度Vs1
〜Vs3および擬似車体速度Vvをあらわす信号にもとづい
て各系統のホールドバルブおよびディケイバルブのオ
ン、オフ制御を行なっている。とくにディケイバルブの
オン制御を開始する減圧開始点を判定するため、各系統
ごとに減圧開始点判定部19、20、21が設けられ、これら
の減圧開始点判定部19〜21は、それぞれ各制御ロジック
回路9、10、12の出力端子とスイッチSW1〜SW3を介して
接続され、これらの回路9、10、12の入力端子と直接に
接続されている。そして、上記スイッチSW1〜SW3は、各
系統別に、アンチロック制御非作動時(第1番目の制御
サイクルにおける減圧が開始されるまでの間)または加
圧モードのときはONとなり、減圧開始判定部19〜20で減
圧開始点が判定されると、その減圧開始点から次の各圧
開始点まではOFFとなるように構成されている。
第2図は、上記悪路判定部15の内容を示した図であ
る。上記演算回路5で得られた第3図(A)に示すよう
な車輪速度をあらわす信号Vw1は、周期測定回路15aでそ
の信号波形の周期Taが測定され、その結果は同期判定回
路15dに送られる。また上記上下Gセンサ31から得られ
た第3図(B)に示すような信号G1は、まず高G発生判
定回路15bにおいて、高G領域に達しているか否かが判
定され、高G領域に達した信号のみがG周期測定回路15
cに送られ、その発生周期が測定される。そして上記同
期判定回路15dではこの両者の周期が同期しているか否
かを判定し、同期していると判定した場合、これをもっ
て悪路判定条件が成立したとしている。
すなわち、上記悪路判定部15〜18は、それぞれ上記車
輪演算回路5〜8の信号ならびに上記上下Gセンサ31〜
34の信号を受けて悪路成立条件の成否を判定し、悪路判
定が成立したときは、それをあらわす信号を制御ロジッ
ク回路9、10、12に出力する。
次に、第3図について説明すると、第3図(A)は悪
路(波状路)走行中の車両における車輪速度Vwの変動を
示し、また、第3図(B)は、車輪の上下振動の加減速
度Gを検出するために、各車輪のばね下に設けられた上
下Gセンサの出力波形を示したものである。TaおよびTb
は、車輪速度Vwの変動の周期、上下Gセンサの出力波形
の周期をそれぞれ表わしている。そしてこれらTa、Tbの
間に 0.95<Tb/Ta<1.05 の条件が成立した場合、上下Gセンサ出力の周期と車輪
速度Vwの周期とが同期していると判断される。
第4図は、以上の方法で悪路判定を行なう前述の悪路
判定部15〜18の動作を示すフローチャートである。まず
ステップS1で車輪速度Vwを読みこみ、ステップS2でその
周期Taを測定する。次にステップS3で上下Gセンサの出
力信号を入力し、ステップS4で、上記ステップS3で入力
された信号が、第3図(B)で示された悪路走行時に発
生する高Gの領域に達していると判定されれば、ステッ
プS5でその発生した上下Gの周期Tbを測定する。そして
次のステップS6では、上記上下Gの周期Tbと車輪速度Vw
の周期Taの比Tb/Taが0.95〜1.05の範囲内にあるか否
か、すなわち同期しているか否かを判定し、「YES」で
あればステップS7へ進み、悪路フラッグONとし、悪路走
行に対応するアンチロック制御を行なう。ステップS4ま
たはステップS6の判定が「ON」のときはステップS8に進
み悪路フラッグOFFとして通常のアンチロック制御を行
なう。
以上の説明で本発明によるアンチロック制御装置に適
用される悪路判定方法が明らかになったが、次にこのよ
うな悪路判定がなされた場合のアンチロック制御方法の
一例について以下に説明する。
第5図はブレーキON点から最初の減圧開始点までの動
作を説明するための図で、悪路走行中の緩ブレーキ時に
おけるブレーキ液圧Pwの制御状態図である。なお、以下
の説明については、各系統速度Vs1〜Vs3を車輪速度Vwで
代表させている。
第4図のフローチャートにおいて悪路フラッグがONに
なると、ブレーキ液圧の減圧開始点判定の基準となる擬
似車輪速度VfがこのVfより低いVf′に変更される。
まず擬似車輪速度VfおよびVf′の設定方法を説明す
る。擬似車輪速度VfおよびVf′は、ブレーキON後、車輪
速度Vwの減速度が例えば1.1Gになった点Aから、まず次
式およびにより設定される。
Vf=Vw−ΔV …… Vf′=Vw−ΔV′ …… ここで、Vf′の値は、例えばΔV+5km/hとする。
そしてその後、擬似車輪速度VfおよびVf′は−1.1Gの
勾配で減速するが、その後加速に転じた車輪速度Vwと擬
似車輪速度Vfとの速度差が上記ΔV以上になった点C
(車輪速度Vwと擬似車輪速度Vf′との速度差が上記Δ
V′以上となった点)から再び減速中の車輪速度Vwの減
速度が−1.1Gになる点Dまでの間はΔVおよびΔV′が
上記式および式で設定される。そしてD点およびG
点からは前述のA点におけると同様に、またF点からは
前述のC点からにおけると同様にして設定される。
次に、減圧開始点判定方法について第5図を参照して
述べる。第5図において、一点鎖線は擬似車輪速度Vfに
よって減圧開始点を判定した場合のブレーキ液圧Pwの変
化状態を、また実線は悪路ロジックが設定されたときの
擬似車輪速度Vf′によって減圧開始点を判定した場合の
ブレーキ液圧Pwの状態を示す。すなわち、悪路判定が成
立していない場合は、減速中の車輪速度Vwが擬似車輪速
度Vfと等しくなったB点、E点、H点でそれぞれ減圧が
開始される。また悪路判定が成立している場合には、減
速中の車輪速度Vwと擬似車輪速度Vf′との交点Iから初
めて減圧が開始される。以上のようなブレーキON点から
最初の減圧開始点Iまでの悪路ロジックの狙いは、悪路
走行における緩ブレーキ時のアンチロック作動頻度を下
げ、ドライバーのブレーキ踏力に応じたブレーキ力を維
持しようとしたものである。
次に第6図は、上記擬似車輪速度Vf′にもとづいてブ
レーキ液圧Pwの減圧が開始された後の次回加圧開始時点
から始まる第2番目の制御サイクル制御以降の動作を説
明するためのブレーキ液圧Pwの制御状態図である。
ここでの擬似車輪速度VfおよびVf′の設定について
は、車輪速度Vwに対してそれぞれ所定の速度差ΔV、Δ
V′をもって追従し、かつ、車輪速度Vwの減速度が−1.
1Gになった点B、E、Hからは−1.1Gの減速勾配をもっ
て直線的に減速するように設定される点は第5図におけ
ると同様なので、重複する説明は省略する。
また第6図において、一点鎖線は擬似車輪速度Vfによ
って減圧開始点を判定した場合のブレーキ液圧Pwの状態
を示し、実線は擬似車輪速度Vf′による減圧判定の場合
のブレーキ液圧Pwの状態を示す。
まず、車輪速度Vwがハイピークに達してブレーキ液圧
Pwの加圧か開始される加圧開始点Aで悪路判定が成立し
ていない場合は、通常のアンチロック制御が実行され、
減速中の車輪速度Vwと擬似車輪速度Vfとの交点C、F、
Iからそれぞれ減圧が開始され、車輪速度Vwがハイピー
クに達する点D、Gからそれぞれ加圧が開始される。
一方、加圧開始点A以降において悪路判定が成立した
場合は、加圧開始点Aから所定時間T1、例えば0.2〜0.3
s経過するまでの間、減圧判定は擬似車輪速度Vf′を使
用して行なわれ、車輪速度Vwと擬似車輪速度Vf′との交
点より減圧が開始される。
そして、加圧開始点A以降において悪路判定が成立し
ていたが、加圧開始点AよりT1時間経過後悪路判定が解
除されていた場合は、車輪速度Vwと擬似車輪速度Vfとの
交点Iで再び減圧が開始されるが、上記T1時間経過後も
悪路判定が解除されない場合は、車輪速度Vwと擬似車輪
速度Vf′との交点Jで減圧が開始される。
このような第2番目の制御サイクル以降における悪路
ロジックの適用により、悪路制動時のアンチロック制御
時に、悪路での車輪速度の変化により頻繁に早期減圧し
てブレーキ液圧が不足してしまうということを防止でき
るとともに、適正なブレーキ液圧まで上昇させることが
できる。
また、車輪速度Vwに対する擬似車輪速度Vf′の追従速
度差ΔV′は、通常は、例えばΔV′=ΔV+5km/hで
設定されるが、前制御サイクルにおいて擬似車輪速度V
f′にもとづいて減圧が開始され、その後の次回加圧開
始点において悪路判定がなおも成立している場合には、
ΔV′は、例えばΔV′=ΔV+10km/hに変更される。
このように、最初の悪路判定のときは、ΔV′をΔV′
=ΔV+5km/hによって設定して悪路ロジックを適用
し、それ以後も悪路判定がなおも成立して悪路であるこ
とがより一層確実になってからは、ΔV′をΔV′=Δ
V+10km/hに変更するというように、擬似車輪速度Vf′
の設定を2段階としているので、これにより低μ路での
悪路ロジックの適用による悪影響を避けることができ
る。
さらに、このような第2番目の制御サイクル以降の悪
路ロジックにおいて、前回のサイクルの加圧開始点と今
回のサイクルの加圧開始点との間の擬似車体速度Vvの減
速勾配が所定値、例えば−0.1Gより急なとき、あるい
は、擬似車体速度Vvが所定速度以下、例えば15km/h以下
のときは、悪路対策の適用を中止し、擬似車輪速度Vfに
もとづいてブレーキ液圧の減圧を開始するようにしてい
る。これにより、低μ路あるいは低速時の悪路ロジック
の適用による悪影響を避けることができる。
上記悪路判定が成立して擬似車輪速度Vf′にもとづい
てブレーキ液圧の減圧が開始されると、そのことを示す
フラッグがONになる。以下これを「Vf′フラッグ」と呼
ぶ。
第7図は、以上のような減圧開始判定を行なう減圧開
始判定部19〜21の動作を示すフローチャートである。以
下、ブレーキON点から擬似車輪速度Vf′にもとづく最初
の減圧開始が行なわれるまでの先行期間すなわちVf′フ
ラッグがONになるまでの期間と、アンチロック制御が開
始されて次の加圧開始点から始まる第2番目の制御サイ
クル以降の期間とに分けて説明する。
上記先行期間では、まずステップS20でVf′フラッグ
がONか否かを判定するが、ここではこの判定は「ON」で
あるから、ステップS21で擬似車輪速度Vf′をVf′=Vf
−5km/hとして設定する。そしてステップS22で、アンチ
ロック制御作動中か否か、つまり最初の減圧開始点以降
か否かを判定する。この場合、ステップS22における判
定は「ON」となるから、ステップS23でVf′フラッグをO
FFのままとし、ステップS24へ進み悪路フラッグがONか
否かを判定する。悪路判定が成立せず、この判定が「N
O」のときは、ステップS25に行って、車輪速度Vwと擬似
車輪速度Vfとを比較し、Vw≦Vfのときは、ステップS26
に進んでVf′フラッグをOFFのままにする。そしてステ
ップS27でタイマフラグをOFFのままにし、次のステップ
S28で減圧モードを設定し、ステップS29でホールドバル
ブおよびディケイバルブの双方をONにして減圧を行な
う。また、ステップS24の判定で、悪路判定が成立して
悪路フラッグがONになっているときは、ステップS30に
進み、車輪速度Vwと擬似車輪速度Vf′とを比較し、Vw≦
Vf′のときはステップS31に進んでVf′フラッグをONに
して、ステップS27でタイマフラグをOFFにし、ステップ
S28で減圧モードを設定し、ステップS29で減圧を開始す
る。この減圧点から次の加圧開始点までは第1図のスイ
ッチSW1〜SW3がOFFになる。
次にアンチロック制御の第2番目のサイクル以降(次
の加圧開始点以降)の制御について説明する。前サイク
ルで悪路判定が成立して擬似車輪速度Vf′にもとづく減
圧が開始されたときは、Vf′フラッグはONとなっている
(ステップS31)ので、ここでのステップS20の判定は
「YES」となるから、ステップS32に行って擬似車輪速度
Vf′を、Vf′=Vf−10km/hとして設定する。そしてステ
ップS22の判定は「YES」であるから、ステップS33へ進
む。ステップS33においては、擬似車体速度が15km/h以
下か否かが判定され、この判定が「NO」のときは、ステ
ップS34に進んで、前サイクルの加圧開始点と今サイク
ルの加圧開始点間の擬似車体速度Vvの減速勾配VvGが−
0.1Gより急か否かを判定する。ステップS33の判定が「Y
ES」のとき、あるいはステップS34の判定が「YES」のと
きは、ステップS25に行って車輪速度Vwと擬似車輪速度V
fとの比較による減圧開始判定がなされる。
一方、ステップS33およびステップS34の判定がともに
「NO」のときは、ステップS35へ進み、悪路フラッグざO
Nか否かを判定する。そしてこの第2番目の制御サイク
ル以降において、なお悪路判定が成立して悪路フラッグ
がONのときはステップS36でタイマフラッグをONにす
る。このタイマフラッグは、悪路ロジックを所定時間T1
の間保持するためのものである。そしてステップS37を
経てステップS30に進み、車輪速度Vwと擬似車輪速度V
f′との比較による減圧開始判定がなされる。また、こ
こで悪路判定が成立せずステップS35の判定がNOとなる
ときは、ステップS38で、第2番目の制御サイクル以降
における加圧開始点からの経過時間Tと所定時間T1を比
較する。そしてT<T1でステップS38の判定が「NO」の
ときは、ステップS37に行ってタイマフラッグがONか否
かを判定し、この判定が「YES」のときはステップS30に
進み、擬似車輪速度Vf′にもとづく減圧開始判定が行な
われる。これに対し、T≧T1でステップS38の判定が「Y
ES」のとき、あるいはステップS37の判定が「NO」のと
きはステップS25に進み、擬似車輪速度Vfにもとづいて
減圧開始判定が行なわれる。
以上説明したように、本実施例によれば、ブレーキON
点から減圧開始点までの期間においては、悪路走行にお
けるブレーキ作動時のアンチロック作動頻度を下げ、ド
ライバーのブレーキ踏力に応じたブレーキ力を維持する
ことができるとともに、アンチロック制御作動後の第2
番目の制御サイクル以降においては、悪路での車輪速度
の変化によるブレーキ液圧の早期減圧開始を防止してブ
レーキ液圧を適正な液圧まで上昇させて、悪路での制動
距離を短縮することができる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、車
輪速度の変動状態とばね下部の上下振動状態とを比較し
て両者が同期したと判定され、かつ上記ばね下部の上下
振動の加速度・減速度のピークが所定値に達した場合
に、これらの条件をもって悪路(波状路)と判定し、ア
ンチロック制御時のブレーキ液圧の減圧を制限するよう
にしているので、的確な悪路判定を行なうことができ、
これにより悪路走行中におけるブレーキ作動時のノーブ
レーキ状態を防止し、制動力を確保することができる。
また本実施例によれば、悪路走行時の減圧開始点判定
に使用する擬似車輪速度Vf′の設定を2段階とし、さら
に第7図のステップS33、S34のように2つの悪路対策適
用中止条件(OR条件)を満たすときは悪路対策の適用を
中止するようにしたので、低μ路において悪路と誤判定
されたとき、あるいは低速走行時で悪路ロジックが適用
された場合の車輪の早期ロックの発生などの問題を回避
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による3系統アンチロック制御装置の構
成ブロック図、第2図はその悪路判定部の説明図、第3
図は悪路判定方法の説明図、第4図は悪路判定方法を示
すフローチャート、第5図はブレーキON点から最初の減
圧開始点までの制御状態図、第6図はアンチロック制御
後の第2番目の制御サイクル以降の制御状態図、第7図
は減圧開始判定方法を説明するためのフローチャート、
第8図は従来のアンチロック制御方法における制御状態
図である。 1〜4……車輪速度センサ 5〜8……車輪速度演算回路 9、10、12……制御ロジック回路 11……ローセレクト回路 13……擬似車体速度演算回路 14……擬似車体速度減速勾配判定回路 15〜18……悪路判定部 19〜21……減圧開始点判定部 31〜34……上下Gセンサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の車輪速度の検出に基づいてブレーキ
    液圧の加圧または減圧を交互に行なうアンチロック制御
    装置において、 上記車輪速度の周期的変動を検出する手段と、 車両のばね下部の周期的上下振動を検出する手段と、 アンチロック制御時における上記車輪速度の変動状態と
    上記ばね下部の上下振動状態とを比較して、両者が同期
    したか否かを判定する手段と、 この判定手段により上記両者が同期したと判定された場
    合、これに応答してブレーキ液圧の減圧を制限する手段
    と を備えていることを特徴とする車両のアンチロック制御
    装置。
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